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三行書評 第77回

2002.12.10

 1日遅れの三行書評です。五つ星が満点。

後藤健生
『2002年ワールドカップの真実』
(実業之日本社ISBN4-408-61216-2)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 開幕6ヵ月前から閉幕直後までの取材日記。戦評と旅日記と各国サッカー文化紹介などで成り立っている。
コメント ヨーロッパ方面に15泊17日(機中1泊)の旅をしたり、ワールドカップ開催中は25試合をスタジアムで観戦して、家で寝たのは10日足らずという強行軍だったらしい。そこまでいくと、仕事とは言え大変だろうなぁ。なにはともあれ、まだ半年も経っていないのに懐かしいことこの上ない。
渡邊敏夫
『暦入門』
(雄山閣ISBN4-639-01219-5)
お薦め度 ★★★★
あらまし 図書館にあった暦関係の本の中で、一番よさそうな感じがしたので借りてきた。“当たり”だった。
コメント こんなことを書いてみました。
ステーファノ=ボルドリーニ
『NAKATA中田英寿イタリア戦記
(片野道郎/朝日新聞社ISBN4-02-257675-8)
お薦め度 ★★★★
あらまし 著者は、イタリア最大の発行部数を誇る日刊紙『コリエーレ=デッラ=セーラ』の元ASローマ担当記者。
コメント 現地の記者がどのように捉えていたのかが解って面白かった。現地で活躍する日本の報道陣の一端を描いたコラム(「ナカタ・ミッション」171頁)だけでもぜひ。
森本優子くじらいいく子
『ラグビーに乾杯!』
(ベースボールマガジン社ISBN4-583-03609-4)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 『ラグビーマガジン』誌に連載した同名コラム(1993年1月号〜1999年8月号分)をまとめたもの。難しい戦術論も戦評も出てこず、《「ラグビーを愛する人たち」を描いた本》である。
コメント 僕はラグビーの経験はない(高校の授業でもやらなかった)けれど、なんかラグビーが好き。それは、知り合いのラグビー経験者3人(1人は主将)が3人とも気持ちのいいヤツばかりなせいかもしれない。

 グレートブリテンおよび北部アイルランド連合王国(いわゆる“イギリス”)が、サッカーとなると、イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランドに分裂(?)してしまうのは――不思議さは残るものの――この間のワールドカップで知られるようになったと思うけれども、ラグビーはもっとすごい。イングランド・スコットランド・ウェールズとアイルランドに分かれるのだが、このアイルランド協会(Irish Rugby Football Union)というのは、北アイルランドとアイルランド共和国を合わせた地域を統括しているのだ。つまり国境を越えていることになるのだ。

蛇足
  1. 上記4協会にフランス協会を加えたのが5カ国対抗ラグビー(2000年からはイタリアも参加するようになり、6カ国対抗ラグビー)。
  2. イングランド協会(RFU:Rugby Football Union:1871年創設)は、イングランドサッカー協会(FA:Football Association:1863年創設)と同じで、国(または地域)を表す言葉が入っていない。日本ならば、JRFUとJFAなんだけどね。

 以上、トリビアでした。