天文台建設日記 
 
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 2009年
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8月6日    作業ミスだった
エスティマハイブリッドのドライブシャフトが折れた件で、栃木トヨタから連絡がありました。以前、リアモーターを交換した際の作業ミスだったことを認めました。リアモーターとデフは一体なので、交換した際はリアデフにデフオイルを入れます。その際、機械か人間かにエラーがあり、オイルが規定の量よりも大幅に少なかったと言っていました(私の想像ですが、単にオイルを入れ忘れたのだと思います)。そのため、ある時点でギアが焼き付いて、左右のドライブシャフトに回転差が生じ、一方のシャフトがねじれて破断したようです。
この件についてミスを認め、謝罪がありました。この事例は私の車だけの問題で、世の中のエスティマハイブリッドや同等のハイブリッド車には起こらない問題だという結論になりました(ディーラーの責任であり、トヨタ自動車の責任ではない)。
ただし、どの車でもデフオイルが大幅に減ると同じことが起きます。

私としては最初からそうだろうとは思っていましたが、ある程度の規模の企業というのは、まずは自分の責任を回避してミスを認めようとはしないものです(その最たるものが日本政府と警察)。栃木トヨタが比較的早い段階で自分の責任を認めて謝罪したのは評価できます。ホンダほどではないかもしれませんが、人の命を預かる機械を売っている会社だという自覚があるからでしょう。一歩間違えば命に関わる問題でしたが、私にとっても栃木トヨタにとっても幸運なことに何事もなく済みました。栃木トヨタ側は思いっきり怒られることを覚悟して連絡してきたようですが、私は特に怒りませんでした。この件による被害がなかったこと、比較的早い段階で非を認めたこと、想定の範囲内だったこと、私の営業担当が客を大切にしてまじめに仕事をする優秀な女の子だったことなどにより、許してあげることにしました。自宅に謝りに来られても面倒なだけですし・・・  

たぶん謝罪の一環だと思いますが、別件でハイブリッドバッテリーがまた劣化して回生しなくなったことを訴えていたのですが、これを交換してくれることになりました。約1年前に交換したハイブリッドバッテリーですが、予想通り1年でまた、まともに動かなくなりました。
バッテリーは放電しても充電しても、内部抵抗のために発熱します。ハイブリッド車は、バッテリーがある温度以上になると保護のために回生を止めます。バッテリーが劣化すると温度上昇が早くなるようです。現状では5分ぐらい走ると規定の温度に達して回生が止まります。夏の暑い時間帯は、運転する前からバッテリーの温度が上がっており、最初から保護回路が働いてしまって全く回生しません。こういう車を「ハイブリッド車」と言って売ること自体、ほとんど詐欺です。エスティマハイブリッドの構造上、どうしようもない構造的な欠陥ですが、ハイブリッドバッテリーを新品に交換することによって一時的に正常な状態に戻ります。とりあえず、この件はありがたく受けることにしました。車の寿命と同じだけもつ「はず」のバッテリーですが、1年に1個ずつ交換することになりました。これはかなり高価なパーツですが、もちろんすべて無料です。

回生が止まると何が問題なのか、再度書いておきます。エネルギーを回収できなくなるだけではありません。
トヨタのハイブリッド車は走行中にアクセルから足を離し、ブレーキを踏むと発電機を回して発電します。その電気をハイブリッドバッテリーに貯めるわけです。運動エネルギーを電気エネルギーに変換するわけですから車は減速します。つまりブレーキがかかります。これを回生ブレーキといいます。感覚的にはエンジンブレーキと同じですが、これが結構強力で、ディスクブレーキと相まって2トンの巨体を強力に止めてくれます。回生しなくなるとディスクブレーキだけで止まることになり、ブレーキの効きがかなり弱く感じます。2つのブレーキがある時よりも強く踏まないと同じようには止まれません。これが大問題で、時によってブレーキの効きが違うわけです。ブレーキを踏んでみないと効きの強さがわからないなんて車があっていいわけありません。
さらに、回生が止まる瞬間が問題で、そのときブレーキを踏んで減速している途中だったとしたら・・・  回生している間は、かなり強力にブレーキが効いていますが、回生が止まった瞬間、ブレーキ力が抜けたようになり、前の車に追突しそうになります。ブレーキを踏んでいる間に効きの強さが変わる車なんてあっていいわけありません。非常に危険な車です。
エスティマハイブリッドの悪評をあまり聞きませんが、ユーザーの皆さんはこれをどう思っているのでしょうか。
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7月26日   エスティマが返ってきたけど...
エスティマハイブリッドの修理が終わって返ってきました。折れたのはリア右側のドライブシャフトですが、リアの左右のドライブシャフト交換と先日交換したばかりのリアモーターも交換したそうです。
サービス担当に今回の事例をトヨタ自動車に報告したのか聞いたら、報告したとのこと。トヨタ自動車側の反応は? と聞いたら、特に何もないとのこと。これから壊れた部品をトヨタ自動車に返して、それを調べるようです。前回のトラブルの時もそうでした。前回も重要度はある程度高いと思っていましたが、今回はそれよりもはるかに重要な問題です。
トヨタ自動車ってそういう会社なのでしょうか? ドライブシャフトが折れるというのは設計上あり得ないことで、壊れるとすれば部品の不良か前回のモーター交換時の作業ミスか。部品の不良なら即座にリコールになるはずで、開発か検査担当が飛んできて、修理作業に入る前に調べるのが当然でしょう。ディーラーのサービス担当が、報告したけど反応がないというなら、そんなはずないとか、ウソだろうと言ったところで始まらないので、現段階では、トヨタ自動車は客の命に関わるかもしれない重大な問題を放置するひどい会社だということになります。
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7月24日   晴れない
最近半年ぐらい、「アルバム」の写真が更新されていません。半年前にアップした写真に「New」の表示が付いていることに気づいて削除しました。新しい写真をアップするとき、それまでのNewを消していたのですが、約半年間、天体写真を写していませんでした。まともに晴れないから撮影できないわけです。正確に言えば、まれに晴れることはありますが、そのときは星を見ることに飢えているので、写真など撮っている暇があるなら、自分の目で星を見た方がいいという思いが強くて、眼視を優先してしまいます。そして、自分の目で見られたことに自己満足して、「星雲星団観望記」にも何も書かずに終わってしまいます。もっとも、まず最初に見るのはごく一般的な有名な天体ばかりなので、「星雲星団観望記」に記述するべき新たな情報が何もありません。

ななつがたけ北天文台あたりは、快晴になったときの星のきれいさでは、関東近郊で最高の地と思っています。しかし、その地での最高の状態を見てしまうと、普通に晴れた夜では天体写真を撮る気になれません。贅沢病ですね。そんなわけで、アルバムの写真が増えません。しかし、一番の理由は「晴れない」ことによります。日本は四季の国ではなく、乾季と雨季の国になってしまったのかもしれません。日本海側は、雨期と雪季となり、1年中ほとんど晴れない地域となります。そこにななつがたけ北天文台があります。
 
7月22日   栃木は曇り
自宅で部分日食を見ようと機材を準備し待機していましたが、ほぼ曇りでした。
オーナー1の自宅にオーナー2とオーナー1の友人のT松さんと3人で待機していました。きれいに晴れればオーナー1の家族も出てくるはずでした。
しかし、残念ながら、初めは雨、その後ちょっと薄日が差し、そしてすぐにまた曇ってしまいました。
でも、蝕分50%ぐらいの時、ちょっとだけ太陽が出ました。Sky90双眼望遠鏡で眼視も、ヘリオス1+ビクセンフィリップミラー+GX200のコリメート・モニタ出力画面でも、欠けた太陽が見られました。全滅ではなかったので、良しとしましょう。

今回の日食は、ほぼNHKのテレビで観望となりました。やはりこういうイベントはテレビの前が特等席ですね。天下のNHKですから、皆既食帯の中のどこか晴れているところにカメラがあって、全滅させない努力をしてくれています。そのためには多くの地点にカメラを配置しなければならず、カメラマンの中には天体撮影では素人もいたのでしょう。なんでピントが合ってないなんてことが起こるの?  フォーカスは無限遠に固定しておけばいいのに、かなり見にくいはずのビューファインダーで、なんでその都度合わせようとしたのでしょう。カメラマン魂はわかりますが、それほど天体撮影は素人?
天文現象の撮影の時は、天体写真についてはプロレベルのアマチュア天文家をアドバイザーに雇って、そばに置いておけばいいのにと思いました。でも、これまでの天文現象の撮影時には、結構そうしていたように思っていましたが、たまたま硫黄島にはいなかったのかな? 
船には、せっかく佐々木さんがいたのですからアドバイスをもらえば良かったのに。船の方はもっと短い焦点距離のレンズを使って、外部コロナをねらって欲しかった。その方が揺れが小さいし。佐々木さんはオーナー1の大学の天文研の大先輩で、国立科学博物館に勤務されいました。また、「大天連」を創ったという偉大な功績のあった方々のひとりです。大天連があったおかげで、今のオーナー1があります。

次は3年後に、また自宅で金環食の観望をしたいと思います。
2035年の皆既日食は自宅が皆既帯のほぼ中心に入ります。目標としては、そのときまで生きている、そして皆既日食を見る健康と元気がある、これを目指したいと思います。2035年は、オーナー2もT松さんも楓林舎オーナーもスター☆パーティーオーナーも、みんな、孫やら知人に送ってもらってオーナー1の自宅集合ということでお願いします。

写真は私が撮ったものではありません。富山の天文台「てるてるぼうず」オーナーからいただいたものです。富山の最大蝕分だそうです。こちらは晴れたようですね。日食中、ひまわり画像を見ながら「富山は晴れていそうだなぁ」と思ってました。
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7月20日   エスティマがまた壊れた!
修理から戻ってきて3週間のエスティマハイブリッドが、天文台に向かう途中、また壊れました。今回はかなり激しく・・・!
リア右側のドライブシャフトが折れました。エスティマ・ハイブリッドとレクサスRXは、「E-Four」と称する前後の駆動系が独立している(前輪はエンジンとモーター、後輪は後輪専用モーターで駆動)4輪駆動システムです。
普通に上り坂を走っていたら、突然、リアサスペンションあたりから激しい振動と音がして、車にブレーキがかかった状態になりました。たまたま後続車もなく、路側帯が広い場所だったので道路脇に安全に止まれましたが、そういう状況でなかったら・・・?!

ただ、その瞬間は何が起こったのかわからず、車を止めて下回りを見ても特に異常はないように見えました。ちょうど県境の峠のてっぺんあたりで、携帯電話は通じません。どうしたものか・・・と思いましたがエンジンをかけて、リアセクションに問題があると思われるので、後輪モーターを回さないようにそっと発進してみました。初めはガリガリいいましたが、すぐに普通に走れるようになりました。やれ、やれ・・・  10分ほど走ればトヨタのディーラーがあるのがわかっているので、「なんとかトヨタのお店まで走ってくれ」と思いながら峠を越えていきました。しかし、長い急な下り坂になって、ブレーキを踏んだ瞬間、ガタンガタン、ガリガリ・・・  またも、たまたま目の前に車1台止められる場所があったのでそこで停止。再度、下回りを見ましたが異常は見あたりません。またそっと発進してみたら、最初だけガリガリいいましたが、すぐに普通に走れるようになりました。すると、正常なときは耳障りだったリアモーターの高周波音がしなくなっていて、不気味なほど普段よりも静かです。長い長い下り坂なので、エンジンブレーキ(回生ブレーキ)だけで減速し、ブレーキペダルは踏まないように走りました。そしてディーラーまで無事にたどり着き、診てもらったら、「リア右側のドライブシャフトが折れてます。」とのこと。ディーラーの人も「こんなものは滅多に見られない」という感じで、みんな集まってきて見ていました。

福島で修理するか、栃木に持って行って修理するか、栃木トヨタに連絡したら、すぐに福島に取りに行くとのこと。2時間かけて、その日のうちにカーキャリーに代車を積んで福島まで来て、エスティマを持って帰ったそうです。私は、カローラ福島の人がそこのお店の代車を貸してくれたので、そのまま楓林舎に行きました。楓林舎にはO倉さんとかU原さんとか、おなじみの面々がいて、ドライブシャフトが折れた話で盛り上がりました。

