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アテネ五輪中継のトホホ

2004.8.31

 アテネオリンピックが閉幕した。金メダル16は東京オリンピックと並び、銀メダル9銅メダル12と合わせたメダル総計37は1984年のロサンゼルスオリンピック(金10銀8銅14:計32)を抜いて史上1位だそうである。

 日本代表は文句なしに頑張ったけれども、中継についてはところどころトホホがあった。たとえば――

野球中継のトホホ
飛球があがってもボールを追えず、ボールを追う外野手を追っていた。だから下手をすると、柵を越えたホームランボールが画面に入らないことがあった。トホホ。
アーチェリー中継のトホホ
「それではアーチェリー男子個人決勝の模様をご覧ください」というアナウンスで、山本博×マルコ=ガリアッツォ(イタリア)のアーチェリー男子個人戦決勝の録画中継が始まった直後に、「山本博がアーチェリー男子個人で銀」旨のニュース速報が入った。結果を教えるなよ。トホホ。
柔道中継のトホホ
「待て」がかかったときに、どちらかの選手(多くの場合日本代表選手)のアップが映っていた。この場合――特に立った状態で「待て」がかかったときには――どちらかに“指導”が出されることが多いので審判を注目したいのだけれども……。トホホ。レスリングでも似たような状況が生まれていた。
水泳中継のトホホ
『清水圭のスポーツボンバー』(TBSラジオ/月18:00〜20:00)にゲスト出演していた長崎宏子さんが「北島康介選手のストローク数に注目すると面白いかもしれません」と言っていたので、数えながら見ようと思った。ところが、高い所→水中→プールサイド→高い所→コースロープ上→水中→高い所→プールサイド……とカメラが頻繁に変わるのでストローク数なんて数えようがなかった^_^;。ダイナミックな映像と引き換えになっているんだなぁと思った。トホホ。
民放各局の番組構成のトホホ
たとえば柔道で言えば日本選手の試合が終わるとスタジオに替わってしまったり、たとえば野球で言えばCMと中継の間に意味不明(としか思えない)スタジオの司会者のコメントが入ったり……。つまりは競技そのものを否定した娯楽度追及姿勢がまる三は我慢ならない。トホホ。

 サッカーのワールドカップに際しては、全世界からベテランカメラマンやディレクターに招集がかかってHBS(Host Broadcast Service)を組織して国際映像を作っていると聞いたけれども、アテネオリンピックに関してはそんなことはなかったようだ。もしそうなら、“野球中継のドリームチーム”がアテネに行ったはずだもん。

「田村でも金、谷でも金」とおっしゃていた谷亮子選手には、「母でも金」を目指して欲しいと思っております。