天文台建設日記 
 
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 2008年
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3月28日     ハイブリッドの回生システム
前回に続いて、自動車メカニズムの話です。今回は、ハイブリッド車の回生システムについてです。

その話の前に、まず、ブレーキについて理解しておかなければなりません。ブレーキというのは、運動エネルギーを熱エネルギーに変換して空気中に捨てる装置です。車は、加速するために燃料を燃やして運動エネルギーをつくり出しますが、減速するときにはそれを熱エネルギーにして空気中に捨てています。エネルギーを捨てるのはもったいないということで、捨てられる運動エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリーにため、その電気でモーターを回して走るようにしたものが、トヨタ型ハイブリッドシステムです。できるだけ多くの運動エネルギーを回収すること(これを回生といっています)に主眼を置いています。ホンダもほぼ同じです。減速するために、ブレーキではなく発電機を使うわけです。
車のもうひとつのブレーキで、エンジンブレーキというのがあります。これも運動エネルギーを捨てる装置です。エンジンブレーキは、運動エネルギーを何エネルギーに変えて捨てるのかわかりづらいですが、たとえれば、けっこう強いけど引っ張ればいくらでも伸びるバネを車が引っ張るようなもので、見えないバネに引っ張られて減速します。
ハイブリッド車はアクセルペダルから足を離すとすぐにエンジンが切れるとした場合、エンジンブレーキというものは存在せず、その代わりに発電機を回して減速します。この場合が理想的で、運動エネルギーを一切無駄にしません(発電機のエネルギー変換効率によるロスは考えない)。しかし、アクセルペダルから足を離すとすぐエンジンが切れるわけではないので、エンジンブレーキと発電機によるブレーキが共存する時間があるのでしょう。ですから、ハイブリッド車といえども、運動エネルギーを多少は無駄に捨てています。

ブレーキを踏めば(正しくはローターとパッドが擦れあえば)エネルギーを無駄にしますから、ハイブリッド車を運転するときは、ブレーキを踏まない方がいいのは間違いありません。減速するときは、アクセルから足を離して、シフトレバーを「S」または「B」に入れます。そうすると発電機が回って電気をつくると同時に、ブレーキをかけたときと同じように減速します。体感的には、「S」でごく普通のオートマチックの「3」ぐらい、「B」では「2」ぐらいの減速感です。「B」に入れたときに最大限まで回生します。急減速していいときや急な下り坂では「B」に入れると最大の回生効率になります。

現実には、減速するとき、いちいちシフトレバーを操作するのは面倒だし危険でもあります。ブレーキペダルに軽く足をのせるだけなら、ローターとパッドはほとんど擦れませんが、回生システムは働きます。ですから、ブレーキに軽く足をのせるのと「S」レンジに入れるのはほぼ同じと考えられます。私は以前、少しでも多くのエネルギーを回収しようと思って、軽く減速するときは「S」に入れていましたが、今はめんどくさいうえ、ほとんど変わらないので、ブレーキに軽く足をのせる方にしています。ここで、ブレーキを踏み込むとエネルギーを多少無駄にすることは間違いないのですが、極力そうならないように回生システムが働いてくれます。ブレーキペダルの踏み込み量に応じて、効率よくエネルギーを回収できる速さで発電機を回します。また、その時の減速度合いによって、ドライバーもブレーキを踏む力を加減します。自動車と人間の間でフィードバックが行われて、できるだけ多くのエネルギーが回収されるようにはたらきます。
運転に余裕がある時は、手でシフトレバーを「S」や「B」に入れれば、より多くの運動エネルギーを回収できますが、いちいちそういう操作をしなくても、ハイブリッド車は普通にブレーキを踏むだけで、かなりの運動エネルギーを回収してくれるはずです。

ただし、これはトヨタ型ハイブリッドシステムの場合です。世界では、トヨタが最も高度なハイブリッド技術を持っており、他社はそれに追いついていません。ヨーロッパやアメリカの自動車メーカーが採用している、またはこれからやろうとしているハイブリッドシステムは、トヨタよりも簡易的なものです。トヨタほどの運動エネルギー回収効率はありませんが、トヨタとは別な工夫によって、トヨタに近い燃料消費率の改善効果を上げているメーカーもあります。一方、非常に簡易的なシステムで、値段も安く、しかしある程度の燃料消費率の改善効果を上げるシステムもあります。


余談ですが、自宅から天文台へ行く途中に峠を2つ超えます。当然、峠の半分は長い下り坂です。その区間で十分に回生してバッテリーに電気を貯めたいところですが、下り坂が長すぎて、坂を降りきる前にバッテリーがフルチャージになってしまうことがあります。モニターを見ていると、それ以降、回生率が下がるのがわかります。回生をやめて、いらないのにエンジンをかけ、エンジンブレーキを使うのでしょう。
ハイブリッドバッテリーの残量は、フルチャージの7割程度を中心に上下しています。5割を切ると発電し、9割を超えると積極的にモーターを回すようです。これを5割を中心にしてもらいたいです。3割を切ったら発電し、8割を超えたらモーターを回すようにするだけで、ハイブリッドバッテリーを効率よく使えます。峠の下り途中でフルチャージになる確率も少なくなります。回生システムのマネージメントプログラムをそんな風に改良してもらいたいところです。
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3月26日     冬、車の燃費が悪い理由
最近春めいてきて、ななつがたけ北天文台付近も晴れるようになりました。しかし、月が大きいため星見には適さず、天文台にはしばらく行っていません。あと4・5日はダメですね。そのため、ここに書くネタがなくなります。そうなると、自動車かパソコンのうんちくを書くしかなくなります。またか・・・という感じですが、今回も自動車の話題です。
これは、このサイトをいつも見てくれていて、私と全く同じエスティマハイブリッドに乗っているSさんから、最近燃費が悪くなったのですが・・・というお便りが届いて、それへの返事の一部です。

車を常時利用している人は、冬になると燃費が悪くなることに気付いていると思います。
私のエスティマハイブリッドは、暑いときは14km/L走るのに、寒いときは12km/Lしか走りません(Sさんは16が14.5だそうです)。ハイブリッド車だと、モーターのみで走る部分があるので、例としては適切ではありませんが、寒いときの燃費が悪いという点では同じです。なぜ、寒いと燃費が悪くなるのでしょう。

空気は、気温が30度変わると体積が10%変わります。夏を基準にすると、冬は空気が収縮して、密度は10%アップになります。密度が10%上がれば、一定の体積中に含まれる酸素量も10%増えます。電子制御燃料噴射装置は、シリンダー内に吸い込まれる酸素量に応じて燃料を噴射します。吸い込まれる酸素量が10%増になれば、10%増の燃料を噴射します。そういうわけで、冬はエンジンパワーが10%アップしますが、燃料は10%多く使います。これは電子制御燃料噴射装置付きの車(付いてない車はないでしょうが)全般に言えることです。これ以外にも、気温が低いとエンジンを暖めるために多くのガソリンを使い、ガソリンが気化しにくいため、さらに燃費が悪くなります。朝、車内が暖かくなるまで暖機運転してから走り出す人は、かなりの燃料をそれに費やすので、さらに燃費が悪くなります。私は暖機運転というのはしませんが、燃費が夏は14km/L、冬は12km/Lというのは(16→14.5も)、だいたい理屈通りです。
エンジンパワーの方に注目すると、レクサスGSのV6 3.5Lエンジンの場合、暑いときのエンジンパワーを300馬力とすると、冬は330馬力になります。冬の方がエンジンパワーがあることは体感的にわかります。最近暖かくなったので、加速が少々悪くなりました。

なお、この理屈は、私が「きっとそうだろう」と思っているだけのものです。権威ある書籍にそう書いてあるのを見たわけではないので、全面的に信用しない方がいいかもしれません。
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3月22日     A5、見てきました (写真はS5)
仕事帰りにAudiの前を通ったので、ちょっと寄ってA5を見て、試乗してきました。当然のようにS5はありませんでした。A5というのは、3.2V6 FSIクアトロ。S5は4.2V8 FSIクアトロ、各1グレードだけです。念のため。
一番懸念された左足元の出っ張りは、ほとんど問題ありませんでした。レクサスGS AWDの助手席足元は、明らかに「出っ張り」ですが、S5はセンターコンソール部の「ふくらみ」程度です。しかし、ちょっとだけブレーキペダルが右に寄っているのと、ペダルそのものが大きい感じで、アクセルペダルと近い位置にありました。アクセルを踏んでいるときに急ブレーキという場面では、足が引っかかるのでは? という気がします。

フル加速時の性能は、レクサスGS3.5AWDと同等だと思います。ブレーキの初期制動力は、GSの方がいいと感じましたが、強く踏んだ時はどうかわかりません。急ブレーキをかけたかったのですが、試乗車がほぼ新車なのと同乗してくれた人が女性だったので、遠慮してしまいました。

外見は美しいです。スタイルがいいという意味でもありますが、すべての面が段差なしでスムーズにつながっていて、アクセントラインもすべてつながっています。ヘッドライト内のスモールランプに相当するLEDの列が美しい。これは近いうち、国産車がまねするでしょう。

A5/S5の欠点と思われるのは、ナビがDVDだという点と携帯電話のハンズフリー機能が弱いことでしょう。営業のおねえさんは、HDDよりDVDの方が起動が速いし、検索も速いのでDVDが選択されたと言っていましたが、あり得ない! 携帯ハンズフリーは、現状では無いも同然。いっそ、ナビをオプションにしてくれたらいいのに。

仕様、価格、オプションを見るとA5よりS5の方がお買い得感が強いです。A5を見に来た客の多くは、双方を較べてみると、S5の方がいいと言うそうです。私は最初からS5にしか興味なかったですが。
日産GT−Rは、機械としての完成度はすばらしいですが、美しくない。S5は、機械としてはGT−Rより下位になると思われますが、どちらが欲しいかといわれればS5です。しかし、どちらも900万円。正確に言えば、GT−Rの方は900万円まではいかないので、そちらの方が安いのですが、S5は3年間、メンテナンスがほとんど無料。GT−Rは非常に高額な整備料金を取られます。取得後の3年間では、S5の方が安いでしょう。いずれにしても、900万円あれば、土地と基礎は別ですが、天文台が1つ作れます。自動車1台にそこまでのお金を出せる身分ではありません。ランエボ11がイマイチで、フォルティスVR-4もイマイチだったときは、TTクアトロか... TTSもいいですが、高い!(はず) S5とあまり変わらない値段が付くと思います。
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3月19日     ふと、気づきました!
デジタルカメラメーカーは、天文ファンに意地悪をするかのように、赤外カットフィルターで感光域をHα(656nm)の手前で切ってしまいます。天文ファンが要望してもかたくなに拒否され、D20aの後継も出ません。630nmで切っても660nmで切っても、赤外線量的には大きな違いはないように思います。内蔵ソフトで修正可能な範囲だと思います。なんで660nmまで伸ばしてくれないのか? その答えにふと気づきました。
630nmで切っているとした場合、R64フィルターを付けて撮影したら何も写りません。真っ黒です。しかし、赤外カットフィルターを660nmで切るようにしたら・・・。R64フィルターを付けて白黒モードで写すと「何か」写ります。・・・夏の浜辺で水着が透ける写真が写せる可能性があります。
デジカメならそれはできません、という女性へのアピールでしょうか。というよりも、そもそもそれが不法行為なのだとしたら、防ぐのは当然です。これが正解だとしたら、Hαが写るデジカメは出ないということですね。
私は今日気づきましたが、これって常識ですか? 
赤外カットフィルター改造デジカメで撮ったらどうなのでしょう? それは不法改造? SEOさんはそれを承知でやっているのでしょうか? SEOさんが警察に捕まる日が来るのか・・・?! 少なくとも赤外カットフィルターを外してしまったら不法改造でしょうね。そういうカメラを使うのは夜だけにしましょう。
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3月16日     雪が終われば・・・
南会津の長い雪の季節が終わろうとしています。天文台は冬の冬眠からさめ、やっと晴れる時期になり、観測できる日が多くなります。冬に休んでいた分、これから活動するぞ!と思うのですが、また困った時期になりました。黄砂と花粉です。南会津では、これから杉花粉が飛び始めます。私は花粉症ではないので、問題ないと思われるでしょうが、実は大ありです。星を見ている最中に、反射鏡やレンズに黄砂と花粉が積もります。黄砂は、工業化して公害垂れ流しの中国から来るものですから、反射鏡やレンズに悪影響を及ぼすと想像されます。そうではないとしても、反射鏡やレンズが汚れます。また、黄砂のような無機物よりも、花粉などの有機物の方が鏡面に付いた場合、たちが悪そうです。晴れていても、望遠鏡のキャップをとることがためらわれます。天文台の本格始動は、黄砂と花粉が終わってから。
冬はダメ、早春もダメ、ここは実働期間が短い天文台ですね。
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3月14日     片ボケ写真量産
3月10日から3夜、天文台にいました。自分では晴れると予想して天文台にいたわけですが、完全にはずれでした。春の天気は予測不能です。

