天文台建設日記
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2005年


10月11日  工事始まる

    まずは建設場所までの道を造る
     大型パワーショベルが入ってきた
   穴掘り開始
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10月17日  穴掘りすすむ

地下に鉄筋コンクリートで天文台の基礎を作るため、約8mx8m、深さ2mの穴を掘る。大型パワーショベルで豪快に掘った。
地面を掘る場合、垂直には掘れない。掘った壁が崩れないように、ふつうは斜め45度ぐらいに掘っていく。2m下が8mx8mになるように掘るわけで、相当な面積を掘ることになる。
ここも上半分ぐらいはそうしたが、土が粘土質で密度が高く粘りがある。さらに、2m下まで均質な同じ地層だった。これなら崩れない。上の約1mは45度ぐらいの傾斜を付けて掘ったが、下1mは直角に掘る。これは掘ってみたらそうなったのではなく、事前にそういう計画になっていた。
当然、大量の土が出る。掘った土は体積が増える。この作業をするに当たって、出てきた土を置く場所が必要になり、事前に土砂置き場を考えておかなければならない。ない場合は、ダンプカーでしかるべき場所に運んでもらわなければならない。それをやると高くつく。
ここでは、穴の周りのあちこちに積んでもらったが、最終的にはすべて敷地内に収まった。
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10月18日  穴掘り終わり

大型パワーショベルでだいたい予定通りの穴が掘れたら、穴の中に小型パワーショベルを入れて仕上げ堀。小型パワーショベルをどうやって穴の中に入れるのか? そんなことは素人は考えなくていい。プロにはそれなりの方法がある。
オペレーターのおっちゃんたちはさすがプロである。自分の手足のようにパワーショベルを動かしてきれいに仕上げた。








その後、砂利を入れて圧力を加えて固める
小型パワーショベルはこうやって出し入れした






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10月18日〜    基礎1段目  鉄筋の組み立て・コンクリート流し込み
一番下になる基礎の鉄筋組み立て始まる






19日 雨の中でも作業中
20日 ほぼ完成













コンクリートを流し込む時の足場を作る(型枠なし)
コンクリート流し込み開始










一番下の基礎部分にコンクリートが入った。コンクリートの量、約65立方メートル
















10月20日中にここまで完了
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10月29日〜      基礎2段目・観測室ベース製作
コンクリートが固まった
  1段目の基礎の上に型枠を作り2段目へ




望遠鏡のベースになる鉄製コラム2本+70cmヒューム管を立てる
  観測室ベースの四隅の支柱を立てる
観測室ベースをH型鋼でつくる
11月1日  観測室ベースほぼ完成


各柱の中心にある20cm角コラムはコンクリート基礎にしっかり固定されているが
ヒューム管はスペーサーを挟んで浮いている

   型枠内に鉄筋を組む




2段目の基礎になるコンクリート流し込み
  ヒューム管内も外と同じ高さまでコンクリートを入れる
11月2日 2段目のコンクリート流し込み完了

2段目のコンクリート量は約30立方メートル

ヒューム管はコンクリートに埋め込まれ、管内と外のコンクリートは
一体化している

コンクリートの表面をきれいに仕上げてくれたが、これはすべて
土の中に埋まる

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11月4日〜       基礎3段目
2段目のコンクリートがだいたい固まった。型枠をはずし、掘った土で埋める。土の中でゆっくり完全固化すればいい。



ヒューム管が少し短いので、継ぎ足し。鉄板を巻いて中をコンクリートで埋める
3段目の基礎の型枠をつくり、鉄筋を組む



3段目の基礎やヒューム管とその継ぎ足し部分内にコンクリートを流し込む。ヒューム管内へは上から入れるため、ポンプ車で圧送する


3段目のコンクリートの量は約6立方メートル

使ったコンクリートの量をすべて合計すると約100立方メートル
これにコンクリートの密度をかけると重さになる(単位はトン)
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11月9日〜       基礎工事完成へ
基礎3段目の型枠をはずし、まわりに砂利を入れる。ヒューム管の継ぎ足し部分の鉄板をはずすのはもう少し待ってから

上面に出っ張ったボルトを切断(ボルトは下から上に通してあり、上の面にナットがある)
バーナーで溶かして切る。M16(?)のボルトが1本3・4秒で切れる。
ボルトを上から下に通せばそんな作業は必要ないのに・・・(?)





足の鉄板をはずし、露出した鉄部分をさび止め塗装
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11月12日  完成

周囲にもっと砂利を入れて整地する予定だが、とりあえずここまでで完成とする。

南会津は雪の季節になった。
雨やみぞれが降り、地面がぬかるんで、ブルドーザーでさえまともに動けない。
あとの作業は冬が終わり、雪が解けてから。





天文台作りも長い冬眠に入ります。

 おやすみなさい...
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