←前回 次回→ ?今月の目次 ジャンル別一覧  ご意見ご感想はこちらから

三行書評 第192回

2005.3.21

 五つ星が満点。

粟津則雄
『正岡子規』
(講談社文芸文庫ISBN4-06-196336-8)
お薦め度 ★★★★
あらまし 正岡子規が発表したものはもちろん、漱石や虚子や碧梧桐などとの私信の遣り取りまで徹底的に読み込んだ著者が子規の実像に迫る。亀井勝一郎賞受賞作。
コメント 《少しも無御座候得共》《一昨年のやうに衰弱不致候へとも》《今年の夏ハ到底むつかしくと存居候へともそれも分り不申候》といった引用文が頻出するので大変だったが、子規の巨人ぶりを垣間見ることができたような気がする。

 段落が長くて、ページにびっしり文字が詰まった文章――僕は“黒豆の煮物重”のようだと表現してますが――なせいもあって読むのが大変でした<言い訳。