今更ですが、「ななつがたけ北天文台」には宿泊施設がありません。ペンション「楓林舎」を宿舎として使うという前提で造られています。しかし今回は、楓林舎オーナーが所用で、ちょうど10日の夜から数日間留守になりました。宿舎として楓林舎が使えないわけです。オーナーが入り口の鍵を置いていってくれたので、最低限のトイレと水道だけは使わせてもらいました。とりあえずそれだけあれば、ドーム内でもさほど不自由なく暮らせます。ドーム内で3泊しました。昼間は「きらら289」に行って温泉に入り、レストランで食事をしてのんびり過ごしました。ここは町営温泉・町営レストランですが、設備は新しくて良くできているし、レストランは何を食べても「町営」という先入観を覆すおいしさです。特に、
レストラン内で手打ちされているそばと会津名物ソースカツ重がお勧めです。ラーメンもおいしい。
この先、貧乏になってホームレスになったらドーム内で暮らしたいと思います。ただ、気温が0度以上でないと厳しいかもしれません。

10日の夜、正しくは11日の明け方だけ、きれいに晴れました。トップページにあるように、春の系外銀河を連続して観望・写真撮影しました。しかし、後でわかったのですが、ε180EDの写真がすべてひどい片ボケでした。昼間、撮影した写真を画像処理しようとしたとき初めて気づきました。はじめは、εの光軸が大幅にずれたのかと思ってびっくりしましたが、原因は違いました。タカハシの「ワイドマウント」でした。これは、ε側は共通の54mmのネジで、カメラ側が各社のマウントになっています。その接合部分が問題で、2本の小さなイモネジと1本のローレットネジで3点で固定されています。このため、ローレットネジをゆるめるとカメラ回転装置としても使えるわけですが、そこが問題です。2本のイモネジの一方がゆるんでいたとき、ローレットネジを強く締め付けると、カメラマウントが傾きます。2本のイモネジは必ず、同じだけ沈んでいないといけないわけです。ここは長期間使っていると、不等にゆるむので、時々チェックが必要です。
最初の1枚目の写真を撮ったときに、よく見て確かめればいいわけですが、今までそういうことがなかったこともあり、中心部のピントだけしかチェックしませんでした。新しい教訓です。今回のε180は、それがなければ結構良く写っていたのに・・・。10数枚ボツになりました。がっかり・・・

それとは別ですが、いまさらながらニコンマウントはひどいですね。あそこまでガタガタだとドーム内を移動中にちょっとカメラに触れただけでピントがずれます。「強化マウント」というやつが出てくるのもうなずけます。1個買おうと思います。これの場合は、上記のようなことはないでしょうね...?
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3月13日     春!
11・12・13日と、南会津は暖かな春らしい天気になりました。3月はじめの1週間ほどでかなりの大雪が降りましたが、ここ3日間で大幅に解けました。だいくらスキー場はもう終わりかもしれません。ただ、あと1回は寒波が来るでしょうから、スキーに行くならその直後だけでしょう。
10日の夜から13日まで足かけ4日間、天文台にいました。日中は、やや春霞らしい不透明感はありましたが快晴でした。透明度も悪いわけではなく、そのままの状態なら十分天体観望を楽しめるはずでした。10日の晩だけと思って来たのですが、昼間の天気がいいし、気象衛星の雲の写真を見ても、大きな晴れ間の中にあり、雲の通り道からも外れています。今晩も晴れると思うと帰るのが惜しくなり、そのまま残ってしまいました。しかし、夜になると霞が濃くなり(霧?)、2等星ぐらいまでしか見えませんでした。
さらに翌日も懲りずに同じことをやって同じ結果になりました。3夜いたのに、まともに晴れたのは初日の3時間ぐらいでした。春の天気です。

夜空も春の星座になりました。観望や写真撮影の対象は、系外銀河になります。私は美しい天体写真を撮ろうとは思わないので、ワンショットカラーカメラで長くても10分露出です。目安として、視直径6’以上の銀河を次々と撮影していきました。もちろん同時に眼視で観望しています。対象天体は、自動導入で視野の真ん中に入るし、流れ作業的に露出していくと、1晩で2星座制覇というところでしょうか。おおぐま、しし、おとめ、かみのけ、りょうけんあたりなので、3晩で春の星座完全制覇となります。でも、春ですから、一晩中透明度のいい快晴というのはわずかしかありません。特に、系外銀河を眼視の場合、透明度が少しでも落ちるといきなり見えなくなります。

35cm鏡でもぼんやりとしか見えない銀河をじっと見ていると、渦を巻いているように見える瞬間があります。「よく見れば渦がわかるんだ!」と感動するわけですが、明け方、最後にM13を見たら、M13が渦巻きに見えました。 おい、おい! 全部錯覚?

 写真データ   M100(NGC4321) 下にある細長い方はNGC4312   2008.3.11 1:59〜 露出10分
           TOA130F(f=1000mm) レデューサー使用(約f=720mm) ST-2000XCM −20度冷却

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3月8日     Audi A5/S5 発売
Audi から A5/S5 が発売されました。

私は日本の自動車技術を応援したいし、国産車の方がドイツ車よりも優れている点が多いと信じていますが、Audi/Volkswagen グループにはいつも負け続けています。Audi S5 4.2 FSI quattroは
、日産GT-R以外の国産車と較べたら圧倒的優れています。こういう車が出てしまうと、ランエボ11とか言っていないで、どちらかを買うべきなのでしょう。GT-RよりはS5のほうが魅力的です。そのうち、Audiのショールームに行ってみます。生まれて初めて「外車」を買うことになるのでしょうか。でも、ランエボの2倍以上という金額をどう評価すべきなのでしょう。もちろん、安い方がいいに決まっていますが、ランエボ11が私の期待に反する車だったら・・・。私の期待というのは、大多数の日本人の期待とは違うので、無理でしょうね。私が理想的と思える車は、たいていAudi/Volkswagen から出てきます。車本来の基本性能を追求してくれる日本人は、日産の水野さんしかいないのでしょうか。また、それを全部任せてやらせてくれる社長はゴーンさんしかいないのでしょうか。
S5の技術的な詳細がわからないですが、クアトロシステムは当然トルセンデフなのでしょう。技術的には、三菱の電子制御AWDの方が進んでいますが、一般道を運転したとき、機械式のトルセンデフと同等だったら悲しいですね。ラリーをやったら三菱の勝ちでしょうが、我々はラリーに参加するために車を買うわけではありません。あくまで一般道での走行性能を求めるわけです。レクサスLS600hの4WDは、一般公道では、電子制御よりも機械式のトルセンデフの方が優れているということで機械式になりました(トヨタよりもずっと進んでいる三菱の電子制御AWDならどうだったかはわかりません)。

Audi A5/S5 の最大の欠点は、ドイツ車だということです。ドイツ車は左ハンドルが標準です。クアトロシステムのために前輪を駆動するパワートレインとシャフトが必要です。これが右側座席の左足元に出っ張ります。日本車であるレクサスGS(AWD)の助手席右足元に、迷惑な出っ張りがあるのと同じです。左ハンドルのS5なら運転席には影響ありませんが、同じ車を右ハンドルにすると、運転席の左足元、フットレストがあるはずの場所にそれが来ます。左足の置き場がなくなるわけです。それがどれほど、違和感があるかを実車で確かめたいと思います。

日本の自動車メーカーは、なんか、ピントがずれてます。 国産車は日本人の声から作られているという側面があるので、「声」のピントがずれているのでしょう。私は昨年まで、インターネット投票の形で Year Car を決める「あなたが選ぶカーオブザイヤー」(CCC)に投票していましたが、昨年末に選ばれた車を見て愕然としました。「なんで、こんなとんでもない結果になるの!」  日本人の一般投票で Year Car を決めるのは無理だと判断し、即座にCCCを脱退しました。多くの日本人の自動車に対する感覚がおかしい(未熟だ)し、中に詰まっている技術が全然わかっていない。日本人の声によって、「マジェスタ」なんていうやたら高いのに変な車ができてくるわけです。「クラウン」は、欧米諸国では全然相手にされないダメ車なので国内専用車だったわけですが、先代クラウンから輸出されているそうです。主な輸出先は中国... なるほど! 中国人のお金持ちには受けますね。
ピントのずれたユーザーの声や業界の常識にとらわれないで、GT−Rを作り上げた日産の水野さんは貴重な日本人です。GT−Rがもう一回り小さくて、もう少し軽かったら・・・。GT−Rを一回り小さくして、軽くして、さらに精度まで落とした車がランエボです。

佐藤琢磨や高木虎之助が国産車を運転したら、さぞ、速いスピードで飛ばせるだろうと思いますが、彼らは怖くて、市販車でスピードを出す気にはなれないそうです。F1マシンなどの高精度自動車に較べて、市販車というのはあちこちガタガタで曲がらないし止まらないし、曲がってもどこへ行くのかわからないしで、とてもスピードを出せる代物ではないようです。ガタガタの安物赤道儀で、TOA直焦点のガイドをするようなものなのでしょう。唯一、GT−RがEM400,MS−55z,20Eクラスなのだと思います。BMWの値段が高いのは、タカハシと同じ理由のようです。ミタカの赤道儀がF3マシンで、三菱重工・三菱電機製の架台がF1マシンなのでしょう。
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3月5日     Messenger と Skype 始めました
今更ですが、パソコンで「Messenger」を使い始めました。とりあえず、「Windows Live」にしました。テレビ電話が目的の場合、やはり「Skype」かなと思っていましたが、そうでもないようです。私はパソコン屋ですが、そういう方面には全然興味がなかったのと、特別、顔を見ながら話をしたい相手もいなかったのでやったことがありませんでした。

私の友人が家族共々、数年間、オーストラリアに行くことになりました。その間、日本には原則として一度も帰ってこられないそうです(単身赴任不可で、赴任中は日本に戻ってきてはいけない海外勤務というと、ある職業の方は「あれか!」とわかるかもしれませんね)。彼が海外にいる間、実家の両親とテレビ電話ができたらいいというので、「Windows Live Messenger」
を両親の家と彼らが持って行くパソコンなど4台と私の自宅のパソコンにセットアップしました。5台中1台だけ、セットアップでトラブりましたが、比較的簡単にテレビ電話(映像通信)ができるようになりました。テレビ電話というのは、彼のような場合には便利ですね。ただ、両親というのは、70後半のじいちゃん・ばあちゃんなので、パソコンの操作には四苦八苦しています。ほとんど何もしなくていいように設定してあげたのですが、「”通話”をクリックする」という操作がなかなかできません。でも、そのうち慣れれば「コンピューターおばあちゃん」になって、近所でも有名になってしまうことでしょう。
なお、こういう方面に詳しくない方へ。インターネット経由でのパソコンを使った通信は、相手が世界中のどこにいても無料です。
パソコンやいろいろな機械のトラブルシューティングにも相手方の映像が見えると便利そうです。パソコンならリモートデスクトップの方が早いですが。


余談ですが、
Messenger のセットアップをしに行ったついでに、オーストラリアで住むことになる家の住所を GoogleMap に入れてみました。見事、その家がピンポイントで表示されました。写真にして思いっきり拡大したら、屋根の瓦まで見えました。地上解像度50cmというところです。Googel おそるべし! オーストラリアでは、こんな軍事衛星レベルの写真を誰がGoogleに提供しているのでしょう。それに較べて GoogleMap の日本の写真は小さいですね。高詳細の写真が入っている地域でも、家の形がやっとわかる程度です。解像度は10m程度でしょう。この点でも日本は遅れてるんですね。でも、自分の家がそこまではっきり、すべての人から見られるというのはどんなものでしょう・・・?


