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三行書評 第70回

2002.10.21

 五つ星が満点。

齋藤孝
『声に出して読みたい日本語』
(草思社ISBN4-7942-1049-3)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 暗誦を主眼に置いた日本語の数々を収録。
コメント 峠三吉の原爆詩があっても良かったかも。こちらに詩碑の写真があります(ブラウザの大きさが突然変わると思いますが、慌てずに[元のサイズに戻す]→[最大化]してください)。
前川健一
『アジアの路上で溜息ひとつ』
(講談社文庫ISBN4-06-185848-3)
お薦め度 ★★★★
あらまし 1952年生れの著者が、1980年前後に行った旅行をもとに書いたエッセイ集。市場と屋台と辛い食べ物が好きで、“貧乏旅行”を行っている。
コメント 短篇小説を読んでいるような気分になる。最初の「シミグレーション・カット」がいいなぁ。
椎名誠
『突撃 三角ベース団』
(文藝春秋ISBN4-16-354210-8)
お薦め度 ★★★★
あらまし 週刊文春』連載中の「新宿赤マント」シリーズ9冊目。
コメント 岡山県児島にある遊園地で部分日食に遭遇したらしい(「怪奇日食」)。《見わたしたところ誰一人として空を見上げているヒトはいないのだ》とのこと。僕もいっぺんだけ部分日食を見たことがある。スライドグラスをロウソクであぶって煤をつけて太陽を見ていた。ふと気づいたら木洩れ日まで欠けていて不思議だったなぁ。
椎名誠
『旅の紙芝居』
(朝日新聞社ISBN4-02-257222-1)
お薦め度 ★★★★
あらまし 『アサヒカメラ』に連載した、写真と文で綴る旅日記。第2弾が『風まかせ写真館』
コメント 椎名さん御用達のラーメン店・大勝軒東池袋の麺玉5個を使ったという大盛りラーメンの写真がある(200頁・スープが別になっているけど、つけ麺はここから発生したのかな)。連載当時(1993年頃?)はもう大盛りはやっておらず、麺玉3個の中盛りしかやっていないそうだ。
荒木経維のぶよし写真藤井誠二
『開国マーチ』
(実業之日本社ISBN4-408-10509-0)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 日本にいながらにして体験できる異国を探訪。《日本はいま、世界各地からやってくる外国人たちに「開国」を迫られている。彼らの存在は、私たちの意識から社会施策、法律の整備、そして国策に至るまでさまざまな変革を求めることになる》というのがテーマ。 『JN実業の日本』(休刊中)2001年4月号〜2002年3月号に連載。
コメント 在日外国人の方々はみんな元気だ。仏教に対するタイの人たちの考え方にちょっと感動した。

 『開国マーチ』はグリグリの◎です。