◆書籍・ムック掲載資料一覧
書籍
戦争と平和 第2章サブカルチャーと歴史

「・・・・・・だけど、ときどき富野さんが落としどころで、たとえば『ガイア・ギア』のラストでアフランシに子供を作らせるとか、どこかでわりと安全パイに『あれっ?こんなところで着地しちゃうんだ』と思うこともあるんです。」
語ろうシャア 永遠のガンダムシリーズvol.2

●ガイア・ギア
『月刊ニュータイプ』に連載された、富野監督が執筆した小説。この作品は、基本的にガンダムシリーズと同じ世界観、歴史に基づいているのだが、ガンダムシリーズが未完なので、一種のパラレルワールドとして位置づけられている。0152年のシャア存続計画開始~0184年のシャア・アズナブルのメモリー・クローン(アフランシ・シャア)の誕生という時代背景。そして、スペースノイドの自治確立を求める動きから生まれた反地球連邦政府組織「メタトロン」と、不法居住者摘発部隊が選民思想にもとづく私兵集団と化した秘密警察「マハ」という対立構図だ。これらをもとに、物語は0203年にアフランシがメタトロンに迎え入れられ、その総帥として戦う経緯を描いている。●シャア存続計画
『ガイア・ギア』の時代では、地球圏に住む人類のほとんどはコロニーで生活しており、地球は環境保全と汚染防止のために原則として全面居住禁止となり、地球上に住めるのは連邦政府職員などに限られた。そしてこの時代では、移民時に発生した人種問題や階級意識という、前時代的な社会問題が起きていた。
そんな状況の中、メタトロンの中枢に身を置く人々は、シャア・アズナブルがかつて語った絶対理想に共感しており、純粋にシャアの意思を再現して次の良き世紀を構築する夢に取り憑かれていた。そんなロマンチズムから、シャアのメモリー・クローンを生み出すシャア存続計画が発動する。●アフランシ・シャア
『ガイア・ギア』の主人公で、シャア・アズナブルの記憶を宿したメモリー・クローン。このアフランシ・シャアという名前は、「自由にされたシャア」という意味がある。彼は物語冒頭から、頭の中で鳴り響く音に悩まされながら、メタトロンの手引きでマン・マシーン(MSに相当する人型機動兵器)を操縦したり、シャトルをハイジャックしたりと、素人とは思えない行動をする。これは、彼がシャアの記憶を持つことに起因しており、リーダーとしての立ち回りやパイロットとしての素質は本人の自覚以上に発揮される。一方で、彼は人格自体がシャアではないので、かつてのシャアとの違いも数多い。下剤を飲んでしばらく漏らしながらマン・マシーンを操縦したり、警察に捕まり収監房へ入れられたり、ふと恋人のことを思い出してコックピットの中で自慰したりと、総帥としての高貴さが微塵もないエピソードには枚挙がない。
物語が進むにつれ、アフランシはメタトロンの総帥として行動するのだが、組織の中に身を置き過ぎたがゆえに思考が硬直化したメタトロンの老人たちとの確執も生まれている。彼らは、アフランシが総帥になった時点で充足したことなどから、アフランシたちがマハを追って地球に降りた時点で、かなり活動を見限っている。結局、アフランシは仲間たちとともにマハとの決着をつけた時点で、組織に戻ることはなかった。●ガイア・ギアα(アルパ)
『ガイア・ギア』の主人公、アフランシ・シャアが乗るマン・マシーンで、サイコミュも搭載している。ガイア・ギアとは「地球をつなげるもの」という意味で、これは地球に生息する命あるものと、地球の存在を許容する宇宙をつなぐ、ということを表している。命名者はシャア・アズナブルで、「わたしが命名者だ」とアフランシの深奥の意思が呼びかけている。●ゾーリンソール
『ガイア・ギア』に登場するMS。シャア存続計画を推進するズィーオーガニゼーションによって、ホンコンの廃ビルにほぼ一世紀に渡って隠匿されていた。アナハイム社主導で開発され、0110年にロールアウトされた。開発経緯上、シャア存続計画のプログラムの一環としてあらかじめ組み込まれており、いわば「シャアの遺産」として保存されていた機体だ。●ラジオドラマ版ガイア・ギア
文化放送で放送されたラジオドラマで、のちにCDドラマとして発売されたもの(脚本は『ガンダムZZ』の小説を執筆した遠藤明範)。小説版といろいろと展開は異なるのだが、基本的なアフランシの軌跡は小説版と変わらない。
アフランシ・シャアの声は横堀悦夫だが、アフランシの中から聞こえるシャア・アズナブルの声はもちろん池田秀一が担当。ただし、シャアの声が出てくるのは#4まで。(管理人註:これは誤りで#12「目覚め」においてもシャアの声は聞こえている。ケランに替わりゾーリン・ソールに乗り込んだアフランシの耳にシャアの演説が聞こえてくる。アフランシはその演説からニュータイプの何たるかを知ることになる。また参考文献において小説版・サウンド版とも全6巻となっているが、当然これも全5巻の誤りである)
ガンダム神話 第3章 鉄人28号は巨大ロボットのスタンダード

