天文台建設日記 
 
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 2009年
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3月26日   Star Splitter Compact IV  by オーナー2
春の夜空はある意味口径勝負になります。そこで威力を発揮するのは運用の簡単なドブソニアン架台の大口径ニュートン式反射望遠鏡です。私の場合はStar Splitter Compact IV (SS-IV)を使用しています。口径32cm/F4.9 Zambuto mirrorで、接眼部はムーンライトフォーカサー(手動タイプ、Swing Filter System付き)に換装しています。
http://www.tvj.co.jp/16shop_ssplitter/comp4/sspl_c4.html
http://www.focuser.com/storefront.php
口径はパラコア無し、脚立や足台無しで天頂を覗くためにはこれが限界でした。値段を考えると隔世の感もありますが、スムーズな動きや強度などには満足しています。ドブソニアンタイプではバランスがとても大切ですが、この望遠鏡ではアイピースの交換時の無負荷を含めてバランスされている条件は比較的小さい1.25インチアイピースに限られることが分かりました。最初は何も分からずにNagler Type5 31mmや26mmなどの広視界で遊んでいましたが、結局は前述のPanoptic 24mmとNagler Type 6の組み合わせの運用となっていました。で、ここに現れたのがEthosシリーズです。Ethos 17mmで1.1度@x92となります。私はドブソニアンタイプでの高倍率惑星観望はしないのでほとんどこれ1本で用は足りそうです。Ethos 13mm (0.8度@x121) でもよいいかもしれません。ファインダーはレーザーファインダーを選択しました。これでバランスをとるには主鏡側にバランスウェイトが必要です。最初は鉄板と磁石の組み合わせを考えましたが、もっと簡単な方法を模索していると、ありました。道具箱の片隅にロスマンディー用の薄いバランスウェイトが!これをSS-IVに元々あるねじ穴に固定すると、あたかも既製品のごとくピッタリ。バランスもEthos 17mmで完全にピッタリ(Ethos 13mmで十分許容範囲内です)。上手くいく時は上手くいくものですね。
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3月24日   Sky 90双眼望遠鏡完成  by オーナー2
久しぶりの楓林舎にオーナー2も行ってきました。そこには、やはり久しぶりのオーナー1だけではなく、星仲間のNKJさんやNKIさんもいらっしゃいました。あまり晴れないだろうとの予想は良い方に裏切られ二晩ともにまずまずの星空となり春の銀河などを中心に十分楽しめました。
でも、今回の楓林舎行には別の目的もありました。それは最近リファインしたSky90双眼望遠鏡のフィールドテストと収納問題の解決です。

Sky90双眼望遠鏡について

オーナー2は、望遠鏡は運用法も含めてシステムとして考えています。目的に合致したアイピースの選択もそうですが、その収納も大切です。Sky90双眼望遠鏡のアイピースはシステムの小型化を念頭に1.25インチサイズにしています。といってもEthosシリーズではなくPanoptic 24mmとNagler type6 5mmを選択しています。これで実視界3.1度@x20.8と0.8度@x100が得られます。気軽に星野を流したり惑星を見るのにはこれで十分と思っています。アイピースも小さいし重量バランス的にも満足しています。アイピースのバリエーションは欲を言えばキリがありませんが、もっと本腰を入れて観る時(晴れが確実な場合)はNP127双眼望遠鏡の出番となるのでこのくらいにしています。

収納にはいつも悩みます。特に今回は光学系2本に加えて三脚を除くフォーク架台もあります。アルミのトランクを探しても良かったのですが、重く(金額も高く)なりそうなので、今回は簡単な衣装ケースに決定。問題はどう収納するかです。両方の鏡筒の光軸保持のためにはとにかく鏡筒に応力をかけることは避けなければなりません。短縮した三脚用雲台アダプター、ベースプレート、それと操作ハンドルで支えることにしました。上手いこと発泡スチロールのブロックを組み合わせることでこれを実現することができ、さらにアイピース、レーザーファインダーを入れたプラスティックバックも一緒に収納できました。今回は18個の発泡スチロールブロックを組み合わせ、一部を切ることで望みの形状を得ることができましたが、これで実際の寸法が分かったので、将来はスタイロフォームから切り出そうと考えています。


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3月22日   久しぶりに天文台へ
21・22日の土日で2ヶ月ぶりぐらいに天文台に行ってきました。
オーナー1の本業の方はあと2週間ちょっとぐらいは忙しいのですが、休日は仕事をせずに済むようになり、やっとここに自分で文章を書く余裕が出てきました。

今回は、天気がいいのかどうかは全く気にせず、ペンション「楓林舎」に休みに行くつもりで出かけてきました。オーナー2は1日前の20日から夫婦で行っていました。偶然にも2日間とも晴れ! 特に私が行った夜は、晴れても春霞だとうと期待はしなかったのですが、一晩中きれいに晴れてくれました。

夕方、ドームを開けパソコンを起動したら、パソコン3台とも元気に起動し、望遠鏡のコントロールもドームのモーターも問題ありません。2ヶ月止めておいたからといって、何も変わるはずはありませんが、全部元気に動いてくれると気分もいいものです。ただ、WindowsUpdateとヴィールスバースターのアップデートが大量に入ってきて1時間ぐらいそれだけしかできませんでした。それを見越して夕方にこれをやったわけですが、3台合わせて1.5GB以上のデータをダウンロードしたと思います。こんな山奥でインターネットが光回線で使えるのはすばらしいことです。

前回来たときは冬の星座だったのに、夜空は完全に春になっています。春の空なので華々しい天体はありませんが、有名な系外銀河や球状星団などを観望しました。系外銀河と球状星団は大口径に限りますね。銀河については35cmでもちょっと物足りない感じです。
この地で最高の透明度の夜に、45cmドブでM51やM104、NGC4565などを見るとすばらしくよく見えます。ほぼ写真と同じと言っていいでしょう。街にある公共天文台などでは、どんな大口径望遠鏡があってもそこまでは見えません。系外銀河を見るには空が暗くて透明度がいいことが絶対条件です。そのすばらしくよく見える銀河が記憶にあるので、35cmでもイマイチと思ってしまいます。この日の透明度も決して最高ではなかったし。

この夜は、ドームでは35cmニュートン鏡、ε180+イーソス13mm、TOA130で観望しました。ε180にイーソス17mmを初めて付けてみたのですが、ピントが合いませんでした。ドローチューブを一番奥に入れてもまだ足りません。手元にある一番短い2インチアダプターを使ってもダメ。もっと短くすれば合うかもしれませんが、補正レンズに当たる可能性があります。ε180にはイーソス13でいいことにしました。この組み合わせはすばらしいですから。17mmが使えたとしても、視野が明るすぎて13mmよりも見えないと思います。

ドームの外には、オーナー2の32cmドブとSky90双眼望遠鏡、N島さんの25cmニュートン、セレストロンC9が出ていました。32cmドブは光学系がいいし、動きがとてもスムーズなので、最後に見たM13は「これぞ大口径ドブ!」と思える星像でした。ドームの35cmよりは多少暗いですが、星がシャープなため、M13の外側はもちろん、手前側にある星がきれいに分離して、星が「球状」に集まっていることがよくわかりました。意外に(と言っては失礼ですが)よく見えたのがC9です。N島さんがかなり安い大特価で買ってきたものですが、M13の星が非常にシャープで、これほどシャープなシュミカセの星像を見たのは初めてかもしれません。大当たりです。すべてのC9が良いのか、この個体が当たりだったのかはわかりませんが、大きさも移動観測にちょうどいいし、大特価で売っていたら買っておくべき
鏡筒でしょう。

こうして久しぶりの星空と、おいしい食事、おいしいお酒、そしていい星仲間も付いてとても良い休暇になりました。
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3月21日   FLI冷却CCD
星仲間の高橋さんが田中光化学工業からFLIマイクロラインシリーズのML11002MとML8300の見積をとりました。8300の方は私のお薦めでもあり、別な人からも薦められていたそうです。そうしたら、田中さんがその2台のCCDカメラと必要な機器一式を持って高橋さんのところにデモに来てくれました。高橋さんからお誘いを受けたので、いっしょに見てきました。
田中光化学工業さんも東京から栃木までデモに来てくれるだけでもたいしたものです。

ML8300を使って兵庫の三木さんがすばらしい写真を撮っていて、カメラに対しても良さそうな評価をしています。これには期待していたのですが、結果はイマイチでした。高橋さんのところはミードの35cmF8リッチークレチアンとタカハシのTOA150があり、それぞれにML11002MとML8300を付けて撮影してみましたが、ML8300はFが暗いためか写りがよくありませんでした。ちょっとガッカリ。ML11002Mの方は予想通りの写りでした。ML8300は1ピクセルの面積が小さいので、感度が低いのは当然です。三木さんの写真がすごいのは、40cmF2.8のプライムフォーカスだからだったわけです。TOAなどのF7クラスの対物だとかなりの露出時間をかけないときれいに写ってくれません。ななつがたけ北天文台のε180EDにML830を付けると、F=2.8、f=500mmにはいいかもしれません。35cmF4ニュートン鏡でもかなり写ってくれると思います。しかし、それよりもFが暗い場合は不向きかもしれません。
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3月18日   海外での朝食
オーナー2は時々仕事で海外に行くことがあります。多くの場合、お昼時はお仕事場を闊歩しているので昼食を落ち着いてとる余裕がありません。もともと行列の一部になるのは嫌いだし、それがジャンクフードだとなおさらです。必然的に昼食は「抜く」ことになります。
と言うことでpower breakfastとなります。朝からステーキでも鰻丼でもカレーでも平気ですが、さすがに海外のホテルではそうもいきません。海外でどうしたら比較的美味しく効率的にしかもあまり手が汚れないように朝食を取ることができるのか、以下が私の解決法です。

海外なのでパンはけっこう選び放題です。今回出張したウィーンではカイザーゼンメルという丸い形のパンがお気に入りです。これでサンドイッチを作るわけです。問題は具の選択です。私の具の基本はチーズ、肉、ピクルスです。チーズはカマンベールの薄切りが特に好ましいのですが、なんでもOK。肉類はハムです。ターキーのブレストではなく適度に脂身の混じった豚さんの薄切りです。これが一枚では日本の悲しいハムサンドになりますので、絶対に避けなければなりません。海外のハムはけっこう面積が広いので2つ折りで挟むとすると少なくとも3枚程度が必要です(これで断面は6枚!)。ピクルスは酸味のあるタイプで一般的なコルニションというちっちゃなキュウリとチリのピクルスがお勧め。ここに辛さを加えるためにチリのピクルスも加えます。チリのピクルスにもいろいろありますが、真っ赤で丸い、まるでミニトマトのようなピクルスはとても辛いのでご注意ください。これをそのまま挟むと摂食中に抜け落ちるなどの不具合が生じるので、すわりがよいようにどこかに1面でもいいので平面を作ります(早い話がコルニションは縦に切る)。当然ですが、チリのヘタなどは取り除きます。チーズとハムと酸味の利いたピクルスは絶対的な基本形です。スモークサーモンとクリームチーズを組み合わせる場合もありますが、これは好みの問題。

いよいよ最終段階の組み立て過程です。カイザーゼンメルをビュッフェのパンコーナーにあるパンナイフでキレイに2つにします。ここで手を抜いて普通のテーブルのナイフを使うと仕上がりに差が出るのでご注意ください。具の順番はピクルスがパンと直接接しないようにすることが大切で、後は適当(写真は構造がわかりやすいように「ふた」の真下のハムを取りのけて撮影しています)。「土台」に乗せただけだとかなりカサがあるように見えます。特にカリカリベーコンを具に加えた時は絶望的にかさばりますが、けっこう圧縮されるので心配ご無用。
そして、思いっきりかぶりつきます。決してパンをナイフで切ってお上品にいこうとしたらダメです。かえって悲惨なことになります。がぶっといって一呼吸おいたら塩味と酸味と辛さ、それに脂と発酵食品独特の味が渾然一体となり至福の時を迎えることができます。これを2-3個食べれば夜まで十分にエネルギーが持つこと請け合いです。ちょっとお下劣な食べ方かもしれませんが、サンドイッチ伯爵には感謝感謝。
3月17日   オーナー1の車選び
オーナー2が車の話題を書いてくれました。話の中に出てきた車たちは、一度はハンドルを握ってみたいものばかりでしたね。アラブの王様ならみんな買えますが、一般庶民には空想の世界の話です...

一般庶民は、ひとり1台の車を持つのが精一杯です。ひとりで車を複数台持てて、2台目以降は「運転を楽しむ車」とすることが出来る人たちなら、オーナー2が書いてくれた車を買えます。しかし、車好きだけど1台しか持てなくて、それを通勤や日常生活の中で使うことがメインになる場合の選択基準は違うものとなります。独身者や家族の理解がある場合は、その1台を「運転を楽しむ車」に出来ますが、なかなかそうはいきません。ハイパフォーマンスと価格も含めて実用性を兼ね備える車。理論的にあり得ないものを求めることになります。

実例その1
FRのアリストV300ツインターボで、高速道路をクルーズコントロールの最高速(メーター上で110km/h)で走っていました。突然、スコールのような大雨が降ってきました。実速100km/h程度なのに、私のアリストV300はハイドロプレーニングが現れ、お尻を振ってまっすぐ走ってくれません。仕方なく、クルーズコントロールを切り、タイヤがきちんとグリップしてくれるスピードに落としました。90km/h程度でした。雨でほとんど前が見えないので、それでも速すぎるぐらいです。そのとき、インプレッサSTIがすごい速さで私の車を抜いていきました。びくともせず、まっすぐ走っています。「日常の足として使うハイパフォーマンスカーは4WD以外あり得ない!」そう思いました。

実例その2
雨の日、私の前をFRのクラウン・アスリートが走っていました。私はそのすぐ後ろを4WDのレクサスGSで走っていました。クラウン・アスリートとレクサスGSは機械としてはほぼ同じものです。すぐ前に交差点があり、二人とも左にウインカーを出しています。そのとき、信号が黄色になりました。二人とも同じことを考えたようです。「加速すれば行ける!」 クラウンが加速したのに続いて私も加速しました。しかし、クラウンは交差点内で見事にスピンしました。私のレクサスGSはスピンしたクラウンをかわしながら、びくともせずに左に曲がっていきました。「日常の足として使うハイパフォーマンスカーは4WD以外あり得ない!」 そう確信しました。

私の車選びの基準は、まずはフルタイム4WD。日常の足とする場合、AT&クルーズコントロールも欠かせません。そして、強力なエンジンとそれを止められる強力なブレーキ&ハイグリップタイヤ(雨でも)。その基準でいくと3月1日に書いた「スバル インプレッサ WRX STI A-Line」(ブレンボブレーキ付き)1台しかありません。A-Lineの標準タイヤはRE-050Aです。AudiTTクアトロもいいですが、二人しか乗れない! 室内が狭いのに車幅が広すぎる! 高い!  GT-Rもすごくいい車ですが、車を1台だけしか持てない一般庶民おやじの場合は選択の対象外です。A-Lineなら、ひとりでドライブを楽しむときも、混雑する道の通勤でも、家族4人でレジャーに行くときも不満なく使えます。

エンジンパワーにものをいわせて、力ずくで走る車はこれから減っていくと思われます。そういう車に乗るのはためらわれる時代になるかもしれません。8年ぐらい前にアリストを買ったときもそう思い、これが最後と思って買ったのですが、まだいっこうにそうはならないので、もうしばらくは大丈夫かもしれません。これから出てくるハイパフォーマンスカーに期待するのは、ハイブリッドターボ。モーターは発進加速専用として低速域のみを担当、ターボが効き始めたらエンジンのみで加速する。バッテリーの容量はフル加速2回分でいい。加速後は速やかに発電機を回して容量の6割程度まで充電する。その後、回生の機会があれば回生でフルチャージまで持って行き、フルチャージ時は回生も発電もしない。それでも世間受けのいい「ハイブリッドカー」の仲間になります。
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3月15日   車雑感  〜現実的かつ理想の車〜  その2
以下は私の経験と主観です。
エンジンに関しては今まで所有したなかでは(あるいは長期にわたり借用)、最高のものはアルピナの直6自然吸気エンジン (3.3L)でした。米国用M3鋳鉄エンジンをベースとしたものです。言葉では表現できません。シルキーとかデッドスムーズとかそんなレベルではありません。アルファロメオの四つ葉のクローバーの付いた昔のV6はとても官能的でしたが、アルピナはむしろ緻密で上質、全てが超高次元でバランスされている感覚です。ロングストロークでピストン速度は非常に高いのに荒々しさは全くありません。官能ではなく気高い美しさを感じます。このエンジンを搭載したアルピナグリーンのB3 6MTに乗っていましたが、本当に幸せでした。諸般の事情でこの車から降りましたが、ドナドナされていく後ろ姿を時々思い出します。

ではハンドリングでは・・・944turboが最高だと思います。後期型ではABSが装備されたり出力が220HPから250HPに上昇したりしていますが、ハンドリングに関しては前期型の方が良いかもしれません。キャンパー角など細かく変更されていたようです。メーターの針も赤とシンプルで当時では珍しかった純正のブリスターフェンダーがとてもかっこよかったです。今思い返しても運転をして凄く楽しいとても良い車でした。
わくわく感があるのは・・・なんと言ってもランチャデルタインテグラーレでした。2段ロケット式のわかりやすいエンジンと4mを切る全長、それを後輪よりのトルク配分で4輪を駆動することが特徴です。本当に麻薬のような車です。エンジンをかけた瞬間からワクワクドキドキします。これがいわゆる大衆カルトカーの始まりかもしれないです。シフトダウンをしてターボバンドをキープすると脳がアドレナリンとエンドルフィンの海に浮いているような状態になります。衆知のごとく電装系は弱くヒューズをいくつも準備していましたが車体は意外と頑丈でした。
後席も含めて最高のバランスは・・・。W124 500Eでしょう。5L V8の巨大なエンジンですが、前後の重量配分はなんと50:50です。ブレーキが弱点という人もいますが私には十分の性能でした。ハンドリングレベルもその車体からはとても想像できないくらいの高さです。964Carrera4よりもコーナーリングは気持ちよかったですね。滑った時の電子制御の介入は必要最小限で出力を絞るというよりは凄く細かいブレーキコントロールだったような気がします。ブリスターフェンダーと低い車高が特徴的でかなりの迫力です。私はいわゆる坊主頭ですが、特にサングラスをかけた時はまわりの車がとても優しくしれくれました。

で、今はというとBMW135iでおとなしくしています。この車とはまだつきあいが浅いので何とも評価ができていませんがともかく運転の楽しい車です。購入時の対抗馬はTTでしたがエンジンのフィールでこちらにしました。トルクカーブは私の好きなフタコブラクダではなく、現代的に完璧に調整された台形ですが、ほとんど無いターボラグと豊富なトルクのために大排気量エンジンのような感覚に陥ります。出力特性が台形型はどうかなと危惧しましたが、絶対的な高トルクでとても乗りやすく意外に楽しいエンジンです。トランスミッションは明らかにTTの勝ちですが、エンジンでは間違いなく135iに軍配が上がります。さすがに会社名に「エンジン」が入っているだけはあります(ヤマハ発動機みたいなものでしょうか?)。ランフラットタイヤもずいぶん改良されているようです。気になった点の一つに「運転席の足元」があります。私は6ATですが、ペダルが3つのMTだと狭すぎでしょうか。

もし2台の所有が可能で1台はファミリーカー、もう1台と私のプライベートカーとする場合、ATと2ペダルマニュアルの条件で少し現実的な値段で選択するならば・・・いくら考えても積極的に選択する車はありませんでした。理想は135iの2ペダルマニュアルにアルピナのB3Sのエンジンを搭載したアルピナグリーン(エメラルドグリーン)またはアルピナブルー(サファイアブルー)です。実際に最も近い車は・・・強いてあげると135i with 6ATでしょうか・・・。もっと稼ぎがあってもE92 M3 2ペダルMTは大きすぎるし私の腕では楽しめないかもしれません。MTでも可で旧車が新車で手に入れることができるならばアルピナB3Sクーペでしょう。まず手が届きませんが、B8 4.6も最高だと思います。あと、944 turboも候補です。

これで現実的金額や台数の制限もなくなるとまさにカオス状態、妄想が暴走します。フランスのアルピーヌも魅力的ですし930 Carreraも楽しいです・・・。いっそのことナローボディーの911にまで遡るか、とするとアルファロメオのGTAにも乗ってみたいし・・・。30年前にもどってアラブの王様になるよりほかに解決法はありません。
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3月13日   車雑感  〜現実的かつ理想の車〜(by オーナー2)  その1
オーナー2はオーナー1と同様に実は車が好きです。私が夜寝る時の妄想のパターンはいくつかありますが、その一つが車です。たった1台しか許されないならば・・・もし2台許されるならば・・・かりに3台の所有が許させるとしたら・・・キリがありません。そのうちに妄想に疲れて寝てしまうか、そのまま暴走して覚醒してしまうかは、日によって変わります。

私は自分で運転している実感のわく車が好みです。そのためにはほどほどの大きさでなければなりません。また日本車の自主制限速度までスムーズにストレス無く達しなければダメです(その近辺の速度で巡航するようなことはないです、念のため)。余力は安全に繋がると思っています。ブレーキは強力な方が望ましいのですが、暖まらないと効かないレーシング系ブレーキは願い下げです。ギヤボックスの種類は問いません(現在は家族が運転できるようにクラッチ操作が不要なタイプにしています)。パワステも肯定派です。屋根はないと困ります。天候ではなく、転がった時の安全確保です。必ずしも四輪駆動である必要はありませんし、オートクルーズは付いていればよいという程度です。パワー伝達効率はそれほど重視していませんが、常識の範囲内です。


いろいろと条件を挙げましたが、要は少々小振りで気持ちよく運転できる車が好きだと言うことです。なかでもハンドリングとエンジンの(パワーではなく)スムーズさとトルク出力特性は優先順位が高いようです。でも、今の日本ではこれに合致する車はなかなかありません。オーナー1もずいぶん悩んでいますが、私も悩みました。該当車両が少ないのです。ランエボとインプレッサはちょっとデザインで引いてしまいます(最近のインプレッサは許容範囲内に収まりました)。S2000は屋根がありません。レクサスIS350はとても良い車ですが、今一つワクワクしませんでした。レクサスIS-Fは凄いのですが、面白味を感じることができませんでした。この車はやり過ぎといえばやり過ぎだし、少し中途半端かもしれません。新しいGT-Rはランニングコストが高すぎることとレーシングカーのデチューン版というか、あれはもうすでにスポーツカーの枠ではないと思います。性能を考慮すると車体価格のコストパッフォーマンスは非常に高いことは明らかです。あの車に欠点があるのでしょうか?新しいZについてはまだあまり情報を持っていません。

エンジンだけにフォーカスすると・・・個人的には現在の国産ではIS/GS350のエンジンが最高だと思います。出力ではなくトルクの山の形がフタコブラクダになっていて(ターボの2段ロケットとは違います)、実際に運転してみましたが本当にいい気分です。ポルシェも944turbo (951) / 911Targa (930) / 911 Carrera 4 (964)などは所有していましたが、このトヨタ(ヤマハ?)のエンジンは少なくとも気持ちの良さでは930の非常に調整され少し手が入ったエンジンに匹敵するぐらいだと思います。今のケイマンのエンジンよりは好きです。フェラーリの12気筒などと比較してはどうかというと、それは経験がないので分かりませんが・・・。


                              ・・・ つづく
3月7日    忙しい仕事一段落
オーナー1の忙しい仕事が一段落しました。しかし、まだ先は長そうです。でも、これからなら風邪をひいても許してもらえそうな状況になりました。人間の体というのは、気持ちの持ちようでなんとでもなるということを証明するかのように、そういう状況になったとたんに風邪の症状が出てきました。今週末は寝て過ごすことになりそうです。
2月22日に書いた体重減少は、3kgまでで止まってしまいました。忙しさにも3週間たつと体が慣れてきて、仕事の効率もよくなってきて、普通に出来るようになります。そうなった後は体重は減りませんでした。残念!

一段落したとはいえ、これまで一切出来なかった他の仕事もたまっています。忙しい状態は、4月いっぱいぐらいまで続きそうな感じです。

オーナー2の方は、いま、ウイーンにいます。観光旅行に行っているわけではなく、オーナー2が所属している学会の国際会議に出ています。オーナー2が忙しかった理由の大半はこれなので、帰ってくれば多少の休養をとれるのでしょう。オーナー1も、少なくとも土日祭日は休みになるので、余裕が出てきそうです。3月後半に入ったら、楓林舎に行って、おいしい食事を食べ、おいしい酒を飲んで、きれいな星を見ることを楽しみに、今、頑張っています。
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3月3日    ひな祭り

我が家では去年から、コの字型になっている階段の真ん中にひな人形と五月人形を飾るようにしました。こういうものは部屋の中に飾るとけっこう場所をとります。ここなら元々のデッドスペースだし、空中にあるので全くじゃまになりません。

台となる約90cm角、厚さ24mmの合板を3点で支えています。1点は階段の縁、2点目は下からの支持棒、3点目は上から吊る形の棒。とりあえず、人ひとりならのっても壊れない強度があります。

この場所というのは、玄関を入ると真正面なので、来た人にけっこう好評です。



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3月1日    スバル インプレッサSTI A−Line
現在、お星様から遠ざかっていて何も話題がないので、ふと新聞とWebで見た自動車の話を書きます。

スバルから「インプレッサ WRX STI A-Line」が発売になりました。
2.5Lシングルスクロールターボ、300馬力、トルク350N.m、5速AT

「うーん」ですね。スバルの2Lエンジンが308馬力、トルク422N.m出しているのに、2.5Lでこれですからね。これは、スバルのオートマチックトランスミッションのせいです。レガシーに使っているATの最大許容入力が350N.m。これをインプレッサSTI に載せたのでしょう。2.5Lエンジンならもっとパワーもトルクも出せますが、オートマチックトランスミッションがそれに耐えられません。しかたなくこのスペックになったのでしょう。スバルには、450N.mぐらいまで耐えられるATを早く出してもらいたいものですが、なかなか出てきません。だったら三菱のようにドイツの部品メーカーからツインクラッチMTを買えばいいのに。

しかし、「インプレッサ WRX STI A-Line」は、レガシーに付いているSI−Cruiseこそありませんが、普通のクルーズコントロールが付いています。とりあえず私が理想的と思える車に、ギリギリですが国産車で唯一、合致するものとなりました(フォルティス・ラリーアートは不合格となりました)。A-Lineを買う場合は、当然、メーカーオプションのブレンボブレーキ付きです。標準の18インチ8.5jホイールは洗いやすくて良さそうですが、重いので、プロドライブのGC-06Hに替えます。メーカーオプションのBBSホイールは、洗うのが大変そうなのでやめた方がいいでしょう。余ってしまう標準ホイールにはスタッドレスタイヤを付けます。ただ、スタッドレスまで245/40-18というのはちょっと・・・です。

今年の秋にインプレッサSTIとランエボがマイナーチェンジするはずです。ランエボ・ツインクラッチSSTにクルーズコントロールが付けばランエボを、インプレッサWRX STI にツインクラッチMTが付けばインプレッサを、どちらもなかったら、このWRX STI A-Lineを買うことにします。


小さくて高性能な車というのは、なかなかないものですね。
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2月22日   オーナー1は元気です
オーナー1は、ここしばらく、このサイトへの書き込みをお休みしてますが、とりあえず元気です。この間、オーナー2が原稿を書いてくれています。しかしながら、オーナー2も多忙な毎日を送っていて、そろそろ更新がなくなりそうな...

現在、オーナー1は半年分相当の仕事を2ヶ月間でやってます。それが本格的に始まって3週間が過ぎました。この3週間は、週に1kgづつ体重が減っていくというダイエット効果が出ています。このまま行けば、2月・3月で8kgほど体重を減らせそうです。今の仕事が終わったときには理想の体重になっているかも・・・ 
いっしょに(別部門の)仕事をしている業者さんに「途中で倒れないでくださいね。」といわれますが、当面大丈夫そうです。自分が今倒れると、おおざっぱに言って1万人の人が迷惑を受けるので、その責任を感じているうちは風邪も引かないし倒れもしません(←という気がしてるだけですが)。自分の体というは、気持ちの持ちようでなんとでもなるものだということをこれまでの経験で感じているので、今回も何とでもなるものと思っています。

春になったら、またのんびりと星を見たいですね。いま、ルーリン彗星というのが地球の近くに来ているそうですが、「また後で来てね (^_^)/~ 」という感じです。
写真は、栃木県在住の星仲間、高橋さんが宇都宮市郊外で撮影したルーリン彗星
TOA150+レデューサー、Canon EOS Kiss Digital N ISO800 3分露出     
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2月17日   ファインダー考 3 (完)
まとめると私の場合、基本はレーザーファインダーであたりをつけて、それを双眼鏡でさらに追い込み、主望遠鏡の低倍率視野内に対象を導入するという手順です。双眼鏡での追い込みは省略することもありますし、これを光学ファインダーで行うこともあります。
サイトファインダーから始めるときは、サイトファインダーであたりをつけて(次の対象確認ステップを光学ファインダーで行う場合もあります)、それから対象を主望遠鏡へ導入します。

全く別の使い方ですが、何人かで遊ぶときにもレーザーファインダーは便利です。誰かが目的の天体を導入してそれをレーザーで指し示せば、後はそのレーザーの尖端を各自の望遠鏡で探すだけです。この誰かが自動導入システムの望遠鏡になったり、人間エンコーダーであったりします。こうしてみると、私はあまり光学ファインダーを使いません。決して光学ファインダーが嫌いなわけではありません。その理由は、私の望遠鏡が比較的広視界を実現しているためでしょう。実視界が0.5度になると、さすがに光学ファインダーが欲しくなります。

久しぶりにおもちゃ箱を開けてみると光学ファインダーもかなり貯まってきました。そのうちにアルミプレートに光学ファインダーを10本ほど同架してそれぞれの見え味を堪能したいと思っています。
   ・・・ 完


[オーナー1の蛇足]
たぶん写真にある銀色のが30mWレーザーファインダーだと思います。なんでそんなすごいものを持っている!? ・・・という疑問はさておき、「30mW」ってどれくらいの明るさかわかりますか? ディズニーランドでシンデレラ城に絵を描いているのが50mWぐらいかなと思います。30mWレーザーを持ってディズニーランドに行けば、レーザーで描く絵に割り込んで、ショーを台無しにするという悪質ないたずらができます。
そういうすごいレーザーで月を指していたら、外から見ている人はどう思うでしょう? 「月から緑の光があのマンションのあの部屋に・・・!」 「あそこはかぐや姫の家か!」   30mWレーザーがM78を指していたら・・・  「あれがウルトラマンの家か!」 (←それはない!) 
みんな「なにあれ?」とは思うでしょうが、「あそこにはすごい人が住んでいる」と思われるかもしれませんが、悪い印象は持たないと思うので、オーナー2には明るいレーザーを思いっきり空に向けて、近隣住人さんの興味を引いてもらいたいと思います。
空の暗いところならば、5mWレーザーで十分ファインダーになります。オーナー1は、5mWと20mWを持っています。ひとりで使うときは5mW、観望会の時は20mWを使います。地表付近にモヤが出てしまった夜に、20mWレーザーで遊ぶとスターウォーズのライトセーバーです(セーバーをドイツ語発音にするとサーベル)。レーザーで遊ぶときは光を上に向け、絶対に水平方向には向けないこと! 飛行機にも注意!

