天文台建設日記 
 
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 2012年
 
    6月以降の記事はこちら    http://blogs.yahoo.co.jp/narabuh   ブログになりました
 
5月30日     「天文台日記」をブログに
この「天文台日記 9」も容量がかなり大きくなってきました。パソコンの環境によっては表示に時間がかかる場合があると思います。6月からは新しいページに移行しないといけませんね。こういうとき、いつも思うのは「これを機会にブログにしようか・・・」です。ブログだと、ホームページより制約があって画面構成が自由にできないというのがあります。また、万一多くの方にコメントをいただいてしまった場合、時間的な余裕がなくて、ひとり一人にレスを書けないだろうとも思います。
などなど、ブログにしない理由はあったのですが、ここに来て決定的な問題が・・・ 。このサイトにはかなりのデータが入っていて、プロバイダーの無料ホームページスペースが手狭になってきました。

最近、オーナー1の仕事がヒマになって、ちょっと時間的な余裕ができてきました。また、このページの一番上を見てもらえばわかる通り、「10」を追加するには窮屈になってきました。ここでやっと決断しました。ブログにします!
特に理由はないのですが、Yahoo Blog にしてみました。近いうち、TOPページの「天文台日記」をクリックするとブログに飛ぶようにします。


 
5月27日     オフ会
この週末、オーナー1・2で某天体望遠鏡掲示板のオフ会に行ってきました。
場所は小淵沢の民宿「尋常高等小学荘」。出席者数は予定より少し減って13人。
集まった望遠鏡の過半数がツァイス製でした。鏡筒だけツァイスの人もいれば、赤道儀までツァイスの人も。このオフ会は、一人あたりの機材単価が最も高いクラスの人たちの集まりでしょう。そこへ我々はASTRO-PHYSICSやAPM-LZOSを持ち込みました。

天気は曇りがちでしたが、夜半過ぎから30分~1時間ぐらいは星を見られました。晴れ待ちの時間は、望遠鏡論議や鏡筒テストをやって過ごしました。ここに集まった人たちは晴れなくても問題ありません。室内でも室外でも、見えるものが何かあればそれを見て性能を評価してしまいます。何もなければ人工星のディフラクションリングを見て楽しんでしまいます。
この時は室内で、蛍光灯を点ける時に引っ張る「ひも」を見て性能を評価していました。そんなもので鏡筒の個性を評価してしまう人たちって何なんでしょう。でも、その評価を聞いてから鏡筒を覗いてみると、「なるほど!」と納得してしまいます。確かに違います。これを「超ひも理論」と言っていました。

星が見えていた時間帯はシーイングが良くて、300倍以上の倍率をかけることができました。みんなで同じ二重星を同じぐらいの倍率で見て、星像比較。さすがにダメな鏡筒は1本もありません。みんなすばらしい星像でしたが、APM-LZOSって、コストパフォーマンスが高い良い鏡筒だと思いました。(ただし、「コスト」はユーロ建てで個人輸入した場合)










      こんな画像を撮ったり



こんな望遠鏡があったり



   こんなのが2個、畳の上に落ちてたり




  オーナー1・2も含めて、マニアックな人たちの集まりなので楽しく過ごせました。

  あらためて思ったのは、朝食時間もチェックアウト時間も客の都合に合わせて
  くれる「フィールドイン楓林舎」って、星見客にとってすばらしい宿です。
  普通の宿では、朝、眠くて慌ただしい。

コアなオフ会 〜Deepな人々〜
     オーナー2

オーナー1の記事にもあるように、2人で八ヶ岳の山麓で開催されたオフ会に参加させていただきました。宇都宮から現地までオーナー1の電源車(エスティマ・ハイブリッド 1500W)で法定速度走行2時間40分くらい、便利になったものです。天気が心配でしたが、宿泊施設の敷地内に望遠鏡が林立します。屈折鏡筒はZeissがほとんど。APQは100/640, 100/1000, 130/1000, ASはとても稀少な80/840や130/1950のZ型光路などなどなど。赤道儀もTM型、Ib型、II型とそろい踏み。これにAPM-TMB-LZOSの100/800、105/650、152/1200、AP130/819それにNikon 10/1200です。反射光学系ではMeniscas180やQuestar3.5、タカハシの新・旧μ250。非常に偏ったラインナップ、尋常ではない。

金環蝕で運を使い果たしたせいか、残念な天気で一時撤収・待機となりました。が、このオフ会の面々は全くめげません(お酒無しで、です)。部屋の中で究極の愛玩物とも言えるQuestar 3.5(茶道具みたい・・・)の比較検討会の開催です。年代により作りが微妙に異なったり、コーティングが違いますが、その「差」をいろいろ検討します。目標は数m先の天井からぶら下がった蛍光灯の紐・・・。紐のほつれた糸の見え方や階調など話の種は尽きません。「紐」であれだけ語れる横浜のYさんは凄い。もちろんその傍では稀少望遠鏡の光学テストが続けられています。
屋内で楽しく過ごしていると、天候が回復。恒星や重星の比較観望の開始です。当然ながらどれも素晴らしい星像。美しいディフラクションリングの取り巻く重星は息を呑むばかりです。私の重星観望の既成概念が完全に破壊された
間です。今までで一番楽しい重星の観望でした。

翌日は朝食後から電柱のガイシの観望です。光路上に駐車している車を移動したり(熱源となります)、意外と大変。ここでの教訓は「昼間見る望遠鏡は白に限る!」です。
それと平行してオーナー1持参のハーシェルプリズムによる太陽観望もありました。最終的にはTMB152/1200にハーシェルプリズムをつけてフル口径での観望です。いつもの10cmクラスとは全く違う、圧倒的な光景でした。

こうして楽しい楽しいオフ会は終了です。とても勉強になりました。それにしてもZeissの望遠鏡は単体での性能はもちろんのこと、システムとしての完成度が抜群ですね。その世界を垣間見ることができて幸せです。幹事役のSさんKさん、ありがとうございました。参加者の皆様、お世話になりました。
 
5月22日     日食観測機材
金環日食は晴れました、全行程見えました。
今回は大勢の人たちで日食を見ながら、ラジオで実況中継をするという企画だったので、みんなで見るためのモニタを用意しました。日中の天文現象を見るためのパソコンモニタは、暗い日陰に置かないと何も見えません。一番お手軽な暗い日陰はダンボ-ル箱。24インチモニタが入る大型段ボール箱を用意し、内側を黒く塗りました。
ノートパソコン2台が入る箱は、オーナー1が操作する方に向け、PCのデュアルモニタとなる24インチモニタが入る箱は、オーナー1も見える範囲内でアナウンサーの方に向けました。他の人はアナウンサー後ろか横で見ます。

画像の出力源はこちら。(写真 下)
鏡筒は、10cmHα太陽望遠鏡と10cmアポ鏡筒+ハーシェルプリズム
カメラは2台とも、SEO冷却60D。当然赤外カットフィルター改造です。
これが2台あるというのも贅沢ですね。






14日に書きましたが、赤外カットフィルター交換されたカメラは、明るい(星以外の)対象を撮ると、自動露出がかなりずれるようです。モニタへの出力も明るすぎです。パソコンのビデオ出力を最低まで下げ、モニタ側の明るさも最低にしました。そうすると同時にコントラストも下がります。それでも明るすぎて太陽が丸く見えるだけで、モニタ上に黒点が見えません。太陽望遠鏡側はプロミネンスも見えません。この件はとうとう改善されないまま、日食当日を迎えました。

ラジオ局屋上にこんな感じで機材が並びました。


 
5月21日     金環日食見ました!

宇都宮は晴れました!
地元ラジオ局、FM栃木(通称RADIOBERRY)の屋上に眼視用、写真用各2台の望遠鏡を設置して、FMの朝の番組の中で生中継しながらの観望でした。

前日の夜から、赤道儀の極軸を合わせようと頑張ってみたものの、ベガが時々見えた程度で、北天の星はとうとう見えませんでした。結局、極軸は iフォンの方位磁針アプリで北を合わせ、高度は事前に自宅で合わせたままの状態。
そんな感じで、日食前は天気さえ危ぶまれましたが、第一接触ごろから急に晴れだして、すべての過程を見られて写真も撮れました。
天文台日記の14日と18日に書いたシステムが、すべて予定通りというわけにはいきませんが、「これだけ見えて写真が撮れたんだから、まぁ、いいか」という程度には動きました。24インチモニタ2台にSEO冷却60Dのライブビュー映像を流しながら写真撮影。眼視用可視光望遠鏡とH
α太陽望遠鏡での観望でした。全体の進捗状況はモニタで見ながら、時々望遠鏡を覗きに行って自分の目で直接見るという形、大勢で観望するには最適なシステムでした。
なお、ライブビューを3時間連続でやっても電池1個で済みました。冷却機能で受光素子が熱くならず、ノイズは問題ないし、壊れるのではないかという心配も無用でした。冷却一眼の新しい使い方?

ななつがたけ北天文台オーナー1・2、当日早朝、突然電話して手伝いに来てもらった、お友達の高松さん、ほとんど寝る間もなくセッティングに付き合ってくれた
RADIOBERRYアナウンサーの鹿島田千帆さん、荷物運びから手伝ってくれたスタッフのみなさん、みんなでワイワイ楽しくかつ感動的な金環日食となりました。鹿島田千帆さんのブログに写真がいっぱい載ってます。http://chiho-o-cha-cha.at.webry.info/
右の写真は日食終了後、手伝ってくれたRADIOBERRYの若いスタッフたちとともに撮影。後ろに怖そうなサングラスのおじさんがいますが、大丈夫、実はやさしいおじさんです。(この時いなかったRADIOBERRYのみなさんごめんなさい。お世話になりました。)

 
5月18日     何とかなるかも・・・?
14日に書いた日食機材が当日朝の調整で何とかなるかも? という程度まで動くようになりました。ほぼ、ぶっつけ本番になりますが、それでも何とかなるかも・・・

オーナー1が、デジ一で太陽や月を写真撮影する時は、画像をライブビューでパソコン画面に出して、拡大表示して画面上でピント合わせをしてしています。そのとき感じるのは「コントラストが悪い!」です。今回も、α画像も可視光画像もコントラストが悪くて黒点さえはっきり見えず、ピント合わせに一苦労でした。
今回使ったノートパソコンは、ビデオチップの出力特性を変更できるものだったため、コントラストを思いっきり上げてみました。そうすると太陽画像がよく写真で見るのと同じ程度にモニタ上に表示されました。これくらい見えればピント合わせも簡単です。しかしながら、そうするとWindowsのアイコンや画面表示されている文字が全部白く飛んでしまって、何も見えません。どこをクリックしたらいいのかさえわからなくなります。事前に、作業中にクリックするところがどこなのかを確認しておく必要があります。(ただし、ここで使ったカメラはノーマル60D)
画像処理した天体写真て、こういうことなんですね。モニタ上では何も見えなくなるくらいに、明るさ、コントラスト、色調などを大幅に変えているんですね。いつもの話になりますが、それを「写真」と呼んでいいのでしょうか。
 
5月14日     EOS60Dと赤外カット改造60Dでは大差!
日食が近づいてきました。当初は、10cmHα太陽望遠鏡と10cmアポ鏡筒+ハーシェルプリズムの2本を使って、自宅で眼視で楽しもうと考えていました。ところが間際になって、地元のFM局の番組の中で日食を見ながら番組を進めようという話が持ち上がりました。放送局の屋上に機材をセットすることになります。FMラジオですから絵は見えないので、何をやってもやらなくてもいいのですが、少なくとも自分だけでなく、スタッフの人たち全員が同時に日食ライブ画像を見られる環境を作らなければなりません。せっかくそれをやるなら写真も撮りたいし。
写真を撮りながらみんなでライブ画像が見られるシステムを作る!

急遽、試行錯誤です。まず、大勢で見るにはある程度の大きさのモニタに画像を出さなければなりません。望遠鏡の接眼部にカメラ(EOS60D or SEO冷却60D or KissX4改)を付けてライブビュー撮影するのがいいでしょう。ライブビュー画像をカメラからHDMIケーブルでモニタに出せるのですが、そうするとUSBケーブルでつないだパソコンからシャッターを押せない(択一)。たぶん、パソコンではなくタイマーリモコンを使えば可能なのだと思いますが、とりあえず手元にない。また、太陽望遠鏡用としては後述の理由でダメ。

日食の全体、3時間ぐらいですか、その間ライブビューをし続けたら、撮像素子がおもいっきいり熱くなって何が起こるかわかりません。冷却改造カメラがいいでしょう。α太陽望遠鏡にはH
αの感度が高い赤外カットフィルター改造機を使うべきでしょう。というわけで、太陽望遠鏡の焦点にはSEO冷却60Dを付けます。今回はこの組み合わせについての試行錯誤の顛末(途中経過)を書きます。
今回、写真を撮ってないので言葉だけでの説明になり、わかりづらいと思いますが、後で撮影風景の写真を載せます。

ノートパソコンのRGB端子に24インチモニタをつなぎます。最近のPCであれば、これでデュアルモニタになります。ノートパソコンの小さい画面の右側につながってフルスペックハイビジョン画面ができます。60DとノートパソコンをUSBケーブルでつなぎます。EOS Utilityを起動して、カメラコントロール画面はノートパソコン側に、ライブビュー画面は24インチモニタ側に移動してフルスクリーンにします。これでノートパソコン側で写真を撮りながら、24インチモニタでみんなで見られます。もちろん、もっと大きなモニタでもいいです。

我ながらうまいことを考えたと思ってやってみたら、イマイチ。
赤外カットフィルター改造60DはHα感度が高すぎ。赤い太陽がまぶしい。ISO感度やシャッタースピードを変えるとモニタ上の太陽の明るさも変わります。適正露出だと明るすぎ。モニタの輝度を最低近くまで下げて、パソコンのビデオチップの出力を下げて対応しました。モニタに出す明るさは、RGGB4つの平均値で出すのでしょう。Rだけ突出して明るく、GGBが無い画像はこういうことになるのでしょうね。
カメラをノーマル60Dに換えてみました。そしたら今度は、適正露出にした時、モニタに出る画像が暗くて見づらい。
同じ条件でこれですから、Hαの感度に大差があります。これだけ差があったらノーマル60Dじゃぁ、赤い星雲は写らないでしょうね。
中間が欲しい! と思うと、ありますね。60Da! これならいいのでは・・・?  でも、今から買うわけにもいかず・・・

さらに問題。ライブビュー中はEOS Utilityのタイマーが使えません。つまり、ライブビュー中はPC画面上のシャッターボタンを手動でクリックしないとシャッターが切れない。急遽、友人に自動的にシャッターボタンをクリックするソフトを作ってもらいました。これから試します。

まだまだ試すことがあって、それで間に合うのか! という展開です。皆さんはとっくにこういう試行錯誤はやってるのでしょうね。
本日、アナウンサーの鹿島田千帆さんと日食ライブの打ち合わせです。
 
5月12日     GPE-エルボ赤道儀
以前からアイディアはあったのですが、必要性がなかったため、やらなかったことがありました。「GPエルボ赤道儀」
昭和機械の25E赤道儀を25Eエルボ型にするのと同じ改造をビクセンGP赤道儀でやってみました。赤緯体と極軸が分離できるものでないといけないので、今はなきGP赤道儀が最適です。

これをやるなら、本当はGPDがいいのですが、手持ちはGPEなので、これでやってみました。
全体の形は写真1、エルボ部分は写真2の通りです。極軸体に20mm厚のアルミ板を取り付けます。赤緯体には穴が2個で、1/4インチのネジ2本で極軸体に取り付けています。しかし、極軸体には取り付け穴が4つあるのでボルト4本で取り付けました。ただし、4本のうち上下の2本は、ボルトの頭をアルミ板の中に沈ませる必要があるので、20mm厚のアルミ板を使いました。15mm厚手も大丈夫です。赤緯体は15mm厚のアルミ板を円形に削って、これを2枚挟んで30mm前に出しました。

こういうことをするといろいろ支障が出るものですが、当然のように赤緯微動ハンドルが当たってしまい、取り付けられなくなります。しかし、これを取り外せば赤緯軸は360度回ります。赤緯体を30mm前に出したことでこれが可能になりました。微動ハンドルは両側どちらにもつけられるので、超短い微動つまみを作って、対象天体を導入してから当たらない側につまみを付けます。最近の屈折鏡筒は短焦点で短いので、微動つまみが向こう側に行ってしまっても問題ありません。写真の鏡筒は10cm屈折ですが、写真3の小さいバランスウエイト1個でバランスしてます。大きいウエイトを使えば写真1の通りです。
                                                                  