3月14日 追記
別な知り合いが、新しいノートパソコンが欲しいというので、DELLのXPSを買ってあげました。ソフトをインストールし、インターネットの設定をし、使いやすいようにあちこち調整しました。
「Skype」をやりたいというので、「Windows Live」じゃだめ?と聞いたら、離れたところにいる娘が「Skype」をやっているということで、「Skype」をインストール・設定しました。テストのため、私のパソコンにも「Skype」をインストールしました。問題なく動きましたが、私のパソコンは、起動すると「WindowsLive」と「Skype」が並んで立ち上がります。こういのって、どれか1つに統一できないんですかねえ。
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3月1日     雪がたくさん降りました
ここ1週間ほどでかなりの雪が降りました。天文台に行くときに通る「だいくらスキー場」付近の道も、道路両サイドの雪の壁が一気に高くなりました。ドームの足は完全に雪に埋まり、積雪の上の面が茶色の側壁下端よりも高くなりました。ドームに入るときは、雪の下に潜り込む状態です。ドームの下は雪に囲まれて「かまくら」の中のよう。
2月28日に天文台に行き、2泊しました。もちろん、2晩とも晴れるという予想のもとで行ったわけです。南会津の冬に2晩続けて晴れというのは、普通はあり得ないことです。もう、冬は終わったということでしょうか。
初日は、晴れるには晴れましたが、薄雲が飛び交っていて、同じ位置が5分以上晴れ間になっていることはありませんでした。そのため、眼視ではある程度の観望はできましたが、写真は撮れませんでした。
2晩目も23時頃まで同じようでした。しかし、その後雲が切れて、透明度はイマイチでしたが、快晴の中で観望・写真撮影できました。撮影した写真の一部を「アルバム」にアップします。
今回の天体写真撮影は、前回テストした「TEC140」+「ST2000-XCM」+「AO8」と「ε180ED」+「SXVF-M8C」です。S3proが余るので、これに180mm望遠レンズを付けて望遠鏡に同架しました。これで、1回の撮影で3コマの写真ができます。

すべて1ショットカラーカメラですが、空は春の星座。撮影対象はほとんど系外銀河しかないので、カラーでも白黒でもほとんど同じ画像にしかなりません。冷却CCDは10分露出しましたが、カラーCCDに10分露出だと恒星の色がほとんど飛びます。右の写真がその1コマ。「TEC140」+「ST2000-XCM」+「AO8」の10分露出画像、NGC3190付近です。このときは、AO-8は動いていません。ST2000-XCMのガイドCCDの写野内に明るい星がないとAO-8は動かせないんですね。春の系外銀河の場合は、それは期待薄です。

「TEC140」+「ST2000-XCM」と「ε180ED」+「SXVF-M8C」の写真は、ほとんど同じ画角で同じ写真になりました。一方は意味なしでした。
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2月26日     防寒具
毎年この時期になると、お店では冬物バーゲンが始まります。防寒具はまだしばらく必要だし、夜中に使うものですから流行を追う必要もなく、この時期に買っておくのがいいと思います。釣り具の上州屋でも冬物バーゲンをやっていると思います(しばらく行ってないのでわかりませんが)。アウトドアグッズがいろいろあるのでここで買い物をしています。

ドームやスライディングルーフなどの観測室内用の防寒グッズを紹介します。
まず寒いのは手です。手袋をつければいいのですが、キーボードやマウスの操作が必要なので、難しいところです。釣り用品として、親指と人差し指と中指の3本だけ指先が出る手袋があります。針にえさを付けるとき必要なわけですが、これが便利です。右手はそれひとつだけにして、左手はその上にさらに別な手袋をつけます。両手の指先が必要なときは左の外の手袋を取ればいいし、右手は使うとき以外はポケットの中です。

次に寒いのは足ですが、観測室の中でも外用の防寒ブーツを履けばいいかもしれません。でも、床に落ちているケーブルや用品を踏んだとき、壊しやすいうえに、「踏んだ」という感触が伝わりにくいのが難点です。テントシューズ・・・というのでしょうか、ダウン入りのやわらかい靴(靴下?)ですね。これならば何かを踏むと踏んだことがすぐ認識できるし、柔らかいので壊しにくくていいと思います。でも、防寒にはこれ1枚では全然足りません。2枚重ねなら・・・それでも不足です。それなら3枚・・・と思ったのですが、いい方法がありました。モコモコの暖かそうなスリッパがありますよね。
それを2枚重ねのテントシューズの中に入れてしまいます。普通サイズのスリッパならぴったり入ります。これで比較的柔らかいし、歩きやすいし、−10度以下でも十分暖かいです。
(写真下 黒の中に青を入れてその中に茶色のスリッパを入れる。できたのが左側)

次は頭と顔です。フード付きの上着よりは、毛糸の帽子をかぶった方が暖かいと思います。これはお好みで。マスクもあった方がいいですね。ごく普通の、風邪をひいたときに使うものでも、あるとずいぶん違います。吐いた息でレンズを曇らすこともなくなります。
あとはマフラーがあれば完璧です。マフラーは見た目に存在感のある大振りなものよりは、小さくて薄くて頼りなさそうなもの(でも、実は高価なカシミヤ製だと最高。逆に、安いタオルでも可)を首にぴったり巻いた方が暖かいと思います。じゃまにもならないし。

肝心なジャッケットがないじゃないかといわれそうですが、関東地方ではアウトドア用品店も含めて一般のお店では、−15度まで耐えられるダウンジャケットは売っていません。これだけは登山用品店などで、いいものを買ってください。高級すぎると−10度ぐらいでは暑くて汗をかきますが。オーバーズボンは安くても大丈夫でしょう。私は店内で最も暖かそうなジャケットとオーバーズボンのセットを上州屋のバーゲンで3500円ぐらいで買いました。この下だけをドーム内で使っています(上は昼間の外出に使えます)。この時期、山用品やアウトドア用品屋さんを回ってみると掘り出し物があるかもしれません。

これ以外に、観測室にはドライヤーを常備すべきでしょう。レンズが曇ったときに、あっという間にくもりが消えるし、手が冷たくなったとき便利です。また、寒くてパソコンが起動しないようなときは、パソコンの吸気口からドライヤーの熱風を入れてやると起動します。
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2月24日     パソコン納品
2月17日に書いたパソコンをTさんの仕事場に納品してきました。一般家庭なら書斎と呼ぶであろう部屋にパソコンを設置してきました。すでにそこにあったMacとvaioの大型モニタの間に24インチデュアルモニタを設置しました。一般の人が見たら、かなり大きなモニタが4画面並んでいます。「ここはディーリングルームか!」という感じです。Tさんがその気になれば、このシステムを使って金融商品のトレーディングができます。

Tさんの仕事場というのは、天文屋にとっても楽しそうなところでした。普通なら滅多にお目にかかれない超高級な光学機器がごろごろしています。Zeissの双眼実体顕微鏡とか。
夜に行ったので、屋上にある観測所で天体望遠鏡も見せてもらいました。セレストロンの「SkyScout」もありました。Tさんはこれを大型双眼鏡にのせて、ファインダーとして使いたいとのこと。それはすばらしいアイディアです。実際に見てみたら、精度的にはイマイチですが、双眼鏡の視野内には導入できそうな感じです。こういうシステムを一般対象観望会に持って行って、全くの初心者が自分で目的の天体を視野内に導入できたら楽しいかもしれません。「星見隊」の皆さん、こんなのはどうでしょう。実際にやると、かなりの試行錯誤が必要そうですが・・・。それと現在の「SkyScout」は英語版のみなので、ちょっと・・・です。
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2月20日     月齢13でカメラテスト
下記のように苦労してドームまでの道を造っても、まだ作業は終わりません。スリットのてっぺんに雪が載っているので、それを落とさなければなりません。頂上あたりは50cm近くの雪が載っています。この雪はある程度締まっているうえ、気温は氷点下ですから、スリットのアルミに張り付いています。以前も、この雪を落とす話は書きましたが、ドームの外から落とすのは無理だという結論に至りました。どうやって落とすかというと・・・
スリットは両開きなので、ドーム内からスリットを数ミリだけ開いて、というか、それ以上開けようとするとスリットが壊れます。その隙間に1mm厚のアルミ板を差し込んで、積もっている雪を左右ふたつに切ります。切ったところで、スリットを人が体を乗り出せるだけの幅に開きます。この時全開にしたら、雪の重さでスリットを支えるレールが折れるか曲がります。ドーム内に脚立を立てて、スコップを持ってスリットから体を乗り出し、内側に落とさないように気をつけながら、スリット上の雪を落としていきます。気をつけても内側に落ちるので、最後はドーム内の大掃除状態になります。

今日は月齢13。夕方から朝の薄明はじまりまで、ずっと空に月があります。なんでそんなときに天文台に行くのかというと、この日は久しぶりに快晴になりそうだったから。それと、そういうときでもないとゆっくり機材のテストができないから。月のない日に晴れていると、時間が惜しいので、とりあえず望遠鏡をめぼしい天体に向けて、カメラのシャッターを開けて、観望して・・・ となります。どうせ何も見えない、何も写らないとわかっているときでないとゆっくりテストができません
今回は主に、「ε180ED」+「SXVF-M8C」と「TEC140」+「ST2000-XCM」+「AO-8」のテスト撮影です。撮像ソフトは MaxImDL CCD。「アルバム」をご覧になればわかる通り、この組み合わせの写真はありません。ピントが出るのかどうかさえ試したことがありません。MaxImDLCCDは使い方もよくわかっていません。
SXVF-M8Cは、接眼部への取付は31.7mmスリーブが基本です。これをε180に付けると、通常の接眼部では、補正レンズとの間が開きすぎて、問題外でピントが合いません。手持ちのリング類を組み合わせて、一番背が低くなる31.7mm接眼部を作ったのですが、それでも惜しいところで(あと2mmぐらい)ピントが合いません。接眼部を旋盤で削ろうという結論に至ったのですが、ふと思い直してみると、SXVF-M8Cは31.7mmスリーブが外せて、外すとTネジがありました。そちらを使う組み合わせをやってみたら、ぴったり合うリングがありました。やっとピントが出る組み合わせが見つかりました。ε180EDは、補正レンズとCCDの距離が56mmのとき最も良い星像になります。それに近い位置にいきました。

「TEC140」+「ST2000-XCM」+「AO-8」は、そのままでピントが合いました。しかし、こちらもあぶないところで、ドローチューブをめいっぱいぐらい繰り出したところでピントが合いました。あと残りは3mm程度。
どちらもMaxImDL CCDでピントを合わせましたが、星像の大きさがシンチレーションで2倍ぐらい変わるので、微妙な位置になったら、しばらく星像(と表示される数値)を見ていなければなりません。どのソフトを使おうが空の方は同じですから、シンチレーションとの格闘になります。ピントのピークはMaxImDLが一番つかみやすいと感じました。
肉眼ではほとんど見えない天体も、CCDだと結構写ります。写りましたが、カラーCCDなので、バックが青空になりました。これだけ青くなると画像処理で補正できる限界を超えています。でも、月のない夜にはやりにくいテストができたし、明け方の気温は−10度を下回りましたが、防寒対策も新しい方法を見つけて、まずまずの一夜でした。

この日は予想通り、一晩中見事な快晴でした。ふだんは滅多に晴れないのに、満月近いときに快晴になるのは、ここ数ヶ月続いています。
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2月19日     スノーシューなど役に立たない雪
真冬の南会津の雪というのは困ったものです。天文台まで行くためには、積もった雪を踏み固めて道を造らなければなりません。途中、急斜面があるので、雪の階段も作らなければなりません。普通の長靴で雪の中入ると、浅くても膝の上まで、深いと腰まで潜ってしまうところなので、道造り・階段作りは大変な作業です。天文台までたどり着いたときには、気温は氷点下だというのに全身汗だくになっています。さらに困るのは、ここの雪はいくら踏み固めても堅くなりません。いくら踏んでもフカフカで、粉を踏んでいるようです。階段を作っても、いとも簡単に壊れてしまいます。こういうのをパウダースノーといって、スキー場ではありがたがられるのでしょう。すぐ近くの「だいくらスキー場」は全部この雪です。