ドライブシャフトが折れるというのは、現代の国産乗用車にはあり得ないことで、構造上の問題ならば即座にリコールです。栃木トヨタのサービス担当には、トヨタ自動車にきちんと状況を報告すれば、すぐに開発担当者が飛んできて、車を丸ごと引き取ると言うはずだから、これを返して新しい車をもらえと言っておきました。しかし、どうもそうしたくない様子です。連休でトヨタ自動車に連絡がつかないことをいいことに、トヨタ自動車には報告せず、自分のところで修理してしまいたい様子でした。・・・ということは、前回の修理時の作業ミス?
栃木トヨタがどういうふうにトヨタ自動車に連絡して、トヨタ自動車側からどういう返事が来たのか、明確で納得できる説明がない限り、修理が終わっても車を受け取らないことにします。世界中のエスティマ・ハイブリッドに乗っている人たちの命に関わる問題ですから。

それにしても、カローラ福島のサービス担当の方には親切に対応していただき、大変助かりました。ここでお礼申し上げます。


全く別件ですがついででごめんなさい。 のぶこさん おめでとう !(^^)!
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7月18日   直木賞
先日、今年の芥川賞と直木賞の発表がありました。オーナー1は文学にはあまり縁も興味もないないので、例年、だれのどの作品が受賞しても、特に記憶に残らずに終わってしまいます。でも、今年の直木賞は、「えー!」って感じでした。オーナー1のいとこの旦那です。

北村薫さんは、昔から高校の先生をやりながら小説を書いていたことは知っているし、何度も直木賞候補になっているということも聞いていました。でも、本当にもらってしまうとびっくりです。身近なところに、それほど大きな賞をもらう人がいたことにびっくりしました。
北村薫の「鷺(さぎ)と雪」(文芸春秋)、読書が趣味の方は買って読んであげてください。読書が趣味の方はすでに読んでいるか...   そうでない方もよろしくお願いします。

次は私の弟がノーベル賞をもらうことを楽しみに待つことにします。冗談ですが、可能性が完全にゼロではないところが怖い。オーナー1は何の能力もないので、「○○君のお兄さん」と呼ばれることに慣れています。こんどは「北村薫の親戚の人」と呼んでください。そうそう、「オーナー2のお友達の方」という呼び方もありました。
考えてみたら、私のまわりにはすごい人たちが結構いるのかもしれません。天文関係では、先日出てきた上坂さんや田部さんもそうだし、Y田さんやH谷さんなんかも・・・
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7月16日   自宅で日食観望
皆既日食の日が近づいてきました。沖縄方面は連日、いい天気が続いているようですね。
トカラ列島や上海などに日食を見に行ければいいのですが、そうはいかない多くの人々は自宅や職場で部分日食を観望することになります。
我々もオーナー1の自宅へオーナー2が来て、部分日食観望となる予定です。そんなオーナー1の観望機材を紹介します。

コロナド・ヘリオス1をGP赤道儀の載せ、自動ガイドします。H
αで見た部分日食をモニタで見ると同時にビデオに録画します。接眼部にはビクセンのフィリップミラーを付け、素通し側にはXF ZOOM 6.5-19.5mmアイピースにリコーGX200をコリメート接続します。90度折り曲げ側にはXW10mmアイピースを付け、眼視も可能にします。
GX200にはACアダプタを付け、オートパワーオフなし、モニタへの情報表示をすべてOFF、GX200のNTSC出力をビデオレコーダーに入れます。第1接触の少し前から、ビデオ入力の録画を開始します。ビデオレコーダー出力をHDMIで24インチモニタに入れます。
パソコンも用意してインターネットに接続し、日食ライブ中継を見たり、気象庁が日食中のひまわり画像を公開してくれるそうなので、それを見たりキャプチャしたりします。24インチモニタはそれらすべて入力可能で、リモコンで各入力画像の切り替えができます。
これらとは別に、リビングにあるビデオレコーダーでNHKの日食ライブを録画します。
オーナー2が減光フィルター付きのSky90双眼望遠鏡を持ってくるので、眼視での観望はそちらで。

ヘリオス1+ビクセンフィリップミラー+GX200は、そのままつないだだけではピントが出ませんでした。光路長が長すぎます。写真の赤矢印部分のアイピースフォルダ を短くしました。この部分の内側には全面にわたってネジが切ってあり、対物側を多少切断しても、そのままねじ込めます。ここを旋盤加工で20mm程度短くしました。 この程度までなら、短くしてもアイピースの先端がミラーに当たることはありません。
このシステムのテストをしたかったのですが、休みの日の日中晴れている必要があるので、ずっとできずにいました。今日、休みと晴れが重なり、初めてテストできました。初めはコリメート用のアイピースにXW10mmを使っていたのですが、イマイチしっくりこないので XF ZOOM 6.5-19.5mmにしてみたら、こっちの方がずっといい感じでした。モニタに表示される視野がなぜか狭かったり、太陽が縦長の楕円になったりしましたが、調整で正常になりました。上の写真で、モニタに映っている太陽像は、ZOOMアイピースを最短の6.5mmにしたときこの大きさになります。
しかし、NTSC出力ですから、解像度が悪くてどこでピントが合っているのかわかりません。プロミネンスや黒点があれば合わせやすいのですが、この日はどちらもひとつもありませんでした。太陽の縁のシンチレーションが一番よく見えるところに合わせるしかありません。日食が始まれば月の縁で合わせられるので、そこで再調整するしかないでしょう。
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7月12日   デジカメ   by オーナー2
私の場合銀塩カメラシステムを選ぶ時の基準はレンズです。

まずは好きなレンズを選んでそれを使用できるボディーを選ぶ。ボディー選びのポイントの一つはファインダー像が美しいことです。
こうなったのはコンタックスT2が原因です。その時も当然銀塩一眼レフシステムを持っていましたが、あるときに撮ったT2のスライドがあまりにも美しくて打ちのめされました。まぁ、今にして思えばT2の「はまった時の」写真だったわけですが、その階調の豊かさに驚かされました。コンタックスは壊れそうだしレンズは高いし全く興味がなかったのですが、その当時のフラグシップ機RTS2を手にとって、そして覗いてウットリ。どのレンズをつけてもファインダー像が美しいのです。それまでに持っていたカメラシステムはあっと言う間に中古市場に流れ、私はコンタックスシステムの軍門に下りました。その後、レンジファインダー機に走った時期もありますが、一貫してはレンズが最優先でここまで来ています。

で、デジカメです。デジカメは銀塩カメラと違い、もう一つ重要なファクターがあります。受光素子です。銀塩システムではフィルムを変えれば、良いわけですが、デジカメではそうはいきません。受光素子はサイズもいろいろあるし、種類もいろいろ、しかも回転が速くて選択に苦慮します。変遷の末にたどり着いたのがフォーサーズ・マクロフォーサーズとフォベオン(FOVEON X3)です。E-3/EP-1とDP-1/DP-2の組み合わせになっています。かなりへそ曲がりな選択かもしれませんが、こうなってしまいました。マクロに強いオリンパスと旅先で目立たない小型カメラという組み合わせと言っても良いかもしれません。










フォーサーズフォーマットに関しては今更私が書くまでもないですが、レンズとの適合性を含めかなり練られた受光素子です。オーナー2は業務用受光素子を日常扱っていますが、フォーマットやピクセル数が大きければそれが一番良いというものではありません。読み出し回路の設計も含めてトータルで考える必要があります。今のピクセル数増大路線は昔の軍備拡張競争にそっくりで不毛です。これにズイコーデジタルの「竹」以上のレンズだと全く不満を感じません。たとえどの受光素子と組み合わせようと、いくら補正をしようと銀塩用レンズでは受光素子の特性上、理想的な結像は不可能です。既存レンズを流用する方式は経営戦略上は認められますが、ユーザーに対する真摯な態度とは言いかねます(結局はあちらこちらからデジタル専用レンズがかなり出てきました)。趣味性は別としてデジタルにはデジタルのレンズしかないと思います。
フォーサーズフォーマットはレンズが少ないと言われますが、まじめに最初からデジタル用レンズを作ったのはこのフォーマットだけです。

フォビオンについてはいろいろな欠点がありますが、それを補ってあまりある不思議な美しさを感じます。理由はいろいろありますが驚くほどの臨場感を醸し出すことがあります。一番銀塩に近い感覚かもしれません。DP-1/DP-2はカメラとしては使いにくいし熟成されているとはいえませんが、imagerとしてはレンズを含め最高だと思います。歩留まりは悪いのですが現時点ではDP-2の画像が一番私の感性に合っているようです。

デジカメも車も望遠鏡も単なるスペック競争はやめてもらいたいと常々思っていますが、こればっかりは営業戦略が絡むし、ユーザーが賢くなるしか解決策は無いのでしょう。何とかの法則ではありませんが、2割のユーザーが賢くなれば結果が出ると思います。
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7月9日    HAYABUSA
府中の森博物館で「HAYABUSA」を見てきました。上坂さんと田部さんがつくった作品とあっては見ないわけにはいきません。前々から見に行きたいと思っていましたが、日立シビックセンターは時間がとれなかったのと短いバージョンだったのでパスしました。あまり混まない平日に行って、いい席に座ってのんびり見たいと思っていました。府中の森博物館で43分バージョンが上映されることになり、平日で仕事のない日を待っていたらこの日となりました。

栃木の自宅から府中の森博物館までだと、車で3時間近くかかるのかなと思っていましたが、地図サイトで検索したら2時間弱でした。首都高を抜けていくので、渋滞にはまると3時間かなと思いながら出かけました。PM2時から上映(というか、プラネタリウムの投影開始)なので、2時の2時間半前に家を出ましたが、思いのほか道路が順調で、1時間半で着いてしまいました。これくらいで行けるなら、また行ってもいいかな・・・

プラネタリウムですから、始めに20分ほど今夜の星空のプラネタリウム投影があって、ごく初心者向けの簡単な説明がありました。五藤の旧式なプラネタリウムでしたが、明るい星については星像がシャープで結構リアルでした。暗い星まで出したら、平面的なつまんない星像でしたが。そしてプラネタリウムを引っ込めて「HATABUSA」上映へ。

「HATABUSA」は全編、上坂さん(の会社)製作のCGで構成されています。登場するのは、「キミ」と呼ばれるHAYABUSAと天体だけで、人間は出てきません。HATABUSAが宇宙空間を飛行し、「イトカワ」にたどり着き、ミッションを遂行する過程を美しいCGで描いています。3D−CGならではの視点移動では、自分が宇宙空間に浮いていて高速移動しているような感覚になります。私個人的にはすごく気持ちよくて、一般人受けすると思いましたが、上映前にあった「途中で気分が悪くなった方は・・・」という注意はこのため?  これも360度全天映像のなせる技です。プラネタリウムの半球ドームの使い方としては、とても効果的な映像でした。半球ドームと投影装置の限界か、コントラストがイマイチという感はありましたが美しい映像で、ストーリー、ナレーション、効果音楽など、すべてが相まって、HAYABUSAのミッションを感動的に伝えています。ただし、CGで作った映像作品ではありますが、ハリウッドのCG映画を想像されるとそれとはちょっと違います。
私個人的には、前半の宇宙空間を飛行しているシーンを2・3分短くして、イトカワへの2度目の着地後、満身創痍となったHAYABUSAがいったんは宇宙のゴミとなってしまった後、JAXAのクルーたちの涙ぐましい努力の結果、再度目覚めたことに時間を割いて伝えた方がより感動的と思いました。でも、プラネタリウムの番組としては、人間は出てこない方がいいという結論になったのでしょうね。HAYABUSAミッションを知らない一般の客には、HAYABUSAに奇跡が起こり、自力で目ざめて地球への帰路についたように感じたと思います。
人間が出てきてしまうと、プラネタリウムの番組ではなく、「プロジェクトX」になってしまいます。人間ドラマは、HAYABUSAが奇跡的に地球に戻ってこられたとき、NHKに特番でプロジェクトXを作ってもらえばいいことです。
さすがは上坂さんと田部さんたちがつくった番組です。いいものを見せてもらいました。