写真1

    写真2                                  写真3

当然、極軸望遠鏡も使えなくなります。極軸体に付けた20mm厚アルミ板は、極軸望遠鏡の部分に穴が開けてあります。赤緯体を取り付ける前に極軸を合わせられます。後から赤緯体と鏡筒を付けると、重さで極軸が下がることがあると思いますが、どのくらい下がるかを調べておけば、その分だけ高く調整すればいいだけです。眼視に使う分には問題ありません。


10cm屈折鏡筒を出したついでに、ハーシェルプリズムを付けて太陽を肉眼で見てみました。写真4
シーイングはすごく悪かったですが、巨大黒点もあり、きれいな太陽が見られました。太陽もやっぱり肉眼で見るのが一番!
人間の目というのはたいしたもので、シンチレーションで揺れるのをちゃんと補正してくれます。最近、太陽望遠鏡で赤い太陽しか見てなかったのですが、このバーダーのハーシェルプリズムは緑のフィルターが付いていて緑の太陽です。緑の可視光で見る太陽というのも新鮮でした。そういえば、遠い昔、五藤の15cm屈折望遠鏡でサンプリズム+サングラスで緑の太陽を見ていました。なつかしいですね。




                                            
写真4
 
5月4日      南会津にも春が来た
天文台まで日帰りドライブに行ってきました。正確に言うと天文台に置きっ放しになっているカメラとかその他の物を取りに行ってきました。
最近困ったもので、自宅と天文台にいろんな物が分散してしまっています。自宅にいる時、必要な物が天文台に行っていて手元に無かったり、その逆だったり。
この日は日食観望の準備でもしようかと思ったら、カメラや接続用のリング類がみんな天文台でした。じゃぁ、パーツがほぼ揃ったHF-D経緯台でも組み立てようかと思ったら、パーツの一部とネジ類が天文台に行ってました。
仕方なく天文台までのドライブとなったわけです。

しかし、世の中はゴールデンウイーク。高速道路はあちこち大渋滞。往きは渋滞とは逆方向なので問題ないはずです。
予想通り、遅い車に多少邪魔されましたが、すんなり天文台に着きました。
写真はこの付近で最後に咲く山桜です。
手前に雪が残っていますが、ここも春になりました。ソメイヨシノは満開を過ぎて散り始めています。知る人ぞ知るミズバショウの群生地は、今が一番の見頃でした。

天文台から必要な物を持って帰ります。
帰りが問題で、高速は大渋滞。しかし、地元の人間なので渋滞を避けて帰りました。
普通に行くと西那須野インターから高速に入るのですが、ここから宇都宮インターまでは大渋滞の真っ只中。ここを避けて山道を通り、鬼怒川温泉を抜けます。
鬼怒川温泉街に入って、唖然!。まだゴールデンウイークの最中なのに、温泉街の歩道には人っ子ひとりいません。道を走っていても対向車がいません。
栃木県以外の皆さん、「鬼怒川温泉」って知ってますか? 
知ってる人の方が多いと思いますが、今、ここは寂れています。困ったことですね。と言いながら、地元の人間は鬼怒川温泉には行きません。だって、あそこは「温泉」じゃないんですから。
ここだけの秘密です。

鬼怒川温泉を後にして、宇都宮-日光有料道路(実質、高速道路)の大沢インターに入ります。ここはいつも空いてます。ここから宇都宮インター経由で鹿沼行き。宇都宮-鹿沼間の一区間だけ東北自動車道にのります。この区間だけは渋滞しません。鹿沼から自宅までは一般道で20分ぐらいです。
これで普通に高速を使った時より、20分ぐらい余計にかかるだけで自宅に着きました。高速の渋滞のなかを走ったら1時間は余計にかかります。
 
4月29日     星好きの飲み会
星好きと言っても、このサイトを見に来てくれるようなマニアックな人から、普通の一般人でちょっとだけ星に興味がある人までいろいろです。昨日、後者に近い人たちと飲み会をやってきました。オーナー1・2とも参加です。
飲み会やろうと言い出したのは、栃木県の医療機関勤務の森久保さん。この方のお父さんは川崎天文同好会で活躍された方です。名前ぐらいは知ってますか? 息子さんも天文マニアかというとそうではなく、親父が星見てたなぁ、自分もちょっと見てみようか、という程度で、星に関心はあるけど特に何もしてなくて、最近、中古のミードの125mmを買ったそうです(これを選ぶところが親譲りの才能ですね)。
皆さんのお宅もそうでしょう? お父さんは星好きだけど家族はみんな無関心!

他に女性が二人来ました(写真)。右の方は森久保さんの同僚のお医者さん。そして青い服の人、知ってますか? なんと! 鹿島田千帆(かしまだちほ)です。
それ誰? と言われてしまうかもしれませんが、栃木県人ならみんな知ってる有名人。FM栃木~通称、RADIO BERRY~の看板アナウンサーです。オーナー1は
千帆さんの声が大好きで仕事に行く途中の車の中でいつも聞いていました。
過去形なのは、このところ、千帆さんが放送している時間帯に車を運転していることがほとんど無くて、ラジオをつけると井出アヤヤの声の場合が多い。
栃木県以外の方、わからない話ですみません。
とにかく、ローカルではありますが有名人も参加しての星の話をする飲み会でした。

星好きな一般人との会話も楽しいですね。ただ、今回のメンバーはオーナー1以外、みんな理系の博士号を持ってるんです。千帆さんも工学博士ですから。たとえば、流星が飛ぶとスポラディックE層と同じようなものができて、FM電波が跳ね返ってくるので部屋の中にいても流星が飛んだことがわかる、という話をしてもごく普通に理解してしまう。これって一般人レベル? 懇切丁寧に説明しなくても話が通じちゃう人っていいですね。
5月にみんなでななつがたけ北天文台に行って星を見ることになりました。
この時の様子は千帆さんのブログにも出てます。  http://chiho-o-cha-cha.at.webry.info/
 
4月22日    空は春、まわりは冬
久しぶりに天文台に行ってきました。ドームのまわりはこんな感じです。
栃木の自宅近くは桜が散り、葉桜になっていますが、ここの桜はまだ堅いつぼみです。
ゴールデンウイークの頃にはこの雪も溶け、桜が満開になります。
また、雪が解けて土が見えると同時にミズバショウの芽が出てきて、数日で花を咲かせます。ミズバショウはこの写真の地に生えるわけではありませんが、近くに群生地があります。
ゴールデンウイークには、桜とミズバショウ(と梅とコブシも)いっぺんに花見の時期になります。連休は南会津にお花見というのはいかがでしょうか。

21日の夜は晴れましたが、春の空でした。透明度が悪くて、4等星ぐらいがやっと見えていました。透明度の悪い春の夜空というのは何も見るものがありません。透明度がよければ、大口径望遠鏡で系外銀河巡りを楽しめますが、ダメな時はM81・82、M65・66あたりがやっとです。
これは口径の大小に関わりません。大口径で見ても見えないものは見えません。
この日はシーイングも悪くて惑星さえダメでした。
やっと雪が降らなくなったのに、シーイングの悪い春霞の夜空では何もできませんね。
その上、夜中の寒さは真冬並み!
 
4月8日     人工星で星像テスト
この週末は、オーナー1・2とも天文台に行こうと思えば行ける時間的な余裕はあったのですが、満月の上、天文台は雪!
天文台に行っても仕方ないので、オーナー2の仕事場に行き、長い廊下を利用して人工星を望遠鏡で覗いてみました。ディフラクションリングや焦点内外像を見て、レンズの性能や光軸の調整具合を調べるために使うわけですが、オーナー1・2の手元にあった鏡筒5本で見てみました。


           三脚に載せた人工星ジェネレータ



















            鏡筒から50mほど離して設置


鏡筒は次の通り
  ・アストロフィジクス 130/819EDFGT
  ・APM - LZOS Apo 105/650 LW (接眼部の仕様が違う2本)
  ・APM - LZOS Apo 100/800 (Original tube)
  ・STELLAVUE 90TF(3枚玉フローライト90/630)

最初に見た鏡筒はAPM - LZOS Apo 105/650だったのですが、外像が下側がへこんだいびつな形に見えました。内像はぼんやりしていてよく見えません。 ・ ・ ・ ???
これが本当なら相当ひどいレンズです。そんなはずはないと思って、鏡筒を AP 130/819EDFGTに換えてみました。やはり同様でした。これは人工星ジェネレータ側の問題です。人工星は視野の真ん中に見えているので、光軸上にあります。人工星ジェネレータ側の向きを変えてみて、最も明るく見える位置を探しました。これでエアリーディスクとディフラクションリングがきれいに見えるようになり、内像もよく見えるようになりました。人工星ジェネレータ側の向きは初めにきちんと合わせたつもりだったのですが、微調整は必要なんですね。
しかし、これでも外像の下側がへこんでいます。おかしいので、そのまま放置して別のことをやっていました。30分ぐらい放置した後に再度覗いてみると、あら不思議!? 内外像ともきれいな同心円になっていました。内外像はほぼ同じです。鏡筒5本を交換しながらすべて見ましたが、これでわかる範囲内ではすべてほぼ完璧なレンズでした。
放置している間に人工星ジェネレータに何が起こったのでしょう。

今回揃った鏡筒5本は、お金を出してもなかなか手に入らないくらい非常に良いレンズが付いており、人工星でもすばらしい星像でした。
本物の星を見られない時は、人工星のエアリーディスクとディフラクションリング、焦点内外像を見て、その美しさに感動するというマニアックな世界もあります。こういうときは、比較のために並のレンズが欲しいですね。
 
4月1日     リコーGXR
オーナー1が日常のスナップ写真を撮るのに使っているカメラはリコーGXRです。このHPにある天体以外の写真は、ほとんどこれで撮影しています。受光素子まで含んだ「カメラユニット」と「ボディー」を組み合わせて使う画期的な構造のカメラです。
カメラユニットは6種類発売になっていますが、その最新版、A16を購入しました。
主なスペックは、24mm-85mm(35mm換算)ズーム、9枚構成円形絞り羽根、レンズシャッター、23.6mm×15.7mmCMOS有効画素数約1620万、ローパスフィルターレス

ボディーに取り付けると右の写真の通り。でかい!
もはやコンデジではありません。ミラーレス一眼!
オーナー2もGXRを使っているため、A16を買ったという話をしたら、GXRとライカのレンズ(*注)を持ってやってきました。
  *注  6種類のカメラユニットのうちの1つがライカMレンズを取り付けて
       使用するユニット

いろいろテスト撮影してみましたが、A16はなかなか良さそうです。結構な値段だし、これだけ大きいし、これで良くなかったら怒ってしまいますが、そんなことはない良い製品です。
通常は小型のS10ユニットを付けておいてコンデジとして使い、ここぞという時はA16に交換して撮影するというスタイルになりますね。
ただ、A16はレンズと受光素子の性能は良いのですが、ボディーと組み合わせたシステムとしては大きな問題があります。レンズ部分がでかいため、ボディー側の内蔵ストロボの光がカメラユニットに当たってしまい、画面の右側1/3ぐらいが影になります。A16を使用する時は、内蔵ストロボは使えないということになります。









上がボディー

下がカメラユニット
左から
  A16 24-85mm
  A12 50mmF2.5マクロ
  S10 24-72mm
 
3月31日    シーズンに備えて 2
そろそろ冬も終わりに近づいてきた気がします。おいおい、もうとっくに春だろう! という人もいるでしょうが、南会津はまだ冬です。雪雲がかかることが多くて晴れません。そして寒い!

近いうちに晴れるようになるでしょうが、晴れるとそこは春の夜空。つまり、見る天体は系外銀河が中心になります。これらを見るには、大口径鏡筒と快晴で透明度の高い空が必要です。もちろん、月も光害もない暗い空でなければいけません。
春という季節がらもあり、すべて揃うことはほとんどありません。ななつがたけ北天文台でも1シーズンに1回でしょうか。昨年はゼロでした。大口径望遠鏡を持っている人でも、その能力を最大まで発揮させて系外銀河を見たことがある人はかなり少ないと思います。透明度が良くないとそれほど見えないのです。逆に言うと、自分の望遠鏡で系外銀河がどれほどよく見えるのかを知らない人が多いと思います。
「今日はダメ!」と思ったら、大口径望遠鏡をいくらからかっていても時間の無駄なので、星座の写真でも撮ったらいいと思います。

春の空には天の川がないので、純粋に星座の写真を撮ることになります。デジカメの場合、広角レンズ+ソフトフォーカスフィルターですね。F2.8なら3分露出でいいでしょう。写真のようなポータブル赤道儀があるといいですね。
これにどうカメラを付けるか、悩むところです。普通なら、赤道儀の真ん中にあるカメラ取り付けネジに自由雲台を付けて、そこにカメラを載せます。それが一番簡単ですが、その場合、構図の決め方が難しくなります。星座の写真の場合、画面の中心線が赤緯線または赤径線になるのが基本です。広角レンズで適当に撮っておいて後でトリミングでもいいですが、画角いっぱいを使いたい場合やスケールを統一したい場合は・・・
構図を決めやすくするには、カメラは赤緯方向・赤径方向の2軸で動いてほしい。さらに、簡単に縦構図に変えられること。オーナー1の場合、こうなりました。(写真 右上・下)

いらなくなった古いカメラ三脚に付いていた雲台部分を少し加工して取り付けました。カメラは普通とは逆で、後ろ向きに取り付けます。この時、グリップが写野に入ってしまうことがあるので、最小限だけ残して切り落としました。この写真のレンズは14mmですが、これなら写野には全く入りません。
金色のスペーサーがポイントです。4cmぐらい上げてあります。これを挟むことによって、南の地平線から北の地平線まですべての空にカメラを向けられます。
この手のポータブル赤道儀にカメラを付けると、カメラの向きによって、かなりのアンバランスになります。特に縦構図にするとアンバランスがひどくなります。(写真 右下)
こうなってもいいように考慮されている製品(のはず)なので、気にせず思いっきりアンバランスで使いましょう。かなりのアンバランスでも、200mm5分ぐらいは完全自動ガイドできないと価値がありません。でも、西側が重くなるようにした方がいいでしょうね。


 
3月24日    シーズンに備えて   オーナー2
いつだって星は見えるのですが、ホームグランドの楓林舎では冬は雪のためにほとんどシーズンオフです。したがって、この季節はいろんな準備期間でもあります。

というわけで今回はオーナー1とオーナー2が準備したグッズをいくつか紹介します。
まずはカメラ。Canon D60のIRフィルター交換・冷却改造仕様です。いいカメラなんですが、背面の液晶がいかにも壊れそうでヒヤヒヤしていました。そこで登場するのが専用アルミケース。現物合わせで設計したのでピッタリです。入れ子構造になっており、サムヤンの14mm F2.8と35mm F1.4が収納できるようになっています。また、上蓋にはタイマーリモートスイッチなども収納できます。これであのヒヤヒヤからおさらばです。

さて、このカメラを何に載せるのか・・・。写真の赤道儀です。似たような赤道儀がありますが、実は似て非なるものです。後発品?だけあってよくできています。この二者は内蔵されているギアなど大切なところがいくつか違っています。その一つは「穴」だったものが極軸望遠鏡に変更されています。これは使いやすい、と思う。

最後の2つはアダプターです。ちょっとしたアダプターのおかげで想像を絶するくらいに運用性が向上したりします。これは往年の名機P2と90S赤道儀をビクセンの三脚や大ネジのカメラ三脚に取り付けるためのアダプターです。中心部を変えることで他の三脚にも取り付けが可能となります。そのため少しばかり凝った作りになっています(遊馬さん、ありがとうございました)。

