4日目: リスボン → エヴォラ
大きなスーツケースはホテルに預かってもらって、ピギー1個で出かけます。
昨日下見済みなので、回数券を使ってメトロでスムーズにバスターミナルに到着。
できたばかりの新しいターミナルは至る所にモニターがあり、トイレもきれいでたくさんあるのが安心です。
これから乗るエヴォラ行バスの番線がまだモニターに表示されないので、外のベンチで待機です。
時間が近くなるとモニターの下に群集ができ、番線が表示されると民族移動よろしく人の流れが生じます。
番線の表示は結構間際まで出ないのが常で、今回も出たのは出発10分前でした。
Lisboa(Sete Rios) → Evora (08:30→10:15) |
バスは優雅な4月25日橋を渡り、一路アレンテージョ地方に向けて走ります。
2時間弱のこの距離の往復切符は8.85ユーロでした。片道600円しないのですよ〜。
ユーロになって高くなりましたが、それでもまだこんなお値段です。ポルトガルはバス旅がいいですね。
コルク樫の木々が多くなるとそろそろ下りる準備です。城壁が目印です。
エヴォラのバスターミナルも変わっていました。9年半の月日は何でも変えちゃいますね。
Evora エヴォラ
リスボンの東150kmのエヴォラはポルトガルを象徴するアレンテージョ地方の中心都市です。
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世界遺産に指定されている
世界遺産に指定されているだけあって、箱庭のような可愛い小さなこの町は史跡がてんこ盛りです。
かの天正遣欧少年使節が7日間過ごした町としても有名です。
(写真のない前回の旅行記の方が説明が多いのでよろしかったらこちらから、エヴォラ編はこちら)
今夜のお宿は、16世紀に建てられた王室系列貴族の館を改装したSolar de Monfalimです。
ペンションとプチホテルの間くらい、ややプチホテル寄り・・・といったレベルでしょうか。
ただエヴォラのホテル事情は、城壁内に設備の良いアメリカンタイプのホテルはありません。
ポウザーダでさえかなり狭い部屋ですし・・・由緒ある古いものを大切に楽しむという嗜好が強いようです。
入り口を入りすぐ左手の石造りの重厚な階段を上がると、踊り場には観葉植物や花がいっぱい・・・
更に上って2階に着いた所が写真で見える正面のオープンスペースのバルコニー、
左手の黒いアーチの所が階段の吹き抜けの所、そのすぐ隣ひとつ目のアーチが建物への入り口です。
ロビーラウンジもない通路のような所に小さなレセプションがあるのですが、それは元来邸宅だったせいでしょう。
実際はその先左手の雰囲気の良い部屋がラウンジとして開放されています。
重々しい鍵をもらって迷路のような通路を進み、いざ鍵を差し込むも・・・(>_<)・・・開かない・・・
途中であったお掃除のおばさんに言うと、したり顔・・・いとも簡単に開け、コツを教えてくれました。
コツがわかっても、この後も1度で開いたためしがありませんでした・・・
水周りはまさしく「古めかしい」のですが、その他は狭いながらも重厚でクラシカルな部屋、
高いアーチ状の天井には優雅なファンがついており、やわらかく空気を循環させています。
床から天井まで届くよろい戸付きの、厚ぼったくてゆがんだガラスがはめ込まれた味のある窓を開けると、
ふたり立つのが精一杯のちょこっとしたバルコニーがついており、
そのすぐ先の大きなジャカランダの木には紫色の花が満開でした。
さて荷物を置いたら、早速お昼を食べに行きましょう♪
お目当てのお店が開くまで、ジラルド広場近くのバルでビールのアペリティフ♪(笑)
時間調整してウキウキとそのレストランに行ったら、「本日休業」の掛札が・・・(>_<)
第2希望は先ほどのバルの近く・・・またテクテク戻るのですが、これが全然見つからない・・・
第3希望のオー・アンタオンは第1希望の近く・・・(>_<)・・・踏んだり蹴ったりで再び戻ります。
O Antao オー・アンタオン
Rua Juao de Deus 5-7
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ポルコ・ア・アレンテジャーナ |
アローシュ・デ・パト |
左はPorco a Alentejana (アレンテージョ風アサリと豚肉)
内陸部なのにアサリと豚?写真見たところ単にアサリとジャガイモじゃない・・・と思っているあなた!
これがめちゃ美味しいのです〜♪
大きなお皿にあさりとジャガイモがのっているのでわかりにくいのですが、
その下のたくさんの大きめな豚肉は柔らかくて美味しいし、豚さんのいいお味がアサリの出汁と相まって
外カリっ中ほっくほくのジャガイモにからんでいるのです。
私の大好きなコリアンダーがた〜っぷり入っているのも◎、でも苦手な人はきついかも・・・
右はArroz de Pato (鴨ごはん)。
見た目シンプルなパエリャのようですが、お米一粒づつに鴨のいいお味が染み込んでいます。
鴨の炊き込みご飯をさらに焦げ目がつくまでオーブンで焼いたもので、これも絶品です。
鴨のしつこさはなく、いくらでも食べられてしまいます。
海外に行くと食べ物が合わないという方に是非お勧めしたい・・・
どちらもかなりの大皿で、普通サイズの胃なら3人で分けてもいいような量でした。
他に、Cardo Verde (野菜のスープ)、アレンテージョ地方の赤ワイン1本、水をとって57ユーロ(¥7635)でした。
9年半という月日はやはり遠く、そしてユーロ導入で物価はかなり上昇していました。
でもこのお味なら日本の物価からみればまだまだお値打ち、更に3人前と思えばお安いもんですけど・・・
食後の腹ごなし方々、町の北西部の水道橋まで歩いてみましょう。
水道橋までの道は、時々住民が歩いているだけの人通りの少ない普通の住宅街、
庶民の生活を垣間見ながらこっちでいいのかなぁ・・・と不安になりながらも歩いていると、
突き当たりの城壁に直角に食い込むように水道橋が見えてきました。
水道橋の手前のたわわに実のなったオリーブの木々。街路樹?所有物?
来た道より1本東側の道を南東方面に歩いて行くと
初めての道でも簡単にRua 5 de Outubro(10月5日通り)にぶつかりました。
ここまで来れば後は上へ上へと行けばディアナ神殿の円柱が見えてきます。
ディアナ神殿 Templo Romama (Templo de Diana)
正式名はローマ神殿。
2世紀末のローマ時代に造られたコリント様式の遺構で、現在では花崗岩の円柱14本が残っているだけ。
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小さいと言われがちな神殿ですが大きさわかります? |
後ろは9年前に泊まったポウザーダ |
ディアナ神殿前の公園に仮設のバルが出ていたのでまたもや水分補給。
下なら1.5リットルの水が1ユーロで買えるのにここではミニボトルがビールと同じ料金・・・ということでビールを。
水の方が安くてもきっとビールでしょうけど・・・^^;
観光客の多い10月5日通りをウインドウショッピングしながら少し下り、
途中から左手に入り込むとなんだかいい感じです♪
気の向くままに路地に入り込むと思わぬパティオがあったり、急に階段が現れたり・・・
お宿の近くに来ているのになかなかたどり着けない、その代わり小さなグローサリを見つけたり・・・
こんなサプライズが楽しめるのも旧市街に泊まるからなのですね。
い〜っぱい歩いて疲れてお宿に戻り、シャワーを浴び、
ランチをしっかり頂いたので、生ハムをつまみつつビールを飲むだけで胃袋も肝臓も今夜は満足・・・
夜を軽めにしておくと、翌朝の寝起きが爽やかなので、今夜はこれにておやすみなさいです。