この日、府中の森博物館で上坂さん?を見かけました。でも、「そんなタイミング良く本人がいるわけないじゃない」と思って、上坂さん風のおじさんだと思って、特に声をかけたりしませんでした。ところが、家に帰ってから上坂さんのブログを見たら、やっぱり上坂さん本人が行ってた!  さらに田部さんもいっしょだったとは...  なんか、宝くじに当たったような確率ですね。宝くじに当たったのに、当たりくじをなくしてしまったような...  でも、上坂さん・田部さんと同じ空間で「HAYABUSA」を見られたので良しとしましょう。人と人って、奇跡的に出会うこともあるけど、奇跡的にすれ違うこともありますよね。
エンドロールに、オーナー1の仕事上でのつきあいのある会社名が出てきました。あの3D映像は、「3ds Max」でつくったのかな?
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7月7日    七夕  
七夕の今日、晴れました。というか、晴れ間がありました。その晴れ間に織姫と彦星が見えました。
七夕の夜にベガとアルタイルを両方同時に見たのはすごく久しぶりのような気がします。前回見たのがいつなのか思い出せないくらい久しぶりです。
夕方の天気予報で、お天気お姉さんが「今夜は天の川が見えるといいですね」と言っていたのを聞いて、「見えるわけねーじゃん、満月だよ!」とテレビにつっこんでしまいましたが、雲のまにまにベガとアルタイル、デネブ、木星、月と、この日の夜空のオールスターズが見られました。

木星の明るさはひときわ目を引きます。雲間からだったので、木星が光った瞬間、「なんだあれ!」と思ってしまいました。 超新星!?
そんなわけないですよね。でも、一生に一度ぐらいはマイナス等級の超新星を見てみたいものです。ただし、ベテルギウスとベガスス座HR8210の超新星爆発だけは見ないで済むように祈ります。ベテルギウスなら大丈夫かもしれませんが、運が悪いと人類滅亡の可能性もあるようです。γ線がビーム状に太陽に向かって放射された日には...   ベガスス座HR8210は怖いですね。150光年のところの星が超新星爆発されたら、地球そのものが消えてしまうかもしれません。近日上映予定の映画のようです。もっとも、太陽の巨大フレアで地球が消滅するのとベガスス座HR8210の超新星爆発と可能性がゼロではないのはどちらでしょう。

夏の大三角と七夕の星がどうもしっくりきません。夏の大三角はひとつのセットだし、織姫と彦星もひとつのセットです。うーん、夏の大三角関係。誰しも思うネタでしょうが、夏の大三角と七夕をいっしょにするのは良くないようです。

サイエンスを忘れて、夕涼みがてら、一般人の感覚で星を見るのも悪くありません。

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7月5日    新型アリガタアリミゾ
スターベースから新発売の新型アリガタアリミゾです。既存の単純な構造のものを見慣れた目には「この手があったか!」という構造ですね。
大きさは2種類。こちらは大きい方ですが、アリガタレールの幅はおなじです。幅がちょうどビクセンVMC260Lサイズです。偶然か、あえてそうしたのかわかりませんが、10cm以上の鏡筒なら最初からこのサイズのアリガタに載せるべきです。

写真の通り、既存の常識的なアリミゾ金具に較べると、構成部品点数が多くコストがかかっていそうです。
アリミゾ側の構造は、可動部分が、2本のガイド用ピンに沿って中央のレバーの付いたネジで移動します。幅を狭めるときは、ネジの頭が押していきますが、広げるときは内部にバネが入っていてその力で広がります。反対側の固定部分は、2本のボルトで中央のベース金具に固定されています。見た目、強度的に大丈夫かな? と思いますが、4つの面でしっかりレールを挟み込み、可動部分も見た目以上に丈夫にできており、重さ約10kgのVMC260Lを取り付けてもビクともしませんでした。
また、ビクセンのアリミゾは、締めるとレールに傷が付きますが、これは傷ができません。ただ、ツメの高さが低いため、専用のアリガタレールの場合は問題ないですが、暗闇でVMC260Lのレールを使って取り付けるときはちょっと不安です。そういう使い方は保証範囲外なのでしょうが。 とりあえず、これを使って五藤の8cm3枚玉アポ鏡筒を主鏡に同架してみました(写真はまた後日)。

このアリガタアリミゾ金具を構成するパーツはシステムコンポーネントになっており、部品点数が多くてもここでコストを抑えらるのでしょう。アリガタプレート側の幅がどういうサイズでも、中央のベース金具の幅を変えればいいので、特注で簡単に製作してもらえそうです。また、既製品から幅を多少広げたいという場合も簡単に改造できます。
アリガタプレートは、裏返すと幅が変わりますが、これは試作品をいただいたもので、製品版は普通の台形断面のようです。裏返すとG11に付くか?と思いましたが、広い方では広すぎ、狭い方では狭すぎでした。

将来的には、タカハシ製赤道儀の望遠鏡接合部がこれになっていきそうな気配を感じる製品です。

         VMC260Lに付けるとこうなる

この写真だけ、ストロボなしの電球照明で写したので色が違うのはお許しください
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7月2日    YAMAHA
「ヤマハ」という会社に特別な思い入れを持っている人は少ないと思います。ヤマハというと、一般の人は楽器屋さんを連想するでしょうね。バイク屋さんは「ヤマハ発動機」という別会社ですが、YAMAHAグループの一員です。音楽を志す人やバイクと自動車のエンジンに興味がある人は、3本の音叉マークと「YAMAHA」というロゴには特別な思い入れがあると思います。音楽を志す人は、「YAMAHA」なくしては音楽は成り立たないし、エンジンに興味がある人は、「YAMAHA」と「HONDA」はあこがれです。F1エンジンを作れる日本企業は、この2社とTOYOTAだけですから。TOYOTAのF1エンジン部門はYAMAHAのスタッフがやっていることは容易に想像できます。ヤマハ発動機は、トヨタの資本が2割入った会社で、トヨタに高性能エンジンを供給している会社です。3.5Lの「2GR-FSE」はヤマハ発動機の製品だし、トヨタの高性能DOHCシリンダーヘッドのほとんどをヤマハ発動機がつくっています。

オーナー1は音楽(J-POP)とエンジンと両方に興味があるので、「YAMAHA」はあこがれのブランドです。音叉のマークや「YAMAHA」のロゴが入ったものを見ると思わず欲しくなってしまいます。自宅の室内にある一部のドアはヤマハ製品です。ヤマハはピアノで培った木工具術を使って家具もつくっています。以前持っていたレクサスGS350はヤマハのエンジンが載っているから買ったようなものでした。そういう状況なので、ヤマハの株を持っています。ヤマハの株主です。もちろん、たいした額ではありませんが、あこがれの企業に出資して応援するのは当然のことです。
近年、株主に何らかの優待をする企業が増えてきました。ヤマハも株主優待は以前からありましたが、今回から大きく変わりました。前回までは、いかにもヤマハらしいものをくれたのですが、一般の人にはあまり利用価値がありませんでした。今回からカレーをくれるようになりました。「なんでヤマハがカレー?」と思いますが、ヤマハが運営する「つま恋」関連製品です。「つま恋」といえば、吉田拓郎とかぐや姫が野外コンサートをやったところ(最近もやりましたが、これを持ち出すのは古い人間ですね)で有名です。ヤマハが運営するホテルもあり、そこで出されるカレーです。これなら、音楽をやる人以外でもおいしくいただけます。
一般の株主向けにはこういうものの方がいいと思います。
ヤマハの株は現在、かなりの評価損を出していますが、こういうものがもらえるし、配当もまずまずの額(預金金利より高い)が出るし、長期間保有していればいずれ上がる日も来るだろうし、株というのはこういう持ち方が理想です。

ついでながら、マクドナルドの株も500株持ってます。時々Macのお店に行く人は、マクドナルドの株を500株買うべきです。MacのセットメニューならなんでもOKのタダ券が半年ごとに30食分もらえます。サイドメニューとドリンクはLサイズOK。このタダ券と配当金がもらえるので、銀行にお金を預けるぐらいなら、Macの株を買ったほうがずっとお得です。マクドナルドの株価はなぜか知りませんが、すごく安定しています。
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6月30日   エスティマ・ハイブリッド修理完了
ディーラーに1ヶ月近く預けっぱなしになっていたエスティマ・ハイブリッドがやっと返ってきました。
修理内容はリアモーター用インバータ交換、リアモーター交換、リアモーターにつながる電気系統配線交換。根本原因は配線の接触不良のようです。しかし、なぜそこが接触不良になったのかは原因不明だそうで、交換したパーツをすべてトヨタ本社に送って原因究明をするそうです。もしかしたらリコール?
リコールするならハイブリッドバッテリーが先でしょう。でも、ここは致命的な欠陥なので直しようがないですね。

修理されたエスティマ・ハイブリッドを受け取って、走り出した瞬間、「この車ってこんなにいい車だったんだ!」と感動しました。駆動系はものすごくスムーズで静か、モーター特有の低速トルクが厚く加速がいい、路面がうねっていても車の上下動が少ない、乗り心地に重厚感がある。どこまでも段差なく加速していく無段変速(トヨタのハイブリッドシステムは駆動システム自体が無段変速機です)。タイヤのグリップはいいし、ブレーキが良く効く(←これは自分で交換したタイヤとブレーキの能力)。
1ヶ月近く付き合った代車はポルテでした。この車との比較でそう思ったわけですが、ポルテというのは安い車で、最後までこの車には慣れませんでした。エンジンの振動が大きい、音がうるさい、ブレーキが効かない、サスペンションがお粗末で路面の荒れやうねりがそのまま伝わってくる。エスティマ・ハイブリッドとポルテを比較するのは、TOA150とシュワルツ150を比較するようなもので、価格を考えたらポルテもOKですが、ブレーキだけは許せません。命に関わる部分に安物を使うな!
栃木にはホンダの工場があります(日産もあります)。昔、営業に行ったとき、ホンダの人が言っていました。「うちは人の命を預かる機械を作っている会社だ、安物はいらない、信頼性の高いものを持ってこい。」 感動的なことばで忘れられません。


エスティマ・ハイブリッドがすごくいい車に感じたので、そのまま峠を走りに行ってきました。ミニバンをスポーツカーのように走らせてきました。駆動系のパワーがこの程度なら、タイヤとブレーキパッドをそれなりのものに交換すれば、重心の高い2トンの巨体も法定速度を遙かに超越したスピードで、元気よく、しかも安全に峠を走れます。ただし、「だれでも」というわけではないし、決してお勧めするものでもありません。

(追記)
数日後、仕事の合間にちょっと時間が空いてしまったので、レクサス店に行って、GSハイブリッドに試乗してきました。本当はRXハイブリッドに試乗するつもりだったのですが、たまたま店になくてGSにしました。試乗が終わって自分のエスティマに乗ったら、すごく安い車に感じました。車重はこっちの方が重いのに重厚感がない、パワーがない、安定性が悪い、ギアなどの駆動系の音がする。レクサスなんか乗らなきゃ良かった。
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6月29日   TOA130 復活
タカハシに修理に出していたTOA130が1週間ほど前に返ってきていたのですが、MAXVISION 127EDでもう少し星を見てみたかったので、修理結果の確認が遅れていました。今回、MAXVISION をはずしてTOAに交換しました。五藤の8cmは付いたままです。

今回もまたシーイングが悪くて、限界解像度は見られませんでした。しかし、TOA130は非常にシャープな星像になっており、五藤では分離しない二重星が楽々分離しました。150倍ぐらいまでの倍率なら、修理前と違いを感じないですが、高倍率での見え方が大幅に良くなりました。MAXVISION 127EDは、超高倍率での性能は文句なしですが、低倍率広視野がやや苦手です。その点、TOA130はどんな倍率でも文句なしです。そういう意味でMAXVISION 127EDよりこっちの方が良いかなという感じはしました。値段が2倍以上違いますから、そのくらいの差があって当然ですね。
なお、TOAを修理に出したら、レンズがピカピカになって返ってきました。自分で拭いても取れない汚れが結構ありましたが、新品そのものになっていました。プロのクリーニング技術というのはすごいものです。接眼部にあったガタも調整されました。タカハシの望遠鏡は3年保証だということは知ってましたか?
ここのTOAはちょうど3年弱だったので、すべて無料でした。

今回は、五藤8cm3枚玉アポクロマート鏡筒は脇役ですが、これの星像もすばらしいです。前回、簡単にレポートしましたが、240倍(口径の30倍)の高倍率をかけても星像は全く破綻しません。それどころか、高倍率で恒星を見るとこう見えます、という教科書の解説図(回折図)のように、理論値通りの大きさのエアリーディスクが中心にあって、そのまわりにきれいな同心円のディフラクションリングが見えます。