その他にもいくつか準備ができているのですが、今も外は雪雪雪・・・。もう少しの辛抱でしょう。
 
3月4日     太陽用プリズム
ひな祭りも終わり、春が近づいてくる時期になりました。
オーナー1のところでは、今年はひな人形を出しませんでした。オーナー1宅では私が出さない限り誰も出す人がいないので、すべてはオーナー1に任されています。今年は何かと仕事関係で気ぜわしかったため、出す時機を逸したということもありますが、娘が成人を迎えたたため、子供ではなくなったというのを理由にしました。うちの娘も、ついこの間まで小さな子供だったんですけどねぇ...
小さな子供はあっという間に大きくなってしまいます。オーナー2のところは、今のうちに小さい女の子の行事を存分に楽しんでおいてもらいたいと思います。

関東地方は、春の足音とともに晴れなくなりました。もしくは、オーナー1が何か天文関係の新しい機材を買うと晴れなくなるというのもあります。今回は、太陽を直接肉眼で見るためのプリズムを買いました。
H
αの太陽望遠鏡もありますが、普通の可視光で太陽を見るのも楽しいものです。オーナー2とか横浜のK氏に、大型双眼鏡に太陽用金属蒸着フィルターを付けて可視光で太陽を覗かせてもらった時にそう思いました。金環日食も近づいてきているし。

国際光器で販売しているバーダープラネタリウム社製クールセラミックセーフティハーシャルプリズムです。フルスペクトルの白色光太陽像を楽しめるようです。安全に太陽を直接覗けるというのはいいですね。
でも、天文マニアではない一般の人に太陽を覗かせる時は、ハーシャルプリズムの場合も太陽望遠鏡の場合も、どうして太陽を直接覗けるのかをきちんと説明してください。普通の望遠鏡では絶対に太陽を覗いてはいけないということとともに。


PS.
最近、「by オーナー2」の記事が出ませんが、オーナー2はただ今、ウイーンに海外出張中です。
そのうち、土産話があると思います。
 
2月28日    ピラーの足延長
ユーハンのピラーは丈夫な上、移動や保管が楽なので愛用しています。(写真1)
しかし、これはあくまで「ポータブルピラー」です。中・小型赤道儀に13cm程度までの鏡筒を載せて使う分にはいいのですが、大型赤道儀を載せたり、傾斜アームのフォーク式などのアンバランスな経緯台に重い鏡筒を取り付けたりすると、足が短くて踏ん張りが足りません。
赤道儀であれば北側だけが重いアンバランスなので、北を向いている足1本を長くすれば解決します。
  注) ピラー脚を使っている人なら常識ですが、赤道儀の場合、足の1本は必ず北に向けて設置しなければいけません。
     多くのピラー脚は3本の足が同じ長さですが、1本だけ長くしてそれを北に向けるべきです。昭和機械のピラーはそうなっています。
     さらにこれを応用するとベランダ赤道儀専用ピラーが作れます。(メーカーさん、これは結構需要があると思いますが)
しかし、経緯台の場合、アンバランスなまま水平回転軸が360度回ります。足と足の間に鏡筒がある時、強い風が吹くと倒れる危険性があります。
そこで、それを防ぐために足を長くしてみました。(写真2)

40x80x5mm 長さ50cm のステンレスチャンネルを使います。(写真3)
足に元々空いている穴を利用しています。傾き調整用のM12石突き穴、支柱に近い側の穴は15φのバカ穴ですが、そこにM16のタップをたてました。ステンレスチャンネル側のそれと同じ位置に、ボルトが通る穴を開けます。足を広げる前に裏側からM12とM16のボルトで固定します。M16側は15φの下穴なのでちょっと心配ですが、かなりがっちり固定され、ねじ切れる気配は全くありません。(写真4)
チャンネルの一番先には、はずしたM12の傾き調整石突きをねじ込みます。(写真5)
これで足の長さが40数cmから約60cmになりました。踏ん張る力が増し、大型鏡筒をアンバランスな経緯台に搭載する準備ができました。

足を延長すると問題点もあります。このピラー場合、元の足は石突きが500r程度の円上の3点にあります。この程度ならば、十分な剛性が保たれますが、延長後は650r程度になりました。こうなると3本の足が板バネになります。振動するわけではなく、重い鏡筒を載せた時、足が反って支柱がわずかに沈みます。赤道儀の場合は、極軸がやや下がります。経緯台でアンバランスが大きい場合は水平回転した時、支柱の上面が首振り運動をします。A-ZEUSで自動導入する際、精度が落ちるかも・・・。 わずかなのでたぶん問題ないと思いますが、改善策は考えました。

実は、これが足延長の第1案です。これでも問題ないですが、違うサイズのボルトを2本(全部で6本)裏側から締めるのが多少面倒です。
第2案があり、こちらはM10のボルトを3本(全部で9本)、上側から通します。単に上か下かの問題ではなく、構造も違ってきます。
ネジが増えてもこの方が組立が簡単です。
ユーハンのピラーが2つあるので、片方は第2案で作ります。そちらができたら、また掲載します。

蛇足ですが、ステンレスの切断面とか穴あけ時にできるバリは刃物です。切断面とすべてのカドを十分に面取りしましょう。転んでカドに手をついたとしてもケガしない程度に。穴あけ、タップ立て後のバリも丁寧に取りましょう。穴開けやバリ取りでできた破片も刃物です。服などに付かないように注意しましょう。服についてそれが洗濯機に入ったら...!
そういうわけでステンレスの加工はやりたくないのですが、背に腹は替えられぬ、です。くれぐれも慎重に。


          写真1                                 写真2










                写真3                           写真5















                写真4

 
2月24日    しもつかれ
栃木県の郷土料理にこういう名前の食べ物があります。見た目、吐瀉物(としゃぶつ、意味がわからない人は辞書を引いてください)に似ています。どう見てもおいしそうではありません。我慢して食べても、やはりおいしくありません。それぞれの家庭によって味が違うようなので、美味しい「しもつかれ」を作る家もあるかもしれませんが。
栃木に行ってこれを食わされそうになった時は、「見た目がまずそう」とか「美味しくない!」と遠慮なく言ってください。出した側は「やっぱりね」という顔をすると思います。

我が家の食卓に、なぜか知りませんがこれがありました。妻がわざわざ、「しもつかれ、あるよ」とメールしてきたくらいです。あえて写真は出しません。でも、今回のものは多少アレンジしてあるようで、見た目、吐瀉物ではありませんでした。ほんの少し食べてみましたが、「まずい!」

栃木県の同士の皆様、ごめんなさい。でも、まずいものはまずいんです。



PS.  S4の修理代

保険会社から連絡が来て、S4の修理代がわかりました。代車のレンタル代を含めて約60万円だったそうです。
もしこれが国産車で、キズが付いたのがドアの境目ではなくドア1枚の修理だったら、代車のレンタル代を含めても10万円程度で済んだと思います。修理日数・部品点数が少なく、代車は安い車でいいし、ドアパネル交換ではなく叩いて直して部分塗装でも良かったはずです。保険会社は、ガイシャ(それもプレミアムブランドの車)の場合は、贅沢な修理を許してしまうのでしょうね。
 
2月21日    忍耐力
先週・先々週(今週も)、週末は楓林舎が満室でした。仕方なく日曜日に行き、1泊して月曜日の昼頃帰ってきました。月曜日の仕事は午後3時からだったので。

前回も今回も金属加工が主な目的だったので、天気はどうでも良かったのですが、今回は晴れてしまいました。(←「しまいました」はないだろう!)

その前に、日曜日の午後はドーム下のスペースでアルミとステンレスに穴あけ加工をしていました。ドームの足はほとんどすべて雪に埋まっていますが、ドーム下にはあまり雪が入ってきません。スコップで10cmぐらい積もった柔らかい雪をどけてあげれば、コンクリートの上は普通に使えます。
しかしながら、まわりは雪。気温は-10℃。加工すべき金属はすべて-10℃かそれ以下に冷えています。細かい加工や調整が必要なので、手袋は片手だけ。素手で金属を触ると、そこらの氷より冷たいわけです。そんな中での作業を3時間ぐらいしていました。

途中で、指先にちょっと怪我をしました。たいしたことはないのですが、多少の血が流れ出ていました。その血が工具の電源ケーブルに付いて凍りました。最初は血が凍ったのだとわからなくて、鮮やかな赤いペンキがついているのだと思っていました。怪我をしたところがケーブルに何度も触ったので、「赤いペンキ」がだんだん増えていきます。  ・ ・ ・ ?  と思ってよく見たら自分の血でした。血が凍るとこうなるんだぁ~!
そしてそのうち、指先の感覚がなくなってきて、指が自由に動かなくなりました。ほぼ、凍傷の一歩手前です。それでも、加工すべき金属がたくさんあるのでひたすら穴開けを続けました。我ながら、なんでこんなに忍耐力があるのだろう?! と感心してしまいました。

この忍耐力は大学生の頃、貧乏学生だったオーナー1が属していた大学の天文研究部の遠征で、気温-15℃の冬の清里に行き、一晩中手動ガイドを続けて写真を撮った頃に身についたのだと思います。「せっかくなけなしの金を使ってここまで来たのだから、意地でもいい写真を撮らなくては!」 という思いから、一晩で体重が2キロ落ちても、ほぼ感覚がなくなっている手でフレキシブルハンドルを回し続けました。
今回は、ほぼこれと同じことをしたような気がします。太り気味の皆さんが短期間で体重を落としたいなら、極寒の地で一晩中外で星を見ることをお勧めします。体温を保つために、体が脂肪を燃やし続けます。そのときの服装にもよりますが、-15℃なら一晩で2キロ体重が落ちます。
ただし、軽装で長時間外に出るのはやめましょう。命に関わります。

この日の夜は良く晴れたので、楓林舎オーナーとふたりで外に出て星を見ました。しかし、20分が限界でした。学生時代と50過ぎのおじさんの違いですね。おじさんの場合は、無理をするとそれこそ命に関わりますからご自愛を。
 
2月14日    豪雪
ちょっと望遠鏡部品の工作をしに天文台まで行ってきました。
「ちょっと天文台へ」という感じで出かけて行けるのは、オーナー1の仕事が一段落して、自由になる時間ができたからです。仕事自体はまだ残っており、ほぼ毎日、弊社でコンピュータシステムを納入したところに行っています。出先機関のようなところが30カ所ほどあるので、1日1カ所、主な業務が終わった後に使い方の説明会を行っています。午後2時半ぐらいに現地に入ればいいので、それまでは自由時間です。昼まで寝ててもいいし。

13日の午後、天文台に行ったのですが、関東平野は雲ひとつない快晴。しかし、山間部に入っていくにつれて雲が増え、雪が舞い始めます。峠をひとつ越えるトンネルを抜けるとそこは雪国です。
車で1時間走っただけで快晴の関東平野から豪雪の雪国に入れるのは栃木県ならではです。
オーナー1の子供には、これで冬の太平洋式気候と日本海式気候を教えました。

豪雪地帯の雪道は、一面真っ白でコントラストがありません。道路と路肩の境目がわかりません。赤白のポールだけが頼りですが、それがないところも結構あります。勘で走るしかありません。
天文台に着くと右の写真の通り。約2mあるドーム足は完全に雪の中。気温-5℃の中、ドームまでの道を作るのに30分ほどかかり、大汗をかきました。

ドーム下のスペースでいくつかの金属加工をしてきました。そのひとつがこれ(右写真)。175mm屈折鏡筒の鏡筒バンドと昭和機械のアリガタプレートを接続しました。こんな感じで2本の鏡筒が並びます。鏡筒付属の鏡筒バンドと昭和のプレートがぴったりサイズ! 偶然ですがお互いを意識して作ったように見えます。
ドイツも日本もメートル単位の国ですね。メートルというのはドイツ語。
英語だとメーター。
 
2月13日    北関東の冬   オーナー2
北関東の冬は天体観望の休眠期です。昼間は晴れますが、夜は意外と曇る。晴れた場合は気流がメチャクチャ。少々の寒さなら防寒着でしのげますが、気流の悪さは如何ともしがたいです。こうなると10cmクラスはダメ、8cmクラスでも厳しい、さらに落として6cmクラスになります。しかも寒いので望遠鏡との温度差も大きく、さっさと温度順応してくれる鏡筒でないと困ります。マクストフ系なんぞはとんでもない。こうなると2枚玉の小口径屈折しかないです。私の場合はBORG71FL (400mm F5.6) またはBORG50EDII (500mm F10) になります。現行機種だとFS60CB (355mm F5.9) も候補になるでしょうか・・・。このあたりの小さな鏡筒を写真三脚にでも載せて酒でも飲みながら眺めるのが一番効率がいいのかもしれません。当然ながらこの時の酒はスキットルに入れた蒸留酒となります。

このような悪条件下の観望ですが、結構楽しいのが太陽観望だったりします。なんと言っても太陽を見ていて汗が出ません。どうせ望遠鏡は6cm程度だろうし、お手軽です。導入も簡単、迷いようがない。イスに座ってボーッと眺めているだけでも太陽のダイナミックな変化が分かります。その変化がハッキリする頃は陽に当たって少しぽかぽかです。体を内側から温めてくれるものがあれば何でもOKです。季節がら白酒もいいかもしれないです。

余談ですが、Zeissな人たちの掲示板で2枚玉と3枚玉の話が出ていました。10cmクラスでは2枚玉の選択肢が少ないのが事実です。私は球面収差さえしっかり補正してくれれば多少の色収差には目をつぶるタイプなので、2枚玉でもOKなのですが、如何せん「長すぎる」という運用上の問題があります。高い像質を求めるとどうしてもF9程度が必要になります。現行機種で選ぶとすればTV-102 (880mm F8.6) や生産中止品ではビクセンのFL102 (910mm F9) となります。ニコンの10cm (1200mm F12) は、天文台にありますが、これはさすがによく見えるものの長すぎます。この2枚玉の長さが許容できるならそれでいいのですが、軽薄短小なご時世では中華製3枚玉10cmもそう悪い選択ではないと思っています。写真鏡全盛の日本では我々のよ
うなエンドユーザーはこの程度で妥協せざるを得ないのが現実です。

そう、北関東の冬で忘れてはいけないのが移動手段です。これは4輪駆動車が必須です。北関東から我々のホームグランドの南会津あたりは積雪があります。とは言っても、宇都宮だと雪はほとんど積もらないし(一旦積もったら融けないけれど・・・)。南会津はかなり降りますが、除雪が行き届いており、雪が腹につかえてカメになることもありません。4輪駆動車での日中のドライブはまず大丈夫。今乗っているS4は、ドライ走行性能を重視してミシュランのスタッドレスタイヤにしていますが、これがこの地域と私のライフスタイルではベストマッチです。気分よく余裕を持って高速道路を走ることができるし、少々の雪でも雨でも踏んだら真っ直ぐ加速してくれるし、一生懸命曲がってくれます。これは本当にウソみたいです。
オーナー1が先日の日記でRS3についてすこし疑問符を付けていますが、私はいくら進化したとはいえハルデックスの4輪駆動車にはあまり乗る気がしません。ハルデックスも第4世代でかなり熟成されたとはいえスポーツデファレンシャルで左右のトルクまで可変のS4のシステムを凌駕するとは思えないのです、たとえ最新のRSであっても。
 
2月9日     S4が返ってきた
右側前後のドアとサイドスポイラーが交換されて返ってきました。修理にいくらかかったのかは聞きませんでしたが、けっこう高かったのだと思います。国産車の場合、このくらいのキズなら板金加工で叩いて直すところを丸ごと交換ですからね。お金の話はAudiディーラーと保険会社の間でやりとりされているので私は関知していませんが、「ガイシャ」の修理は高く付きます。クラウン・ロイヤルサルーン10日間のレンタル代込みですからね。

久しぶりにS4の運転席に座ってびっくりしました。着座位置が低い! それに、かなり寝ころんだ姿勢で運転していたんですね。もちろん、S4にはシートポジションのメモリがありますから、オーナー1用のセッティングにしました。クラウンと較べると完全にスポーツカーのシートです。クラウンもS4も4ドアセダンという同じ括りの車ですが、あまりにも違います。
クラウンはハンドリングが曖昧で、自分で車の向きを変えているという感覚が薄い。ステアリングを回すと他人が車の向きを変えてくれている感覚。ブレーキが効かない。アクセルを踏んでも、オートマチックミッションの反応が鈍いため加速が一瞬遅れる。簡単にテールスライドする。トラクションコントロールが頻繁に介入してくる。車がでかい! と感じる。タイヤのグリップが悪すぎ。
ごく標準的なドライバーにとっては、クラウンの動作が普通なのでしょうが、この車、危険です。非常事態の場合、何の対応もできずにぶつかるしかありません。普通はそれしかないのでいいのでしょうが、運転技術と知識がある人が乗っても何もできずにぶつかります。
S4って、なんてすばらしい車なのでしょう! スタッドレスタイヤなのに、クラウンより遙かにグリップがいい。アクセルを踏み込んでもオンザレールで加速していく。ハンドリングがダイレクト。
RS3が出ましたね。今更というい感じですが、これってどうなのでしょう?  すごく興味はあるのですが、S4より良いとは思えません。