八ヶ岳山麓あたりならば、真冬でも、スノーシュー(日本語で言うと「かんじき」)を履いて雪の中を歩き回ると楽しいらしいですが、現在の南会津ではそれは無理です。新雪だとスノーシューを履いていても50cmぐらい潜ります。もも上げ状態で歩くことになり、さらにそれだけ潜ると足を上げるときの雪の抵抗が大きくて、そんな中を歩いたらあっという間に疲れ果ててしまいます。新雪の中を歩けるのは、100mぐらいが限界でしょうか。この地は毎日パウダースノーが降っているので毎日が新雪です。
南会津でスノーシューを楽しめるのは、3月後半になってからです。その頃になると、雪が解けて締まってくるので、スノーシューを履いていれば10cm程度しか潜らなくなります。その頃でも積雪は1m以上あるので、雪のない時期はブッシュがあって入れないところにも入っていけます。目の位置が、雪のない時よりも1m以上高いところにあるわけで、ブッシュは全部雪の下だし、野鳥の目線で森の中を歩けます。3月後半の南会津は、スキーは楽しくなくなりますが、スノーシューやスノーモービルの季節になります。
3月下旬、だいくらスキー場が閉鎖になりますが、その後はゲレンデをスノーモービルで走り放題になるようで、それも楽しそうです。
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2月17日     24インチ デュアルモニタ
星仲間のTさんからの依頼で、パソコンを1台用意しています。これがすごいやつで、一般向けパソコンとしては最新型・最高性能のものです。基本性能がいいのは当然ですが、特筆すべき点はハードディスクとモニタです。2月8日にも書いたように、パソコン(のハードディスク)は100%必ず壊れますから、ハードディスクは3台構成にしました。2台をミラーリング(RAID1)にして、3台目にデータを毎日自動バックアップするようにしました。ハードディスクが壊れたとしても、3台中、RAID1の一方の1台だけ生き残れば、何もなくならず、何事もなく動き続けます。また、3台目には、同名で上書きしたデータは残りませんが、過去に削除したデータは残っている可能性があります。3台目が最初に壊れることもありますが、一種の保険にはなるでしょう。
余談ですが、もっといいのはハードディスクを5台構成にして、4台のRAID5+1台のホットスペアとすることです。3台+1台でも可能ですが効率が悪いので。もちろん、5台+1台ならさらにいいでしょう。

ビデオカードは「NVIDIA GeForce 8600GTS 256MB Dual DVI」でデュアルモニタ対応です。ビデオRAMが128MBあれば、1920x1200ドットフルカラー表示ができるので、1920x1200ドット2画面になります。24インチワードモニタを2台並べて3840x1200ドットです。さすがにこれは広いですね。私はかつて、18インチの3:2モニタから24インチワイドモニタに換えたとき、その広さに感動しましたが、今ではすっかり慣れて、これが普通だと思うようになっています。しかし、これが2倍になると、私には広すぎて画面の空いているスペースに何を置いたらいいか考えてしまいます。これのオーナーになるTさんは、これだけの広さが必要で、それが贅沢ではない立派な仕事をされているので、そういう人が持つべきパソコンです。

ただ、このパソコンで問題があるとすれば、物理メモリを4GB(2GBx2)積んでいるのですが、32ビットのWindows(もちろんXP)を入れたので、3.2GB程度までしか使えません。Windowを開けすぎるとメモリが足らなくなって、動作が遅くなる可能性があります。使用するアプリやドライバーなどがすべて64ビット対応してくれればいいのですが、しばらくは様子を見ないといけないでしょう。

タワー型の筐体のパソコンでPCI Expressスロットがあれば、1台のパソコンでトリプルモニタまでは普通にいけます。方法はいくつかあります。一番わかりやすい方法は、ビデオ出力端子が3つあってトリプルモニタ対応のビデオカードを付けることです。Millennium P750がありますが、これだとビデオRAMが少ないので、1画面1280x1024にしかならなかったように記憶しています。モニタだけ3つあってもこれなら、表示できる情報量は上記の2画面の方が上です。
別な方法としては、1920x1200ドットフルカラー2画面対応のビデオカードの他にもう1枚、PCIスロット用で同一ベンダーのビデオチップを積んだビデオカードを付けることです。こちらにもビデオRAMが128MBのっていれば、1920x1200ドットフルカラー3画面になります。ただし、PCIスロット用ビデオカードは動作が遅いので、ゲームには向きません。
または、マザーボード上にNVIDIAかATIチップセットがのっていてビデオ出力端子がついていて、さらに、オンボードビデオとPCI Expressのビデオカードが同時使用できる仕様のパソコンならば、PCIスロット用ビデオカードは不要です。
さらに別な方法として、USB接続のビデオユニットで「サインはVGA」という、開発者の年齢がわかるような製品もあります。これを付けると2台目、3台目のモニタが接続できます。USBですから、PCIよりもさらに遅くなりますが。

トリプルモニタを試してみたかったのですが、お客さんの機械で実験するわけにもいかないので別の機会にします。もっとも、私の場合、1920x1200ドットが3画面あっても使い道がありません。
デイトレーダーさんは、1台のパソコンで3画面なんてケチなことはしないで、2画面のパソコンを2台(以上)置くべきです。
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2月12日     冬の稼働率が低い
2月11日の夜、天文台に行きました。この日は、すっきり晴れそうではなかったのですが、冬、南会津が晴れるのは月に数回しかありません。そのうちの半分は月があって星が見えません。そういう状況ですから、星が見えるかもしれないときは行くしかありません。
この日は、残念ながら予想通りで、薄雲を通してちらほら星が見えた程度でした。この地が快晴になると、星がたくさん見えすぎて星座の形がよくわからないのですが、この日は星座を見つけやすかったです。というよりも、星座を構成する星しか見えない状況でした。これなら冬晴れの自宅の方がまだましです。それでもせっかく来たので、ε180EDとTOA130Fにカメラを付けて写真を撮りながら、35cm主鏡とTEC140で観望しました。

久しぶりにホームズ彗星に望遠鏡を向けてみましたが、眼視では何も見えません。さすがに拡散してしまったホームズ彗星は、薄雲を通した眼視では無理ですね。でも、εでの写真にはかろうじて写りました。(右写真 露出3分)

今の時期は、夜空は春の星座になっているので、観望対象は系外銀河が主になります。しかし、薄雲を通した銀河というのは、見ても全然おもしろくありません。35cm鏡では銀河の輪郭は見えますが、内側の模様というか腕の構造とか濃淡がわかりません。あまりおもしろくありませんでしたが、せっかく来たのでAM1時頃までドームにいました。その頃から、寒冷前線の雲が来て、星が次第に消えていきました。

最初からわかっていたことではありますが、日本海式気候の場所に天文台をつくると、冬の稼働率が極端に低くなります。冬の間だけ、自宅に天文台を持って帰りたい気分です。
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2月11日     地球は傾いている
ある小学校の理科の時間の先生とこどもの会話

先生:
(地球儀を見せながら)地球はこういうふうに傾いたまま、太陽のまわりを回っています。

あるこども:
知ってる、知ってる! 地球は傾いているんだよね。うちの廊下にビー玉を置くと、何もしなくても転がるもん!
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2月8日     パソコンは100%必ず壊れる
楓林舎オーナーから電話がありました。楓林舎のホームページを作ったり、お客さんからのメールを受けたりしているパソコンが壊れたそうです。症状からしてハードディスクが物理的に壊れたようです。そうなると、インストールされていたソフトウエアもデータも全部なくなります。パソコンというのは、そのように必ず壊れる宿命にある製品ですから、常にデータやシステムをバックアップしておく必要があります。
一般の人たちはこのことを知らないのでしょうか? すべてのパソコンは、100%必ず壊れます。もちろん、あなたが今使っているパソコンも必ず壊れます。それが明日か5年後かという時期の違いだけです。特に、ハードディスクというのは、モーターを回転させて動く機械です。動く機械は必ず壊れるというのは常識のはずです。ハードディスクの場合は、買って3年前後で壊れるケースが多いように思います。運が悪ければ、購入後、1年ちょっと過ぎて保証が切れたところで壊れます。そういうケースも結構多く見かけます。運が良くて、購入後、8年たってから壊れるパソコンに当たった場合は、そのパソコンを廃棄したあとに壊れることになり、使っている間は一度も壊れなかったという結果になります。その辺は当たりはずれの問題で、運次第です。

パソコンは100%必ず壊れるので、いつ壊れてもいい準備が必要です。まず、自分が作ったデータは、ハードディスクの中に置いておくと同時に、別なメディアにも常に同じデータを保存しておかなければなりません。USBメモリが便利です。また、定期的にデータをCD−Rなどに焼いておく必要があります。また、ハードディスクが壊れてもソフトやデータがなくならない仕組みもあります。「RAID」(レイド)というのがそれです。
一般に市販されているパソコンは、壊れても買ったときの状態に戻すことはできます。しかし、買ったあとで、ソフトをインストールしたり、インターネットの設定をしたり、いろいろな設定変更をしているはずです。買ったときの状態に戻るということは、それらをすべてやり直さなければならないということです。パソコンに詳しくない人にとっては、それはかなりの重労働になります。したがって、データだけでなく、ハードディスクの中身をまるごとバックアップしておく必要があります。一部のパソコンには、それをやるためのソフトが付いているものもありますが、一般には、ハードディスクをまるごとバックアップするためのソフトと、バックアップを作るための場所が必要です。一般ユーザーは残念ながらどちらもありません。

きちんとしたバックアップを自分でできない場合は、お金を払って業者さんにお願いすることになります。「業者さん」というのもピンキリで、金は取るけど十分なサービスをしてくれないところの方が多いようです。私のところは、ユーザーさんを大事にしていますので、ほどほどの金額でユーザーさんが困らないサービスを提供しています。
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2月5日     南会津快晴
このところずっと、南会津の天気予報は毎日曇と雪マークばかり。前回天文台に行ったのは1月14日です。月が大きいこともありましたが、天気図や気象衛星の写真を見ていても、全然晴れる見込みがないのでしばらくお休みでした。
2月4日の昼過ぎに外出したとき、見晴らしのいいところで空を見ると、北の空に雪雲がありません。栃木は冬晴れではなく、春の空でした。こういうときは、日本海側の天気の所でも晴れる可能性が高くなります。自宅に戻り気象衛星写真を見ると、会津近辺に雲は多いですが、夜半ごろ雲の切れ間が通りそうでした。一番信用している「Excite.天気」のスポット予報も0時から6時まで晴れでした。明日でなければならない仕事も入ってなかったので、急遽、天文台に行くことにしました。

予想通り晴れました。
晴れるのは夜半過ぎからと思っていたので、楓林舎で夕食に酒を飲んで、風呂に入って、部屋でベッドに転がっていたら寝てしまいました。楓林舎オーナーに、ドアをコンコンコン、晴れてますよ! といわれて起きたら0時を回っていました。それからドームに行って、薄明まで快晴でした。カメラのセッティングとピント合わせに時間がかかってしまい、思ったほど星を見られませんでしたが、春の系外銀河群をながめました。系外銀河は南会津の快晴の空で35cmでもイマイチです。45cmドブのほうがいいと思いました。
マイナス15度の天然冷却を覚悟していましたが、この日は寒くなくて−8度まででした。
薄明までドームにいて、朝日が昇るまで、楓林舎のダイニングで酒を飲みながら撮った写真を簡単に画像処理をしていました。窓の外に見える快晴の空と雪で真っ白な地面がしだいに明るくなってきて、朝日がさしてくる様は結構きれいでした。
前々日、オーナー2が楓林舎に行っていたのですが、曇りだったそうで申し訳ないようでした。

この日撮った、わずかばかりの写真を「アルバム」にアップしておきます。
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2月4日     おまわりさんに呼び止められた
古い歌ですが、ここを見に来る人は知っていると思います。

