『近龍寺』の紹介
●本堂のご案内
 当山は室町時代の応永28年(1421)に、浄土宗の僧侶である良懐上人によって創建され、 当初は宿河原(現在の栃木市城内町)にあって称念寺と号しておりました。
その後、天正16年(1588)に皆川広照氏が栃木城を築いた折りに現在地に移転し、 名を「三級山天光院近龍寺」と改めました。これは栃木市内を貫流する巴波川が鯉の生息地で、 中国の故事に鯉は三段の堰を上ると龍に転じて天に昇ると云うところからその名を付けられたものです。
ご本尊、阿弥陀如来立像を中心として広がる江戸時代建立の本堂は、市内随一の威容を誇り、 蔵の街「栃木市」の中心にあって、宗祖法然上人のみ教え「専修念仏」のもと、宗教・文化・福祉活動に尽くし、今日に至っております。
 現在、その境内には、昭和年建立の鐘楼堂(納骨堂)、聖観音像を祀った有無両縁塔、平成22年建立の三佛堂 (下野三十三ヶ所札所巡り二十四番札所の聖観世音菩薩さま、旧地蔵堂のお地蔵さま、子育安産・学業成就の呑龍上人などを祀る)、 ならびに火防の秋葉権現堂などが配され、北墓地には栃木市出身の文豪で文化勲章受賞の山本有三先生 のお墓もあります。どうぞゆっくりとご参拝くださるようお願いいたします。
●『日惜ホール』のご案内
 当山表門より来寺されますと、正面に本堂、その右手には玄関、客殿、そして庫裡が配されております。そのたたずまいは、江戸時代以来の格調高き趣を残しており、訪れた方を厳かにお迎えいたします。  玄関を入りますと、その奥には鉄筋コンクリート2階建ての「近龍寺会館」があり、右手には新客殿「日惜ホール」があります。  「日惜ホール」は、21世紀を見据え、平成11年5月に落慶を果たした真新しい客殿であり、100名前後収容可能な近代的設備を擁した多目的ホールとなっております。(写真参照)その名前は、江戸時代に当山にあった寺小屋「日惜舎」の名であり、明治時代のはじめに栃木県最初の小学校発祥の地であったことに因んでいます。ホールへは玄関から直接入場でき、冷暖房完備で、どなたでも講演会、展示会、その他の集会にご利用いただけます。  また「近龍寺会館」は、1階が和室、2階が洋間ホールとなっており、共に日本式庭園の内庭に面した落ち着いた造りになっています。「日惜ホール」同様、冷暖房完備でいろいろな会合にご利用いただけます。

●『三佛堂』のご紹介
 本堂に向かって左手、かつて観音堂、呑龍堂、秋葉堂と3つのお堂が並んでいた場所に、平成22年10月に落成をした新しいお堂が「三佛堂」です。 蔵の街をイメージした鉄筋コンクリート造・瓦葺の建物は、その内部に阿弥陀如来とその脇侍である観音勢至両菩薩さま、 そして観音堂に祀られていた下野三十三ヶ所札所巡り二十四番札所の聖観世音菩薩さま、さらには呑龍堂に祀られていたお地蔵さま、 呑龍上人などを安置しており、また先代第27世弘道住職が世界各国から収集した仏教美術品が飾られています。室内を拝観希望の方はお電話にてご予約下さい。