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初めての味噌づくり         
     
 
 
コロナ渦も一応過ぎたということにして、高枕しております私ですが、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
ところで昨年の冬(2022年)、来店のお客様より「ホームページの更新はしないのですね。」と不意を突かれ、思わず「春には」と、つい言ってしまいました。
季節は流れ、時も心もこぼれていったのですが、元来私自身、引きこもり気味であり、コロナを通して言葉さえも隠り気味となりました。
今回終活に及び、過去に書いたもの2編を見つけたので載せます。
食品衛生協会に出したものです。前置きに3つのキーワードの説明を入れます。


キーワードの説明

 @ 食品衛生協会
    食品の安全安心の向上を目的とした食品の業界団体

 A ハサップ(HACCP)
    グローバルスタンダードな食品衛生管理法であり、日本でも法律で定められ、協会も普及・推進を図る。

 B 食品衛生指導員
    食品衛生協会の会費の一部であり、実際に活動の中心が指導員である。ただ、「国境なき医師団」であれば、
    「カッケ」ですが、「権限なき指導員」では足が痛いばかり。保健所と会員の間の「使いっ走り」をして
    普及・推進を図る。


それでは2品、ご賞味いただければ幸いです。
                                        2023年9月

  今日は何月何日何曜日?

歳をとってくると昔のことは良く覚えているのに、最近のことははっきりせず、前後バラバラだ。介護士が尋ねる「今日は何月何日・何曜日」との質問の意味が分かってきた今日この頃です。
栃木支部の秋の研修旅行で、10月8・9日、西伊豆を訪れた。「中央フリーウエイ」ではないですが、ビール工場の見学、工場内のバーベキューと頭と胃袋に詰め込んで、仲間と親睦を深めた。2日目は「ペリー来航」で有名な浦賀により、ペリー通りを散策した。伊豆を去るにあたり、伊豆半島を縦断し、バスの中で「天城越え」をみんなで熱唱! はしなかった。
一泊二日の旅行、いや、研修を終え家に着いてから、台風19号が伊豆を襲った。早く家に帰り、台風に遭わなかったことを安堵したのもつかの間、台風が追いかけてきて、栃木市を襲った。
100年に1度の水害を4年前に経験した栃木は、もう100年経ったかとボケる暇もなく、夜の避難命令を聞き流すしかなく、2階から点滅する車を見ているしかなかった。夜が明けると床下・床上浸水。車の水没等、県内最大の被害を被った。被害を受けた人も受けなかった人も、今回はハザードマップを取り寄せた。そしてどのような災害リスクがあるのかを確認していたし、確認させられた。
食品業界も100年に1度なのか、、製造プロセスにハサップという衛生管理手法を導入する。
10年前なら、宇宙ステーションに出前に行かなければ、こんなものは必要ないと思っていた。今回の導入に、厚生労働省の英断(?)に、一番驚いているのは現場の人、保健所の人だろう。いずれにせよ、私たちはハザードマップを作らなければならない。製造工程において、どこが危険なのか(異物の混入、食中毒の恐れ)
確認して記録を残さなければならない。万が一のための言い訳のため。チョット悲しい気もするが。本来は、ホップ・ステップ・ハサップと脳天気なことを、ことほぎの言葉にしよう。
ところで、今日は何月何日、何曜日?
                                        2019年10月


   サンタさんにお願い

ただいまより指導員の体験発表を行っていきます。ところで指導員と言いましても、ピンからキリまでありまして、キリ指導員としては、今回なぜ選ばれたのか不明ですが、今の時代の空気と言いますか、ダイバーシティー(多様性)の観点から、または、大きな声では言えませんが、ちょっとした「イジメ」かもしもしれません。第三者委員会を開くことなく進めたと思います。
本日は、日頃よりお世話になっております食品衛生のプロでおいでになります行政の皆様、また自主衛生管理の達人の皆様には、大変失礼ではございますが、この時間は、無味乾燥な退屈極まりない時間となりそうです。お許しの程、お願いいたします。