   黒いカバンをぶら下げて 歩いていたら
   おまわりさんに 呼び止められた
   おーいちょっと!と彼は 言うのです
   ・・・

泉谷が黒いカバンをぶら下げて歩いていたとき、職務質問されるのは仕方ないことなのかどうかは置いておきます。

先日、レクサスGSで片側2車線の道の左側車線を走っていました。その先で右に曲がるため、右車線に移りたかったのですが、なぜか右側車線は、びっしり10台ぐらいの車がつながっていて入れません。私の車の後ろにも車がきているので、減速して右側の車列の一番後ろに入るのは迷惑になります。そのため、加速して車列の先頭に出て右に移ろうとしました。前に出て行ったら、右側車線がなぜ車がつながっているかわかりました。先頭に白バイがいました。しかし、私は右に入らなければならないので、「制限速度は超えるが、通常はスピード違反で捕まらない速さ」にクルーズコントロールをセットして前に出て行きました。白バイと並んだところで、車載スピーカーで「制限速度、超えてますよ。減速しなさい。」と言われました。しかたなく、クルーズコントロールを切って、白バイと併走になりました。しかし、こっちはもうすぐ右に曲がらなければならないので、どうしようかと思ったのですが、一瞬フル加速して、白バイの前に出てウインカーを出し、右に車線変更してすぐブレーキを踏み、ぴったり制限速度に減速しました。そして交差点に近づき、右折車線に入りました。我ながら見事なコントロール! 信号が赤なので、右折車線で停止していたら、お巡りさんが白バイから降りてきて、コンコンと運転席のガラスをたたきます。こっちは、これ以外に方法がないだろう! また、状況からしてしかたないだろう! という自信があったので、窓を開けて「なにか?」と言ったら、「今のような急な車線変更は危険な運転だ!」という。その点を指摘されるとは思っていなかったので、「あの状況ではあれ以外に方法がないでしょう」と言ったら、「ウインカーを出してちょっと待てばいくらでもゆっくり車線変更できる」と言います。このお巡りさん、自分の後ろがどういう状況になっていたのか全然把握していない。車がびっしりつながっていて、車1台入る隙間などないし、そんなゆっくり車線変更していたら交差点を過ぎてしまいます。そのことを説明してあげようと思ったら、信号が青になった。そのお巡りさんは、直進車線の真ん中に白バイを止めていた。「気をつけろよ!」と吐き捨てて、走って白バイに戻りました。もう少し時間があったら、「あんたがまじめに仕事をすると、まわりの人がどれほど迷惑を被るのかわかっているのか!」という話をしてあげたかったのですが、逃げられてしまいました。私はおまわりさんに説教するのが得意です。

以前も、高速道路で覆面パトカーがのろのろ走っていました。私はわかっていたので、後についていきました。後続車が、覆面パトカーのまわりの車群を追い越そうとして、追い越し車線に出たところで覆面パトカーだと気づき、慌てて元の車線に戻るということを何台もの車が繰り返していました。私の車の前には、割り込める車間距離などないのに、何台も割り込まれました。一般ドライバーには緊急事態なのはわかるので、割り込むのは仕方ないにしても、割り込んだあと急ブレーキを踏みます。そういうことを繰りかえされるととても危険なため、前に出ることにしました。そのときも、普通なら捕まらない速度にクルーズコントロールをセットして(というか、国産車のクルーズコントロールは、その速度がセットできる上限になっている。トヨタはメーター上で116km/h)、追い越し車線に出ました。おまわりさんからすれば、みんな覆面パトカーを追い越さないで、後ろでわだかまっていたのに、平然と追い越すやつが来たので気に入らなかったのでしょう。もしくは、カモが来た!と思われたのか・・・。 追い越したところで、覆面パトカーが赤色回灯を出して追いかけてきました。私の前に出て「アトニツヅケ」という表示を出しました。そのままサービスエリアまで連れて行かれて、説教されました。一応全部お話を聞いてから、おまわりさんがまじめに仕事をすると、高速道路がどれほど危険な状態になるのか、ということを説明してあげました。こちらは親切に説明してあげているのに、「せっかく違反切符を切らないでおいてやってるのに、そんな偉そうなことを言うと切符切るぞ!」と威張ります。交通機動隊のおまわりさんというのは、その程度の知能レベルなのか・・・と空しくなりました。
そのときは最後に、「私も昔、あんたらの同業者だったけど、自分がまじめに仕事をすればするほど世の中が悪くなることに気づいて仕事を辞めたんだ! あんたはそうは思わないのか!」と言ってわかれました。

私は昔、おまわりさんだったわけではありません。でも、交通機動隊と同じように世の中を悪くする地方公務員でした。辞めて10年ちょっと。現在、私が思った通りに日本の世の中が悪くなりました。
久しぶりに元の同僚が私の家に来たので、こういう話を書こうと思いました。
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2月1日     次に買う車は・・・
レクサス宇都宮北店と三菱自動車小山店から試乗のお誘いが来ていました。IS−FとランエボSSTです。このふたつには多少興味はありますが、現状では全く買う気がないのでまだ行ってません。この2車種の試乗車は貴重なので、ひとつの販売店に長いこと置かれることはありません。ある期間置いたら、他の販売店に回されます。2月になったこの時点で、他の店に移ったのではないかと思います。あっ、スバルからも試乗のお誘いが来てました。インプSTiです。これはさらに興味がないので無視でした。

IS−Fですが、開発担当者や販売店の社員で富士スピードウエイに試乗に行ってきた人たちは、口をそろえて「楽しい車だ!」といいます。それはそうでしょう。対向車が絶対に来ないし、道幅が広くて路面のグリップが良くてコースアウトしても問題ない富士スピードウエイですから、そういうところでドライブしたらこれほど楽しい車はないでしょう。でも、それを買う我々が運転する道路は、対向車がひっきりなしに来るし、道幅は狭いし、乾いていても路面のグリップは悪いし、雨が降ったらツルツルだし、コースアウトしたら一巻の終わりだし・・・
レクサスの人にも言ったのですが、これが4WDだったらあと100万円高くても買うけど、FRじゃ、あと100万円安くても買わない! 現在のIS−Fは、一般道では宝の持ち腐れです。

ランエボSSTは悪くないです。以前どこかで書きましたが、これにクルーズコントロールが付いたら買います。しかしながら、今のランエボは買わないと思って細かいところを見ると問題が多々あります。エンジンがまっさらに新型なので、これから熟成されるていく未熟者です。昔は「GDI」を誇示していた三菱自動車なのに、今はありません。次期ランエボからGDIを復活させたら、スバルSTiを超えるエンジンになるはずです。・・・と思うのですが、GDI化はできないようです。ランエボは市販車であると同時に、ラリー競技用のベース車両でもあります。GDIにしてしまうと、エンジンチューニングの許容範囲が極端に狭くなってしまいます。ラリーに参戦しているプライベートチームは、それは許せないようです。ランエボとインプSTiは、そういう人たちによって支えられている車ですから、GDI化はできないわけです。だったら、GSRをGDIにしてRSを筒外噴射にすれば・・・と思うのですが、それもダメなようです。RSは販売数が少ないので、ホモロゲが取れないようです。ターボエンジンは、我々が買ったガソリンを使ってエンジンを冷やすという、とんでもないことをやっていますが、GDIならガソリン冷却の効率が良くなるので燃費もアップしていいことずくめなのですが・・・。
ランエボの次の大きな問題点は、SSTの制御プログラムの未熟さです。オートマチックモードの時、ステアリングに付いているシフトパッドを動かすと、即座にマニュアルモードになるのはいいですが、その瞬間、オートシフトアップが無効になってしまいます。これはほとんどバグですね。フロントのデザインもイマイチ。デトロイトモーターショーに出した、日本名ギャラン・フォルティスVR−4もしくはラリーアートエディションとなるであろう新車種のフロントマスクが一番しっくり来ます。ランエボ11がこの顔になってくれることを希望します。リアスポイラーもこっちの方がいいですね。

私のレクサスGSはあと1年でリースが終わります。1年後にどの車にするかを思案中ですが、今のところ該当なしです。一番可能性が高いのはランエボ11。私が期待する車に仕上がってくれることを祈ります。そうならなかったときは、ギャラン・フォルティスVR−4で妥協します。
あとは、可能性はほとんどないですが、レクサスGSの450hか460のどちらかを4WD仕様にしてくれることです。この2車種はどこが違うのかよくわかりません。こんな同じ車を2つ用意するようなことはしないで、どちらかを4WD専用車としてくれれば違いがわかります。4WDにするなら当然450hの方でしょう。LS600hとの共通性ができます。しかし、ランエボの高度な電子制御4WDシステムに較べて、LS600hのトルセンデフに頼った機械式4WDというのはいかにも見劣りします。一般公道では、あまり違いがわからないのかもしれませんが、購買意欲をかき立てられるかどうかという観点からはトヨタの負けです。レクサスレディーのYさんがいなくなってしまったこともあり、次の車をレクサスから買うことはないでしょう。
レクサスGSではなく、基本的に同じ車である新型クラウンのハイブリッドを4WDにしてくれたらそっちでもいい。近所のトヨタ店には、まじめにいい仕事をしてくれる看板娘のIさんがいます。看板娘というのは、文字通り、お店の看板ですから超優秀な女の子を置くべきで、見た目がいいだけではダメ。男性の営業マンやサービス担当と同等の知識があって、それをわかりやすく説明できる能力が必要です。そういう女性社員がいれば、繁盛するディーラーになれます。でも、そんな女の子は滅多にいませんけどね。自動車ディーラーは、初任給を2倍にしてでも理科系大学卒の女の子で、菊川怜タイプだとちょっと・・・なので、眞鍋かをりか安めぐみタイプの女の子を捜すべきでしょう。
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1月28日     惑星全部見よう☆
昨年、「惑星」の定義が改められたことを受けて、昨年6月から今年の5月までの1年間、「惑星全部見よう☆」キャンペーンをやっています。マニアックな天文ファンにはあまり興味のないことだし、今となっては古い話題で、「そんなのまだやってたの?」という感じでしょうか。
私は1月26日付でゴールド認定証をもらいました。そのシリアルナンバーが「g00399」でした。「g」はゴールドのgですよね。ということは、惑星8個を全部見たと申告した人は、私が399人目? 「えっ、それしかいないの!」と思いました。残りの期間は1/3しかないのに。数の少なさにガッカリだったので、今回の話題にしました。

これは、惑星の定義改正で話題になったのを機会に、一般大衆に天体に興味を持ってもらうという趣旨でしょうが、天体望遠鏡の販促キャンペーンでもあります。主催者・協賛社それぞれ思惑はありますが、せっかく天文業界の人たちががんばって企画したことなので、残りの期間でもっと協力してあげましょう。
右のロゴマークが、雑誌や望遠鏡メーカーのWebサイトなどあちこちにあります。URLがそこに書いてあったり、Webサイトならリンクがあったりします。ここにあるロゴをクリックしても主催者サイトに飛びます。
そちらに登録した後、見た惑星とその日時を申告します。一般の人には、水星、天王星、海王星が難しいですが、自動導入の天体望遠鏡があればあっという間にできてしまうことです。
昨年6月にスタートした当初は、私もあまり興味はなかったのですが、認定証の発行数を増やすことに協力してあげようとは思いました。認定証というのは、一般人には難しい3つを除いた5個(そのうちの1個は地球)を見ると「ブロンズ認定証」、水星を追加できたら「シルバー認定証」、全部見たら「ゴールド認定証」がもらえます。当時、水星と土星を除いた6惑星を見ました。ドーム内のパソコンから、その場で見たことを申告しました。そこまでは良かったのですが、その後、すっかり忘れ去ってしまいました。

26日、西の低空にある水星を双眼鏡で見つけたとき、「惑星全部見よう☆」キャンペーンを思い出しました。水星の申告をしたら、土星も未申告だったことがわかり、こちらも申告しました(前回、土星を見た正確な日時がわかったので)。間もなく、事務局からメールの添付ファイルの形でpdfの認定証が送られてきました。結構デザインが良くて質感もあるので、額に入れて飾っておけば、一般人が見ればすごいものに見えます。まだ、あと4ヶ月あるので、シリアルナンバーを増やしてあげましょう。