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2月15日   ファインダー考 2
近くに写真撮影の人がいない場合は、レーザーファインダーを選択します。通常は次のステップとして、主望遠鏡の低倍率視野で対象を確認します。レーザーファインダーと主望遠鏡の間に、双眼鏡で確認するステップを踏むこともあります。双眼鏡で見ると、目的天体とレーザーの尖端の両方が見えます。双眼鏡を覗きながら望遠鏡を操作し、レーザーの尖端が目的天体に当たるようにすれば望遠鏡の視野内に入ります。以前はレーザーの確認を光学ファインダーで行っていたこともあったのですが、散開星団や少し明るめの対象などは双眼鏡で十分認識可能だし、これだと双眼鏡観望もでき一石二鳥です。レーザーファインダー+双眼鏡、私が一番好んでいるパターンです。

ただし、レーザーファインダーにも欠点があります。一つ目は低温に弱いこと。0度近辺になるととたんに出力が低下します。これは特に30mW以上の高出力レーザーポインターでは顕著です。出力が低下するとグリーンレーザーがレッドレーザーになりそして全く確認できなくなります。対処法は保温と加温です。タオルでくるんだり、出力が低下した時に豆ドラなどで加温すれば簡単に回復します。また、あまりにも大気が澄みすぎ透明度が非常に高い場合は、大気の塵がないためにレーザーが乱反射されず、レーザー光が認識しにくくなります。このような夜はなかなかありませんが、そのような時は双眼鏡が役に立ってくれます。
レーザーファインダーといっても、筐体がレーザーポインターそのものの場合、ボタンを押している間しか発光しません。観望会で手で持って星を指すには便利ですが、ファインダーとしては不便なので、このタイプの場合はクリップで押さえることにしました。

次はベランダ観望です。光害の程度によりますが、サイトファインダーは厳しくなります。ただでさえ星が見えない環境では、サイトファインダーのガラス越しに見える星はめっきり減ってきます。私の自宅からではがんばって2等星程度でしょうか・・・。3cmの光学ファインダーでもどこを見ているのやら、見当がつけにくいことこの上ない状態です。このような時の救世主はレーザーファインダーです。大気のあまりきれいではないベランダでの観望では、レーザーがよく分かりやすい利点もあります。月・惑星、明るい星雲星団の観望には十分です。たとえ対象が見えなくてもだいたいこのあたりと見当をつけ、主望遠鏡で確認すると、意外と導入されていることが多いようです。
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2月13日   ファインダー考 1 (by オーナー2)
天体望遠鏡で月・惑星(水・金・火・土・木)を観望する場合は、ファインダーの必要性をそれほど感じませんが、システムとしてはやはり、ある方が使い勝手が格段に向上します。しかも現在では様々なファインダーが選び放題という、30年前からすると考えられないくらい恵まれた環境にあります。
では、太陽以外を対象とした場合に選択可能はファインダーを列記してみましょう。

まずはオープンサイトファインダー。これはライフルなどの照門と照星に代表されます。鏡筒バンドブリッジプレートの金具(ネジ頭)に蛍光塗料を塗って代用も可能です。ファインダーを忘れてしまったときなどはとても有効です。
さらに進んでサイトファインダー。これは無限遠にドットや何らかのパターンを投影するものです。テルラドファインダーや笠井トレーディング扱いの米国Rigel社製クイックファインダー、テレビューのスタービームなどが代表です。ほとんどが等倍ファインダーとなっています。以前には、これに低倍率広視界光学系を組み合わせた製品もありました。
子供に受けがよいレーザーファインダーもあります。これは強力なグリーンレーザーを星空に向けると星を指さすことができます。出力5mW程度のペン型レーザーポインターを流用していましたが、残念ながら現在の日本では、製品としての販売が規制されており入手不可能です(もちろんそれをくぐり抜ける手段などもあります)。
それと最も一般的な光学ファインダー。通常の倒立像や正立像のもの口径も大から小まで様々です。タカハシのSky90がファインダーだと豪語する強者もいらっしゃいました。

ファインダーの選択は、運用する環境により変わります。6等星まで見える環境とベランダとに分けて考えてみます。主望遠鏡で得られる最大実視界は約1度弱の設定です。
最初のシチュエーションは理想的な星空観望環境です。近辺に写真を撮影する人がいる時はサイトファインダーのみで、次の段階は主望遠鏡の低倍率視野での確認です。これでまず問題はありません。非常に効率的に導入が可能です。月・惑星や明るい星雲・星団は問題ありません。主望遠鏡の視野が2度程度だとサイトファインダーで1度以内に絞ることが可能なので、慣れたらかなり暗い対象でもいけます。ただし、サイトファインダーには問題点もあります。それはガラス(レンズ)の透過性と投影されるパターンの明るさです。ガラスの透過性が悪いとパターンは見えても目印となる星ががっくりと少なくなり役に立ちません。またパターンが明るすぎると星の光が見えなくなります。私が使った中にはパターンが明るすぎる製品もありました。昼間の使用を前提にした製品の流用もあるからです。さらにはガラスが夜露で曇ることもあります。これについては専用の発熱体もありますが、豆ドラ(12Vで動く小型ドライヤー)対応が最も簡単です。









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2月11日   Sky90双眼望遠鏡リファイン計画 3 (完)
まずは架台のリファインです。HF経緯台をやめて、テレビューF2経緯台をワイド化したものを利用します。ワイド化キットが出ているのですごく楽です。私がすることは鏡筒バンド取り付け用の穴とハンドル用の穴のバカ穴計6個をあけるだけです。オーナー1なら自前の工作機械であっという間に穴を開けてしまいます。私は結局スコープライフの遊馬氏に依頼しました(ついでにビクセン三脚用雲台アダプターも短縮してもらいました)。
ヘリコイド式への改造はもっと簡単というか、私には何一つできません。松本氏にEMSヘリコイドタイプへ改造していただきました。何とも他力本願なりニューアルです。

写真を見ていただくとわかるようにとてもシンプルな構造です。鏡筒とF2経緯台部分に簡単に分解可能です。しかも組み立て後の両側鏡筒の光軸再現性は十分保たれています。接眼部のアイピースアダプターは、純正のタカハシからバーダー製のClick Lock Eyepiece Clampに変更しています(これは最高です。少なくともタカハシ純正には戻れません)。少しハンドルが長すぎますが(そのうちに変更予定)、私がほぼ理想とする小口径アポ屈折双眼望遠鏡が完成しました。 

まだほとんど運用していませんが、これで天の川下りをすると相当おもしろそうです。雲のかかった月をベランダで酒を飲みながら眺めるのもオツなものでしょう。100倍双眼で見るM42の全景もおすすめです。自画自賛のきらいもありますがご容赦ください。ちょっとした改造にしても新しい機材はうれしいものです。

どうでしょう、小口径屈折ならば比較的簡単に双眼望遠鏡の世界に踏み入れることができることがわかりましたか? (これも松本氏が日本人であったおかげです)
一歩踏み出すと違う世界が待っていますよ。
2月10日   Sky90双眼望遠鏡リファイン計画 2
双眼望遠鏡は、もちろん松本式EMS仕様です。とにかく手軽に広い実視界が欲しかったので鏡筒は対物焦点距離が500mmのSky90を使用しました。上手いこと中古で2本手に入ったこともその理由の一つです。このSky90だとPanoptic24mmで3.1度x20.8、瞳径4.3mmとなります(2インチアイピースによっては双眼にもかかわらず5度程度になります)。これは私が求めるスペックを十分に満たします。
いくつかマイナーな改良をしながら最後に行き着いた仕様は松本式EMS-Sky90双眼望遠鏡@平行移動式目幅調整機構、HF経緯台式架台でした。鏡筒まわりの改良点は特製鏡筒バンド、分割式ハンドル、下駄式台座(目幅調整部をクリアーするようにクレードルのサイドプレートが下に長くなっています)などです。これはこれで使いやすくて気に入っていたのですが、Sky90にHF経緯台が少し大げさに感じるのも事実です。

このEMS-Sky90双眼望遠鏡をしばらく使用していましたが、冬場で星を見に行く機会が減ったことと、仕事が忙しくなったこともありSky90双眼望遠鏡リファインを実行に移すことにしました。コンセプトはコンパクト&シンプル双眼です。実際の変更点は、

・ 平行移動式目幅調整機構を可動部分および部品点数の少ないヘリコイド式へ変更
・ それに伴う架台の変更
                           − つづく −

補足説明
人によって両目の間隔が違います。双眼望遠鏡は双眼鏡ですから、目幅調整が必須です。双眼望遠鏡の場合、そのやり方が2通りあります。ひとつは、片方の鏡筒全体を平行移動させて調節する方式。もうひとつは、ヘリコイド式(もしくはクレイフォード式)。鏡筒は2本とも固定しておき、松本式EMSで写真の白矢印の部分が直進ヘリコイド(もしくはクレイフォード)になっています。この部分を両側とも同じだけ伸び縮みさせてアイピースの間隔を変えます。しかし、ここにヘリコイドやクレイフォードを挟むと光路長が増えて、既製の接眼部ではたいていピントが合いません。しかし、太い鏡筒の場合、ここを長くせざるを得ないのでそれが成り立ちます。
ついでながら、双眼望遠鏡は2本の鏡筒(2本の光軸)を常に平行に保たなくてはなりませんが、諸々の理由で微妙なずれが生じます。松本式EMSには、光軸調整機構が組み込まれています。写真の青矢印部分のネジ2本。それぞれのネジで、ミラーがX・Y方向に傾きます。アイピースを替えるだけで光軸がずれることがある(EMSのせいではありません)ので、その都度、ここを調整します。2本の鏡筒の平行のズレが、ここで調整可能な範囲内ならOKです。
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2月8日   Sky90双眼望遠鏡リファイン計画 1 (by オーナー2)
私はいろいろなバランスを考えると、10cmクラスのアポ屈折は最高の1本だと思います。10cmアポ屈折ならばシーングにも比較的強いし、比較的軽量なので年を取っても無理なく扱え、高稼働率を維持できそうです。月も惑星もそこそこの高倍率で細部を楽しむことができるし、低倍率では視野が美しい星像で埋まります。天の川などを低倍率で流すと最高の気分です。これは病みつきになります。とてもよいストレス解消になり精神衛生上も望ましい結果となります。
で、天の川下りを双眼でするとどうでしょうか。もうたまりません。まさに禁断の果実です。一度でも双眼で天の川下りをすると、もう単眼に戻れません。私にとっては観望の必須条件に近いものがあります。

双眼を実現するには2つの方法があります。いわずとしれた双眼装置と双眼鏡(双眼望遠鏡)。もちろん双眼装置も手軽ですばらしいのですが、低倍率広視野(広い実視界)を実現するには不都合もあります。広い実視界を得るためには低倍率が必要となり、したがって等倍仕様が望ましいのですが、既製品でこれを実現する鏡筒はとても少ない。また望遠鏡のF値によってはプリズムの色分散が気になる場合もあります。さらに、視野環による限界もあります。等倍仕様にしても特殊な2インチタイプの双眼装置でない限り実視界は1.25インチのアイピースの視野環径に規定されます。

では、現在の日本に、実視界3度程度の美しい広視野が楽しめる10cmクラスの高品質対空双眼望遠鏡の選択肢は、どのようなものがあるでしょうか?
コーワの8cm対空双眼鏡ハイランダープロミナーが唯一の選択肢でしょう(もはやこれは対空双眼望遠鏡だと思います)。その他にはオーナー1も所有している宮内製の10cmフローライト対空双眼鏡がありました。そしてそのEDレンズ版もありましたが、残念ながら両者とも生産中止となっています。コーワハイランダープロミナーが購入できればよいのですが、さすがに高価です。となれば自分で何とかするしかありません。

ということで、10cmクラスの双眼望遠鏡を作りました。それが初代Sky90双眼望遠鏡です。


          写真は、リファイン前のSky90双眼望遠鏡。その奥にあるのはミヤウチ10cmフローライトアポ双眼鏡。
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2月6日   ベランダ観望計画 4 (完)

−システム選択 決定編−

ずいぶん悩みましたが、使用経験のあるAlter 7Nの鏡筒内迷光処理が凄かったこと中央遮蔽が十分小さいことを考慮して、何も改造する必要のない(改造の余地の無い)Alter-N140DXに決定しました。でも、理論的に中心像無収差のニュートン式とまだ覗いたことのないOMC200には未練がたっぷりです。

双眼望遠鏡は、ベランダ用にタカハシSky90をF2ワイドに搭載するべくリファインすることにしました。今まではHF経緯台ベースで、平行移動式目幅調整機構でした。リファインのコンセプトはコンパクトアポ双眼です。Sky90そのものの光学性能は最高レベルではありませんが、双眼視による効果は絶大であまり気になりません。また、TEC製3枚玉の110mm/715mm (F6.5)の屈折望遠鏡は等倍で双眼装置が使用できるように改造してあります。
と言うことで、私のベランダシステムは、

・AYO経緯台搭載Alter-N140DX
・Sky90双眼望遠鏡(リファイン中)
・AYO経緯台(またはF2経緯台)搭載TEC製110mm/715mm3枚玉屈折等倍双眼装置仕様

の3台になりました。いずれのシステムも鏡筒の順応時間を除けばセッティング・撤収は3分以内です。手動追尾なので、倍率は最高でも200倍程度が目処です。これでベランダ観望の環境は整いました。いずれ、オーナー1宅のOMC140や天文台近傍にあるC6、AP130、NP127などとサイドバイサイドで見比べてみたいですね。

十分にベランダで月と惑星を楽しむことができるか、一番の障害は観望する私自身の気持ちの持ちようかもしれません。仕事から帰って星を見る気力があるのか無いのか・・・。
たかがベランダでの観望にこだわりすぎなのではとの意見もありますが、まぁ趣味の世界です。なまあたたかい目で見てやってください。
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2月4日   ベランダ観望計画 3

−システム選択 鏡筒編−

いよいよ光学系の選択です。この段階が一番の楽しみです。
月・惑星を対象としたベランダ観望に適する鏡筒の必須条件を考えてみました。独断と偏見ですが、おそらくは迷光処理、小遮蔽、ベイン型スパイダーがポイントだと思います。
まずは迷光処理です。ベランダは迷光の渦の中心です。長めのフードと徹底した筒内の迷光処理が絶対条件でしょう。小遮蔽とベイン型スパイダーですが、コントラストの高い階調豊かな木星にはあこがれるので中央遮蔽はできるだけ小さくしたいところです。さらにコントラスト向上のためにスパイダーはベインタイプが条件になります。

最適な口径はどの程度でしょうか?ベランダでの劣悪なシーングの影響を考えると、口径は15cm以下が歩留まりがよいと思います。おそらく25cm以上になると、満足する夜は格段に減ってしまうでしょう。20cmは微妙なラインです。また、明るいので口径が大きいと背景の光も拾ってしまい、気持ちの良い視野が得られません。

鏡筒の長さも大切な条件です。窓ガラスを割ったりでもしたら二度とベランダ観望はできないでしょう。ベランダでの取り回しを考慮すると20cmニュートン式(ただしドブソニアンタイプ)、20cm以下のシュミットカセグレン・マクストフカセグレン、15cm以下のマクストフニュートン、10cm以下の屈折式に絞られます。
最後に私のこだわりがあります。私はできるだけ双眼で見たいと思っています。覗くことの負担が少なく長時間見続けることが可能で凄く楽しいからと言うのが理由です。双眼視に関しては双眼装置と双眼望遠鏡がその解です。双眼装置にするならば光量低下も考慮すると屈折では10cm以上が望ましく、それ以外の方式では15cm以上が欲しいところです。また双眼望遠鏡ならばベランダでの使用を考えると通常の10cm屈折はかなり厳しくなります。

20cm以下の候補を考えると、ニュートン式では英国オライオン20cm・15cmドブソニアンタイプF6以上、笠井NEROを考えましたが、残念ながら笠井NEROは製造中止との話を聞きました。もし英国オライオン製ニュートン式を選択した場合、フードは必須で、接眼部の対側など筒内の迷光処理はしつこくおこなわなければなりません。マクストフニュートンは大きさと重さを考慮すると、鏡筒回転装置の無いAlter N-140DXが候補となります。こちらは小遮蔽で迷光処理は高度です。シュミットカセグレンはC6が最有力候補です。特に最近のものはいい鏡筒で、小型の架台との相性は抜群です。ただし、中央遮蔽が30%を軽く超えます。ビクセンのVC200/VMC200はスパイダーが厚く中央遮蔽が大きすぎるので却下(ビクセンVC200は使用経験あり、VMC260は今も使用中ですがいい鏡筒です)。ミューロン210はすでに製造中止、ミューロン180も候補にあがります。精度・迷光処理も高レベルですが中央遮蔽が約33%です。OMC140は恐ろしくシャープな像ですが、中央遮蔽はミューロン180と同程度。OMC200は中央遮蔽や迷光処理が最高だと思いますが、いかんせん私には高価格すぎることが最大の問題で、また温度順応に不安が残ります。Alter7P/6Pについてはとても興味がありますが、残念ながらあまり情報を持っていません。
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2月2日   ベランダ観望計画 2

−システム選択 架台編−

まずは架台の選択です。大きく分けて経緯台と赤道儀ですが、一長一短があります。何せ家族の共有スペースのベランダなので、ベランダ中央に架台を置きっぱなしにするわけにはいきません。お許しの限界は、使用時にベランダ中央、使用後は隅の方に撤収だと思います。また、宇都宮の冬は寒いので、私の観望中は窓を完全に閉めた方が望ましいようです(窓から電源コードを出すことはできません。バッテリーなら可能ですが・・・)。

従って、理想架台の条件は、簡単セッティング・簡単撤収でコード類無し、カバーを掛けて置きっぱなしOK。三脚の位置を完全に決めてマーキングするならば、小型赤道儀GPDクラスまでは大丈夫かもしれません(写真は撮りません)。
私がベランダでラフに使える赤道儀は、ビクセンGPD-SS2000とタカハシP-2、ビクセンポラリスです。

一方で、経緯台はほとんど制約がありません。ちなみに経緯台はテレビューF2(ワイド&M)、ビクセンHF経緯台、AOK AYO経緯台、iOptron mini tower、セレストロンC8/C6用自動導入片持フォーク経緯台(ネクスター)があります。赤道儀では搭載重量を考えるとGPDですが、SS2000コードとセッティングの手間が煩わしいので却下。
経緯台はというと、電動は同じくセッティングの手間があるので、
iOptron mini towerは良いのですがひとまず却下。

結局はAYO経緯台、またはF2経緯台の
手動経緯台に落ち着きました。
もし手動のGPDクラスやEM-11/10, GM-8を持っていたらこちらになっていたかもしれません。


次回は −システム選択 鏡筒編− です。
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1月31日   ベランダ観望計画 (by オーナー2)
オーナー2は、やはり頼りになる人です。1月28日の記述を見て、すかさず原稿を書いてくれました。題して「ベランダ観望計画」。
長い文章を一気に送ってくれましたが、ここに小出しにしていきます。これでしばらくは、毎日、このWebサイトを見に来てくれる人をガッカリさせずに済みそうです。では、その序章を。(以上、オーナー1)


ベランダ観望計画 −序−

南会津に位置するななつがたけ北天文台の星空は最高ですが、冬場は晴天率が低いことに加え、雪のために深夜の移動はちょっと怖い時もあります。ということで宇都宮市中心部にある、自宅賃貸マンションの幅1m程度のベランダでなんとか星空が楽しめないか、ジタバタしてみることにしました。

ベランダ観望にはいくつもの障害があります。もちろん場所が限られることや、鏡筒の順応時間は長くても1時間程度(食事の時間中に順応完了)などですが、その他にもいくつかあります。
まずは視界です。5階ベランダの視界は南側が完全に開けており、カノープスも確認可能、富士山や筑波山がキレイに見えます。しかし、ひさしのために高度は限られます。オリオンの頭は何とか見えますが、シシの頭までは見えません。したがって夏場の太陽はアウトですし、白道が高い時には、月を好条件で見ることは困難です。
光害の影響も甚大です。栃木県の宇都宮とはいえ、中心部ではかなりの光害があります。ただ、夜半を過ぎればオリオンの鼓を形成する星は確認可能です。幸いなことにレーザーやサーチライトは視界内にありません。当然ながら近隣の街灯や室内の明かりにもさらされます。
関東地方のシーングは褒められたものではありません。特に冬場はジェット気流が真上に居座ることが多いようで、かなり悲惨です。ジェット気流が南に下がってくれると今度は雲が発生します。また、ベランダは5階なので地上付近の気流の乱れはありませんが、集合住宅特有のエアコンの熱交換機による気流の乱れは顕著です。

以上より、主な狙いを条件のあまりよろしくない月と惑星、がんばって二重星に絞りました。星雲・星団は、M42などの例外を除いてほとんど対象になりません。このような場所でDSOを見ることは、あまりにも自虐的だと思います。



写真は、栃木県宇都宮市にあるオーナー2のマンションベランダから見た南西方向。
中央やや右に富士山が見えています。




次回は −システム選択 架台編− です。
お楽しみに。
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1月28日   オーナー1活動休止
オーナー1の本業が非常に多忙になりました。公共機関から、常識では考えられない無茶な仕事の依頼が来てます。それでも、私のところではやってしまいますが。でも、そのため、他のことは一切できなくなるので、3月初旬までこのWebサイトの更新が少なくなると思います。毎日、もしくは頻繁に訪問してくれている皆様、ごめんなさい。

ななつがたけ北天文台は深い雪の中で、ほとんど行くこともありません。春になったら、またお星様関係の活動を再開します。それまで、この
Webサイトとななつがたけ北天文台は冬眠になります。
この状態を見かねて、オーナー2が何かここに書いてくれるかもしれません...(←ほとんど、何か書けという脅迫のような・・・)
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1月25日   レクサスGS バイバイ
3年間我が家にいたレクサスGSが、リース期間満了で、今日引き取られていきました。
かつては我が家にもレクサスがあったんだぞ! という証拠のために、写真を撮っておきました。

この車、とても良い車でした。ヤマハの3.5Lエンジンは、私的にはもうちょっとパワーが欲しかったですが、一般にはこれだけあれば十分すぎるくらいだし、どこからアクセルを踏んでも同じように加速していくエンジン特性も見事です。以前にも書きましたが、タイヤをブリジストン RE050 235/50-17 に替えてからグリップが良くなって、何もマイナスがなく、ベストマッチでした。品質的には、さすがレクサスで、何も文句ありません。助手席右足側にある前輪駆動用のギヤとシャフトによる出っ張り以外は。

我が家にいたこのGSは、外装に傷ひとつなく、洗車はレクサス店で手洗いしてもらっていたのでピカピカだし、内装もきれいで、RE050も半分以上残っているし、メンテナンスはきちんとされているし...
とても程度の良い中古車となりました。この車の持ち主は、レクサス宇都宮北店ではなく、トヨタファイナンスです。宇都宮北店が買い取ってそこで売られるのか、どこか別なところに行って売られるのか。大きい車が売れない時代になってしまったので、きっと後者でしょう。
これの替わりの車は買いません。エスティマ・ハイブリッドだけになります。エンジンパワーのある車が恋しくなりそうです。でも、妻が通勤に使っているレガシー2.0GTがあるので、たまに借りてそれで天文台まで行くことにします。

我が家のレクサスGS、バイバイ...(^_^)/~
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1月25日   土星

天文台からOMC140を持ち帰ってきました。これをGP赤道儀に載せてみたら、標準のバランスウエイトでぴったり! ベストマッチです。

今夜は、冬としてはシーイングがいい方で、土星がよく見えました。XW10mmを付けて200倍で土星を見ました。OMC140は、ピントの位置がシビアです。だいたいピントがあった位置で土星を見たとき、先日楓林舎で見たALTER-N140DXの方が多少良いかな、という感じがしました。条件が違うので、直接比較ができませんが、オーナー2が買ったALTER-N140DXは当たりだったようです。・・・ということをメールに書いてオーナー2に送ったら、OMC140の温度順応は十分だったか、という返事が来ました。

温度順応ね... 自宅には、温度順応に気を遣わなければならない鏡筒がここしばらくなかったので、そういう言葉を忘れていました。確かに、筒内気流っぽい土星像でした。今度は十分に温度順応させてから見てみましょう。



翌日、十分に温度順応させてから土星を見てみたら、前日よりもシャープでよく見えました。温度順応は大切ですね。鏡筒も架台も霜で真っ白になりますが。
シーイングも良かったようです。このところ、日本上空のジェット気流が弱まっている上にやや南に下がっているので、関東以北で惑星を見るなら今週です。
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1月18日   また新しい鏡筒が・・・
写真の鏡筒は、オーナー2が諸々の理由で勢いで買ってしまったそうです。
(株)笠井トレーディング扱いの INTES-MICRO ALTER-N140DX 14cmF6
直径比中央遮蔽率21.4%の小遮蔽マクストフニュートン鏡筒。
(架台の方が見たいという人のために大きな写真をリンクしました)

17日の晩、これのファーストライト。オーナー1・2で楓林舎に行き、ご覧のように五藤のマークXに載せて、気温−10℃の雪の中で観望しました。この日、宵の口まで雪が降っていましたが、その後、快晴になり、きれいな星空のもとで観望できました。イーソス17mmで約50倍、実視界2度。これで大型の星雲星団を、イーソス8mm105倍で月と土星、XW3.5mm240倍で土星を見ました。
右の写真には双眼装置が付いていますが、単眼で見ました。

結論として、この鏡筒、とても良いものです。この程度の口径の望遠鏡では、TOA130が手近にあります。これで観望する機会が多いので、その星像は良く覚えていますが、ALTER-N140DXの星像はTOAにかなり近いです。もちろん、TOA の方がいいですが、良くできた屈折鏡筒のような感じでした。像面がフラットで、中心も周辺も同じ位置でピントが合い、星像の大きさ(小ささ)もほとんど同じです。土星も、この時期ですからシーイングは良くはありませんでしたが、細い1本の線になっているリングがシャープに見えて、その影が土星本体に細い黒い線として映っていました。シーイングのいい瞬間には、土星の縞模様もわかりました。

もうひとつ、特筆すべきはコントラストの良さ、迷光の少なさです。鏡筒内壁、及びフード内壁には多数のバッフルリング(遮光環)がびっしりと配置されており、迷光を徹底除去しています。さらに接眼部の向かい側の内壁には、ヒダのように遮光環があります。これらは確かに効いています。月を見たとき、バックが真っ黒で、視野全体が明るくなったりしません。

イーソスアイピースは、「同焦点」ということは全く考慮されていなくて、ピント位置がそれぞれ全然違います。測ったわけではありませんが、8mmと17mmでは3cmぐらい違いそうです。普通のニュートン用接眼部だと可動範囲内に収まらないと思います。ALTER-N140DXには、DXマイクロフォーカス接眼部(二重ドローチューブ)が標準装備なので問題ありませんでした。


自宅で手軽に観望するには、高性能な光学系の付いたこのくらいの大きさの望遠鏡が最適です。鏡筒と赤道儀を分離すれば軽々と持ち運べるし、置き場所も家族から苦情が出るほどのことはありません。微動装置が付いていれば、経緯台でも十分です。
25cmドブだとその限界を超えてしまいますね。
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1月17日   すごいでしょ


オーナー2がこれだけ買ってしまいました
でも、これは決して贅沢ではないし、お金持ちの道楽でもありません。これで星を見ると幸せな気持ちになれます。そしてそれが一生続くのですから、みなさんもできるだけ早い時期に買うべきです。もちろん、これに見合う双眼望遠鏡も必要ですが。
13mm17mmの外径は同じです。 13mmで双眼可能な人は17mmでもOKです。
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1月15日    関東は連日快晴
写真はオーナー1の自宅屋上から見た北の空。雪をかぶった山は、左が男体山、右が女峰山です。女峰山の右奥にななつがたけ北天文台があります。
空のほとんどは雲ひとつない快晴なのですが、北の空の低いところ(写真に写っているところ)だけ、いつも雲がたなびいています。今日は冬型の天気にしてはここの雲が少ない方で、普通なら男体山も女峰山も見えません。これが日本海側からつながっている雪雲で、この下、つまり福島県の南会津は雪です。
関東地方はほとんど連日快晴。毎日すばらしい透明度の日が続きます。透明度はすばらしいのですが、シンチレーションは最悪で、望遠鏡に使える最高倍率は100倍程度までです。それ以上の倍率にしても、揺れているのがはっきりわかるだけで、細かいところは見えてきません。この場合、低倍率で星雲星団の観望をするしかありませんが、低倍率だと光害のため、バックグラウンドの光が増幅されて、淡い天体は見えません。見える天体も貧弱です。眼視用フィルターを付ければ多少は・・・

こういうときに使う望遠鏡と見る天体は何がいいのでしょうか? TOA130にバーダーの究極双眼装置とイーソス17を2個付けて約60倍、実視界1.7度。これをフリーストップの経緯台に載せて適当に夜空を流し、星像のシャープさを楽しむというのが風流でいいかもしれませんね。・・・あっ!ダメだ。イーソス17は2インチスリーブでした。そうするとイーソス13かXW20。その場合、実視界は1.3度か1.4度。・・・あっ!(←またか)イーソスはダメ。バーダーの接眼部には、イーソスを付けられないことはないけど、やめておいたほうがいいのでした。そうするとXW20で50倍、ひとみ径2.6mmの半分。
まあ、いいところでしょう。
ただ、鏡筒やアイーピースは天文台に行って持ち帰ってくればいいけど、TOAやVMC260が載るフリーストップ経緯台はこれから自作する予定!(←おいおい!) でも、完成する頃には冬が終わりそうです。
毎日快晴なのにすることがない・・・  月が大きいこともあり、すごく寒いこともあり、夜は暖かい部屋の中でごろごろしています。

天文台は今頃どうなっていることやら。12月下旬に行った後、3週間ぐらい行っていません。そろそろ足が見えなくなるくらいまで雪が積もっているかもしれませんね。ドームの上に積もった雪は、昼間、ドーム内のヒーターをタイマーで毎日ON・OFFして、溶かして落としています。しかし、スリット頂上だけはどうにもならなくて積もる一方です。これもある程度まで積もると、積もった雪のバランスが崩れて自然に落ちますが、かなりの重さになっています。それでつぶれることはない(はず)ですが、今度行ったとき、スリットの雪下ろしが大変そう...

(17日に行ったとき、雪下ろしに手間がかかりそうだったことと、ドーム内の湿度が高くて、35cm主鏡にすでに霜が付いていたので、ドームの使用はあきらめました)
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1月13日   天文業界
昨日、この「天文台日記」にも登場したことのある人と電話で話をする機会がありました。天体望遠鏡がらみの話を延々1時間以上話しました。私は長電話は得意なので3時間程度までなら問題ありません。ただ、電話機を持っていた腕が固まってしまい、電話を切った後、伸ばそうとすると激痛が走るだけです。その方は、天文機材についてはオーナー1・2とほとんど同じ考えを持っていて、ほとんど同じものを持っているそうです。そちらの方が、機材の数はずいぶん多いようでしたが。そういう、同じ考え方を持つ人と話をしていると無限に話が続きそうでした。

日本の天文業界を仕切っている人々には、ふたつのグループがあるように思います(「その他」があるので、少なくとも3つ以上ですが)。2つというのは、大天連グループと天文ガイドグループです。昭和機械の社長などは両方に属するのでしょう。いずれにしても、みんな40代・50代の人々です。私は前者に属しますが、昨日話をした方は後者です。日本の天文業界にはすごい人たちがいるんだなとあらためて感じました。そして、私たちが欲しがっている天文機材が近いうち手に入る気がしました。これで近い将来にすごく明るい展望が開けました。それと同時に、出所が気になっていた天文機材について、誰がどうやって商品化したのかもわかりました。

いろいろな話が聞けたので、うれしくてその後、オーナー2と電話で話をした際、ここでもまた延々話してしまって、2通話でチャージしたばかりの携帯電話のバッテリーが空になりました。

今回は関係者以外にはわからない内容ですみません。
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1月10日   25cmドブ その2
英国オライオン社の250mm鏡筒がいいと思うのですが、これの所有者に聞くと、鏡はいいが鏡筒が弱くて、たわむのがわかるそうです。
現在販売されているオライオン社のAGシリーズ、ODKシリーズは最初からカーボン鏡筒になっており、OMC140もテレビュー・ジャパンサイトの写真は金属鏡筒ですが、Orion Optics UK のWebサイトはカーボン鏡筒に代わっています。これを見るとニュートン鏡筒もカーボン製に代わりそうな気がします。強度的にはその方がいいだろうし、近くにいる人の体温で筒内気流が発生するようなこともなくなります。
また、惑星観測には良さそうな笠井のNERO20cmニュートン鏡筒ももう手に入らないようです。そうなると、オライオンのミラーを買ってバックヤードプロダクツに作ってもらうか、オライオンのカーボン鏡筒25cmニュートンを期待して待つか。
今すぐほしいわけではないので、魅力的な鏡筒なり、ドブセットが出てくるのを待つことになります。お金さえあれば、いくつかの望遠鏡メーカーにあたって、オーダーメイドで作ってもらえばいいわけですが、それほどのものでもないので、ここは気長に待とうと思います。でも、本当に欲しいのはドブ形式の自動導入・自動ガイド経緯台です。

安くて大きい望遠鏡は、いくつかの選択肢の中から選んで買えるようになりました。30年前の望遠鏡市場とは別世界になり、それはそれですばらしいことです。でも、良いニュートン反射望遠鏡はなかなか買えなくなりました。10cmクラスの良い天体用双眼鏡も買えなくなりました。いまなら、どこかでそれらを発売してくれれば、多少高くても、団塊世代おじさんと40・50代おじさんが買ってくれるはずです。それと、タカハシμ300ぐらいまで載る自動導入経緯台も1ロット50台くらいなら簡単に売り切れます。そういうものを作って売ってくれる会社は・・・?
既存の天体望遠鏡メーカー・商社を考えると、どこもいろいろな意味で難しそうです。お金と知識と経験のある人がいる異業種からの参入やベンチャー企業が現れて、「ちょっと高いけど良いもの」の生産・販売を5年間ぐらいやってくれると、日本中のそれを待っていた人に行き渡ります。もしくは、1億円ぐらいのお金を持っている人が、その一部を昭和機械あたりに出資してそういうものを作らせ、ビクセンの販売ルートにのせると、それなりのリターンが得られそうな気がします。販売先は国内だけではなく、全世界です。だれかやりませんか。星好きな三井物産の社員とかが片手間にやってくれるのが一番いいと思います。
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1月7日   25cmドブ
オーナー1・2は、いま、25cmドブソニアンを買う話で盛り上がっています。自宅に観測所を作る前に、お手軽に、でも、高解像度の惑星像を見ようとすると、25cmドブを買うしかない! という結論に達しました。「お手軽」という点では25cmまでです。でも、良くできたニュートン反射望遠鏡は高倍率をかけたとき、非常によく見えます。ですから、「良くできたニュートン反射鏡筒」を買わなければなりません。日本で普通に買えるものの中で、最も信頼できるニュートン反射はどれでしょう?
25cmドブなら、かなり安い金額で買えるものが増えてきましたが、オーナー1・2の結論としては、テレビュージャパン扱いの英国オライオン社の250mm F6.3 高精度ミラー&Hilux増反射コートオプション付き、です。「WHITEY DOB」などに比べるとかなり高くつきますが、高精度を期待して買える製品としては、これが最も妥当と思われます。右の写真は、テレビュー・ジャパンのWebサイトからのコピーで、この鏡筒はF4.8です。
光害のある自宅で使うには、F4.8ではなく、F6.3でなければなりません。鏡面精度やコマ収差の点からもF6.3の方がいいでしょう。ただ、その場合、鏡筒が長くなるので、ドブとしては扱いにくくなります。特に、車での持ち運びや自宅での収納性という点で、鏡筒が2分割できた方がいいです。そうする場合、鏡筒を2つに切って、簡単で、かつ光軸の再現性がいい接続法を考えなければなりません。これは、考えればいくらでも接続方法があります。その中で、最も安くて最も簡単な接続方法で、昭和機械とかヨシカワ光器とかで作ってもらえばいいことです。その際、接続部分にスペーサーを挟んで焦点の筒外引き出し量を調整できるようにすると、高倍率での惑星もOK、双眼装置もOKとなります。

これは経緯台であることに意味があります。この鏡筒を赤道儀にのせてしまうと、鏡筒回転装置が必要になります。接眼部だけを回転させるか、鏡筒全体を回転させるか、方法はいろいろありますが、「お手軽」ではなくなります。
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1月6日   40000
アクセスカウンターが40000を超えました。このサイトを見に来てくれる皆様、ありがとうございます。
40000という数字にはあまり意味がありませんが、いつ頃どのくらいのアクセス数だったのか、後日のための記録としてここに書いておきます。


なお、私はこの瞬間は見ていません。自分でこのWebサイトを見たときは4005?でした。右のカウンターの数字は偽造です。
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1月4日   自宅に観測所は・・・?
去年の最後の天文台日記に、再来年(2010年)あたりに自宅にも観測所を作りたいと書きましたが、早くもそれが揺らいでしまいました。
昨日、しぶんぎ流星群を見るために自宅屋上で5時間に渡り夜空を見上げていましたが、空の明るさにガッカリでした。天頂はかろうじて6等星近くまで見えていると思いますが、南の45度以下は東京方面の光で全くダメ。北東は宇都宮の光で30度以下がダメ。東〜南東も街の明かりでダメ。暗いのは北から西方向だけ。ここに望遠鏡を置いて何を見る!?
もっと明るいところで頑張って観測している人や写真を撮っている人も大勢いるわけですから、贅沢かもしれません。しかし、自宅で何を見られるだろうと考えたとき、ここでは年間を通してシーイングが悪いことが多く、月・惑星・二重星などの分解能を要する観測には不向きです。星雲星団の観望もここでは無理です。・・・無理ではないのですが、ななつがたけ北天文台で空が最高条件のときにそれらを見てしまうと、光害のある空で同じ鏡筒で同じ天体を見ても、貧弱でつまらない像にしかなりません。天文台でも、透明度が7/10以下の時や細い月でも空にあるときは、同様に貧弱な像にしかなりません。「今夜はこの程度か・・・」と思ってガッカリするわけですが、天文台でこういう状況の時と自宅で最高の透明度の時が同じくらいです。

写真撮影は・・・というと、推して知るべしですが、私がメインにしているカラーCCDでのワンショット撮影(デジタル一眼での撮影)は無理です。やるとすれば、ナローバンドでのSAO合成なら文句なくできます。モノクロCCDで、普通にLRGB合成でも何とかなるでしょう。でも、そういう手間のかかることはやりたくないし、やったところで、出来た写真の使い道もないし。

ネガティブなことばかり並べてもしかたないので、出来ること、やって楽しいことは・・・
双眼装置を付けて、月を何分間でも何十分間でも眺め続けること。これはけっこう楽しいです。同じ天体を長時間眺め続けるのは、双眼装置がないと出来ません。片目を閉じているとすぐ疲れてしまいます。双眼装置で見る月は、地球の大気が揺れているのが立体的に見えて、常に違った揺れ方をしている月面を見ていると、シーイングの悪さも楽しめます。また、長時間見ていると、月の欠け際の山の頂上に光が当たっていくのがわかります。さっきまで見えていなかった山の頂上が、黒い影の中に白い点として光るのを見つけると、月は自転(公転)しているんだ! と当たり前のことに感動します。
月だけでなくその他の天体でも、ひとつの対象を双眼装置で長時間にわたって見続けるというのが、像は貧弱でもそれなりに見応えのある観望でしょう。月の写真なら、自宅なら晴れている限り、毎日撮れます。

自宅の庭は、まわりが家に囲まれているので、少なくとも2階の床の高さに望遠鏡を置かなくてはなりません。まわりに畑が多いため、地上ではホコリが多くてダメということもあります。観測所を作るとなれば、ななつがたけ北天文台と同じ構造の基礎と支柱を立てなければなりません(基礎はもっと簡単でいいですが)。鏡筒は現在あるものでいいとしても、赤道儀は買うことになります。数百万円のお金がかかります。純粋な観測所ではなく、1階を車2台分のスペースにして車庫兼物置兼作業場にすれば、大きくなってお金は余計にかかりますが、言い訳は立ちやすいでしょう。それにしても、それだけお金を使って、あまり星がきれいではないところに観測所を作る価値があるのか? ここでいつも思考が止まってしまいます。
何かご意見や、それでも自宅に観測所があればこれが出来る!というアドバイスがあったら教えてください。
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1月3日   観測所見学
オーナー1・2で、久しぶりに知り合いのTさんの観測所を見に行ってきました。Tさんが比較的最近買った、EQ6proにTOA150がのったものを初めて見せてもらいました。以前、趣味人の「店長ブログ」に写真が載っていたそのものです。Tさんは、人が言うほどよく見えないと言っていたのですが、そんなことはありませんでした。この日はシーイングが悪かったですが、あこがれの名器TOA150として十分な見え方でした。EQ6もコストパフォーマンスの高い赤道儀でした。TOA150は、オーナー2がこの日に持って行った、あのAP130EDF GTよりも明らかによく見えました。
この日、地表付近の風は、冬型がゆるんできたときだったので比較的穏やかでしたが、上空のジェット気流は最大級の強さで真上を流れていました。こういう状況では、TOA150だろうがAP130だろうが、元々TさんのところにあるミードのRC35cmだろうが、その能力を発揮することが出来ません。大口径望遠鏡ほど不利です。関東近辺では、シーイングの悪さは常に付きものなので、30cmクラスの望遠鏡がその能力を発揮できる機会は非常に限られます。年に10回あればいいと思った方がいいでしょう。口径15cmでも、冬の関東では分解能という点では宝の持ち腐れとなります。日本に、そして関東近辺に住む者の不幸です。

Tさんは今後、またすごい機材を買う予定だそうです。オーナー1・2とも、そんなものは使ったことないのに、Tさんの環境では、「それはもったいない」とか「それはやめた方がいい」とか思ってしまいます。自分の知識や他人から聞いた話からそう考えるのは間違いなのでしょう。とにかく、自分がいいと思うことをやってみて、ダメだったときに改良したりやり直したり。これを繰り返した人が本物のノウハウを習得し、最高の機材を手にできるのでしょう。金銭的に環境的にそれが出来る人は、理論的に間違っていることはダメですが、可能性があることはやってみた方がいいでしょう。幸い、望遠鏡関係は良いものであれば一生使えるので、何を買っても後々役に立ちます。
Tさん以外にも、楓林舎で良く会うNjさんも、比較的安いものですが次々に機材を買ってそれを実践しています。オーナー1は、自分で機材を買いあさることは出来ないので、他の人が新しいものを買った時は、その結果をぜひとも参考にさせてもらいたいと思っています。ダメだと思ってたけど、けっこう使えるじゃん! というのがときどきあります。
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1月1日   謹賀新年

写真があまりきれいでなくてすみません。印刷用原稿の画面ハードコピーです。インクジェットの年賀はがきに印刷するときは、このくらいの濃さががちょうどいいようです。星像がヘンなのは、縮小率が半端だから。星の写真をWebに出すときは、縮小率を1/2,1/3,1/4など、きりのいい数字にしないとダメですね。


いつもここを見に来てくれている方々の期待に答えられていないかもしれませんが、今年も同じように更新していきます。よろしくお願いします。
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12月31日   再来年は・・・
今年も残すところ、今日1日だけとなりました。来年のことを言うと鬼が笑うといいますが、再来年のことを言っても、だれにも相手にされないでしょう。
昨日の記事に書きましたが、ななつがたけ北天文台付近が今夜晴れそうだと判断できても、往復4時間・交通費10000円だと気軽には行けません。これを何とかしたいと思っています。しかしながら、ここ2年ほど非常に貧乏だったし、来年も貧乏から脱出するのがやっとなので、何も出来ません。でも、その次の年あたりは何とかなるかも・・・

一般論として、何とかする方法のひとつは、インターネットを利用したリモート天文台にすること。ふたつ目は自宅にも天文台をつくること。
私の場合は、前者はあり得ません。CCDの目で星を見ても、楽しいとは思えないでしょうから。そうなると、自宅に天文台をつくるしかありません。天文台というほど大げさなものではなくて、簡単な観測所を・・・。自宅の庭に昭和の20Eクラスの赤道儀を設置して、冬、ななつがたけ北天文台が雪に埋まっている期間は、VMC260とかTOA130Fとかε180を自宅に持ち帰ってくる。栃木の自宅でも、冬晴れの日には冬の銀河がかろうじて見えます。自宅で観望をしたり、光害カットフィルターを付けて写真撮影をしたり・・・。自宅で気軽に惑星とか二重星とか見られるだけでもいいですよね。
都会に住んでいる人たちには、これでも贅沢な話です。でも、こういう地の利を生かして、2年後にはこれを実現できるように頑張ってみたいと思います。
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12月30日   北関東自動車道
12月20日に北関東自動車道の東半分が完成しました。これで東北道と常磐道がつながり、さらに栃木県から太平洋まで一気に高速道路でいけるようになりました。私個人的にはこれによるメリットは特にありませんが、これで高速代がどこまで行っても1000円になれば、ちょっと那珂湊まで魚を買いに行ってくるか・・・という気にもなります。
私が待っているのは、反対側の西半分の開通(=全線開通)です。こちらは、あちこちで工事をしていますが、平成23年度開通だそうです。こちら側が出来れば、東北道と関越道がつながり、上信越道に入って長野県方面にも行きやすくなります。長野県に行っても、南会津より空がきれいなわけではありませんが、星関係のイベントに行きやすいとか、親戚や知り合いのところに行きやすいとか・・・(←それだけか!)

