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三行書評 第139回

2004.3.1

 五つ星が満点。

後藤尚久
なるほどナットク!電波がわかる本』
(オーム社ISBN4-274-03616-2)
お薦め度 ★★★
あらまし 電荷・導体・誘電体・フレミングの法則(右手左手)といった基礎から始まり、電気力線磁力線を経由して電波の放射へ、さらに発信アンテナの話を挿んでからAM・FM・PCM・CDMAなどの実用化技術を説明。
コメント 一言で言えば“帯に短し襷に長し”だ。自分が知識不足であることももちろん(?)寄与しているのだけれど、数式も出てきて難しいんだよね。まる三は、豊富な図と自分の右脳を頼りに、イメージで追ってみました。
桂米朝×筒井康隆
対談笑いの世界』
(朝日新聞社ISBN4-02-259835-2)
お薦め度 ★★★★
あらまし 文化功労者と紫綬褒章受賞者が、「笑いの世界」にとどまらず幅広く際限なく続いてゆく対談。ま、結論が出ることもなくとも言えるのだけれど。
コメント 「笑いの世界」の奥深さ(空間的な広がりと時間的な蓄積)を感じさせてくれた。
橋本五郎監修読売新聞新日本語企画班
『新日本語の現場』
(中公新書ラクレISBN4-12-150076-8)
お薦め度 ★★★★
あらまし 文化部・英字新聞部・編成部・校閲部などから自主的に集まった年齢も様々な記者たちが、橋本編集委員のもとで「気になる若者言葉」と「氾濫するカタカナ語」という切り口で、“新日本語”を探索する。
コメント “日本語を守れ”という立場と“言語は変化するものだ”という立場。どちらに立つのかは難しいですね。20世紀初頭には「超満員」が非難されたなんて知ると言葉は変わっていくんだなーと思うし、北川正恭・元三重県知事は《組織に組み込まれた「課長」ではなく、自己裁量権と決定権を持ち、事業をマネジメント(経営)する人、という哲学を込めて》「マネジャー」という呼称を導入したなんて話を知るとカタカナ語も便利だなーと思ってしまう。優柔不断なまる三です。
泉麻人
『僕の昭和歌謡曲史』
(講談社ISBN4-06-210091-6)
お薦め度 ★★★
あらまし 『上を向いて歩こう』(坂本九1961年)から『川の流れのように』(美空ひばり1989年)まで、48曲を糸口にした泉さんの青春記。月刊『IN☆POCKET』連載。
コメント よくもまぁ細かいことを憶えているもんだと感心する。あ、褒め言葉ですよ。