一般対象の観望会をやっている人たちは、そのとき空にある惑星を全部見せてあげて、「残りも全部見るとこれがもらえるよ」と認定証を見せてあげると効果的かもしれません。一般の人が水星、天王星、海王星を見るには、指導者がいないとほとんど不可能ですから、機会があったら見せてあげてください。・・・という話題はちょっと時期遅れで、海王星がまずい位置にいってしまったし、水星も今すぐでないと難しくなってしまいました。
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1月27日     何もすることがない・・・
このところ仕事がヒマで、星を見る時間を作ろうと思えば十分できるのですが、月が大きいこともあってあまり星を見ていません。
ななつがたけ北天文台は、寒波の中、雪に埋もれています。下にある1月15日の写真は、寒波が来る前の雪の少ないときです。今は足が全部雪に埋まっていることでしょう。南会津の天気予報は毎日雪か曇りばかりなので、最近全然行っていないので、今どんな様子なのか見ていません。ドームを何もせずに雪の中に放置しておいたら、今頃、雪の重みでスリットあたりが壊れていることでしょう。でも、ドーム内にヒーターを置いてあり、毎日タイマーでON・OFFして、内側から暖めて着雪を落としています。これが効果絶大で、スリットのてっぺん以外はきれいに雪が落ちます。てっぺんもある程度の量の雪が積もると、バランスが崩れて自然に落ちます。観測室の四隅に積もった雪は
、「楓林舎」オーナーが毎日ドームを回転させて、スリットの出っ張りで掻き落としてくれています。これはドームから離れたところから遠隔で操作できます。
これらによって、大雪が降る中、天文台を放置しておいても問題ないわけです。ただ、今度行ったとき、どうやってドーム内に入るかが問題です。ドームまでの道を造って、観測室の下にもぐり込む穴を掘らないと入れません。

天文台のあるところは全然晴れませんが、栃木の自宅はほぼ毎日快晴です。この時期の快晴の夜は、月さえなければ、天頂近くだけは冬の銀河も見えます。今は月が大きいので、寂しいくらいのわずかばかりの星しか見えません。今自宅にミヤウチの10cmフローライトアポ45度対空双眼鏡を持ってきています。日没後の薄明終了後、月が出る前、これを屋上に出して星を見ています。しかし、寒いです。普段着の上にちょっとしたオーバーをはおって外に出るわけですが、外にいられるのは20分ぐらいが限界です。限界になったら、急いで部屋に入ってストーブの前で暖まり、しばらくしてからまた外に出るという繰り返しですが、目が暗順応する頃には、また寒くなって部屋に戻りたくなります。この寒さに耐えられるだけの防寒具は全部天文台に行ってます...

この時期の天文台は、夜間のドーム内の温度は−15度ぐらいになっているでしょう。デジタル一眼がよく冷えてくれて、ノイズの少ない写真が撮れるはずです。でも、晴れないことには何もできません。
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1月24日     世界経済はどこへ行く?
ななつがたけ北天文台は毎日暗い雪の中です。何もやることがありません。
世界経済も暗い闇の中へ落ちてしまったのでしょうか。「世界恐慌、その2」に向かいつつあるのか・・・。22・23日はそんな勢いでした。

世界の株価やファンドなどが大変なことになっています。アメリカの住宅バブルがはじけたのをきっかけに、世界中の株価が大幅に下がりました。バブル気味の国で、かつての日本と同じことが起ころうとしています。オーストラリアが怪しそうだし、中国とインドは? 中国はもう少し持つかもしれませんが、いずれ環境悪化が問題になって、その対策をとらざるを得なくなり、企業業績は落ちるでしょう。落ちるという予測が出た時点で中国バブルも崩壊へ・・・。経済好調な東南アジア諸国も中国・インドに連動でしょう。

今のところ絶好調なのはオイルマネーですが、これがどこに向かうのか・・・。日本へというプライオリティーはかなり(最も?)下でしょうね。日本は世界で最も株価が下がっている国。・・・ということは、世界で最も経済的な魅力のない国。そんな国にだれがした! もちろん、自民党と地方の首長・議員です。選挙の票稼ぎのために、利用価値の低い箱物と道路に金を使いまくって、そういうことをしなくても自立できる経済構造をつくること(これを構造改革といっている)を怠った。闇に落ちていこうとしている世界経済を立て直すために、日本としてできる対応策は、ガソリンの暫定税率廃止が最も簡単で最も効果的、というかこれ以外には何もないのに、自民党と地方の首長・議員は反対の大合唱をしています。その上、中小企業を人質にとって、暫定税率を継続しようとしています。今後の選挙では、そんな奴らには絶対投票しない!

ところで、日本(と韓国)の株価が世界で最も下がっているのは、ハンドボールの報復ではないのでしょうね。
最近の外国人による日本株の売り方は、そんなことを連想させるほどひどいものです。株価や会社の業績などなんの関係もなく(?)、売るとなったら一方的に売ってきます。日本の株式市場の主役は外国人なので、日本人側が彼らに合わせなければいけないのが現実です。しっかり合わせていっしょに売る日本人も多いから、下げ幅が拡大するのでしょうか。

楽観的な希望としては、日本には世界をリードする企業が多数あり、業績は決して悪くありません(世界に誇る「高橋製作所」もその一つです)。それなのに日本株が一番安いということは、いつの時点でか、日本が一番お買い得だという認識が出てくることが期待できます。その場合、日本株が最初に上がり始めて、最も上昇率が高くなる・・・かも。

私の老後資金のひとつである株価連動型の個人年金保険の残高が、すごい勢いで急降下しています。市場で運用されている国民年金も大幅な含み損を出しているはずです。老後はどうなるの? 世界の株価下落は他人事ではありません。

今回の株価急落が短期的な現象として終わってくれることを祈りますが、そうであった場合、このとき世界経済の主役が、アメリカをはじめとする先進国からBRICsと産油国に代わったという、株価チャート上で下に出っ張ったランドマークになるのでしょう。
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1月20日     レクサスを辞めるわけは・・・?
下の16日と同じ日のことなのですが、別項目にしました。
私が行くレクサスのお店で、大好きだったレクサスレディーのYさんが12月末で会社を辞めていました。好きだったのは、見た目がかわいいとかいう理由ではなく、とてもまじめにいい仕事をしてくれるところが気に入っていました。寿退社なら大いに喜びますが、転職だそうです。レクサスの受付に立っている女の子なら、シャネルやルイビトンのお店には負けますが、それなりのステイタスのある仕事です。なぜ・・・ と思いましたが、理由は聞けませんでした。

この日、オーナーズラウンジには私以外に二組の客がいました。それぞれに営業担当者がついて話をしていました。私は一人で雑誌を読みながら時間をつぶしていましたが、他の客の会話の内容が耳に入ってきます。二組とも自動車については何の知識もないようです。しかし、お金だけはある人たちのようです。田舎のレクサスの客によくいる、ゴム長にジャージを着たおっさんタイプの人です。車のことなど何も知らないのに、「一番高い車、持って来い!」という感じです。その人たちは、運転中、手で操作するのはハンドルとシフトレバー、ウインカーだけで、スイッチ類には一切触れたことがないようです。営業担当者は、車の機能と操作法の説明に四苦八苦していました。私は「田舎のレクサスの営業担当は大変だな・・・」と思いました。相当な研修と礼儀作法を習得してレクサス店に来たのに、それらが何の役にも立たない客を相手にしなければならない・・・

そこでふと思ったのは、あのYさんはそれを苦に辞めたのだとしたら・・・。無理難題を言ってくる客もいたでしょう。辞めた理由はわかりませんが、田舎のレクサスというのはそういう職場なのかもしれません。
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1月16日     車のタイヤにこぶができた
先日、レクサスにGSの12ヶ月点検に行ってきました。オーナーズラウンジで待っていると、サービス担当が来て、「タイヤにこぶができてます!」と言われました。サービスの人も私が車に詳しいのを知っているからそれだけしか言わなかったのですが、私も状況をすぐ理解し、「それはまずい! いままでよく生きていられたな」と思いました。最近、GSで高速を走っていました。

以前、レガシーのタイヤにこぶを作ったことがあります。道路工事中のところで、カラーコーンを固定していたコンクリートブロックが道路側に少し出っ張っていました。それに気づかず、普通のスピードでぎりぎりのところを通過しようとしたら、「ガツン」と乗り上げてしまいました。車がジャンプしました。「タイヤがパンクしたかな?」と思ったのですが、パンクはしていません。ちょっと行ったところで止まって見たら、タイヤ側面に直径5cm以上の大きなふくらみができていました。その場でスペアタイヤに交換しました。

タイヤのゴムの内部には、スチールベルト(金網ですね)や強力な繊維が入っていてそれで補強されています。こういう衝撃を加えるとそれらが切れて、そこがゴムだけなり(ゴムも弱くなり)、内部の空気圧でこぶのようにふくらみます。その部分はいつ破裂してもおかしくない状態です。ゆっくり走っているときに破裂した場合は、一気に空気が抜けてタイヤがぺちゃんこになり、ホイールだけで走っている状態になります。ガタガタガタ・・・となって、多少ハンドルを取られますが、すぐ気づいてたいていは止まれます。しかし、高速道路を走行中に破裂したら・・・。一瞬にしてタイヤ全体が吹き飛びます。100km/hで走っているとき、突然タイヤが1本なくなるわけですから、その後どうなるかは想像がつくでしょう。知識と冷静さと運転技術で結果は変わりますが、急ブレーキをかけたら終わりです...

レクサスでは、タイヤメーカーに連絡して同じタイヤの在庫があるかどうか聞いてくれましたが、いま付けているのはあまり使われないサイズのため、メーカーの工場から持ってこなければならないそうで、2・3日かかるということです。「今すぐ代車は用意できないし・・・」ということだったのですが、現物を見たら、レガシーの時よりふくらみは小さいし、これまで気づかずに乗っていて大丈夫だったから...という安易な理由で、「そのまま乗って帰る」と言いました。「それはおすすめできません」と言われましたが、「他に方法はあるの?」と聞いたらないようなので、そのままタイヤショップに直行することにしました。私が車に詳しいからレクサスもそれを許してくれたのでしょうが、普通は×です。

以前この日記に登場したタイヤショップに行きましたが、そちらでもあちこち在庫を探してくれましたが、やはりありません。すぐ取り寄せてもらうようにお願いしました。「どうやって帰りますか?」と聞かれたので、「これに乗って帰る」と言ったら、「それはちょっと・・・」と言うので、また「他に方法はあるの?」と聞いたらないようです。さきほど、「安易な理由」と書きましたが、私としても命がかかっていますから、実際はきちんと状況判断して、そっと走れば大丈夫という結論からそうしています。その後は自己責任です。

タイヤ側面にできたこぶというのは、それほど危険なものです。縁石にぶつかったり、舗装が壊れてできた穴に落ちたりしたりして「ガツン」と衝撃を受けたときは、すぐに車を止めてタイヤを見てください。少しでも側面がふくらんでいたら(見えない内側がふくらんでいることもある)、その場でタイヤ交換してください。もしくは、JAFを呼びましょう。
スペアタイヤというのは、自動車の中で場所を取り、邪魔者です。最近、パンク修理材を積んでいて、スペアタイヤのない車も出てきています。エスティマの4WDとハイブリッドはそれです。タイヤのこぶにはパンク修理材は何の役にも立ちません。
なお、私のレクサスGSはなぜこぶができたのか全く思い当たるふしがありません。記憶に残らないような軽い衝撃でも、こぶができることがあるようです。皆さんもご注意ください。
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1月15日     今年は雪が少ない
成人の日がらみの3連休に楓林舎に行ってきました。天文台に行ったのではなく、楓林舎に、です。
この時期、この地が晴れることはほとんどありません。連休を利用して、豪雪地帯に星を見に行くという計画は、素人でも考えないでしょう。今回は、私はおいしいものをたらふく食って骨休めに、家族はスキーをしに行きました。昨年末にもスキーに来たのですが、そのときは雪不足でゲレンデの一部の地面が見えていました。雪もびしゃびしゃで、とてもスキーをする気になれないということで、そのときは滑りませんでした。
そういうわけで、今シーズン初めてのスキーになりました。今回は、「だいくらスキー場」らしい、さらさらのパウダースノーが積もっており、楽しくスキーができたようです。
ここの雪では、雪合戦ができません。雪玉を作っても、投げると粉になってしまいます。肉眼でも雪の結晶がわかります。

