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三行書評 第118回

2003.9.29

 五つ星が満点。

ナンシー関
『ナンシー関大全』
(文藝春秋ISBN4-16-365160-8)
お薦め度 ★★★★★
あらまし ナンシー関の作品(コラム・消しゴム版画など)から厳選した傑作選。
コメント ナンシー関という稀代のコラムニストを、本人が亡くなるまで恥ずかしながら知らなかった。読んでみたいとは思っていたものの、刊行冊数が多いため尻込みしていたところに飛び込んできた“夏の虫本”^_^;。本サイトで書いている事柄と相通ずるテーマが多いのだけれども、その慧眼と表現力には完全に脱帽である。僕なんか足元にも及ばない(当たり前か)。
坪内祐三
『一九七二』
(文藝春秋ISBN4-16-359680-1)
お薦め度 ★★
あらまし 《ひとつの時代の「はじまりのおわり」であり、「おわりのはじまり」でもある》1972年について、政治経済とは無縁な風俗文化サブカルチャー――連合赤軍・ポルノ解禁・ロック・『ぴあ』など――に焦点を当てて読み解く。月刊誌『諸君!』2000年2月号から2002年12月号に連載。
コメント 僕の心に迫る評論となっていないのは、僕が1972年には幼すぎたために同時代性を共有できないせいかもしれない。1972年を体感している人にとっては頷くことばかりなのかもしれない。