東北道から北関東自動車道に入る栃木都賀ジャンクションの次が都賀インターで、そのとなりの壬生インター、その次の上三川インターあたりは平地を走っているので遠くの景色がよく見えます。特に、壬生と上三川の間に東北新幹線の高架をまたぐとても高い陸橋があります。このあたりは以前から開通していた区間で、私は毎日のように走っています。ここを走りながら北を見ると、日光の男体山から那須連山あたりがよく見えます。この季節、関東の平地は快晴が続きますが、北の山にはいつも厚い雲がかかっています。その場合、ななつがたけ北天文台あたりは大雪です。しかし、希に北の空に雲が全くなくて、きれいに雪をかぶった山が見えるときがあります。その時に天文台に行けば星が見えます。昨日の午後がそれでしたが、さすがに年末のやることが多いときに、一人、星を見に行ってしまうと家族からひんしゅくです。
今日は、自宅の屋上から良く晴れた北の空を見ながら、窓ガラスの掃除をしました。窓ふきではなく、家中の窓に外側から豪快に水道水を吹きつけながら洗剤の付いたブラシで洗い、ワイパーで拭き取りました。今日はけっこう暖かかったので、水遊びも楽しかったし、ガラスもピカピカ! 窓の内側は妻に任せます。
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12月28日   味噌の話
お味噌、食べてますか? いきなり、星とは何の関係もない話です。

昔は地元に1件ぐらい必ず味噌屋があったそうです。地元で採れた米と大豆を使ってその土地の風土に合った味噌を造っていたようです。しかし、昭和の時代の後半から、大手味噌メーカーが大量生産するようになり、坊主頭の少年がテレビコマーシャルするようになってからは、どこのスーパーでも同じものが安く売られるようになりました。それと共に、地元に根ざした味噌屋というのが次第になくなっていったそうです。地元の味噌汁の味を知っているのは、じいちゃん・ばあちゃんの世代の人だけになってしまったのでしょう。

そんな中、わずかに生き残った小規模な味噌屋も世の中にはまだ存在します。オーナー1の地元にもあります。「本多糀屋」というのですが、オーナー1の同級生がやっています。
米に糀菌を繁殖させて「こうじ」をつくり、それを米と大豆に混ぜて発酵させると味噌が出来ます。ここは国産の米と大豆だけを使って、昔ながらの製法で本来の「味噌」を造っています。本物の味噌とスーパーで売っている大量生産された味噌は、別物のようです。最大の違いは、糀菌が生きているかどうか。味噌の中で糀菌が生きていると、その活動によって、保存している間に味噌がふくらんでいき、色も変わっていきます。さらに時間がたつとカビが生えるそうです。糀菌がいなくなった味噌は、いつまで置いても体積も色も変わりません。添加物が加えられているため、カビも生えません。
また、本来の味噌は、米の粒はほとんどなくなっていますが、大豆の粒は残ります。味噌汁にしたとき、大豆が底にたまります。市販の味噌は、きれいに溶けて、少なくとも粒状のものは何も残りません。どちらが良いかというのは、消費者の判断です。

最近になって、多少値段が高くても安全な食品や昔ながらのスローフードが見直されるようになってきました。つぶれずに生き残った小規模な味噌屋というのが見直される時代になりました。現在、生き残っている小規模な味噌屋は、良いものを作り続けてきたため、多くの人に支持されて生き残れたわけです。
「本多糀屋」は、昔ながらの伝統文化を継承している小規模店にしては珍しく、インターネットにホームページをつくりました。まだまだ不完全ですが、ご覧になっていただき、体に良い自然食品をお探しの際は、こちらのお店から試しに購入してみてください。一度食べてもらえると、「これが本物の味噌なのか!」とわかります。味噌を付けたおにぎりにして食べると違いがわかりやすいようです。でも、「スーパーで売っている味噌のほうがいい!」と思う人も多いかもしれません。好みと考え方の問題ですから、試した上で、良いと思う方を選べばいいと思います。「リンク」のページにも本多糀屋を追加しました。

      本多糀屋 Webサイト
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12月22日   日周運動 再び
しばらく前、10月4日でしたが、SEO-COOLED40Dで1時間露出の日周運動の写真をお見せしました。そのときは、ピントがシャープすぎて、恒星が描く弧がガタガタしていました。そのとき、ピンぼけにすれば、これが解消されるだろうと書きました。やっと、それを実践してみました。

写真データ : 2008年12月20日 22:48〜 露出1時間
   SEO−COOLED40D 24mmF2.8→8.0 ISO160 −23℃冷却


右の写真をクリックすると、フルサイズの写真が別Windowに表示されます。初めは縮小表示になりますが、フルサイズにしてご覧ください。
撮影に使ったレンズは広角(35mm換算38mm)なので、レンズの目盛りは、∞のとなりが2mです。その中間ぐらいの位置にしました。露出の初めだけ、20秒ほどガイドして点を付けました(正直に言うと、スカイメモにのせて撮影したのですが、モーターを止めるのを忘れました)。ピンぼけの効果大です。星が引いた弧が、かなりなめらかな曲線になっています。でも、もう少し太い線になってくれた方がギザギザが少なくなりそうです。次のやるときは、ピンぼけ+ソフトフォーカスフィルターにしてみたいと思います。
大きなノイズがいくつかありますが、これはダーク減算しても消えないと思われます。宇宙線などが飛び込んできて点を付けたのでしょう。日周運動の場合、ノイズであることは明らかなので、1個1個手作業で消してもいいでしょう。

冷却改造デジタル一眼を冬に使うと、1時間程度の露出では、ご覧の通り、銀塩カメラと同等に使えます。1時間露出を12枚コンポジットすれば、180度の日周運動の写真が出来ます。継ぎ目がわからないくらい手早くインターバル撮影をしないといけないので、パソコンにやらせればいいですが、手動でやるにはちょっときついですね。
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12月21日    静止衛星
20日の夜、月も小さくなりつつあるので、久しぶりにオーナー1&2揃って天文台に行ってきました。積雪は少なく、20日にオープンするはずだった「だいくらスキー場」は雪がなくてオープンできません。しかしながら天文台のまわりは、やはり根雪になっていました。

空の透明度は7/10ぐらいでしたが、快晴になりました。オーナー2は、あまり晴れることは期待せず、楓林舎で仕事をするつもりで行ったようですが、快晴の空を見て「どうしよう、晴れちゃった!」。 せっかくの快晴なので、オーナー2も仕事は翌日に回して、前のグラウンド入り口にNP127双眼望遠鏡を出しました。
オーナー1はそれに便乗すると共に、スカイメモを出して、撮り残している冬の星座を撮影することにしました。夜半過ぎには月が昇ってきます。観望も写真もそれまでということで。

オーナー1はスカイメモを持って、グラウンドの一番奥まで入っていきました。南天低い星座を撮りたかったので、そこに行くしかありません。このところ暖かいので、日当たりのいいグラウンドは雪が解けて一面水浸しです。ビチャビチャの地面にスカイメモを置いて、三脚を踏んで沈むだけ沈ませました。夜になれば、すぐに凍ってカチカチになるはずです。21時ぐらいになって、いい感じに地面が凍ってきたところで撮影開始。南天の低いところというのは、この地では一番良くない方向で、関東の光がスカイラインを浮かび上がらせています。それはしかたないので、星座をつくる星が写ればいいことにして、24mmと18mmレンズでF4で3分露出。こんな感じの写真になりました。
今回撮った星座写真は、すでにアルバムに追加しました。

星座の撮影が終わり、ちょっと離れたところでNP127双眼で観望しているオーナー2のところへ。スカイメモを置いたところは固く凍っていましたが、オーナー2までの間は、地面がちょうどいい感じのシャーベット状になっています。暗くて下が見えないので、おいしそうなものの上を歩いている感じでした。
NP127双眼+イーソス8&13mmは、何度覗いてもすばらしい! 光量はあるし星像がシャープで超広視界だし、立体的に見えるし。M42を見るとトラペジウムのあたりが谷底のように見えます。そこからまわりに星雲が盛り上がっていきます。8mmで見た方がこの感じが強まります。

M42を見ていて、ふと思いつきました。静止衛星を見よう!  視野を少し南に振って、明るい星のあたりを見ていました。すぐに1個来ました。「来ました」という表現は適切ではありませんね。相手は止まっているのですから。恒星の方が動いています。経緯台で恒星を追いかけていたら、静止衛星が視野に入ってきたわけです。9等か10等ぐらいの明るさです。127mmではっきり見えるので、10cm以上の口径があれば必ず見えます。静止衛星が見つかれば、経緯台を止めてじっと見ていると、衛星は動かず、星の方が動いていきます。
「こいつがM42の写真を台無しにするやつか!」と思いながらしばらく見ていましたが、まだ他にもあるだろうと思って、視野を西に移動すると、角度で2・3度離れたところにまたいました。同じくらいの明るさです。さらに3・4度西に、今度は3個まとまっていました。角度の15’ぐらいの円内に3ついます。東西方向の一直線上に3個かと思うとそうではなくて、南北方向にズレています。多少ズレていても静止するんですね。こいつらに写野内を通られたら、一気に3本の線を引かれます。いつからこんなに密集して静止衛星を打ち上げるようになったのでしょう。昔は静止衛星同士がぶつかるといけないからといって、一定の角度以内に1個だけにしたはずです。現役を引退したものを1カ所に集めているのかもしれませんね。しばらくは、現役復帰も可能なようにして静止軌道に待機させている衛星もあるはずです。いずれにしても、これではM42を10分露出すれば、必ずと言っていいほど静止衛星が前を通過するでしょう。(再度、正しくは静止衛星の後ろをM42が通過する、です)
写野を横切っている静止衛星は1個ですが、左の方は3本の線があります
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12月19日   円高
昨日の時点で、円が対ドルで87円台まで上がりました。円が積極的に買われているわけではなく、世界経済の消去法で、買ってはいけないものを消していくと円だけが残るという構図です。円高のために、大企業も零細企業も、仕事や収入が極端に減ったことが大きく報道されています。トヨタやキャノンやいすゞ自動車まで、非正規労働者をクビにしたために悪者扱いされています。そのために、世の中、一気に不景気に・・・。
でも、そうでしょうか? 国際光器さん。笠井さんでも、田中さんでもいいですが。円高で大損している会社がたくさんありますが、同じくらい大もうけしている会社もあります。日本は輸出大国ですが、輸入大国でもあります。世の中、一方的に円高が悪いような報道ばかりになっていますが、輸入品は大幅に安くなっています。毎日食べている食料品の大半は輸入品です。レギュラーガソリンが100円を切ったのは原油価格の下落と円高、両方の相乗効果です。安くなっていない輸入品があるとしたら、輸入業者が大きな利益を得ているのです。

そういう大きな話は置いておいて、外国製の望遠鏡や関連用品が安く買えるようになりました。日本の高橋製作所の製品が良いことは疑いもないですが、最近、外国製品の一部はそれに近い、または同等の品質を持つようになりました。TMB-92mm/F5.5とかNP102iisとかFLT98トリプレットとか、かなりいいと思うし、Sharpstar CF106 106mm/F7はコストパフォーマンス的にいいと思います。以前の値段より15%安くなれば買いたくなります。15%安くなって当然なのですが、そうなっているでしょうか。
逆に、アメリカの天文ファンから見ると、この円高は、タカハシが高嶺の花になってしまいます。アメリカ人もヨーロッパの人も、天体望遠鏡を買わなくても生きていけるので、しばらく売れない時期が続きそうです。板橋の超優良企業「高橋製作所」は生き残れるのか?
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12月13日   満月
先ほど(01時37分)、月が満月になりました。そういう時間にこれを書いてます。
冬の満月は高いところにありますね。満月はすごく明るいので、月の光ではっきりとした影が出来ます。こんな短い影は太陽ではなかなか見られません。ふたご座流星群も、この月の明るさではまともには見えないでしょう。
天文屋は、満月の時期、おおかたの人はお休みになります。健康的に早く寝るわけです。でも、この時期の高い位置にある満月を使って、積極的に楽しむことも出来ます。これについては、ペンション「スター☆パーティー」オーナーのブログを参照ください。

ふとした弾みで、富山の「てるてるぼうず天文台」のteruさんから時々、月の写真をいただいています。右の写真は、今回の満月の3時間ぐらい前にteruさんが撮影したものです。画面の下の方がわずかに欠けていますね。と言うより、クレーターの影がちょっとだけ見えています。
自分でも、小学校の教材用に月の写真を29枚撮りたいと思っているのですが、自分の趣味でやるのではないことは、なかなか進みません。自分で撮るより、月の写真をお持ちのみなさんから送ってもらって集めた方が、遙かに早そうです。月を望遠鏡の直焦点で写した写真(満月としたときに月全体が写野内に入っているもの)をお持ちの方は、差し支えないものを送っていただけないでしょうか。もしくは、月の満ち欠けをわかりやすく表示しているWebサイトの情報を教えてもらえませんか。
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12月11日   SEO冷却デジタル一眼
ちょっと前に、趣味人の店長ブログでアナウンスされましたが、SEOさんの冷却デジタル一眼の赤外カットフィルターが交換されるようです。「レポート」にも書きましたが、SEO−COOLED40Dは、写野内に輝星が入るとほとんど使い物になりません(写真参照)。以前、「何とかならないのか!」と趣味人店長に問い合わせたら、善処するとのことで、このたび「無償」交換となったようです。SEOさんも趣味人のみなさんも星仲間なんだなという気がしました。先日、別件で趣味人店長にメールを出したら、そのついでに近日中にフィルター交換の案内を送るとの返信がありました。

改造デジタル一眼は、右の写真のような星像になるので、冷却CCDとは別物なんだなぁ、と思っていました。このゴーストがどのくらい消えるのかわかりませんが、大幅になくなれば、冷却CCDより遙かにコストパフォーマンスが高くなると思います。でも、CANON40Dがなくなり、50Dは冷却改造できないとなると、今はX2しかないわけです。SEO-COOLED X2(LT)はとても良い天体用カメラだと思うので、これを1台買ってもいいのですが、次に何が出てくるかという楽しみもあり、しばらく待ってみようと思います。
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12月9日   ガソリン
オーナー1がいつも行くガソリンスタンドは非常に安い店なのですが、レギュラーガソリンの価格がとうとう1リッター100円を割りました。今日は99円。今回は、レクサスGSにハイオクを入れましたが109円。最近、スタンドに行くたびに値段が下がっています。
一時の投機マネーによる石油製品高騰は何だったのでしょう。急上昇の後の急落なので、短期で大もうけした人もいれば、大損した人もいるはずですが、もうけも損も、一般人からは桁が何桁も違う額です。もうけた人=損した人 の場合も多いはずで、大騒ぎした割には何も残らなかったという投資家が多いのかも。そのマネーゲームのつけを一般庶民が払わされたのです。

ところで、一定量の原油を精製して出来てくるLPガス、ガソリン、軽油、灯油、重油などの割合は決まっています。ガソリンを10%増産すれば、その他も10%多くできます。この中で、季節変動が大きいのは灯油と重油。必要な灯油の量に合わせて原油を精製すると、夏はガソリンが足りなくなり、冬は余ってしまいます。しかし、石油会社の技術というのはすごいものがあって、本来重油になる成分を分解してガソリンにしてしまって、生産量を調整しています。それにしても、余ってしまうのが軽油です。東京都知事の石原さんが軽油で動くディーゼルエンジンを悪者にして以来、ディーゼルエンジン付き乗用車は市場からおおかた消えました。そして軽油の消費量が減りました。原油を精製すると必ず一定量の軽油ができてしまうので、軽油だけいらないと言われても困ります。さすがに軽油を重油に変えることはできません。軽油成分の一部をガソリンに混ぜたり、灯油に混ぜたりする技はあるのかもしれませんが。そもそもハイオクガソリンというのは「燃えにくい」ガソリンです。つまり、軽油に近いガソリン。
日本はガソリンが不足気味で軽油が余ってしまう、いびつな車社会になっています。
その反対がヨーロッパで、ガソリンエンジンよりもエネルギー効率が高くて、環境対策も十分にとられたクリーンディーゼルが非常に普及しています。日本とは逆に、ガソリンエンジン車はCO
排出量が多いということで悪者扱いされています。ヨーロッパではガソリンが余り、軽油が足りなくなっています。日本とヨーロッパで軽油とガソリンを交換するには遠すぎるし。日本もヨーロッパもいびつな状態です。これでいいはずもなく、また、石油会社の力というのは大きいので、ヨーロッパではハイブリッドガソリンエンジン車が増えて、日本ではクリーンディーゼルの割合が増えるでしょう。政府がそういう政策をとる(石油会社がとらせる)はずです。
ただ、日本の場合は、しつこいですが石原都知事のせいで「ディーゼルエンジンは環境に悪いもの」という認識が、広く一般に浸透してしまいました。いまさら「ディーゼルエンジンは環境に良いんです」と言っても、受け入れられるまでには時間がかかります。軽油はしばらく余り続けるのでしょう。
ターボチャージャーの付いた最新型のディーゼルエンジンは、ほぼすべての点でガソリンエンジンを上回っています。今は亡き兼坂先生が、20年以上前に主張していたことがやっと実現してきた感じがします。ただ、高性能ディーゼルエンジンは重くて高いので、大型(=高価な)乗用車にしか積めません。小型車に高性能ディーゼルエンジンを積んだ場合は、燃料代で元を取るのはハイブリッド車と同様、難しいと思います。
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12月3日   ケフェウス王家の物語
秋の夜空は、エチオピアのケフェウス王家の物語で彩られています。・・・もう秋は終わったのに、今時何を言っている! という感じですが、今日はこの話題。右の写真のタイトルが「ケフェウス王家の物語」です。

この物語に登場する星座は6つ。これを1枚の写真に納めるのは結構大変です。対角魚眼レンズが必要です。星座がわかりやすいように、星を大きくするためのソフトフォーカスフィルターも必要です。以前からこれを撮りたいと思っていましたが、なかなか機会も機械もなくてだめでした。
秋も終わった12月1日、やっと撮影できました。完全に季節はずれになりましたが、今シーズンのうちに撮影できたので、今、ちょっと満足してます。右の写真をクリックすると、原板の1/3(面積は1/9)縮小サイズの写真が出ます。

東西方向はデネブからカペラまで。南北は北極星から南はくじら座βのデネブカイトスまで。我ながらよくこんな構図になったと思います。ペガススの端が切れたのはちょっと残念ですが、ほとんどすべての秋の星座が入っています。よく見ると、うお座に黄道光も写っています。
対角魚眼なのになぜか円形写野になってますね。なぜでしょう? 
この写真の左右は、円形の写野外になるため、トリミングして切り落としてあります。ところが、実は切り落とした部分にも星が写っていました。さらに、残った四隅にも星が写っており、それを黒く塗りつぶしました。つまり、対角魚眼の長方形の写野内に黒くて丸い大きな輪が写っているわけです。輪の中心が画面の上方向にずれていたりもします。魚眼レンズは構造上、フィルターが付けられませんが、それにむりやりソフトフォーカスフィルターを付けた(載せた)わけです。
キャノンのボディーにニコンの対角魚眼を付けて、フィルターまで付けたというのは無茶苦茶ですね。でも、こうすることで、撮りたかった範囲がすべて入る写真が撮れるという目処がついたので、秋も終わったこの日にやっと撮影できたわけです。

  写真データ : 2008/12/1 20:10 SEO-COOLED40D ニコン10.5mmF2.8対角魚眼 ソフトンA(W)フィルター
            ISO800 露出5分 冷却温度−24℃  スカイメモRで自動ガイド

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11月28日   大型双眼鏡
先日の観望会で、良質な双眼鏡の威力を改めて痛感しました。「良い双眼鏡」の代表がキャノンの赤線入り防震双眼鏡であり、今はなきミヤウチの10cmフローライト対空双眼鏡です。キャノンの防震双眼鏡なら、お金さえあればいつでも買えますが、10cmクラスの良質な対空双眼鏡は市場から消えてしまいました。持ち運びを考えると現実的なのは10cmクラスの双眼鏡までです。近いものとして、天体用に便利な90度対空双眼鏡は、テレビュー扱いのBT70のみ。45度対空双眼では、笠井扱いのミヤウチコピーの「SUPER-BINO 100CL」かコーワハイランダープロミナー。市中在庫として、スカイバードに1台だけあるミヤウチBj-100iC45度対空双眼鏡 (以上、オーナー2調べ)。どれも値段が高くて買えないか、安いけど性能がいまいちなものばかりです。オーナー1所有のミヤウチの10cmフローライト45度対空双眼鏡(右写真)は、今となっては貴重な存在となりました。

市場にないものは、オークションに出品されたものを落札するか、自分で作るしかありません。自分で作るというのは難しいと思う人が多いと思いますが、そうでもありません。良質な鏡筒を2本用意して、マツモトさんのヘリコイド仕様EMSセットを買えば比較的簡単に双眼望遠鏡が作れます。鏡筒の候補としては、タカハシSky90、TeleVue-102鏡筒ビノビュー仕様、William Optics FLT-110などでしょう。これらの鏡筒を使えば、低倍率での星空観望以外に、高倍率アイピースを付けて惑星を両目で見るという高度な使い方ができます。これらの鏡筒を2本買うと高価になりますが。
鏡筒はお金さえあればそれらでいいのですが、それをのせる架台が問題です。市場にあるものとしては、テレビュー扱いのF2経緯台をワイドプレート化したものか、ビクセンのHF経緯台しかありません。どちらも高倍率をかける双眼望遠鏡用架台としてはイマイチです。「HF-D」の登場が望まれます (伊藤さん! これ見てますか)。
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11月25日   雪のち晴れ
トップページの写真のように、ななつがたけ北天文台は雪の時期になりました。降るとなったら、何cmという単位ではなく、一気に30cmぐらい積もります。今シーズン初めてドームのスリットの雪下ろしをやりました。

この3連休は、オーナー2が職場の同僚と共に金曜日の夜から天文台に来ていました。オーナー1は家族と共に土曜日の夕方行きました。同じ頃、1年ぶりに合うHさんも来ました。Yちゃんも来るはずだったのに仕事の都合で来れなくなってしまったそうです。残念・・・

金曜日の夜は大雪! 土曜日の夕方は雪雲が飛んでいましたが、雲の切れ間も見えました。でも、誰も晴れる期待はしてません。夕食を終えてさらに酒を飲んでいると、薄雲を通して星が見えてきました。そして外を覗くたびに見える星の数が増えていきます。「これは星を見に出なくては!」とドームに行き、観望会開始!。
メンバーは違いますが、11月3日と同じような機材と対象で星を見ました。始まると空は快晴になり、冬の銀河がきれいに見えました。もちろん、すべての天体が輝いて見えました。

土曜日の楓林舎の夕食は定番のコースで、最後は「牛肉の赤ワイン煮」でした。翌日、日曜日は、これまた寒い季節の定番になっている「塩ブタ鍋」。具材は写真の通りです。これもおいしかった! 最後は残った汁に中華麺を入れて塩ラーメンに。楓林舎の絶品料理です。もちろん、イワナの唐揚げは必ず出てきます。

この夜は、誰も星が見えることは期待していませんでしたが、数種類のおいしい日本酒とウイスキーを飲みながら夜中まで待機していたら、なぜか晴れました! 常に気象衛星の写真は見ていましたが、「何で晴れるんだろう・・・?」と思いながらも、この夜は夕食と同じくメニューを変えて、外で双眼鏡での観望にしました。
メインはオーナー1のミヤウチ10cmフローライトアポ双眼鏡。次がオーナー2のキャノンの赤線入り、防震双眼鏡。赤線のない防震双眼鏡もあります。そして、楓林舎オーナー所有の中国製39800円の10cm双眼鏡も出てきました。
冬の銀河の中は、散開星団の宝庫です。双眼鏡で流していくと、いくらでも散開星団が入ってきます。小型双眼鏡でそうやって楽しみ、大型双眼鏡で個々の天体を見て楽しむという形です。この夜も2時間程度快晴になり、すべてがきれいに見えました。ミヤウチ10cmフローライトアポ双眼鏡と39800円の10cm双眼鏡の星像を較べてはいけないですが、39800円も大活躍でした。それはそれで大口径の威力があり、価格以上の見え方でした。
Yちゃん、また近いうちに楓林舎に行く機会をつくって、おいしい食事を食べて、きれいな星を見ましょうね。
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11月22日    冬支度
エスティマハイブリッドのタイヤをスタッドレスに替えました。これは去年買ったタイヤで2シーズン目です。去年もこの頃に、天文台付近は初雪が降りました。初雪というのがけっこうな大雪になります。今年もそうなったようで、天文台に行くにはスタッドレスが必須の時期になりました。北国の人は当然でしょうが、関東以南の太平洋側に住んでいる人には信じられないことでしょうね。

このスタッドレスタイヤを買ったときにも書きましたが、エスティマハイブリッドの標準タイヤは215/60−17。これは235/60−16のミシュランX−ICEです。国内メーカーのスタッドレスタイヤは、なんでか知りませんが同じサイズでも夏用タイヤよりも外径が大きくなります。ミシュランのタイヤはそういうことがなく、同一サイズなら同じ外径です。215/60−17と235/60−16は同じ外径なので、ミシュランX−ICEを選択するわけです。このタイヤは、アウトバーンのある国で最も多く使われているスタッドレスタイヤなので、乾いた高速道路でも安定した走りができます。このタイヤで250km/hで走る車があるわけですから、スタッドレスタイヤでありながら、乾いた道での高速走行性能が高いわけです。
栃木県というのはめったに雪は降りません。しかしながら、たまに降る雪や雨の後に路面凍結することがあるので、スタッドレスタイヤはそのための保険です。ほとんどの栃木県人は保険をかけます。そのため、栃木県や群馬県南部では、乾いた道での走行性能が高いスタッドレスタイヤが必要なのです。

このタイヤに換えて一般道を走った限りでは、もとのタイヤと走行安定性は変わりなく、乗り心地はかえって良くなりました。安定性はタイヤ幅が広がったことによる部分も大きいですし、乗り心地はタイヤ内の空気の体積が大きくなったことが寄与しています。しかしながら、フルブレーキ性能は明らかに落ちるので、フルブレーキを踏まなければならないような運転は禁物です。
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11月18日   黄道光
以前にも黄道光について書いたような気がしますが、またその話題です。
この時期は、明け方の黄道がかなり立っています。黄道光が見やすい時期です。しかしながら、現在の日本では、かなりの山奥でもないと黄道光というものとは無縁になってしまっていますね。ところが、ここ南会津のななつがたけ北側斜面では、黄道光が明るくて困っています。今だとAM3時ぐらいから東が明るくなってきます。夜明けの薄明にしては早すぎるな、と思うとそれが黄道光です。しし座が昇ってくる頃ですが、しし座の写真を撮ると右のようになります。目で見て、黄道光の先端がかに座まで達しているのがわかります。かに座の写真を撮っても東半分がかぶったようになります。それだけ黄道光が見えるというのはありがたいことです。

さすがに対日照は見たことがありませんが、写真で撮ると写るのではないかとも思えます。夜中に黄道が最も高くなる時期に対日照の撮影に挑戦してみたいと思います。一番良いのは冬至の日ですが、そのころは対日照が冬の銀河の中に入ってしまうので、1月下旬から2月はじめの頃、かに座からしし座あたりにある時期が良いでしょう。
11月13日   片目と両目
土星の輪が薄いですね。このところ、シーイングも良くないので、輪が小刻みに揺れます。まるでハチドリがホバリングしているのを正面から見ているようです。35cm鏡+パラコア+イーソス13mmで124倍。TOA+双眼装置+XW10mmで100倍。2つの鏡筒で見較べました。倍率の低いTOAの方が大きく見えました。両目の威力ですが、見かけ視界の広さも関係ありそうです。
でも、これをやってみて思うのは、大きさがどうこうよりも、覗きやすさが全然違います。片目を閉じて35cm鏡を覗いていられるのは30秒ぐらいが限界です。そのくらいで疲れてしまいます。ところが、双眼装置付きのTOAの方は無限に覗き続けられそうな気がします。片目を閉じて何かを見るのが、どれほど苦痛なことなのかがよくわかります。双眼装置は偉大です。
しかしながら、一人で観望を楽しむときには双眼装置は偉大ですが、複数の人で観望するときは、これほど面倒なものはありません。人によって目幅が違うし、左右の視度が違うし、もちろんピント位置も違うし。一人で楽しむときはいいですが、観望会などでは双眼装置や双眼望遠鏡はダメです。


実は、土星を見たのは今日ではありません。11月4,5日に見たときの話です。11月8日から今回までの天文台日記は、すべてそのとき、または、それ以前のネタです。1回晴れるとこれくらいの話が書けます。反面、しばらく晴れない日が続くと無理矢理ひねり出したネタになります。お気づきだったでしょうか?
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11月12日   トラブルの数々
ドーム内で天体望遠鏡とカメラを動かし、写真撮影を行うには、パソコンと多くのソフトが必要です。
ななつがたけ北天文台で動かしているソフトは次の通りです。

望遠鏡制御ソフト        デジタル一眼制御・画像確認ソフト
 ・昭和 atlas-basic        ・EOS Utility(キャノン)
 ・ステラナビゲーター       ・Digital Photo Professional
                    ・Hyper-Utility(Fuji)
ガイド用CCD制御ソフト      ・StudioUtility(Fuji)
 ・CCDOPS             ・B(バルブ)撮影用タイマー
                        (StudioUtility用)
撮像用CCD制御ソフト     天体データ確認用ソフト
 ・CCDOPS              ・Word
 ・MaxIm DL CCD          ・Excel
                     ・Internet Explorer
その他常時動作しているソフト
 ・ヴィールスバースター
 ・etc.

