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商売上手な新潮文庫

2002.12.13

 久しぶりに本屋さんに行った。

コンビニの雑誌売り場とか古本屋(BOOKOFFみたいなところ)とか近所の家族経営の本屋さんには行くけれど、ある程度在庫が揃った、充分に時間つぶしができる本屋さんに行ったのは久しぶりだった。

 新潮文庫の棚に行ってみたら、面白い帯を巻いた文庫本21冊が並んでいた。例えば、ルナール著『博物誌』(岸田國士きしだ くにお訳)には――

125ページ
これぞ名訳!
北村薫

 と書いてあるし、坂口安吾『白痴』(というMS-IME辞書には登録されていない単語の書名の本)には――

136ページの一行目。
読むたびに切なくなる。
藤田宜永

 なんて書いてある。

そりゃ気になるっちゅーの^_^;。

 思わず全21冊を手に取ってページを開き――実はページを開かなくても、裏表紙側を見れば解ったのだけれど――確かめてしまった。ちなみに上記2冊は、『博物誌』が「二つ折りの恋文が、花の番地を捜している」、『白痴』が「私はいつも神様の国へ行こうとしながら地獄の門を潜ってしまう人間だ」が該当する。

 これは上手い戦術だと思った。まる三も2冊買っちゃったもん。