ファンD「遅れながらも『ガイア・ギア』というのを知りました。噂によると逆襲のシャアから100年の歳月が経過した時代が舞台とのことですが、この時代のモビルスーツの設定には賛同しかねます。なぜなら、サイコミュシステムという脳波だけで機体を操れるものをだしたら、これから出てくる新しいモビルスーツは、どう考えてもこれ以上の性能の発展を望めないからです。これでは、ガンダムは面白くなくなってしまいます。」
アニメノベライズの世界 第1章 「宇宙世紀」の戦いの歴史に想いを馳せる!
「ガンダム」ノベルス15タイトル

諸般の事情により一部抜粋
- 「あるところにひとりの青年が住んでいました。彼はある日、自分が伝説の戦士の生まれ変わりだと知ります。青年はそれまで住んでいた島を抜け出し、その結果として恋人を伝説の戦士として迎える人々のところへ向かいます。自分の育った世界が邪まな人々に独占されつつあると知り、彼はついにこの世界を守り抜くのです。戦いの中で恋人とも再会できた青年は、伝説の戦士のしがらみから解放され、再び故郷の島で恋人と末永く暮らすのでした……」
- 物語全体に大仰さなどなく、冒頭に書いたようなアフランシの活躍を綴るジュブナイル小説としての側面が強い
- 雰囲気的には90年代後半以降の富野アニメを彷彿させる部分もあり、「ガンダム」の一遍ではなく《活字で読む富野アニメ》として楽しみたい
- 作者はこの『ガイア・ギア』を通じ、地球上に残った自然のままの雄大な世界を描くことで、まだ「ガンダム」にはやれる余地があるんじゃないか、そう煩悶していたように思えてならない。
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データガンダム キャラクター列伝 〔宇宙世紀編 II〕

宇宙世紀の英雄となったシャアのMIA後、彼の復活を望む計画がいくつかあった。シャアの再来の称号も生まれたようだ。また実際にクローン人間として宇宙世紀203年頃にシャア・コンティニュー・オペレーション(シャア存続作戦)で成長したアフランシ・シャアが表舞台に立ち、マン・ハンターと戦っている。
ムック
B-CLUB SPECIAL 機動戦士ガンダムMS大全集 MSスーパー情報局

ニュータイプサーガ ガイア・ギア
富野由悠季著 角川書店 月刊ニュータイプ連載中現在語られている「ガンダム」のストーリーの100年後を描く小説版。
主人公は、シャアの遺伝子を受け継ぐ(?)17歳の少年、アフランシ・シャアである。南の島に住む彼は、長老の「宇宙に出る」という遺言を受け宇宙港のあるホンコンへ向かう。
「遺言」と呼ばれるMS、ゾーリン・ソールを手に入れたシャアは、そのMSでシャトルジャックを試みるが・・・・・・
この作品は、キャラデザインを北爪宏幸氏、メカデザインを佐山よしのり氏というTV版にも参加したスタッフが担当している。
機動戦士ガンダム大全集 ガンダム=バリエーションの系譜

そしてもうひとつは逆襲のシャアから百年の歳月が経過した時代が舞台の「機動戦士ガイア・ギア」だ。主人公はシャアのクローンの一人、アフランシ。MSに代わる新世紀の兵器「ガイア・ギア」が闊歩する世界が描かれている。
NT100%コレクション 機動戦士Vガンダム1 Wellcome to GUNDAM WORLD