同時にWindowが10個以上開いています。もちろん、これだけのソフトを1台のパソコンで動かすのは不可能です。ここでは最低2台、場合によっては3台のパソコンに分散させてソフトを動かしています。それでもトラブル続出します。
Atlas-basicがスタートアップで起動します。ここでエラーになったことはありませんが、Atlas-basicからステラナビゲーターを呼び出すとき、エラーが発生して最初でつまずくことがあります。
以前、書きましたが、MaxIm DLとEOS Utilityは同居できません。同じパソコンにインストールするとEOS Utilityが動かなくなります。EOS Utility単体でも動作が怪しいときがあります。いきなり終了してしまったりとか。CCDOPSの英語版も日本語Windowsで使うと動作がおかしくなります。3時間程度動かし続けると、画面表示が壊れてきます。AO-8を使うには英語版でないといけないので、ダメになったらCCDOPSを終了して、再度、起動し直さなければなりません。再起動は簡単ですが、セットアップとか、ガイド用に動かしていた場合はキャリブレーションとかすべてやり直しです。CCDOPSとCCDカメラのリンクが切れることもあります。この場合もやることは同じです。
ワードでは、自分で作った巨大な天体データ&写真を読み込むので、思いっきりメモリを消費します。
途中でWindowsUpdateやヴィールスバースターのアップデートが入ってくると、いきなり動作が重くなって、クリックしても反応しなくなって、再起動しないとダメかと思った頃、あちこちにWindowが開き始めることもあります。
トラブルとして発生するのは、SEO-COOLED40Dがコントロールできなくなったり、CCDによるガイドに修正が入らなくなったり、WordやInternet Explorerが固まったり・・・します。それ以外にも赤道儀がアンバランスだとステッピングモーターが脱調して空転したり。

ひと晩の間に数々のトラブルに見舞われることもありますが、頼りになるのは25E赤道儀で、オートガイダーがトラブっても、ε180(f=500mm)程度なら5分間程度は無修正でガイドできます。シンチレーションが大きいときはオートガイダーの修正を入れない方が点像に近かったりもします。
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11月11日   双眼装置用アイピース
11月8日に双眼望遠鏡用アイピースの一部の写真を掲載しましたが、これはオーナー2が以前から持っていたものだけで、これ以外にもたくさんあります。最も多用するのがイーソス13と8。XWの5から20はすべて2本(以上)ずつあります。この他、笠井とかビクセンとかのワイドアイピースが数種類。これらは双眼望遠鏡だけでなく、ドーム内で35cm鏡やTOA130に双眼装置を付けたときに使います。

双眼で使うときは、アイピースの直径が重要です。人間の目幅は最低で55mm程度ですから、アイピースの直径がそれ以下でないと使えません。イーソス13mmは私の周りの人たちはみんな大丈夫ですが、人によっては2本くっつけても目幅に入りません。最近のアイピースは高性能になってきて大変けっこうなことですが、それと共に直径が太くなってきています。特に長焦点アイピースは、使いたいものほど、太くて目幅に入りません。更に、双眼望遠鏡なら2インチバレルが使えますが、双眼装置の場合は31.7mmバレルです。31.7の長焦点アイピースというのは非常に限られます。以前はプローセル32mmが各社から販売されていましたが、最近見なくなりました。以前は、ミードに31.7のプローセル40mmがありました。2本買っておけば良かったと後悔しています。現在買えるものの中で良さそうなのは、タカハシのLE30とハイペリオンアスフェリック31mmでしょう。後者は2インチスリーブですが、見かけ視界が狭くなりますが、31.7スリーブを付けることもできます。

オーナー1はLE30とハイペリオンアスフェリック31の両方持っています。それぞれで星を見ていますが、まだ、両者を見較べたことがありませんでした。先日晴れた折りに、初めて見較べてみました。
TOA130に国際光器で「究極双眼装置」と言っているバーダーの双眼装置を付けて見較べました。はじめにLE30を付けて見たところ、「これ、いいじゃない!」と思いました。最近の広角アイピースと較べると、見かけ視界は狭いですが、覗きやすくて昔のアイピースを見慣れた人間には、覗いたときに安心感があります。そして、そこそこよく見えます。しかし、よく見ると7割から外側の明るい星の形が十字になります。視野内のコントラストもあまりいい方ではありません。でも、こんなもんでしょうね、と思いながら、31.7スリーブを付けたハイペリオンアスフェリック31に交換しました。第一印象、「こっちの方が遙かにいい!」
ハイペリオンアスフェリック31は、2インチスリーブを付けたとき、見かけ視界72度です。この状態で使うと中心像は非常にシャープですが、周辺が三日月になります。31.7スリーブを付けると、三日月になる部分を絞ってしまうことになり、見かけ視界は狭くなりますが、視野全体がシャープな点像になります。コントラストもこちらの方が上です。LE30も悪いわけではありませんが、双眼装置用最低倍率アイピースは、ハイペリオンアスフェリック31に決まりです。
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11月9日    天体写真撮影対象拡大
「アルバム」のεのページに赤い散光星雲が入りました。大型望遠鏡で見るには適さない視直径の大きな散開星団も入りました。
このWebサイトにある天体写真は、自分が撮影した写真を人に見てもらいたくて公開しているわけではありません。これらは大型望遠鏡を使って眼視で観望するときの参考資料です。大型望遠鏡向きの天体にはどんなものがあるのか、どういう形をしていてどの程度に見えるのか、それを事前に予習(もしくは事後に復習)するためのものです。従って、あまりにも美しい写真にしてしまうと目で見たときとのギャップが大きくて参考資料になりません。

そういう目的の写真なので、これまでは観望に向かない赤い散光星雲や視直径の大きな散開星団などは撮りませんでした。ところが、先日、オーナー2がNP127双眼望遠鏡で、バラ星雲が「白いバラの花」としてよく見えたと言っていました。散光星雲も明るい大型望遠鏡にフィルターを付ければ見えるんだ・・・と思って、定番の散光星雲も撮ってみることにしました。
対象を広げたついでに、大型望遠鏡での観望の合間に、広視野の小さな双眼鏡で夜空を見る機会もけっこうあります。そのために小型双眼鏡向きの天体も写すことにしました。

今は、「アルバム」にそれらを番号順に並べているだけですが、もっと数が増えてきたら、星座ごと、対象望遠鏡別など、使いやすいように並べ替えたいと思います。


それにしても、先日、2晩晴れただけでこんな感じの写真が30枚以上撮れました。それらの画像処理も3時間ぐらいですべて終わりました。細部にこだわらず、美しさを追求しないと割り切ると天体写真撮影もお手軽になりました。

写真上  NGC2174 露出10分

   下  NGC752  露出5分


  大きいサイズの写真は、アルバムのε180の方でご覧ください
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11月8日    アイピース


上の写真はオーナー2のNP127双眼望遠鏡用のアイピース群です。
フィルターと松本ミラーもいっしょに置いてあります。これは、観測終了後、夜露で濡れたパーツを薪ストーブの前に並べて乾燥しているところです。当然ですが、全部2個ずつあります。しかし、ここに写っているアイピースはほとんど使用していません。ここには写っていないイーソス13mmと8mmの2種類で間に合ってしまって、以前からあるこちらのアイピース群の出番がめっきり少なくなりました。この写真では書いてある文字はわからないでしょうが、緑色と形からほとんど想像がつくと思います。もったいないことです。逆に言えば、イーソスというアイピースは、これらをすべて不要にしてしまうくらいすばらしいものです。アメリカではイーソス17と6が発売になっていますが、日本発売と同時に17mmが手に入るようです。
私は個人的には、17mmを待っています。天文台の35cmF4ニュートン鏡には、これが最適だと思っています。

ところで、上の写真の一番奥にある丸い大きなものがなんだかわかりますか?

そして、オーナー2の資産に新しいアイピースが加わりました。それが右の写真です。「ZEISS-JENA ABBE II」です。ツァイス純正木箱入り。これの見え方が悪いわけはないですが、25mmがないのが欠点です。これは、使わなくても持っているだけで価値のある物です。
今、オーナー2の手元にあるアストロフィジクス130GTにabbe2を付けて見たら「究極」でしょうね。
上の質問の答えは、「NP127の対物キャップ」
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11月7日    バラ星雲
4日と5日の晩、ななつがたけ北天文台は快晴でした。2晩続けて快晴というのは今年初めてかもしれません。オーナー1は2晩とも天文台にいました。平日なのになぜ! と思われるでしょうが、仕事柄、9時出勤という勤務ではないので、夜中まで星を見て、数時間寝て、天文台からスーツを着て仕事先(主に宇都宮)に出勤ということが可能です。

2晩とも透明度はかなり良い方で、最高とは言えませんが、8/10程度でした。秋・冬の銀河は180度全部見えていました。
例によって、写真撮影と観望を平行してやりました。カメラはε180+COOLED40DとS3pro+180mm望遠レンズの2台。眼視用は、35cm鏡+パラコア+イーソス13mmとTOA130+双眼装置+30mmアイピースがメイン。カメラ側の焦点距離が短いので、大型の秋・冬の星雲星団ねらいになります。ほとんどの写真は5分露出で、その間に鏡筒2本で観望します。ひとつの天体を鏡筒2本で観望するには、3分あれば十分で、5分あれば双眼鏡で眺めたりもできます。ここの空でも、ε側のセットでは10分で露出オーバーになります。目では見えない散光星雲の場合、それを承知で10分露出しています。カブリを差し引いても10分露出の方がコントラストが良くなります。
1天体に付き5分(または10分)露出で1コマしか撮らないし、自動導入ですから、かなりのハイペースで観望&撮影ができます ・・・が、途中、なんだかんだトラブルが続出するので、計算通りには行きません。どういうトラブルが起こるのかはまた別の機会に...

多数の天体を撮影できましたが、今回とりあえず、一番撮りたかったバラ星雲だけ画像処理してみました。


写真データ   バラ星雲

 2008年11月5日 2:43〜 600秒露出
 ε180ED(f=500mmF2.8)+ SEO-COOLED40D
 ISO800 WB:太陽光




右上はカメラから出力されたJPEG画像そのものです。画像はパソコンのHDDに記録されるので、RAWと共に最高解像度のJPEGも出しています。そのJPEGをそのまま縮小したのがこれです。
これと共に出力されたRAWデータを画像処理したのが右下の写真です。特別なことは何もせず、誰でも必ずやる画像処理だけしました。ダーク減算はしていません。
デジタルの天体写真の画像処理をやっていない人やデジカメの理屈を知らない人は、「こんなに変わるものなのか!」と思われるでしょうが、上と下の写真は同じで何も違いません。
「???」ですか?

デジカメのシャッターが押されたとき、内部で最初に作るのはRAWデータです。これは撮像素子が受け取った光の情報のみの生データです。それをカメラ内部の画像処理プログラム(キャノンはDIGICといっている)で処理して、昔からの銀塩写真に近い形に調整したのがJPEG画像です。しかし、このときカメラ内部で行われる画像処理では、ホワイトバランスが正しく設定されていて適正露出の時だけ、きれいな写真になります。SEO-COOLED40Dは、赤外カットフィルターが交換されているので、ホワイトバランスが正しくありません。露出も適正ではありません。右上の画像は、最初にできたRAWデータに対して間違った処理をしているのです。同じRAWデータに正しい(と思われる)処理をすると下の写真になります。DIGIC中に、下の画像にするようなプログラムが入っていれば、最初から上の写真ではなく下の写真ができます。


元データが同じでも、どう処理するかで、できあがる画像が大幅に違います。これがデジタルです。
しかし、ここまでは「調整」という範囲内の処理です。パソコンと画像処理ソフトを使えば、元データを違うデータに変えてしまうような処理も可能です。可能ですが、それをやると「写真」とは呼べないものになってしまいます。「作品」です。結果、美しければ「芸術作品」です。私は報道写真というジャンルが、狭い意味での写真だと思っています。事実をありのままに伝えるのが写真。このWebサイトにある天体写真は報道写真と同程度のものです。
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11月3日    快晴!
11月1日の夜、快晴になりました。すごーく久しぶりの一晩中快晴!
やりたいことはたくさんあったのですが、まずは楓林舎に来ていた人たちと観望会です。
使った光学系は、このところの観望会定番になってきているε180+イーソス13mm、TOA130+XW40、35cm+パラコア+WX30mmの低倍率セットでスタートしました。初心者も少しいたので、秋の定番天体を見て回りました。私の場合の定番というと、NGC7789、NGC457、二重星団、M31、アンドロメダγ星、ガーネットスター、M36・37・38、M1、M42・・・といったあたりになります。秋冬の場合は、M42で終わるのがいいと思います。みなさんならどうでしょう。

初心者に鏡筒3本でこれくらいの天体を見せてあげると、だいたい満足してもらえるようです。球状星団がなかったのは残念でした。35cm鏡の威力を見せられるのは球状星団です。NGC7789とM37でもある程度威力がわかります。

それが終わったところで、自分の作業に入りました。全天快晴なので、広角レンズで星座写真を撮ることにしました。スカイメモにCOOLED40D+24mm+ソフトフォーカスフィルター、S3po+18-70ズーム(18mmに固定)をのせて両方ともISO800、F4で5分露出です。COOLED40Dはこれだと露出オーバーになります。でも、こうしておくと、1コマの写真で、銀河や散光星雲が写っている写真と後処理で全体を暗くして星を少なくした星座の写真とふたつつくれます。(写真参照)
ニコンAF-S18-70のEDズームレンズは星がきれいに写ります。昔あった、星には全く使えないズームレンズとは大違いです。これ用のソフトフォーカスフィルターがないので、星像がシャープすぎて星座がわかりませんが。はやくソフトフォーカスフィルターを手に入れなければ・・・  これからの季節は、カメラが冷えるので、S3proでもノイズの少ない写真が撮れます。この夜は、カメラも赤道儀も車も霜だらけになりました。

オーナー2はNP127双眼望遠鏡を出していたので、最後に、これでM42を見せてもらいました。イーソス13を2本付けて見たM42は圧巻です。これを一目見ただけで、今回来た甲斐があったと思わせるすばらしい眺めでした。写真より人間の目の方がラチチュードが圧倒的に広いので、ε180で5分露出したときに写るくらいの範囲が、トラペジウムから周辺の淡いところまで全部見えます。イーソス8だとまた違った見え方でこちらもすばらしい。お金があればですが、こういうものすごい観測機材を持っていると、星好き人間なら長い間幸せに暮らせると思います。
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11月1日    電動工具
今回も工具シリーズです。(←いつからシリーズになった!) 今回は、電気のこぎりと電気ドリル、グラインダーです。

まず、電気のこぎり。写真では小さくて見えないですが、メーカー名が「RYOBI」と書いてあります。日本の電動工具の大手メーカーで、下のボール盤とは大違いです。私も、数千円なら一流メーカー製品を買うことがあります。写真の歯は金属用で、これは別に買いました。金属用の歯は、これだけで3000円以上します。元々は、木工用の歯が付いていました。歯もいろいろ売られており、規格が決まっているので自由に交換できます。歯の直径もいろいろありますが、元と同じである必要はありません。元より大きいとさすがに付きませんが、同じかそれ以下のものならとりあえず大丈夫です。金属用の歯が付いていると、アルミ合金なら木と同じように切れます。鉄もなんとか切れます。金属用の歯で木も切れます。従って、金属用の歯を付けておけば、何でも切れるわけです。正しい使い方ではありませんが、とりあえず実用になります。
電気のこぎりは、よほど安物でない限り、歯の角度が90度から45度の範囲で傾けられるので、アリガタレール(90−15度)も作れます。

電気ドリルは、「BOSCH」(ボッシュ)というメーカー名が見えます。自動車用エンジンの燃料噴射装置やABSで有名なあのボッシュです。ボッシュの本業は、元々はこちらです。RYOBIは日本では一流ですが、BOSCHは世界で一流です。私としては、普通ならそんな高級品は買いませんが、天文台の近く(距離20km)のホームセンターで、破格の安値で売っていたのでブランド名につられて買ってしまいました。買ってみたら、さすがに世界のBOSCHです。ドリルは素手で十分強力に固定されます。はずすのもワンタッチです。普通の回転ドリルとして使えるし、振動ドリルにもなります。

グラインダーもかなり頻繁に使います。削る、磨くという用途以外に、金属の切断にも使えます。こちらも電ノコ以上に歯がいろいろあって、様々な用途に使えます。「ステンレス切断用」の歯を付ければ、直径30mmのステンレス棒が、あっという間に切れました。削る対象は、木、金属、コンクリート、ガラスetc. 専用の歯があります。一番汎用性があるのは、写真のグラインダーに付いている、サンドペーパーを斜めに並べて作ったものでしょう。#60か80で何でも削れます。ちなみにこのグラインダーは正体不明のメーカー製で、1980円でした。
望遠鏡パーツとして使う自作金属部品は、辺や角を丸く削って(←「Rを付ける」という)、暗闇でぶつかってもケガをしたり痛くないようにしなけらばなりません。この時、グラインダーが活躍するわけです。

これらの工具は、使い方がわかっている人には大変便利ですが、素人さんが使うと危険です。工具の動作原理と使い方をマスターして、捨ててもいい材料で十分練習してからにしましょう。


















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10月30日    ボール盤
21日に私の旋盤を紹介したついでに、そのほかの工具類も紹介します。
最もよく使うのは、穴をあけるために使う工具のボール盤です。これはミニボール盤で、写真だと大きさがわかりませんが、高さが70cmぐらいです。直径13mmまでのドリルがくわえられます。近くのホームセンターで、現品限りの外国製品を5000円で買いました。5000円なら国産の手持ちで使う電気ドリルよりも安い値段です。こんなものでもアルミニウム系の金属ならいとも簡単に穴があけられます。

アルミ合金というとジュラルミンが有名ですが、他にもいろいろあります。アルミにマグネシウムを混ぜたもの、銅を混ぜたもの、亜鉛とマグネシウムを混ぜたもの。どれも純粋アルミよりも必ず固くて丈夫です。ということは、アルミ合金は穴開けが大変かというと反対で、一番穴があけにくいのは純粋アルミです。純粋アルミは粘りけが強いため、穴をあけるときの抵抗が大きくて、なかなかきれいな穴が開きません。必ずバリができ、切りくずも細かい破片になります。アルミ合金だと、ものにもよりますが、純粋アルミよりも必ずきれいな穴が開きます。切りくずも、きれいにつながった長いらせんになります。昔は、長くつながったらせんの切りくずというのは、熟練工のおじさんがやるとできるものと思っていましたが、素材の金属が良ければ誰がやってもできます。

金属に穴をあけるときは、穴の中心になる位置にセンタポンチで凹みを付けなければなりません。ドリルの歯は、その穴に吸い込まれるように入っていきます。これがないと、ドリルの中心が意図したところとは違う位置に入っていき、穴の中心がずれます。センタポンチがないときは、大きい釘を穴の中心位置にあててハンマーでたたくと代用になります。この作業を通称、「ポンチを立てる」(←読み間違えないように!)と言います。

写真のボール盤は観測室の下に置いてあり、いつでも使えるようになっています。ただ、観測室の下が雪で埋まる時期は楓林舎の中に置いてもらっていますが。
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10月27日    防水双眼鏡が欲しい!
天気予報が悪いにもかかわらず、週末、天文台に行ってきました。
土曜日は午後3時過ぎに高速にのり、白河インター経由甲子道路で行きました。混雑が終わった後のようで、道は空いていました。この日は、東洋天文同好会が楓林舎で観測会で、7人集まりました。このところいつも一緒になります。

私を含めて8人、夜、晴れることを期待していましたが、この地の気象情報を集めて総合した結果、またも「今日は飲み会!」ということになりました。夕方5時頃から始まって、0時まで飲み続けたようです。私は途中、耐えきれずにちょっと仮眠しました。0時に起きあがってきたら、ちょうどタイミング良く、「星が出てきたよ!」と声がかかりました。
薄曇りでしたが、星座は良く見えます。とりあえず、ミヤウチの10cmフローライト双眼鏡を出して観望していたら、次第に星が出てきました。そこですかさず、東洋天会長がセルシオのトランクと後席から(!)、45cmドブを取り出し、みんな総掛かりで組み立てて、あっという間に調整まで完了してしまいました。慣れたもんですね。
オリオン座あたりがよく晴れていたので、45cmで、まずはM42を。シーイングがほとんど最悪の空だったので、星像が締まりませんが、口径の威力でよく見えました。最初、ペンタックスXW40で見ましたが、私が天文台からパラコア+イーソス13mmを出してきて、そちらを付けてみました。倍率は少し高くなりますが、集光力+超広視界で倍率の高さを感じさせず、かなりよく見えました。やはり集光力のある望遠鏡とイーソスアイピースはすばらしい!
この日は、そうこうしているうちにまた透明度が悪くなり、全天曇りになりました。

翌日、ひまわり画像で昨夜の雲の動きを見てみたら、雲の帯の中にあいた小さな穴の中に入ったようです。まさに奇跡的な晴れ(写真参照)。

日曜日の夜のスポット予報を見ると、ほぼ快晴です。雲の写真(上の写真とほぼ同じ)を見ると「なんで・・・?!」という感じでしたが、晴れを信じて東洋天の二人と私の3人がこの夜も宿泊することにしました。しかしながら...結果的に、また飲み会になりました (^_^;)
この夜は0時になっても、晴れないどころか小雨まで降ってきました。しかし、しばらくすると、なぜか星が見えてきました。小雨が降る中、双眼鏡を片手に外に出ると、天頂から西は黒い雲でしたが、東の空にけっこう晴れ間があります。ぎょしゃ・ふたご・オリオンあたりの冬の銀河がはっきり見えています。銀河の中の二重星団、M34〜M38が小型双眼鏡でもきれいに見えました。ヒアデス・プレアデスもきれいでした。雨に濡れながらも透明度の良い星空観望というのも珍しい経験でした。
双眼鏡を上に向けているので、雨でレンズも本体も濡れます。防水双眼鏡というのはこういうときに使うものなんですね。

O倉さんが「雨降りヒアデス・・・」と言い出しました。確かに、雨の中でヒアデス星団を見ていますが、違う意味のようです。楓林舎に戻ってから星座の本で調べたら、・・・なるほど! ぐぐるとけっこうヒットします。雨降りヒアデスを知らなかった人は調べてみてください。

この夜も、晴れ間は長くは続きませんでした...
とりあえずは星も見えたし、楓林舎で楽しく過ごせたので、今回はこれで良しとしましょう。
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10月23日    渋滞
22日の水曜日AM10時台に、仕事に行くため東北自動車道の下り車線に入りました。栃木−宇都宮間ですが、結構混んでいました。週に1・2回はこの時間帯に高速にのります。「今日は車がやけに多いなあ...」と思いながら、宇都宮インターの出口に向かいました。そうしたら出口が大混雑。ここでやっと、高速道路が混んでいた理由がわかりました。
紅葉だ! 日光だ! 恐怖のいろは坂大渋滞だ!

栃木の人はこの時期、日光(いろは坂)には行きません。ピーク時に当ったら、数時間は出られない大渋滞が待っています。紅葉の時期の日光は、平日・休日に関係なく常に混みます。そういう時期に入ったことをこの日、確認しました。
 写真は明智平付近
  徳川家康の墓がある日光で、一番景色のいい場所をなぜ「明智平(あけち
  だいら)」というのか? 歴史のミステリー


日光ほどではありませんが、塩原も混みます。南会津に行く時、塩原を通らないほうがいい時期になったということでもあります。塩原に行くには、西那須野インターを出ますが、最も混雑するときは高速道路上にある「西那須野インター2km」という標識のあたりから、路側帯に車の列ができています。「この人たちは何なんだろう?」と思いながら通り過ぎていくと、インターまで列が続いていて、「そうか!」と思った時はすでに遅く、強引に列に割り込まない限り、西那須野インターを出ることができません。西那須野インターは出てすぐ目の前に信号機があるため、構造的に大渋滞が発生します。この場合、ETCの恩恵もほとんどありません。

今年は白河インター経由の甲子道路が開通したので、こちらを通ったほうがいいと思いますが、こっちもこの時期は混みそうな気がします。
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10月22日    パソコン故障→データ消失
私の会社で納入したネットワークシステムとサーバを使用している法人で、そこの中枢を担う部屋に置かれていたサーバが壊れ、データが全部なくなりました。そのサーバは、納入してから10年近く連続運転されており、とっくの昔に壊れていてもおかしくない代物でした。買っていただいただけで、保守契約も何もありません。それがなぜか、最近まで正常に動いていました。運用開始後、4年ぐらい過ぎたあたりから、このサーバはいつ壊れてもおかしくないので、サーバを更新してください、少なくとも中のデータは随時、別なパソコンにバックアップしておいてください、と言い続けてきました。見積も何度も出しました。しかし、なにも実行されませんでした。そして、とうとうハードディスクが壊れて中のデータがすべて消えました。そこのスタッフみんなで青くなっています。いまだにそういう法人があるんです。楓林舎のオーナーもそうでしたが、ITとコンピュータの常識はまだ普及していません。
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10月21日    旋盤
私のところの旋盤です。
天文台をつくるより以前に購入しました。新しいものではありませんが、ふと写真を撮ってきたので紹介します。
寿貿易株式会社のFL400Eという機種で、ミニ旋盤という部類の中では最大クラスです。心間400mm・振り250mm・三爪チャック径125mmといったスペックです。モーターは100V・400W、重さ100kg。これを会社の2階に置いてあります。100kgの旋盤を2階に上げる方法は、下のリンク「旋盤で作る天文機材」に記述がありますが、私はその方法ではなく、友人と二人で、人間の力のみで、2日ががりで上げました。

基本的な付属品や工具がすべて揃っているフルセットで30万円弱の値段です。ただ、バイト(歯)はこれだけでは不足で、刃先部分+ホルダーは別途購入する必要があります。

これはめったに使いませんが、あるととても便利です。最も重宝するのは、ビクセンのピラー脚に他社製赤道儀などを載せるときです。接続部分を旋盤加工すれば、ほとんどのメーカーの小・中型赤道儀が載せられます。ミヤウチの10cmフローライト双眼鏡もこれに載っています。ビクセンのピラーは安いのでこれを使うわけです。

私はこれを買うまで、旋盤というものに触ったことがありませんでした。しかし、動作の原理や操作法はわかっていました。やってみたら、素人でも1/10mm程度の精度で良ければ、なんでも簡単に作れます。ただ、ねじ切りだけはきちんと教わらないとできません。

これと同じ旋盤やフライス、NC装置についての非常にマニアックなWebサイトがあります。この旋盤の詳細と金属加工に興味のある人はこちらをご覧ください。


旋盤で作る天体機材
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10月18日    ロスマンディー G11 赤道儀
新しい製品ではありませんが、この赤道儀はいいですね。オーナー2がこれ用のGPSユニットを買ってきて、取り付けてテストしてみました。これが13日の記述に出てきたものです。この赤道儀はテレビュー・ジャパンでしか買えないので、あまりメジャーではありませんが、搭載重量27kgという、このクラスの赤道儀が欲しい人にとってはタカハシよりもいいと思います。大きくて精度が良さそうな360枚の歯を持つウォームホイール、1・1/4インチサイズの両軸ステンレスシャフト、CNC切削加工の超硬質アルミ合金製筐体、軽量でセッティングが容易な構造、等々。移動観測者には最適です。写真の標準の三脚よりは、折り畳み式特注ピラーがいいです。オーナー2もそれです。
日本人はタカハシの赤道儀を見慣れているため、極軸や赤緯軸の外見が太くないと「丈夫」と見ないようですが、実は外見はどうでもいいのです。シャフトそのものが太くて軸受けがしっかりしていれば、外見は細い方が軽くていいんです。一般論として、鋳物よりダイキャストの方がいいし、ダイキャストより削り出しの方がいいのです。鋳物屋さんであるタカハシの時代は終わりつつあるのかもしれません。

オーナー1は、普段は天文台で25Eエルボ型赤道儀を使っているので、「天頂越え」というのを意識したことがありません。G11を動かしているのを見て、ドイツ式赤道儀は結構面倒なんだなあと思いました。自動導入するときも対象天体の位置を確認して、三脚やピラーを意識して動かさないと、接眼部などが足に当たってしまいます。自動導入時に鏡筒が足に当たるというのは最悪ですね。ドイツ式赤道儀を使っている人たちがそういう苦労をしているとは思いませんでした。三脚をやめてピラーにすると多少は良くなります。一番いいのは、昭和機械から最近発売になった20Eエキセントリックエルボ型赤道儀を買うことです。移動できる赤道儀の最高峰でしょう。子午線越えとか、鏡筒が足に当たる恐怖とか、そういうことから解放されるだけでも大きなメリットがあります。

大型赤道儀を買うなら、ロスマンディーG11か昭和20Eエキセントリックエルボ!  
テレビュー・ジャパンと昭和機械の回し者みたいですが、良いものは良い!

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10月16日    満月だと快晴
これが今年、ずっと続いています。みなさまも身にしみていることと思います。今日もまた、なんでこんなにきれいな満月なのでしょう。この晴天はまだ続くようです。満月を見て楽しむためのノウハウを探す必要がありそうです。何かありますか?
・・・と書いたら提案が来ました。

星好夜さんからの提案
満月とはいかないでも、以前、月夜にネビュラフィルターを付けてM42を見たら月明かりなんか関係なく見えました。そのような経験からすると、ネビュラフィルターやOIIIフィルターを付ければ、他の星雲もそれなりに見えるのではないでしょうか。
それと、月面写真集なるものを作ってはいかがでしょうか。もしかしたら、伝説の「オニール橋」くらいのものが見つかるかもしれません。

オニール橋
  ttp://mo.atz.jp/nasda/
月世界からの報告  http://www12.plala.or.jp/m-light/index.html
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10月15日    ランエボXマイナーチェンジ
ランエボXがマイナーチェンジしました。STiに負けていたエンジンパワーが300馬力になりました。GSR-Premiumが追加になりました。これでほぼ完璧になりました。しかし、私はランエボもラリーアート(こちらはパワー不足)も買わないことに決めました。ランエボに唯一足りないのがクルーズコントロールです。私はお巡りさんに捕まらないギリギリのスピードで走りたいので、クルーズコントロールが必須です。また、クルーズコントロールで走ると燃費もかなり良くなります。地球にも財布にも優しい装備で、これがない車は買えません。次は1年後のインプレッサSTiのマイナーチェンジ待ちになります。2ペダルMTとSIレーダークルーズコントロールが付けばこれに決まりです。
来年1月にレクサスGSがなくなります。その後継車は買わないことにしました。しばらくはエスティマハイブリッドだけです。貧乏人になってしまったので、それは当然ですね。
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10月13日    満月でも星見決行

10月10/11/12/13と3泊、天文台(楓林舎)にいました。月齢が12〜14で、星はほとんど見えないことがわかっていて、さらに10/11/12は晴れそうもないとわかっていながら3晩いました。オーナー2が珍しく3連休がとれたことと、天文台から「石川町スターライトフェスティバル」をのぞきに行ってこようという考えからでした。

土曜日に石川町に行ってみました。天文台からは、車でゆっくり走って2時間。交通安全運動のさなか、パトカーだらけでした。お手軽な望遠鏡を1セット持って行きましたが、主な目的は掘り出し物をあさることです。ですから、初日でないといけません。午後4時頃会場に着くと、出店メーカーや販売店が店開きの準備をしていました。個人の参加者も望遠鏡を組み立てていました。どちらも少ないな・・・と感じました。みなさん、翌日に来るのでしょう。そんな中で会場をふらふら歩き回り、おもしろそうなものを探しました。ビクセンのテントに行くと、なんと!オーナー1の大学の先輩で、今はビクセンのお偉いさんになっている I さんが来ていました。私が大好きだった先輩なので、会えただけで来たかいがありました。I さんは、持ってきたジャンク品に値札を付けているところでした。ある段ボール箱を開けた瞬間、オーナー1・2とも「それ買った!」。ポルタ経緯台の水平回転軸です。箱の中にはそれが20個ぐらい入っていましたが、二人で一箱全部買いそうになりました。しかしながら、それをやっては大人げないので、3個だけにしました。我々がビクセンの客第1号のようで、ほとんどの種類のジャンク品を少しずつ漁りました。我々の後ろには同じ目的の人たちが列を作っていました。その後、ビクセンで用意してきたおでんをごちそうしてもらって大満足でした。
別なお店でオーナー2はテレビューの鏡筒ケースを買いました。オーナー2にとってはこれは超掘り出し物だったようです。これも、出てきた瞬間に「それ買った!」でした。オーナー1は緑のレザーポインターを買いました。通称、レーザーファインダーというやつです。本体には、「出力5mW以下」という表示がありましたが、どう見ても明るい! 20mWぐらいありそうでした。そもそも5mWでも日本では販売できません。いかにも怪しそう。5mWのものは複数持っていますが、明るいものがなかったので買っておきました。
この日は石川町には宿泊せず、夜8時前に会場を後にしました。楓林舎に帰って、買ってきたレーザーを楓林舎オーナーの20mW(←なんでそんなものを持っている?!)と較べたら同じ明るさでした。おいおい!

12日の夜は、夜半過ぎに晴れそうでした。オーナー2が持ってきたアストロフィジクス130GTをロスマンディーG11にセットして晴れるのを待ちました。昼間のうちに、その組み合わせを実現するためのプレート加工をしておきました。ここで石川町で買ってきたアリガタレールが役に立ちました。AP130GTにイーソス13と8を付けて主な天体を見ました。この組み合わせは史上最強です。100度の広視野内にあるすべての星が文字通り「点」になります。星が面積を持たないため、光が1点に集中し、月が出ていてもたくさんの星が見えました。光学系のシャープさというのは偉大です。月夜の中、60倍でリゲルの伴星がはっきり見えました。
この夜は、月没後、天文薄明はじまりまでの40分間ぐらい、良く晴れた暗い空できれいな星を見られました。







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10月10日    ノーベル賞
今年のノーベル賞の物理学と化学を日本人計4名が受賞しました。理科系の私にとっては、とてもうれしくすばらしいことです。特に、物理学賞の3人は宇宙の理論に大きく貢献した人たちです。日本の科学技術はすばらしい! と、一瞬喜んだのですが、テレビに映る4人のおじいちゃんの姿を見て、科学立国日本は終わったのか...と思いました。
今回のノーベル賞受賞対象の論文は、30年・40年前に出されたものです。多くのノーベル賞受賞者は20代、30代に出した論文で受賞しています。それらの論文が検証されて定説となるまでにそのくらいの時間がかかるわけです。現在の20代・30代の日本人研究者で、ノーベル賞ものの論文を出した人がいるのか? いるのかもしれませんが、理科離れといわれて久しい日本ですから、有能な研究者の数は減っているはずです。
4人の中の一人のおじいちゃんが、現代の若者は研究に行き詰まるとすぐあきらめる。とことん追求しろ! みたいなことを言っていました。科学立国日本は終わったか...と思ってしまいました。
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10月6日    3日連続晴れ
今年の北日本では非常にめずらしいことですが、ななつがたけ北天文台は、10月2/3/4/5と3夜連続で晴れました。オーナー1は2/3,4/5、オーナー2は3/4,4/5と天文台にいました。二人とも二晩とも晴れたわけです。

この時、オーナー2は、「レポート」にある「13cm屈折鏡筒バトル」に出てきた「AP130F6.3 Gran turismo」鏡筒を持ってきました。天文台の25E赤道儀+35cm鏡筒に、TOA130とAP130をサイドバイサイドにして、両方にWX20mmアイピースを付けて見較べてみました。超高倍率にしたときはTOAの方が良さそうですが、中低倍率でのAP130の星像のシャープさはすばらしいものでした。視野周辺まで、非常にシャープな点像になります。F6.3の短焦点移動用鏡筒としては世界最高峰でしょう。写真は観望会終了後、夜露を乾かしているアストロフィジクス130GTとテレビューNP127 x2本。

10月4/5の土日は、オーナー1のパソコン仲間が楓林舎に来ていましたが、みんなきれいな星が見られて、満足して帰ったようです。といいながらも、4/5日は透明度がイマイチで、本来のななつがたけ北天文台の星ではありませんでした。最高の星空というのは、そうそう滅多にあるわけではありませんね。
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10月4日    日周運動
30年ぶりぐらいに日周運動の写真を撮りました。以下、前日の記述と同じ。
(撮った日も前日と同じです)
これはSEO−COOLED40Dの性能テストも兼ねています。

写真データ : 2008年10月3日 0:33〜1:33 露出1時間
   SEO−COOLED40D 24mmF2.8→8.0 ISO200 −18℃冷却


右の縮小された写真だけを見ると、ちょっと絞り過ぎかな... と思われますが、写真をクリックしてください。100%画像が出ます(写真が表示されたら、その写真をまたクリックしてください。それで100%表示になります)。
星は結構写っています。しかし線が細い! デジタルなのでニジミがないわけです。このため、縮小すると細い線が消えてしまいます。写真を遠くから見たときも同じです。さらに、100%表示なのに線がギザギザしているところがあります。よく見るとあちこちにノイズもあります。これがデジタルですね。しかし、ノイズはこのくらいなら許せる範囲内と思います。SEO−COOLED40Dの威力で、1時間露出に耐えられそうです。この写真は、ダーク減算なしなのでノイズが見えていますが、ダーク補正すればなくなるでしょう。1時間のダークというのは面倒なので撮りませんでした。

SEO−COOLED40Dは、1時間露出に耐えることがわかったので、細切れ撮影画像を合成するということをしなくても、1回で日周運動の撮影が可能です。しかし、星が引く線が細すぎるので、何らかの方法で太くする必要があります。ソフトフォーカスフィルターを使うより、ピンぼけにした方がいいような気がします。ややピンぼけ(←これが試行錯誤!)にして、絞りを4から5.6ぐらいで撮ると、けっこういけそうな日周運動の写真が撮れそうです。

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10月3日    星座写真
20年ぶりぐらいに星座の写真を撮りました。20年前は、35mm一眼レフでリバーサルフィルムを使って撮ったわけですが、時を経て今回はAPSサイズの冷却デジタル一眼です。
しばらく前に書きましたが、星座の写真と日周運動の写真と月の写真が必要なことに気づきました。そのうち撮ろうと思っていて、やっと星座写真が10枚ぐらい撮れました。





































    
 Cas&And  10月2日 22時45分〜 5分露出           Per    10月3日 0時23分〜 5分露出

     SEO−COOLED40D 24mmF2.8→4.0 ISO800 −18℃冷却 ソフトンA(W)フィルター
     (周辺を少しトリミングしてあります)


このセットで星座を撮影するのは初めてなので、どう写るのか、画像処理でどのくらい何とかなるのかなど、ノウハウがありません。さらに自分自身で、星野写真なのか星座写真なのかを明確に区別していませんでした。本当は星座を撮りたかったのですが、撮影中に「見栄えのいい写真の方がいいだろう」と思ってしまい、銀河や赤い散光星雲が写るだけの露出をかけました。結果、中途半端で、星座を見るには星が写りすぎです。これでも、画像処理で銀河を極力うすくしてあります。濃くするのは簡単ですが、写ってしまったものをうすくするのは難しいようです。星座を撮るなら露出時間は2・3分で十分でした。でも、このくらい星があっても星座に線を引いてあげれば、子供にも「カシオペア座は天の川の中にあるんだ...」とわかっていいのかもしれません。

昔は、アマチュア天文家にはこういう写真しか撮れなかったのに、今はこういうのを見かけることが少なくなりました。
余談ですが、上の2枚の写真は上下がそれぞれ逆です。私はこの向きで見たいですが、あなたならそれぞれ、どちら側を上にしますか?
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9月29日    先週末も星見えず・・・
27日土曜日は、私のこどもが通っている学校の文化祭でした。私はそこのPTA役員をやっているので、文化祭への協力としてPTA売店を出しました。フランクフルト150本、焼きそば460食があっという間に完売。焼き鳥1200本、団子&まんじゅう???パックも終了を待たずに完売しました。生徒や来場してくれた皆さんの食欲に感謝です。私は焼きそばを焼いていました。最大、一気に60食分焼きましたが、これはけっこう重労働でした(右写真 私は写っていません)。
文化祭終了後、その足で天文台に行きました。この日は早起きのうえ重労働で、今夜はきついな・・・と思いながら行きました。栃木県内は快晴のいい天気でしたが、福島県内に入ると曇ってきて、天文台は雨でした。この日は今シーズン初めての雪雲です。

この日、楓林舎でおなじみのTY天文同好会が観測会で来ていました。おなじみのメンバーなので、「今年は晴れないね・・・」と言いながら、晴れなければ酒を飲むしかありません。楓林舎のおいしい料理を腹一杯食べて、おいしい酒を飲んだら、すぐ寝てしまいそうでしたが、今夜は晴れるかもしれないというかすかな期待があったので、遅くまで起きていられました。AM2:00ごろまでがんばりましたが、結局晴れませんでした。TY天文同好会の人たちは、今回も各自がすごい機材を持ってきていて、ファーストライトの40cmドブもあったのに、雨で流れました。

今年の東日本は、晴れ日数の少なさが記録的です。
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9月25日    甲子道路、走ってみました
甲子道路を往復してきました。
R289の中の甲子(かし)道路部分は、一言でいうと走っていて気持ちのいい高原道路です。「甲子道路」というのがどこからどこまでを言うのかよくわかりませんでしたが、白河から「赤坂ダム」あたりまでは既存のR289で、制限速度50km/hの田舎道です。このあたりはゆっくり走るしかないようです。
白河インターを右に出るとR289ですが、南から行った場合遠回りですし、左に出て並行して走る南側の道を行った方がいいと思います(右図の赤矢印)。この道は入り口がわかりにくいので、ナビ画面をよく見ながら行ってください。赤坂ダム付近でR289と合流します。
ここから下郷町のR121とのT字路までの区間は、道幅も比較的広い「高原道路」です。この区間は、トンネル内も含めてセンターラインはすべて白です。トンネル内の照明は明るいし、長い直線もあちこちにあります。
下郷町から旧田島町までのR121&289区間は、道幅が狭く黄色のセンターラインであり、地元の車(もみじマーク付き)が多いのでゆっくり走るしかありません。ここが多少時間がかかります。ここを通らないで、R121よりも1つ手前の信号で左折して川の南側の道路を通ると、一部、道幅が狭いですが車が少なくて走りやすい道です。時間的にもこちらのほうが早いでしょう。

塩原経由と甲子道路経由での時間差は、両方ともすいているとき、すべての行程をお巡りさんに捕まらない速さで走った場合、塩原経由の方が10分から15分ぐらい早いと思います。遅い大型トラックは甲子道路の方が少ないと思います。ただ、観光バスがいる可能性は高いでしょう。高速料金は800円高くなります。塩原が混雑すると予想される時だけ、甲子道路経由がいいでしょう。

帰り道、最高地点から白河側は、一方的な長い長い下り坂です。この区間、エスティマハイブリッドのエンジンは白河の街に入るまで、一度も回りませんでした。充電しながら坂を下り、ハイブリッドバッテリーが途中でフルチャージになりました。それでも、シフトレバーは「S」か「B」に入れざるを得ないので、そのまま坂を下ったら何が起きるのか心配でした。でも、心配する事態になる前に、なだらかな下り坂になり、モーターのみで走ったり、時々チャージ側になったりという繰り返しになりました。信号待ち後のスタートでさえエンジンが掛からず、そのまま白河の街に入りました。燃費は非常にいいわけですが、ちょっと下り坂が長すぎでした。普通の車の場合はエンジンブレーキで減速するようにして、極力ブレーキペダルを踏まないようにしましょう。これだけ長い下り坂でブレーキペダルを踏み続けたら、確実にフェードしてブレーキが効かなくなります。
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9月21日    R289 甲子道路開通!