宇都宮ナンバーの白いクラウンで、クルーズコントロールの最高速116km/hで、栃木県内の高速道路を走っているとおもしろかったです。後ろから速い車が来ても、多くの皆さんがブレーキを踏んで、私のクランウンを簡単には追い越しません。しばらく後ろについて、他の何台かの車が追い越していくのを見てから、おもむろに追い越していきます。横に並んで、こちらをよく見てから追い越していく車も多くありました。
何の話か、わかる人にはわかりますよね。地元ナンバーの白のクラウンは要注意です。北関東自動車道には、旧型の黒のクラウンと旧型ベージュ系ツートンのクラウンもいます。下世話な話ですみません。
 
2月8日     オーナー2の災難   オーナー2
オーナー2は時々人の前でお話をする仕事があります。まさに週末がそうでした。
金曜日のお昼、九州島に行くために羽田へ。時間があったので空港の某お寿司屋さんでお刺身をつまんでしばし休憩。実はこれがはじまり。九州島に着いてからあまり体調がよろしくない。みぞおち当たりに不快感があります。そのまま仕事をして、食事、就寝。でも寝ることができません。明け方に腹痛と不快感で起きました。体を海老のようにすると幾分落ち着きます。そうこうするうちに活動する時間帯です。病院に行く時間はなし。そして名古屋へ移動。名古屋で打合せをして食事、就寝。同様に明け方には腹痛で目が覚めます。そして活動開始、お仕事です。ボロボロ状態。日曜日の夜に宇都宮にやっと到着、食事、就寝。そしてまた腹痛・・・。

もうこれで分かったと思います。病院に行き内視鏡、そして悪いヤツを引きずり出してもらいました。そう、犯人はアニサキス。とぐろを巻いていました。痛いはずです。とりあえずは1匹でしたが、食いついた跡が他に4箇所ほどありました。多分あとの4匹は上手いこと下流に流れていったのだと思います。それにしても辛かった。仕事の前の生魚は気をつけた方がよさそうです。特に鮮度のいいとても美味しい場合、ヤツらがが潜んでいるかもしれません。よ〜く噛み噛みするしかない。いいお勉強になりました。
 
2月3日     便利機材
通称HF-Dと呼んでいる自作のフリーストップ経緯台がありますが、これの2号機~6号機ぐらいまで作ろうとしていました。しかし、すぐに必要なわけでもなく、オーナー1が多忙を言い訳に先送り先送りしていました。最近やっとパーツが揃ってきたため、1台だけ組み立ててみました。(写真1)
まだブランコの水平の板を取り付けていませんが、だいたいこんな感じです。フォークのアームは、90度、60度、45度の三段階可変です。ブランコのアームの長さも2cm刻みで可変。
水平回転軸は、内径45mm、外径85mmのティーパーローラーベアリングを置いて(写真2)、反対側はやはり大型のスラストベアリングを入れています。これをM12のボルトで力一杯締め付けています。とてもスムーズ。かなり軽く回転しますが、フリーストップの水平回転は架台が水平になっていれば軽い方がいいでしょう。
垂直回転軸は、中心にM12ボルトを通した30φの耳軸を大同メタル製フッ化エチレン樹脂(PTFE)+特殊添加剤を内側に付けたベアリングなしの軸受けで受けています。アームとの摩擦面は大同メタルのスラストワッシャーを挟んでいます。スラストベアリングではなく、このスラストワッシャーを挟むのがミソで、軸が多少偏芯していたとしてもスムーズに回ります。スラストベアリングを使って偏芯していると角度によって回転の固さが変わります。ナットの締め付け強さを変えれば固さが変わります。

HF-D経緯台の片側のアームをはずせば片持ちフォークになります。しかし、片持ちフォークで使う機材は10cmまでの小口径望遠鏡なので、そのままではちょっと大きすぎます。そこで片持ちフォーク専用の水平回転台とブランコ部分を作ってみました。(写真3)
こちらは水平回転台が小さくなっていることと、垂直回転軸を全く別のものにしました。耳軸はM16のボルトを少しだけ削って15φにしました。その程度なら削ってもボルトとしての役割には問題ありません。アームの両サイドを内径15φのティーパーローラーベアリングで挟んであります。ここも力一杯締め付けてちょうど良い固さになります。ブランコのアームの長さは2段階切り替え。ダブルナットの外側をロングナットにして、6面すべてに穴を開けてそこに操作用の棒を取り付けました。
写真3はハイランダープロミナが載っています。1本の鏡筒ならプレートの継ぎ足し部分は不要です。
フォーク型HF-Dも片持ちフォークHF-Dも低倍率で気軽に星空を流して見るにはたいへん便利です。また、これがあったおかげで、175mm屈折鏡筒も、自由に振り回して覗いてみることができました。

写真4は全く別物で、NJP赤道儀のピラーに取り付けるアイピースやその他パーツ置き台です。真ん中の穴がNJPのピラーサイズ。友人が本職の金属加工業を生かして、手近にあるパーツを組み合わせて作ったものです。ピラーにこんなのが付いていたら便利ですね。

















                 写真2


              写真1


写真3

                 写真4

 
2月2日     双眼装置に最適なアイピース   オーナー2
私の目には左右差があります。形態ではありません、いわゆる視度差です。双眼装置を使う時はこれが意外とやっかいなのです。最近の双眼装置には視度補正用のヘリコイドが付属しているものもありますが、これが使いにくい。

そこで活躍するのは視度補正機構を内蔵しているアイピースです。写真は古いZeissの4群6枚(おそらくエルフレタイプ)のアイピースです。焦点距離は約23mm、見掛け視界65度で31.7mmサイズですが、視度補正機構を内蔵しています。視野は少し黄色味がかっていますが、それ以外の点はXWと比較しても遜色ありません。しかも小さい・・・。もちろん視度補正ダイヤルの動きは秀逸です。こんなアイピースがシリーズ化されたらと思いますが、どう考えても無理でしょうね。

ちなみに後ろの望遠鏡は3枚玉アポクロマート80/500です。特筆すべきはバックフォーカスが20cm以上あることで、そのため最短長は34cm程度です。接眼部はデュアルスピードのフェザーダッチフォカサー仕様。双眼望遠鏡になるために生まれてきたとしか思えない望遠鏡ですが・・・どうやらこれもディスコンらしい。
 
1月31日    S4入院
先週金曜日、仕事先でいつものように作業をしていると、構内放送で「青のAudiでおいでの方、○○まで来てください」と呼び出されました。駐車の仕方が悪かったのかな? と思いながら行ってみると、隣に駐車した人が車を出す時にオーナー1の車をこすってしまった、とのこと。現場に行ってみると右の写真の通り。
ちょうど前と後ろのドアの間で、ドア2枚修理ですね。もう少し前か後ろにズレれば、修理代も安くすんだのに。

相手方の保険で修理されることになり、だれも現金を出さずに済んで良かったのですが、オーナー1のS4は2週間ほど入院だそうです。
Audiディーラーでレンタカーを用意してくれました。オーナー1は小さい(安い)車でも良かったのですが、S4の代車はAudiのプライドとしてマークX以上でないといけないそうです。代車はクラウン・ロイヤルサルーンになりました。あまり趣味じゃない車です。せめてアスリートなら良かったのですが、代車なので贅沢は言えません。

オーナー1の家にはエスティマ・ハイブリッドがあり、操作性は共通のところが多いので、特に問題なく操作できました。しかし、「ロイヤルサルーン」という名が付きながら、エスティマよりも安っぽいところがあちこち。エスティマ・ハイブリッドの方が高級車なんだ!

当然FR車なので、交差点を右に曲がる時、対向車がちょっと切れた瞬間に曲がろうとしてアクセルを踏むと簡単にテールスライドします。クアトロならオンザレールで加速しながら回っていく交差点も、FRクラウンは思うように曲がれません。広い交差点ならまだしも、曲がった先が狭い道の時は、この車の場合、対向車がすべて通り過ぎるのを待って、ゆっくり曲がって行かないといけないようです。
オーナー1はフルタイム4WDの車しか運転できなきなくなってしまいました。
 
1月22日    薪ストーブ
楓林舎のダイニングには薪ストーブがあります。昔からあるのですが、これについて書いたことがありませんでした。ダイニングは15人以上入れる広い部屋ですが、これ1台で十分暖かくなります。
薪ストーブといってもピンからキリまであり、ホームセンターによく売っている数万円のものから、海外の寒い国の伝統ある薪ストーブメーカーで作られている数十万円から100万円を超えるものまであります。
楓林舎にあるものは後者です。何が違うかはその筋のWebサイトで調べてください。自宅で長く使うものなら、よく調べて高級品から選ばないとすぐ使わなくなるか買い換えることになります。
たとえば楓林舎のものは、長時間火を燃やしていても、鉄でできているストーブの上の面に触れます。熱いのは熱いですが、やけどするほどではありません。側面も間違って触っても一瞬ならやけどしません。二重(もしくはそれ以上)構造になっているのでしょう。
煙突から出る煙も近所迷惑になるようなものではありません。ストーブ上部に触媒が入っていて、きれいな煙にしてくれます。煙突掃除の回数も少なくて良いはずです。民家が多いところでこれがない薪ストーブなど使ったら、1回使っただけで周りから苦情が来て使用を中止することになるでしょう。

また、薪ストーブは単なる暖房器具ではありません。ちゃんとしたものなら、写真のように扉を開けたままでも使えます。煙は部屋に出ません。これ、暖炉ですね。この近くに座ってオレンジ色のゆらめく炎を見ていると、時間が経つのを忘れます。いくらでも、炎を見ながら黙ってそこにいられます。心に安らぎを与えてくれるものなのかもしれません。
南会津の冬はほぼ毎日雪が降っています。外は寒いのですが、なかはあたたか。窓越しに降ってくる雪をボーっと眺めるのも心の健康にいいかも。

パウダースノーの小雪が降っている夜は、一瞬だけ窓を開けて、ストロボを使って外の写真を撮ると「星」が写ります。雪が降っているわけですから、本物の星が見えるはずはありませんが、見た目上、満天の星が写ります。オーナー2がそういうすごい写真を撮りました。そのうち、見せてもらえるでしょう。
右の写真も「星」がたくさん写っていますが、下に地上の雪景色を入れて上を暗闇という構図にした場合は・・・
 
1月20日    さらに175mm屈折
フードの先端に絞りがあります。鏡筒内部にもおびただしい数の視野絞りがあり、迷光対策に力を入れていることがわかります。

接眼部はフェザータッチフォーカサーではなく、「シャープスター」と同じ台湾製と思われます。これは3インチ。以前にも書いたような気がしますが、フェザータッチフォーカサーをかなり忠実にコピーしてくれているようで、これはこれで十分な完成度です。

かつて、ミヤウチが中国製に駆逐されたように、フェザータッチフォーカサーは台湾製に駆逐されるかもしれません。気分的にはうれしいことではありませんが、消費者としては安くて良いものが手に入るなら、先駆者が犠牲になることもやむを得ません。
そのうち、トヨタが現代(ヒュンダイ)に駆逐されるかもしれませんね。トヨタ-パナソニックは、現代-サムスンに敗れるのでしょうか?
日本の製造業はどうなる?
 
1月16日    なかみはこれ
右の写真はワイドレンズで撮っているので手前が大きく見えますが同じもの。
型番はフードに書いてある通りで、LZOSレンズです。
下の写真は、鏡筒の1本をHF-D経緯台に載せたもの。大きさ比較のため、天文ガイドを置いてみました。ぶっといですね。
よく見えないでしょうが、接眼部にEMSが付いているのに長い延長筒が付いています。焦点引き出し量がかなり大きいということですよね。
 
1月15日    大きな箱が届きました
大きな段ボール箱が2個、楓林舎に送られてきました。もちろん注文したから来たわけですが、ドイツから飛行機に乗って送られてきました。国際貨物の割には常識的な大きさの箱でした。

中身は屈折望遠鏡の鏡筒です。同じものが2個。
何が出てくるのかは次回のお楽しみ。トップページにある、オーナー2の言う「大艦巨砲路線の試みもあるんです」というのがこれです。
オーナー1は、ほとんどこの箱を開けるためだけに日帰りで楓林舎まで雪道をドライブしてきました.。

ユーロが大幅に安くなっている今、ヨーロッパ製品を買うチャンスです。
でも、まだ下がりそうですね。1ユーロ=90円を割ったら、ドイツにいっぱい注文を出しましょう!

 
1月14日    軽薄短小のススメ 〜10年後からの観望のために〜  オーナー2
最近は寒いし、こうなると体の動きが緩慢になり、気力も落ち気味です。少しお酒でも入るとこの傾向が顕著になります。そう、これはまるで加齢のシミュレーションです。これに加えて目の衰え、眼内浮遊物の増加、筋力低下、関節痛等など・・・・えらく景気の悪い言葉が並んでしまいます。でもこれが現実なのだと思います。
そしてこのような悪条件下でいかに星空を楽しむかを考えてみました。将来の自分に対する準備です。

キーワードは軽薄短小。「手間を取らずに簡単に」、これにつきます。観望システムは当然ながら規模の縮小化が必須です。ただし質の低下は論外です。年を取ると多分10cm屈折でも重いと感じるでしょう。どう考えても口径13cm以上は耐えられません。15cmのアポクロマート屈折なんぞは自殺行為です。寒い山の中で15cm屈折を抱えていきなり、ぎっくり腰、動けずに望遠鏡を抱いたまま・・・・の可能性があります。アマチュア天文ファン版腹上死です。やはりここは口径に妥協して8cm程度の軽量短焦点屈折でしょう。頑張ってもTV-85がいい選択になります。もしかしたらTV-76かもしれません。これらの望遠鏡に出来のいいアイピースを組み合わせてみる低倍率広視界はとても魅力的です。さらには高倍率での惑星・月の観望もOK。これだと経緯台も赤道儀も小さいヤツで十分。「大艦巨砲路線」から方針転換した場合は最良の選択です。

でもここで問題が出てきます。まずは単眼視による疲れです。片目を閉じてもう片目で覗き続けることは生理的ではないし、とにかく疲れます。見ることに努力が必要なのです。これは低倍率であろうと高倍率であろうと変わりません。
もう一つは眼内浮遊物です。こちらは瞳径の大きな低倍率ではOKですが、惑星や月を見るために高倍率にすると、もういけません。私はまだ大丈夫ですが、オーナー1は悩んでいるようです。
これを解決するためには両目を使っていいとこ取り(ニコイチ or コンポジット)をするしかありません。そう、双眼化です。これを軽薄短小かつ高品質でやるとなると低倍率側での選択肢はコーワハイランダープロミナー以外には存在しません。三脚まで含めて一式で(いくら安く買っても)50万円くらいになります。しかし稼働率や耐久性、減価償却、そして観望時の幸せ度を考慮するとコストパフォーマンスは抜群です。横浜のY氏が絶賛していた時は半信半疑でしたが、最近やっとそれに気付きました。天の川を流したり、散開星団などの楽しむ場合、10cm程度の高級屈折よりもはるかに幸せになります。絶対的な理論分解能はともかく、双眼にすることで観望時の幸せ度については2cmの口径差は完全に逆転します。私の場合は以前紹介したBORG71FL双眼望遠鏡がこれに相当します。これは運用や低倍率から150倍までは十分に使えることなどを考慮すると最高の機材だと思います。

高倍率時はどうするのか・・・これはなかなか難しい。きっぱりと諦めて単眼視で妥協できるのか否かがポイントです。私はできないので、月・惑星などを高倍率で楽しむためのシステムを作ることにします。それは赤道儀仕様の双眼望遠鏡です、しかも軽薄短小路線の。
8cm以下の上質の短焦点屈折を素材に何とかしてみたいと思っています。鏡筒は全て込み込みで7kg以下に収まる予定。


とはいうものの、実はななつがたけ北天文台では大艦巨砲路線の試みもあるんですよね。ある意味馬鹿げているかもしれませんが・・・
趣味なら許されると思います。
1月10日    こんな写真はいかが?
この写真はPHOTOPIC SKY SURVEYから切り取ったものです。遠い昔の話ですが、これとほぼ同じ構図でオーナー1が撮った写真が天文雑誌に載りました。
当時は赤が全然出ませんでしたが。
最近、広角レンズで撮った写真は天文雑誌に載らないですが、これと同じ写真が撮れれば入選すると思いますよ。

今度、天文台に行って晴れたら、ドームではなく近くの開けた場所に行って、またこんな写真を撮ってみたいと思います。これは、赤外カットフィルター改造EOS60DまたはKissDigitalX5と24mmレンズ、オルゴール赤道儀があれば撮れます。
構図は下の図の通りです。ステラナビゲーターに60D+24mmレンズの画角を表示しています。

しかし、この光学系ではどんなに頑張っても、左の写真を超える画像は撮れません。これは望遠レンズで撮った多数のSKY SURVEY のモザイク写真ですから、1枚撮りの写真でこれを超えることはできません。
どうせ超えられないと分かっていながら、なんで自分で撮影するのでしょう。この画像が欲しいなら、PHOTOPIC SKY SURVEYの画像を良いプリンターで最高級の紙にプリントすればいいじゃないですか。

自分で撮影した画像より良い画像があるのがわかっているのに、あえて自分で天体写真を撮影する意味って何でしょう?


