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8日目: リスボン滞在


明日は帰国の途、丸々1日ある最後の今日はロカ岬とシントラへ行きましょう。
行き方は色々あるようですが、安く・重複せず・時間のロスが少ない事を念頭に調べ
カスカイスからロカ→シントラ→リスボンへとぐるっとひと回りするルートにしましょうか・・・

初日に購入した回数券を使ってカイス・ド・ソドレまで行き、ここで周遊券を購入しました。

Scottバス会社が発売しているこの地区の旅行者向け1日券は、「リスボン間の電車込」と「バスだけ」の2種あります。
リスボン⇔カスカイス、またはリスボン⇔シントラ間のCP(鉄道)の往復(片方ずつでも可能)と、
同社のカスカイス、ロカ、シントラ市内の路線バス、更に3箇所を結ぶ路線バスが1日乗り放題券を購入しました。
2005年当時12ユーロでした。(ちなみにバスのみ(鉄道なし)は当時8ユーロ)


カイス・ド・ソドレから出た電車はテージョ川を左手にベレンを抜け、
大西洋が見え隠れする中、走る事約30分でカスカイスに到着しました。
この電車は頻繁にあるので、本数の少ないカスカイス→ロカ行きのバスに合わせればいいと思います。
そう思って少し早めの電車に乗ってカスカイスに行き、ひと回りしようかなと思ったのですが、
見所が駅からちょっと離れているしお天気も今ひとつ、今回はロカとシントラに絞る事に予定変更〜
そうと決まればカスカイスで朝ごはんにしましょうか。

ちょっと歩いて見つけた1軒のカフェに入り、カスタード入りのパイやナタとガラオン(カフェオレ)を頂きます。
ここで朝ごはんを食べて駅に向かうって感じの地元風の人ばかりのお店だったので、かなり安かったです。

少し早めにバスターミナルへ。

 Cascais → Cabo da Roca (09:07→09:38)

403番のバスは出発時間ぎりぎりにやって来て、お客を乗せるとすぐ出発でした。
思ったよりガラガラのバスは地元の人ばかりで観光客はほとんどいません、ちょっと意外。
海が見える方・・と左側に座ったのですが、最初だけで途中はずっと内陸部を走るのですね。
なのでロカ岬のバス停がどこなのかちょっと不安になってきました。
もしかして海なんて見えない所がバス停で岬まで歩くようだったら、知らない間に通り過ぎてしまうかも・・・と。

そろそろ到着してもいい時間だけど・・・と不安になった頃、
後ろの10歳くらいの女の子連れのお母さんに、「ロカ岬はまだ?」聞いてみたら
その女の子が自分の胸をちょんちょんと叩いて、「着いたら私が教える」風の事を言ってくれました。(^^)
そしてそのすぐ後、ロカが初めての私でもわかる景色が見えたら、女の子が私の肩をトントンと叩き
その景色を指差しながら首を小さく数回縦に振って、無言で「ここだよ」と教えてくれました。
もうしっかり大人の対応!

朝早かったせいかロカ岬で降りたのは私たちだけ、まずはバス停すぐ横の案内所に入ります。
トイレや休憩所、観光案内の窓口もあり、
最西端到達証明書を希望する人はここで先に申し込んでおけば、
帰りに出来上がっているのをピックアップすることができます。

Cabo da Roca ロカ岬
ユーラシア大陸の西の果て、カモンエスの「ここに地果て、海始まる」で有名な岬。

何にもないこの高さ140mの断崖絶壁が世界的に有名なのは
北緯38度47分、東経9度30分、まさにユーラシアの西の果て位置している・・・だけのような気がします。
ま〜それが大切な事実なんですけれど、もっと素敵な岬はたくさんありますよねぇ。


雨が降ってきたり止んだりの生憎のお天気だったせいか、ロカ岬はほとんど人がいなくてとっても静か。
案内所を出て右手に行くと、高山植物の花壇が広がっており、
ポルトガルの詩人カモンエスの詠んだ一節が刻まれ、十字架をのせた石碑がぽつんと建っています。

