←前回 次回→ ?今月の目次 ジャンル別一覧  ご意見ご感想はこちらから

なぜ“合併”?

2004.6.15

 ブルーウェーブとバファローズが合併しよう話し合っているらしい。年間40億円の赤字を抱えている近鉄にオリックスが救いの手を差し伸べるという形らしい。

昔、Jリーグに横浜フリューゲルス(ASフリューゲルス)というチームがあった。スポンサーだった佐藤工業が本体の経営悪化から手を引くことになり、共同スポンサーだった全日空は「単体では支えていけない」と判断して横浜マリノスとの合併(実質はマリノスによる吸収)を決め、横浜Fマリノスが誕生した。
Jリーグのチーム数が一つ減ったわけだけれども、下部組織(JFL)からの昇格で1999年も同じチーム数で戦った(正確には、Jリーグ下位チームとJFL(のJリーグ準加盟)上位チームとの間でJ1参入決定戦を行い、J1とJ2の2部制としている)。

 プロ野球には――二軍はあるけれども――下部組織なんてないから、ブルーウェーブとバファローズが合併したらパ=リーグは5球団にならざるを得ない。そうなると、「1球団はお休み」という変則(?)日程を強いられることになるが、三日間(もしくは四日間)お休みしたチームと三連戦したチームが戦うことになるわけで、公平性に問題が出てくるような気がする。

 かと言って6球団制を維持するためには、近畿日本鉄道が球団経営をあきらめて球団を手放すか、合併した上で新規参入を認めるしかない。ところが、球団を買った側は日本野球機構に30億円を支払わなければならないし、新球団設立となると60億円を支払わなければならないので(この御時世では)現実的ではない。

 だから、“1リーグ制”という話が出てくるわけだ。

ところが、1リーグ制の最大の問題点(とまる三が考えているの)は「日本シリーズが無くなってしまうこと」だ。これは盛り上がりに欠けませんか。「1位チームと2位チームで……」という案があるかもしれないけれど、イマイチ盛り上がらないと思うんだよね。
オールスターにしたって、ふだん戦うことのない投手と打者が対決するから見たいのであって、ふだんから対決しているのだったらこれまた興味がそがれてしまう。

 で、12球団2リーグ制を維持するための選択肢を考えてみた。

  1. 市民球団方式
    40億円の赤字を補うための市民オーナーを募集する。一口10万円/年として5万人の出資者があれば50億円集まるのである。
  2. 加盟料免除
    30億円もしくは60億円の加盟料免除(できれば特例ではなくて野球協約の改正)を認めれば、(ヴィッセル神戸を買い取った楽天のように)参入してくる企業はあると思う。
    ちなみに、TBSがマルハから横浜ベイスターズの株式を取得したときには免除された。
  3. テレビ放映権料の分配
    テレビ放映権料の契約を、球団ごとではなく日本野球機構との契約として12球団の均等分割とする。
    この方式をとれば、優勝争いがかかった試合を優先して放送できるといった副産物も生じる。
  4. サラリーキャップ制の導入
    選手の年俸総額が一定額を超えた分に応じて、日本野球機構に“贅沢税”を納め、サラリーキャップを超えなかった球団に分配する。
  5. 大阪読売ジャイアンツ
    これは『吉田照美のやる気MANMAN』(文化放送/月〜金13:00〜16:00)で(ジャイアンツファンの)木村政雄さんがおっしゃっていたのだけれども、バファローズを読売が買ってしまうという荒業(?)である。

 いろいろ書いたけれども、“球団経営は大変だけれども何としてもプロ野球にかかわりたい”近畿日本鉄道という会社が元凶で、選手不在・観客不在でコトが進んでいるのが非常に気に入らない。

今年のエイプリルフールにBリーグ構想という妄想を披露したことがあります。
part2も書いてみました。