 
1月9日     初観望
冬の北関東は、天気が良くて快晴が続くのですが、毎日寒いし、月が大きいし、シーイングは悪いし、正月だし・・・と言い訳を付けて外に星を見に出ませんでした。
そんなとき、オーナー2が仕事帰りにオーナー1宅に来ました。何か見ようと言うことで、ほぼ満月だったのですが、屋上に望遠鏡を出して観望しました。

この日に使ったのは、ステラビューSV90TF(9cmF7フローライト・トリプレット)鏡筒+EMS、GP赤道儀+ユーハンポータブルピラー。
内側が赤い箱は、ブランドンのアイピース一式と専用ケースです。
鏡筒は日本ではなじみのないブランドですが、接眼部は3インチフェザータッチフォーカサーだし、非常に良いレンズが付いています。日本製品で言えば
TOA90 というところでしょう。円高の現在では割安だし。
月を見ても縁に全く色が付かず、反射望遠鏡で見ているようです。この日、天頂近くにある月はあまり揺れず、比較的良いシーイングでした。屈折特有の安定した画面で、普段はあえてみようとは思わない満月でも、気持ちのいい月面を見られました。
満月はまぶしいですが、9cmまでならフィルターなしで見られます。

この望遠鏡セットは出してセットアップするのが簡単だし、ある程度の光量があって星像がきれいで、自宅でちょっと観望という用途に最適です。
天文台はほぼ毎日雪なので、当分は自宅でちょっと星を眺めるだけになりそうですが、簡単に出し入れできる良質な望遠鏡セットがあると結構楽しめます。
 
1月8日     マンダリンオリエンタルホテル東京     オーナー2
マンダリンオリエンタルホテル東京38階からの眺望は素晴らしいものです。
正面にスカイツリーがほどよい距離で聳えています。以前からここからの眺望はお気に入りでしたが、スカイツリーが完成してさらにグレードアップ。8cm屈折が13cm屈折になっちゃいました。おもわずiPhoneを取り出して記念撮影。全面ガラス張りなのですごい開放感。
「スカイツリーに届け〜」という気迫で「お仕事」を終えました。
 
1月6日     新機材
ななつがたけ北天文台の機材が昨年1年間でかなり増えました。天文台日記に紹介したものだけでも以下の通りです。
昨年は「小口径でもよく見えるもの」がテーマだったように思います。天文台に置いておくなら大きさや重さはあまり気にしませんが、担いで遠征に行くとなるとそこが重要です。昨年はそんなものを多く集めました。オライオンの30cmGOTOドブも、車で持ち運べるように鏡筒を二分割する改造をしました。

今年はなにが増えるのでしょう。昨年は小さい物が多かったので、今年は大きな物をドーンとひとつだけにしましょうか。どうなることやら...

   AYOdigi経緯台        オルゴール赤道儀      ラントLS100THa       メオプタB1 8x56
       TC-E2bino               コーワTSN883            ペンタックス65EDaII
      ボーグ71FLbino             APM-LZOS100-800        シャープスターAL106  










 APM(LZOS) Apo 105/650
    Helios1ダブルスタック         シャープスターAL80ED        コーワ・ハイランダー・プロミナ



 Leupoid社製
   8x32 Golden Ring










 ステラビュー
   SV90TF









 オライオン 30cmGOTOドブ
 
2012年    1月1日
 
 2011年
 
12月26日   ポータブル赤道儀と星野写真
以前からあるTOAST-Proに加えて、ビクセンのポラリエが発売になりました。
オルゴール赤道儀もあります。価格の差は、ノータッチガイド可能なレンズがTOAST-Proは200mm程度まで、ポラリエは85mm程度まで、オルゴール赤道儀は50mm程度までという棲み分けになると思います。
広角レンズを使用する場合は、どれを使ってもノータッチガイド可能ですが、広角レンズで天体写真が撮れる場所ってどこでしょう?
日本中のどこも、多くの人々が住んでいる場所は広角レンズで星を撮れる状態ではありません。そこに住んでいる人たちは、多くの時間とお金をかけて遠くに出かけていかないと広角レンズで星の写真を撮れません。残念な現実ですね。
ポラリエを買う人は、これとカメラと写真三脚を担いで山奥に行くのでしょう。

最近、広角レンズで撮った星野写真というのを見かけなくなりました。それを撮れる空がなくなったからというのもあるでしょうが、写真撮影派の人たちは、短焦点望遠鏡の直焦点撮影に走り過ぎています。インターネットで天体写真のサイトを検索すると、星雲・星団のクローズアップ写真は山ほど出てきますが、星座の写真というのはほとんどありません。
以前、天文台日記に書きましたが、某出版社が小学生向けの参考書を作る時、夏の大三角と冬の大三角の写真をネットで探したら、ヒットしたのはななつがたけ北天文台の冬の大三角だけだったそうです。オーナー1に問い合わせがあり、冬の大三角の写真を提供してくださいとのことでした。「夏の大三角もあるよ」と言ったら、そちらも是非くださいとのことでした。
冬の大三角は、ソフトフォーカスフィルターをかけて明るい星が目立つように撮影しましたが、夏の大三角はノーフィルター撮影で、三角形がどれなのかよく分かりません。それでも、他にないからそれでいいということでした。

銀塩写真時代は、だれでも広角レンズで星野写真を撮ったものすが、写真技術が大きく進んだ現在は、皮肉なことにそれを撮る人が激減してしまいました。ポータブル赤道気が相次いで発売される昨今、広角レンズによる星野写真が復活してくれることを祈りたいと思います。
オーナー1は、星座の写真を公開してくれる人がいないので、小中学生の教材用として星座の写真を撮り始めたのですが、あまりにも晴天率が低くなってしまったり、仕事が忙しかったりで、遅々として進んでいません。

これ以外の新しいポータブル赤道儀も、近日中に複数発売になるようです。
選択肢が増えるのは結構なことです。スカイバードの店長ブログに「PanHeadEQ」の紹介があります。TOAST-Proを超えるものも出てくるようです。これらを持って山奥に遠征し、すばらしい星野写真を撮ってきてもらいたいものです。
ついでながら、写真のポタ赤はTOAST-Proじゃないですよ。
 
12月25日   オルゴール赤道儀     オーナー2
クリスマスイブを挟んで楓林舎に籠もってきました。雪の予報だったので仕事をする予定でしたが、不測の事態を想定してFL71双眼望遠鏡とカメラを持参しました。仕事を片付けることが主たる目的ですが、カメラのフィールドテストができればと目論んでいました。
そして天気はず〜っと雪のはずでしたが24日の昼間は快晴、素晴らしい透明度。でもそんなに上手くは行きません、案の定、夕方から雲が押し寄せてきました。楓林舎はちょうど日本海側と太平洋側の天気の境目になることが多く、西側に雲があり雪、そして東側には星が見えるというパターンがありますが、そんな感じかと諦めていました。が、夕食の直前10分間ほど綺麗に天の川が見えました。

早速、お友達のNさんとお揃いのオルゴール赤道儀(オルゴール赤道儀は楓林舎に2台あります)を持って外に駆けだし、駐車場で3枚ほど試写。極軸合わせはかなりいいかげん。方向と角度を適当に合わせただけでした。カメラはペンタックスK-5、レンズはサムヤン14mmです。ISO1600で露出時間は約1分。3枚ほど撮って撤収です。セットアップから撤収まで10分弱。それでも意外に撮れるものですね(多分片ボケ、右下に電線が写っています・・・)。驚きました。オルゴール赤道儀は使えます。残念ながら星が見えたのはこの時だけでしたが、久しぶりの天の川に感激もひとしお。

写真はオルゴール赤道儀のセットと以前に書いたFL71双眼望遠鏡です。オルゴール赤道儀はケンコーのKDS経緯台に載っています。若干強度不足はありますが、K-5にサムヤンの広角レンズ程度なら問題はなさそうです。FL71双眼望遠鏡では雪山を見ていましたが、いいですね。収納はペリカンの1550です。この中にアイピース2セット(ハイペリオン36mmとXW20mm)が上手く収まります。軽いしお手軽だしお気に入りです。
 
12月24日
 
12月24日   祝 三基光学館開店     オーナー2
先週末に三基光学館に行ってきました。元趣味○のMさんが新規に開業した天文ショップです。書店の一部門としての出店らしい。場所は秋葉原で、交通の便はとてもいいです。お店は中部ビルの二階。ここがなかなかわかりにくいですね。住所と電話番号は以下。
  東京都千代田区外神田3-7-14中部ビル201号
   TEL 03-6206-4870
目印はコンピュータープラザZOAの看板です。この看板を北に見て道を挟んだ反対側に中部ビルの看板を見つけましょう。後はこのビルの階段を上がるだけです。左手に普通の扉がありそこを開けると三基光学館になります。

お店には開店祝いの品々が並んでいました。私が到着した時は開店からすでに数時間が経っており、開店セール品はかなり売れていたようです。欲しかった製品もあったのですが、残念。開店直後なので品揃えは判断できませんでしたが、天体写真に特化したお店です。いくつかオリジナルの試作品がケースの中に並んでいました。いずれも現場からのフィードバックが生かされたものでした。天体写真は機材も大切ですが、それ以上に先人のノウハウが重要です。ここではMさんからそれが供給されます。そのような意味ではとても貴重な天文ショップだと思います。
実績と技術のあるショップは本当に安心できます。今後利用させていただきます。





 
12月11日   皆既月食見ました
久しぶりに条件のいい皆既月食でしたね。寒いということを除けばですが。
さらに、北関東のこの時期としては、すばらしく良いシーイングで、月がピタッと止まって見えていました。写真を撮った人たちは、かなりきれいに写ったと思います。

この日は、自宅で眼視での観望に徹することにしました。当初は、10cm望遠鏡の直焦点で多少の写真も撮ってみようかと思っていました。自宅に望遠鏡はある、カメラもある、でも、カメラアダプターが全部天文台でした。

はじめはコーワのスポッティングスコープ、プロミナ883の30倍で見ていました。欠け始めのほぼ満月の時は、口径88mmはちょっとまぶしかったですが、ここまでなら長時間見続けることができる範囲内です。これは月観望用として最適ですね。しばらく覗いていましたが、「これって、双眼で見たらもっときれいなのでは?」と思って、ハイランダー・プロミナを出しました。こちらは32倍。
倍率はスポッティングスコープとほぼ同じですが、明らかに双眼の方が月が大きく見えます。そして、月が球体に見えます(ただし、残念ながら目の前にあるボールのような完全な球体ではありません。中央部分の張り出しが足りない・・・)。バックの恒星は明らかに後ろ側にあります。月食の観望だけのためにハイランダーを買ってもいいかな、と思えるくらいきれいな月食でした。
これで日食を見たら、さらにいいだろうなぁ~
 
12月9日    au iPhone4s顛末     オーナー2
無事にシカゴから帰国しましたので米国(シカゴ)でのau iPhone4sについて少しだけ報告します。帰国後に確認したところ料金は「海外ダブル定額プラン」内に収まっていました。とりあえずはめでたしめでたしです。ただしこれは私の端末が提携キャリアーのみに接続していたからなのか、それともauから何らかの介入があったかはわかりません。というのは、端末からは接続しているキャリアーの確認ができないからです。もちろん一部は確認できます。AT&Tが接続キャリアー名として表示されたのでWCDMA (旧GSM)方式のキャリアーの確認はできるのかもしれませんが、それ以外のキャリアー名表示は確認できませんでした。おそらくVerizonに接続したはずなのですが、表示はRoming中のみでキャリアー名は表示されませんでした。多分CDMA2000方式のキャリアー名は表示されないのだと思います。ハッキリ言ってこれは恐怖です。端末の方で勝手にキャリアーを選択する上にどのキャリアーに接続されたかの確認ができないのですから・・・。酷い話です。今回は事なきを得ましたが、早急に改善をしていただきたい項目です。
















さて、今回は日本国内で使用しているau iPhone4sをそのまま米国に持ち込みましたが、もっと安上がりな選択はないのかちょっとだけ実践しました。まずは家電量販店であるBest Buyで安売り携帯を買います。ちなみに5ドルでした。これにプリペイドのシムをさします。これが15ドル。アクティベートはその場でやってくれます(時間はほとんどかかりません)。はれて米国の電話番号が取得できたわけです。これで米国内での連絡は問題なし。私の使い方では日本からの携帯の連絡も問題はありませんでした。多分15ドルもいらないと思います。ただし、これではせっかく転送設定をしていてもメールが見られません。これを解決するためにモバイルWi-Fiルーターのレンタルです。定額通信で安いと1日あたり1280円です。これでiPhoneなりiPadやPCでの海外Wi-Fi環境が常時手に入ります。日本からの通信で緊急時や短時間ですむ要件は携帯で、それ以外は(例えば家族との定期通信)Wi-FiでメールなりSkypeでOK。少しばかり面倒ですが、どうせ海外旅行の間です。このスタイルが私は気に入りました。
 
11月28日   一晩中快晴

2ヶ月ぶりくらいで天文台に行ってきました。この前行ったときはほぼ夏だったのに、今回は完全に冬。雪は降るし、気温はー5度になるし。気候の変化が速すぎます。
しかし、土曜日の夜は一晩中の快晴になりなした。月のない週末が一晩中快晴だったのは、たぶん今年初めてです
ただ、雪が降って翌日の昼間解け、地面がびしゃびしゃになった日の夜ですから、水蒸気が多くて透明度は最高ではなかったのがちょっと残念でした。
観望終了後の双眼鏡を見てやってください。分厚く霜に覆われています。

今回は写真を撮りつつ観望しました。写真は300mm F2.8+EOS X4 赤外カットフィルター改。眼視はドーム内の望遠鏡と外にハイランダーとミヤウチ10cmフローライト双眼鏡。その横に、一緒に楓林舎に宿泊していたS氏のミヤウチ14cmフローライトもありました。
写真は300mm だけだと撮影対象が限られているので、子午線付近の天体をあらかた撮ったら外に出て双眼鏡で観望し、ということを繰返しました。


ハイランダーは高いだけあって、やはりいいですね。光量では10cmや14cmに負けますが、星像のシャープさとコントラストの良さは最高です。ハイランダーがあれば10cmや14cm双眼鏡は無くてもいいかなと思いました。ハイランダーの上は、13cmですがオーナー2のNP127BINOでしょう。

