PARIS → ANTWERPEN 2015年03月 
ベルギー&買うだけパリ2日目



1階(日本式2階)なので外の声が少し聞こえたせいかよく眠れないまま3時に起床。
5時にかけた目覚ましがなるまで、PCで色々チェックしながら荷造りや支度も同時進行!

ふと腕時計を見ると、04:45で止まっているのを05:15に気が付いた・・・(-.-)
電池は4か月前に取り換えたばかりなので???
時刻を直してから少し振ったりして喝を入れてやったけどどうなることやら・・・
それから充電済みの電池をカメラに収めようとしたらカチっと押し込めない・・・
写真なしの旅になるかと焦ったが何とか収まった。でも直ったというより無理に収めた感ありでこの先不安・・・

朝からなんだかイヤなことが続く・・・

エクスペディア経由で支払済み、でもどんな事で時間がかかるかわからないし、荷物も預けるし・・・と、
少し早めの6時半に部屋を出たけれど、チェックアウトはあっけないほどすぐ終了。
で、スーツケースの話になると、「大きすぎる」だの「期間が長すぎる」だので預かれないと言う。

・ホテル案内には荷物預かり可能と出ているじゃないか
・昨日のスタッフは現物を見、日程も知ったうえで預かりOKと言った

などなど最初は強気で言ってたけれど、まったくもって相手にしてくれない。
違うスタッフ(こちらも年配の男性)がバックヤードから出てきたけれど、言う事は同じ。

私の力じゃこの二つの荷物持ってベルギーに行けない・・・云々泣き言に変えても、
実際のストレージを見せて、「こんなに狭いので無理」と慇懃無礼に連呼するのである。
「何とか預かってもらえないか・・・」とすがるように言ったり弱々しく言ったり演じても、
「気持ちはわかるけれど無理、駅の荷物預かりに・・・」などと言うのである。
「駅に預ける位ならこちらで有料で預かってくれないか?」まで譲歩しても、答えはノーだった。
確かにこのホテルに専用ストレージはなく、狭いロビーの一角に衝立をして置き場を設けているだけなのだ。
「では預かり可能ってなに?」と聞くと、チェックイン前やアウト後の当日を意味しているというのである。最低。
じゃ昨日のスタッフの言葉はどういう事よっ!

ムカつきながらも持って出るしかない・・・スーツケースとピギーを両手で引っ張って駅へ。
わかりにくい場所にある荷物預かり所をやっと探し出したものの、1日(24時間)10ユーロもする!
ピギーに入りきれないためスーツケースの中に置いていく物もあったし、
その6日分60ユーロ、移動の際のタクシー代に充てればいいじゃん・・・と、持ち歩くことにした。
だったら到着時のようにひとつにまとめておけばよかった・・・
というか、このホテルに泊まるメリットはサラサラなかったわけだ・・・

と言うわけで長〜い愚痴m(__)mで2日目がスタート!

大荷物を持ってタリスの案内所付近で、電光掲示板に出発ホームが表示されるのを待ちます。

タリス専用案内所ポインタしてね 左:出発案内/右:到着案内 出発時間/停車駅/下に車両表示

電光掲示板にホームが表示されると民族移動さながらに人のうねりが・・・
ホーム入り口で刻印し、長いホームをスーツケースとピギーを引っ張りながら前へ前へと進みます。
行き止まり駅の場合、手前が1等、2等はホームの先と条件が悪くなるのはよくあること。
ブリュッセル行きなら短いけれど、乗るのはアムステルダム行きなのでタリスを2本繋いでおりとっても長い!
屋根が途切れた先にまだ10両位続いており、私の乗る16号車はほとんど先端・・・

ホーム入り口で刻印を忘れず! 先頭と最後尾は真紅/サイドはグレー シンボルカラーの赤いシート

 Paris Nord→Antwerpen Centraal 0725→0927 Thalys9309  .

乗車口を上がった所にある荷物置き場にスーツケースを置き、ピギーを持って席へ。
買う時に窓際&進行方向前向きを希望したので条件は良かったですが、私の席はその車両の一番奥でした。
ぴったり07:25、音もなく滑るように出発、結構な乗車率でしたが隣はいなかったのでラッキー♪
首都パリなのに北駅出るとすぐに田園風景、のどかな景色をぼ〜っと眺めていると08:45にブリュッセル到着。
ブリュッセルはいくつか駅がありますが、タリスなどはミディ駅に停まります。
ここで隣に人が来てしまいました。

