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三行書評 第110回

2003.7.28

 五つ星が満点。

菊地義明
『誤訳・悪訳・珍訳大研究』
(日本実業出版社ISBN4-534-02272-7)
お薦め度 ★★★★★
あらまし ベストセラーのみならず《誤訳・悪訳を指摘した先人たちに見られる間違いを実例をもってヤリ玉にあげる“挑戦”の書》(表表紙見返から)。
コメント 先人の1冊を読んだことがあるが、英語の解釈のみに終始していて面白くなかったのに対して、本書は、日本語(訳語・訳文)に関する指摘が半分以上を占めるようだ。外国語を勉強しても母語以上のレベルにはならないと考えれば当然かもしれない。
吉村昭
『漂流記の魅力』
(新潮新書ISBN4-10-610002-9)
お薦め度 ★★★
あらまし 江戸時代、遭難しながら幸運にも帰国できた漂流民に関する数々の記録の中から『環海異聞かんかいいぶん』にみる海洋文学。
コメント 『大黒屋光太夫』のような――実際に話されたかどうかわからないセリフが出てくる――小説よりも、一次史料に近い形で書かれた本のほうが僕は好きだ。
NHK「誰もいない部屋」制作グループ
『誰もいない部屋』
(扶桑社ISBN4-594-02868-3)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 間取りや調度品・本棚・商売道具などから、住人の職業を推理するバラエティ番組『誰もいない部屋』(1999年4月から2000年3月まで毎週日曜日放送/それ以前にも不定期放送期間あり)。その放送を本として再構成したもの。
コメント 1年間で終了するのは実に惜しい番組だった。意外と憶えているもので、読み進むうちに正解を思い出してしまった。オススメです。