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三行書評 第17回

2001.9.24

 五つ星が満点。

山田風太郎
『あと千回の晩飯』
(朝日新聞社ISBN4-02-256923-9)
お薦め度 ★★
あらまし 先ごろ亡くなった山田風太郎氏が朝日新聞に連載した「あと千回の晩飯」や、月刊誌に掲載した随筆を集めたもの。
コメント 山田風太郎氏の随筆が面白いという評判を聞いたが、正直それほどでもなかった。ただし、旧制中学時代に見た映画に関する一篇(「少年時代の映画」)は面白かった。
和田誠・三谷幸喜
『これもまた別の話』
(キネマ旬報社ISBN4-87376-231-6)
お薦め度 ★★★
あらまし 映画を題材にした対談集。『ジョーズ』('75米)『赤い河』('48米)『アメリカの夜』('73仏・伊)『5つの銀貨』('59米)『ニノチカ』('39米)『男はつらいよ』('69日本)『薔薇の名前』('86仏・西独・伊)『タイタニック』('97米)『猿の惑星』('68米)『マダムと泥棒』('55英)『カサブランカ』('42米)『雨に唄えば』('52米)が俎上そじょうに。
コメント 『それはまた別の話』(文藝春秋)の続編。先日見た『猿の惑星』が取り上げられていたので読んでみた。見たことがない映画について読んでもやっぱりつまらないね。
いとへんに土ふたつすが秀実・高澤秀次・宮崎哲弥
『ニッポンの知識人』
(KKベストセラーズISBN4-58418384-8)
お薦め度 ★★
あらまし 「第1部 ポスト近代の超克」と名づけられた鼎談と、「第2部 知識人ミシュラン」という人物評からなる。“近代”には“モダン”という振り仮名が振られている。
コメント 第1部は難解でほとんど理解できないため、10ページも読めなかった^_^;。また第2部は、故人も含めて61名を評しているが、一人当たり2ページ/1200字程度であるから、土台無理があるといえば無理がある。
井口俊英
『告白』
(文藝春秋ISBN4-16-352450-9)
お薦め度 ★★
あらまし 1995年9月に発覚した大和銀行ニューヨーク支店970億円損失事件犯人の手記。この事件で大和銀行はアメリカから追放された(損失を出したからではなくて隠蔽工作をしたから)。
コメント 独善的なところは見受けられるが、犯罪資料として貴重かもしれない。大和銀行山路常務(当時)の「情報漏れが怖かったので、表に出さずにやった。意図的な隠蔽ではない」という発言に嗤えた。意図的に星の数を少なめにしてしまったが、それは僕が経済の話に疎いからだ。銀行業界に強い人ならば星4つかも。