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三行書評 第133回

2004.1.19

 五つ星が満点。

木村迪夫*1
『百姓がまん記』
(新宿書房ISBN4-88008-280-5)
*1…迪夫の正しい字はシンニョウの点が二つある
お薦め度 ★★★★
あらまし 木村さんは山形県上山市牧野まぎの在住の農家兼廃棄物収集処理業兼詩人。1997年5月から2002年3月までほぼ毎月一回、朝日新聞山形版に連載された「村でうたう」に加筆修正したもの。
コメント 《政府が言い出したら、ぜったいおらだの言うごどなどに耳貸さねず、今まで一度もおらだの言い分など聴いでけだどぎあっかず》というのは、一九七〇年に減反政策が始まったときの堰の上の加助じいさんの言葉だそうだが、三十数年前からそうなんだと悲しい納得をした。
フジテレビトリビア普及委員会
『トリビアの泉I』
(講談社ISBN4-06-352702-6)
お薦め度 ★★★★
フジテレビトリビア普及委員会
『トリビアの泉II』
(講談社ISBN4-06-352703-4)
お薦め度 ★★★★
あらまし 活字化されている4冊のうちの2冊。
コメント 深夜放送時代の『トリビアの泉』を知らないせいかも知れないけれど、「高橋(克実)語録」が圧倒的に面白かった。
梶原しげる
『口のきき方』
(新潮新書ISBN4-10-610033-9)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 「思います連発症候群」をはじめとした放送や日常会話で耳にする奇妙な言葉、若者言葉の意外な(?)効用、しゃべりの達人の技、そして口のきき方の秘伝まで、アナウンサー歴30年の著者が綴る現代日本語しゃべり言葉事情。
コメント ぜんぜん関係ないけれども、文化放送アナウンサーの後輩である吉田照美さんや小俣雅子さんによると、梶原さんの字の下手さは半端じゃないらしいです。それはともかく^_^;、すべてを鵜呑みにする必要はないけれども耳を傾ける価値はあると思う。
上野千鶴子
『国境お構いなし』
(朝日新聞社ISBN4-02-257851-3)
お薦め度 ★★★
あらまし 遥洋子さんに東大でケンカを教えた上野千鶴子さんが綴るエッセイ集(『群像』連載「百年の孤独」ほかを所収)。
コメント 後半に行くにしたがって評論になってしまい、難解になっていった(あくまで僕にとってだけれども)のが★3つの理由。