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6日目: リスボン → オビドス


今回も荷物はホテルに預かってもらって、バスでオビドスに向かいます。
2階建ての立派なバスはガラガラ、一番前の席に座れラッキー♪

 Lisboa(Campo Grande) → Obidos (08:15→09:20)

足元までフロントガラスなので、怖いながらも景色を堪能できました。
オビドスへは2度目、でも前回はカルダス・ダ・ライーニャからタクシーを使ってしまったため、
降りる場所わかるかなぁ・・・と不安でしたが、左前方丘の上に見覚えのある町が見えてきました。

Obidos オビドス
リスボンの北86kmにある、城壁に囲まれた「谷間の真珠」と呼ばれる絵のように美しい中世の小さな町
この可愛い村に魅了されたのがディニス王妃イザベラで、王は王妃の直轄地として村をプレゼントし、
以降600年の間、代々の王は、オビドスを王妃直轄地として贈り続けたといわれている。

バスはオビドスの西門ポルタ・ダ・ヴィラの下に停まり、
階段をちょっと上がった所にインフォメーションが新しくできていました。
帰りのバスの時刻をチェックし、オビドスの資料をもらったら早速ポルタ・ダ・ヴィラをくぐって村に入りましょう。

Porta da Vila  ポルタ・ダ・ヴィラ
村の西にあるメインゲート。クランク状の二重構造で、通路内部は18世紀のアズレージョが見事。
門を抜けるとすぐ左手に城壁に登れる階段があります。

まずはともあれ今夜のお宿探しから始めましょうか・・・
2〜3箇所チェックしてあるので、第一希望からと言うより手前からあたって行きましょう。

かなり安いのに一軒家造りのお宿が、ポルタ・ダ・ヴィラのすぐそばにあります。
一軒家造りっていうのがとても気になる・・・
連絡先のお土産屋さんに行くと、やさしそうなおばさんがいました。この方が大家さんでした。
値段は噂どおり超安!でも部屋を見ない事には決められません・・・
と言うことで、お土産屋も経営している大家さんに連れて行ってもらい、門を開け、玄関の鍵を開けると・・・
あまり利用していないのかちょっとしっとりした空気が・・・
おばさんすぐに全部の窓を全開にして、「ノープロブレム!」と満面の笑み・・・

玄関を入ると廊下を隔てて向き合うように右がダブル、左がツインのベッドルーム
どちらもよろい戸付きの窓があるので明るく、寝具は新しく出してくれました。
そのまま進むと左手にバスルーム、手前右に曲がると左手にキッチン、そして突き当りがリビング。

キッチンにはオーブンや冷蔵庫があり、久しく使った形跡がない流しはきれいではありません。
広〜いリビングは左にソファーとローテーブル、右にバーカウンターやハイテーブルがあり、
リビングにもよろい戸付きの窓が2箇所、そして窓には造り付けの漆喰のベンチがついていました。
この窓の向こうはかの城壁♪ 城壁と窓の間には朝夕ロバも通る小道になっています。

白いカーテンの向こうが漆喰の椅子付窓
キリン模様の所は暖炉
内部は漆喰とアズレージョ♪

ベッドルームはどちらでも好きな方を・・・との事。
今の所もうひと部屋の予約は入っていないので、おそらく今日は私たちだけになりそうとの事。
もうひと部屋に来るかもしれない人がどんな人かがちょっと不安、バスルームなどは共同になる訳ですから。
でも私たち2人だけでもちょっと不安・・・だって1軒家ですから・・・電話もないし・・・
造りは素敵で立地も抜群、でも久しく使われていない雰囲気がぷんぷん・・・
ん〜どうしましょ・・・同行者は全然平気だって・・・じゃあお願いしましょうか。
と言うことで、他を見ず1軒目で即決!時間を有効に使えていいんじゃない・・・

小さな村とは言え実質観光できるのは今日だけ、オビドス初めての同行者には時間が足りませんから
本当はもう少し開けておきたかった窓を閉めて出かけましょう。

左へ行くとメインのディレイタ通り 中央屋根瓦の隣のお家に泊まりました ポルタ・ダ・ヴィラの上から
白壁に赤い屋根瓦がきれい 白壁に花がたくさん咲き乱れて 突き当たりの塔がポウザーダ
延々と続く城壁の向こうは葡萄畑 城壁には柵も手すりもありません 昔泊まったスイートルームの塔


Pousada do Castelo ポウザーダ・ド・カステロ
Paco Real   12:30〜15:00/19:30〜22:00


9年半前このポウザーダのスイートルームに宿泊したのですが、今回は安宿・・・
でもポウザーダでお食事だけ頂く事ができるので、今日のランチはここに決定!

ホテルのレセプションでマニュエル様式の窓の席を予約してもらい、
レストランのオープンまで30分あるため、ホテルのバルでビールを飲んで待ちましょう。
ランチ前のバルにお客は誰もいません。
外は暑いのに、薄暗いバルはクーラーを入れていないのにひんやり涼しい♪
分厚い石の壁だから熱が伝わらないのでしょう。

しばらくすると、「レストランが開きました」とお迎えに来てくれました。

板ガラス状の皿のアミューズ パンもバターもオリーブペーストも◎ デキャンタージュ中
カルド・ヴェルデも◎ ミネストローネ 絶品!鴨のロースト
絶品!鱈入りクラブケーキ 甘いお菓子とチーズ フルーツ

