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実況してくれ〜part2 20点

2004.2.20

 18日に行われたワールドカップサッカー アジア一次予選 日本×オマーンは、なんとかオマーンに勝ちましたけど、なんだかヒドい試合だったような気がします。

 パスが――特にペナルティエリア内にいる味方への最終パスが――繋がらない、1対1での突破もできない……。勝てたことは素晴らしいけれど、最終予選まで視野に入れて考えると暗澹たる気持ちにもなるっちゅーねん。
ま、親善試合と違って真剣勝負の試合だから、勝ちゃいいとも言えるわけで、結果オーライなのかもしれないけれども……。

それでもまる三は“ジーコ解任”の意見には、くみしません。五年後十年後のことを考えると、選手たちに戦術を考えさせるというのは意味があると思うのです。押し付けられたものではない、選手たちが考えた“日本のサッカー”を創造し継承していく良い機会なのではないでしょうか。ドイツ大会出場を至上命題と考えるか、もう少し長い目で見るかの違いではないでしょうか?
もっとも、ドイツ大会出場を逃したら(あるいは危うくなったら)、ジーコとはいえ安泰ではないでしょうけれども。

 試合内容にも増して悲惨だったのは、“ラジオ独占生中継”をしたニッポン放送だ。
実況:煙山光紀けむやま みつのりアナ/解説:井原正巳さん/ピッチレポート:小野浩慈アナ&福永一茂アナという布陣で臨んだこの試合、煙山アナは実況アナウンサーではなくて単なるサポータになっており、まったく実況していなかった。たとえば――

  • オマーンのキックオフで始まったこの試合だけれども、ラジオで聞いている限りではどちらのキックオフだったのか分らなかった(高原や柳沢の名前を言わないので間接的に「オマーンかな?」と思ったけれども)。
  • 誰がボールを持っているか?に関する実況がほとんど無かったので、テレビ中継を見るまで三都主があんなに上がっているとは気づかなかった。
  • 前半38分柳沢がペナルティエリア内で倒れたとき、ペナルティキックがないことを見て取った煙山アナは「……PKじゃないのか」と悔しそうに言っていたけれど、柳沢の転び方を(スロー再生で)見ると、柳沢がシミュレーション(註:自分に対する反則を取ってもらうために大袈裟に転ぶこと)を取られてもしかたのないようなプレーだった。そして、アブドゥル=ハミド=ハリム主審(マレーシア)は「反則なし。それよりも私はちゃんと見てますよ、今のはシミュレーションに近いですよ」というジェスチャーをしている。なかなかきちんとした審判だと思った。
    ちなみに、すぐに審判を見る柳沢選手を見て「やっぱり柳沢だ。闘莉王じゃないわ」とも思った。
  • その後も煙山アナは「ホームタウンディシジョン(註:審判がホームチームに有利な裁定を行うこと)がありません……公平な審判なんでしょう」などと何回か口走っていたけれど、そもそも、ホームタウンディシジョンを期待することがまず間違いだと思う。ホームタウンディシジョンなんていう言葉は、アウェイで負けたチームのサポータが悔し紛れで使う言い訳ではないだろうか。
  • 後半残り時間わずかになると、プレーなんかそっちのけで「絶対に勝たなければいけない試合です」とか「後半×分××秒経過、残り×分××秒」などと言うばかりだった。

 なにしろハーフタイムには井原さんから「(日本の守備)選手たちはクリアできると思っていても、観客が『ワー』とか歓声を上げると慌てることもあるんですよね」と指摘され「そうですか。それでは後半では私も余計な声を上げないように気をつけます」などというやり取りもあったのだ。

日本×韓国戦(2003年4月16日)の実況で25点をまる三に付けられた煙山アナだけれども、今回のまる三の採点はそれを下回る20点でした。

小野浩慈アナ篇@日本ラウンド レバノン戦もあります