指導員の日々
指導員は名のごとく、加盟店を巡回して指導するのですが、指導員モドキは、保健所と加盟店の間の「使い走り」をやっております。ただし近年はオリンピックもあり、それに伴い食品衛生管理のグローバル化、何のことはないハサップの導入。また、食品衛生行政のデジタル化(新規営業申請がスマホで可能等)、時代の変革期なのか、指導員モドキの老人も、なかなかハードな日々を送っております。

ハサップの受け入れ状況
いまだにハサップなのかハセップなのか、分からぬものが申し上げても説得力がないのですが、ハサップに関しては、巡回指導を何回か行うことにより「難しい」から「簡単」、そして「但し面倒」に変わっていったような気がします。
具体的に申し上げますと、初めての「難しい」は、ハサップの中で「一般的な衛生管理」と「重要管理」に分かれるところで、「一般」と「重要」のことばに引きずられてと迷宮入りしてしまいます。この2つの言葉のコンセプトが合わない、しっくりこない、相性が悪いことが、難しくわかりづらい理由のようです。
ここで、2つに分類した結果から逆算して、乱暴にざっくり申し上げれば、前者「一般」を「製造前の(環境)衛生管理」とすると、人・もの・金で製品を造るとすると、人は健康管理、ものは原材料と設備・機械器具の衛生管理、お金はマネーロンダリングとなります。後者「重要管理」を「製造時の衛生管理」と考えると、ガッテンしていただいて「難しい」が「簡単」になります。
次に、チェックして記録を残すということは、体験したことがないので、頭で理解できても体が反応するまでは、「めんどう」になります。皆さん、早く、パブロフの犬になってください。

ハサップを受け入れる感情論
また、ハサップというグローバルスタンダードをただ受け入れる、従うでは、少し寂しいものです。欲張っていえば、日本から世界に向けて、標準・ISOを発信したいものです。4・5年前になるでしょうか。ユネスコの世界遺産に和食が認定されました。出来上がった、盛り付けした、映える。和食だけでなく、過程の衛生管理も素晴らしいものがあるはずです。なにせ、刺身など生の魚をさばき、生で食べようとする訳ですから。盛り付けた料理の「表」だけでなく、「裏」の衛生管理も世界遺産であり、せめて、ローカルスタンダードとして世界に発信していきたいものです。


食品営業更新申請から新規申請へ

次にハサップ導入に伴い、今までの営業更新が形式的には、新規扱いとなりました。つまり、更新から新規申請となり、、資格証明、見取り図が必要になった。申請の件で、加盟店に「使い走り」で訪問すると、営業主曰く、「形式的な新規であるが、実質的には更新であり、過去の資格証明、見取り図のデータは行政側にあるはずだと。」鋭利な突っ込みを受け、使い走りは、ただただ「御意」とボケるのみまた、もっと突っ込んでくる人もいて、「本来、資格証明は、3年に1度の法定講習会を受講しているか否かではないのか」と、これまた「当然、保健所はデータがあるはず」と。指導員残酷物語は、まだまだ続きますが、このあたりにしておきます。


食品行政のデジタル化

食品行政において、デジタル化は進んでいるとのこと。
スマホに営業申請アプリを入れ、必要事項(見取図等)を入力すると、現場に保健所の人が行く必要なく、瞬時に、ズーム等でつなぎ、保健所の人は現場(見取図)を確認して許可の可否が出せる。保健所の人も申請者も楽になったものだ。ただ、現状では、申請受付のみのようですが。

最後までグダグダ

食品衛生管理のグローバル化の象徴でもあるハサップの荒波にもまれ、また食品衛生行政のデジタル化はナカナカ進まず、割れて砕けて、裂けて散るかもの状態ですが、この際、クリスマスを来月に控え、皆さんで、ハサップアプリを入れたAIロボ、ペッパーならぬハサッパーのプレゼントをサンタさんに是非ともお願いしましょう。
                                           2022年11月


