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三行書評 第180回

2004.12.27

 五つ星が満点。

ジョン=ダービーシャー
『素数に憑かれた人たち』
(松浦俊輔/日経BP社ISBN4-8222-8204-X)
お薦め度 ★★
あらまし ベルンハルト=リーマンが1859年に『与えられた量より小さな素数の個数について』という論文の中で提示した「ゼータ関数の自明でない零点の実数部はすべて1/2である。」という推測は、145年経った今になっても証明も反証もされておらず、“リーマン予想”と呼ばれている。イギリスで高等数学教育を受けた小説家と名古屋工業大学助教授から転身した翻訳家というコンビによって、何を言っているのかわからない呪文のような日本語が、おぼろげながら^_^;わかってくる仕掛けになっている。
コメント 《著者は本書の読者を、高校でそこそこ数学ができて、大学でも数学の科目をいくつか取ったことがある人と想定している》(「訳者あとがき」から)ので、知恵熱が出そうでした。少々ハードルが高いので★2つです。
佐藤しんり
『光触媒とはなにか』
(講談社ブルーバックスISBN4-06-257456-X)
お薦め度 ★★
あらまし 近頃話題の「光触媒」について、四十数年にわたって研究してきた著者がその仕組みを解説。
コメント 「木ばかり見せて森を見せてくれないなぁ」と思っていたら、《光触媒反応のメカニズムに力を入れた書いた》と「まえがき」に書いてあった。それについては納得したけれども、仕組みに重点を置いているにもかかわらず「光触媒とはなにか」という大仰な題名はいかがなものかと思いました。