写真撮影はサンニッパレンズを25E赤道儀に載せてノータッチガイドです。最近このパターンが増えてきました。ガイド用CCDをセットして、配線して、キャリブレーションして、ガイド星を選んで・・・という作業が面倒で時間がかかります。ピント合わせも手間がかかるし。
赤道儀の精度の範囲内で撮れば何も必要ありません。
はじめは ISO800 で5分露出していましたが、その間、同架されている鏡筒で対象天体を覗いているにしても、5分は長い!
そこで、ISO1600にして3分露出にしました。空が良くても、ノーフィルターではこのあたりが露出時間の限界です。
撮影は、パソコンのステラナビゲーター画面を見ながら写野中心を決めて、そこをクリックして自動導入。同じモニタ上のEOS Utility のタイマーボタンを押して3分露出。この繰り返しですから、5分に1枚は写真が撮れます。
普通なら同じ対象を4コマ程度撮ってコンポジットしますが、それほどすばらしい画像は望んでいないので、1コマ撮りです。

この日の写真で画像処理の終わったものを6枚、載せておきます。あまりたくさん撮ると、後の画像処理がたいへん。たいへんといいながらそれも楽しみのうちなので、時間がある時に手抜き画像処理をボチボチやりたいと思います。


オリオン座のあたりは、静止衛星や普通の人工衛星に線を引かれて困ります。M42の写真にはほぼ必ず静止衛星が入りますね。この線を消すためにもやはり複数枚の写真を撮らないといけないようです。

      馬頭星雲                     M42               M78とバーナードループ
         M31                     M45                   M36,38
 
11月26日   au iPhone4sは使えない!     オーナー2
国内では問題なく使えます。私の使い方ではむしろ以前のSBKよりも快適です。まだいくつかの場所で新800MHzに対応していなくても、時間の問題でしょう(ちなみに楓林舎近傍では10月対応予定でしたが11月中旬では3G回線は不通でした)。
ただ、au iPhone4s海外では使えません。海外パケット通信定額サービスに入っても、です。正確に書くと「事実上」au iPhone4s海外では使えません。SBKでは使えます。なぜ使えないかというと、au iPhone4sは海外で利用者が接続するキャリアーを任意に選択することができないからです。つまり、電話の方が勝手にキャリアーを選んで接続します。このキャリアーがauの海外パケット通信定額サービスに該当するキャリアーならば何ら問題はありませんが、そうでない場合は数十万単位の利用料金が発生します。

これに対するauの対処は非常に不可思議なものでした。海外パケット通信定額サービス加入を前提としても「au iPhone4s海外で利用はできますが、高額な利用料金になる可能性があるのでご注意下さい」です。もし高額な利用料金が発生した場合はどうなるのかをauお客様サービスセンターに確認したところ、「利用料金支払いの相談には応じるが、それがどのような結果になるかはお伝えできません」でした。???? これはどう解釈したらいいのか? たとえ海外パケット通信定額サービスに加入しても「高額利用料金が発生する可能性があるが、そうなった場合、実際の支払いについてはどうなるのか事前に説明はできない」ということです。
これは、いわゆる高級お寿司屋さんの「ウニ:時価」と一緒でしょうか? もちろん違います、お寿司屋さんでは食べる前に「時価って今日はいくらでしょうか?」と聞けば当然ながら教えてくれます。客は自分の財布とその「時価」を勘案して注文するか否かを決定することができます。ところが、au iPhone4sではそれができないのです。商品を買い物カゴに入れて、料金はそれを消費したあとに請求されるパターンですが、その料金が事前にわからないのです。事前に値段がわからない商品やサービスはあるのでしょうか? 実はあります。それは医療費。病気になって入院してもいくらになるのかわかりません。でもこの場合は大部分は健康保険でカバーされます。au iPhone4sの場合はカバーする保険がありません。

結論です。au iPhone4s海外では使えません、事実上、使えません。こんなものは商品として成立しません。私は土曜日からシカゴに出張しますが、以前のように快適に携帯電話を使うことができなくなりました。auはこの点で極悪です。


(続報)

前回はauの公式な回答について書きました。
が、現実は違うかもしれません。幾度かカスタマーサポートセンターに問い合わせたところ、「非提携キャリアー接続による高額利用料金が発生した時でも定額料金での支払いが可能である」との言質をいただきました。カスタマーセンターのオペレーターおよびその上司により対応が違うようです。私の経験では67%の確率で「大人の対応」をするとの言質が得られました。

さて、どうするか・・・ですが、オーナー2は当然ながらauの「大人の対応」に期待して海外ダブル定額を利用させていただきます。
おおっぴらに「高額利用料金はauで負担します」との説明ができないのかもしれませんが、いずれにしても利用者を困惑させるようなことは止めてもらいたいものです。
 
11月26日   雪!
金曜日の夕方、仕事が終わってから天文台に向かいました。上の写真が9月25日になっていますから、それ以来です。
この日の宇都宮は快晴でした。いかにも冬型の乾いた晴れの日です。「天文台は雪だな...」と思いながら南会津に向かいました。途中の塩原温泉あたりで、案の定、雪が降ってきました。外気温は3度。これなら雪でも道路には積もりません。
さらに進んで、栃木と福島の県境の峠は外気温1度。そろそろ危なくなってきますが、路面は濡れた状態で、まだ積もってはいません。天文台に近づいて、あと1kmというあたりの上り坂で、気温が0度になって路面に積雪が見え、その先、あっという間に路面が真っ白!
積雪5cmぐらいでしょうか、今シーズン初めての雪道です。こうなるとスタッドレスタイヤでなければ前に進むことさえできません。この上り坂で夏タイヤだとタイヤは前向きに回転していても、車は横か後ろにしか進みません。

天文台に着いたら完全に銀世界!(・・・のはず)。暗くて見えませんが、積雪10cmぐらいで、すべては雪の中。とうとうこうなりましたね。天文台はシーズンオフとなります。晴れる確率は大幅に減って、ドームには雪対策をしなければなりません。それをやりに来たようなものですから、雪国にある天文台の宿命なので仕方ありません。
しかし、この時期の雪は長続きしません。翌日は晴れて、道路の雪も解け、きれいな星が見えることと思います。
 
11月23日   学祭
オーナー1が大学を出たのは遠い昔のことで、学祭というのは無縁のものになっていてもいいはずですが、オーナー1の大学の天文研究部では、学祭の後、OBも集めて一緒にコンパをやっています。遠い昔からそうしており、OBと現役の交流の場になっています。
久しぶりにR大祭コンパに行ってきました。

卒業間もないOBがたくさん来るのは当然ですが、50歳代のOBもたくさん来ていました。オーナー1と同時期に大学に在籍していた人たちで、そういうよく知っている人がたくさんいたので、コンパは楽しく過ごせました。50代のおじさん達は、いまだに星を見続けている人だったり、星に関わる仕事をしている人だったり。
反面、30代・40代の参加者は少なかった。
うーん、やはり天文業界を支えているのは50代のおじさんなのか。
この人達があと10年過ぎてじいさんになり、望遠鏡を持ち上げられなくなったら望遠鏡屋さんは衰退することになります。20代から40代ぐらいの人たちが天体望遠鏡を買ってくれるように仕向けないと業界の明日はないでしょう。

R大祭コンパに来ていた中間世代のOBに、某望遠鏡ショップ店長をしていたM崎君がいました。オーナー1は彼が今後どうするのかを聞きたくてコンパに行ったというところもあるので、捕まえていろいろ話を聞きました。
彼の今後は、来月発売の天文雑誌を見れば分かるようです。星ナビにはM崎君の記事も出るらしいし。
 
11月21日   冬支度
天文台付近はすでに雪が降ったようです。つい先日まで、汗だくになっていたような気がするのに・・・。つい先日とは言い過ぎでしょうか。ここ3ヶ月ぐらい、非常に忙しく働いていたので、季節の移り変わりにも疎くなっているようです。

仕事が一段落・・・してはいないのですが、多少余裕がでるようになってきました。週末は天文台に行くことが可能になりました。そこで、S4のタイヤをスタッドレスに替えました。関東地方では、スタッドレスをはくにはちょっと早い気がしますが、雪国に行くには仕方ありません。
それ以外の理由もあって、S4を買ってから1年8ヶ月ですが、すでに4万km以上走っています(うち1万kmはスタッドレス使用)。夏タイヤはすり減って、スリップラインがほぼつながってきました。また、すり減ったためにホイールバランスがズレて、高速でステアリングがブレていました。オーナー1は毎日高速道路を走っているので、このブレが許せなくて一刻も早くこのタイヤを捨てたかったのです。

土曜日の夕方、かなり暗くなってからタイヤ交換をしました。ジャッキアップする時、ジャッキを当てる位置をほとんど手探りで探していました。こういうことはするものではありませんね。4カ所のうち、1カ所、完全に失敗しました。どう失敗したかは内緒。
みなさんはタイヤ交換は明るいうちにやってください。それよりも、自分でやろうなんて思わないで、カーショップ、タイヤショップに任せた方がいいです。

一般に同サイズのタイヤならば、ポテンザのようなハイグリップ高性能タイヤよりもスタッドレスの方が軽くできています。自分でタイヤ交換すると、明らかにスタッドレスの方が軽いのがわかります。スタッドレスに替えて走ってみたら、フットワークが軽くなり快適です。バネ下重量って大切ですね。ハイグリップタイヤはどうしても重くなるのでチタンのホイールとか付けたくなります。あるんでしょうか? あってもとても一般人が買える代物ではないですね。そのうちカーボンホイールとかできるんでしょうかねぇ。
そういう意味でインホイールモーターの電気自動車って、バネ下重量が大きくてとても快適なドライブができる気がしません。どうなんでしょう?
 
11月20日   TC-E2ビノ(低倍率広視界双眼鏡)     オーナー2
以前も書きましたが、手持ちの広視界双眼鏡でのんびりと星座を回るのはなかなかいいものです。星空観望の中でもかなり癒される部類に入ります。でもこれに適当な双眼鏡がなかなかありません。最も適しているのは笠井トレーディング扱いのWide Bino 28ですが、これの使い勝手や星像には好き嫌いがあるようです。フォーカスの調整もできるし、私はわりとこれが好きで使うこともありますが、買って直ぐに手放す人もいます。

では自作の場合はどうなるか・・・。これはもう、一時期に大流行したコンデジ用のテレコンバージョンレンズを並列にして作る双眼鏡になります。今までにも多数の素晴らしい作例がネット上に散見されます。私はコンデジはなぜか幾つも持っており、当然ながらテレコンバージョンレンズも数種類あります。というわけであと1つテレコンバージョンレンズを手に入れて作ってみました。幸運なことにヤフオクで3000円程度でした。

素材となるテレコンバージョンレンズはニコンのTC-E2、往年の名機?E950用に使っていたヤツです。カメラの方はとっくの昔にお役ご免となりましたが、TC-E2の方はまだまだ使えます。そんな中、実際にKSさんのTC-E2テレコンビノを覗く機会があり、作ってみることにしました。

このテレコンバージョンレンズは外径が65mmでちょうど私の目幅 (64mm) に近く、
しかも他のテレコンバージョンレンズと比べて収差補正レベルがダントツに優れています。姉妹品でTC-E3という鏡筒に金色のリングの入った高性能の3倍のテレコンバージョンレンズがありますが、如何せん大きすぎですね(宇宙人並の目幅が必要)。あっさり諦めることができました。おそらくテレコンバージョンレンズを使った広視界双眼鏡ではTC-E2が最も適しているかもしれません。

実際の工作は、2つのテレコンバージョンレンズを並列・平行に連結するだけです。金属のフレームにしてもいいし、木製のフレームもありです。私はネジで固定し、さらに金属パテで補強する方法にしました。ねじ固定は自分ですると恐ろしいので、例によって遊馬製作所に依頼しました。
写真のごとく2倍、実視界約30度のWide Binoの完成です。テレコンバージョンレンズを直に連結したせいでかなり小さくまとまっています。おかげですぐに出せて稼働率が高くなります。当然ながらテレコンバージョンレンズではフォーカスの調整(視度の調整)ができないので私の場合はメガネが必要になりますが、かなり快適に素晴らしい広視界像を手に入れることができました。これでWide Bino28を完全にリプレイスできそうです。以下は参考にさせていただいたKSさんのサイトのURLです。
  http://www.ne.jp/asahi/hobby/yk/Binocular.htm
 
11月15日   TPP     オーナー2
最近の旬のネタ、TPPについて。
これ、私はよくわかりません。もちろん私には経済学の素養なんぞは微塵もないわけですが、どうなるのか予測がつかないのです。その原因の一つは「資料」・「数字」の曖昧さです。「資料」に関しては言葉とそれの意味することが上手く一対一対応をしていません。いわゆる政治的というか玉虫色というか・・・。数字に関しては推定する機関で随分違います(さらに付け加えると結論に至るまでのロジックがロジックになっていない)。これを称して「政治的」というのだと思っています。

ここで終わってもおもしろくないので、私自身が生計を立てている医療分野について少しだけ書いてみたいと思います。TPPの対象として当然ながら福祉・医療分野も含まれると思います。こちらがイヤといっても向こうはそのつもりなのは明々白々です。で、どうなるのか・・・。おそらく混合診療が少しずつ解禁になると思います。今の日本では健康保険制度による国民皆保険が根幹です。原則として公的健康保険(政府管掌健康保険、組合管掌健康保険、国民健康保険)で認められた薬剤や物品を使用してその範囲内で診療を行うというものです。通常に診療では費用は公的健康保険から賄われます。この公的健康保険で認められていない診療が「保険外診療」といわれるものです。保険外診療については当然ながら保険適応外なので全て自費診療になります。一人の患者において従来の健康保険で認められた診療とこの保険外診療が混在することを混合診療といいます。混合診療になった場合の支払いは現状でも法解釈がいろいろと混乱しているので、今回は触れません。

日本でもし混合診療が解禁となったらどうなるのか・・・。以下のような会話になると予想されます。

医療者:「貴方の病気は@@@です。これに対する治療はABC薬とXYZ薬があります。健康保険ではABC薬は健康保険で認められていますが、XYZ薬は健康保険で認められていません。ABC薬だとあと1年の命ですが、XYZ薬を飲み続けると生きられるかもしれません。どうしますか?ちなみにABC薬は月に5千円、年間6万円ですが、XYZ薬は月に50万円、年間600万円になります」
患者:「・・・・・・・・・・(あ〜、XYZ薬がカバーできる保険があればいいのに)」

今までの日本は「平等な医療レベル」を目指していましたが、その根幹が崩れるということです。2007年頃に某球団親会社のエライ人が言ったように、「金がない人は家を売ってでも薬を買えばいい」が現実味を帯びてきます。
ただし、患者さんの言葉の「XYZ薬がカバーできる保険」がミソです。ここに新たな民間の保険が参入する余地があるのです。民間保険会社の宣伝文句として「画期的な癌の治療薬、XYZも使える当社のハッピー保険にぜひ加入しましょう。保険料は月々たったの10万円です」が成り立ちます。人々はその家計の状態に応じて民間の健康保険にはいるかもしれません。この市場はバカになりません。突然60兆円規模の市場が現れるわけではないでしょうが、徐々にそれくらいの規模になることを希望している人たちが一杯います。このような医療形態に精通している外国の大手保険会社の漁場になるわけです。国としては公的健康保険のカバー分を最小限とすることで財政支出を抑えられるし、一部の民間企業は儲けられるし、「ウィン・ウィン」です(ちなみに何処とは言いませんが、公的健康保険のみでは病院での診療が赤字になり、必然的に民間の健康保険を使用せざるを得ないような設定にしている「国」もあります)。このようないわゆる米国型医療が完全な形で持ち込まれるとは思いませんが、それに近づくのだと思います。ある意味「命を買うことができる」時代が来るのかもしれません。

では、この混合診療で医療者は得をするのか?公的健康保険主体の病院とそうでない病院(民間保険または完全な自費診療)の間で全ての診療・医療設備の差が大きくなり、最終的には2極化する可能性があります。非常に技術の高い勤務している医療者にとってはメリットがあるかもしれませんが、小・中規模の開業している医療者など一般の医療者にとっては恩恵が少ないと思います。もし、患者診療後で、その診療が保険カバー内か、否かを医療者が個別に健康保険会社と交渉をしなければならないならば、その手間だけで完全にアウトでしょう。

TPPは関税・非関税を含め貿易障壁を無くし、儲けやすくすることが目的ですが、日本の人がどれだけ恩恵を被るのか・・・未知数です。国同士の条件の交渉次第ですが、総論的には儲かっても、多くの人々の犠牲の上に極一部の人が豊になる・・・可能性があります。こうなると庶民としては「小村寿太郎」の再来を神に祈るしかないです。私自身は最大の非課税障壁は日本の公用語が日本語であることだと思っています(公用語の根拠は裁判法だけらしいです)。いくらなんでも是非ここだけは譲らないで欲しいですね。その意味では英語を国語化しようと考えていた「森有礼さん」やフランス語公用化を公言した「志賀直哉さん」の再来は困ります。
 