白河インターから南会津に行く道が今日開通!

国道289号線は、新潟県新潟市を起点として、福島県の南会津地方、県南地方を経て、いわき市に至る道路です。このうち、南会津郡下郷町から西白河郡西郷町までの間は険しい峠に阻まれ通行不可能となっていました。国道なのに「通れない」という異常事態が長いこと続きましたが、不通区間がトンネルと新しい道によってつながりました。これが甲子(かし)道路です。
写真は、長さ199mの甲子大橋。新しいのに古びて見えるのは、表面に安定錆層を形成し塗装不要になる鋼材を使用しているそうです。

これで栃木県方面から南会津へのルートが3つになりました。特にこれからの紅葉の時期、混雑する塩原温泉経由か、比較的すいているが一般道が長い鬼怒川温泉経由かという選択から、甲子温泉経由という選択肢ができました。高速料金は多少高くなりますが、一般道の道幅が広く、走りやすい(のではないか)と思われる新しい選択肢です。紅葉の時期は、こちらを通るのが時間的に一番早いと思います。


                                  写真は「国土交通省東北地方整備局 郡山国道事務所」Webサイトより

                    写真の位置は広場になっていて、車を止められそうですが、今現在は整備されてなくて止まれないようです
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9月22日    GARNET CROW
星好きの人には「GARNET STAR」ならおなじみでしょうが、「GARNET CROW」は知ってますか? 「CROW」はカラスです。「ソルティーシュガー」に近いふざけた名前でしょうか。

ここしばらく、音楽を聴くのは車のカーステレオだけになってしまいました。運転中、かなりの大音量で音楽を聴いています。後ろから救急車が近づいてきても、音では絶対に気が付きません。これは違法なのでしょうが、音楽というのは可能な限り大音量で聞かないとその本来の良さがわかりません。最近の住宅事情では、防音室でも作らない限り自宅では無理ですね。そうなると、唯一の大音量で音楽鑑賞が可能な空間は自動車の中しかありません。ヘッドフォンを使えばどこでも大音量で聞くことは可能ですが、特殊な音場になるのでいまいちです。

ものすごく久しぶりなのですが、今現在、ヘッドフォンで音楽を聴いています。耐えられる限界まで音量を上げて、GARNET CROW の「LOCKS」を聞きながらこれを書いています。24インチパソコンモニタ画面に、これを書くためのHTML作成ソフトとIEでGARNET CROW のWebサイトを表示し、さらに「PowerDVD」でビデオクリップを表示して、すべてを見ながら聴きながらこれを書いています。これは結構いけますね。

GARNET CROW のボーカル、中村由利はやたらに声が低くて、同じキーでは男でも低すぎて歌えません。でも、口も大きく開けずに淡々と歌っています。これでよくあれだけのパワーのある声が出るものだと感心します。ちょっとエフェクターの力を借りているかもしれません。GARNET CROW の曲のすべては中村由利の作曲です。私個人的には、詞を書いているAzuki七が好きです。
GIZAの女性アーティストの詞は、坂井泉水以来、普通の女の子の日記程度の詞になっています。つまんない詞でも、作詞をすれば著作権が得られ、アーティストにとっては給料が安くても給料以外の収入源になるので、ビジネス的にはいいことです。浜崎あゆみが高給取りなのもそういうことでしょう。しかしそんな中で、Azuki七の詞は芸術作品として通用するものだと思っています。
GARNET CROW の問題点は、ボーカルの中村由利よりもキーボードのAzuki七の方がかわいいことでしょうか。Azuki七は髪の毛が短くなってから更にかわいくなりました。浅尾美和似(?)。でも、中村由利はボーカルとしてのプライドをしっかり持っていて、 常に堂々としているところが立派です。だから GARNET CROW というグループが好きなのです。もちろん、ギターの岡本仁志とキーボード&アレンジャーの古井弘人の実力もすばらしい。岡本仁志は、ロック系ということで、ちょっと前に紹介した上木彩矢のアレンジも担当しています。

being/GIZAのアーティストの女性ボーカルに共通するのは、みんな、坂井泉水を理想としていると思われるところです。会社としては当然ですが、三枝夕夏も中村由利もというほどのものではないでしょう。坂井泉水がいなくなった今、独自の個性を求めた方がいいのでは...

GARNET CROWを聴きながら書いたので、後半はGIZAstudio通にしかわからない世界になりました。すみません。
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9月17日    これはなに?
近年、天体望遠鏡直焦点の写野内を人工衛星や飛行機が横切ることが多くなってきました。天体写真撮影時にはいい迷惑です。右の写真は、ε180+40Dの写野内を何かが通り過ぎました。眼視で見ていなかったので、飛行機か人工衛星かわかりませんが、黄色の線というのはめずらしい。楓林舎オーナーが外で20mWグリーンレーザーを振り回していたわけではないでしょうね...

この写真は10分露出ですが、これが入ったため撮り直し、次のコマは雲が通過して更に撮り直し、3コマ目にやっとOK。普通なら露出中に35cm鏡で対象天体を観望しているのですが、さすがに30分となると何もやることが無くなって時が過ぎるのを待つだけとなります。

参考までに、35cm鏡で見ると黄色い線の上側はよく見えますが、下側は見えません。 写真をよく見ていただいて、これくらいの差で見える見えないが変わるのかと思ってください。
こちらは人工衛星です。大昔なら、こういう写真も珍しいということで天文雑誌に載った時代もありました。しかし、今は希なことではなく、結構たくさん写ります。夜間に飛ぶ飛行機が増えたようだし、人工衛星も大型化しています。こういうのが撮影直後のモニタに映し出されるとガッカリです。しかし、デジタルだからすぐに確認でき、ダメならもう一枚撮影、ということができます。面倒な時代でもあるし、便利な時代でもあります。
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9月16日    バッテリー交換
何のバッテリーを交換したかというと、エスティマハイブリッドのハイブリッドバッテリーです。心臓部に近い部品ですね。買ってから1年半。
以前、エスティマハイブリッドのどこが悪いという話を書きました。買って1年目あたりから、この車がハイブリッドカーである時間が、スタートしてから10分間程度となってしまいました(ウルトラマンより多少マシ)。カラータイマーが点いてからは、排気量の少ないただのエンジンを積んだ普通の車になってしまいます。それでも、オートアイドルカットシステムは働くので、普通にアイドリングする車よりは燃費がかなり良くなります。昨年、またはその前の年に同じ車を買った人はみんなそうなっているはずです。ハイブリッドだから燃費が良いのではなく、こまめにアイドリングを止めるから燃費が良いのです。燃費がリッター12km程度の人は、私と同じで、ハイブリッドシステムはほとんど動いていないと思ってください。

私はディーラーのサービス担当に、こういう理由でここがこうおかしいということをすべて指摘しました。そうしたら、「バレちゃぁ、仕方ねえ。」という感じで、すべての問題を認め、メーカー(トヨタ)とかけあってくれて、問題解決法としてバッテリー交換という運びになりました。ユーザー側に立って巨大企業のトヨタと交渉してくれた田舎のディーラーのサービス担当に敬意を表して、エスティマハイブリッドのどこがどう悪くて、ディーラーとどう交渉したという話の詳細はここには書きません。同じ問題で悩んでいる方がいたら、ご連絡いただければ、多少の情報はお知らせできます。

なにはともあれ、ハイブリッドバッテリーが交換されたところで天文台まで往復してきました。もちろん、単にドライブしてきたのではなく、満月だというのに星を見てきました。
天文には全くの素人の知り合いが星を見たいというので、楓林舎を紹介し、「旧暦の出ているこよみを見て、旧暦の1日前後に行ってください」と言ったのに、旧暦の14/15日に予約を入れました。忙しい人たちなので、ここしか休みが取れなかったそうですが、それにしてもオイ、オイ・・・ です。
とは言うものの、私の方も満月だと知りながら、家族で休養をとる目的で同じ日に楓林舎を予約していました。偶然いっしょになったので、その知り合い(おばさん3人組)に、TOA130で満月とささやかな星を見せてあげました。

はじめに、6cmのスポッティングスコープで満月の明るさ(まぶしさ)を思い知らせてあげました。「まぶしい!」と言いながら、でも興味深げに満月を見ていました。ティコやコペルニクスの光条がきれいでした。見た後の月の残像が目の中からなかなか消えないのには参りましたが。その後、ドームに行って、満月でも見える星を探して見せてあげました。「満月でも見える星」・・・ 何か思いつきましたか? 残念ながら、見える位置に惑星はありません。そうなると、アルビレオをはじめとする色付き二重星です。アルビレオからはじまり、61Cyg、二重星ではありませんがガーネットスター。そして、貧弱ながらM57や二重星団、M45・・・  素人さんというのは、この程度でも結構喜んでくれるものですね。でも、次回は新月の時期に来てください。

ところでエスティマハイブリッドですが、天文台まで往復したところ、新車の時と同じ状態に戻っていました。回生はきちんと働くし、当然回生ブレーキも良く効くし、燃費は大幅にアップしたし、バッテリーは常にフルチャージに近い状態になっているし。いいことずくめというか、当然の状態に戻りました。しかしながら、これも1年後にはまたどうしょうもない状態になってしまいます。「あの」トヨタでさえも失敗作を世の中に出してしまうことがあるのですね。完全な工業製品は無い!という教訓を思い知らされます。
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9月11日     雨期の終わり

東北南部は9月8日に「雨期」が終わり、「秋」になったようです。空気が入れ替わったのがよくわかります。乾いた晴天になりした。すかさず、8日(月)の夜、天文台に行きました。月没が22時過ぎなので、急いで行っても仕方ないので、仕事が終わって自宅に帰り、夕食を食べてから出かけました。
雲ひとつなくよく晴れていましたが、この日は雨上がりのため、湿気が多いようでした。しかし、これまで全天に雲が全くない晴れというのはほとんどなかったため、久しぶりの星空を満喫できそうでした。35cmとVMC260は眼視で観望することにして、ε180にCOOLED40Dを付けて写真撮影します。5分か10分露出にして、その間に2本の鏡筒で観望です。

しばらく星が見られなかった間に、夜空はすっかり秋です。夏の天体をあまりよく見ないまま、写真も撮らないまま、秋の空になってしまいました。月が沈んで望遠鏡やカメラのセッティングが完了した23時ごろから、主な星雲・星団などを導入していきました。秋の主な天体を見て、写真を撮っていきましたが、1時間半ほど過ぎた頃から、ε180の星像がおかしくなってきました。星が大きくなってきて、明るい星の回りにハレーションのような輪が付いてきました・・・? その後2枚目あたりで、完全にだめになりました。その時点で、鏡が曇ったとわかりました。やはり雨上がりの夜露です。35cm鏡も明るい星の周りにハローが出て、曇ってきていることがわかります。この日はこれで終わりとしました。このあたりで終わりにしないと、翌日は天文台から仕事先に出勤するので大変です。


   右の写真は露付きε180で写したM31
    写真データ(上):ε180ED(F2.8 f=500mm)+COOLED40D(-13℃)
               2008/09/分09 00:38〜 露出5分(ISO800)


この後、翌日も翌々日も天文台に行きました。天文台から出勤して天文台に帰宅です。仕事は午後だけで片付く程度なので、3日間そういうことができました。3連続快晴でした。ここ数ヶ月なかったことです。2日目以降は水蒸気の量も減り、観測中に鏡が曇ることはありませんでした。しかし、夜露の量は相当なもので、朝、望遠鏡を見ると夜露でびっしょりです。赤道儀から水滴がたれて、その下に水溜りができていました。気温も夜中は10℃になりました。冬の服装でないとドームで一晩は過ごせません。つい先日まで、Tシャツ1枚だったのに。
今回は楓林舎ではなく、ドームの中で寝泊まりしました。3日いると、ドームの中が4畳半一間の下宿のようになりました。




   写真撮影再開

「アルバム」のページは TOA130F+ST-2000XCM の写真がメインなのに、ここ半年間ぐらい新しい写真が入りませんでした。TOA130が外れていたこともありますが、写真が撮れる天気になりませんでした。そんな関係で、NGCの6000,7000と000番台がありません。夏から秋の天体です。これらを撮影しなければならないので、取り付けたばかりのVMC260をはずしてTOA130 と交換しました。久しぶりにAO-8付きST-2000XCMを使ったら、取り扱い初心者に戻っており、要領が悪くてうまく撮影できませんでした。悪かったのは要領だけでなく、機材のほうも不具合ありでした。
ピントを合わせて、きちんとロックしてあったのに、TOAの方のピントがいきなりずれました。撮影中はわからなかったのですが、片付けているとき、レデューサーのレンズが内部でカタカタしていました。これかな?
それとCanonEOS40Dに付いてくる「EOS Utility」が「MaxIm-DL」と共存できないことは以前書きましたが、「CCDOpsE」とも相性が悪いようです。同じパソコンで両方を動かしていると、そのうちEOS Utilityが負けて動かなくなります。CCDOpsとEOS Utilityが同時に動いていると、冷却CCDを制御している最中、CPUパワーをかなり独占するようです。複数のソフトを動かしていて、CCDOpsの替わりに別なソフトを前面に出そうとしてもかなり時間がかかります。いずれにしても1台のパソコンでSBIGとEOSを制御するのはやめたほうがいいようです。ななつがたけ北天文台では、常時2台のパソコンを動かし、たまに3台目が立ち上がる状況ですが、常時3台動かさないといけなくなりました。一人で暗い中、そんなにあちこち動かすのは限界を超えそうです。実際、今回は3台動かしましたが、操作の限界を超えて、オートガイドをスタートさせるのを忘れたり、露出スタートボタンを押すのを忘れたり・・・etc. 散々でした。
VM(バーチャルマシン)にすると多少マシになるかな? そうしたときI/Oはきちんと動くのでしょうか?

M52と近くの散光星雲           .
写真データ:ε180ED(F2.8 f=500mm)+COOLED40D(-13℃)
2008/9/8 23:41〜 露出5分(ISO800)     .
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9月7日     オーディオ
7月5日の「怪しげなカー用品」に書いたカーオーディオ店で、時々参加無料のオーディオセミナーをやっています。この日もあったので参加してきました。オーディオに興味を持ったことのある人は、
  1.スピーカーを置く位置で音が変わる
  2.スピーカーケーブルで音が変わる
  3.信号ケーブルでさえ音が変わる     などという話を聞いたことがあると思います。

今回のセミナーで、これらについて実際に音を聞いて違いを較べる実験をしてくれました。
1のスピーカーを置く位置について、10cm刻みぐらいで前後左右上下に変えていくと音が変わることが容易に体感できました。壁や天井、床で反射してくる音の位相が、リスニングポイントに対してちょうど良い場所があります。これは物理学の理論通りで、試してみなくても納得できます。
2はどうでしょう。私の貧しい知識では、物理的にあり得ないと思います。あったとしても「違うような気がする」程度の差だと思っていました。ところが、明らかに違うことを体感させてくれました。まず、普通の電源コードをスピーカーケーブルにして、ケーブルの向きで音が変わることを体感させてくれました。普通の電線は2本の線がペアになっていて、その片側の線に文字が書いてあります。その文字の向きでケーブルの向きがわかります。そのどちら側をアンプにつなぐかで音が変わりました。私はさほど耳が肥えているわけではありません。どちらかというと違いのわからない男です。それでも明らかに違いがわかりました。
次にそのケーブルを30cmぐらいずつ切って短くしていきます。すると、長さによって音が変わりました。長さによって、音が良い悪いを繰り返します。短ければいいというものではありません。ちょうど良い長さというものがありました。左右のスピーカーでケーブルの長さが違っても、それぞれが適切な長さなら問題ないこともわかりました。
3はアナログの信号線の場合は、2の結果からケーブルによって音が変わる可能性はあると思います。しかし、デジタル信号線の場合は、ケーブルによって音が変わるということは理論的にあり得ません。0・1のパルスが通るだけなので、信号が多少劣化したところで、音が変わることはあり得ません。これについては、今回は実験しませんでしたが、デジタル信号の専門家がここのお店で実験してみた結果にひれ伏したそうです。1本3万円のデジタルケーブルは明らかに音が違うそうです。


7月5日に「怪しげなカー用品」と書いた「ピュアポイント」も、それがあるなしで音が違うことを実験してくれました。車の中だけでなく、普通の室内で使っても同じ効果があります。わかりやすかったのはハイハットの音で、ピュアポイントありの時はきれいな澄んだ音だったものが、取り外すとハイハットの上にティッシュぺーパーを何枚か載せているような音になりました。

オーディオの世界は、現在の理論では説明できないことがたくさんあるようです。学者が「音の良いスピーカーケーブル」とただの電線を高精度な測定装置でテストをしても、その違いが見いだせなかったり、電気的特性の悪い方のケーブルの音が良かったりするようです。でも、実際に聞いてみると違うものは違うので、そのうち、理論的に説明できるようになる日も来るのでしょう。

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9月6日     スポット天気予報
私が天文台に行くか行かないかを決めるとき、一番信用しているのは「excite.天気」のスポット予報です。天文台のある場所を「My天気」に指定してあります。これと他に2つぐらいのスポット予報と「ひまわり」画像を見て判断します。
9月5日の夜、エキサイトの予報は一晩中曇りでした。他のスポット予報もだいたい曇りです。でも、5日の夕方の時点でのひまわり画像では、夜中は雲がなくなりそうに見えました。「この状況で、なんでスポット予報が曇りなんだ?」と疑問だったのと、前回の光軸修正の結果どうなったのか、まだ星を目で見てないこともあり、薄曇りならOKということにして、天文台に行くことにしました。

20時頃楓林舎に付きましたが、低い月がまだあるので、ゆっくり食事をして21時頃外に出てみました。
晴れてる! ちょっと薄もやがありますが、夏の天の川もある程度見えています。これなら十分!と、ドームに行きました。前回、主鏡の光軸を動かしたりサブ望遠鏡を交換したりしたので、まず、すべての鏡筒の向きを調整し直しました(主鏡の光軸が動けば、まわりの鏡筒の向きは相対的にすべてズレます)。筒がたくさんあるので大変。それができたところで35cm主鏡の星像をよく見てみました。結果、ちょっとガッカリ。以前よりは明らかに良くなっていますが、まだ、星像が十分シャープとはいえません。再度、光軸修正が必要かも。
それに比べ、前回から同架されているVMC260はよく見えます。

35cmと26cmを見たところで、22時ぐらいだったと思いますが、急激に晴れてきました。ほぼ快晴で、天の川がきれいに見えてきました。「スポット予報、大はずれじゃないか!」と思いながら、とりあえずε180にだけ、カメラ(COOLED40D)を付けることにしました。カメラだけならすぐ付きますが、自動ガイドシステムを立ち上げて、ピント合わせをすると結構な時間がかかります。1コマ目、5分露出して、2コマ目の露出に入ったら、薄雲が広がってきました。その後曇って、夜明けまで星は出ませんでした。

この夜、晴れたのは3時間ぐらいで、大部分の時間を筒の向きを合わせることとカメラの準備に使い、星を見たのはほんの数分でした。欲を出してカメラの準備などしなければ良かった...
今回は、35cm鏡の光軸修正結果を見るのがメインだったのですが、よく見えなかったのは、光軸だとはまだ断言できません。焦点内外像がかなり乱れていましたが、偏ってはいなかったように思います。35cm鏡の温度順応が完了していなかったからなのかもしれません。温度順応した頃はまだ晴れていましたが、カメラの準備に右往左往していてそちらは覗いていませんでした。これがメインだったのに...

スポット予報の方は、はずれたのが3時間ぐらいで、他はすべて当たったわけです。でも、なんで右の写真の状態(AM1:30)で南会津が曇りなんでしょうね。ほぼ140度の経線上で、猪苗代湖の南西側です。ちょうど南会津町の上だけ、黒く抜けています。これを「曇り」と当てるスポット予報もたいしたものです。

ななつがたけ北天文台は、山の中腹で、大きく見れば谷の中にあるため、雨の後などには山肌に張り付く雲(霧?)が出ます。実はこの時、その中に入っていたようです。
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9月4日     ラリーアート
9月1日にGT−Rに乗った勢いで(?)、今日、ちょっと時間ができたので、三菱のディーラーに行ってギャラン・フォルティス・ラリーアート(←どこが車名なのかわからない!)に試乗してきました。

外見的にはこういう感じがベストです。ランエボのように威圧的ではないし、普通のフォルティスのように個性はあるがおとなしい感じでもなく。メーカーオプションのリアスポイラーもこの程度なら許せます(もしランエボを買ったとしても、あのリアスポイラーは外して別なものと交換するでしょう)。室内は後席天井がやや低いと思いますが、中型セダンとしてはこんなもんでしょう。内装も、レクサスGSと比較してはかわいそうですが、贅沢は言わないことにして、普通のセダンとしてはこんなもんでしょう。

タイヤはADVANブランドのA10という215/45-18の自動車メーカー向けタイヤが付いていました。ほぼ、フェンダー面一で、これ以上大きいサイズは入りません。パターンノイズがうるさく、タイヤからの振動も大きい。ポテンザ050の方がいいのでは?と思いましたが、メーカーとしてはいろいろあるのでしょう。
ごく普通のクルーズコントロールが標準装備。レバーではなく、ステアリング上にあるボタンで操作しますが、ボタンが小さくて押しにくい。増速ボタンを押し続けるといくらでも加速していくタイプです。セットできる上限は、メーター上で113km/hでした。トヨタの場合は116km/hですが、実測108km/hになります。三菱の場合も、実測値は同じなのでしょうか? 実測値がどうなのかは、今回は聞きませんでしたがディーラーで聞けばわかります。たまに「わかりません」と言う営業担当がいます。メーカーには必ずデータがあるので、それを問い合わせるのが面倒なときそう答えます。そういう人からは買わないほうが後のためです。

動力性能ですが、GS3.5AWDと0−100(ゼロヨンでも同じ)競争をやったとしたら、スタートでGSが大きくリードし、中間地点以降からラリーアートが多少差を詰めますが、ゴールまでには全く追いつけずにGSの勝ちという感じでした。GSよりも明らかに遅い。エンジントルクもMaxパワーもGSが上回っているのですから当然です。都会にお住まいの方は、街中を試乗しただけで、なんでフル加速性能がわかるんだ!と思われるでしょう。宇都宮には、一般道なのに人も自転車も対向車も交差点もなくて、平気で180km/h出せる(もちろん違法ですが、180km出しても危険ではない)道路が1つだけあります。みんな100km以上で走っており、近くのディーラーはそこを試乗コースにしています。ここで試乗するときは、いつも途中にある退避スペースに入って、後ろから来る車が途切れたところでフル加速で発信します。そして、後ろに車がいないときフルブレーキをかけます。これでだいたいの性能がわかります。
三菱自慢のツインクラッチSSTも、フル加速時の変速ショックではGSの6速ATの勝ちです。ブレーキ性能もGSの勝ち。コーナーリングスピードは、車重が軽い分、同等かもしれません(私のGSは235サイズのポテンザ050が付いています。それとの比較)。またGSと比較してはかわいそうですが、何も勝るところがありませんでした。でも、それは当然のことなので問題ありませんが、次に買う車は、近いうちに出てくるランエボXのマイナーチェンジ版(名前はMRになるのでしょうか?)を見てからということになりました。ラリーアートとはエンジントルクとブレーキ性能が全然違います。


GT−Rはすごい車ですが、車幅があれでは日本の道路では現実的ではありません。そうなるとアウディーS5クアトロが欲しいですが、そこまでのお金がない私は三菱で妥協ということになるでしょう。STi がツインクラッチを付けてくれれば、それも候補になりますが。
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9月2日     GT−R
8月31日(日)の夜、久しぶりに天文台に行きました。晴れそうだったわけではなく、スポット予報は相変わらず曇り&雨でした。でも、ひまわり画像で見る雲の流れが、今までとはちょっと違って「もしかしたら晴れるかもしれない」という気がしました。それよりも、この日は、長いことここにTOA150を貸してくれていたO倉さんが、新車の日産GT−Rに乗ってそれを取りに来る日でした。

この夜は、空がかすかな期待に応えてくれて、トータルで3時間ぐらい晴れました。そのうちの半分ぐらいの時間は全天晴れで、天の川が180度全部きれいに見えました。O倉さんはキャノンの防震双眼鏡1個だけ持って、ほとんど手ぶらで来ていました。しばらく、双眼鏡で南天の夏の銀河を楽しんだ後、ドームに行ってTOA150+双眼装置、35cm鏡、ε180+イーソス13、他、で夏から秋の主な天体を眺めました。後半は楓林舎オーナーも来て、3人で鏡筒3本をまわりながら観望しました。そのくらいの人数で、見た感想を言い合いながら星を見るのが一番楽しい時間です。見る対象によって、倍率によって、最大口径の望遠鏡が一番よく見えるというわけではありません。天体によって、適切な口径というのがあります。だからたくさんの鏡筒が必要なのです。
たとえば、ガーネットスターやアルビレオは、5cmフローライト屈折のFC50が一番きれいでした。集光力がありすぎると、明るくはなりますが色は薄くなります。球状星団や密集した散開星団は、35cmの集光力と解像度がものを言います。しかし、ある程度の大口径レンズに良質な双眼装置を付けたものが圧倒的に覗きやすく、立体感のあるきれいな映像を見られます。鏡筒がTOA150なら最高で、非常にシャープな星の中にある星雲・星団が見事です。
M45を見ていたら、O倉さんが「うーん、一番は7倍50かな。」  ・・・ファインダーです。


星を見る前の夕方、やっと慣らし運転が終わりに近づいたGT−Rにのせてくれました。今のところ、6000rpm以下、フルブレーキ禁止という制限付きです。砂利道の走り始めは、ゴツゴツしてサスが堅いのがよくわかります。腰と望遠鏡の光軸には良くないだろうな、と思いましたが、通常の走行スピードになれば(腰には)全く問題ありません。びくともしない安心感のある乗り心地です。フル加速は異次元の世界でした。たとえば、ランエボあたりだと、普通の高性能乗用車の延長線上で語れますが、GT−Rはその先にある車ではありません。レーシングマシンの下にある車だと思います。レーシングマシンと乗用車では、線を下と上に延長しても交わりません。
試乗の帰り道、国道の最後の上り坂を運転させてくれました。フル加速したら、あの程度の上り坂など、平らな道と同じ加速をします。スピードメーターは、あっという間に1x0km/hに達します。慣れない人間は、それ以上アクセルを踏み続けられません。また、自分の車なら当然スピンするであろうスピードで90度コーナーに入っても、びくともせずに思った通りのカーブを描いて抜けていきます。すばる望遠鏡級といったら言い過ぎですが、それに近い超弩級の精密機械です。

天文台で久しぶりに見た見たきれいな星の印象など吹き飛んでしまうほど、強烈な印象を残したGT−Rでした。
なお、O倉さんが楓林舎から東京の自宅に帰る間の燃費は、10.9km/Lだったそうです。「それはすごい! GT−Rを買おう!」と思った人は、ハイパフォーマンスセンターで維持費を事細かに聞いてからにしてください。

O倉さん、TOAとGT−R、ありがとうございました。
なくなったTOA150の後には、VMC260が付きました。やっと、この鏡筒の出番が来ました。
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9月1日     35cm鏡の光軸修正
主鏡の35cmF4ニュートン望遠鏡の光軸がイマイチ、合っていません。天文台日記5の6月30日に同じことを書きましたが、その後、修正が進んでいませんでした。肉眼で見る限り、円に見えるべきものはすべて円だし、中心にあるべきものはすべて中心にあります。目分量ですから、楕円だと思うと楕円にも見えるし、正確ではありません。そこでレーザーコリメータを使うわけですが・・・

6月30日にも書きましたが、これはニュートン型でありながら、主鏡の中央に穴が開いているため、接眼部から入れたレーザーが返ってきません。そのため、リッチークレチアンにしたとき、接眼部となる場所にダミーの接眼部を作りました。(写真 右)  本来の接眼部からレーザーを入れると、レーザー光がダミー接眼部の中心に行くし、ダミー接眼部から入れると、本来の接眼部の中心に行きます。これで、斜鏡の光軸は合っているという結論になります。わかっている方は、そうじゃないということをご存じですが。

斜鏡セルに光軸修正用押しネジが3本ありますが、もちろんネジはすべて同じ長さです。ところが、押しネジの出っ張っている部分の長さが3本とも全然違います。斜鏡が大きく傾いているわけで、斜鏡の回転方向と前後方向のズレを傾きで直していたわけです。目分量で、ネジの出っ張りの長さを同じにしてから、ダミー接眼部からレーザーを入れると、接眼部中心を大きく外れました。斜鏡を回転させて、中心に一番近い位置にもっていきます。あとは3本の押しネジで調整します。

ここで接眼部を覗いて、鏡に映っているスパイダー取り付け部を見ます。右の図のようにベースの部分が、わずかに主鏡の視野内に入ります。目を接眼部の中心に置くと、この4個のベースのうちの1個しか見えませんでした。斜鏡が合っているとすれば、主鏡が傾いているわけです。主鏡の傾きを調整して、すべてが均等に視野内に入るようにしました。

ここで斜鏡側を見ると、中心にあるべきものの位置がずれています。再度、斜鏡を回転させて回転方向の調整からもう一度。
こんなことを繰り返していくうちに、すべてが収束してきて主鏡・斜鏡とも正しい位置にいったようです。最後の最後に、斜鏡のセンターマークがどうしても中心に行かないので、斜鏡を前後方向に動かして中心に持って行きました。
天気が悪くてまだ星を見てないのですが、きれいな星像になっていることを期待したいです。
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8月29日    星居天文台
8月20日にある「上坂」というリンクが、星居(せいきょ)天文台Webサイトです。オーナーは上坂(こうさか)浩光さん。
星居天文台は、天文ガイドのプライベート天文台シリーズに「ななつがたけ北天文台」が紹介されるよりずっと前に紹介されています。たしか、第1号が星居天文台だったような気がします。(すみません、白状すると私、天文ガイドは買ってません。自分で買うのは星ナビで、天文ガイドは楓林舎で読ませてもらうものと思っています)

星居天文台は、栃木県 ・・・私の地元です・・・ の皇室御用邸もある那須(なす)の山の中腹にあります。ななつがたけ北天文台とは、山を挟んだななめお隣のようなところです。しかし、こちらの星居天文台はインターネット天文台で、オーナーの自宅からすべてリモートで動かせるハイテク天文台です。どれほどすごいものかは、そちらのホームページをご覧ください。
上坂さんとは、リンクを張らせていただいたことを連絡したり、なんだかんだでメールのやりとりをしていたら、上坂さんのブログでななつがたけ北天文台を紹介してくれました。

上坂さんが書く文章は、格調高くてとても美しいので、まだ見たことのない方はご覧になることをお勧めします。


 星居天文台ホームページ  http://www.live-net.co.jp/SeikyoWeb/Seikyo_Web_Site/Welcome.html
 星居Blog            http://blog.livedoor.jp/hiromitsukohsaka/

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8月27日    上木彩矢(かみきあや)
今回は、星とはなんの関わりもない非常にローカルでマニアックな話題です。
私は全く能力はないですが、音楽プロデューサーという仕事にも興味があります。つんくやこてっちゃんですね。
その観点から、大阪の音楽プロダクション「GIZA studio」の経営方針が好きです。GIZA studioは、「名探偵コナン」のテーマソングを担当していて、つい最近、そのテーマ曲集Vol.3が出ました。2枚組CDで25曲入っています。名目上はアニメのテーマソング集ですが、実質はGIZA studioベストアルバムになっています。以下に名前の出てくるGIZAの主要アーティスト勢揃いで、最近のヒット曲が網羅されています。お買い得なアルバムです。

