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三行書評 第55回

2002.7.1

“もうひとつのサッカー世界一決定戦”は、ブータンが英領モンセラットを4-0で破りました。ニュースで映像も見ることができましたが、ブータンのユニフォームは――ブータン・オーストラリア共同制作の映画『ザ・カップ』で見た――チベット僧の僧衣を髣髴とさせるもので、なかなかかっこよかったです。

 五つ星が満点。

高橋輝次編著
『誤植読本』
(東京書籍ISBN4-487-79525-7)
お薦め度 ★★★★
あらまし 誤植・校正に関するエッセイを中心とした作品47篇をあつめた本。編者はフリーの編集者だそうだ。
コメント 校正者を称賛する人、いささか文句を述べる人、体験談を述べる人など様々。井伏鱒二(これだけ短篇小説)・内田百閧フものがやたらと面白い。
椎名誠
『風まかせ写真館』
(朝日新聞社ISBN4-00-257727-4)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 『アサヒカメラ』の連載をまとめたもの。
コメント 僕は写真嫌いだけれども、写真を見ることはなぜか好きで、図書館で『アサヒカメラ』(の投稿コンテスト)は見ている。風景写真派と人物写真派に分かれるようだが、僕は人物写真は好きなのだ。言い換えれば、シャッターチャンスに命を懸けている写真が好き。と、そんな写真満載のエッセイ集。
赤瀬川原平
『わかってきました。』
(講談社ISBN4-06-210019-3)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 「理科系ファン」の著者が、科学の現場を訪ねる。宇宙酔いや複雑系といった基礎研究も探訪しているけれど、「迷い猫を捜すための科学」だったり「ヒヨコ鑑別の科学」だったり「気功の科学」だったりするところが、立花隆さんとは違う^_^;。。
コメント 本書には出てこないのだけれど、ペットが失踪したときにポスターを作りますよね、そこには失踪した日時場所は書かない方がいいらしいです。書いちゃうと、「もうここらへんには居ないな」という先入観を与えてしまうから。
井上ひさし
『にほん語観察ノート』
(中央公論新社ISBN4-12-003255-8)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 読売新聞日曜版に1999年4月4日から2000年5月14日まで連載した、日本語に関するエッセイ集。
コメント NTTコミュニケーション科学基礎研究所による語彙数推定テストにチャレンジしてみたところ、5万7100語と出た。そんなにあるとは思えないのだけれどもね。インターネットでもチャレンジできる
GP企画センター
『トラック――その魅力と構造』
(グランプリ出版ISBN4-87687-186-8)
お薦め度 ★★★★★
あらまし エンジン・クラッチ・ミッション・シャフト・操舵装置・懸架装置・制動装置などが、多数の精密な図版を用いて説明されている。
コメント 後輪が2軸になっているダンプを見かけたとき、「あれは2軸とも駆動輪なんだろうか?」という疑問が生じたので借りてきた本。おかげでトラックがプシュプシュいう理由までわかった。『はたらくくるま』といった本が好きだった方なら楽しめるはず。

結局、ブラジルの優勝でした。試合終了後、喜ぶブラジル選手を脳裏に刻み付けるように見ていた、否、睨みつけていたカーン選手が印象的でした。