  「笑うしかない」
    若者は今日この頃、テレビを見ないソウダ。スマホでネットで、場所、時間に制限されず、ニュースを、映像を見ているソウナ。

    私はコロナ禍、自粛中に限らず、日頃より家に引きこもっては、比較的テレビを見る方だ。しかし、今日この頃、見る番組、
    見られる番組は少ない。当方の情報処理能力の低下のせいもあろう。テンポ、リズムが早く、切り替えができない。
    テレビの内容の切り替えはもちろん、どこまでがテレビの内容か、コマーシャルなのか。これまた番宣も多く、目的の番組は
    テレビに限らず、映画もあり、つまり何でもありだ。コロナ禍の中、番組製作のロケもできず、レスポンスの良い、お金の
    かからない、若いお笑い芸人の番組構成が多くなっている。決して芸人が悪いわけではないが、最近はテレビに
    ついていけないし、ゆかないことにしている。

    こんなテレビ番組の中で、安心して味わえるものは少ないが、ちょっとためになるエンターテイメントとして、「ブラタモリ」を
    取り上げることに、皆さん、異論はないだろう。NHKのブランドの上にお金と時間をかけ、タモリさんが持つ押し付け、
    あつかましさがない自然な自由の中、番組が成り立っている。重く複雑な問題を軽く簡単平易な言葉で、生活にねざした
    自分の言葉で再構成して落とし込んでいる。まさに、タモリマジックだ。

    タモリさんというと、以前、「笑っていいとも」でMCをやっていた。
    「笑っていいとも」 → 相手のことを笑って受け入れてくれる!?
    タモリさんの師匠の赤塚不二夫さんは、「これでいいのだ」・・・ 悲しみも不条理も理不尽も、すべて受け入れて前に進む!?
    ついでに談志さんの「業の肯定」・・・ 人間生まれつき、八ッツァン、熊さんの愚かさ、バカさ加減を認める。
    ついついでに、寅さんは「それを言ったらおしまいよー」

    こんなバカげた単なるギャグとしか思えない言葉が、「年輪」と「コロナ」のフィルターを通すと輝いて見えるのが
    少し厭ですね。
    「笑うしかない」のかなぁ。
                                              2021年10月 コロナ渦中.


  「安心安全」な国
私、今年の末で64歳になります。同年代の大多数の方がサラリーマンでしょうから、「同級生」は60歳を前に、給料が半分になり、外に出ても厳しいので同じ会社で働いている方が多いようです。
この場合、同一労働同一賃金の問題やら、年齢で給料を一律下げる年齢差別等の問題がありそうですが・・・

会社は、賃金が安ければ喜び、国内の人口が減るなか、設備投資、研究開発にとお金を使っても、リスクと思い内部留保に努めるようです。
国は、老人が働いて、年金支払いが後になれば助かり、労働人口が減る中、労働力として利用できるのは、一石二鳥でありがたいとは思っていないでしょうが。会社と国が甘えている中、ここに安い人が、付加価値の乏しい安いもの、安いサービスを造る、安い国の出来上がりなのです。
「安国」では、他の先進国ではちょっと考えられない、ワンコインでランチ、最安値のディズニーランド。当然、円も安くなり、鶏が先か卵が先か。ともに先で、賃金も物価も安い。
すべてが安い、「安心安全」な世界です。

こんななか、人は、生活していくことが精いっぱいで、ある意味無駄であること、不要であるものは消えていく。文化なんかなくても人は生きられる。
断捨離した空虚な部屋、精米歩合2割6分の雑味のない純米大吟醸。何かもの足りない。人の躊躇い(ためらい)、澱り(おり)が欲しいものです。

                                          2021年8月 コロナ渦中


  変わらぬために変える
味噌仕込みにおいて、大豆は栃木県産タチナガハを使用してきました。地産地消に共鳴しているわけではありませんが、ある程度の品質と経済的な理由で利用してきました。

今回(2016年)、JAさんの関係で栃木県及び周辺では、大豆の品種が変更されました。一抹の不安を感じながらも新品種にて試しに仕込んでみました。
ところが、煮豆にすると甘みが足りず、つぶしてみると、べっとり感よりパサパサ感があり、あえなく中止。急きょ、他の大豆を探すことになり、宮城県産タチナガハに決定しました。前回の栃木県産よりも豆質が良いようで、こうご期待の程。