AQUI…ONDE A TERRA SE ACAVA E O MAR COMECA

この石碑の後ろに鈍色(にびいろ)の大海原が広がっています。
晴れていたらどんな色の青だったでしょう・・・残念です。
私たちは何もないここに1時間半という時間を取っていたので、
海に向かって左手の断崖から、右手案内所裏を抜け灯台まで歩いてみました。

途中日本人の団体バスが1度、他に自家用車での個人旅行者が4〜5組が来ては去っただけ・・・
小雨が落ちたり止んだりな条件だったせいもあり
日本人の団体さんは石碑の前と海の写真を撮ると、すぐ土産物屋に入ってしまったので、
静かな大パノラマを独占できました。

断崖絶壁の下を覗くとお天気が悪いせいもあり、打ち寄せる波が白いしぶきを派手にあげているというのに
ひとりのおじさんがビニール袋片手に何か採っています。
ビデオのズームを最大にしたら貝のよう・・・牡蠣?ムール貝?
それにしてもどうやって下りたのでしょう。

肌寒くなったのでお土産屋さんに入ると、先の日本人でごった返し・・・ひと回り見て案内所へ避難 ^^;
案内所にはトイレも休憩所もあるので、バスの時間までここで待機です。
ここでひとりの日本人女性が、「話が違う」と怒っていました。
「切手もここで買えるとガイドブックに書いてあった」と係りの人に食い下がっていたのです。
ここで絵葉書を出すと最西端のスタンプが押されるのですが、切手を持参していなかったようです。
お気持ちはわかるけどないものはないですよねぇ・・・


 Cabo da Roca  → Sintra (11:06→11:50)

 Sintra シントラ
イギリスの詩人バイロンが「エデンの園」と称えた緑豊かな景勝地。
文化的景観として町全体が世界遺産に指定されている。

シントラ駅でバスを降りる時は土砂降りになっていました。(>_<)
駅でリスボン行きの時刻を調べ、
すこし小降りになったし時間がもったいないし・・・と、駅前から434番のバスでペーナ宮殿へ向かいます。

立っている人もいる程混んだバスは小さなシントラの町を抜け、段々曲がりくねった山道に入ると
豪奢な城館が深い緑の中に点在し、充分フォトジェニックなのですが風景に集中できない・・・
切りかえしが必要なヘアピンカーブに入ると、雨でタイヤが空転し坂道を上れずズリっとバックする事数回。(>_<)
途中で「降ろして・・・」とバスを降りた2人連れもいました。私も降りたかった程ヒヤヒヤ・・・

このバスは宮殿下のビジターセンターまでになり、ここで入場券を購入します。
時間のある人(ほとんどの人)はここから歩いて上って行くのですが、
時間もないですしそれより雨も降っているので、有料のミニバスで行ってしまいましょう。

Palacio Nacional da Pena ペーナ宮殿
ルードヴィッヒ2世のいとこフェルナンド2世の命により1850年に完成した宮殿

19世紀、フェルナンド2世によって建立されたいくつもの建築様式を複合させた不思議なペーナ宮殿は、
王政が廃止された1920年まで王族の居城となっていました。

往復で1.50ユーロのミニバス バロック、ルネッサンス、マヌエル、イスラム・・・多様式ごちゃ混ぜの宮殿

お天気が良かったら行きたかった↑ムーアの城跡が、ここ↑からよ〜く見えます。

内部は写真撮影禁止なので、入り口で荷物を預けての入館になります。
悪天候が幸いしてガラガラのペーナ宮殿、ゆっくり見学できました。

雨も止んだし下り坂なので歩いて下りてもいいかなぁ・・・と思っていたら目の前にミニバスが到着〜
往復券買ってあるので乗っちゃいましょう。(^^)

ビジターセンター前で路線バスに乗り換え、街の中心のレプブリカ広場まで行きます。
レプブリカ広場前には王宮がど〜んとそびえているのですが、空腹には勝てず、そしてトイレにも行きたい・・・
と言うことで、シントラといったらお菓子で有名なピリキータにまず入りましょう。