MINOVSKY DRIVEウッソの時代よりも、さらに後の世界の物語「ガイア・ギア」においては、より一般的な装備となっているこの推進システムも、現段階では改良の余地を多数残しており、駆動時に多量の粒子と光を放出してしまっている。U.C.203 ガイア・ギア 1987NOVEL RADIODRAMA現在のところ最も遠い未来、宇宙世紀0200年代が舞台の富野由悠季の小説シリーズ。モビルスーツという呼称は過去のものとなり、人型機動兵器がマンマシーンと呼ばれるガンダム以降の世界が提示される。南太平洋の環境保全区に住む青年、アフランシ・シャア。彼こそは、スペースノイドの英雄、シャア・アズナブルの記憶を受け継ぐメモリークローンだった。運命に導かれるままに、生まれ育った島を出た彼は反地球連邦組織メタトロンのリーダーに迎え入れられる・・・。ガイア・ギアとは、主人公のアフランシが乗り込むマンマシーンのシリーズ名であり、ガンダムに匹敵する名前といえるだろう。角川スニーカー文庫から、全5巻で発売中。また、バンダイビジュアルからCDドラマ版が、全5巻で発売されている。
富野由悠季全仕事 検証 富野由悠季の小説世界

『ガイア・ギア』1~5/全5巻(角川スニーカー文庫)『ニュータイプ』(角川書店)誌上で連載。クローン技術によりシャアの遺伝子を受け継いだ、アフランシ・シャアの活躍を描く。こちらも(『閃光のハサウェイ』同様)サンライズ公認のガンダム正史とは異なるため、ガンダムとしてはオリジナルのアナザー・ストーリーとなっている。ラジオドラマ化されるなど映像化とは違ったメディア・ミックスも行われた。
ライトノベル完全読本 ガンダム小説大全

富野編2 V~ガイア・ギアそれ以外にも富野由悠季小説で特筆すべき作品としては『ガイア・ギア』がある。こちらは正確にはガンダムシリーズとは言えないのかもしれないのだが、はるか未来を舞台にシャアの記憶を受け継ぐ青年アフランシが、反地球連邦組織「メタトロン」のリーダーとしてマンマシーン「ガイア・ギア」を操り、秘密警察「マハ」との戦いに身を投じていく物語。前述の『閃光のハサウェイ』と同時期に書かれたもので、同様に意欲作である。文化放送40周年を記念しラジオドラマ化もされ、ドラマCDも発売されたが、現在では書籍・CD共に入手は困難なのが残念
機動戦士Zガンダムヒストリカ 00 刊行記念スペシャル

TOMINOHISTORICA6 1979~「文学」に憧れつづけて他にも、シャアの遺伝子を継ぎながら、それを背負いきれない男の悲劇『ガイア・ギア』('88)や、ブライトと息子ハサウェイの悲劇を描く小品『閃光のハサウェイ』('89)など、富野文学の主流をなすガンダム関係の小説には(そのことには、作者自身忸怩たる思いもあるだろうが)、傑作が多い。
僕たちの好きなガンダム 一年戦争徹底解析編
もう一つの宇宙世紀 “絵のないガンダム”に漂う性と死の匂い

また、舞台は『逆シャア』から100年後(といっても『F91』などとは繋がらない、もう一つの未来)、ただの漁師だったアフランシア(原文ママ)という青年が、シャアの遺伝子を継ぐ者として周囲に祭り上げられていくという物語の『ガイア・ギア』。ここでも、主人公が、環境変化によるプレッシャーから、泣きながら故郷の恋人を思い、自慰行為に浸る場面などが描写されるのである。ちなみに本作は、最終的に主人公が「勘弁してくれ」とすべてを投げ出して恋人の下に帰るという、涙なくしては読めない結末を迎える訳だが……
シャア・アズナブルぴあ 細かすぎて伝わらない!?シャア雑学

●ガイア・ギア アニメ誌『ニュータイプ』で連載していた富野氏の小説。ガンダムシリーズと明言されていないが、宇宙世紀と同じ世界観・流れに基づいた作品である。宇宙世紀0203年が舞台で、主人公のアフランシ・シャアはシャアの記憶を持つメモリー・クローン。シャアの絶対理想に共感した反地球連邦組織『メタトロン』が、純粋にその意思を再現しようと生み出したのが彼である。人格としてはまったく別だが、操縦技量やリーダーとしての立ち回りはすべてシャアの記憶によるものである。
葬られたマンガ・アニメ150 超絶句編