ポルトガルのレストランには、日本風に言う「お通し」があります。
すでにテーブルにおいてある場合や、席に着くと持ってくる場合など様々ですが、これらは全て有料。
そしてお料理に比べると結構高く設定している場合が多いですし、
何度も回されて時間が経った物があったり、前の人の分に追加して出したりする店も時々あります。
食べていないのに請求されることもあるので、私は見て要らない場合はすぐに下げてもらっています。

高級レストランではサービス料に込みにする場合があったり、また有料でもはずれる事が少ないだけでなく、
日本の居酒屋さんのお通しと同じ感覚で、受け入れることが暗黙のマナーになっている事が多いようです。

このポウザーダのお通し(アミューズ)は、美味しかった記憶があるので楽しみにしていました。
ところが今回は手の込んだものではなかったのでちょっと残念・・・と思ったら、
この生ハムとチョリソは熟成がすすんだ物でかなり美味しかったですし、
色々入った複雑な味のチーズのディップがどっしりパンに合って、とっても美味しかったです。

ワインをボトルでお願いしたら、ワゴンをテーブルのそばまで持ってきて私たちの目の前で、
蝋燭の火にかざしながら丁寧にデキャンタージュしてくれました。
デキャンタに移し変えたワインをグラスに注ぐ時も、蝋燭の火にかざしていたのはびっくりでした。

葡萄とオレンジのソースで頂く鴨、(鱈と蟹の)クラブケーキ、どちらも超絶品!
見た目よりボリュームたっぷりでかなり満足です。

デザートの盛り付け、変でしょ? 
このレストランにしてはザツ過ぎる盛り付けなのは、実はデザートバイキングだったのです。
いくらだったか忘れましたがひと皿1回のみのバイキング、
お姉さんは「ケーキ1個でも、山盛りでも同じ値段だからもっとのせたら?」なんて言ってくれましたが
お腹いっぱいなので、写真の盛り付けすら精一杯。
ケーキだけでも何種類もあったので、もうちょっと大きな胃袋だったらよかったのに・・・

お値段は9年半前とはえらい違いです。
ワインはハーフからフルボトルになりましたが、お料理が違っても品数はほとんど変わらずで倍以上です。
エスクード時代のポルトガルがとても懐かしいですねぇ・・・


お腹も心も満足してポウザーダを後にすると、ディレイタ通りは観光客がずいぶん少なくなっていました。
両サイドのお土産屋をジグザグにひやかしながらディレイタを半分くらいまで歩き、
途中右手に青と白の可愛い路地を見つけたのでふらふらまぎれ込んでみると、
観光地ではないオビドスの裏側が覗けたりして楽しい♪
犬にほえられたり、小さなギャラリーがあったり、隠れ家的ホテルがあったり・・・
そのまま右手上にずんずん進むと城壁に上がれ、城壁の向こう側の雄大な景色もまた素晴らしい!
城壁をうまく利用したバルの裏側に回ると、小動物園(飼っている?)もありました。

お借りしているお宿のすぐ近くでお土産屋をやっている大家さんは、夜は自宅に帰ってしまうそうなので、
万一の場合に備えて緊急時の連絡先を聞くため、大家さんちに寄りましょう。
ぶどうを食べながらどこかのおばさんとお話中だった大家さんは、そのぶどうを半分プレゼントしてくれ
ショップカードに自宅の電話番号を書いてくれました。
でもお宿に電話はないし、公衆電話も村内にはないんですけど・・・ま、気休めですね。

近くのグローサリーでビールと水などを購入して一旦お宿に戻ります。
この時間で誰もいないということは、今夜は2人きりのようです。
よかった〜と思う反面ちょっと不安も・・・

リビングでTVをつけるとワールドカップ(?)、しかも日本戦でした。
ビール片手に途中まで見ている内にやっと日が暮れてきたので、
ライトアップがきれいになってきたかも・・・と夜のお散歩に出かけましょう。

あんなににぎやかだったディレイタ通りは寂しいほど人がいません。
青空に映える白壁に黄色や青のアクセントが可愛かったオビドスの村は、
日が暮れると妖艶なモノトーンの世界に豹変し、しっぽりを通り越してちょっと寂しい・・・
半分くらい歩いたディレイタ通りを取って返し、ポルタ・ダヴィラの横から城壁を上ってみましょう。
昼間と違い足元がおぼつかないのは、ビールを飲んだからだけではなさそうです。
なにかこう・・・包みこむ空気がちょっと違う感じがするのです。
幻想的な雰囲気に酔っているのか、はたまた城壁からのストーンパワーなのか・・・

お宿に戻ってTVをつけると、もうサッカーは終わっていました。
勝ったのか負けたのかすらわかりません・・・
チャンネル数が少ない割にはさすがヨーロッパ、BBCが入るのでBGMに流しながら
パンと生ハム、エヴォラで買ったシェーブル、ポテチ、大家さんに頂いたぶどうなどつまみつつまったり♪
エヴォラでシェーブルチーズを2種買ったのですが、特に小さい方がめちゃ美味しい♪
ウォッシュに近いクセがあり、しっとりして、これで1ユーロとは・・・
こんなに美味しいのだったら、お土産用に大量買いしたかったなぁ・・・

しかしこのお家の造り可愛いです。
ほとんど有効活用されていないなら買い取りたい(^o^)・・・っていくらやねん!(なぜに関西弁?)
手を入れてきれいにしたらかなり評判いいと思うのですけど・・・
手を入れること自体、世界遺産の中じゃ難しいのでしょうね。

戸締りを念入りにチェックし、すべての部屋の電気をつけたまま・・・おやすみなさ〜い。




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