Piriquita 2  ピリキータ・ドイス
Rua das Padarias 18

上の細長いのが絶品トラヴセイロ、右下丸いのがケイジャーダ
左下のは卵黄のお菓子でかなり甘かった・・・

Traveseiroとは枕と言う意味、まさしく枕の形の長方形のパイで、
サクサクほろほろのパイ生地の中にアーモンド入りのカスタードがたっ〜ぷりで、かなり美味しい♪

Queijadaはポルトガル語でチーズの意のケイジョから名づけられ、
ベイクド・チーズケーキにケイジャーダと名づける普通のケーキ屋さんも多いのですが、
シントラの円形のチーズケーキ=ケイジャーダ・・・が暗黙の内に定着しているようです。
ちなみにリスボンのエル・コルテ・イングレスで、「シントラ名物ケイジャーダ」として売られていました。

福岡の鶏卵そうめんてご存知ですか?
それに似たお菓子がポルトガルにもあります。(というかポルトガルが先らしいですが・・・)
写真左下は、その鶏卵そうめんの生地を麺状に蜜湯に落とさず、ねっちり固めたように作ったお菓子です。
中は超甘く、そして上にもグラニュー糖がかけられており、かなりの甘党さん向けですね。


ひと休みすると、王宮はもういいかな・・・とダラケ心がムクムクと・・・
シントラはお天気の良い次回に、じっくり1日かけてリベンジする事にしましょう、とバスで駅に向かいます。
駅に着くとリスボン行きの電車が発車寸前! 急いで乗り込みます。

帰りはシントラ駅から電車とメトロを乗り継いで、予定より早くリスボンに戻って来たので、
ではその足でエル・コルテ・イングレスへ最後の買い出しに行ってしまいましょう。

気になるキッチン用品売り場にまず上がり、ひと回りしたら繊細なガラスの容器にひと目ぼれ♪
ひとつはオリーブオイル、もうひとつはワインビネガー入れにしましょうと2つお買い上げ〜

細〜い注ぎ口が割れないように持ち帰りました

そして一番お目当てのマーケットフロアへ。
お土産用のチーズ3種、オリーブ2種、にんにくピクルス、トレモコス、お菓子少々、
部屋で食べるようにタコのマリネやパンなどを購入してホテルに戻り、
荷物を置いたらのんびりしてはいられません・・・^^;

バイロ・アルトのアズレージョ工房に行ってみましょう。
一見絵タイル屋さんて感じなのですが、ブザーを押して入り口を開けてもらって入る形式なのです。
年代物のアズレージョなどもあるからなのでしょうね。
小さなアズレージョでもかなり高かったので、目の保養だけしてお店を後にしました。

そして次はお目当てのポルトワイン協会経営のバーに行きましょうか。

  Solar do Vinho do Porto ソラール・ド・ヴィーニョ・ド・ポルト
Rua de Sao Pedro de Alcantara 45


ここは3度目の訪問です。9年半も経つとずいぶん雰囲気が変わってしまうのですね。
かつてはスタッフの応対こそ横柄でしたが、秘密倶楽部って感じの重厚さが気に入っておりました。
今回はしっかり商売っ気が出たようでスタッフもフレンドリー、そして食べるものが豊富になり、
入りやすい雰囲気になったせいか観光客もたくさんいて、あっちこっちでフラッシュが・・・
ここではボトルで買うにはちょっと躊躇してしまう位のお値段のポルト酒を3種頂きました。

ちょこちょこ飲んだり食べたりしていたので、レストランに入るほどお腹はすいていません。
冷蔵庫のお片づけ夕食にしましょうか・・・とホテルに戻ります。

交代でお風呂に入りながら、荷作りを8割方済ませた頃には程よく胃の消化も進んでおり、
生ハムやチョリソ、タコのマリネなどをつまみながら飲むビールは最高です。



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