←前回 次回→ ?今月の目次 ジャンル別一覧  ご意見ご感想はこちらから

三行書評 第168回

2004.10.5

 一日遅れの三行書評。五つ星が満点。

J.C.カリエール・G.ベシュテル
『珍説愚説辞典』
(高遠弘美/国書刊行会ISBN4-336-04529-1)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 《化石になるのは絶滅してもはや存在しない種である。人類は絶滅した種ではない。きわめて確実なこうした理由からして、人類が化石になることはありえない。》といった愚説や《異端者とは自分の意見を持っているものの謂である。》といった珍説を3500項目にわたって紹介。
コメント 二段組749頁という大著(立派な辞典)なので、全文を読むのは大変だけれど、訳者の高い日本語能力もあって楽しく読める。『博物誌』で有名なジュール=ルナールが意外と辛辣な日記を書いていたことにびっくり。
小林信也
『スポーツジャーナリストで成功する法』
(草思社ISBN4-7942-1307-7)
お薦め度 ★★★★
あらまし 「あとがき」に書いてある通り、《失敗談を通じて成功のヒントを語る本》。
コメント 《楽々スポーツライターになりたいなら、/「お笑い芸人か、有名なスポーツ選手になるのが早道だよ。それが無理なら、経済力のある伴侶をみつけること」》という説に納得。TBSラジオの『スポーツBOMBER!』のパーソナリティが清水圭・工藤公康・佐々木主浩・井原正巳・田中雅美・山本圭壱・中西哲生という布陣であることを見るにつけ、後段はともかく前段は正しいと思った。
丸谷才一
『犬だつて散歩する』
(講談社文庫ISBN4-06-184524-1)
お薦め度 ★★★★
あらまし 1985年から1986年にかけて『小説現代』に連載したエッセイをまとめた一冊。
コメント 外国人に鮨を食べさせるときの“裏技”に関する話はためになった(「外人接待法」)。詳細は読んでみてください。