現在の技術で、3枚玉アポクロマートF12ぐらいの屈折鏡筒を作れば、すばらしくよく見える望遠鏡になると思いますが・・・ でも、そういうものは売れないんでしょうね。望遠鏡には、眼視用鏡筒と写真撮影用鏡筒(もしくは高倍率用鏡筒と低倍率広角用鏡筒)の2種類があっていいはずです。しかし、足して2で割ったような、半端な鏡筒ばかり乱立している現在の状況はだれがつくったのでしょう。
きっとごく少数の犯人がいるはずです。該当者は反省して謝罪広告でも出し、ユーザーとメーカーの意識を変えさせたらいいと思います。

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6月29日   駒止(こまど)湿原
駒止湿原が今、1年中で一番きれいな時期です。天文台に行った帰りに寄ってきました。

この時期は、緑のベースの上に白、黄色、紫の花がたくさん咲いています。それぞれ、ワタスゲ、ニッコウキスゲ、ヒオウギアヤメです。これらは数が多く、ほぼ同じ時期に咲くので、湿原一面が花で覆われます。今年は、ワタスゲが咲くのが早かったようで、ワタの部分がやや貧弱になっていました。また、雨上がりだとワタが濡れてくっついてしぼんでしまいます。きれいに開いたワタスゲを見られるのは、この日が今シーズンの最後だったのかもしれません。ニッコウキスゲはまだ多くがつぼみでした。今は黄色が少ないですが、これから黄色で埋め尽くされます。これら以外にも、トキソウ、サワラン、レンゲツツジなどいろいろな花が咲いています。花ではありませんが、若いシダが群生しているところは、同じ大きさで明るい緑色の株がたくさん並んでいて、花屋の店先のようできれいでした。ワタスゲは残骸になりつつありますが、あと2週間ぐらいは駒止の花が楽しめそうです。
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6月25日   五藤8cm3枚玉アポクロマート(F15)鏡筒 その2
五藤の8cmを天文台の赤道儀に同架してから、初めて星を見られました。

この鏡筒ですが、まず外見的に「長い!」。MAXVISION 127ED が D=127mm f=950mm F7.5ですから、約25cm長いわけです。昔の天体望遠鏡はみんなこうだったのですが、
最近の短焦点屈折鏡筒と較べるといかにも長い。これを1点の鏡筒バンドで固定するわけですから、見た目に不安定感があります。もちろん、実際には何の問題もありませんが。
これの古さを感じるのはドローチューブで、細くて2インチアイピースが使えません。日本には2インチアイピースはおろか、31.7mmアイピースさえなかった時代の製品ですからしかたありません。また、銀塩写真の時代なので、F15の直焦点にカメラを付けて星雲星団を撮ろうなどという発想はありません。鏡筒はそれなりに年季が入っているので、汚れ、さび、傷が多少ありますが、30年前の製品には見えません。レンズはきれいです。

肝心の星像ですが、期待通り、非常にシャープでクリアでした。そうでなかったら、すぐに五藤光学に調整に出すことになったのですが、とりあえずその必要はなさそうです。この日はシーイングがかなり悪かったので、極限の分解能を見ることはできません。試しに二重星の 12 Aqr と ζ Aqr を見てみました。サイドバイサイドのMAXVISION 127ED では両方見えましたが、五藤8cmでは 12 Aqr は無理でした。薄雲の中の木星も見ましたが、横縞だけではなく縦方向の模様も多少見えました。8cmで悪シーイングの中ではとてもよく見えます。恒星でも惑星でも色収差は見えません。これらは8cmに240倍の倍率をかけて見ましたが、全く問題ありませんでした。

古い鏡筒ですが、昔としては贅沢なレンズ構成で無理のない設計をし、最高の眼視性能を求めたものなのですね。また、「良い望遠鏡は腐らない」という見本のようでもあります。
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6月22日   2ch
5月24日に「MAXVISION 127ED」のレポートを書いたら、直後からこのサイトへのアクセス数が急に増えました。どこかの有名なサイトにリンクが入ったのだろうと思っていたら、2chで話題になっていると聞きました。見てみると笠井スレッドがMAXVISION スレッド化していました。最近になってからまた見てみたら、もう飽きてきたようで、MAXVISION の話題は無くなってきました。私の記事1つであれだけ盛り上がれたのはすばらしいですね。

MAXVISION スレッド化していた頃、マックスビジョン・ジャパンの関係者にも「2chで話題になってるよ」と連絡したら、2chをじっくり読んだそうで、あきれていました。あれはじっくり読んじゃいけないんだってば!
書かれていた中味はさすがに2chです。机上の空論ばかり。科学の世界では、実験で実証されない理論はどんなに美しくても価値がありません。「オレの6cm望遠鏡でプルケリマが2つに見えたぞ」という書き込み1つあれば、2chも価値を持ったのに・・・
笠井スレッドでMAXVISION の話題が無くなったところで、真相を公開しましょう。

まず、シーイングが中の下の空では、あれだけ光度差があるプルケリマは残念ながら6cmでは分離しません。実はMAXVISION 127EDでプルケリマを見た同じ夜にTSA-102でも見ています。TSA-102でも常時2個に分離して見えました。しかし、星像はMAXVISION 127EDの方がシャープできれいでした。したがって、MAXVISION 127ED>TSA-102。TSA-102>光軸ズレTOA130これも真です。でも、光軸ズレTOA130>6cmでしょう。

ななつがたけ北天文台には、13cmクラスの優秀な鏡筒が入れ替わり立ち替わりやってきます。TOA150、TEC140、OMC140、Alter N140DX、TOA130、AP130EDF、NP127、WO-FLT110、etc...  良い意味での訳あり望遠鏡もあり、日本一、場合によっては世界一良く調整された鏡筒もあります。こと座のWダブルスターが有名なので、これらの鏡筒でよく見ます。シーイングが最悪でない限り、どの鏡筒で見ても必ず4個に見えますが、分離のしかたがちがいます。シャープな4個の星に見える場合と、雪だるまが2組に見える場合と。これは光学性能にもよるし、シーイングにもよります。高倍率で星を見ているときに「星像がシャープ」という表現をすると誤解を生みますが、高倍率では光の回折によって星が点像になることはありません。理論的なエアリーディスクサイズに近い大きさにボケた星が見えているとき、もしくはエアリーディスクのサイズそのものが小さいときに「シャープ」と表現しています。
私がこれまでに見た鏡筒の中で、Wダブルスターが一番きれいに見えたのはTOA150でした。これは13cmクラスではないので除外すると、MAXVISION 127EDは1番ではないかもしれませんが、トップクラスです。

MAXVISION ブランドの望遠鏡は、スカイバードさんが輸入しているわけではありません。マックスビジョン・ジャパンという会社(組織?)があり、そこが中国から輸入しています。スカイバードはそこから卸してもらっているだけです。マックスビジョン・ジャパンの代表が中国に行き、JOCの工場で完成したMAXVISION ブランドの鏡筒をロンキーで全数検査し、できの良いものだけを日本に持ってきます。その際、特に良いものに「PREMIUM」のシールを貼ることは可能だと思います。しかし、日本に入って来ているものすべてが「PREMIUM」だとも言えます。
中国といえども、大メーカーが自社の検査に合格した製品の中から良いものだけを選んで持って帰るなどということを、普通なら許すはずがありません。それをさせてもらえるというのは、JOCとマックスビジョン・ジャパンの深い信頼関係があるからなのでしょう。マックスビジョン・ジャパンの代表という人がきっと大物なのですね。

スカイバードさんのWebサイトが2転3転したのはいただけませんでした。あれで信頼を無くし、売れるはずの望遠鏡が売れなかったということがあったと思います。テレビュー・ジャパンのUKオライオンのような売り方が良かったのだと思います。

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6月13日   GX200   
リコーのコンパクトデジカメ GX200を買いました。
これまで Nikon coolpix4300 という古い機種を使ってきましたが、画素数が少ない、ノイズが多い、レンズのワイド側が狭い、etc... さすがに古さが隠せなくなりました。これまで延々と使ってきたのは、コンバージョンレンズを付けるためのネジを使ってコリメート撮影ができることが取り柄だったからです。しかしながら、画素数の少なさとノイズの多さで、現在のレベルからするとお世辞にもきれいな写真が撮れるとは言えません。そこでGX200です。

プロ用のサブカメラとして使われる機種だけあって、なかなか良さそうです。
コリメート撮影もできます。特に、ペンタックスXWアイピースとの組み合わせに最適です。コンバージョンレンズやフードを付けるためのオプション HA2 を付け、XWのアイカップを外すと43mmのねじでそのまま接続できます。

7月の皆既日食は見に行けないので、自宅で太陽望遠鏡にこれを付け、NTSC出力をテレビに入れて、H
α画像の部分日食をテレビ観戦しようと思います。







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6月16日   ハイブリッドシステム異常
実は、すでに1週間ぐらい前から、我が家のエスティマ・ハイブリッドが修理のため入院中です。
走行中に突然、警告灯が2つ点いて、メーター中央には「4WDチェック」の警告。警告灯の1つは、エンジンの制御システムまたはセンサー異常と思われます。もうひとつは自動車マークの中心に「!」マーク。マニュアルを見たらハイブリッドシステムの異常だそうです。エンジン異常、ハイブリッドシステム異常、4WDシステム異常、要するに致命傷! それでもとりあえず走り続けています。エンジンを切ったら最後、その後、動かなくなる可能性があるため、最寄りのトヨタ店までそのまま走りました。ところがこの日は、栃木トヨタで何かイベントがあったそうで、特別休業日でした。仕方なくそのまま自宅へ。自分でもわかる異常は、クルーズコントロールがセットできない、エネルギーモニタに何も出ない、後輪モーターが回らない、と言ったところ。完全に異常です。

翌日、仕事に行く前にトヨタ店に行って見てもらったら即入院。代車で出勤となりました。
その後、トヨタ店から連絡があり、少なくとも、後輪モーター用インバータ故障、後輪モーターそのものも故障だそうです。現在、それらの交換作業中。それでも直らないときは、ハイブリッドシステムを制御しているコンピュータ交換でしょう。ハイブリッド車の心臓部が壊れたわけですから(さらに故障箇所を特定できていないようですから)、修理に時間もかかるのでしょう。去年はハイブリッドバッテリーを交換しているし、この車の心臓部を半分かそれ以上入れ替えることになります。
エスティマ・ハイブリッドはトヨタ史上初かもしれない失敗作ですから、そのくらいのことはあってしかるべき。それでもこの車に乗り続けるのは、史上最強の屋外電源だからです。
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6月14日   屋外用バッテリー
オーナー1は屋外で天体写真を撮るときは、史上最強の屋外電源であるエスティマ・ハイブリッドを近くに止めて、コードリールでAC100Vを引いていきます。従って、望遠鏡やカメラ・パソコンの電源は、すべてACアダプタから供給されます。天文台内では当然、すべてACアダプタですから、そのまま外に持ち出すわけです。

最近ふと、2000mもしくはそれ以上の高い山に行って星を見てみようかと思いました。自分で持って行く機材は、小型双眼鏡とスカイメモとSEO-COOLED40D(魚眼レンズと広角レンズ各1本)。それと小型パソコン。この程度ですが、電源をどうしよう・・・?
もちろん、車でそこまで上がることはできません。COOLED40Dがあるので電池だけではムリ。できれば3日間ぐらいいたいので、バッテリーが必要。でも、DC-DCコンバータは一切持ってないし、そもそもバッテリーがありません。

そんなときに使えるのが、パソコン用の無停電電源装置(UPS)です。以前にもこの話は書きましたが、今回、小型のUPSを買いました。APCの製品で型番は「BE500JP」(商品名はES500)。小型といっても重さは6kg、長辺が30cm弱あります。仕様的には、300Watts/500VA、150 W(50%負荷時)標準バックアップ時間が12.7 分ということです。これにパソコンとSEO-COOLED40D、スカイメモをつないでどれほど持つのか? 計算すればだいたいわかりますが、低負荷時のバックアップ時間はどうなのでしょう。

UPSを屋外に持ち出して使う場合、日中は部屋の中のコンセントにつないでおいてフルチャージにします。BE500JPの場合、12時間でフルチャージ。使用するときは、電源ONのままコンセントから抜いて外に持ち出します。この時、UPSですから停電になったと判断され、アラームが鳴り続けます。BE500JPは、このアラーム音をソフトから鳴らなくすることが可能です。外に持ち出して機材をセットし、ACアダプタをUPSにつなぐと電気が供給されます。UPSというのはこういう用途のために作られたものではないので、邪道な使い方ですが。