15分ほど停車し、9時出発、私の降りるアントワープには8分遅れで09:35に到着。
タリスは深い地下ホームに着くので、エスカレーターを何本か乗継いで地上へ。
ちなみにアントワープとは英語での読み方、現地語はオランダ語でアントウェルペンと発音します。

アントワープ中央駅は、1895年から10年もかかって建てられた壮大なもの。
現在は国の重要文化財に指定されています。

ポンタしてね 切符売り場のあるグランドフロア 重厚な大理石の色がきれい
西側の出入り口 北側出入口前には観覧車が

まずはホテルへ。西側の出口を出るとすぐ目の前なので便利です。ま、それで選んだのですが・・・
荷物を預かってもらって身軽になり、まずはインフォメーションで情報を得るため再び駅へ。
とってもフレンドリーなおじさんがいて、地図に印をつけながら「歩いて行きなさい」と。
当初、トラムで旧市街の中心まで行ってから歩くつもりだったのですが、
「道中が楽しいし、こんなビューティフルなお天気に歩かないなんてもったいない!」と力説されました。

という事で歩きます!歩くと色々見つけられますねぇ。
全くチェックしていなかったオペラ座があったり、クワトロカンティみたいな重厚な建物の交差点があったり、
デパートやファッショナブルなお店の建物自体が由緒あったり、帰り買って帰ろう的スーパーもめっけ。

まずは通りを少し入った左手のルーベンスの家へ。定休日承知で外観だけでも・・・とやって来ました。
ルーベンス抜きにアントワープは語れませんから・・・

ルーベンスの家 月曜定休でがっかり

アントワープは月曜定休の所が多いです。この後いくつもノックアウトを被ります。(-.-)
ホテルを手配した後に気が付いたので覚悟はしていましたが、今思うと変更すべきでしたね。

チョコレートラインの入っている建物

建物が素晴らしいしチョコレートも有名だとインフォのおじさんに勧められたチョコレートライン・・・
確かに建物は由緒ありそうでしたが、スーツケースを重くする事は今できないし・・・ひと回りしただけですぐ退散。

この辺りから旧市街らしくなり、重厚な建物が増え、道も直線ではなくなってきました。

ズンズン西に歩くと右手に工事真っ只中のフルン広場(Groenplaats)。
中央に1843年に建てられた画家・ルーベンスの像が建てられています。
ちなみにフルネームはピーテル・パウル・ルーベンス(1577〜1640年)
アントワープで大規模な絵画工房を経営、数々の作品を発表し高い評価を受け名声を得ることになりました。
フルン広場に向かって建っている重厚な建物は、
20世紀初めのベルギー最初のデパート、グラン・バザールのファザードを活かしたヒルトンホテルです。
ヒルトンを右手にフルン広場を突っ切って世界遺産のノートルダム大聖堂(O.L.Vrouwekathedraal)へ。

別名・聖母マリア大聖堂とも呼ばれ、英語表記は Cathedral of Our Lady です。素敵♪(入場料6ユーロ)

ベルギーとフランスの鐘楼群

ベルギー、フランス両国合わせて56の鐘楼が登録されている。
1999年にフランドル地方とワロン地方の鐘楼群として32の鐘楼が世界遺産に登録されたのが最初。
2005年にワロン地方のガンブルーの鐘楼、フランスの23の鐘楼の追加登録により現在の名称となった。
なおブリュッセル市庁舎の鐘楼は、それが包含されるグラン=プラスが世界遺産に登録されたため、重複回避のため登録解除された。

ノートルダム大聖堂の鐘楼
1352年から180有余年の歳月をかけて建設されたベルギーで一番大きなゴシック教会。塔の高さは123m。

1999年、2005年拡張 世界遺産・文化遺産に登録された。

1352年に着工し180有余年の歳月をかけて完成・・・というか、資金不足で1535年に建設を終了したらしいです。
複数の塔を建てる予定が1塔のみになったとはいえ、123mの鐘楼は威風堂々と剛健です。

巨大な上、周辺は込み入っているので少し離れないと全景は撮れません
ゴシック教会です Our Lady of Antwerp

こちらでの一番の楽しみはルーベンスの作品を見る事でした。

キリスト昇架(1609〜10年の作品)

もともと聖ワルブルヒス教会(1817年に取り壊され今は存在しない)の主祭壇のために描かれたものですが、
1816年以降このノートルダム大聖堂に所蔵されています。


キリスト降架(1611〜14年の作品)