11月9日    酒器     オーナー2
前回鍋島の青磁にのっかったきんつばでしたが、その続きで今回は私の普段使いの酒器の紹介です。
私が飲むアルコール類は大部分が焼酎です。そしてシングルモルトに日本酒の順になります。本当は日本酒が大好きなのですが、蒸留酒メインにしています。
その焼酎を飲むグラスは有田焼の源右衛門さんの焼酎専用杯です。染錦祥瑞丸紋焼酎杯という物々しい名前で、外見も少しばかり厳ついのですが、内面はキレイな丸みがついています。飲みやすいし、酔っぱらっても指の掛かりがいいし、お気に入りの酒杯です。日本酒はというと梅と柿の図案の柿右衛門さんのぐい呑みです。大きからず、さりとて小さからず、ちょうどいい大きさです。その日の気分で梅にしたり柿にしたり楽しんでいます。

ところで、オーナー1のメオスター8x56の話題です。途中から光軸がズレはじめたんでしょうね。一旦光軸がズレはじめるとどんどんズレルような気がします。ビノビューがまさにそれでした。天文台の行き帰りで光軸が違ってきます。ものはいいのですが、ここだけが残念。個体差の問題でしょうか・・・。
         柿右衛門ぐい呑み柿              柿右衛門ぐい呑み梅                 梅拡大

単眼では100/800カーボン鏡筒がそれでした。最初は凄く見えていたのですが、半年以上して見るとなんだか少しおかしい・・・。ちょうどロンキーテストをする機会があり見てみたらズレていました。ネジが緩んじゃったようです。おもしろいことに自宅ベランダでいつも使う高さにして少し小突くと症状が改善します。今はしっかり直っています。
もう一台はビクセンVMC260Lです。ビクセンさんにお願いして光軸を修正してもらっても輸送による振動で盛大にズレてしまいます。オーナー1がロンキーテスターでなんとか合わせました。ただし、このVMC260Lには大問題があります。主鏡が26cmとして機能しません。つまり、外周がまともに磨けていないのです。しかたがないので絞りを作って23.5cm程度で運用する予定です。
最悪だったのがロシア製4枚玉の15cmアポです。一度クレームでレンズ交換をしていますが、光軸がダメダメでした。横浜のYさんとどうしようか悩んでいましたが、悩んでもしかたがないのでレンズセルを木槌で叩いてみました。これでなんとか実用になりましたが、高倍率ではかなり辛かったですね。光軸のズレではありませんがNP127は結局米国往復をしたし、4枚玉は苦労が絶えません。
3枚玉でもTOAは大変です。天文台のTOA130は車での移動はしませんが、時々の鏡筒載せ替えだけでズレてしまいました。当然ながらタカハシ送りです。私の知人の車移動のTOA130とTOA150も光軸修正でタカハシ送りになりました。
美味しい酒を飲むのもなかなか大変ですが、美しいディフラクションリングを楽しむこともかなり大変ですね。
 
11月8日    きんつば     オーナー2
星空を眺めるのもいいのですが、「花より団子」の場合も多々あります。私は甘味もお酒もいける口ですが、なかでもこのきんつばは相当美味い!
中には甘みの押さえたあんこと栗が詰まっています。上に載っているのは八重桜です。焼きたてで供されるので外皮はぱりっとしています。
器は1600年初頭の鍋島青磁です。



 もしかしてこの皿一枚でTOA150が買えるんじゃない?  (オーナー1)
 
11月6日    MeostarB1 8x56
今年の7月頃、笠井トレーディングからこの知らないメーカーの双眼鏡を購入しました。購入直後、評価レポートを書きましたが、結構良い評価をしたと思います。その記事を見て同じものを買った方はいたでしょうか?
あまり売れていないようなので、買った人は少ないと思いますが、ここを見て買った方はごめんなさい。

実は、買った当初は天気が良くなくてあまり星を見られませんでした。オーナー2と主に地上の景色を見て見え方を評価していました。もちろん、星も見ましたが薄雲を通しての星で、見える星の数が少ない状態で星像を評価していました。
その後、透明度のいい満天の星の夜に見てみたら、星像はさほど良くありませんでした。視野の7割ぐらいまでは、まずまずですが、その外側が急激に悪くなり、視野中心から同心円方向に三日月型に伸びた星像になります。11万円の双眼鏡としては、あまり良くない部類です。地上の景色を見る分にはとてもよく見えますが、地上を見るためにこれを買う人はいませんよね。

そもそも、私が買ったものは左右の光軸が多少ずれていました。地上の景色を見ていてあまり気にならなかったのでいいことにしていましたが、そのうち、衝撃を与えたりしたわけでもないのに、光軸のずれが大きくなって許せる範囲を超えました。目が修正できる許容範囲を超えて、物が二重に見えるようになりました。使い始めて間もなくなので、笠井さんに交換をお願いしたら、良心的な対応で交換してくれました。
代わりに来たものはもちろん同じ製品ですが、こちらの星像はさらに悪かった! 視野周辺の星の変形がより大きく、天の川の中など、星が多いところを見ると日周運動の写真を見ているような感じでした。
これも返品して、最初の双眼鏡が修理されて返ってきたものと交換してもらいました。

そういうわけで、光軸ずれ、個体差、一流メーカーの製品ではあまりないことです。私は2台しか見ていませんが、2台ともそういうことで、あまりお勧めできる製品ではないようです。
ただ、8x56というスペック、こういう選択肢は非常に少ないので、Meostar B1 8x56というのは貴重な製品ではあります。この集光力は魅力です。ツァイスのVictory 7x42 T* FLでも周辺の星は同心円に伸びる(もちろんMeostarよりはマシですが)ので、多少の星像の乱れは仕方ないところです。
 
10月30日   コーワTSN883
しばらく前の話ですが、Webサイト「毒を食らわば」のオーナーさんと観望会をしました。すごい機材をいろいろ見せてもらいましたが、それらの中で前から興味があったのは、口径88mmスポッティングスコープのKowa TSN883 でした。標準アイピースの TE17W (30倍)1本だけでも利用価値の高い望遠鏡だと思いますが、こちらのオーナーさんは EWV32mm を取り付けられるようにして低倍率広視界を得ていました。実際に覗かせてもらって、TSN883 の利用価値が大いに高まることを実感しました。
   EWV32mm 焦点距離 32mm 倍率16倍 実視界 4° 見かけ視界 60°(周辺がケラレる。数字は概略)
   TE-17W        17mm   30倍    2.4°      72°

TSN883 + TE17W とEWV32 は持っているので、早速同じことができるようにしました。やることは接続リングを1個作ってもらうだけです。
EMS双眼望遠鏡でおなじみの松本さんにお願います。TSN883 側が54mmメス、EWV側が56mmオスのステップダウンリングになります。小さくて薄い両面ネジのリングで、こんなものを作るのはたいへんだろうなと思いながら注文するわけですが、見事にぴったりサイズに作ってくれます。


TSN883 + TE17W

標準状態のスポッティングスコープ


これはこれですばらしい!
余計なことをしないでこのまま使っても、美しい星像で完成度の高い機材です。


接眼部のリングを
はずす


このネジはカメラアダプターを付ける時に使うのでしょう

はずしたところにステップダウンリングを付ける

そこに2インチスリーブをはずしたEWV
32mmをねじ込む


こういうことができるのは、手持ちの2インチアイピースの中ではこれだけでした。


TSN883 + EWV32mm

低倍率広角望遠鏡のできあがり
EWV32には付属のアイカップを付けた方がいい


以前のオーナー2の評価を再度書いておきます
星像も素晴らしいけれどそれにもましてサイズが魅力的。口径9cmのフローライト望遠鏡が正立プリズム付きで全長34cm、1.5kg、しかも防水・・・。無理に惑星を見ないならば、お手軽にフィールドに持ち込んで星野観望をするならば素晴らしい選択肢になります。
 
10月29日   オーナー1の仕事場
更新日付を見てびっくり、このページは1ヶ月も更新してなかったんですね。トップページをご覧の通り、オーナー多忙なため、お星様関係はほとんど何もしていません。ホームページを更新する時間があれば、その分寝た方がいいという毎日です。

何をしてるのか、オーナー1の仕事場の写真をお見せします。
さほど広くない部屋にサーバが30台以上、クライアントが40台程度、整然と並んでいます。これ以外に、ここに持ってきていないパソコンが1000台ほどあります。写真にはありませんが、UPS、NAS、HUBが別室に山積みになっています。
1台1台のパソコンはラックマウント型ではなく、タワー型、デスクトップ型。それを写真のように積み重ねています。間にはゴム製の滑り止めシートを挟んであり、全体をロープで縛ってあるので、地震が来ても多少の揺れなら崩れません。裏側はこんな感じ

寒い季節になってきましたが、すべてのPCを稼働させると部屋が暑くなります。窓を全開にしておいてちょうどいい温度です。

何をやっているかというとキッティング作業です。
ここでできる限りの準備をして、3週間後ぐらいに現場に持ち込み、あっという間に稼働させていきます。その「あっという間」がどれほど速いかは、「常識を越えた速さ」と言っておきましょう。
これをごく少ない人数でやっています。そこがオーナー1の会社の技術とノウハウです。
 
10月9日     オーナー多忙
オーナー1は本業の方が忙しくて、星を見たり機材を整えたりしている時間がありません。オーナー2も忙しいようです(オーナー2はいつも忙しいんですが)。
そのため、ここに書く話題がなくて更新が止まっています。
毎日のように見に来てくれる方もたまに見に来てくれる方もごめんなさい。
しばらくは更新がときどきになります。

密かに進行している計画もあるのですが、まだまだ未定の部分が多くて公開できる状況ではありません。きっと来年になってからでしょう。

オーナー1の多忙は今年いっぱい続きます...といっても、原則カレンダー通りに休みなので、本当に忙しい人から見ればたいしたことはありません。精神的な緊張感がずっと途切れずに続くというだけです。たとえて言えば、一回も負けてはいけないトーナメント戦を、毎日連続で戦っている野球チームのよう。今のところ、相手が弱いので勝ち続けています。そのうち強敵も現れるので、常に緊張してかからないと・・・


ところで、この猫は何なんだ!?  と思っている人がいたら、記事とは関連のない挿絵だと思ってください。オーナー2の車の屋根にのっています。
楓林舎隣のペンションの飼い猫で、人なつこくて見た目もかわいいやつです。
 
9月28日    BORG 71FL双眼望遠鏡プロトタイプ まとめ     オーナー2
念願のBORG 71FL双眼望遠鏡のプロトタイプが完成し、南会津の星空で威力を発揮しました。私の機材の中では一番運用頻度の高い望遠鏡になるかもしれません。

コンセプトは公共機関と人力で運用可能な口径70mmの広視界対空双眼鏡。
ものぐさな私は、最近の体力の低下とともにお手軽な双眼による広視界観望が、無上の喜びであるとの思いが強くなりました。使用するのは双眼鏡ですが、50mmクラスだと欧州御三家やニコンのEGEがあります。また、70〜80mmクラスではニコンやフジノンの70mm双眼鏡やコーワのハイランダー・プロミナーが目的に合致しますが、実視界や対空性能に十分満足することができません(直視双眼鏡では首が疲れる)。まぁ、ハイランダー・プロミナーを選択すればそれでいいのですが、これで実現できない新しい世界を目指すという庶民のささやかな目的もあります。

目指すスペックは口径70mmクラスのアポクロマートで実視界6度以上です。これには市販品では通常採用されていない2インチアイピースの使用が要となります。鏡筒の選択では重量も鑑みるとBORG 71FL以外に選択肢はほとんどありません。周辺像も考慮すると、実はアイピースの選択肢も少なく、結局はHyperion36mmに落ち着きました(本当は笠井さんのEWO35mmも試したかったのですが販売終了です)。プロトタイプなので工作を簡単にするために鏡筒固定式で目幅調整はEMSによるヘリコイドです。フォカサーはBORG純正ヘリコイドで対物を動かします。鏡筒は軽量化と視覚的な小ささも考慮して口径60mmのmini BORGシステム、それに架台はGitzo2380と写真三脚です。
鏡筒の支持はK-ASTEC製のC型鏡筒バンドと面押しのアリガタアリミゾシステムにしました(工作精度の高いリングでの支持はヘリコイド式フォカサーの補強にもなる)。ここで大切なのは「C型」であることです。これを段付きのフライス加工したアルミ板に固定することで鏡筒の平行性は担保されます。
鏡筒長と鏡筒間隔には悩みましたが、以下の組合せで近視の私でもHyperion 31/36mm、XWシリーズ、Panoptic 16/24/27mm、Nagular Type6シリーズ、Nagular zoomシリーズ等のアイピースで15mから無限遠くらいまでは合焦します。これで11倍6.5度から114倍0.7度(その気になれば200倍まで!)まで実現できることになります。

市販品を組み合わせただけで、新たな工作はたった6個の穴をアルミプレートに開けただけですが、実際に星空の下で運用してみるとすばらしい光景に癒されます。70mmの光量は思った以上に豊富で、6.5度の視野一杯にピンポイントの星が煌めきます。季節柄、いて座の銀河は無理でしたが、はくちょうからカシオペア座の天の川を流してみました。M27や最近接近しているギャラッド彗星が星野に浮かんでいる様や散開星団などの微光星密集地帯と逆に粗な部分のコントラストが新鮮です。微光星を認識しながら、天の川の濃淡がこれほどよくわかるとは思いませんでした。XW20mmによる20倍、3.5度(瞳径3.5mm)も捨てがたい。瞳径が小さくなるために視野が黒く引き締まり星の輝きが際だちます。このシステムでボーッとしながら天の川を無目的に流すことは一種の精神療法かもしれません。私の心の穢れが洗い清められるようです。まさに狙いどおりのプロトタイプが完成しました。
今後は鏡筒固定を「メガネ型」に変更し、完全一体型にするつもりです。これに適当なサイトファインダーと可搬性に優れたケースを見繕ったら完成です。
 
最後に一言。
私のようなものぐさかつ末端ユーザーが市販品の組合せでいろいろな対空型正立双眼システムを組み立てられることが可能であるのは、ひとえに松本式EMSのおかげです。EMSと名付けられたミラー2枚による正立システムは松本さんのオリジナルでありそれを尊重するべきだと思います。EMS を一つのシステムとして完成させたこともすばらしいのですが、それを普及させるための松本さんの努力には敬服します。
ひとつのシステムが世の中に広まり、多くの同好の士がその恩恵を享受することができるためには、機械の開発だけではなくそのメンテナンスや使用法の啓蒙・教育が必要です。松本さんは数年来、これをほぼ一人でなさり現在も地道に努力されています。
金儲けだけのために中国から安価なEMSが輸入・発売されることは、一部のユーザーからは喜ばれるかもしれませんが、私は不愉快です。彼らに十分なメンテナンス能力やEMSの未来についてのビジョンがあるとは思えません。
 
9月27日    Deepな観望会     オーナー2
オーナー1の告知のごとく、週末はDeepな方が揃い、明け方までDeepな観望会でした。いやぁ〜、楽しかったです。
いろいろな話題に花が咲きましたが、残念ながら全てをネット上で紹介するわけにはいきません。
ということでいくつかの機材の感想をまとめてみます。

BORG50mm直視型双眼鏡 by K関さん
これは元祖ミニBORGに笠井さん扱いのEWV32mmを付け、ただ2本並べてネジでGitzoのアリガタ(クイックリリースプレート GS5370LB)に固定しただけです。これで口径50mm、7.8倍、実視界10.9度の倒立像双眼鏡のできあがりです。フォカサーは鏡筒の摺動で目幅調整は無しです。なんのことはないと思われるかもしれませんが、これが実は凄いんです。残念ながら夜空を見ていませんが、地上の風景だけでもビックリすること請け合いです。まず第一に、視野の「抜け」がいい。こんなに抜けがいい望遠システムは覗いたことがありません。対物レンズ2枚にアイピースだけなので当然と言えば当然ですが、想像を絶する「抜け」の良さです。集められた光が余すことなく網膜に突き刺さる感覚。
第二にはなんと遠近感の逆転です。手前にある物が後ろに見えます。重力が関係しているのではというのが作成者の弁ですが、3Dでの位置関係が完全に逆転します。薄の手前にあるはずの電柱がなんと薄の中にめり込んでいます。上手く表現できませんがとても不思議な感覚です。背景が多層構造の紙芝居で遠近感が逆になっているような感じ・・・。これは是非作ろうと思いました。

