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三行書評 第181回

2005.1.3

あけましておめでとうございます

 五つ星が満点。

加藤秀俊
『なんのための日本語』
(中公新書ISBN4-12-101768-4)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 専攻は社会学だけれども、国語審議会や国立国語研究所評議員を務めた著者が展開する日本語論。
コメント 「学校で教わる国語」と「日常生活で使う日本語」は違うという結論に納得。学校を出てから、電話応対の仕方とか訪問先でのあいさつとか報告書の書き方とかを個人的にいけないんだよね。
河口慧海かわぐち えかい長沢和俊
『チベット旅行記』
(白水Uブックス全2冊ISBN4-560-07372-4,ISBN4-560-07373-2)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 明治30年6月に神戸を出発から、3年弱のインド滞在、明治33年のチベット潜入行、ラサでの仏教大学入学、明治35年の脱出まで。旅行記とはいうものの立派な探検記だ。
コメント 以前読んだ版は抄訳だったけれど、全訳が重版されたというのでよんでみた。
前間孝則
『朝日新聞訪欧大飛行』
(講談社ISBN4-06-212456-4,ISBN4-06-212457-2)
お薦め度 ★★★
あらまし 1925年に、東京を出発し、ハルビン・イルクーツク・モスクワ・ベルリン・ロンドン・パリなどを経てローマまで飛んだ「訪欧大飛行」の記録。
コメント 「シベリア横断」というのが上巻の副題だけれども、下巻にならないと飛び立たない。上巻の三分ノ二は背景説明で、残り三分ノ一が計画段階の話。飛行機好きというのであれば下巻だけで充分です(下巻でもロシアの政治状況なんていう話が随所で出てくるけど)。