GIZA studioは、B'z、ZARD、倉木麻衣、GARNETCROWなどのアーティストを輩出しています。これに続く次のアーティストは、上木彩矢だと思っています。1985年9月10日生まれ、北海道出身。外見はロックバンドの女性ボーカル風で、にらまれると怖い系ですが、笑顔になると美人のギャル曽根です。・・・ギャル曽根はかわいい系、上木彩矢は美人系・・・  
私がGIZA studioのプロデューサーだったら、三枝夕夏はあきらめて、上木彩矢に専念するでしょう。ルックスOKでモデルもやれそうだし、歌がうまい。作曲は大野愛果がほとんどを担当していることから、GIZAも力を入れていることがわかります。

ここを見に来る人に三枝夕夏ファンがいたらごめんなさい。三枝夕夏の年齢不相応なかわいさが私も好きです。20代後半の女性が女子高生と張り合えるのはすばらしい。でも、三枝夕夏の後に倉木麻衣を聞くと倉木麻衣ってこんなに歌がうまかったんだ!と思ってしまうところが難点です。上木彩矢がブレイクしたら、先見の明があったということで・・・
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8月25日    スカートの中
今回は特別に、天文台のスカートの中を覗いていただきます。
ちょっと覗き込んだのが左。下にもぐり込んで、真上を見上げると右の写真。何も話題がないので今回は下ネタでした。


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8月22日    雨期
TOPページに書くネタがないまま、こちらだけ、日付が進んでしまっています。全然晴れないのがいけません。
たぶん、今年の東北は梅雨明けしないまま秋雨に入ったと思います。そのくらい晴れません。今後の日本では、梅雨と秋雨という言葉がなくなって、6月から10月を「雨期」と言うようになるのかもしれません。

夏の銀河を対角魚眼レンズ+SEO-COOLED40Dで撮りたかったのですが、それも来年までお預けになりました。明け方の黄道光の撮影はまだ可能ですが、いつ晴れることやらわかりません。また、せっかく長期間貸してもらっていたTOA150もあまり使うことなく返すことになりそうです。
ここ南会津は、6月から10月が雨期で12月から3月が雪。晴れる期間は3ヶ月! 引っ越した方がいいでしょうか。でも、空の暗さと交通の便でここ以上に条件のいいところはありません。晴を祈るしかありません。
今年の胎内もダメそうですね。

地球の温暖化傾向は当分続くのでしょう。晴れない傾向が続きそうです。太陽の活動状況がちょっとだけ変わってくれたら、あっという間に状況が変わって、CO
2削減目標なんて吹き飛んでしまうのに。でも、地球が寒冷化するよりは温暖化の方がずっとマシです。
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8月20日    SAO合成
見た人もいると思いますが、8月20日のMSNとMessenngerのトップページにSAO合成のタランチュラ星雲の一部が出ていました。私は見た瞬間、「三木さんの写真がこんなところに・・・!」と思ってしまいました。解説を見たら、ハッブル望遠鏡で撮った写真だそうです。
http://hubblesite.org/newscenter/archive/releases/2008/31/
一瞬にせよ、ハッブル望遠鏡の写真をアマチュアが撮った天体写真と間違えるというのは、一昔前にはあり得ないことで、最近のアマチュア天体写真家の技術と機材の向上のなせる技です。大型写真鏡+大判CCDに高度な画像処理技術が加わって、アマチュアがここまでやるか! という世界になりました。すばらしい! 私にはとてもまねができないので、三木さんや上坂さんの写真を見せてもらうだけで満足していますが。

ただ、MSNの解説が「・・・?」で、まず、タイトルが『17万光年離れた「タランチュラ星雲」の写真に人間のちっぽけさを思い知る』でした。ちっぽけかどうかはどうでもいいですが、この写真がタランチュラ? けっして間違ってはいませんが、一部過ぎます。また、「この美しい色は、硫黄水素酸素の各原子から出る光をで擬似的にあらわした結果だとのこと」 そう書いておきながら、SAO合成画像を本当の色だと思って記事を書いているようでした。
アストロアーツサイトにも当然同じ写真がありましたが、こちらは毎度のことなので、SAO合成については一切触れられていません。「それなりの人」が見に来るサイトはそれでいいでしょう。また、同じ写真をこちらでは「散開星団NGC 2074とそれをとりまく星雲」と表現し、「タランチュラ星雲」とは書いていません。それが正しい表現です。

これに限ったことではありませんが、専門分野の情報を一般大衆向けに提供するときは、懇切丁寧な解説が必要ですね。天文屋にとっては、基本中の基本で、説明するのが恥ずかしいぐらいのことも、きちんと説明しないと大きな誤解が生まれます。一般対象観望会をやるときなど、要注意です。

ここの天文台にも、まれに「一般大衆」が来ることがあります。よく言われるのは、「冬は寒いでしょ。暖房はどうしてるの?」 きちんと理屈を説明して、「ひたすら寒さに耐える」と答えます。たいてい、それでも理解できないようです。
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8月14日    SEO-COOLED40D
右上の写真はε180+SEO-COOLED40Dで撮影した網状星雲の一部拡大写真です。ご覧の通り、輝星に二重の(よく見ると四重以上の)ゴーストが出ます。これは赤外カットフィルターを交換したためです。標準状態では、ゴーストが出にくいように(?)フィルターが2枚入っています。それでもゴーストは出ますが、フィルターが1枚になったためこういう形のゴーストになるのでしょう。このカメラを使う限り、これは避けようがありません。気にいらない場合は、画像処理でゴーストを消すしかありませんが、それは偽造写真でしょう。

下はトリミングなしの画像をハイコントラストにしました。下が暗いのはミラー切れです。左右も多少けられているように見えます。ε180はイメージサークルが小さいので、周辺減光・・・というより中央増光が見られます。フラット補正が必須です。しかしながら、カラーのフラット補正は難しいです。

付属の温度計によると、外気温−25℃程度に冷却され、夏でも0℃以下になります。CMOS温度が0℃以下なら、5分程度の露出ならノイズはほとんどなくなり、ダーク減算が不要です。20分ぐらい露出しても、ダーク減算すればきれいな写真にな
ると思います。
私としては、1時間の固定撮影をしてみたいのですが、全然晴れなくてまだその機会がありません。できたらまた報告します。

富士のS3proも持っていますが、こちらのデジタル一眼は、気温が10℃を超えると使い物になりません。ダーク減算しても、どうにもならないくらいのノイズが出ます。夏はSEO-COOLED40Dしか使えません。

40Dには付属ソフトとして、Digital Photo Professionalが付いてきます。これは優れたソフトで、キヤノン製レンズならすべての特性データを持っていて、歪曲や周辺減光などを補正してくれます。モザイク処理するとき、画像が歪曲していると重ならないわけですが、それを補整してくれます。SEOさんとは関わりありませんが、この機能は貴重です。もちろん、キャノンのレンズを使うときだけで、望遠鏡の直焦点撮影の場合は何の役にも立ちません。ご覧の通り、ミラー切れ補正もありません。

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8月12日    惑星用アイピースコレクション
手前から、TMB スーパーモノセントリック、ナグラーズーム、笠井HC Or、ペンタックスSMCオルソ、同 XO、テレビュー パワーメイト
実物を見ると写真よりもきれいです。高級チョコレートの詰め合わせのようで、とてもおいしそうです。
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8月11日    CubeMiniTower発売中止
一般論として、商品というのは選択肢があった方が日本人向きです。選択肢があれば、日本人は多くの場合、上位モデルを買います。トヨタはこれがよくわかっていて、クラウンのカタログに、誰も買わない装備の貧弱な下位モデルをあえて載せます。クラウンの中だけで比較させて、他社製品と比較させない作戦です。それでも心配なので、さらに上位のマジェスタとレクサスGSまで用意しています。日本人は、営業マンの「どっちにしますか?」と「おまけはどれがいいですか?」に弱い。これを言われて、どっちがいいかな・・・ どれがいいかな・・・と考え出すと他社製品に目がいかなくなります。おっと、これは営業のノウハウですね。内緒です。

ビクセンがSXとSXDを同時に出したら、もっと成功したのに・・・  ビクセンはこれがわかっていないくらい素人だったわけです。いくらいいものを開発しても、選択肢なしの1点ものでは商品として弱い。ビクセンかタカハシかという選択になったら、タカハシの勝ちに決まってますからね。
CubeとMiniTowerが両方同時に発売になって、選択できたらMiniTowerが結構売れたと思いますが、両方とも日本では買えなくなってしまいました。テレビュー・ジャパンは(国際光器も)メーカーではないので、自分の意志でそういうことを決定できないんですね
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8月10日     MiniTowerTM
8月9日(土)の夜、オーナー1は、天文関係ではない同好会のような仲間たちとともに、天文台&楓林舎に行きました。みんなで、ななつがたけ北天文台見学ツアーといったところです。比較的星には興味のあるおじさん・おばさん(とその子供たち)の集団で、みんなそれぞれ社会的地位のある人ばかりです。その割には楓林舎で酒を飲んで大騒ぎしてきました。・・・というのも、この日は薄曇りで、たまに部分的に星が出て、またすぐ見えなくなるということの繰り返しでした。天の川はほとんど見えません。それでも、わずかな雲間から望遠鏡で見えた月・木星・主な星雲星団にそれなりに満足したようでした。普段はなかなか見られない大型天体望遠鏡にさわれたこともよかったようです。しかし、これ以外は酒を飲むしかありません。
秋にまた、駒止湿原の紅葉見物を兼ねて、天文台ツアーがありそうです。

この前日からオーナー2も来ていました。前日の夜はよく晴れたそうです。オーナー2は、最近手に入れたiOptronの「MiniTowerTM」とwilliamoptics 110mmアポ鏡筒を持ってきました。




8月2日に書きましたが、これはGPS付きGOTO経緯台です。使い勝手も強度も見た目も十分です。架台と三脚の間にある3本のネジは水平調整用です。これは三脚の伸縮でやった方が早いような気がしますが、見た目のアクセントになるのと同時に、この隙間に水平軸クランプがあります。ついでに垂直軸クランプは、バランスウエイトシャフト付け根にある大きい方の丸い部分です。とても使いやすい。
williamopticsの11cmアポ鏡筒もすばらしいものだし、テレビュー双眼装置も付いて、この組み合わせが、お手軽眼視観測には最高だと思います。架台のバランスウエイトシャフト側にも鏡筒を付けることが可能。トランクケース付属。架台一式がコンパクトに収納できます。この架台は、日本にはまだこれ1台しかないのでは・・・? 
「SmartStarCube」の方は日本で発売になりましたが、なんで、日本では競合機のあるそっちが先?  「MiniTowerTM」は、多くの人がこういう製品が出るのを待っていたのに、なんでこちらが発売時期未定なのでしょう。・・・なんて思っていたら、最新情報が届いて、Cubeの方も日本での発売が中止になってしまったようです。
それをオーナー2は両方持ってる! これは貴重かも。

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8月9日     Webサイト不調
8月8日の更新をWebサイトにアップロードしようとしたら、アップロード中にエラーが出ました。
「もう、そろそろかな・・・」と思っていたのですが、とうとうそのときが来ました。このWebサイトがある「cc9」は、容量制限が50MBです。ここには、過去にアップしたけれども、現在は使っていないHTMLや写真が多数存在しています。いずれそれらを整理しないといけないな・・・と思っていましたが、とうとうそのときが来ました。今日、50MBを超えました。

とりあえず、cc9にアップされていたすべてのファイルを削除しました。そして、現在のサイト内容を改めて、すべてアップロードしようとしました。ところが、アップロードが3/4程度終わったところでエラーになり、そこで終わってしまいました。その後、いろいろな手だてを試みましたが、まだすべてのファイルをアップできていません。
そういうわけで、ほとんどのファイルはアップされましたが、ごく一部のファイルが現在のところアップできていません。一部のページや写真が表示できませんが、しばらくの間お許しください。早急に対応したいと思います。

このあたふたをご覧になった方が10人ぐらいいたようです。すみません。近日中に何とかします
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8月8日     2ヶ月ぶりの星
やっと晴れました。そして久しぶりに天文台に星を見に行きました。ドームに入るのは約2ヶ月ぶり。
ドームの入り口にはクモの巣ができていました。2ヶ月前、クモよけスプレーをたっぷり撒いておいたのですが、有効期間1ヶ月という表示なので仕方ないところです。しかし、効果はあったようで、巣の量としてはスプレーなしより大幅に少なくなっています。ドーム内も効いたようで「巣」はありませんでした。でも、小さいクモが鏡筒から糸を引いて降りてきました。昨年は長期間放置しておいたら、35cm鏡筒の内側にクモの巣を張りめぐらされました。

長い間、まともに星を見ていなかったので、この夜は眼視中心です。カメラはε180EDにSEO-COOLED40Dだけ付けて、35cm鏡とTOA150は眼視用に使います。TOAには双眼装置を付けました。さすがに15cm屈折になると光量が十分あるので、片目あたり半分以下になったとしても10cmと同じです。TOA150は知り合いからの借り物で、今月下旬には返すことになります。しばらくお蔵入りだったので十分使ってあげようと思います。関係ないですが、近くに「お蔵入り」という地名があります。かつて、そこで映画のロケがあったそうです。映画関係者がよくそんなところでロケをやったものです。

この日は快晴ではありましたが、前日まで十分に雨が降って地面は水浸しですから水の蒸発量が多くて、薄く靄がかかった感じです。透明度は6/10程度。天頂はまずまずでした。そのため、天の子午線を通過するあたりにある天体を導入して、4分露出(通常は5分のところをかぶるため短縮)。気温は25℃程度でしたが、冷却装置でCCDは氷点下(-2℃前後)になっています。
ε180EDで露出中に、35cmとTOA150+双眼装置で観望です。フォーカスは電動なので露出中に動かしても問題ありませんが、さすがにアイピース交換は25E赤道儀といえどもやるとブレます。露出に入る前に適当なものに交換して、双眼装置の向きも水平になるように調整しておきます。眼視用鏡筒を2本(時には3本以上)使うのは、こういう場合に、あらかじめそれぞれの倍率や明るさ(瞳径)を変えておいて、ひとつの天体を複数の条件で見たいからです。
天の川の中とその東側の天体をいくつか見ました。M27、網状星雲、M2、M15 ・・・
網状星雲の北東側の方は、TOA150双眼装置にハイペリオン31mm(フィルターなし)で写真でよく見るベール状に見えました。ほぼ天頂にあった時なので、条件さえよければこの口径でその程度まで見えるものなんですね。これまでは、比較的低いところにあるときに見ていました。やはり、子午線上にあるときに見ないといけません。

この夜は、0時を回ったあたりで曇り始めました。スポット天気予報は一晩中快晴だし、気象衛星の写真にも雲はありません。山の中特有の山肌に張り付いた地表付近だけの雲(キリ?)です。1時間ぐらい待ってみましたが、晴れそうにないので今夜は終了。
久しぶりにきれいな星が見られて写真も数枚取れたので、これで良しとします。

今日は天文台から仕事先に出勤! そして明日(土曜日)、また来る予定です。ここ数日は天気がよさそうだし、毎日晴れれば地表付近の水蒸気も減るだろうし、条件は良くなっていくと思います(そう思いたいです)。






 写真データ 2008/08/07 23:31  ε180ED(f=500,F2.8) SEO-COOLED40D(ISO800) 300秒露出
   左:原板のままの画像処理なし   右:ステライメージでバックグラウンドの色調整、レベル調整、デジタル現像、ダーク減算なし

普通に画像処理すると、当然ながらこうなります。これから赤外カットフィルター改造デジタル一眼を買おうと思っている人はこれを見てどう思いますか?
これなら改造なしでも同じじゃん!(同じではありませんがありがたみが薄い)

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8月2日     GOTO経緯台が欲しい
予想に反して、北関東・東北は、まだ晴れません。8月5日ぐらいにならないと梅雨は明けないようです。まともに晴れない毎日が、2ヶ月近く続くことになりました。地球温暖化によって、乾燥する地域と雨が多くなる地域ができてきますが、北関東以北は雨の多くなる地域になるのでしょうか。ここは、冬、使えない天文台なのに、夏まで晴れなくなったらどうしましょう。

オーナー2がふとした弾みで、やや大型の自動導入経緯台を手に入れたようです。こちらです。
  http://www.ioptron.com/products_con.aspx?pro=GO%20TO%20EQUATORIAL%20KIT&id=2

最近、大型双眼望遠鏡が市民権を得てきたようです。「松本ミラー」の松本さんのおかげでしょうか。双眼装置を買う人も増えてきたようです。そういう人たちが欲しいのは、大型の自動導入・自動ガイド経緯台です。しかしながら、世の中にそういう製品がありません。発売して欲しい具体的な製品名で言えば、「スカイポッド・D」と「HF・D経緯台」です。「スカイポッド」同等品の「SmartStarCube」は、テレビュー・ジャパンから発売になりましたが、「スカイポッド・D」に相当するのがこの「MiniTowerTM」なのでしょう。こちらはまだ、日本での発売は未定で、どうしても欲しい場合は、現状では個人輸入しなければなりません。オーナー2によれば、これは双眼装置派(眼視観望派)にはかなり理想に近いようで、「使える」製品のようです。いずれレポートが来るでしょう。
ビクセンの「スカイポッド・D」は、こちらに先を越されましたが、国内販売はまだ先になりそうなので、「日本にはない」という点では状況は変わりません。「HF・D」には期待したいと思います。大型双眼望遠鏡を載せるための決定版がこれだからです。実は、ビクセンの開発責任者は私の大学の先輩であるため、先日、「HF・D」を作ってください、というメールを出しておきました。どうなることか・・・

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7月30日     黄道光
関東・東北は、まだ梅雨が明けていない気がします。今日あたり、やっと前線が消えて梅雨明けの気配が出てきました。8月に入るとともに、このあたりにも本格的な夏が来そうです。7月12/13日以来、全然星を見られていなかったのですが、久しぶりに星が見られるようになるでしょうか。8月1日から「梅雨明け10日」があることを期待したいと思います。
去年のペルセウス座流星群の頃は、月は新月前後だったうえ、5日連続の快晴になりました。TAGに今年もラッキーが来るでしょうか・・・?

去年のペルセで思い出すのは、天文台近くの広場で明け方まで流星を観測していたら、天文薄明前にとても明るい黄道光が見えました。最初の夜は、やけに薄明はじまりが早いな・・・? と思ったのですが黄道光でした。この時期の東の空では、黄道がかなり立っているので、黄道光が明るく見えます。さらに、冬の銀河と交差するので、写真に写すと結構絵になります。撮影ポイントは、東が開けていて東に大きな街がないところ... 福島県と新潟県の県境付近の高い山の上、岩手県の太平洋寄りの山の上、風があって透明度が良ければ、その他の太平洋岸の丘の上でも可能でしょう。私には関係なくなりますが、紀伊半島の南寄りあたりとか。一番は小笠原でしょう。本物の(街の明かりや周辺減光ではない)黄道光がきれいに写せる場所というのは、日本中を見てもわずかしかなくなりました。 

去年撮った黄道光の写真が右です。一晩中連続で流星の写真を撮り続けたS3proを使って最後に撮影したため、CCDが熱くなっていてノイズだらけです。ノイズが見えなくなるまで縮小したのがこの写真です。今年快晴になったら、SEO−COOLED40Dでもう一度撮影してみたいと思います。

  写真データ  2007年8月14日 2時55分 S3pro ニコン10.5mmF2.8対角魚眼 露出1分 固定撮影

Nikon−EOSマウントアダプターを買ったので、ニコンの対角魚眼が40Dに付けられます。しかし、そういう使い方をすると、ニコンのオートフォーカスレンズは最大(小?)絞りのF22に固定されてしまいます。それでは使い物にならないため、絞りを動かす爪に細工をして絞り開放の位置に固定しなければなりません。この細工がなかなか面倒です。とりあえず第1案はやってみましたが、最終的にうまくできたものを「ノウハウ集」に載せます。
キャノンのEF24mmF2.8レンズとソフトフォーカスフィルターも買いました。このレンズは35mmフィルム換算で約38mmになるので、星座写真を撮るには最適です。これで7月19日に書いた星座の写真を撮ろうと思います。このカメラのガイドには、オーナー2所有の昔懐かしい、「SkyMemo」か「Mark-X」が役に立ちそうです。
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7月25日     このWebサイトも3年目
梅雨が明けましたが、関東以北は気持ちよく晴れません。今年は「梅雨明け10日」はないのでしょうか。昼間、太陽が出ることは多くなりましたが、雲やモヤが多くて、天文屋さんにとっては曇り同然です。私もここしばらく、天文台には行っていません。

星を見ている皆様は、ここ数年、きれいに晴れる日数が大幅に減っていると思いませんか ?
地球温暖化の影響がここに現れていると思われます。地球大気の温度が上がると飽和水蒸気量が上がり、大気中に含まれる水蒸気の絶対量が増えます。水蒸気が増えれば雲も増えます。
温室効果ガスのダントツNo1.は「水蒸気 H
O」です。このことをご存じでしたか? 
何でこれを政府も学者もマスコミも隠しているのでしょう? 隠しているわけではなく、水蒸気を問題にしても、何の対策も打てないからでしょうか。その分、影響としては水蒸気に較べたらたいしたことのない二酸化炭素だけを温室効果ガスとして悪者扱いしています。

いろいろな説がありますが、温室効果寄与率の65%から90%は水蒸気だと言われています。最大の90%だとした場合、二酸化炭素の温室効果寄与率は5%程度です。世界中の二酸化炭素排出量を「0」にしたところで、地球の気温上昇率が5%程度下がるだけです。最低の65%だとしても五十歩百歩です。地球はもうすでに、温暖化スパイラルに入ってしまいました。外部環境が変わらない限り、「気温が上がる→水蒸気量が増える→気温が上がる」このスパイラルから抜け出せません。地球温暖化の最大の理由がこれなのに、大きな問題ではない二酸化炭素を減らすことに膨大な労力とお金を使っている現在の世界というのはどうなってしまったのでしょう。
地球温暖化に対するアメリカ(ブッシュ政権)の態度はあまり感心しませんが、理論的には正しい主張をしています。
このまま地球の平均気温が上がり続けて、大気中の水蒸気量が上がり続けた場合、毎日が曇り空同然になり、我々天文ファンは年に数回の快晴を待つ他なくなるという可能性もあります。

しかしながら、「外部環境」というのが変化する可能性もあります。近い将来、「地球寒冷化」の時代に入る可能性を指摘する学者もいます。将来的にどうなるのかは全然わかりませんが、これから数十年は曇り空傾向が高くなるのでしょう。天文ファンは、貴重な晴れ間を大切にしましょう。


このWebサイトを立ち上げてから(天文台の運用を始めてから)2年が過ぎました。
アクセスカウンターは26000を超えました。名もないサイトであるうえ、掲示板もなくて、一方的に情報発信しているだけの割には、多めのアクセス数です。もっとも、ここのアクセスカウンターは構造上、厳密に一人1回ではなく、ひとりの訪問者の方が複数上げる可能性のある仕様になっています。カウンターに表示されるアクセス数は正確ではありません。それにしても、更新があまり頻繁ではないのに、毎日ここを見に来てくれる人も複数いるようです。そういう皆様や時々見に来てくれる方々、ありがとうございます。
私自身も、1日1回程度は自分のサイトを見て、アクセスカウンターをチェックしますが、更新されてないのに、毎日、カウンターが上がっていくのを見ると、「申し訳ない!」と思います。できることなら、「しょこたん」のように、見るたびに更新されているサイトにしたいものですが、能力的にも時間的にもそうはいきません。ごめんなさい。

訪問していただいた皆様のご感想・ご意見を励みに更新作業をしますので、今後ともよろしくお願いします。
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7月19日     星野写真
私がここ1年間ぐらいに撮った天体写真は、ほとんどTOA直焦点とε180EDでの星雲星団の写真だけでした。それはそれで、大口径望遠鏡での観望ガイドとして役に立っていますが、先日、小学校で天体関係の授業をやって、星座と月の写真を撮らなくては! と思いました。それと日周運動も。Webサイトを探しても、星雲星団の写真なら腐るほどありますが、それらの写真はごく少数しかありません。最近、星野写真というのは流行らないようです。星野写真ということば自体も死語に近づいたのでしょうか。星野写真を撮っても天文雑誌に入選しないから・・・という理由でしょうね。天体写真を撮っている人たちは、なんのために撮っているのでしょう。「自己満足のため」それに尽きるでしょうが、雑誌には絶対入選しなくても、「子供たちのために役に立つ天体写真」というものにも興味を持ってもらいたいと思います。天体写真の選者さんにも、選考基準に「天文学振興」という観点も入れてもらいたいものです。
星座の写真は、昔撮った銀塩スライドが結構ありますが、フィルムスキャナでデジタル化しようと思いつつも全然進んでいません。
デジタル一眼で撮り直そうと思っていますが、なんと!!レンズがありません。銀塩時代はミノルタユーザでした。ミノルタのレンズはある程度ありますが、現在使用しているデジタル一眼は、富士S3pro(ニコンマウント)とEOS40Dで、ニコンのレンズは対角魚眼と180mm、標準ズームの3本だけ、EOSに至っては標準ズーム1本だけです。
最近貧乏なため、なかなか新規にレンズが買えないし、どうしたものでしょう。
とりあえず、ニコン--->EOS のマウント変換アダプターを買いました。

星座などの写真を写そうとしたとき問題なのは、S3proは気温が10度以上になるとノイズが急激に増加して、ほとんど使い物になりません。夏場は、SEOさんの冷却40Dしか使えません。対角魚眼と180mmはこれに使えるようになりますが、その間をどうしたらいいでしょう。固定焦点のレンズを少しずつ3本ぐらい買うか、星も写せる高性能なズームレンズを1本買うか・・・

Cooled40Dなら、デジタル一眼が苦手とする2時間ぐらいの日周運動が撮れそうな気がしますが、やったことある人いますか?
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7月15日     眼視用フィルター
先日、12/13日の良く晴れた夜に、NP127双眼望遠鏡と豪華アイピースラインナップで星を見た話は前記の通りです。その際、いくつかの天体に対しては、ネビュラーフィルターやOIIIフィルターを付けて見てみました。
最初に見たのは、みずがめ座の巨大惑星状星雲NGC7293でした。はじめはノーフィルターにイーソス13mmを付けて、約50倍で7293を探しました。空の透明度がいまいちなのと、視野内でどのくらいの大きさに見えるのかを把握していなかったため、視野内に入っているのに見つからない状態でした。同じところを何度も行き来して、「これか!」とわかったときは、視直径13分の惑星状星雲とはこれほど大きいのかと驚かされました。かなりコントラストが悪いですが、一応リング型には見えます。そこにフィルターを付けてみると、見え方が一変しました。コントラストが良くなって、はっきりリング状に見え、リングの途中が2カ所ゆがんでいるのがわかります。
天体写真で見る7293に近い姿です。
次にM27を見ました。これくらいの光量がある惑星状星雲の場合は、ネビュラーフィルターよりもOIIIフィルターの方が効果絶大です。この場合、「アレイ状星雲」ではなく「ラグビーボール状星雲」です。ネビュラーフィルターやOIIIフィルター付きの定番、網状星雲も予定通り、はっきり見えました。

眼視用フィルターというのは、要するに光害カットフィルターです。バックグラウンドの明るさが「0」ならば、フィルターは必要ありません。しかし、現実にはバックグラウンドの明るさ0はあり得ないので、余分な光をカットするためにこれらのフィルターを使うわけです。これまで、ななつがたけ北天文台は夜空が暗いことを強調してきましたが、それは相対的な話で、この地でも空の明るさにはガッカリさせられます。超快晴の夜でも、まわりのスカイラインが全周見えます。この地は、日本国内の交通の便のいいところの中では、最高に近い夜空だと思いますが、それでもそういう有様です。この程度の夜空を自慢しているようでは、日本での天体観測は絶望的です。実際、絶望的なので眼視用フィルターが必要になります。

眼視用フィルターというのは、相対的にでも夜空の暗いところで使ってこそ、その効果を発揮するものだと思います。
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7月13日     イーソス8mm
先週末、オーナー1・2が揃って天文台に行きました。この日は、ドーム内の望遠鏡は一切使わなかったので、天文台に行ったというよりも楓林舎に行ったと言うほうが正しいでしょう。梅雨の最中にもかかわらず、月が沈む0時頃にはほぼ快晴になりました。ただ、湿気が多くてレンズがすぐ曇るし、透明度もイマイチでした。

オーナー2がイーソス8mmを買って手元に届いたため、夜空のきれいなところでのファーストライトです。楓林舎前の広場にNP127双眼望遠鏡をセットして、アイピースとしては、イーソス8&13mm、XW20mm、ハイペリオンアスフェリック31mm、パンオプティック27mm、ナグラー各種、すべて2本セットという豪華ラインナップを用意しました。O
IIIやネビュラーフィルターも2枚セットでスタンバイしています。
イーソス13と8は、外見的にはかなり違います。13mmは太くて大きくて、常識的なアイピースと比較した場合、30mmか40mmに見えます。ただ、外径はギリギリで双眼に使えます。これは重要なポイントです。惜しいところで太い場合は、ゴムの部分をとれば−2mmぐらいになります。それに較べると8mmの方は、直径も多少細くて設計的に全く別物です。スマイスレンズを換えてもう一本作りました、という製品ではありません。しかし、見た目の星像はイーソス13と何も変わりません。倍率が上がっただけで、見かけ視界100度の超広視界が視野周辺まで見事に、シャープで歪みのない点像になります。こういう良質なアイピースを付けた双眼望遠鏡で、見かけ視界が広いというのは非常に快適です。
こういう望遠鏡で視野を銀河に沿って流していくと、次々と星雲星団が視野に入ってきてとても楽しいものです。この際、歪曲が大きい光学系だと視野周辺の星の動きが不自然になります。イーソスの場合、周辺の星まで、すべてきれいに平行に動いていきます。この歪曲の少なさは、どのアイピースも勝てません。

ただ、
欠点というほどではありませんが、イーソスの13mmと8mmは同焦点ではありません。結構違います。また、両方とも2インチと31.7mmのデュアルバレルですが、31.7mm側が出っ張っているので、フィルターは31.7mm用しか付けられません。
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7月11日     小学校の授業
私は今、ある小学校に行って4年生に理科を教えています。合計4時間で、月の動きと星や星座についての授業をやります。いくら星に詳しいからといって、学校に行って本物の授業をすることなんてあるのか!? と思われるでしょうが、条件が整えばあります。最低限、教員免許は必要でしょう。
我が家の近所で、子供がうちの子と同級生の家庭のお母さんが、小学校の先生をしています。理科・・・特に天文は苦手なので、代わりに学校に来て授業をやってくれと頼まれました。近所のおやじに「代わりに授業をやってくれ」と頼む先生がいるのか!? と思われるでしょうが、こちらも条件が整えばありえます。授業をやってもお金をもらえるわけではなく、完全にボランティアです。授業をやってくれと頼まれた日時が、偶然にもヒマなときだったし、「授業」という言葉に懐かしい響きも感じて、ボランティアをやることにしたわけです。

行った先は小さな小学校で、4年生は10人。そのくらいの人数だと話もしやすくて、ひとり一人の児童の反応を見ながら進められます。子供ってみんな、天体には興味があるんですね。授業ですから、必ず教えなければならないことがあります。それはしっかり教えるのですが、子供たちは、それ以外の星についての雑談のほうが楽しいようです。子供たちの質問に全部答えていくと、次から次へと出てきて授業になりません。「星に興味を持たせる」というのも、必ず教えなければならないことの1つで、実はそれが一番難しいことなので、多少の脱線はいいことにします。小学校の授業は、1校時が45分なので、あっという間に過ぎてしまいます。そこの学校はチャイムもならないので、児童に「先生、授業の時間、もう終わりだよ」といわれて気がつく有様です。50分という長さは体感的にわかっていますが、それが45分になっただけで、ペースがつかめなくなります。

月の授業をやるにあたって気がつきました。私は月の写真をぜんぜん撮っていませんでした。満月の写真が欲しかったのですが、自分では撮ってないので、Webサイトを探して使わせてもらおうと思ったら、なかなかありません。小学校や中学校で教材に使える天体写真というのは、意外に少ないものですね。最近の天文雑誌に載っている写真では、教材として使えそうなものなどほとんどありません。以前どこかに書きましたが、多大な労力と高度な技を使って完成させたすばらしいできばえの天体を写した作品は、その後、何に使うのでしょう。そういうものよりも、「ここにある天体写真はすべて学校での授業に教材として使えます。自由にご利用ください。」みたいなWebサイトを作るとアクセス数が増えること間違いなしです。他人事のように言っていないで、それは私がやらないといけなかったのかもしれません。「授業に必要な天体写真とは何か」が、わかっていなければ撮りようもありません。

4年生の授業に必要だった満月の写真は、普通よりもコントラストが高い、ウサギが餅をついている姿がよくわかる写真でした。どこかのWebサイトから満月の写真を探してきて、多少の画像処理をして使いました。著作権ですが、学校の授業で教材として使うときは別格の規定があります。

現在、天文台にTOA150があって、焦点距離もちょうどいいので、月の写真を撮ろうと思います。同一光学系の直焦点で撮影した月の写真が、29枚(29枚目に真っ黒の画像を入れる)並んでいるサイトがあれば良い理科教材になります。Webページ上では160ドットでいいですが、クリックすると1024ドットの写真が出るようにしてくれると完璧です。
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7月8日     ガソリン価格
とうとうこの日が来てしまいました。セルフのガソリンスタンドで1万円札を入れて給油開始したのに満タンになりませんでした。初めての経験です。
私の行きつけのガソリンスタンドは、栃木県内はもちろん、関東地方でも最安値に近いお店です。ちなみに今日のハイオク価格はリッター180円でした。レクサスGSのガソリンタンクは71L。空から満タンにするには 180x71
12780円になります。
この車を満タンにすると、自宅から天文台までの往復約260kmをギリギリ3往復できます(レクサスGSとしてはすごい燃費ですよね)。高速代がETC割引がない場合、往復約4000円。天文台まで1往復すると自動車だけで約8000円かかることになります。これに楓林舎の宿泊代が加算されます。結構、金のかかる趣味になりました。ゴルフより高いですね。現在、仕事があまり無くて貧乏になっているところにこれですから、困ったことです。これからどうしたものか・・・  それでも天文台には行くでしょうが、この状況を妻と家族がどこまで許すかという問題になってきます。
とりあえず、ETC通勤割引を最大限利用し、省エネ運転に心がけ、間違いなく晴れるときしか行かないようにしましょう。
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7月5日     怪しげなカー用品
リッツ パワーシフトMS-001 ¥10290とリッツ ファイブスターMS−005 (5個セット) ¥19950を購入し、エスティマハイブリッドに取り付けました。
  http://www.ritz-sol.co.jp/
前者はシガーソケットに挿すだけで、エンジンをエコ&ハイパワーに、排気ガスをクリーンに、カーAV機器の音質がよりHiFiになるそうです。後者は、指定された場所に両面テープで貼り付けるだけで、会話のしやすい車内空間・清涼感漂う快適空間をつくり、エンジン音やロードノイズの低減による聞きやすい快適カーオーディオにするそうです。さらに両方とも、エンジンパワーアップ、燃費向上をうたっています。
私だったら、それらがカー用品店に並んでいても絶対に買わない商品です。それらの動作原理が全く説明されておらず、説明があったとしても物理的に理解できない(あり得ない)代物です。それをなぜ買ったかというと、信頼できる(はずだった)カーオーディオ専門店の社長が、それらをやたら褒め称えていました。それらを取り付けた試乗車に乗ったら確かに違いが感じられました。さらに、社長にだまされて(?)、自分の車にそれらを取り付けた客たちが絶賛していました。
私自身の感覚でも、試乗車の車内に清涼感が漂い、車内での会話がしやすくなっているし、カーオーディオの音質が良くなっていました(取り付け前後で比較)。エンジンのパワーアップと燃費向上は絶対ウソだと思ったのですが、オーディオの音質が良くなるだけでも安いものだと思って、社長にだまされることにしました。