もっと容量の大きいUPS(1500VAクラス)なら一晩中十分に電気を供給してくれますが、小型のUPSをこういう使い方をして実用になるのかどうか、近日中にレポートします。実用になると思うから買ったわけですが、期待通りか否か・・・?
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6月9日    五藤8cm3枚玉アポクロマート(F15)鏡筒
ななつがたけ北天文台に五藤光学製の8cm3枚玉アポクロマート(F15)鏡筒が来ることになりました。それってもしかして・・・! と思った方は、きっとそれです。ここの関係者が落札しました。古い鏡筒ですが、F15の3枚玉ですからよく見えないわけがありません。きっと二重星の色がきれいに見えると思います。二重星ファンの所有物なので、天文台の赤道儀に同架され、いろいろな鏡筒で見較べて、「これが一番きれい!」という声が聞けそうです。明るい有名な二重星は、比較的口径が小さくて星像がシャープな望遠鏡ほど色がよくわかります。アルビレオはタカハシFC50かテレビューの7cm(プロント)で見るのが一番きれいです。

近いうち、プロント、五藤8cm3枚玉アポ、テレビュー85、ウイリアムオプティクスFLT110、MAXVISION 127ED、テレビューNP127、AP130EDF、UKオライオンOMC140 このあたりの鏡筒を総動員して、高倍率で二重星の見比べをしてみたいと思います。TOA130Fは入院中のため不参加です。ただ、天気が悪いので、当分先になるかもしれません。そのころにはTOAも元気になって帰ってきているかも。
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6月3日    パソコントラブル
昨日、天文台に行き、最初にいつものように25E赤道儀制御用パソコンの電源を入れました。Windowsが起動し、オートスタートになっている赤道儀制御ソフトの「ATLASTAR」が起動します。その中からステラナビゲーターを呼び出して自動導入に使用しています。この日も普通に立ち上がり、普通に動作しました。しばらく操作した後、いったん終了して部屋に戻りました。
その後、再びドームに行きパソコンを起動しました。ATLASTARは正常に起動しましたが、ステラナビゲーターを呼び出したら、望遠鏡との通信が切れたと言われました。しかし、 パソコンから見るとUSBはきちんと接続しています。
ステラナビゲーターやATLASTARを再起動したり、パソコン全体を再起動したりしましたが、状況は変わらず。撮像ソフトのトラブルは時々ありますが、自動導入システムのトラブルは初めてです。大型赤道儀で自動導入が動かないとどうしょうもないですね。ここがトラブるとは思ってなかったので、しばし呆然...
もう1台のパソコンにも同じセットがインストールしてあることを思い出し、赤道議につながるUSBケーブルをそちらに差し替えました。するとATLASTARは起動しましたが、ステラナビゲーターを起動したら赤道儀が全く登録されてない! 
・・・そういえばこちらは一度も動かしたことがありませんでした。そのうえ、追加インストールや修正ができない!

2台目のPCを動くようにするより、1台目を直すほうが早いと判断し、修復を始めました。ドライバーを再インストールしたり、ATLASTARを再インストールしたり... でも、そういうことではありませんでした。
次の手段。USBを使った仮想シリアルポートをすべて削除し、USBケーブルをこれまでと違う口に挿します。USBはポート毎に何がつながっていたかを区別しているので、ケーブルを違う口に挿すとドライバーを入れろと言ってきます(←これは結構大切な事なので、知らなかった人は覚えておいてください)。新たにドライバーを入れて、仮想シリアルポートを作り直して、そのCOMポート番号を通してステラナビゲーターに接続するようにしました。これが当たりで、動くようになりました。トラブルの原因はわかりませんが、とりあえず直しました。

パソコントラブルは必ずあるものと想定して、2台のPCでどちらからでもすべての操作ができるように準備をしておかないといけませんね。ついでにいえば、パソコンが正常に動いているうちにハードディスクを別なハードディスクに丸ごとコピーして、コピーを保存しておくべきです。いざというときは、ハードディスクを入れ替えれば元に戻ります。ハードディスクのコピーには、シマンテックの「Ghost」やネットジャパンの「PowerX Hard Disk Manager」などのソフトが必要ですが、1万円程度で買えます。ハードディスクユニットと合わせて2万円(フリーソフトもあります)。それを用意しておくと、後で、あって良かったと思う日がきっと来ます。


  写真は本文と関係ありませんが、MAXVISION 127ED がバランスウエイトの役割も担うようになったため、取り付け位置が写真のように
  なりました。構造上、VMC260は最大まで下げてこの位置です。天頂に向けるとMAXVISION のアイピースが床上20cm。
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5月31日   ベストマッチ&ミスマッチ






































ロスマンディーG11にビクセンVMC260Lを載せるためのアリミゾ台座を富田さんに多少無理を言って作ってもらいました。組み立ててみたらベストマッチ(写真左、右上)。最初からこういうセットで売っていたもののようです。鏡筒の大きさ・色がG11赤道儀と特注の太い足に合っていて、見た目に安定感があり、かっこいいセットになりました。VMCの接眼部にフェザータッチフォーカサーが付いていることも見た目を良くしています。TOA130Fにも同じアリガタプレートを付けてあるので、簡単に鏡筒を交換できます(写真 右下)。

VMC260LとTOA130Fは、天文台の赤道儀に同架する場合、同じ位置に付けることになるので、どちらか択一です。先日の記述の通り、TOAは調整のため、タカハシに送ることになったので取り外し、そこにVMC260Lを付けました(写真 下)。赤道儀の下から上を見上げた写真です。反対側にε180EDが付いているため、35cmニュートン鏡筒の両サイドに太い筒が抱きついている感じです。TOA130とVMC260は重さ(モーメント)はほぼ同じなので、バランス的には問題ありませんが、見た目にミスマッチ!  また、VMCからεまでの全幅が110cm。
ドームのスリット幅が110cm。望遠鏡が子午線方向を向いているときは問題ありませんが、鏡筒の向きによってはギリギリになります。
35Nの背中側にはMAXVISION 127EDも載っています。これは鏡筒部全体の前後のバランスを取るためのおもりとしても必要です。こういう同架の仕方はしない方がいいですが、これらの鏡筒はすべて同時に必要で、バランス的にもこれしかないため、しばらくはこの形になります。
特筆すべきは、これだけの筒を載せても、バランスウエイトは18Kgで済んでいます。ちなみにG11に付いているバランスウエイトが10Kgです。

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5月30日   Multipurpose telescope  その2     by オーナー2
 28日の続き (先に5月28日を読んでください)

次にこの口径と焦点距離を実現することができる (現在市販されている)一般的な光学系を当てはめると以下のごとくです。
 ・10cm屈折F12以下、12cm屈折F10以下、13cm屈折F9.2以下、
 ・15cm屈折・ニュートン・マクストフニュートンF8以下、
 ・20cmニュートン (F6),
 ・25cmニュートン (F4.8), 30cmニュートン (F4)
10cmクラスは大好きですが、これだけで銀河や球状星団を楽しめるかというと疑問が残ります。したがって、Multipurpose telescopeの候補は以下に絞られます。
 ・13cm屈折F9.2以下、
 ・15cm屈折・ニュートン・マクストフニュートンF8以下、
 ・20cmニュートン (F6),
 ・25cmニュートン (F4.8), 30cmニュートン (F4)

次に運用面です。15cm屈折はでかい!私もアストロフィジックスF8を運用していましたが、もちろん凄く見えるけれど気楽に使うことは不可能でした。鏡筒長は1m以下でないと運用が辛くなります。30cmニュートンは鏡筒に工夫がないと移動観測はかなり大変です。
したがって、おおざっぱに考えるMultipurpose telescopeは
 ・13cm屈折F9.2以下、
 ・15cmニュートン・マクストフニュートンF8以下、
 ・20cmニュートン (F6),
 ・25cmニュートン (F4.8)となります。
これらの代表選手は
 ・13cm屈折:タカハシTOA130F7.7(私にはこれでもでかすぎ)
 ・15cmニュートン:選択肢多様、マクストフニュートン:インテスマイクロ
 ・20cmニュートン:UKオライオン、ケンコー等など
 ・25cmニュートン:UKオライオン、ケンコー等など
これに運用の容易さ(可搬性と収納性)や北関東の気流条件さらに、星像の好みを反映させて私が選ぶと・・・13cmクラスの屈折となります。次点としては20cmクラスのニュートンです。13cmクラスの屈折とはいっても私はでかいのは苦手なので小振りな高精度アポ屈折(NP127またはAP130EDF、TMB130F7)でしょう。25cmニュートンは非常に魅力的ですが、いかんせん私には大きすぎです。玄関の傘立てよりも太いといろいろと不具合があります。少し焦点距離が短めの20cmニュートンを倉庫から出して復活させても良いかもしれません。
ある程度妥協してベランダから山の中までの「これ1本」を選ぶと小振りな高精度屈折になりましたが、条件が「複数台数可」や「双眼鏡可」となるとまた少し違ってきます。

理想をいえばキリがありませんが、複数台許されるとしたら10-13cmクラスの高精度アポ屈折と簡単組み上がる30cmクラスニュートン式ドブソニアンの組み合わせでしょうか。高精度屈折をミヤウチやコーワの8-10cmクラス双眼鏡に置き換えても面白いと思います。「脚立OK」とすると、45cmニュートンドブとの組み合わせも幸せになれるはず・・・。
でも一番大切な条件は暗い夜空と時間の余裕、心の余裕、それに楽しい仲間達だと思います。
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5月28日   Multipurpose telescope  その1     by オーナー2
今、自宅のリビングに7台の望遠鏡が転がっています。
9cmF5.6屈折双眼、11cmF7屈折(双眼装置等倍仕様)、12.7cmF5.2屈折双眼、13cmF6.3屈折、14cmF6マクストフニュートンです。どれも焦点距離の短いタイプで、同じような口径レンジです。私は望遠鏡を収集することに喜びを感じるタイプではありませんが、いつの間にか増殖してしまいました。でも、それぞれに役割は(一応)あります。まぁ、これだけ一カ所にあるとなかなか壮観ですが、本当に望遠鏡は何台も必要なのか、1台で何にでも使える望遠鏡は無いものかと思ってしまいます。

私は眼視が中心で、観望対象は「何でもあり」です。したがって重星、惑星から球状星団、銀河まで楽しめる性能の高精度望遠鏡が必要です。運用の容易さもともても大切です。観望場所はベランダから自動車で遠征する山の中なので、移動観望が可能なことも条件に入ります。
結論は、「全ての条件を満足する解は存在しない」です。
(* 注 解が存在しないから、ななつがたけ北天文台の望遠鏡は、TOPページ写真のように
   鏡筒すずなりになってます オーナー1)


「存在しない」では話が続かないので、ある程度の妥協をして検討してみます。ややこしくなるので、単眼の天体望遠鏡し限定します。まずは必要口径から。惑星を楽しむなら気流を考慮すると15cmの屈折や20cm程度の高精度ニュートン等が頭に浮かびますし、散開星団はどうしても広視界への要求度が高くなり、必然的に焦点距離の短い望遠鏡となります。また、球状星団や銀河は口径がものをいいます。少なくとも30cmは欲しいところです。でも、口径が大きくなると気流の影響で十分に性能を発揮する機会がめっきり少なくなります。対象により適当な口径が大きく変化するので、望遠鏡を絞ることができません。

では、実視界からのアプローチです。惑星や球状星団、銀河(一部を除く)は視直径が十分小さいので問題とはなりませんが、散開星団となると話は違ってきます。さらに天の川を流す場合にはもっと違ってきます。散開星団や星野に散らばる微光星を楽しむならば、実視界2度は欲しくなります。実視界2度を実現するには、2インチサイズで見かけ視界80度クラスを利用するとしても焦点距離は1200mm以下でないといけません。妥協しても1500mm以下だと思います。
焦点距離:1200mmを条件として口径に反映させると、以下のようになります。

  10cm:1200mm(F12),  12cm: 1200mm (F10),  13cm: 1200mm (F9.2)
  15cm: 1200mm (F8),  20cm: 1200mm (F6),  25cm:1200mm (F4.8),  30cm:1200mm (F4)


