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もう少し利用者のことを考えよう

2003.11.19

「一般道路から首都高速道路へ交通の転換を図り、一般道路の沿道環境改善、渋滞対策等の効果影響を調査することを目的として首都高速道路夜間割引社会実験を実施」するそうである(首都高速道路公団サイトで発表された資料より引用)。それによると、東京線は700円が400円(最大割引時)、神奈川線では600円が300円(同)だそうである。

 ところがここにちょっとした“マジック”がある。

 たとえば東京線の普通車の場合、ETC(Electronic Toll Collection system:料金所で停止することなく通行料金の精算ができるシステム)の利用者に限って深夜1時から4時までの通行料700円が462円(割引率34%)になり、さらに――ここからが大切なのだけれども――購入価格5万円で5万8000円分の通行料を支払えるプリベイドカード(前払割引率13.8%)を購入した場合のみ400円(正確には398円24.4銭)になるのである。

 それやこれやを考えると、ETC普及促進策のひとつであると思われる。ま、それはそれでなかなか良い策だと思われるけれども、気になることがある。

 みなさんの家の引き出しに、テレフォンカードという名前のプリベイドカードが眠っていませんか? まる三の場合、会社創立記念とか結婚記念とか退社の挨拶で配られたテレフォンカードが13枚6500円分眠っている(全部未使用)。プリベイドカードというのは意外と死蔵されてしまい、使われないのだけれど発行者の収入には確実になるという“魔法のカード”と言えなくもない。

 首都高速道路夜間割引社会実験協議会(国土交通省・東京都・首都高速道路公団など)の思う壺にはまらないように気をつけてくださいね。利用者のことを考えていないのは相変わらずのようだ