ガンダムシリーズの黒歴史「ガイア・ギア」の悲劇 ガイア・ギア(1987年)「機動戦士ガンダム」の原作者・富野由悠季が発表したライトノベル。全5巻の文庫版が発刊されていた。 1987年から角川書店のアニメ誌「ニュータイプ」誌で連載された「ガイア・ギア」は、「機動戦士ガンダム」シリーズを生んだ富野由悠季が手がけたライトノベルだ。本作の主人公は宇宙世紀203年に南洋の島を模したスペースコロニーで育った青年アフランシ・シャア。名前からも察せられるとおり、「ガンダム」シリーズの大人気キャラであるシャア・アズナブルの記憶を受け継いだクローン人間だ。
ある日、反地球連邦組織のリーダーに就任したシャアは、人型兵器「マンマシーン」に乗り込み、連邦の秘密警察と激しい戦いを繰り広げていくことになるのだった。
富野由悠季らしい熱い人間ドラマとバトル描写が話題を呼び、ガンダムファンのあいだでも大ヒット。いまでも熱狂的な支持者が多い一作である。
ところが本作は、現在では完全に封印されており、スニーカー文庫から発売された全5巻の文庫本やCDとして発売されたラジオドラマ版など、いずれも絶版状態になっている。これだけの人気作にしては、なんとも不思議な状態なのだ。
このような事態になったのは、富野由悠季とサンライズ社(ガンダムを制作したアニメ会社)のあいだで、契約の問題が起きたからだ。というのも、「機動戦士ガンダム」が制作された当時はまだ「アニメ原作」という観念が薄かったため、生みの親である富野由悠季は原作権を30万円で売却している。そのため富野の独断ではガンダムの新シリーズを立ち上げることができなくなってしまったのだ。
もっとも、最初はサンライズ側も黙認の構えだったらしい。しかし、徐々にガンダムの市場規模が大きくなるにつれ、富野由悠季への締め付けが増加。おかげで「ガイア・ギア」は復刊が不可能となり、いまでも手に入らない状態だ。
その他
機動戦士ガンダムZZ メモリアルBOX タイプ2ライナー 対談―富野由悠季×上野俊哉

復刻版サントラ1 ライナー&帯

『機動戦士ガンダム』の監督・富野由悠季が「月刊ニュータイプ」(角川書店)に掲載した小説を、文化放送が開局40周年を記念したAMステレオ・ドラマとして放送。本盤はそのサントラ盤としてリリースされた。音楽は竜童組他における活動を経て、映画音楽作曲家として活躍する川崎真弘。約50名編成のオーケストラに川崎らしいメロディに富む主題を歌わせたスコアは、大作劇場映画もかくやという堂々たる風格。
本作が『機動戦士ガンダム』と同じ“宇宙世紀”を舞台にした作品であることを雄弁に物語る、テーマ性豊かなOP、ED主題歌をフル・サイズで併録。帯宣伝文 悲しみで綴られた歴史は、どれほど争えば終わるのでしょう・・・・・・
『機動戦士ガンダム』の世界をベースにしたラジオドラマ『ニュータイプサーガ ガイア・ギア』。
川崎真弘渾身のスコアを収録したオリジナル・サウンドトラックCDが、ここに待望の復刻成る!!
OP主題歌「VOICE OF GAIA」、ED「STAY WITH YOU~星のように~」収録
復刻版サントラ2 ライナー&帯

ライナー解説文文化放送が開局40周年を記念して放送した高品質なラジオドラマ『ガイア・ギア』のサントラ第2集。物語のクライマックスを彩ったドラマティックな未収録分のスコアを収録。豊かなオーケストラ・サウンドが遠い未来の人間群像を描写する様は、まさに伝統のガンダム・サウンド。さらに本盤では、作曲の川崎真弘自らシリーズの音楽を全4楽章のピースにまとめた新録音の「ガイア・ギア組曲」が聴きどころである。
ドラマ『ガイア・ギア』は、富野由悠季氏が『機動戦士ガンダム』で構築した“宇宙世紀”の世界観の上に展開させた原作に基づくが、脚本をガンダム・シリーズに関わりの深い遠藤明範(『機動戦士ガンダムZZ』メイン・ライター他)が担当し、原作以上に『ガンダム』世界との密接な関係性が打ち出された。ラジオ・ドラマは放送終了後に「サウンドシアター」として全話CD化(APCM-9001~5)されており、これらの復刻も待たれる。帯宣伝文刻の涙と川崎真弘の管弦楽が共鳴する!富野由悠季が『機動戦士ガンダム』の世界をベースに創作した『ガイア・ギア』
その伝説のラジオ・ドラマ版サウンドトラック第2集がここに再降臨!!
20分に及ぶ渾身の「ガイア・ギア組曲」収録
GUNDAM FIX TRANSITION