 続く・・・
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5月26日   MAXVISION
ところで、皆さんは「MAXVISION」というブランドはご存知でしたか? メーカーではなくブランドです。私はしばらく前に関係者から聞いていたので知っていましたが、日本では耳慣れないブランドです。
昨日、トップページにMAXVISION 127ED のテスト記事を書いたら、さっそく日本への輸入元の関係者の耳に入ったそうです。MAXVISIONというのはこういうブランドで、こういう製品を作っているんですよ、という伝言が入りました。

「MAXVISION」は、中国の「晶華光学股分有限公司(JOC)」という光学メーカーが最近立ち上げたブランドで、歴史は浅いところです。それまでOEM(悪く言えば下請け)専門だったJOCが、初めて自社ブランドで製品を出荷するようになりました。そのブランド名がMAXVISION。ですから、メーカーとしての歴史はあり、世界中に数多くの望遠鏡を出荷してきました。シンタよりは小さいですが、それでも社員は数千人いるそうです。あなたが今使っているそれもJOC製品かもしれません。

MAXVISIONは、JOCが下請けから脱却した悲願の独自ブランドですから、研磨精度、コーティングの質、検査の合格ラインなど、最高の品質で作られているそうです。さらに、日本の輸入元が現地に行ってロンキーテストをして、半分はハネて輸入しているそうです。光学研磨機も検査機もみんな日本製でしょうし、光学設計コンピュータプログラムも同じものを使っているのでしょう。だったら、組み付けの職人技と高い検査基準があれば、日本製品と同じものができます。実際、MAXVISION 127EDは、世界に誇るタカハシのTOAと渡り合える光学性能がありました。


JOCのOEM製品は、同じような外観の望遠鏡でも、レンズなど中身の異なる望遠鏡が世界中に出回っています。同じJOC製の望遠鏡でも、製作を依頼したメーカーの仕様によって、かなり性能が違います。製品検査をどこまで厳しくするかによっても違います。安値で買いたたけば、不完全な望遠鏡もできてきます。日本の某社が売っている黒い鏡筒とMAXVISIONブランドの白い鏡筒は全く別物のようです。だったら、マックスビジョン・ジャパンもスカイバードさんも販売価格を某社さんに合わせる必要は全くないわけです。日本人は日本製品の品質の高さに慣れていて、外観が同じなら品質も同じという先入観を持っています。しかし、中国のOEMメーカーはそうではありません。最近、外国メーカーの望遠鏡の広告を目にする機会が増えました。見た目に同じに見えるけど、別のブランド製品もあります。こういう場合、見た目は同じでも、価格の差が性能の差になっているようです(よほどの悪徳業者製品でない限り)。
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5月24日   MAXVISION 127ED
天文台に「MAXVISION」の127EDトリプレットアポ鏡筒がやってきました。買ったわけではないのですが、ちょっとした経緯でオーナー1の手元に届きました。

23日の晩、オーナー1・2と東洋天文同好会の方々が楓林舎に来ていました。天気予報では確実に曇り、雨も降りそうでした。以前からペンションを予約してあったからということはありますが、天気が悪くてもみんな集まってきます。曇ってもおいしい酒を飲みながら、望遠鏡談義などしながら楽しく過ごせるので、雨でもいいと思って来ています。そういうところへこの鏡筒を持ち込みました。これは出所が由緒正しいところなので、どれほどの性能なのか、みんな興味津々でした。

明るいうちに、天文台の35cm主望遠鏡に同架するためのプレートを作りました。このクラスの鏡筒ならば、本来はすでに同架されているTOA130を外して、その位置にのせるべきところですが、当然、そんなことをするはずがありません。TOAは付けたまま、35cm主望遠鏡の背中側が空いているのでその位置に取り付けました。赤道儀の同架重量が大きくなりますが、サイドバイサイドで見較べないと皆さんの気がすみません。赤道儀の負担を少なくするため、バランスウエイトは追加せず、ウエイトシャフトを2倍ぐらいに伸ばしてバランスさせました(写真 左下)。
望遠鏡を雲の向こう側にいる土星に向けて、追いかけさせておきました。どうせ晴れないのに無駄な努力のはずでした。

夕食の頃、なぜか晴れてきました。気象衛星の雲の写真を見ると、「何でこれで晴れるの?」という感じでしたが、西から押し寄せてきている雲が山を越えたところで消えているようです。夕食が終わった頃、快晴に近くなりました。透明度も春にしてはまあまあです。みんな外に飛び出していき、望遠鏡の準備を始めました。ドーム内はそういうわけで、ほぼ準備が完了しています。MAXVISIONを他の鏡筒と平行にするだけです。

TOA130FとMAXVISION 127ED の見較べです。
   TOA130F   -------   D=130mm f=1000mm
 F7.7
   MAXVISION 127ED  ---  D=127mm f=950mm  F7.5
両方に同じブランドの同じ接眼光学系を付け、サイドバイサイドで見較べました。
まずは土星。シーイングはあまり良くありません。いくつか倍率を変えて見較べましたが、中心像についてはほぼ同じで差を感じません。
次に低倍率で系外銀河。銀河自体はボーッとしているので、光学系による違いはわかりません。中心付近の星像もほとんど同じ。MAXVISIONの方は、中心にピントを合わせると周辺部がボケます。像面が平面ではなく、多少湾曲しているようで、中心と周辺でピント位置が少し違います。しかし、ピントが合えば周辺まで点像になり、ピントが合った状態での星像はTOAに引けを取りません。100倍程度で球状星団を見ると・・・。TOAの方が球状星団中心部の見え方が多少良いように感じます。球状星団でTOAの優位をちょっとだけ感じました。
二重星(うしかい座ε プルケリマ)を280倍ぐらいの高倍率で見たときです。「!!?」  一同、唖然
でした。TOAはシーイングが落ち着いた瞬間に伴星がちらっと見えます。しかし、MAXVISIONは常時はっきり2個に見えています。「おい、おい!」  そんなはずはないと、よくピントを合わせて見てみましたが、MAXVISIONの方が明らかによく見えています。天頂ミラーから後ろを丸ごと交換しても同じです。検討の結果、TOAは光軸がずれているという結論になりました。このTOAはタカハシ送りとなりました。TOAだけを見ていたら気付かなかったことですが、見較べて初めて発見できました。MAXVISION 127ED おそるべし。こと座のWダブルスターを見ても、MAXVISION の分離の良さ、星のシャープさは、私が見た13cmクラスの鏡筒の中では一番良かったと思います。
低価格な製品なので構造上、多少の欠点はありますが、価格を考えたらすばらしい鏡筒です。ちなみにスカイバードでの販売価格は228000円。一方、TOA130Fは定価672000円です。
TOA130を買うならMAXVISION 127EDを2本買って双眼望遠鏡にする! ・・・という意見が大勢でした。

なお、同じ鏡筒と思われる某社から販売されている色違いの製品は、性能的に明らかに劣ります。楓林舎の常連さんが持っていますが、そちらのオーナーは不満だらけで、いつも悪評を話しています。






















     TOA130F VS MAXVISION 127ED サイドバイサイド
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5月23日   ベランダでの赤道儀     by オーナー2
タカハシ90S赤道儀復活をきっかけにベランダ観望に赤道儀を使用しています。実は試用です。今までのベランダ赤道儀はタカハシP-2にTV-85を搭載するパターンでそれほど問題点はありませんでしたが、現在の試用ではタカハシ90SにIntes-Micro Alter N140DX/ AP130EDFGT/WO-FLT110のパターンです。どれも太く短い鏡筒ですが、観望時の鏡筒長は1m弱とほとんど変わりません。

まずは赤道儀の設置場所です。経緯台はベランダで1回転することはありませんが、ドイツ式赤道儀の場合は振り回すことがあります。したがって経緯台は軒の影響を避けるために、ぎりぎり外側に設置することもできますが、ドイツ式赤道儀ではある程度ベランダの真ん中に設置せざるを得ません。通常のアパート・マンションのベランダは1m程度なので、鏡筒長さを考慮するとかなりクリティカルに場所決めをする必要があります。長焦点屈折の場合、条件によっては部屋の中から覗くことにもなりかねません。この点、ニュートン式やマクストフニュートン式は横から覗くので大丈夫(面倒な鏡筒回転は必要かもしれませんが・・・)。

極軸合わせは、当然ながら北極星は見えないので苦労します。ある程度の時間で設定を追い込むことは十分可能ですが、ベランダは(家族との)共有スペースです。これを忘れたら極度の困難に直面するかもしれません。したがって、撤収を前提とした位置決めと極軸の再現性を工夫する必要があります。でも実際にできることは限られていて、ピラー脚の石突に合わせて床にマーキングする程度です。電気は実は使いたい放題ではなく、冬の寒気や夏場の「虫」を考慮すると厳しい条件になります。

結局、ベランダ赤道儀をルーチン観望に取り入れるにはスタンドアローンタイプの赤道儀とベランダの幅に見合う鏡筒長の望遠鏡が条件となりそうです。これらの条件をクリアーして手に入るものは自動追尾です。現時点でのベランダ赤道儀はかなりの制約があるといわざるを得ません。ベランダ観望での理想は簡単なセッティングの自動追尾経緯台だと思いますが、残念ながら存在しません。おそらく一番理想に近いのはiOPTRONのMINI-TOWER経緯台でしょう。スカイバードさんのAT-MACSのシステムを持つ搭載重量10kg程度の自動追尾(自動導入ではない)経緯台の登場を切に望みます。
オーナー1からもAT-MACSの開発元さんにこれをお願いします。ついでに、大型AT-MACSよりもさらに大型で、20kgぐらいまで耐える自動追尾システムの付いた経緯台も欲しいです。某簡易(だけど高精度な)赤道儀のパーツを流用したような・・・
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5月21日   赤道儀復活     by オーナー2
オーナー1にタカハシ90S赤道儀をビクセンのピラー脚に接続するアタッチメントを作成してもらいました。おかげで往年の名機が使いやすくなり復活しました。ビクセンのピラー脚についているアルミ製の厚めのお皿(ピラー脚架台)はとても便利です。しかもこれだけを購入することもできます。私もP-2用や双眼望遠鏡用などなど4つほど加工し使っています。

で、今の「赤道儀」ですがほとんどが電気仕掛けになってしまいました。これは私のような写真をほとんど撮らないアナログ系にはかなり寂しいことです。今ではネットワーク接続が必須になってきましたが仕事用にしても遊び用にしても、システムはスタンドアローンが私の好みです。いわゆる自己完結型です。今の完全に電気に依存する赤道儀では本体の故障はなくても電源が無いという段階で微動の手段が消失します。先日も観望地でバッテリートラブルがあり大変でした。赤道儀の運用に乾電池程度ではない充電式のバッテリーが必要となると、臍帯に制約されているような気分になります。

「現行品で電源無しで運用できる赤道儀は?」と言うと寡聞にしてビクセンのGP2/GPD2程度しか思いつきません。JPも今はJP-Zとなり手動微動は不可能です。ボーグのフォーク式もありますが私には搭載能力が低すぎます。フレキシブルハンドルを握りたい人間には選択肢は無いようです。それを考えると90Sはとてもバランスが良く使いやすい赤道儀です。もう1台あってもいいくらい。ハイテク満載のGOTO赤道儀もいいですが、たまには原点回帰も必要な気がします。なんといっても発電機や重いバッテリーから解放されます。
5月17日   TS90sをビクセンピラーに
中古のタカハシ90S赤道儀を手に入れました。
最近、ある程度の耐荷重と精度がある赤道儀で、電気がなくても動くものが少なくなってきました。「フレキシブルハンドル」ということばは、もはや死語なのでしょう。そういうものが必要な人には、中古の90Sは最適です。手に入れたのは赤道儀ヘッドだけで、足とモーターは無しです。

まず足ですが、三脚よりもピラーの方が便利なので、ビクセンのGP2用を使います。ビクセンのピラーは高さが110cmと85cmがあります。これは結構軽くて持ち運びに便利です。ただ、強度的にはたいしたことなくて、三脚と同等だと思います。分解組み立てにはコツがあるので、慣れるまでは面倒です。
「コツ」というのをお教えしましょう。ピラーの真下にガムテープを1巻置いてください。

これはビクセン用ピラーですから、当然、そのままではタカハシの赤道儀はのりません。ピラーと赤道儀をつなぐ部品の加工が必要です。右の写真が加工後に90Sと接続したものです(白い部分)。このパーツはすごく便利で、旋盤加工ができればですが、ほとんどすべての小型・中型架台をのせられるようにできます。NP127双眼望遠鏡もミヤウチの10cmフローライト双眼鏡も、ここを加工してビクセンピラーにのせています。ビクセンにお願いすれば、このパーツだけでも売ってくれるそうです。これを複数持っていれば、1本のピラーにいろいろな架台をのせられて便利です。