                                            2016年 10月


  業種もレッドデータブックなら、使う道具も絶滅危惧種
わかりそうなものです。考えが甘かったということです。
糀屋さんも消えてゆけば、それに必要な道具もなくなるということです。
一例をあげます。糀をつくるのに、米を洗い、一晩水に浸し、翌朝水を切って、米をふかします。水を切るザルがありません。竹でできた容量25L前後の二重編みのカゴザルです。地元、栃木にないので、まあ、カッパ橋にはあるだろうとタカをくくってTELすると、もうありません。また、それをつくっている人はいません、とのこと。
再度地元に戻り、荒物屋にかけあうと、倉庫に眠っていた、ほこりをかぶった3つが出てきました。ありがたいことです。安堵。

このように、糀屋さんは経営だけでなく、道具集め、原料にも綱渡りが続きます。

                                             2016年 10月


  一を聞いて、十を知ったかぶりして、百を語る
小学校の校長先生のお話で、最近の子供は転んでも手が前に出ないとのこと。昔は膝をすりむいたり、手足をけがしたりでした。今は、頭から突っ込んでしまい、頭を打ったり、顔面強打が多いと。
「あぶないことするな」、「外ではケガするから遊ぶな」では、危険から隔離された中、どのように危ないのかの認識も、どう対応すればよいか、受け身もわからない。簡単に言えば、反射神経や身体的能力が低下しているそうだ。
ひるがえって大人の世界でも、昔、農家の人は田を鍬で耕し、鎌で稲を刈っていましたが、今はエアコン、オーディオ付きのトラクター、コンバインで。昔、工場では、人の手でハンマーを振りかざし、トンテンカン・トンテンカン。今は、コンプレッサーでドスンですから。
身体的能力、体で覚えた感覚が不要になり、低下しましたが、仕事は楽になり、生活も豊かに快適になりました。めでたしめでたしです。

しかし今や、体だけでなく頭の方も必要なくなる。情報革命とやらで、AI、IoTで情報を集め、分析して、企業の経営判断までやってしまう。
こうなってくると、体の力も脳の力も必要なくなって、働くため、生きるための手段としての体力・能力は必要なくなり、それ自体を目的に体力・能力を鍛えることになりました。スポーツジムに通って体力を、クイズ王になるために能力を鍛える。それならついでに、自営業者になり、資本がない中、体を使ってものをつくり、ない頭で考え、少しの工夫をもって、不確実な危険がいっぱいの「その日暮らし」をするのも、おつなものでっせ。

                                              2016年 10月


  イイカゲンとワガママ
良い加減は難しいものです。料理の時の塩加減、風呂に入れば湯加減、算数計算は加減乗除、神社に行けば大願成就と・・・。良い加減は、バランスと言い換えてもいいかもしれません。
当店では、イイカゲンに出来よった糀(こうじ)に、これまたイイカゲンに煮上がった大豆をつぶして混ぜ、イイカゲンの塩を加えて仕込んでおります。あとは、どうか売れますようにと、”神だのみ”ってなとこです。
また、ワガママは自営業の醍醐味です。これは、他人の意見を聞かない、他人のことを考えないというということでは決してないと思います。
多数の人の賛同・了解を得た考えとは、結果として、角が取れ、薄まって、陳腐なものとなりがちです。それによっての成功は、競争が激しく、困難なような気がします。当たり前のことではありますが、自分で原材料を決め、仕込みの仕様を考え、出来上がったものに値段を付ける。自分で判断して決断する。こんなワガママが自営業の醍醐味なのだと思います。その結果出来上がったものは、良くも悪くも不肖、ワレソノモノでしかないのです。

                                              2016年 10月


人の自慢話ほどつまらないものはない
<商工会職員、システムエンジニアに諭されて>

・商工会職員とのやりとり

「本多糀屋さん、この店、知ってる人は入店できるけど、初めての人は、どこが店か、住まいか、工場か、店の入り口がわかりませんよね。」
店主、「全く同感。ジッドの”狭き門より入れ”です。」と自嘲気味に返しましたが・・・