ファイブスターの方は、ファイブスターという名前でありながら、そのお店では車の内外に合計6個取り付けました。当然、値段も¥19950ではありません。さらに、取り付け位置を社長が音を聞きながら、5mm単位で移動し、取り付け角度もたぶん3度刻みぐらいで調整していきました。調整費込みで30000円。パワーシフトはシガーソケットに挿すだけでいいのですが、微調整用の小さなボリウムが付いています。自分で買った場合(買わない!)は、それを動かすことなどあり得ないのですが、そこのお店では、車に取り付けて、音を聞きながら微調整していきました。調整費込みで10000円。
これらの商品は、イエローハットやオートバックスでも売っていますが、自分で買って自分で取り付けても効果は薄いのかもしれません。微妙な音の差を聞き分ける耳を持った専門家が、きちんと取り付け・調整してくれないと本来の効果(もしくは、メーカーが想定した以上の効果)を発揮しないと思われます。さらに5個セットで販売されているものを6個付けるという、販売店独自の技がメーカー想定以上の効果を生むのでしょう。

取付が完了したところで、社長が助手席に同乗して、お店のまわりを10分間ほどドライブしました。社長が、ここがこう良くなったでしょ、といろいろ言います。明らかな差ではありませんが、確かに良くなっています。少なくとも、カーオーディオは良くなっています。私としてはそれだけで十分なのですが、それ以外の効果は、ひとりで乗って確かめたいと思いました。社長自身もマインドコントロールされていないところで、自分で確かめろと言っていました。
ひとりで車を運転して自宅に帰る途中、室内の清涼感を感じました。エンジンもスムーズに回っていて音が静かになった気がします。カーオーディオは低音が明らかに締まっています。高音も美しくなっています。これまでは、低音の音量がイマイチで、トーンコントロールでBASSを上げたいところですが、上げるとうるさくなってしまうので上げられませんでした。しかし、これらを取り付けた後は、低音が締まっていて、BASSがデフォルトのままでも十分です。トーンコントロールでBASSを上げてもうるさくなりません。上げるのは1目盛りで十分です。また、以前はバンドの音に消されてしまって聞こえていなかったアコースティックギターの音が聞こえるようになりました。効果があったわけで、これで良しとすることにしました。

翌日のことです。このエスティマハイブリッドに乗って出かけました。動き始めて間もなく、「???」  快適なはずの車内空間がおかしい。居心地が悪い感じ。さらに運転していくと頭が痛くなりました。昨日の効果はどこへ行ってしまった! おかしいい! 車内を見回したら、天井に付けてあったファイブスターの1個(右写真)が床に落ちていました。暑さで両面テープが剥がれました。それも、適正な取り付け方向と反対を向いて落ちていました。メーカーの説明書にも、間違った設置は効果が低下するとありました。落ちていた1個を「この辺だったかな?」と思う位置に貼り付けたら、室内の空気感が多少良くなりました。でも、まだおかしい。取り付け位置か、角度が違うようです。出かけたついでに、そのお店まで行って、取付をやり直してもらいました。今度は落ちないように貼り付け方も改善してもらいました。帰りは快適でした。
怪しげなカー用品ですが、専門家に取り付け・調整してもらえば、1個落ちただけで違いがわかる程度の効果があります。燃費向上効果があるかどうかは、これから調べます。こちらは変化なしでかまいません。こんな怪しげなもので燃費まで良くなっていたら、世の中、何を信じたらいいのかわからなくなりますから。パワーシフトの原理は説明を受けて理解しましたが、それがなんでそういう効果を生むのかわからないし、ファイブスターは全く正体不明です。社長によれば、他人にこれらの効果の話しをして、取付を勧めたりすると友達が減るからやめた方がいいと言っていました。私も他人に話だけして勧めようとは思いません。少なくとも、これを読んでオートバックスに買いに行くのはやめましょう。たぶん自分で取り付けても、「怪しげな商品を取り付けたら、何となく変わったような気がする」で終わると思います。ここでは、そういう商品とそういう販売店が存在するというだけの話で、興味のある人は自分で確かめて納得してからにしましょう。
そこの社長は、近くにある高専と共同研究して、これらを理論的に解明していくそうです。
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7月1日     今シーズン初! 輝く天の川
6月30日の夜、快晴を予想して天文台に行きました。日中曇が多かったのですが、日没後、いい感じに晴れ上がりました。「やった! 大正解。」と思ったら、それもつかの間、薄曇りになり、そのうち星が全部消えてしまいました。気象衛星写真では、快晴領域なのですが・・・
山間部特有の地上近くの低い雲です。また晴れるかもしれないので、写真鏡とカメラ、眼視用の望遠鏡もフルセット準備しました。しかし、その後、わずかな雲の切れ間にちらほら星が見えますが、カメラのピント合わせさえ、まともにできません。
0時近くになった頃、あきらめました。機材をすべて撤収して楓林舎に帰りました。楓林舎秘蔵の梅酒や果実酒をいただき、その後、ゆっくり風呂に入って、部屋でごろごろしていました。そうしたら、楓林舎オーナーが「コンコン、星出てますよ!」

外に出てみると、満天の星と輝く天の川! 時刻は2時。細い月が昇る時刻だし、天文薄明まで30分。ドームに行って、ちょっとだけ眼視で星を見ることにしました。空をよく見ると、天頂近くは快晴ですが地平線近くはかすんでいました。しかし、わし座からケフェウス座あたりの天の川は見事。空はすっかり夏の星座になっています。
今シーズン初のまともな天の川でした。うっすら天の川は何度も見ていますが、これぞ!南会津ならではの天の川です。

ドームで銀河沿いの天体をいくつか見ました。時間もないので35cm鏡とTOA150だけアイピースを付けて、2本の筒での観望。網状星雲がどちらの鏡筒でもフィルターなしではっきり見えました。TOAはネビュラーフィルターを付けた方がさらによく見えました。シーイングもまずまずのようで、球状星団や惑星状星雲もきれい。そのうち東の空が月と薄明で明るくなり、本日終了となりました。とりあえずきれいな銀河が見えてよかった...
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6月30日     穴あきニュートン主鏡の光軸合わせ
ななつがたけ北天文台の35cmニュートン主鏡は、将来、リッチークレチアンに発展可能なように、カセグレン主鏡と同じように中央に穴が開いています。また、F4と明るいため、斜鏡は偏芯した位置にあります。今更ですが、これの光軸を正確に合わせるにはどうしたらいいのでしょう。1本の光のレーザーを接眼部から入れても、主鏡の中央がないため返ってきません。そのため、主鏡裏側にあるふたの中心にマークを付けました。レーザーはその中心マークに当たっています。また、同心円や格子状のレーザーを接眼部の焦点位置から入れると、主鏡からの反射光が鏡筒と平行に出て行きます。これで斜鏡も主鏡も光軸が合ったかと思うと、星を見ると多少星像が乱れています。我慢できる程度なので、これまで放置してきましたが、これでなぜ光軸が合っていないのでしょう?

斜鏡の回転方向が合っていません。斜鏡が正確に接眼部の方を向いていないのです。主鏡の中心があって、レーザー光を反射してくれればそんなことはすぐわかりますが、穴あき主鏡だとそれがわかりません。斜鏡が回転方向にずれているのを傾きで合わせてしまっているので、おかしな星像になるわけです。

これを何とかするために、主鏡セルの裏側、通常のカセグレン焦点接眼部と同じ位置に簡易接眼部を作ることにしました。元々この位置に接眼部を付けることが可能な構造になっています。そこにレーザーコリメーターを付けて、後ろからレーザーを出して斜鏡の回転方向を合わせたいと思います。
写真の矢印部分がふたです。ここに旋盤で直径2インチの穴をあけて、内側からシュミカセ用オスネジリングを出し、外側からシュミカセ用2インチスリーブをねじ込めば、簡易接眼部が作れます。
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6月24日     M57の中心星
下にM57の10秒露出の写真があります。写真をクリックして、別Windowに表示された写真のM57付近を再度クリックしてみてください。等倍表示になります。M57については、10秒ですでに露出オーバー気味ですね。かすかに中心星が写っているのがわかるでしょうか。
私はまだM57の中心星を見たことがありません。というよりも、見ようとしたことがありませんと言った方が正しいでしょう。中心星は15.3等。天体望遠鏡の極限等級は 1.77+5Log D で計算できます。35cmでは14.5等、45cmでは15.0等になります。いずれにしてもM57の中心星は見えないことになります。M57の中心星というのは、惑星状星雲の中でも難物の中のひとつです。シーイングが悪いときは、どんな大口径望遠鏡を持ってきても見えないし、最高のシーイングに恵まれれば、35cmにOIIIフィルターを付けて見えることがあるそうです。35cmで見える? 
極限等級からすれば、見えるはずありません。でも、見えるそうです。・・・とすれば、極限等級の計算式が間違っているわけです。根拠のない私見ですが、 1.77+5Log D は違うと思います。計算式には倍率(もしくは瞳径)というファクターが入るはずです。35cm鏡を使った場合、100倍以下の倍率のときと500倍を超える倍率では、バックグラウンドの明るさが全然違います。低倍率では、バックグラウンドが明るくてアイピースの視野絞りが見えます。超高倍率にするとバックグラウンドの明るさが、ゼロに近くなります。当然、超高倍率にしたときの方が暗い星まで見えます。極限等級の計算式は、バックグラウンドの明るさがある特定の場合なのでしょう。しかし、現実にはバックグラウンドの明るさはいろいろな条件で変わるので、超高倍率にすると計算上の極限等級よりも暗い星が見えるわけです。
それ以上に、極限等級に関しては、シーイングによるファクターの方が遙かに大きいようです。シーイング最高の日に、35cm鏡にXW3.5mm(460倍)+OIIIフィルター付き、もしくは、2.6倍リレーレンズ付き双眼装置+XW7mm(520倍)で、見えないはずのM57中心星にトライしてみようと思います。双眼装置を付けたらまずダメでしょう。OIIIフィルター付きも理屈から考えればダメそうですが、理屈ではダメなものが見えるらしいです。一番可能性が高そうなのは、5倍パワーメイト+XW14mm(500倍)あたりか?
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6月20日     ファインダー
「ioptron キューブTM-G」というのをご存じでしょうか? 知らない人はこちら
http://www.zizco.jp/14shop_ioptron/001SmartStarCube.htm
ビクセンのスカイポッドにGPSが付いたようなものです。スカイポッドよりもこちらの方がずっとスマートで使いやすいようです。オーナー2が買いました。自動導入の精度もまずまず。
これを何に使うのか・・・? ファインダーにするそうです!? これだけで意味のわかる方はいないと思いますが、どうでしょう。別な知り合いが、SkyScoutが出たとたんにファインダーにすると言って買いましたが、あれを見た瞬間にそういう発想ができる人は能力の高い人たちですね。
ところで、キューブをどうやってファインダーにするのか・・・
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6月17日     ライブビュー
昨日の晩、天文台に行ってきました。月が大きいのできれいな星を見ることができないのは分かり切ったことですが、天体望遠鏡とそれをコントロールするパソコンの調整に行ってきました。パソコン調整は先日もやったのですが、マザーボードのドライバーが入っているCD−ROMを持って行くのを忘れたので、そこが未調整でした。それだけのために行ったわけです。しかし、月が大きくても天気がよかったので、調整が終わった後、望遠鏡で星を覗いてみました。でも予想通りで、35cm鏡で見ても「10cmでもこのくらいは見えるだろう!」という感じでした。

この日もε180EDにSEO-COOLED 40Dを付けて、ピント合わせ&テスト撮影をしました。この日はシーイングが悪くて、普通なら簡単に分離する二重星も、眼視でギリギリでした。SEO-COOLED 40Dのピントを二重星で合わせしようと思ったのですが、パソコン画面にライブビューしても全然分離しません。こんな日は写真撮影してもピンぼけの星像にしかならないので、無駄な労力です。実はこの事はライブビュー画面を見て初めてわかりました。冷却CCDのライブビュー相当の画面よりわかりやすいです。デジタル一眼の場合、感度は低いですが、精度が高い感じで、画面を見ていると星像がゆらゆら揺れているのがよくわかります。冷却CCDで正確に星像を見ようとすると、何秒間か露光した静止画になりますが、拡大率にもよりますが、デジタル一眼の動画でピントを合わせた方が正確に合わせられそうです。この日はいくら丁寧にピントノブを回しても、先日リストアップした二重星が二個になりません。普通の冷却CCDのときは、「もう少しがんばれば、ピントがもっと良く合うのではないか」と思って、さんざんピント位置を探す作業を繰り返すのですが、ダメなものはダメなんですね。それがよくわかります。右の写真は、「この日のピントは最大ここまで」という見本です。シーイングの悪い夜は、大きい星雲の観望だけして寝るのが正解です。

写真データ M57 ε180ED(f=500mm,F2.8) SEO-COOLED 40D ISO1600 露出10秒
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6月10日     宇宙ステーション見ました
この日の夜、久しぶりに晴れそうで、また、これを逃すと7月まできれいな星を見られなさそうな気がしました。平日ではありますが、夕方、天文台に行って夜中に帰ってくることにしました。そう思っていたらオーナー2も同じで、「今夜はどうだろう」というメールが来ました。ふたりとも「ほんとに仕事中なのかよ!」と思うくらい、女子高生のようにメールをやりとりして、オーナー1が車でオーナー2を迎えに行き、いっしょに天文台に行くことになりました。

オーナー1は全然気にしてなかったのですが、オーナー2が「今日はISSが見える」と言っていました。21時前後に南天の低いところを通過するようです。二人ともまだISSを見たことがなかったので、せっかくだから見てみようということで、21時前に天文台近くの南がよく見えるところに行きました。双眼鏡片手に西の空を見ていると、予定通りの時刻に(当然です!)ISSが西の空に現れました。土星より明るいです。5倍の双眼鏡で見ても「点」ではないことがわかります。子午線通過時が自分に最も近い位置に来るわけですが、西からに南に行くにしたがって見かけの大きさが大きくなっていきました。子午線通過後は小さくなっていくのがわかりました。東の地平線に沈む前に地球の影に入って消えました。ISSがどんな風に見えるのかがわかったので、次は望遠鏡で追いかけられそうです。5倍でも出っ張りがあることがわかりますから、30倍ぐらいあれば形が見えそうです。

この夜は、ちょっと雲の出る時間帯があるだろうという予想で、あまり期待しないでいましたが、薄明終了後、ほぼ快晴になりました。それが夜半まで続きました。しかし、23時過ぎまで月が出ているので、宵の口はそれぞれが自分の予定した、望遠鏡やパソコンの調整作業をして過ごしました。月が西に傾いた頃、ドーム内のパソコンが動くようになりました。パソコンの何を調整していたかは、天文台日記6月4日の通りです。
EOS Utility は MaxImDL をアンインストールすることで動くようになりました。MaxImDL あり・なしのデュアルブートも準備完了。元々MaxImDL が入っていないパソコンも EOS Utility が動きました。前回動かなかったのは単純ミスでした。ただし、USBリピーターケーブルを挟むとダメです。ということはUSB_HUBもダメでしょうね。マニュアルにUSB_HUBは使うなと書いてあります。
40DはEOS Utility を使ってパソコン画面上でライブビューできるのが便利です。ε180EDに付けてピントを合わせてみました。ピントもモーター&リモコンで、モニタを見ながら調整できます。先日、モーターの取り付け方を変えて回転を遅くした結果、微妙なピント調整が簡単にできるようになりました。

ドームのパソコンが動くようになったところで、外にいたオーナー2がちょうどよく、自分のやりたかったことを終えてドームに来ました。その後、二人でめぼしい星雲星団や二重星などを観望しました。35cmニュートン反射とTOA150で同時に同じ天体を見られるのは理想的な組み合わせでした。球状星団は口径が大きいほどよく見えるし、散開星団や二重星はTOAのシャープさがものを言うし。ついでに、二重星を入れては40Dでライブビューし、ピント合わせ用にちょうどいい星を探しました。ピントが合っていないときはひょうたん型で、合ったときに2個の星の間に黒い線が入るのが理想的です。これはシンチレーションの大きさによって変わります。
同じものが2本あるアイピースにテレビューと笠井のネビュラーフィルターを付けて見較べもやりました。網状星雲などの見え方は大きな違いがありませんでしたが、明るい星の色が結構違いました。そんなこんなで、今日は予想外に楽しい観望タイムを過ごしました。
次に星を見て楽しめるのはいつになることやら・・・
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6月9日     晴れませんね (地球温暖化異説)
「五月晴れ」というのがほとんどないまま、梅雨に入ってしまいました。先週末も一縷の望みを託して天文台に行きましたが、夜半過ぎ、一瞬だけM57が見えましたが、その前後曇りでした。
日中は、ひまわり画像上で北の雲と南の雲の間にあった
南会津でしたが、雲の隙間がみるみるうちに狭まって、夜には南北の雲が合体して隙間は消えてしまいました。楓林舎に来ていた東洋天文同好会の人たちと宴会モードに入りました。

星仲間とは、会うたびに「晴れないね。気候不順だね。」と、2年前ぐらいからいつも同じことを言っています。星屋の言う「快晴」には、最近、ほとんどお目にかかりません。まれにあるのはたいてい満月のときです。夜空はどんどん明るくなるし、快晴にはなりにくいし、ジェット気流は常に居座るし。日本の天文ファン(天体写真ファンは別)絶滅の危機が近づいたのかもしれません。

ところで「地球温暖化」というキーワードの下に、いろいろな情報がマスコミから流れますが、すべて信用している人はいないでしょうね? たとえば、新聞の科学欄にたまに天文学関係のニュースが出ます。それを読んで、「なんでこんな素人が記事書いてんだよ!」と怒りたくなるひどい記事が結構ありますよね。環境破壊や温暖化のニュースも同じレベルの人が書いてます。一般の人が信用しそうな大手新聞社や全国ネットのテレビ局なども信用していいのは半分ぐらいまででしょう。

ここで問題です。「温室効果ガス」と言われるものの中で、最もその影響が大きいのはなんでしょう?
「二酸化炭素、CO
」と即座に答えた人は、マスコミ報道を100%信じてしまう人です。そういう人たちは、ひどい記事しか書けないマスコミにコントロールされて、日本をあらぬ方向へ引きずり込んでしまう可能性があるので気をつけましょう。 答え・・・ 最大の温室効果ガスは「水蒸気、HO」です。地球全体として、空気中にある水蒸気量がちょっと増えただけで、地球は大幅に暑くなります。今現在、温暖化している理由は、二酸化炭素が増えたからなのか、水の循環バランスが地球上のどこかでちょっとだけ崩れて、空気中に留まる水蒸気量が増えたからなのか(これが晴れない原因?)、きっと前者なのでしょうが、まだ結論は出ていません。後者だとしたら、HOしか出さない水素自動車なんてとんでもない代物で、そんなものを開発しちゃいけないのかもしれません。次の化学反応式にも注意してください。
  16+110→7CO+8H
16は石油を表すとします。石油を燃やして発生するCOだけ問題にして、それよりも多く発生するHOはなぜ問題にしない?
温暖化の原因は、実はCOでもHOでもなく、もっと直接的に、人間がものを燃やしたときの熱やクーラー(ペルチェ素子も)の排熱、自動車などがブレーキをかけたときに運動エネルギーを熱エネルギーに変換して捨てた熱などで暑くなっているのかもしれません。
また、全く逆に、近い将来、地球が寒冷化すると予測する説もあります。そのときに備えて、今のうちに地球を十分熱くしておけ、という人もいます。どれが正しいのか、まだ決定的な証拠はないのでしょう。ベテルギウスやミラの超新星爆発というのも見てみたいですが、太陽や地球に何らかの影響が来るでしょう。そういう不確定要素もあります。
二酸化炭素削減は急務なのかもしれませんが、それは100年後ぐらいまでの話で、化石燃料が枯渇すれば使えなくなり、自動的に二酸化炭素排出量は減ります。200年、300年のスパンで見れば、アメリカや中国のように使えるうちに(正義感にあふれる先進国が使うのを躊躇している間に)石油使い放題、二酸化炭素出し放題というのも選択肢のひとつなのかもしれません。どうせ化石燃料が底をつくまで、どこかの国が燃やし続けるのですから。500年後にはすべて燃やし尽くして、二酸化炭素濃度は元に戻っているかもしれません。それまで気温が上昇し続けるわけですから、相対的に地球寒冷化になります。真実を予見できる優秀な科学者はアメリカに多いし、有益な情報は中国がしっかり集めているのでしょう。沖ノ鳥島が「島」ではなく「岩」だと主張している中国は、その周辺の漁業権などどうでもいいのです。海底に眠る熱水が噴き出しているところ・・・鉱物資源の宝庫・・・が欲しいはずです。そちらは日本では話題になりませんね。

ここで第2問です。日本が世界に誇れる天然資源はなんでしょう?
資源が何もないと言われていますが、「メタンハイドレイト」と答える人はマニアックでいいですね。正しい答えは 「水」 です。近い将来、世界中で水の争奪戦が始まるでしょう。日本は雨(雪)が十分降るし、水をきれいにする技術も世界でトップクラスです。しかし、残念なことに日本の川は短くて急流なので、すぐに海に流れてしまいます。そこで! そうです。川に山ほどダムを造って、降った雨水をすべてためるのです。そして近隣諸国へ水のパイプラインを引いて水を売るのです。世界が水不足になれば、石油と同じ値段で売れるかもしれません。そうなったら(・・・なりませんが)、タンカーに水を積んで中東へ輸出すればいい。
ダムはマスコミから悪者扱いされていますが、ダムはどんどん造るべきものなのかもしれません。以前、「脱ダム宣言」なんて言っていた知事がいましたが、この観点からいけば先が見えてない能なしなわけです。もっとも、地理的に長野県では、国内にしか水を供給できないので、たくさんのダムはいらないかもしれません。「雪」というのは天然のダムだということも忘れてはなりません。長野や北海道にはそれがたくさんあるのです。
「チョモランマの雪が減っている」と75歳の三浦さんが言っていました。ということは、将来、ヒマラヤを水源とする川は・・・  中国に水を売れるかもしれません。


以上のことはみんな「・・・かもしれません」というはなしです。確定しているわけではないのに、日本のマスコミは一方的な観点からの情報しか流しません。こういう反対方向からの学説も流してくれないと、考えることも選択することもできず、みんながひとつの方向に誘導されてしまいます。しかしながら、マスコミで働いている人たちは、日本人をひとつの方向に誘導しようなどとは考えていないと思います。それらの人たちは、自分がそういうことをしているという自覚がないほど無知でバカなだけなのです。新聞の科学欄とHステーションのF館伊知郎を見ればそれがわかります。平均すると私よりは遙かに能力が高いでしょうが、ニュースキャスターというのは、すべての分野に秀でた能力のあるスーパーマンでなければ務まりません。残念ながら、そんなすごい人材はいないんでしょうね。凡人の言葉にだまされないようにしましょう。
楓林舎で酒を飲みながら、こんな感じの話をした記憶があります。晴れないからそうやって時間をつぶしているわけです。
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6月4日     35cm鏡の斜鏡クリーニング
先日の35cm主鏡の洗浄が終わったところで、鏡筒に取り付けました。斜鏡はさわっていないので、主鏡のみ、光軸修正しました。主鏡の光軸が合った後で、今回、斜鏡を取り外し、こちらのクリーニングに入ります。35cm主鏡に較べれば、それの斜鏡などたいした大きさではありません。・・・とはいえ、江戸時代のなんとか大判ぐらいあります。こちらもかなり汚くなっていました。これを洗剤に漬けて数時間待つのは面倒なので、ε180の主鏡もやったことだし、オプティクリーンでクリーニングすることにしました。
斜鏡セル全体を45度に傾けて台に置き、センターマークを外してオプティクリーンを滴下して広げていきます。広げるときは、レンズクリーニングペーパーなどを細い短冊状に切って、その下端を液に触れさせて引きずれば簡単に広がります。斜鏡の中央部はほとんど使わないので、センターマークのまわりを大きめに残して問題ありません。1時間ほどおいたら、これを剥がします。この時、爪楊枝が役に立ちます。爪楊枝で皮膜の端をひっかくと簡単に膜が剥がれ、鏡面に傷を付けることなく剥がせます。

何も問題なく斜鏡がきれいになりました。これをまた鏡筒に取り付けます。主鏡の光軸は合っているので、斜鏡のみ光軸調整します。斜鏡スパイダーの光軸調整ネジは以前のままですから、斜鏡の回転方向だけ合わせればいいわけです。これはレーザーを使えば簡単です。接眼部からレーザーを出して、斜鏡セルを回転させて、光が主鏡の中心に行く位置を探せばいいわけです。

これでおおまかな光軸調整ができましたが、このままでは微妙に光軸がずれているので、主鏡・斜鏡とも微調整が必要です。この後は、センターリングアイピースやレーザーを使って根気よく修正していかなければなりません。ここの35cm主鏡は、将来、リッチークレチアンに発展可能なように主鏡中央部に穴が開いています。これが面倒です。この穴さえなければ、レーザーで簡単に調整できるのですが。中央に穴がある場合は、1点だけのレーザーとか十字+1個の円が出るだけのレーザーではダメです。笠井トレーディングで販売しているホログラフィックレーザーとか、それなりの治具が必要になります。
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6月4日      SEO-COOLED 40D  その2
「SEO-COOLED 40D Rev.2 冷却一眼デジタルカメラ」ですが、USBがどうも不安定です。テスト撮影時に、パソコンからカメラが認識されなくなったのは、USBケーブルのせいではないようです。自宅に帰って、カメラとパソコンをつないでいろいろやってみましたが、やはり突然接続が切れます。1回切れると、その後カメラの電源を切って再接続しようとしても二度と接続できません。パソコンを再起動すれば接続できるようになります。しかし、接続できても、またしばらくすると切れます。説明書の「こんなときは」に「カメラとの通信が途中で切れる」という項目がありましたが、その中のどれにも該当しません。
これはキャノン側の問題なのか、SEOさん側の問題なのか? キャノン側ならば、ユーザーは世界中にいるのですから、とっくにファームウエアが更新されて問題解決できていると思われます。SEOさんがカメラ本体からUSBケーブルを引き出したあたりに問題があるのか? 趣味人に問い合わせメールを出しました。

趣味人から半日後に返事が来ました。同じパソコンに「MaxImDL」がインストールされていると動作不良を起こすそうです。4台のパソコンに「EOS Utility」などをインストールしましたが、そのうちの3台にMaxImDLが入っていました。自宅のパソコンでMaxImDLをアンインストールして動かしてみると、問題なく動きました。あと2台もMaxImDLをアンインストールすれば動くようになるでしょう。MaxImDLの入っていない1台は・・・? 天文台のパソコンですが、これが不明なので、後日確かめてみます。問題はSEOさんではなく、EOS UtilityかMaxImDLである可能性が強くなりました。

原因がMaxImDLだったとしても、これで問題解決とはなりません。MaxImDLとEOS Utilityは共存できない! 
キャノンのソフト側に問題があったとしたら動きは鈍そうです。MaxImDLであれば、早めに対応してくれそうな気がします。私のMaxImDLはVersion 4.61ですが、これには「Added support for the Canon EOS 40D
と書いてあるんですが、これはRAWデータだけのことなんですね。
当面、必要なパソコンにMaxImDLありとなしのデュアルブート環境を作らないといけないのかなと思います。2台はそれをやらないといけなそうです。
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6月2日      SEO-COOLED 40D
「趣味人」に注文しておいた「SEO-COOLED 40D Rev.2 冷却一眼デジタルカメラ」が5月31日に届きました。
さっそく、40Dの付属ソフトを自宅のパソコンにインストールして、付属のUSBケーブルでつなぎ、パソコン側からカメラをコントロールしてみました。問題なく予定通りに動きました。FUJIのS3やS5の場合、同じことをやるためには、別売で19,425円のソフトを購入する必要があります。CANONはそれが無料で付いてきます。さらに、FUJIのソフトはバルブのときの露出時間を設定できませんが、キャノンはマウスやキーボードから入力できます。できて当然ですが...
なお、カメラの説明書等はキャノンが付けたものだけで、「冷却」の部分は一切説明書なしです。また、電源は冷却部のACアダプターからカメラ本体にも電気が供給されるといいなと期待していたのですが、カメラ側は別電源でした。カメラ屋に40D用のACアダプターを注文しました。


自宅では問題なく動いたので、天文台に行ってテスト撮影してみました。天文台のパソコンにも同じソフトを同じようにインストールし、ε180EDに「強化マウント」でカメラを取り付けました。さあ、動かそうと思ったら、「あれっ!?」 パソコンがカメラを認識しません。パソコンとカメラの距離が離れているので、間にUSBリピーターケーブル( * 長いケーブルの付いた1ポートのUSB・HUBです)を挟んで接続したのですが、これが良くないのかなと思い、ノートパソコンをε180EDの近くに持っていって、付属のUSBケーブルで直接つないでみました。でも、やはりだめです。USBケーブルを別なものと交換してみました。そうしたら動きました。付属のUSBケーブルが断線? 理由を解明するのは後にして、とりあえず動いたのでテスト撮影しました。

EOS40Dは、パソコン画面上でライブビューができるのがいいところです(普通の冷却CCDは当然できます)。拡大表示にすると別Windowが開き、拡大画面が出ます。ピント合わせはこれだけでできるかなと思ったのですが、1個の星で正確にピントを合わせるのは難しいようです。これは普通の冷却CCDと同じことです。正攻法でピントを合わせるには、ライブビューで大まかにピントを合わせて、その後、ピントを微妙にずらしながら露光を繰り返して、正確なピント位置を見つけるということになります。しかし、今回のテスト撮影ではそれは面倒なので、眼視で100倍ぐらいでかろうじて分離できる二重星を探して(明るくて密集した散開星団のほうがいい)、それをカメラの真ん中に入れ、星が2個に分離するピント位置を探しました。今回は、パソコン画面をルーペで拡大して見てピントを合わせましたが、もっとスマートにビデオドライバー側の機能で拡大表示するべきでしょう(今回のノートパソコンはそういう機能がありません)。偶然もあったと思いますが、これで結構よくピントが合いました。

今夜の天気は薄曇り状態。撮影した画像は明るい星が笠をかぶりました。しかし、撮影した画像を見ると確かにノイズはほとんどありません(写真左下 M5 ISO800露出5分 ダーク減算なし)。ダーク減算しなくてもそのまま使えます。外気温は10℃ちょっとぐらいでしたが、カメラの温度計は−13℃になっていました。冷却能力がこれだけあれば十分でしょう。CCD温度が0℃以下になればノイズ的には問題ない
と思います。この写真をよく見ると、赤外カットフィルターかCCDに霜が付いているように見えるのですが、気のせい?

上の写真を見て、SEO-COOLED 40Dよりも、ピント調整モーターの方に興味のある方用に下の写真を用意しました。JMIのモーターをこういう風に取り付けてピント合わせをしています。蝶ネジを回せば簡単にモーターを切り離せます。本来、このモーターは、左側のピント調整つまみの位置に取り付けて、ダイレクトに軸を回します。それだと回転が速すぎて微妙なピント調整ができません。このようにした場合、モーターの回転速度が理想的です。反面、こういうことをするとカメラ回転装置が使えなくなります。もっとも、モーターを所定の位置に付けても、接眼部を回転させるとモーターがあちこちにぶつかって自由に回転できない点ではいっしょです。カメラを上の写真の位置に固定するには、ε補正レンズと強化マウントの間にいろいろな厚さのスペーサーを挟んで、試行錯誤の結果こうなりました。労力がかかるので、あまりお勧めしません。























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5月28日     双眼鏡見較べ
5月27日の昼頃、天文台付近のスポット天気予報と気象衛星画像を見ていて、「今夜は晴れる!」と確信しました。「今夜は天文台に行こう!」 そう決めたとたんにオーナー2から電話が来ました。「今夜、キャノンの赤鉢巻き双眼鏡とSky90双眼望遠鏡を持って楓林舎に行く!」 考えることは同じです。ただ、オーナー1は自分の勤務時間を自分で決められます。翌日は午後だけ仕事ですが、オーナー2は翌日、通常勤務です。オーナー2の方が気合いが入っています。それだけ新しい双眼鏡をきれいな星空の下で見たいということですね。オーナー1は自宅に持って帰ってきていたミヤウチ10cmフローライトアポ双眼鏡と笠井で買ったロシア製7x35を持って楓林舎に行きました。
天文薄明が終わった頃、きれいに晴れました。天文薄明終了が20時40分頃、月の出がちょうど0時頃なので、空が暗いのは正味3時間ぐらいです。その間に、オーナー1・2が持ってきた双眼鏡と楓林舎オーナー所有の主だった双眼鏡を3人で見較べました。

キャノン 10x42 L IS WP」は、対物レンズ前に52mmのフィルターネジがあります。フィルターネジのある双眼鏡というのは珍しいですが、現在の日本の夜空では必須です。「なんで他の双眼鏡にはこのネジがないんだ!」と言いたくなります。できれば、ネジ径は48mmであって欲しかったですが、世界で売る一般用双眼鏡としては仕方ないところです。オーナー2は、52−48のステップダウンリングと52mm径ラバーフードも用意していました。そのラバーフードの最大径がこの双眼鏡にぴったり! 純正品のようでした。 10x42 L IS WPをそのままで見て、その後、O
3フィルターを付けて見てみました。
結論として、手持ちで星を見るための双眼鏡は、「キャノン 10x42 L IS WP」で決まり! これ以上の金額やこれ以上の性能をうたう双眼鏡は必要ありません。財力がある人は、ツァイスでもライカでも買っていいですが、一般の人にはこれが最終目標です。星が視野の周辺まできれいな点像になるし、10倍でありながらアルビレオが分離します。防震装置のなせる技です。O3フィルターを付ければ、北アメリカ星雲がよくある天体写真のように見えるし、網状星雲も見えます。はくちょう座γ星のまわりのもやもやした星雲も見えました。口径42mmでこれだけ見れば、これ以上大きい必要はありません
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この双眼鏡、定価18万円ですが「価格.com」で調べると12万円で買えます。これが高いのかどうか・・・ きっと10年以上は壊れずに使えるでしょうから、1ヶ月1000円ですね。防震装置のない普通の双眼鏡しか見たことのない人は、低倍率双眼鏡なら防震装置などなくても十分と思うでしょうが、見てみると考えが変わると思います。双眼鏡を持っている人はアルビレオを見てください。青とオレンジの2個の星に見えますか? 月に1回か2回、きれいな星を見てそれに1000円払える人は買ったらいいと思います。きれいな星を見るには、都市部では無理です。遠くの山間部に出かけなければならない人は、交通費の方が遙かに高いですね
Sky90双眼望遠鏡は、小回りがきいてとても便利でした。組み立ては5分以内で完了。アイピースを自由に交換できるので、オーナー2が2個ずつ持っている「ナグラー」アイピースを付けた視界は、既製品の双眼鏡とは別世界です。見かけ視界も実視界も圧倒的なワイドフィールドです。アイピースには31.7mmフィルターが付けられるので、ネビュラーフィルターやO
3フィルターなど何でもありです。
ミヤウチ10cmフローライトアポ双眼鏡は、光量があり大変良い星像でした。これがもう手に入らないのは残念です。中国製コピー商品に駆逐されてしまいましたが、市場の選択ですから仕方ありません。
オーナー1がタカハシLE30mmを加工して作ったアイピース(天文台日記2008年1月2日の記事参照)が良かったです。これを付けると17倍になります。見かけ視界は狭いし、瞳径は6mmになるのでバックグラウンドの光を増幅してしまい、空の透明度がイマイチのときは明るすぎです。しかし、星像が非常にシャープで純正のアイピースよりずっときれいに見えました。見かけ視界は狭いですが、実視界は十分広いので、ミヤウチ10cmフローライトアポ双眼鏡にはこれがベストでした。残念ながらノーフィルターでは、バックが明るすぎて網状星雲は見えませんでした。
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5月24日     双眼鏡
最近、晴れません。関東も南会津も。
気象学的に言う「晴れ」はたまにありますが、夜、星がきれいに見える透明度のいい天文屋の言う晴れは、ゴールデンウイーク以降一度もないように思います。「五月晴れ」はどこに行ってしまったのでしょう。ジェット気流も関東・東北上空に居座ったままです。そうこうしているうちに梅雨前線が発生し、関東の近くに上がってきてしまいます。今回は一時的に上がっても、すぐ南に下がるでしょうが、その後は、夜半前は月の影響も少なくなる頃だし、きれいに晴れてもらいたいものです。

ななつがたけ北天文台のオーナー2は、自分の目で、それも両方の目で天体を見ることに傾倒しています。NP127双眼望遠鏡を作ったのがつい先日だと思っていたら、その後、Sky90双眼望遠鏡も作ってしまいました。おいおい! と思っていたら、「キャノンの赤い鉢巻きをした防震双眼鏡を買った」とメールが来ました。キャノン「10x42 L IS WP」のことです。手持ちで星を見るための双眼鏡としては、これが究極です。


星を見るための双眼鏡なら7x50じゃないか!・・・という人は、天文屋としてはすでに前世紀の遺物です。
今の日本には、有効最低倍率が有効に使える所などほとんどない!
 