下の写真が旋盤加工後の接続パーツです。全体が白に塗装されていたもので、銀色になっている部分が旋盤で削ったところです。90sをのせるためには、かなりの量を削っているので、このパーツがずいぶん軽くなりました。















5月14日   サーバ再構築
自宅でドメインコントローラにているコンピュータがしばらく前から不調でした。壊れたというほどではないのですが、ソフト的にきちんと機能してくれません。私は一応SEなのですが、自分で我慢できる限界を越えました。そこで、すべてきれいさっぱり消して再構築することにしました。

3年ほど前、現在のサーバを導入したときに、ドメインコントローラにする前のスタンドアロンサーバ状態のときのHDDイメージをとってありました。これを現行サーバにオーバーライトする形で復元しました。ゼロから構築する場合に較べて、2時間分ぐらい時間の節約になります。そこから始めて、延々12時間ぐらい作業をしてやっともとの状態にまで戻りました。必要なデータのバックアップは事前にきちんと取ってあり、これを復元したり、インターネットやメール環境を再構築したり、Windows Update などなど、多くの労力を必要とします。ドメインコントローラをソフト的に新しくしてしまうと、クライアントパソコンやユーザー名も登録し直し、権限の設定もやり直しです。
ドメインコントローラを新規に立てるのなら、時間がかかっても淡々と流れ作業でやりますが、すでにあったものをつぶして再構築というのは、できることならやりたくない仕事です。会社の仕事として請け負った場合は、技術料だけで最低20万円からの仕事になります。


今回再構築したのは上にある1Uのサーバ

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5月6日    桜咲く

天文台横の山桜が咲きました。4月19日の「5」の写真の木です。古い携帯のカメラで撮ったので、写真はきれいではありませんが、実物は結構きれいです。
天文台下までは、まだ途中の日陰に雪があって車では行けませんが、陽の当たるところの雪は消えました。やっと春が来た感じです。



全く別件ですが、TOA130やNP127鏡筒を入れられる防湿庫が欲しいのですが、トーリ・ハンのH180ぐらいしかないようです。これって上下の扉の間にある棚板も取り外せるのでしょうか。また、他に何かお勧めはあるでしょうか。
O倉さんは何を使ってる?



(追加)
トーリ・ハンのH180は、中間の棚を取り払って上下一体にできるようです。また、東洋リビングのオートドライ ED-165CDBなども間の棚をはずせるそうです。O倉さんが使っているのは東洋リビング製の旧型だそうですが、ここの構造が変わるとは思えません。





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5月3日    VMC260接眼部改造
天文台にビクセンのVMC260Lがあります。TOPページの写真にはありますが、なかなか出番のない望遠鏡です。これは、ビクセンにいるオーナー1の先輩の I 藤さんにお骨折りいただき、かなりいい状態に調整された鏡筒です。使ってあげないといけないのですが、接眼部が弱点です。主鏡移動方式なので、大きくはないですがミラーシフトがあります。眼視でも、高倍率にしたときあまり気分が良くないし、写真鏡とするにはピント合わせの精度が足りません。VMC260Lの非常に単純な接眼部に、フェザータッチフォーカサーを付けることにしました。

VMC260Lの接眼部内側には、ビクセン標準の60φピッチ0.75mmのメスネジがあります。ここに2インチスリーブなどをねじ込みます。その外側に66.7φピッチ1mmのオスネジがあります。この外側のネジに付くアダプター類は一切ありません。このネジを利用してフェザータッチフォーカサーを付けようと思います。

アダプターを自分で作らなければならないので、部品が必要です。ボーグの「シュミカセ→ヘリコイドMAD 品番:7428 A:2インチメスネジ B:M68.8P0.75メス」が使えます。これの2インチメスネジ部分を削り落とします。7428の内側に旋盤で、66.7φピッチ1mmのネジを切ります(・・・と簡単に書きましたが、素人には大変!)。
これをVMC260L接眼部外側にねじ込み、68.8φピッチ0.75メスネジ側にボーグ扱いのフェザータッチフォーカサーを付けました。完成品が右下の写真です。結構うまくできました。
付け加えれば、右上の写真中央にある黒いネジが切ってあるパーツは、その外側の白い後端カバーにねじ込まれているリングでした。66.7φピッチ1mmのオスネジは外側に3mm程度しか出ておらず、ここに加工したボーグ7428をねじ込むのはちょっと不安でしたが、リングの奥側にスペーサーを入れれば、オスネジが6mm程度外に出ます。それだけあれば、加工したボーグ7428を十分安定した形で取り付けできます。





4月28日   雪! 
25/26/27の2泊3日で楓林舎に行ってきました。・・・天文台に行ってきました、と書くべきところですが、天気がかなり悪そうで、星は見られないとあきらめて、楓林舎で星仲間と楽しんでくることをメインにしました。

25/26日は、東洋天文同好会が観測会で楓林舎に来ていました。今回は盛況で10数人来ており、楓林舎が満室でした。本来なら東洋天で楓林舎貸し切りのはずでしたが、私が割り込んだ格好です。私が楓林舎に着いたときは大雨でした。東洋天の人たちはみんな揃っていて、晴れるはずがない天気なので、すでに宴会モードです。皆さんおなじみの知り合いなので、私もさっそく宴会の仲間に入れてもらいました。東洋天の人たちは酒を飲んでもみんなジェントルマンです。この会なら誰でも安心して参加できるでしょう。新入会員の女性二人が来ていましたが、みんな親切に優しく対応してあげていました。天文同好会というと男が多いものですが、女性会員の心得として、何か教えてもらったら、たとえ知っていたとしても「ヘー、そうなんですか!」と大げさに感心して、星を見せてもらったら「わー、きれい!」と大げさに感動する。これが会を円滑に動かす秘訣ですね。今回の女性二人はしっかりそれを実践していました。男性も女性もみんな無意識のうちに会を円滑に動かしていました。そこがこの観測会に私も参加させてもらう所以です。

晴れるはずのない天気でしたが、夜も更けた頃、奇跡的に1時間ほど晴れました。「星が出た!」という一声に反応して、相当な酔っぱらいたちがさっと立って、外に出かけました。会長持参のケンコー製30cmドブを組み立ててひとしきり観望させてもらいました。M13とか結構きれいに見えたので、観測会が宴会だけで終わらなかったのが良かったところです。ケンコーの30cmドブは初めて見ましたが、眼視用にはほとんど問題なくて、なかなかできのいい望遠鏡でした。あの値段なら買って損はないと思います。

翌日、26/27は東洋天が帰り、オーナー2が家族で来ました。この日も天気が悪くて、星は見えませんでした。でも、オーナー2たちとおいしい食事を食べながら楽しく酒を飲んで過ごせれば、星が見えなくても全然問題ありません。この日は昨夜以上に晴れる見込みがないので、みんな早めに寝ました。翌朝、起きてびっくり、「雪!」。積もりはしませんでしたが、4月末に雪はないでしょう!。
それでも昼頃には太陽が出てきました。オーナー2の32cmドブとオーナー1のε180の主鏡を外し、2枚まとめてたらいに沈めて洗いました。沈めている間に、会津田島の街中の満開の桜見物や水芭蕉見物してきました。みんな、ゴールデンウイークだというのに真冬の服装です。

今回はまともに星が見られませんでしたが、とても満足して帰ってきました。星仲間というのはいいですね。

4月28日   花見
27日に会津田島の街中でほぼ満開の桜を見てきました。
しかし、寒い。天文台では雪!  花見にこの服装はないですよね。


雪が降って寒かった話とは直接関係ありませんが、この日のオーナー1・2&楓林舎オーナーの話題は地球寒冷化。天文台の太陽望遠鏡で時々太陽を見ていますが、ここ1年ぐらいほとんど黒点がないし、プロミネンスもごく小さいものしかありません。せっかく太陽望遠鏡があるのに、見た目につまらないわけです。太陽はとっくに新しい活動期に入っているはずなのに、これはなぜ?
7月の日食ではコロナが小さいかも・・・

地球温暖化は根拠のないただのブームで、本当は氷河期の入り口に入ったのでは? ・・・という認識で一致しました。二酸化炭素濃度は確かに温暖化に寄与しますが、太陽による影響に較べたら、現在のレベルではたいした問題ではありません。それに水蒸気や他の温暖化ガスの話題はなぜ出てこない?
アメリカのブッシュ前大統領には批判も多いですが、地球温暖化については正しい認識を持っていたのかもしれません。中国も頭のいい人は山ほどいるので、二酸化炭素出し放題で何が悪い! これは正しいのかも・・・。今のうちに二酸化炭素を思いっきり出して氷河期を食い止めた国が将来賞賛される可能性があります。そうだった場合、世界の最先端を行く日本の省エネ家電、省エネ自動車は悪者?
目先、地球温暖化ブームに乗った方が商売になります。それに乗った方が「いい人」に見えます。これはすでに科学ではなくなり、感情の世界です。クジラと同じですね。あなたは、地球温暖化派? 地球寒冷化派? これは北海道に土地を買うか、九州に土地を買うかという大きな問題です。

地球の長いスパンでの気候変動を把握する技術を確立しなければなりません。それに応じて、地球規模で温暖化ガスを大量に出したり減らしたりして、地球の気温を均一化するという、「地球人」としての英知を発揮するときが来ているのかもしれません。
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4月24日   FLI MicroLine
FLI MicroLine シリーズの一部機種が安くなりました。

ML09000(900万画素モノクロ)  特価 → \1,239,000-(税込み) (12ミクロン画素)
ML16803(1680万画素モノクロ) 特価 → \1,281,000-(税込み)  (9ミクロン画素)       だそうです。

そしてML8300 も続いて安くなるそうです。ML09000 は欲しいですね。でも、SEO-COOLED X2 は20万円ですからね。SEO-COOLED X3 の期待もあるし。4月8日に書きましたが、今、ML09000 を買うと一生使えるのなら買ってもいいですが、すぐに陳腐化してしまいます。このクラスのものが1/4の値段で買えるようになったら買いたいと思います。とりあえず今は、SEO-COOLED40D とST2000XCM があるので、当面の私の用途にはこれで十分です。


太陽電池パネルも欲しいですが、発電効率が今の2倍になって値段が半分になったら買います。家庭用燃料電池も欲しいですが、値段が1/4になったら買います。すべてそう遠いことではないと思います。

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4月21日   タイヤ&ブレーキパッド交換
天文台付近でも、もう雪は降らないだろうという時期になりました。エスティマハイブリッドに付けていたスタッドレスタイヤを外すと同時に、夏タイヤを新しいものに替えることにしました。標準タイヤは215/60−17のトランパスでしたが、これを235/55−17のRE050にしたいと思います。タイヤのグリップ力に見合うように、ブレーキパッドもμ(摩擦係数)の大きいものに交換します。

行きつけのブリジストンのタイヤ館に行きました。いつもの店長がいなくて、若い店員が出てきました。タイヤをRE050にしたいんだけどいくらになる? と聞いたら、「1x万円です」。決まり文句なので「高い!」と言ってみました。そうしたら、ミニバンに050を付ける人はいない、もっと安いミニバン用のタイヤがあります、とのこと。まずこれで、この店員はタイヤについて何もわかっていないということが判明。こいつを相手に話をしても無駄だとわかったので、この店員には理解できないであろう難しいことを山ほど言って、もっと知識のある店員を呼びに行かせました(←いやな客!)。代わりに出てきた店員に、エスティマハイブリッドはミニバンではなく重量級ハイパワーサルーンだと言ったら、「おっしゃる通りです。この車にはRE050が最適です。」と言う。
やっと話が通じるようになったので、ブレーキパッドの話を持ち出した。RE050に見合う低温でも効いて、初期制動力の高いブレーキパッドが欲しいと言ったら、プロジェクトμの製品を勧めてきた。ここの主力商品なのでしょう。しかしそれのデータを見ると、温度によると思われるμの変動幅がかなり大きい。「これはローターの温度が上がらないと効かないってことでしょ、要望と違う。」と言ったら、「ごもっとも! でも、これまでそれを指摘したお客様はいませんでした」という。この店には素人しか来ないのかよ・・・
要望に合うブレーキパッドを探させたら、「ウインマックス ライフェ」を探し当てた。当然、自分でも事前に探していて、自分としては「TOM’S」の製品がいいかな、と考えていました。「TOM’S」と「ライフェ」だとどちらがいい? と聞いたら、「その2つだと実際に付けてみて較べないとわかりません。」 とても正直で正しい答えです。自分でも、ブレーキパッドというものはデータだけではわからないもので、実際に付けてみないとわからないことは十分承知しています。この店員が勧める「ウインマックス ライフェ」にしました。というよりも、TOM’Sは売りたくない(仕入れたくない)感じでした。

