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三行書評 第149回

2004.5.17

 五つ星が満点。

海野弘
『スパイの世界史』
(文藝春秋ISBN4-16-365410-0)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 「スパイ」をキーワードに紐解いていく近代史(第一次世界大戦から9・11まで)。MI6・CIA・KGB・モサドなどが多数登場する本文512頁の労作。
コメント 著者が疑わしいと思っている説も含めて、諸説あれば併記する親切さが嬉しい。12頁にわたる参考文献一覧と14頁にわたる索引が付いているので、さらに詳しく知りたい人にも役立つかも。
吉川潮
『わが愛しの芸人たち』
(河出書房新社ISBN4-309-01593-X)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 新聞や雑誌や落語会のプログラム原稿や文庫本の解説など、作家であり演芸評論家である著者が書いた演芸に関する文章を集めた本。
コメント ふだんは辛口で人の悪口ばかり書いているそうだが、「愛しの芸人」に関する文章ばかりを集めたせいか、本書を読む限りそうは思えない(「芸術祭に袂別するの辞」に少々片鱗が窺えるか)。芸人への思いやりが感じられる。