・システムエンジニアとのやりとり

「ホームページの製作を依頼されて10年近くたつけど、更新もしないで、作った意味がないよ。お客様に失礼ですぞ。」
店主、「全く、御意」

そんなわけで、のれん、看板、ホームページを作ることにあいなりました。
これらを目印に,ご来店をお待ちしております。 

                                            2015年 10月
 


安全安心・マニュアル化・思考停止 
先日、近くの小学校から子供たちに糀(こうじ)、味噌の製造について説明、見学させてほしいとの依頼がありました。
子供たちが来店した折、糀の説明をしました。
カビにはよいカビと悪いカビがあります。これは人間が勝手に決めたことです。カビ以外の微生物も、人間の役に立つものができるのを発酵、悪いものができるのを腐敗と呼びます。(人間にとって)良い菌により、牛乳がカビてヨーグルトやチーズになり、大豆がカビて納豆になります。糀とは米に糀菌という良いカビが生えたものです。

しかし、次に悪いカビの説明をしようとしたとき、困ってしまいました。パンや餅に生える青カビ・赤カビを説明しましたが、子供たちは、「見たことない・・・」  昔は、残りのパンをランドセルに入れたり、机の中に隠したりして、後日見てみるとチャンとカビていました。今は持ち帰りさせませんし、そういうことは先生が良く管理されているようです。

大晦日には家で餅をつき、正月の七草がゆの頃には餅がカビていて、カビのところを削って食べました。しかし今は、餅はつくものではなく買うもので、真空パックになっていてカビません。今の子供たちはカビた食品、傷んだ食品、悪くなった食品を見なくなりました。幸福で豊かな時代です。そして子供たちはこの食品が食べられるものか否かの判断がつかなくなってきているし、考える必要がないのかもしれません。つまり、賞味期限が重要になってきています。とても現代的でマニュアル的です。しかし益々、子供たちの生きる力、たくましさがなくなっていくようです。年寄りはどうも心配性です。

                                          2015年 10月                                                              


ネガティブキャンペーン 
私どもの味噌は、どこにでもある国産大豆・米・麦・天塩だけを原料とし、盆暗な技と優秀な糀菌の力を頼りに、ただ一年間寝かせてつくりました。味噌の値打ちは、大豆タンパクをアミノ酸に変える過程で増殖する酵素、微生物を体内に取り入れることにあります。ですから、味噌に保存料を添加し、熱、アルコール処理した死んだ味噌では意味がありません。
この味噌は、ふくれて、色が変わり、カビます。--- 生きているのでご容赦ください --- 

                                           2005年 10月
 

初めまして
わたくし、本多と申しまして、糀屋(こうじや)を生業としております。
糀屋と申しますと、いささか時代遅れの商売でして、また、糀屋がなんなのかわからない人が多く、よく水道工事、建設工事の業種と間違えられます。郵便やFAXなどで建設業のフランチャイズ募集とか、月間建売10棟確約等のチラシが入る始末です。
前置きが長くなりましたが、稼業はれっきとした(?)食品関係であり、糀をつくり、それをもとに甘酒、味噌を造り販売しています。昔は、その地域に必ず一軒ぐらい糀屋があって、そこいらで採れた米と大豆を使って味噌や醤油を造ってまいりました。今日的に言えばまさにスローフードなのです。
現在は時代が変わり、私のところでは、原料の米は県内産ですが、大豆は佐賀・福井・新潟、隣の群馬県産など全国から取り寄せております。(ただし、今年は大豆などの穀物類の価格が大幅に上昇し、入手すること自体も困難になりました。それでも何とか、栃木県産の大豆で仕込むことができました)
原料として使用するのはすべて国産のものだけです。
誇れるところは何もないですが、少々申し上げれば、自分で満足行く糀を造り、自分の好みの味噌を造り、自分で自由に値段を決めて販売しているところです。現在のIT社会には乗り遅れ、お客様のニーズに関係なく、マーケティングを行うこともなく、ターゲットを絞ることもなく、自分の好き勝手にやらせてもらっています。健康的です。どこかの運送屋さんの「お客様のわがままかなえます」とは対極にあります。しかし、運送屋さんには商品を発送してもらっておりますのでお世話になってます。
これからも懲りずに自分で満足できる商品を造り、結果的に、お客様に「おいしい」ではなく「うまい!」と言っていただくことを一番と考え精進してゆきたいと思います。
                                             2005年 10月