BORG50mm対空双眼鏡 by K関さん
これはとても欲しい・・・。実は同じようなのを私も考えていましたが、先をこされちゃいました。もっとも私が作ったらこんなに洗練されたものにはなっていないと思います。
なんと6倍、11度の星空が広がります。これの真価は覗いた人のみが理解できると思います。

BORG 71FLEMS対空双眼鏡 by オーナー2
これについては別途HP内の記事を参照して下さい。
すごくいいです。既製品で売り出せばいいのにと思いました。

Kowa TSN883 with TE17W by K関さん、オーナー1
この組合せで30倍、実視界2.4度です。オーナー1の言葉ではありませんが、すごい「望遠鏡」です。星像も素晴らしいけれどそれにもましてサイズが魅力的。口径9cmのフローライト望遠鏡が正立プリズム付きで全長34cm、1.5kg、しかも防水・・・。無理に惑星を見ないならば、お手軽にフィールドに持ち込んで星野観望をするならば素晴らしい選択肢になります。二重星団のキレイなことキレイなこと。

Kowa ハイランダープロミナー by K関さん、オーナー1
光量・星像・運用・耐久性・可搬性が高次元にバランスされています。低倍率での星野観望においてこのバランスは文句なくナンバー1だと思います。
今さら何も書く必要がありません。架台を松本オリジナルに変更してあったK関さんのシステムが最高ですね。高価なものですが、これ1台で満足できます。実はとても安上がり。

NP101 with F2経緯台 by K田さん
高性能短焦点アポによる最小にして最大のシステムだと思います。いつ見ても色収差が無いです。焦点距離540mmでどうしたらこれほどの星像になるのか・・・。私も今までに3台使用していましたが、手元に置いておくべきでした。後悔しています。

NP127対空双眼望遠鏡 by オーナー2
EMSを銀ミラー化して初めての観望になりました。Ethos 13/17mmもいいですが、XW20の見掛け視界70度はなぜか安心して覗いていられます。星像はこれ以上のものが多数ありますが、焦点距離660mmがもたらす広視界は魅力的です。

Obsession 18インチUC with銀ミラー
UCのObsessionもすごいのですが、なんと言っても46cmの銀ミラーです!!日本のアマチュアの銀ミラーでは最大口径でしょう。同程度の口径で同一対象を何度か見てきましたが、これはもう別次元です。同口径と比較して色の情報が豊富であるようでした。M27の青色とM57の微細なガス構造がすごく印象的です。「ドーナツ」はドーナツ」ではなくその空間に星間ガスが漂っているのですね・・・。自分の目でそれが楽しめるとはビックリです。M42に至っては筆舌に尽くしがたい。覗くと皆さん例外なく「うっ!!」とか「わっ!!」の後に無言の状態となります。これを「眼福、眼福」と思うのかそれとも自分の機材を見て寂しくなるかはその人次第でしょう。

あ〜、おもしろかった。満足です。
  
9月25日    天文台にお客さん
オーナー1・2をはじめとする仲間内の人とは別に、この週末、3人のお客さんが天文台に来ました。
 ・日本の天文業界の大御所
 ・日本有数の双眼望遠鏡とドブソニアンをお持ちの本格観望派
 ・星と機材について深い理解がある眼視派の天文ファン
他にも楓林舎に同宿のお客さんは星好きの人ばかり。この3連休は楽しく過ごせました。

たとえば、楓林舎の廊下には、こんな双眼鏡が落ちていました(右写真)。
近くの屋外観測ポイントにはこんなドブが(写真左下)。ある意味で日本最大の望遠鏡です。
楓林舎駐車場には三脚が林立(写真右最下)。
小型望遠鏡・双眼鏡の数々(写真右下)。

お客さんたちは、25日(日曜日)の午後まで楓林舎にいて、楽しい話は尽きなかったのですが、午後3時頃にみんな帰ってしまいました。オーナー1ひとりが残り、天文台内の片付けなどをやっていました。
すごく寂しかった... 祭りのあと... 
楽しい時間は早足に去って行ってしまうのですね。
















 
9月20日    三連休は天文台で
17日からの3連休は天文台にいました。残念ながら天気はイマイチで、とりあえず星は見えましたが、本来の南会津の夜空を見ることはできませんでした。それでも、今回は天文台見学のお客さんが数人来てくれて、楽しく過ごせました。その中のおひとりが,、すごい機材を車に満載で来てくれて、滅多に見られない機材で星を見られたのはすばらしいことでした。

そのときの機材の写真は・・・。撮ろうと思ったら、カメラが電池切れ! 前日、チャージしたのに・・・? 何が起こった?
そういうわけで、機材勢揃いの写真はありません。

1回だけシャッターが切れたのがこれ。
HF-D経緯台の片持ちバージョンです。載っているのはコーワの88mmスポッティングスコープ。もちろんプロミナ。快適に楽々使えました。
M16のタップ立てをやった成果がこれです。

水平・垂直回転軸は、ティーパーローラーベアリングでアルミ板を両側から挟んだ形で、フリーストップです。回転軸はステンレスの長ネジを適当な長さに切ったものなので、両端のナットの締め付け方で回転軸の固さが変えられます。バランスさえ合っていれば、回転軸は軽い方がいい。
双眼鏡や低倍率にした小型鏡筒で、星空散歩に使います。
それにしても、コーワの88mmスポッティングスコープ(プロミナ)はすごい「望遠鏡」です。9cmフローライト鏡筒、天頂プリズム付きで重さ1.5kg。抜群の見え方。究極のお手軽望遠鏡ですね。
 
9月16日    70mm対空双眼望遠鏡 プロトタイプ その2     オーナー2
鏡筒延長筒の接続で試行錯誤が続きましたが、今使用しているアルミプレートでの鏡筒の接続が以下のごとくほぼ決まりました。 これでオーナー1&2の目幅で無限遠から数mの範囲で合焦します(60mm径のmini BORGシステムではなく80mm径鏡筒システムを使うならばもっと楽に組めましたが、あいにくおもちゃ箱になかった・・・)最初はメガネ型で鏡筒連結をするつもりでしたが、鏡筒着脱式だと手持ちの年代物のカメラバッグに入るし、意外と使い勝手がよいのでしばらくはこのスタイルで遊んでみるつもりです。
  ミニボーグ71FL対物レンズ【2571】
  M57/60延長筒M【7603】
  M57/60延長筒SS【7601】
  2インチホルダーSSII【7501】
  EMS-UM(ヘリコイド目幅調節式)
  Hyperion 36mm
  Nagular Type6

  鏡筒リング・アリガタアリミゾシステム
    K-ASTEC TB-60 (C type)
    DP45-125
    DS-45

これはあくまでもTB-60/DP45-125とを利用しDS-45間隔104mm(鏡筒間隔ではない)にした場合です。間隔をあと数mm短くしてもいいかもしれません。個人使用を前提に目幅間隔調整幅を絞るともっとコンパクトになります。この対空双眼望遠鏡はヘリコイドによる対物レンズの繰り出しが合焦機構です。一旦、目幅を調整してしまえば対物レンズが軽いのでこの機構が成り立ちますが、これは合焦による接眼部の移動がないので気分がいいですね。
9月15日    自動車事故
身内の者が毎日、車でオーナー1宅に来ます。何しに来るのかはさておき、その人は完全に「おばさん」です。運動神経はないですが、決してお馬鹿ではありません。そいつが帰りがけに、車のアクセルとブレーキを踏み間違えて、前の家の生け垣に突っ込みました。生垣なので被害は比較的小さかったですが、自力で脱出できなくなり、オーナー1がレガシーGTで牽引して引っ張り出しました。
関係ないですが、S4でもなくエスティマでもなく、レガシーを使った理由が分かるでしょうか。この3車はすべて四駆なので、どれも牽引車に向いていますが、S4とエスティマだとけん引が面倒なのです。なぜかわかりますか? 最近の車はみんな、けん引が面倒です。

世の中では、車のアクセルとブレーキを踏み間違えの事故が絶えませんが、身近なところでおばあちゃんではない、おばさんがそういう事故を起こすとは意外でした。踏み間違えは、誰でもやるものやしいです。我が家には80過ぎのじいさんがいて、歩く足取りもおぼつかないのに車を運転しています。それも、同乗すると「そんなに飛ばしていいのかよ!」と思うスピードで走ります。田舎では運動神経ゼロのおばさんも、よぼよぼの爺さんも、普通に車を運転しています。公共交通機関が何もないので、車がなかったら生きていけないのです。これが顕著なのが北関東3県で、車の普及率が非常に高いわけです。一軒の家に車が3・4台以上あるのは普通で、車は一人1台。毎日走ります。事故の頻度も高いわけです。栃木県が全国ワースト1になったと、ときどき騒いでいますが、それは当然のことです。そうなりたくないのなら、大赤字覚悟で津々浦々にバスを走らせろ!

うちの爺さんもそのうち、アクセルとブレーキを踏み間違えて事故を起こすのでしょう。自分ひとりで死ぬのは勝手ですが、他人を巻き添えにするのはよしてほしいものです。「車を運転するな」と言うことは「死ね」ということに等しい現状は何とかできないものでしょうかねぇ~。
  
9月11日    天文の普及
現在の天文業界は、50代のおじさんが支えているといっても過言ではないでしょう。天体望遠鏡メーカーも販売店も、日本では50代のおじさんの購買力が支えています。また、プラネタリウムなどのコンテンツも50代のおじさんが作っている場合が多いと思います。
また、世の中の天文同好会も、30年ぐらい同じメンバーのまま、全員が年寄りになっていくという例も多いようです。あと15年たって、この人達がヨボヨボのじいさんになったとき、天文業界はどうなるのでしょう?
望遠鏡の購買層が一気に消滅、それに伴って望遠鏡メーカーや販売店も同時に消滅、ということにもなりかねません。

若い天文ファンを増やすにはどうしたらいいのでしょう。
一番簡単な答えは、若い世代の人たちにきれいな星を見せること。
先日、星なんか見たことない知人がななつがたけ北天文台近くに来て、ツァイスの7x42の双眼鏡で天の川を見たとたん、天文ファンになりました。「星ってこんなにきれいなんだぁ~!」って言って。
見せるのは、見た人が感動するくらいにきれいな星でなければいけません。現在の日本ではかなり難しいことです。
  ・暗くて透明度の高い夜空
  ・よく見える望遠鏡、双眼鏡
このふたつが揃わなければなりません。
私の知り合いにも、ボランティアで一般対象観望会をやっている人が多数いますが、人が集まりやすいところ=空が明るいところ、となるので、いくらすごい機材を集めたところで、空がダメなら集まった人たちに感動を与えることは出来ません。見えない望遠鏡で星を見せても感動がありません。最高の夜空と最高の望遠鏡・双眼鏡で星を見てもらわないと、若い世代の天文ファンは増えないでしょう。
暗くてきれいな夜空がある場所としては、本州中央部では最低でもななつがたけ北天文台付近、できれば、乗鞍や立山。

空が明るいところでの観望会では、スタッフが何かの天体を導入して、「これが○○ですよ」と言って見せることになります。それはそれで仕方ないですが、月と土星以外では「ふーん・・・」で終わります。
天の川がきれいに見えているところでは、双眼鏡をたくさん用意して渡したり、低倍率広視野のフリーストップ経緯台に載った望遠鏡を操作させて、天の川の中を見させる方が感動が大きいと思います。名前の付いた天体を見せる必要はなく、「星がたくさん見える!!」だけでいいんです。双眼鏡や経緯台を動かしているうちに、偶然、二重星団が視野に入って、「わっ、これなに!?」と言わせるような仕掛けを作っておくのもスタッフの能力です。双眼鏡はツァイス、スワロ、ライカ、最低でもニコン、コーワ。望遠鏡は、XW30やイーソス17を付けたテレビュー76とTOA130があるといいですね。丈夫な写真三脚に載せたプロミナクラス以上の45度スポッティングスコープもいいでしょう。

富山にいるオーナーのお友達は、最高の空の下で最高の機材を使ってお客さんに星を見せています。それを見た人たちが次の世代の天文業界を支える人になってもらいたいと思います。
ななつがたけ北天文台も、多少のご協力はさせていいただきます。
 
9月6日     M16タップ
先週末、台風の中、天文台に行ってきました。星を見ることは期待しないで、ちょっとした金属加工をしに行きました。自宅にも多少の工具はありますが、主力は天文台の方に置いてあるので、わざわざそちらに行くこともあります。

今回初めて、M16のタップを手でたてました。M12でも重労働ですが、M16となると世界が変わります。
まず、ティーパーを付けた下穴に、M16のタップを曲がらないように注意しながら金づちで打ち込みます。そうしないと最初の1回転が引っかかりません。また、タップ回しはM12まで対応の道具では全く歯が立ちません。大型のモンキースパナでM16タップをくわえて、全身の力を込めて回します。20mm厚のアルミ板を貫通するのに5分ぐらいかかりました。これを4回。いい運動になりました。こういう作業は、手作業でやるものではなく、機械に任せるべきですね。
何事も経験。こんなことはやるもんじゃない! と分かっただけで価値があります。

何を作ったかは、おいおい、ここで紹介されると思います。

なお、台風の中でも星は見えました。雨時々晴れという天気でした。
 
9月2日     Meostar B1 7x42 発売
先日、笠井トレーディングからMeopta社のMeostar B1 7x42が発売になりました。オーナー1が一番ほしかったのはこれだったのです。Meopta社のラインナップにはあったのですが、笠井さんがこれを持ってきてくれなかったので8x56を買いました。7x42は、すでにツァイスのFLを買ってしまったので、もういりません。でも、これがどの程度見えるのかには興味があります。どなたか買って、楓林舎に持ってきてもらえませんか。

私が買ったB1 8x56 は色収差がありますが、その他の収差は良く補正されていて、明るい星を見ると色が付きますが、天の川の中などは微光星がシャープに見えて「星の数が多い」と感じます。このクラスの双眼鏡は、天の川の中がきれいに見えてくれればその価値があるので、これはコストパフォーマンスの高い商品だと思います。7x42はどうなんでしょうね。

これのオプションの写真三脚アダプターは、二分割式で双眼鏡側は付けたままで問題なく使用できます。しかし、接続部分の精度が悪くてガタガタです。せっかく三脚に固定しているのにここが揺れるので価値が半減です。他社製の分割式ではないものも使えると思いますので,使い勝手は悪いですがそちらの方がいいでしょう。センターに1/4インチのネジで固定する方式です。
 
9月1日     70mm対空双眼望遠鏡鋭意製作中     オーナー2
私自身は、星空観望の醍醐味は、広視界双眼での気ままな星空散歩だと思っています。だからこそ、660mmや500mmの短焦点距離で双眼望遠鏡を作ってきたわけです。しかしまだ見ていない光景があります。それは対空双眼で見る広視野での星野です。50mmや56mmでは双眼鏡で十分実現が可能、50mm 対空双眼では2インチアイピースにより10度の視野となります。ところが、口径70mmクラスだと双眼鏡で5度程度、対空双眼でも4度を超えることはほぼ不可能です。
ということで、口径70mmアポクロマート、実視界6.5度を目標に双眼望遠鏡を作ることにしました。公共交通機関による移動を念頭に、できるだけ軽量に仕上げる予定です。架台は写真三脚にGitzo 2380の予定。

双眼望遠鏡製作と言ってもたいそうなものではありません。幸いにして「おもちゃ箱」の中にはいろんなリングや鏡筒バンド、EMSがあります。つまり適当な対物レンズを選んで部品を組み合わせるだけです(その時必要のない部品でもそのうち利用価値が出てくるものですね)。使用アイピースで無限遠焦点位置の確認、鏡筒間隔の決定は平行移動台座を利用した「治具」があるので割合簡単。どうやら写真の組合せで上手くいきそうです。アルミ板に6つのタップを立てたら初号機としては完成になります。
 
 



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