しかしながら、ドームの周りは上の写真(左)の通りで、この時期にしては雪の量がかなり少ないです。例年なら、コンクリートの柱が見えなくなっていてもいいはずです。この3連休は寒波のまっただ中で、1日に1mの積雪があってもおかしくない状況でしたが、1日20cm程度でした。どうせ晴れないのなら、雪がドカンと降ってくれた方が雪国らしくていいのに・・・。
でも、それは観光客の感覚です。この地に住んでいる人たちには、雪というのは大変な重労働の対象です。屋根の雪下ろしや、家の周りに積もった雪かきは毎日の日課となり、大変な作業です。農家なら一家に1台、耕耘機を持っているのと同じように、雪国では一家に1台除雪機を持っています。トラクターのように上に乗っているだけで楽々動いてくれるような高級除雪機ならいいのですが、一般庶民の家庭にある除雪機は、エンジン付きではありますが人力に頼る部分があって、かなりの重労働のようです。ペンションオーナーも筋肉痛になりながら、除雪に取り組んでいました。でも、今年はその回数が少ないようです。

今回は2泊3日、その間ずっと雪が降り続きました。もちろん、星は全く見えません。私はスキーには行かず、ペンションでごろごろしていました。のんびりできましたが、日常と違う生活パターンになると体がついて行けなくて、早寝しても夜中に目が覚めてしまい、明け方まで眠れない日々でした。休んだような、休めなかったような・・・
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1月9日     まだまだホームズ彗星
久しぶりに天文台に行って、7日の夜、ホームズ彗星を見ました。まだまだ健在でした。
この日はめずらしく南会津が晴れましたが、透明度がよくありません。冬の銀河が、見えると思ってみれば見えるし、気にしないと見えないという程度でした(自宅での快晴の日と同等)。その空でも、ホームズ彗星は肉眼で見えました。二重星団よりもやや大きくてやや暗い感じです。少し前は、中心核から出ている尾が松の葉のように細い2本に分かれていましたが、いまは太い1本にしか見えません。ε180ED直焦点で撮った写真が右の通りです。500mmとAPSサイズCCDではほぼ画面いっぱいですね。「天体写真」のページに10月28日からの連続写真もあります。
まだしばらくは楽しめそうです。


 写真データ  2008.1.7 22:57 露出5分 ε180ED(f=500mmF2.8)直焦点
          S3pro ISO800 気温−2度



この日、タットル彗星(写真 右下)が、うお座のひもの結び目のあたりにいて、見つけるのは簡単でした。双眼鏡で簡単に視野に入ります。こちらもずいぶん明るくなっていて、普通の彗星の基準でいくと、大きく明るい彗星になっています。ホームズ彗星はレアケースなので、較べてはいけません。残念ながら肉眼では尾は見えませんが、写真ではかすかに短い尾が見えています。

この夜は透明度が良くなかったので、眼視での観望も写真も早々に切り上げ、いくつかの機材のテストをしました。
SX M8c+MaxImDL/CCDで写真を撮りました。ピント合わせの要領もわかったし、とりあえず星が写りました。
ミヤウチの10cmフローライトアポ45度対空双眼鏡にLE30mm改アイピースを付けて、彗星を2つ見てみました。見かけ視界は狭いですが、明るいし、アイピースの中央の良いところしか使わないわけで、星像もきれいでした。

夜半過ぎには曇ってきて、そのうち雪も降り始めました。数時間の晴れ間でした。


 写真データ   タットル彗星 2008.1.7 19:15 露出3分 
    ε180ED(f=500mm F2.8) 直焦点 S3pro ISO800 気温−2度
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1月2日     双眼鏡用アイピース
天文台にミヤウチの10cmフローライトアポ45度対空双眼鏡があります。ドーム外でお手軽に星を見るのにちょうど良い機材です。専用サイズですが、アイピースが交換できます。20倍と37倍ワイドがあります。拡散したホームズ彗星を見ていてたら、もう少し低倍率でもう少し広視野のアイピースがあったらいいなと思いました。ミヤウチ製品では、20倍が最低でこれ以下はありません。20倍は25mmぐらいのプローセルのようです。30mmぐらいの望遠鏡用アイピースを付けられば、有効最低倍率近くになります。しかし、アイピース取付部は内径34mmで、天体望遠鏡用は付きません。31.7mmバレルに紙やテープを巻いて付けてみても焦点位置が違うため、ピントが合いません。双眼鏡付属のアイピースの構造を見ると、先端に視野絞りがあります。望遠鏡用アイピースを使いたければ、視野絞りの位置で切断しないといけないようです。
また、双眼鏡側の最終プリズムから、視野絞りのような穴を通って光が出てきます。この直径が小さく、付属の20倍アイピースの視野絞りより小さいくらいでした。・・・なるほど、20倍以下の倍率にはできないんだ・・・ というよりも、倍率は下げられても視野は広がらないんだと納得しました。

ここで双眼鏡の低倍率化をあきらめればいいものを、さらに考えました。ホームズ彗星のような淡く広がった天体を見る場合は、見かけ視界が狭くても倍率が低い方が明るく見えて良いかのな? いや、ノウハウ集に書きましたが、日本の空では、有効最低倍率というのはほとんど死語です。瞳径7mmにしたら、バックグラウンドの光害の光を増幅してしまい、かえって視野が明るくなって、淡い星雲状の天体は見えなくなります。双眼鏡の低倍率化は意味がないわけですが、まれにある南会津の10/10の透明度の空なら使えるかな? と思ったら、試しにやってみたくなりました。

使えるアイピースを探しました。もちろん、このためだけに、さらに「試しに」というだけでアイピースを買うわけにはいきません。本来の使用目的は、双眼装置用の低倍率用アイピースとして購入します。ちょっと加工してミヤウチの双眼鏡にも付けられるものという基準です。タカハシのLE30mmが候補になりました。趣味人の宮崎さんにお願いして、これの各部のサイズや視野絞りの位置などを調べてもらいました。結果、問題なし。趣味人から2本購入しました。

LE30のアイレンズ側を旋盤にくわえて、外形39mmだったものを34mmに削りました。削ったところの残りの肉厚約1mm。アルミで1mmあれば十分な強度です。チャックにくわえるとき、レンズが割れるのではないかという心配もありましたが、注意深くやったのと、元々過剰な厚み(強度)があったので大丈夫でした。削ったらずいぶん軽くなりました。もちろん、メーカーの保証など捨てています。

   写真:Bj100に取り付けた状態。右にあるのは付属の20倍アイピース

双眼鏡に取り付けて覗いてみたら、やはり見かけ視界が狭いです。小さな節穴から覗いているような感じです。でも、結構よく見えます。付属の20倍よりも明るいし、実視界は20倍の時2.5度ですが、2.7度程度になり少し広くなっています。これなら実用に使えそう。ピント位置もぴったりです。

なお、正月にこういう作業をしていたわけではなく、工作は12月中に終わっていました。

写真左下:加工前のLE30と加工後 

写真右下:加工後、31.7mmバレルを外したところ。視野絞りの位置は先端の3mmほど内側になる。外側を3mm余分に削ってやればいい。




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1月1日

昨年、このサイトを訪問していただいた皆様、ありがとうございました。今年もよろしくお願いします。

ななつがたけ北天文台は、昨年、機材の改良や拡充を重ねて、やっとまともに使えるようになりました。これから使いたおしていきたいところですが、この地、南会津は冬は毎日雪でほとんど晴れません。今年の正月は、大雪になっています。せっかくの天文台も雪に埋もれています。
この冬、そんな中、わずかの晴れ間をねらって天文台に行きたいと思います。今年は本格的に35cm鏡で星雲星団を観望し、TOA130で写真を撮り、それらの写真入り観望記をつくりたいと思います。大口径望遠鏡を持っている方々の観望ガイド的なものができたらいいなと思います。

このサイトの天体写真コーナー「アルバム」のページは、今後も「美しい天体写真」が入る予定はありません。短時間露出、コンポジットなしのワンショットカラーCCD画像だけしかのらないと思います。美しい作品は、その道の第一人者の皆様方のWebサイトを見てもらえば良いだけなので、ここでは、肉眼で見たイメージ+α程度の写真を掲載します。そういう写真と見え方の解説をセットで掲載できるようにしてみたいと思います。
これは意気込みだけで、実際に望遠鏡を覗いたときは、「きれいだなー」とか、「これはイマイチ」とか思うだけで自己満足して、それを多くの人に伝えようというところまではいかないかもしれません。自己満足が一巡してからでしょうか。

今日から「レポート」という項目を追加しました。中味は天体観測に関係する幅広い機材の使用レポートです。とりあえずは、これまでに「観測日記」などに書いたことの寄せ集めがほとんどです。これについては、今後、皆様方にご協力いただいて、いろいろな機材のレポートを紹介したいと思います。自分で使っている機材の使用レポートを投稿していただけるとありがたいです。Eメールで送ってください。
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12月28日   24インチモニタ
これまで、DELLの24インチモニタをメインに使っていました。1920x1200ドットで、フルスペックハイビジョン+アルファの解像度です。以前の観測日記のどこかに、画面の広さと便利さについて書きました。しかし、このスペックのモニタとしては初期のものなので、アナログ、デジタルのRGBとビデオ入力だけで、HDMI入力がありません。ほぼ純粋なパソコン用モニタです。別にテレビが見られなくても何の問題もなかったのですが、デジタル出力のパソコンをもう1台つなぎたいのと、ハイビジョン対応のDVD/HDD/Videoデッキのモニタに使いたいときがあります。

そこで、DELLのモニタは知り合いに売り払って、同じ大きさの三菱のVISEO MDT242WGというアナログ・デジタルRGBの他にHDMIx2,Videox2入力のあるマルチメディア型のモニタにしました。
1台のパソコンをDVI-D24ピン端子につなぎ、もう1台のDVI出力のパソコンをDVI-D <--> HDMIケーブルでHDMI入力に入れました。両方とも映りました。やってみるまでは、HDMI側は、HDCPの関係で映らないのではないかという心配もありましたが、きちんと映りました。たまに、もう1個のHDMI端子にビデオデッキをつなぎます。結構マルチメディアな環境になりました。テレビ映像をきれいに見せるには、パソコン専用モニタよりも技術が必要です。テレビがきれいに映るモニタなら、パソコン画像もよりきれいに表示してくれることを期待しました。

ところが... 天体写真がきたないんです。ハーフトーンがうまく表現できていません。その上、見る角度によって明るさがかなり違います。さらに、DVI-D入力の方はまだマシなのですが、HDMI側はかなりきたなくなります。天体写真の画像処理はモニタが頼りなので、困ったことになりました。調整すれば多少良くなるのかもしれませんが、液晶の問題のような感じです。新しいもの・値段の高いものの方が良いという訳ではないようです。そういえば、コンピュータグラフィックで作品をつくる人たちは、モニタはブラウン管を使っている人が多数派のようです。液晶だとどうしても「何か違う」という感じが残ります。

モニタを換えて便利にはなりましたが、肝心な天体写真の表現力ではイマイチです。まだ、ソニーの22インチブラウン管モニタは捨てられないようです。これで見る天体写真が一番きれいです。
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12月27日   MaxImDL/CCD
「MaxImDL/CCD」を買いました。インストールして動くようになりましたが、ユーザー登録の方法が独特でした。田中光化学工業株式会社では、「ご購入者様に限りご来社いただければセットアップ無償サービスいたします。」としています。セットアップもできないような素人が買うソフトではないだろうと思っていましたが、ユーザー登録の部分は、自分でやると途中でわからなくなる人がいるかもしれません。途中で失敗すると面倒なことになるのかもしれませんし。ソフトは使えるけど、パソコン自体には詳しくない人や英語が全くわからない人は、確かに田中光化学工業までパソコンを持って行って、やってもらうのもいいかもしれません。ただしその際は、そのパソコンがインターネットに接続できて、Eメールが送受信できるようになってないと意味がありません。