あるとしたら、ごく限られた星の聖地と都会の夜中の公園ぐらいです。(後者で使うことはお勧めするものではありません)

関東近郊で最後に残された暗い空がある場所、ここ南会津でも、有効最低倍率は使えません。7x50の双眼鏡や35cm鏡の有効最低倍率の53倍で夜空を見ると、バックグラウンドが灰色になります。灰色・・・といっても街中の灰色とは違い、もっと黒に近いですが、「黒」(RGB各色の濃度が0)ではないことは間違いありません。その灰色の中に暗い星雲が埋もれてしまって見えません。35cm53倍で見えない星雲が、70倍にすると見えることがあります。淡い星雲を見たい場合は、倍率を上げてバックグラウンドを暗くしなければなりません。理論的にはこの表現は正しくないでしょうが、目の錯覚などもあり、そんな感じです。それでも有効最低倍率を使いたいなら、ネビュラーフィルターやOフィルターなどが必要です。双眼なら同じものが2枚!

「キャノン 10x42 L IS WP」は瞳径4.2mmで、日本の空にはちょうどいいところです。これで星を見ると、黒く締まったバックグラウンドに静止した星が見られて、手ぶれでふらふら動く視野よりも結果的に暗い星まで見えます。
オーナー2がこれを手に入れたことにより、天体用としての大中小、すべてのクラスで最高の双眼鏡を手に入れたわけです。「中の上」に私が所有するミヤウチ10cmフローライトアポ45度対空双眼鏡もあります。オーナー1は1台しか所有していなくても、4台の双眼鏡を自分のもののように使えるわけです。棚ぼた? 助け合い運動? こういうところに「同好会」の存在意義があります。

 * ご覧の通り、画像が表示されていません。そこを右クリックしてプロパティーを見てください。ここに表示されるべき画像は、キャノンの
   Webサイトから   双眼鏡の写真をコピーしたのですが、こういうことができるんですね。画像のあるべきところをクリックするとキャノンの
   Webサイトに行きます
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5月19日     エスティマハイブリッドが ?
最近、エスティマハイブリッドが不調というわけではないですが、どうも正常とは思えない動作をしています。トヨタのハイブリッド車に乗っている人か、トヨタ式ハイブリッドシステムに詳しい人にしかわからない話ですが、回生システムがおかしいようです。
通常は、ブレーキを踏むとエネルギーメーターが回収側にフルスケールまで振れて、運動エネルギーを回収していることがわかります。これが普通ですが、しばらく運転していると、ハイブリッドバッテリー残量が少ないにもかかわらず、ブレーキを踏んでもわずかしか回収側に振れなくなります。ハイブリッドバッテリー残量はどんどん減っていくし、回生ブレーキが効かなくなるわけで、通常よりブレーキペダルを強く踏まないと同じようには止まってくれません。最近、気温が上がってきてからそうなることが多いように思います。
そうなっても、エンジンを切ってしばらくおいた後走り出すと、正常に回生します。しかし、そのまましばらく走り続けると、また回生しなくなります。

私の車だけおかしいのかと思って、ディーラーでそういう方面に詳しいサービス担当を呼び出して聞いてみたら、他にも同じことを言ってきている客がいるそうです。また、私と全く同じ車に乗っている知り合いに聞いたら、本人は気づいてなかったですが、そう言われて注意してみてみたら同じ症状が出ているそうです。ディーラーからメーカーに問い合わせたら、制御プログラムがそうなっているということです。つまり、世の中のエスティマハイブリッドはすべて同じ症状が出ているわけです。これが制御プログラムのバグなのか、そうせざるを得ない事情があってのことかは、メーカーは教えてくれないそうです。

仕方ないので、減速時にエネルギーを回収したいときは、めんどうですが手動で「S」または「B」に入れるようにしました。手動でやれば回生するので、私は制御プログラムのバグだと思っています。バグだとすれば、リコールに値する重大な問題でしょう。バグではなく、理由があってそういう制御をしているのだとしても、問題点を改修してプログラムを入れ替えるべき重大な問題です。状況によってブレーキの効き方が変わってしまうわけですから。エスティマハイブリッドの2トンの巨体を止めるには、あの貧弱なブレーキとタイヤでは不十分で、回生ブレーキがフルに効いてくれる必要があります。それが途中でなくなってしまうとすると、安全性の面からあまりお勧めできる車ではなくなります。今まで、この車をお勧めして、買い換え時には検討しろと書きましたが、しばらく保留にします。それでもAC100V1500Wが取れる魅力で買った場合は、すぐに標準タイヤを捨てて、ブリジストンRE050 235/55−17に交換すべきでしょう。



5月27日 追記

上の文章で、エスティマハイブリッドのどこがいけないと言っているのか明確ではないようなので追記します。
1台の自動車が、同じ路面状態でブレーキ・タイヤ等の条件が同じとき、ある一定のスピードから同じ力でブレーキを踏んだら、停止するまでの距離は常に同じでなければなりません。これは自動車の基本中の基本です。現状のエスティマハイブリッドは、ときによって停止するまでの距離がかなり変化します。これは自動車としてあってはならないことです。この点をリコールに値すると言っています。また、回生ブレーキがきかないときに少しでも安全に止まるためには、取り付けられる(取り付けても良い)範囲内で、最も止まるための性能が高いタイヤを付けるべきだと書きました。
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5月15日     反射鏡を洗った
35cmニュートンの主鏡とε180EDの主鏡を洗いました。洗い方は「ノウハウ集」の「反射鏡の洗浄」の通りですが、それでも十分とは言えません。小さなゴミが、鏡面にのっているのではなく突き刺さっています。界面活性剤に漬けておけば浮いてくるような簡単なものではありません。それを取らなければなりません。今回は洗剤の液から取り出した後、自動車用の水アカクリーナーを吹き付けてみました。反射鏡表面の汚れは水アカに近いかなと思いそれにしました。使用上の注意に「ボディーに直接吹き付けてはいけない。タオルやスポンジに吹き付けてそれでこすれ」というようなことが書いてありましたが、布でこするわけにもいかないので直接、それも多量に吹き付けてみました。鏡面にシリコンコートがきれいに付いていれば、成分から考えて問題ないと判断しました。その上で、柔らかいハケで表面を軽くなでました。その後、すぐにシャワーで水洗い。そしてドライウエルへ。

35cm鏡はきれいになりました。しかし、ε180の主鏡は、表面に白っぽいシミのようなものが、いろいろな大きさで点々と多数できてしま いました。水アカクリーナーとの相性が悪かったか? それがあっても、面精度や反射率には影響なさそうでしたが気分的に良くないので、今は廃盤になってしまった「オプティクリン」を使ってみました。シミのできた一部分に試しに塗ってみまし た。
乾いたあと剥がしたらきれいにとれました。それが確認できたところで全面やりました。きれいになりました。これだったら、最初からオプティクリンで良かったのに。後から考えると、白いシミはカビだったかもしれません。

ε180の斜鏡は、最初からオプティクリンでクリーニングすることにしました。斜鏡は鏡筒から取り出さないで、鏡筒に付けたままクリーニングします。鏡筒を45度に傾けて固定し、接眼部からクリーニング液を付けます。中心にあるセンターマークには液が付かないように注意しながらやりましたが、この体勢ではやはり無理があります。ちょっと手が滑って、センターマークに付いてしまいました。オプティクリンが乾いてから剥がしてみると、見事にセンターマークがなくなりました。これで、斜鏡をはずすと光軸修正が面倒になります。今後、ε180EDの斜鏡は絶対はずさないことにしました。なお、主鏡にもセンターマークがあります。そちらは、きちんと真ん中を空けて、ドーナツ状にオプティクリンを塗りました。主鏡のセンターマークまでとれたら光軸修正が大変なことになります。
主鏡も斜鏡も中心には光が当たらないのですから、多少汚くなったとしても問題ないので、センターマークの位置にテープでも貼って保護してからやった方が良いでしょう。ただし、テープも種類を選ばないと剥がしたときセンターマークごと剥がれてしまうこともあり得ます。

今回、35cmの鏡筒の周りに付いていたすべてのサブ望遠鏡をはずしました。35cm鏡筒バンドのブリッジプレート3面のうち、2面をはずして新規に作り直しました。以前のものでも実害はないと思いますが、ちょっと問題と思われるところがあったので、この際作り直しました。これが大変な作業で、丸2日かかりました。見た目には、オーナーでなければどこが変わったかわからない程度ですが、気分的に良くなりました。自己満足の世界です。
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5月12日     反射鏡を洗う!
ゴールデンウイークとその余韻も終わり、夏休みまでは平常日課の日々となりました。しかし、これから入梅までは五月晴れが期待できる時期になりました。そうは言っても、しばらくは月が大きくてディープスカイの観望や写真撮影には向きません。そう考えると、梅雨までに暗い空が期待できるのは、5月下旬から6月初めだけということになります。観測に適した時期というのはわずかしかありませんね。

今月下旬に向けて、今回の満月前後の時期に反射鏡を洗うことにしました。35cmF4ニュートン主鏡とε180EDの主鏡が、汚さの限界になりました。観測のたびに主鏡が結露して、それが乾くたびにホコリなどを鏡の表面に貼り付け続けています。ぞうきんで拭きたいぐらいの状態です。ε180EDは約2年、35cmF4ニュートン主鏡は約1年でこれです。洗い方は「ノウハウ集」の「反射鏡の洗浄」の通りですが、それでも十分とは言えません。今回は洗浄液から取り出した後、ガラスクリーナーを吹き付けてみようと思います。それをシャワーで洗ってドライウエルへ。
これは主鏡だけです。斜鏡をどうするか。下にも書きましたが、主鏡と斜鏡を同時に外すと、あとの光軸調整が面倒です。ε180EDは斜鏡を鏡筒に付けたままで、光学面クリーナーを使おうと思います。洗浄したい面に薄膜を形成して、乾いてから剥がすアレです。シリコンコートがしっかりしているうちは問題ないでしょう。問題があったら、再メッキに出せばいいだけですから。
35cmの方は、主鏡を洗って再度取り付けた後、光軸修正して、その後斜鏡だけを取り出して光学面クリーナーです。この2段階でやれば、光軸修正も簡単です。
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5月5日     一気に初夏!
前回4月30日に「田島の街中で桜が満開で天文台付近はまだつぼみ」と書きました。それが5月3日の時点で、町中の桜は散り、天文台付近でも満開を過ぎていました。ここ数日の暖かさ(暑さ)で一気に初夏になってしまいました。毎年、ゴールデンウイークのお楽しみになっている、近くにある水芭蕉の群生地も花がほぼ終わり、青々とした葉っぱになっていました。
桜は遅めで水芭蕉は早めでしたが、いずれにしても今年のゴールデンウイークとはズレてしまいました。そのくせ、駒止湿原は例年通り、ゴールデンウイークにはまだ雪の中で、上るための道が通行止めのままでした。せっかく天文台オーナー2とその家族が遠路はるばる来たのに ・・・「何もない春ですー」 (襟裳岬)

3日の夜、良く晴れましたが、やはり春霞の中で、銀河はぼんやりとした見え方でした。透明度はイマイチでしたが、シンチレーションによる揺れはほとんどなく、1年の間にも滅多にない最高の状態でした。事前にWebサイトでジェット気流の流れを見たら、関東東北のあたりが二叉に分かれた風の流れの真ん中にあり、通常からすると無風に近い状態です。星を見る前から、「今日の土星は最高だぞ!」と思っていましたが、その通りでした。ぴたっと止まった土星が見られて、それだけでも収穫でした。通常、分離しにくい二重星も見事に分離しました。ジェット気流の予報は見ておくべきです。たいていはガッカリしますが、良いときは観望にも写真撮影にも始める前から気合いが入ります。

3日の夜は、透明度が良くはないし、お客さんもいたことだし、観望だけにしました。夜半過ぎには、TOA150に双眼装置を付けて球状星団を見ました。ある程度の集光力のある望遠鏡の場合、双眼装置の威力は絶大です。根拠のない感覚的な印象ですが、片目の4倍(2の2乗)の効果があります。眼視のときは常時双眼にすべきでしょう。片目で見るより遙かに楽に遙かによく見えます。35cmF4ニュートン鏡も双眼にしてみました。2.6倍のリレーレンズを付けないとピントが合いませんが、ハイペリオンアスフェリック31mmを付けて117倍で見てみました。こちらも大変よく見えました。ほとんど揺れない球状星団が見られました。しかし、視野中央以外は、明るい星にコマ収差のような幅の広い彗星の尾のようなものが付きます。コマ収差そのものではないようですが、これはどこから出たものか・・・? とりあえず、気にしないことにしました。













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5月1日      球状星団
今の時期、見て楽しめる球状星団が続々と昇ってきます。

この時期に見える球状星団を、「アルバム」のTOA130のところには昇ってくる順に、TOA150の方にはM番号順に並べてあります。もちろんそれぞれの鏡筒で最近撮った写真です。TOA130はレデュサー付きでf=720mm、TOA150は直焦点f=1100mmの写真です。鏡筒以外の条件は同じです。微妙にピントが合ってなくて、本来の星像ではないことはお許しいただくとして、球状星団の写真を連続してみていくと、どれも皆同じようでつまらない、もしくは飽きませんか?
 
35cm鏡を使って眼視でよく見ると、ひとつひとつ皆印象が違うのに、写真にすると同じになってしまいます。球状星団に関する限り、写真は肉眼には遠く及ばないということでしょう。肉眼で見ると周辺から中心まで星のつぶつぶが見えますが、写真では周辺のみ星に分離して、中心部は白くつぶれてしまいます。できるだけ中心部の星まで見えるようにするためにデジタル現像しますが、これが皆同じにしてしまう原因かもしれません。

大口径望遠鏡がある場合、M番号の付いた球状星団が最も目で見て楽しめる対象です。私のところでは、35cmF4ニュートン反射にパラコアとイーソス13mmを付けて115倍、実視界0.9度弱で見るのが一番いいように思います。そのくらいの倍率で見ると、それぞれの個性のようなものがわかります。見た目で一番よくわかるのは、球状星団までの距離です。近くにあるものは、1個1個の星が見えますが、遠いものは全体がぼーっとした彗星状で、星がほとんど見えません。この時期に見える球状星団の中では、M53がかなり遠いと思われます。視直径が小さいことからもわかりますが、全体が彗星状で星が見えません。次に遠いと思われるのがM14です。星らしきものは数個しか見えず、全体が彗星状です。同じへびつかい座にあるM10,M12などと較べると、見た目で全然違うのが明らかです。
この他、星の密集度もそれぞれ少しずつ違います。球状星団全体を構成する星の数も多いか少ないかは感じ取れます。

球状星団もそれぞれ違いがありますが、ここから見えるものの中では、やはりM13(写真)が王者です。視直径は他とたいした違いではありませんが、恒星数が圧倒的に多いことが感じられるし、ちょうどいい距離にあるため星がほどよく分離して見えます。

ゴールデンウイークに大口径ドブソニアンを持って空の暗いところへ出かけるなら、球状星団の見比べをやってみてください。


  写真データ  TOA130+レデューサー+ST2000-XCM −20度冷却  露出10分
    (トリミングして中心部のみ)
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4月30日     桜
旧会津田島町の桜が今満開です。
国道121号線で、田島の街に向かう途中の南北に走る道路の西側に川が流れています。その堤防に桜が多数植えてあります。それ以外にも、あちこちに桜並木があり、今満開です。5月3日だと桜吹雪かもしれません。

宇都宮方面から田島に行くとき、会津鉄道の陸橋を越えて、中学校の前を過ぎたところにある歩道橋の下を左に曲がって、川の西側の道路を通ると桜並木がよく見え、桜のトンネルも通れます。

28日と29日の晩、天文台にいました。晴れましたが、やはり春の空です。透明度が6/10ぐらいで、メジャーな銀河も見え方が良くありませんでした。大口径望遠鏡といえども、空が良くないことには役に立ちません。なお、ここは透明度が6/10でも、明け方、夏の銀河ははっきり見えました。・・・と言うことは、天の川がうっすら見えている程度の空で、50cmとかの望遠鏡で星雲を見ても宝の持ち腐れなのでしょう。

そういえば、数年前、ミードの20cmシュミカセを買ったときのことです。自宅で、快晴のとき天の川がうっすら見える程度の空で星雲を見たら、存在はわかりますが、天体写真のイメージとはほど遠い、うっすらとしたぼんやりした見え方でした。20cmだとこんなモンなんだなあと思っていました。それを今の天文台があるところに持って行って見たら、たまたま10/10に近い快晴でしたが、自宅とは雲泥の差で、天体写真に近いイメージではっきり見えました。そのとき、20cmというのは、本当はこんなにすごいのか!と驚きました。それほど、空の暗さというのが大きな差になります。今は35cmと45cmがあるので、20cmでの見え方など、どうってことないですが、初めて暗い空の下で見たときは衝撃でした。

29日の晩、ちょっとしたハプニングがありました。私がドーム内で観望・写真撮影していたら、ペンション楓林舎のオーナーがのぞきに来ました。しばらくいて帰ったとき、出入り口の扉を閉めた勢いで、スライド式の鍵がかかってしまいました。そのときは私もオーナーも全然気づきませんでした。観測を終えてドームから出ようとしたとき、扉が開きません。ドーム内に閉じこめられたわけです。この天文台は、私が設計して自分でつくったものですから、そういうことはあり得るという予想ができていましたので、脱出方法も考えてありました。一番簡単なのは、楓林舎に電話して救出に来てもらうことですが、夜中でもあるのでそれはやめて、自力で出る方法を実行してみました。初めてやったので、イチかバチかという部分がありましたが、無事に脱出できました。「イチかバチか」を解消するために何が必要かもわかりました。そういう意味では実りの多い2泊3日でした。

当天文台は、会津田島の街からはかなり外れた標高800m程度のところにあります。ここの桜はまだつぼみです。5月3日以降の連休中に咲くかどうか。天文台のすぐ手前のところは、まだ50cmぐらいの残雪があります。北海道でも桜が咲いたというのに、ここは日本一寒い所か! 28日の夜は、ドーム内の気温が0度になりました。まだ、デジタル一眼が天然冷却で使えます。

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4月26日     天体写真がイマイチな訳
このWebサイトの「アルバム」にある天体写真は、多くのアマチュア天文家サイトの天体写真のように美しくはありません。・・・前回、24日と同じ書き出しです。
何が美しくないかというと、写真をご覧の通りですが、
  1.せっかくカラーCCDを使っているのにほとんど色がない
  2.恒星が大きい
  3.
バックグラウンドの明るさがまちまち
  4.画像処理が不十分
その他いろいろあるでしょうが、1.については自分でもガッカリです。TOA130+レデューサー+ST-2000XCMで10分露出すると、ほとんどの恒星の濃度がRGB各色で8ビット換算でほとんど255です。255というのは8ビットの最大値で、RとGとBがすべて最大濃度です。これを合成すると白になります。10分露出だと、恒星については完全に露出オーバーということです。でも、最低でも10分露出しないと星雲がきれいに写ってくれません。どうしたらいいのでしょう。
2.はカラーCCDですから、2x2ビニングしているようなものなので、モノクロCCDよりも星像が大きくなるのはしかたないですが、それ以前にピントが合っていませんね。最初にピントを合わせても、温度変化やカメラの重さで接眼部がずり落ちたりでピントが刻々と変化していきます。私はピントを合わせ直すために時間をかけるよりも、わずかなピンぼけならより多くの写真を写した方が良いと思って、撮影途中でピントを合わせ直すことはほとんどありません。これがいけないですね。美しい天体写真を求めている方々には信じられないでしょうか? 私の場合は、目的の天体が目で見たときよりも少し良く写ってくれればいいので、星像が多少大きくても問題ありません。ただ、球状星団のピンぼけだけはどうしようもありませんが。

TOAは各収差が良く補正されていますが、像面が湾曲しています。レデューサーを付けるとさらに、です。TOA130+レデューサーのとき、いつも画面中央でピントを合わせていますが、中心をちょっと外れたところで合わせた方が画面全体としては良いのでしょう。画面中心でピントを合わせたとき、ST-2000XCMのガイドCCD位置では星像が三日月やドーナツ型になっています。こんな星像でガイドできるのかな?と思いますが、いつもきちんとガイドしてくれています。フラットナーを持っているので使った方が良さそうですが、フラットナーとレデューサーの併用はできないようなので、どうしたものか・・・

それと、なんで!と思うのですが、写真撮影するときに限ってシンチレーションが最悪ということが数多くありました。きれいな天体写真を撮りたい人は、こんな日は撮影しないだろうと思う日もせっせと撮影しています。地理的にジェット気流の真下になることが多い場所です。
3.4.は不徳の致すところで、画像処理の統一基準などなくて、1枚1枚個別に「こんなものだろう」というところで処理しています。実は、基準のようなものはあるのですが、時とともに変化(進化)していきます。進化するのは良いことではありますが、古いものと新しいのもでは基準が違います。古いものを再処理すればいいわけですが、あまりにひどいもの以外はそこまで手が回っていません。

こういうひどい状況からできてきた天体写真を公開しているわけですが、わたし的には「失敗写真」は1枚もないと思っています。ここにある天体写真の趣旨は、美しいことではなく、大型天体望遠鏡を使って肉眼で見たイメージに近い写真です。その点から言えば、これでもきれい過ぎます。もうちょっとピンぼけにし、もっと写りを悪くした方がいいと思います。50cm天体望遠鏡を使っても、肉眼ではここの写真ほどには見えない場合が多いと思います。しかしながら、これ以上写りの悪い写真を公開するのはプライドが許さないというところもあり、それらが妥協できる中間をとったのが「アルバム」の「TOA130+ST-2000XCM」にある写真です。
将来的には、写りの良い写真と肉眼で見た感じに近い写真を並べて公開しようと思っていますが、今は2つの中間の写真になっています。
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4月24日     天体写真の解説
このWebサイトの「アルバム」にある天体写真は、多くのアマチュア天文家サイトの天体写真のように美しくはありません。天文台オーナーがもう少し努力すれば、多少は良くなる可能性がありますが、今はそういう努力をしていません。今努力しているのは、数を増やすことです。「TOA130+レデューサー+ST-2000XCM」という単一光学系で、−20度冷却10分露出という、同一条件で数多くの天体を撮影しています。

最近、30cm以上の大口径望遠鏡が安価で手に入る時代になりました。そういう望遠鏡を使って、肉眼で見てもらいたい天体を撮影しています。実は、「アルバム」にある天体写真の多くは30cm鏡ではやや不足で、できれば50cmクラスの大型望遠鏡で見てもらいたいものが大部分です。写真に解説を付けていますが、解説にある見え方は、最低でも自動ガイドされた35cm望遠鏡によるものです。手動で動かすドブソニアンでは、40cm以上のクラスに相当するでしょう。しかし、50cm鏡で見ても、眼視では、ここにある写真より弱々しい像にしか見えないと思います。大口径になるとシーイングによる影響も大きくなります。また、ここ、南会津よりも空の条件の良い観測地に大型望遠鏡を持って行くということも難しくなっています。

当Webサイトの「アルバム」の写真は、「TOA130+ST-2000XCM」がメインです。実視界1.2度程度の視野が得られる大型望遠鏡でこれらの天体を見ると、最良の条件の時にこんな感じに見えますよ、という参考資料として掲載しています。そういう条件での解説ですので、小口径望遠鏡では、とうていここまでは見えないことをご理解ください。春の系外銀河は非常に数が多いので、撮影する枚数に対して、解説が追いつきません。TOA130の画像に対しては、やっと追いつきそうですが、それ以外については解説なしになると思います。
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4月17日     やりすぎ
今日現在のドーム内の望遠鏡です。
ファインダーまで含めて、鏡筒が7本のっています。
最近来たTOA150とつちのこがのりました。つちのこはOMC140の位置に付けようと思っていましたが、写真の位置(以前はC5が付いていた)のほうがバランス的にいいのでこうなりました。
これらをのせるために外れた鏡筒もあります。
手当たり次第に鏡筒をのせている感じですが、これらの鏡筒はすべてが互いにバランスウエイトになっていて、これだけのせないとバランスが合いません。どれか1本でも鏡筒を外した場合は、バランスウエイトのおもりを付けなければなりません。おもりを付けるなら鏡筒をのせた方がいいわけです。
すべてがきっちり同じ方向を向いているので、赤道儀のまわりを一回りするとすべての鏡筒で同じ天体を見られます。倍率や光学系による違いを見較べられます。
数人での観望会には便利です。
ただ、OMC140の位置には、鏡筒を付けない方がモーメントが小さくなり、バランスウエイトを1個減らせます。
赤道儀のためにはそうした方がいいのですが、とりあえず、元気に動いているのでいいことにしています。
この写真にある鏡筒は、それぞれのクラスの中で最高性能のものばかりですが、オーナー1が自分で買ったのは、35cm主鏡、ε180、ファインダーだけです。
それぞれの鏡筒(この写真にないものも含めて)を提供してくれているオーナー様、ありがとうございます。

でも、さすがに鏡筒のせすぎですかねぇ...
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4月16日     WindowsUpdateと人工衛星
15日に天文台に行きました。月齢が10で、月没が翌朝2時50分、天文薄明はじまりが3時30分。空が暗いのは明け方の40分間だけです。それだけだとあまり行く意味がないですが、翌日以降、10日間ぐらいは月が大きいため、暗い空になる時間帯がほとんどなくなります。TOA150を取付はしましたが、まだ星を見ていません。天気も良さそうなので、久しぶりに月と土星をよく見ておこうと思い出かけました。

この日は月と土星がすぐ近くにありました。それらが南中する頃、楓林舎オーナーやたまたま来ていたオーナーのお兄さん夫婦と観望会になりました。せっかくのTOA150なのでバーダーの「究極双眼装置」を取り付け、XWアイピースを数種類(2本ずつあります)交換しながら観望しました。月と土星をほとんどドームを回さずに行ったり来たりできました。鏡筒はたくさんついているので、あちこちを覗いて倍率や光学系による違いもよくわかりました。やはり良質なレンズと双眼装置で両目で見るのは、楽だしよく見えるし、月なんかすぐそこにあって手が届きそうな感じでした。

夜半過ぎに一人でドームに行き、日頃あまり使わない機材のテストやカメラの調整・ピント合わせをゆっくりやりました。月があるうちに、球状星団を入れてカメラのテスト撮影をしてみたら、ε180+S3proの5分露出は真っ白で何もわかりません。しかし、TOA150直焦点+ST2000XCMは10分露出で結構良く写っていました。TOA150程度のFならば、対象が恒星ならば何とか使える写真になります。今日はピントもばっちりです。

月が沈むと同時にM27の撮影を始めました。ところが、ほとんどそれと同時に Windows Update が入ってきたようです(もちろん、インターネットにつながっているからです)。TOAがもうすぐ露出終了となるところで、ガイドCCDを動かしていたパソコンとS3pro制御パソコンの2台が再起動してしまいました。モニタを消していたのでわかりませんでしたが、画面に「今すぐ再起動、後で再起動」の選択画面がしばらくでていて、それを何もしなかったために「今すぐ再起動」が自動選択されてしまいました。再起動時に何が起こったのかわかりませんが、輝星がブルーミングしたように流れました(写真 左)。2台とも再起動後、ソフトを立ち上げ、セットアップして、ガイドCCDのキャリブレーションまでやり直しました。ロスタイム15分。残り時間10分。
写野を変える時間もないので、M27をもう1枚写しました。それが右側。見事に人工衛星に貫かれました。今日は何しに来たの...という感じでした。

  天体観測中に迷惑なもの ・・・ 再起動を伴うWindowsUpdateと人工衛星 !!













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4月13日     つちのこ
先週末、土日に楓林舎に行ってきました。天文台に行ったのではなく楓林舎にです。この日、オーナー1家族は、おいしいものを食べて何もしないということをしに(休息に)行きました。オーナー2も急遽来ました。オーナー2は忙しいので、楓林舎に来るのは久しぶりです。久しぶりにオーナー1&2が揃いました。楓林舎常連のNさん家族も来ていました。

栃木では桜がほとんど散ってしまいましたが、南会津は咲き始めたのではないかと思い、花見ができると思って出かけましたが、行ってびっくり! 全く咲いていません。会津田島の町中でさえ咲きそうな気配もありませんでした。県境を越えて向こう側に行っただけなのにすごい差です。まだ雪が積もっているところ(町中にはない)ですから、しかたないでしょう。しかし、天文台のまわりも日向は雪が消えました。雪が残っているのは、日陰や山の北側斜面、除雪した雪が積み重なっているところなどだけになりました。ゴールデンウイークには雪がないかも・・・? 例年のゴールデンウイークは、駒止湿原までの道は深い雪に埋もれていて、湿原に上がれないのが普通です。

今回は残念ながら夜、晴れませんでした。でも、なまじ晴れてしまうと、明け方まで起きて星を見てしまうので、休みに来た場合は晴れない方が身のためです。晴れなかったと言っても、薄雲を通して2等星ぐらいまでは見えたので、オーナー2がまたまた作ってしまったSky90双眼望遠鏡で星を見ることはできました。TOA150でも、月と土星が見られました。シンチレーションが止まった瞬間の土星はすばらしい眺めでした。


今回は、Nさんが「つちのこ」を置いていってくれました。鏡筒バンドなし、ファインダーなしで本当につちのこ状態でした。これは都会では使い物にならないそうです。それはそうでしょうね。

「つちのこ」というのは、天文業界では一般名詞になっているのでしょうか。ペンタックスの「100SDUF」(と100SDUF II)のことです。口径10cmF4の太くて短いアレです。本来、ファインダーを付ける部分にビクセン規格のアリガタ金具がついていました。取付方法がちょっと危なそうでしたが、とりあえず、すぐにでも天文台の望遠鏡に同架できます。天文台の望遠鏡も35cm主鏡にTOA150とε180ED、さらにOMC140でも贅沢なのにつちのこまでのってしまいます。すごいことになっています。
つちのこには、やはりペンタックスのXWアイピースが合います。デザインも星像も。視野の90%は点像になります。イーソスも良かったです。この組み合わせは究極のファインダーです。

ここには紹介していないすごい機材が他にもあります。楓林舎&ななつがたけ北天文台に貴重な機材を置いていってくださる皆様、ありがとうございます。機材の管理はきちんとしますので、その点はご安心ください。
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4月7日     TOA150
先週末前後に、3夜、天文台に行きました。初日は2時間ぐらいしか晴れませんでしたが、2夜目・3夜目は、ほぼ一晩中快晴になりました。4月1日に、春のおすすめ系外銀河リストを出しましたが、この3日間で、そのほとんどの写真を撮影することができました。「アルバム」の銀河と球状星団の写真がかなり増えました。

4月5日(土)の晩は、TY天文同好会が観測会で楓林舎に来ていました。彼らは冬の間、晴れる見込みの少ない南会津に来ることはなかったのですが、今月やってきたことで、やっと冬が終わったな・・・という気がしました。ここのメンバーは、それぞれ個性もあり、でも、すごい天文ファンの人たちなので、彼らに会って話をするといい刺激をもらえます。その晩もほぼ快晴で、春なので透明度はそれなりだったですが、南会津の光害の少ない暗い空を堪能してもらえたことと思います。

そこの会員のOさんがTOA150を所有していて、今回もEM400とともに持ってきたのですが、ご好意で鏡筒を当天文台に置いていってくれました。こちらは、当面予定していたTOA130での天体写真撮影が終わったので、それを外して、TOA150を35cm鏡筒に同架しました。さすがに150になると重いので、TEC140も外して軽いOMC140に交換しました。ε180側に5kgほどのカウンターウエイトを付けて、これで以前とほとんど同じバランスになりました。35cm鏡筒が大きいこともあり、TOA130が150になってもデザインも同じであまり変わったという感じがしませんが、集光力が2倍近くになりました。このすごさを十分味わせていただきたいと思います。
Oさん、ありがとうございます。





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4月1日     お勧め春の銀河一覧
本格的な春になりました...と思ったら寒波が来て、天文台は雪です。しかし、これも一時的なもので、これが最後の雪かもしれません。

春の夜空は、様々な銀河を次々に見ていく好機です。しかし、ステラナビゲーターなどで銀河を表示させると、うんざりするほどの数があり、どれを見たらおもしろいのかかわかりません。そこで、ななつがたけ北天文台オーナー1がお勧めする春の銀河一覧を作りました。30cm以上ぐらいの大口径向きです。でも、このリストにあるものはほとんど、8cm程度の屈折望遠鏡でも、視野の真ん中に入っていることがわかっていれば存在はわかります。・・・この意味わかりますか? リストの中には、暗いものも含まれています。暗い銀河の場合、主望遠鏡に8cmサブ望遠鏡を背負わせて、2本を完全に平行にし、目的天体を主望遠鏡の視野の真ん中に入れた後、8cmサブ望遠鏡を覗くと、「これかな?」という程度に見えます。逆に、8cm屈折望遠鏡をファインダーにして探すとなると、見逃してしまうような暗くて小さいものも含まれています。

備考欄に「写真」とあるものは、眼視ではあまりよく見えませんが、写真に撮ると美しい銀河です。この場合、写真鏡の焦点距離は50cm以上、できれば1mぐらい欲しいところです。もちろん、「写真」となっていなくても、このリストにあるものはすべて、写真撮影対象としておもしろいものばかりです。
「2個」「3個」とあるのは、同一視野内に2個以上の銀河が見えるものです。ほとんどの場合、明るい方の1個だけがリストにあります。
「形」とあるものは、特徴的な形をしたものです。
M天体については、皆さんよくご存じなので、コメント(備考)はありません。NGC番号とニックネームを表示しました。
「アルバム」に写真がある銀河は、そちらへのリンクを付けました。写真にもコメントがありますので参照してください。
4月上旬に、二晩、快晴になってくれれば、残り全部撮影できるのですが...


写真は NGC4565  春の銀河はこれが主役?


4月7日 追記

4月6日と7日の晩、2夜連続で快晴になり、リスト中のほとんどの写真が撮れました。
天文台の望遠鏡は、35cm主鏡にTEC140、TOA130、ε180の3本の副鏡が同架されています。このうち、TOA130とε180にカメラを付けてTOAは10分、εは5分露出しました。露出中は35cm主鏡とTEC140で撮影対象を観望していました。同一対象が10分間視野にあるわけですが、35cmといえども、系外銀河は暗くて淡いので、1分間見ていれば十分です。35cmとTEC140で合計2分しか観望には必要ないので、10分が長く感じました。そして完全に飽きました。「お勧め春の銀河」としておきながら申し訳ありませんが、35cm程度の口径の望遠鏡では、眼視で「美しい」と思えるものはほとんどありません。14cmでも存在は必ずわかります。35cmなら形が丸かったり細長かったりもわかります。しかし写真のような渦巻きや暗黒帯はわからないものが大部分です。50cmかそれ以上の大口径・低倍率で見たいものです。

星雲星団を楽しむためのスタイルとしては、赤道儀に2本以上の鏡筒をのせて、大きい方で観望し、小さい方にCCDを付けて写真撮影するのがいいでしょう。もしくは、写真撮影用赤道儀セットの横にドブソニアンを置いて、撮影中の対象と同じ天体を観望するか。眼視でぼんやりとしか見えなかったものが、カメラのシャッターを閉じてモニタ上に画像が表示されたとき、「こうなっていたのか・・・」と確認できて目で見たイメージが補強されます。順番が逆だとダメですね。先に写真を見ると、写真と同じ渦巻き銀河に見ようとすれば見えますが、錯覚か単なる思いこみの場合があります。余談ですが、銀河をたてつづけに見た直後に球状星団を見ると、球状星団が渦を巻いていて、フェイスオン銀河に見えます。2夜続けて同じことをやったら、2回ともそう見えました。
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お勧め春の銀河一覧
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