大聖堂内ギルドの祭壇のために描かれました。
このギルドの守護聖人・聖クリストフォロス(イエスを肩に乗せ川を渡る)は左側パネル裏に描かれています。
ちなみにクリストフォロスとはキリストを担う者という意味です。
ノートルダム大聖堂と言えば『フランダースの犬』のラストシーンが有名ですね。
念願のルーベンスの絵を見た少年ネロが愛犬パトラッシュと共に天に召される感動のシーン、
それはこの「キリスト降架」の絵の前でした。


聖母被昇天(1626年の作品)








聖母マリアの霊魂がその肉体と共に天に上げられる様子を描いたものです。
イエスは「昇天」とされるのに、聖母マリアの場合は「被昇天」とされるのはなぜ?とふと感じ調べてみました。
聖母マリアの場合は、神やイエスの導きにより天使たちの力で天に上げられているからだそうです。
確かに、大勢の天使たちに支えられながら上へ上へと導かれているのがよくわかります。
今まで幾度となく目にした天使たちが描かれた絵画、そういう意味だったのかと理解しました。今更ですが・・・


埋葬されたキリストが3日後に復活した場面を描いた「キリスト復活」の画像がなぜかない・・・(-.-)

向かって右側廊にあったもの。惹きつけられたので・・・

美術館のような大聖堂

赤い特設台に沢山の宗教画が展示され、美術館のような大聖堂になっていますが、
フランス革命以前にノートルダム大聖堂が所有していた作品を、里帰りさせ展示するという「リユニオン」です。
リユニオンは2017年までの予定なのでラッキーだったわけですね。

じっくりゆっくり拝観できました。フラッシュを焚かなければ撮影が可能っていうのはありがたいですね。
ルーベンス以外にもたくさんの素晴らしい宗教画を見ることができ、安らかな気持ちになれました。


ノートルダム大聖堂の北西(すぐ裏手)に位置するグローテマルクト(Grotemarkt)は、
アントワープの名前の由来になったという伝説のブラボーの噴水、市庁舎、ギルドハウスに囲まれています。

ベルギーとフランスの鐘楼群/市庁舎の鐘楼

1561〜1565年にかけて建てられたルネッサンス建築。

1999年、2005年拡張 世界遺産・文化遺産に登録された。

ブラボー像とギルドハウス グローテマルクトの市庁舎

広場の中央には、1887年にジェフ・ランボーが作成したブラボー像が建っています。
よく見ると、掲げている切り取った手首から水が出ているという穏やかじゃない噴水なんですが・・・
ブラボーBraboとは、ブラバントという名の紀元となった古代ローマの兵士の名前です。
その昔、スヘルデ川の通行権を牛耳り、従わない者の手首を切り取っては川に捨てたという巨人ドルオン・アンティゴーン、
その暴威を英雄ブラボーが同様の手口で退治したという伝説です。
アントウェルペン(アントワープ)という地名の由来は、手(ant)を切り取って投げた(werpen)からきています。


さてお腹すいた・・・とやって来たのはDe Taloorkes(ドゥ・タロールケス)
店の前の歩道にテーブルセットが出、壁に手書きのメニューがびっしり書かれていましたが、寒いので中へ。
(この時期のベルギーやパリはまだ寒く、ロングのダウン(中は薄着)で正解でした。)

右に手書きのメニューが・・・ 文字上の赤い所に手のマークが・・・ 名物シコンのグラタン

オランダ語で黒板に手書きされている本日のランチセットを、お店の人が口頭(英語)で説明してくれました。
メインは魚、肉、野菜など4種あり、豚肉のチーズ包みに心が揺れたけれど、
せっかくなのでアントワープらしい名物料理のアラカルトは?って尋ねると、勧めてくれたのはシコンのグラタン。
ガイドブックにも出ていたし、ランチセットより高いので期待を込めてシコンのグラタンにしました。
後から入って来たジモティの、先に出てきたボリューミーで美味しそうなランチを眺めつつ、
アントワープの地ビール「デ・コーニンク」を飲みつつ、「時間がかかるのは期待できる」と待っていました。

シコンとはチコリの事、ハムで巻いたベルギーチコリをホワイトソースをたっぷりかけて焼いたもの。
サラダなどで口にするチコリとはちょっと違い、白菜みたいな食感でした。う〜んどこにでもある味かな・・・
グラタン皿の1/3(右上の写真だと皿の上の方)がマッシュポテトって多すぎ、マッシュポテトはほとんど残しました。
う〜ん満腹、でも満足には遠いなぁ・・・常連さんのようにランチからチョイスした方が正解のようですね。


腹ごなしに歩きましょ。
スヘルデ川に出る手前、レンガ造りのゴシック様式建物が肉屋のギルド・ハウス (Vleeshuis)

