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三行書評 第54回

2002.6.24

 五つ星が満点。

タック牧田
『神に最も近づいた男』
(勁文社ISBN4-7669-1268-3)
お薦め度 ★★
あらまし NFL公認フォトグラファーとして写真を撮り続けている著者が、ジョー=モンタナについて書いた著作。
コメント 《この種の著作の性質上、独断と偏見は避けねばならない》というのは正論だが、ユニークな意見のほうが読んでいて面白いのも確か(説得力が伴わなければダメだけど)。
吉村昭
『間宮林蔵』
(講談社文庫ISBN4-06-183912-8)
お薦め度 ★★
あらまし 間宮海峡を発見した間宮林蔵を描いた長編小説。
コメント 久しぶりに(実在の人物に題材を採った)歴史小説を読んだのだが、やっぱ歴史小説はダメだ。(時制の設定が昔で、人間模様を描いている)時代小説は好きなんだけどね。
小谷野敦
『間宮林蔵《隠密説》の虚実』
(教育出版ISBN4-316-35700-X)
お薦め度 ★★★★★
あらまし こちらは間宮林蔵伝+「間宮林蔵伝がいかにして形作られたか」論。
コメント 事実と意見がきちんと区別して書かれている。間宮林蔵について知りたければ、薄いながらも本書で充分だと思う。
岩城宏之
『オーケストラの職人たち』
(文藝春秋ISBN4-16-358100-6)
お薦め度 ★★★★★
あらまし オーケストラを陰で支える「裏方」さんたちにスポットを当てたエッセイ集。楽器運搬業者・写譜屋・ピアノ調律師・演奏旅行の同行医師・チラシ配り業者など。『週刊金曜日』の連載「裏方のおけいこ」を改題。
コメント ハープをどうやって運ぶのだろうと常々疑問だったのだが、氷解した。写譜会社が、東京ハッスルコピーという名前なのが可笑しい。
大住良之
『サッカーへの招待』
(岩波新書ISBN4-00-430316-8)
大住良之
『新・サッカーへの招待』
(岩波新書ISBN4-00-430556-X)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 《序章サッカーとは何か・第1章ワールドカップ・第2章ルールと戦術・第3章次世代の育て方・第4章世界のステージ・第5章二十一世紀に向けて》という章立て(『新〜』の目次より)で、1998年時点でのサッカーの“今”を語る。
コメント 改訂版という位置付けではあるものの、後者はほぼ全面的に書き直されている。両方読んでも楽しめるが、どちらか一方のみというのなら、(データが新しいこともあって)後者がお薦め。
「ルールと戦術」は良い勉強になった。また、ヨハン=クライフのオランダ代表(1974年大会)の噂はつとに耳にしていたのだが、ますます見てみたくなった。