そんなこんなで、エスティマハイブリッドに RE050 235/55-17 と ウインマックス ライフェが付きました。タイヤは文句なしです。グリップはすばらしくいいし、雨でも滑らないし、その上、音は静かだし乗り心地もいい。ウインマックス ライフェは、あまり有名ではないメーカー製品ですが、これはいいです! 標準ブレーキパッドよりは良く効くし、ブレーキを踏んだときの感触が、高級なプラスチック消しゴムでローターを押さえているようななめらかな感触です。μの高いブレーキパッドは、往々にしてゴリゴリした不快な感触のものが多いですが、これはOKです。ライフェは適応車種も多くて、これを選んでもハズレと思うことはありません。お勧めです。もし、今、乗っている車がトヨタ車で、一般公道を普通に走るだけであれば、最もお勧めできるブレーキパッドはTRDの「Blue」です。残念ながら現行のエスティマハイブリッド用はありません。
いずれにしても、エスティマハイブリッドは1年の半分は回生ブレーキさえなくなるわけですから、2トンの巨体に標準装備のよくすべる細いタイヤと効かないブレーキに命を預けるのはやめましょう。

タイヤとブレーキを換えて、私のエスティマハイブリッドがとてもいい車になりました。しかしながら、このところの暖かさで、ハイブリッドバッテリーが暖まってしまい、ハイブリッドシステムがあっという間に停止してしまいます。この車がハイブリッドカーとして動くのは冬の間だけのようです。エスティマハイブリッドはトヨタの失敗作で、これ以降、センターコンソールにハイブリッドバッテリーを置く車は出てきません。レクサスRXハイブリッドも、センターコンソールにバッテリーを置いた方がスペース効率がいいのに、リアシート下に置いています。
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4月19日    季節を巻き戻し
この時期、車で南から北に向かって走ると、景色の変化が大きくて、その変化の様子を楽しめます。
私の地元の栃木県南部は桜がほぼ散って、新緑の季節に入りました(写真1)。若葉の黄緑色の中に遅咲きの桜の散りかけた花が所々に混じっています。ここから東北自動車道を北に向かって走っていくと、季節がだんだん戻っていくのがわかります。新緑の若葉がだんだんしぼんでいき、桜の花びらが増えていきます(写真2)。西那須野インターを降りて山に上ったところにある塩原温泉は桜が満開。塩原温泉の奥の峠に上ると、ほとんど冬でやっと木の芽がふくらみ始めたところです(写真3)。
峠を2つ越えて福島県に入ると標高が下がっていき、季節が多少進みますが、新緑はわずかで桜が開き始めたところです(写真4)。さらに北に行くと、また季節が巻き戻され、開いていた桜の花びらがつぼみに戻っていきます。天文台付近は、桜の開花はまだまだ先で(写真5 中央が桜の木)、まわりの山には残雪があります。(写真6)
このように150km程度走っただけで季節が初夏から早春に逆戻りです。



























天文台の近くにある水芭蕉群生地は今が見頃です(写真7,8)。水芭蕉は雪が消えるとすかさず芽を出して、急速に葉と花が大きくなります。従って雪が消えてから花が咲くまでの期間はわずかです。冬の雪が多い年は残雪が消えるまでに時間がかかり、ちょうどゴールデンウイークの頃に見頃になります。今年は2週間早く見頃を迎えました。雪が少なかったことに加え、このところの暖かさで雪が一気に消えました。

天文台よりもさらに標高が数100m高い駒止湿原に上がる道は、まだ雪に閉ざされていて通行止めです。例年、5月下旬に開通するのですが、今年はゴールデンウイークに駒止湿原に上がれるかもしれません。道が開通した頃、駒止の水芭蕉が咲き始めます。でも、駒止湿原の水芭蕉よりは天文台近くの名もない水芭蕉群生地の方が遙かにきれいです。長靴を履いて水芭蕉の中に入っていけるし。
ちなみに水芭蕉というのは、寒い地方の湿地に生える雑草です。特別珍しいものでもなく、ありがたいものでもありません。

18/19に天文台に行ってきたわけですが、夜、星は見えましたが春霞でした。春の星空で透明度が悪いと何も見るものがありません。何とかそれらしく見えたのは、土星と貧弱なM13(といっても街中で見るよりは遙かによく見えます)だけでした。今回は星を見るよりも自然の景色を見に行ってきた感じでした。
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4月10日   満月
今夜は満月です。
久しぶりに夜中に屋上に上がり、月を眺めました。満月もけっこうきれいなものですね。OMC140を出して月を見てみました。まぶしい! 満月ってまぶしいものでした。コペルニクスってこんな端の方にあったんだっけ? 久しぶりに月を見ると新鮮な感動を覚えます。
ディープスカイ派や天体写真派には月は邪魔者です。月を、それも満月をまじまじと見ることはあまりありません。でも今は、星を長いこと見てなかったので、何でもいいから夜空にあるものを見たいと思いました。月の後、当然のように土星にも望遠鏡を向けました。土星はひと頃よりちょっとだけ、輪が厚くなったような気がしますが、気のせいでしょうか。

しばらく星を見ていない間に、土星は西の空低くなり、満月の南中高度が下がってきました。私の記憶の中では、この前、星を見たときはオリオン座が南中してて、満月がやたら高いところにあったのに・・・。あっという間に時間が過ぎて、星座が変わって行きます。あと何回これを繰り返したら、私はこの世から消えるのでしょう。星座の移り変わりの早さに、そう遠いことではないような気がしました。
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4月9日    50000
アクセスカウンターが50000を超えました。このサイトを見に来てくれる皆様、ありがとうございます。
50000という数字にはあまり意味がありませんが、いつ頃どのくらいのアクセス数だったのか、後日のための記録としてここに書いておきます。
このアクセスカウンターは、このWebサイトを作ったとき、so-netが提供しているもの中で一番小さくて一番地味なものを選んだのですが、それをずっと使っています。今となっては、でかくて派手ですよね。そのうち替えようと思います。


なお、私はこの瞬間は見ていません。自分でこのWebサイトを見たときは50012でした。右のカウンターの数字は偽造です。
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4月8日    デジタル一眼
協栄産業からCanon EOS 50D冷却改造のASTRO 50D発売のアナウンスがあったと思ったら、CanonからEOS Kiss X3発売が発表されました。X3が冷却改造できるようならそっちの方がいいですね。小さくて安いから。50Dを天体写真専用にするにはオーバースペックでもったいない。

CCD関係は発展途上なので、待てば待つほど安くて良いものが出てきます。現状ではまだ、コダックのKAF-16803 ,KAF-09000 ,KAF-8300などのモノクロCCDを使った天体専用冷却CCDカメラの方がアドバンテージがあり、値段が高くてもそっちの方が欲しいと思います。でも、ニコンやキャノンの民生用CMOSセンサーの方が開発スピードが速いし価格も安くなります。近い将来、冷却CCDカメラというものの存在価値がなくなるときが来るかもしれません。そうなるかどうかは、SEOさんの技術と努力にかかっているのでしょう。冷却しなくてもノイズが少ないのが理想ですが、それはかなり先になるでしょう。

それまで待ちますか?

民生用カラーCMOSに付いているカラーフィルターとモノクロCCD+3色分解フィルターでは精度が別物ですから、「それでもモノクロCCD!」という人もいるでしょう。それはそれでけっこうですが、徹底的にこだわって写し画像処理した写真は、自己満足で終わらせないで、科学技術の振興やせめて天文学普及のために役立ててもらいたいものです。

写真はキャノンのWebサイトより。
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4月5日    ロケット
4月5日、北朝鮮がロケットだかミサイルだかを発射しました。初日の4日には発射されませんでした。北朝鮮としても、国のメンツがかかっているので、慎重の上にも慎重を期したのでしょう。それでも失敗したわけですが、堂々と成功したと世界にウソの発表をしてしまうというのは何なんでしょう。日本をはじめ、各国政府は何で北朝鮮を声高に嘘つき呼ばわりしないのでしょう。北朝鮮をつぶしてしまうとあちこちに問題が生じるので、そのための配慮なのでしょうか。

ロケットもミサイルも同じものなので、どっちでもいいわけですが、その分野では北朝鮮よりは日本の方がはるかに先を行っています。オーナー1の地元にも、ロケットの重要部品を作っている工場が複数あります。その中のひとつの工場のエントランスには、そこで作っている機器の紹介コーナーがあります。「ロケット部品」として、アポジモーターの写真があります。でも、その完成品の形を見て、「これのことをミサイルって言うんじゃない?」と思いました。蛇足ながら、ロケット屋が言うアポジモーターとガンダムオタクが言うアポジモーターは別物です。

日本も大陸間弾道ミサイルを持っています。H2Aという名前です。間もなくH2Bも完成するようです。もう少し小型でミサイルらしい形のM5というのもありました(NipponではなくNissanが作っていました)。太平洋に向かって打ち上げて、地球をほぼ一回りして平壌に落とすということは簡単にできるはずです。そのてっぺんに付ける「人工衛星」部分も、世界がおそれる六ヶ所村で精製したプルトニウムを詰めることも簡単にできるでしょう。アメリカはこの事実を十分認識しているので、日本を本気で怒らせるようなことはしませんが、北朝鮮は甘く見ているようです。それは日本の外交姿勢によるものでしょう。

日本は広島、長崎の経験があるので、人のいるところにプルトニウムを積んだH2Aを落とすことはないでしょうが、日本に独裁者が現れたときにはいとも簡単にできてしまいます。ロケットの平和利用と軍事利用は、紙一重どころか、同一平面の裏表の関係です。そういうことが起きないように、アメリカは日本を上手にコントロールしているのでしょう。
北朝鮮は日本をもっと恐がらなけらばいけません。日本政府もそういう対応をしなければいけません。JAXAのホームページに、H2Aの先端を平壌に落とすシミュレーションプログラムを載せるとか。北の将軍様の自宅や別荘に照準を合わせられればさらにいいですね。北朝鮮に「何でそこを知っている!」と言わせなければ・・・。 そうでないと拉致被害者は帰ってこないのでしょう。
しかしながら、そういうことをしなくても済む外交をして、日本のロケットと原子力技術が人類の平和と幸福のためだけに使われることを願います。
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4月2日    コンピュータネットワーク構築
新年度になりました。
天文台日記のページも新しくなりました。
でも、私は前年度から続いている仕事で相変わらず忙しく働いています。もうとっくに終わっているはずだったのに、別な会社の仕事が遅れたため、そのとばっちりで私のところの作業が2度手間になりました。2度目の作業はタダ働きです。

そんな中、楽しくできる仕事もありました。星仲間のHさんの仕事場にサーバ・クライアント型のネットワークシステムを入れてきました。単体のパソコンが数台あったところにサーバを3台入れてネットワークを構築しました。クライアント数台のところにサーバ3台は多いのではないかと思う人もいるでしょうが、そこには高度な秘密情報があり、また、そのデータの消失は致命的な大問題になる仕事場です。そういう場所には、セキュリティーを重視し、さらにハードウエアの一部が故障してもデータを保持したまま動き続けるサーバが必要です。どういう内訳になるのかは、わかる人だけがわかってください。それをお友達価格でかなり安い金額で入れてきました。

Hさんをはじめ、そこのシステム担当者(オーナー2もそのひとり)がよくわかった人たちで、お友達だということを除いても仕事のしやすいところです。前記の仕事先とは大違い!
コンピュータネットワークシステムが持つポテンシャルを十分に発揮できているところというのは、意外に少ないものです。簡単に言えば無駄なお金を使っている、もしくは、システムの能力を十分に利用していないわけです。それは、SEがユーザの業務内容を十分には理解していない、ユーザはシステムの能力を理解していないということによります。システム構築を請け負う会社と利用者の間の意思の疎通がとれないとそうなります。Hさんのところのシステムはそのへんのところがうまくいきそうです。そういう仕事先ならやりがいもあります。



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