肉屋のギルドハウス これまた中に入れず・・・

1501年から1504年にかけて建造された後期ゴシック様式で、19世紀中頃まで肉の売買が行なわれていました。
現在はアントワープにおける重要な工芸に関する博物館になっていますが、またもや月曜定休・・・(-.-)
ギルドとは中世の商人や職人たち商工業者たちが結託した組合のこと。
アントワープ精肉事業者協同組合本部ってなところでしょうか。
外観を見ただけでも、当時の精肉業の繁栄ぶりがうかがい知れますね。


通りを渡ったむこうはSchelde川、その手前川岸にお城が建っています
Scheldeの読み方はシュヘルドともスヘルデとも。オランダ語やフラマン語が混在するアントワープならではですね。

国立海洋博物館(ステーン城)(Steen National Scheepvaartmuseum)

ステーン城 スヘルデ川岸から見た旧市街

アントワープで最も古い建造物の一つで、13世紀初頭に築かれた市壁の一部です。
1520年頃、カール五世の時代に大きな改築が加えられ、
1549年に市の所有となってからは、1823年にいたるまで牢獄として利用されていました。
ステーン=ストーン、石のお城ということですね。
現在は海洋博物館になっていますが、これまた月曜で入場できません。
建物内には入れませんが、城内へは入れます。
小さな子供たちを見下ろす男の銅像(昔話に登場する陽気な巨人ランゲ・ワッパー)横から、
坂を少し上ると中庭、そして建物の窓から内部を少し垣間見られ、
更に階段を上がるとスヘルデ川の木製デッキまで入ることができます。
ここから川の眺めはイマイチですが、旧市街の遠景が楽しめます。


川沿いを南に歩いて、目指すは世界遺産のプランタン・モレトゥス博物館(Museum Plantin Moretus)。
でもこちらも月曜定休で入れません。
それを承知の上やっぱり外観だけでも見たい・・・とやって来ました。

プランタン・モレトゥス博物館 

正式には「プランタン=モレトゥスの家屋・工房・博物館複合体」。
16世紀にクリストフ・プランタンが経営した、当時のヨーロッパで最大規模を誇った印刷所です。
明朝出発を午後にし再来するかだいぶ悩んだのですが、10時オープンなのでちょっと厳しいか・・・残念です。


さて同じ道じゃつまらないので、帰りは小さな商店街が入り組んだ通りをジグザグに・・・
美味しいと噂のパン屋さんをやっと見つけるも、ここも月曜定休で撃沈。
Del Rey(チョコレート屋)の本店は営業していたけれど、今は荷物を増やせないし、何より結構なお値段!

往路チェック済みのスーパーで、今夜と明朝の食料を調達してからホテルへ。
預けておいたスーツケースとピギーを受取り、お部屋へ。
9階建ての8階は良かったけれど、部屋は一番奥、カーペット敷き通路なので転がすのが結構きつい(>_<)

ポインタしてね とても機能的なシャワールーム

部屋はシンプル、というか殺風景だけどとてもきれい。
改装したばかりのようで、クローゼットなどの調度品やバスルームがピッカピカの新品に近いのが好感。
特にシャワールームがとても清潔&最新式でした。
ただ・・・ベッドの上にタオルで作った白鳥?が・・・瀕死の白鳥(-.-)みたいでとても触れなかったです。

荷物を軽く整理してから駅へ。駅からすぐそばのホテルで正解です。
まずインフォのおじさんの所に行ってご報告&切符の相談を。
すると「明日ストがあるらしいから駅員に良く聞いた方がいいよ」との情報が・・・
行ってみると「明日のストはバスのみ、列車は関係ない」との事でひと安心です。
切符を買おうとしたら「明日買うように」との事。
予約不要のICは当日の購入が通常らしいです。そこをなんとか・・・とお願いしたら発券してくれました。
明日は大荷物、手ブラな今買っておけば楽ですからね。
時刻表とホームを確認してからホテルに戻ります。


シャワーを使ってから夕食。

パン、チョリソ、生ハム 明日の朝食と今夜のつまみ ベルギービールとつまみたち

雑穀がい〜っぱい入ったバゲット、ピリ辛の熟成チョリソ、生ハムをビールでいただきました。
ヨーロッパに来ると毎度同じ部屋食ですなぁ・・・
食べきれそうもないパンだったので、明日の朝食用サンドイッチも作っておきましょう。

早めだけど21:20ベッドへ。



  ■ ベルギー&買うだけパリTOP
  ■ 海外散歩TOP
 
 ■ 国旗de散歩TOP
 
 ■ 路地裏の散歩道HOME
         ≪BACK                  NEXT≫