私は英語がほとんどわからないのにこれを買ったのは、Starlight Xpressの冷却CCDを使うには、結局これがないとダメなようだし、SBIGのカメラもこっちの方がいいようだし、ステライメージより便利な機能もあるようだし・・・。「・・・ようだし・・・」というだけで買いましたが、これから英語と格闘することになるのでしょう。ひとつ前のバージョンの日本語ヘルプファイルはあるので(これがなかったら買いませんでした)、CCDの部分についてはほとんど同じようなので、何とかなるでしょう。でも、ちゃんと使いこなせるのかどうかわかりません。私の予想では、これが使いこなせるようになる前に、ステライメージの新バージョンが出て、MaxImDL/CCDとほぼ同じことができるようになると思っています。(アストロアーツさん、そうなるようにがんばってください)
「それなのになんで買うんだ」と言われれば、今必要だからです。しばらく待てば、もっといいものが出ることが予想できても、今必要なものは今買って、それを使うことが大切です。もっといいものが出ても、それまでに「元を取った」と思えるだけ使えばいいわけです。これは望遠鏡でもカメラでも同じことです。購入金額的にちょっと無理しても、早く買って長い時間使った方が、「満足感」をお金に換算したら元は取れるものだと思います。「あれを買おうか、どうしようか」と迷っている人は、それを十分使う機会があるのなら買ってしまった方がいいと思います。もちろん、使う機会が少ないなら買わない方がいいです。
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12月24日   S3pro+Hyper-Utility
天体写真を撮っている人は、デジタル一眼と専用の制御ソフトを使って、パソコンからカメラをコントロールしている場合も多いと思います。私は、富士のS3proと「Hyper-Utility」を使っています。こうすると、パソコンからカメラ側のすべての設定ができます。撮影された画像データはハードディスクに保存されるし、撮影した画像がすぐにパソコン画面で見られて便利です。
便利ではありますが、この「Hyper-Utility」というソフトの最大の問題点は、バルブの露出時間が設定できないことです。カメラ側に設定のあるシャッタースピードだけしか使えません。最大30秒までです。それを超える長時間露出の場合は、露出開始時にマウスでパソコン画面上のシャッターボタンをクリックし、時計を見ながら予定の露出終了時間になったとき、もう一度クリックしなければなりません。「バルブの時の露出時間を入力できたらいいのに・・・」と思うわけですが、カメラ側にそういう機能がないのでソフト側にもありません。

そこで! 知り合いのSEにタイマーソフトを作ってもらいました。1日でできあがりました。右の画面です。たとえば、5分露出したい場合、「5」「分」をクリックします。そうすると、「300」と表示されます。その後、「Ready」をクリックします。このときは何も起こりません。その直後に「Hyper-Utility」のシャッターボタンをクリックしたとき、カウントダウンが始まります。そして「0」になったとき、「左クリックする」「クリック位置復元する」にチェックが付いていれば、シャッターボタンをクリックしてくれると同時に、「サウンド」で指定した音が鳴ります。このユーティリティーは、他メーカーのカメラコントロールソフトでも使えます。Bの時、始めと終わりにシャッターボタンを押すタイプのソフトならどれでも動くはずです。

これは便利です。デジタル一眼で露出するとき、時計を見る必要がなくなりました。露出終了近くになったとき、パソコンのそばに付いていて、マウスをクリックする準備をする必要もありません。
もし、これを見た方で、「それ、欲しい!」と思った方にはお分けします。メールしてください。
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12月22日   エスティマハイブリッドが帰ってきた
ケガのため入院中だったエスティマ・ハイブリッドが退院してきました。これにスタッドレスタイヤが付いているので、やっとこれで、いつでも天文台に行けるようになりました。
昨日はどうして行けたのかというと、妻の通勤用のレガシーと私のレクサスGSを交換しました。妻は「大きい車はいやだ」というし、レガシーはまだ夏タイヤだったので、スタッドレスタイヤへの交換作業をすることになるし、面倒なことばかりです。
今回の修理代は、テレビュー76鏡筒1本分ぐらいでした...  そのうえ、助手席側のドアパネルを交換したので、カーオーディオの全国的に有名な専門店でやってもらったドアのデッドニングが新車状態にリセットされました。 片側だけ...  トホホ...

ここしばらく車を壊したことのない人は、ぶつけたつもりになって、テレビュー76を買うというのはどうでしょう。
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12月21日   南会津が晴れた
天文台のある南会津は、基本的に冬は晴れません。東北地方日本海側の本格的な雪国ほどではありませんが、毎日のように雪です。たまに日が差したかなと思うと、またすぐ雪が舞い始めます。もちろん夜もそういうことで、星が見えると思ってドームを開けておくと雪が入ってきたりします。
まず、それ以前に、ドームを開けるまでが大変です。スリットに積もった雪を落とすことから始まります。内側から落とす方法は以前書きましたが、一部は長い棒にブラシを付けて、外側から掻き落とすこともできます。しかし、ドームの最上部は地上5mですから、そんな長い棒はないし(あっても重くて持てない)、ドームのてっぺんはどの方向からも届きません。天頂方向だけは、ドームの内側から落とさざるを得ません。

19日の夜、天気図と気象衛星の雲の写真を見ていて、「南会津が晴れるとすれば、明日しかない」と思いました。しかし、月齢が10だし、月の入りがAM2時なので、観測時間は限られます。この時期は5時までは暗いので、3時間あるのでいいことにしました。
夕方、天文台に着いて、まずは1時間ほどかけてドームの雪落としをし、ドームが開くようになりました。しかし、内側からの雪落としをすると、ドーム内にかなりの雪が落ちてしまいます。今回も結構落ちましたが、ドーム内は氷点下なので溶けることはありません。ちりとりで取って外に捨てます。床の大掃除状態です。しかし、完全には取りきれないので、靴下で床を歩くと冷たいし、足の熱で溶けて靴下が濡れます。スリッパ必須。


この日、宵の口は、月がきれいに見えていて快晴でした。月の入りまでは先が長いので、ゆっくり食事をして、ちょっとした部品の工作などをやっていました。
今回は、先日届いたAO−8を持ってきたので、そのテストもあります。また、上のホームズ彗星の連続写真がしばらく途切れているので、これを撮ることが最優先です。ドームに行こうかと外に出たら、曇ってきました。でも、これは想定内で、いったん曇るけど、月が沈む頃にはまた晴れてくると予想しています。星がほとんど見えなくなったので、のんびりドーム内でカメラやガイドシステムなどのセッティングをしました。
ドーム内の温度は−5度です。この程度の気温なら問題ありません。体は温かいと感じるくらいの服装なので、指先だけ何とかすれば大丈夫です。0時頃ちょっと晴れたので、ホームズ彗星撮影用のカメラのピントを合わせられました。続いて、AO−8とST2000XCMを合体させた、やたらでかくて重い一式をTOA130に付けました。ピントを合わせようとしたら、ST2000XCMが不調! 今回はあきらめることにしました。

予想通り、月が沈んだAM2時頃、快晴になりました。ただ、気象的には快晴ですが、透明度は最高の状態よりは少々落ちます。高度がかなり低くなりましたが、ホームズ彗星を撮りました。そのほか、メジャーな天体をいくつか観望すると同時にε180+S3proで写真撮影しました。4時過ぎまでドームにいて、本日の予定終了。貴重な晴れ間を堪能できました。ST2000XCMがちょっと心配...


天文台はこの日から「冬モード」に入りました。ドーム内に上を向けた電気ストーブを置いて、タイマーでAM11時頃スイッチを入れ、2時間ぐらい動かします。ドームに積もった雪を内から暖めて溶かして落とします。また、ドーム回転モーターのスイッチを離れたところからON・OFFできるようにし、観測室の四隅に雪が積もったら、ドームを2周ぐらい回してスリットで掻き落とします。


  写真データ  2007.12.21 2:37 露出5分 ε180ED(f=500mm) 直焦点 S3pro 気温−5度
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12月15日   自宅にも観測所・・・
14日の日記に、自宅にも観測所を作る可能性を書いたら、自分でもちょっとその気になってしまい、スライディングルーフを調べてみました。自宅だったら、ニッシンドームの「SRS2438」なんかいいなぁ・・・と思いました。お金ができたら作ろう!と一瞬考えたのですが、数時間後には「やはり無駄だ...」とあきらめることになりました。

この日の夜、自宅でふたご座流星群を見ました。前記の通り、天気的にはかなりの好条件でしたが、それでも5等星ちょっとまでしか見えません。そこに観測所を作って、望遠鏡を置いても、その能力が全然発揮できません。暗い星雲はバックグラウンドの光に埋もれて見えません。この空を見て、自宅観測所はあきらめました。実は、とっくの昔にそういう結論になっていたのに、以前、自分が考えたことって、結構忘れてしまうものですね。

岡野さんなどは、東京世田谷の空で、あれだけすばらしい天体作品をつくっているわけで、栃木なら空の状態は遥かにマシです。写真撮影、画像処理、作品製作を目的とするなら、それは自宅でも可能・・・というよりも、多くの人たちより恵まれていると言ってもいいのでしょう。
でも私の場合は、まずは望遠鏡を使って自分の目で見て、その上で見えた天体の写真を撮影して、「実際はこうなってるんだぁー」とか「この部分がこう見えていたんだぁー」とか「もっと大きい望遠鏡で見るとこのくらいに見えるのかもしれないなぁー」とか思いたいわけです。肉眼で見えないものを写真だけ撮影しても、「これを見たくてもどうせ見えないんでしょ」と思うと撮影する気になりません。また、あまりにもきれいに写っている写真は、肉眼の世界からかけ離れてしまって、「ここまで見えるはずがない」と思うと、自分できれいに撮影できてもあまりうれしくありません。肉眼で見えた天体に近い写真と肉眼を少し超える写真を撮りたいので、まず、目で見えないことには始まりません。
これだけだと、天文台で眼視して自宅で写真を撮れば・・・? と思われるでしょう。自分でも一瞬そう考えたのが間違いでした。

いつも天文台でやっているのは、ε180とTOA130にカメラを付けて、前者で広角画像を撮影し、同時に後者でクローズアップを写します。TOA+ST2000XCMの画像が、大きさ的に眼視に近くなります。露出中に、35cm主鏡ともう1本ぐらいの鏡筒で観望しています。5分から10分程度の露出&観望タイムが終わった時点で、モニタの電源を入れると撮影された画像が出ます。今、35cm鏡で見ていた天体の画像がモニタに出てくる瞬間というのは結構ワクワクします。S3proの画像は、ソフトがノイズリダクションしてくれたカラー画像になっているし、ST2000XCM画像は、その場で簡単にカラー化、画像処理します。これは1枚1分以内の作業で、あっという間に終わります。肉眼で十分観望した直後に撮影した画像ができて、先に書いた「実際はこうなってるんだぁー」とか・・・ ができるわけです。肉眼で見た天体の姿など、そんな長い時間覚えてはいません。直後にこれができるから楽しいし、記憶にも残るわけです。現場でそれをやっておくと、後からきちんと画像処理するときも肉眼で見た天体の映像が思い浮かびます。

ここでは、35cm主鏡にカメラを付けないところがみそです。天体写真をメインに考えている人は、こういうことはしないでしょうね。したくても空が明るくてできない場合は仕方ないですが、バックグラウンドが暗いところに大型望遠鏡がある人は、主鏡を目で見て、ガイド鏡で写真を撮るということを一度やってみてください。世界が変わるかもしれません。
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12月15日   ふたご座流星群
栃木では14日の夜、快晴でした。透明度もかなりいい方でした。
この夜は、自宅屋上でふたご座流星群を見ました。観測でも観望でもなく、見物状態でしたが。
PM11時前に屋上に出て空を見上げたら、すごい勢いで流星が飛んでいます。10秒間に10個ぐらい飛んだと思います。「なんだこれは! 今夜は流星雨か?!」と思いました。しかし、それは続かず、大きな豆まき現象に当たっただけでした。でも、初めにそういうのを見てしまうと、今夜はすごいかなと期待してしまいました。

透明度がいいと言いながらも、自宅では最微等級が5等か、もうちょっとという程度です。途中休みながら、AM3時過ぎまで見ていました。10秒間に5個程度の豆まきが何回かありましたが、順当な出現数でした。ZHRだと100ぐらいでしょう。ただ気になったのは、ふたご群の輻射点あたりから飛んでいるのですが、妙に速い流星がたくさんありました。ふたご群は比較的遅いはずですが、ペルセ群以上、しし群並に速かったように見えました。ひとつの流星群で速さ(対地速度)が違うことはあり得ないので、別の母彗星起源の流星群が重なっている? なんて考えてしまいましたが、実際はどうだったのでしょう。

後から言っても仕方ないのですが、ふたご群のように輻射点が天頂付近にある場合は、地平線近くを見ていた方が長くて明るい流星をたくさん見られます。ただし、空気の透明度がいい場合だけです。この理由は、地球と大気の層の図を描いてみれば明らかです。どの方向でもいいですが、地平線まで見える方向がある場合は、そちらを向いて視野の一番下が地平線に向くような姿勢をとるのがいいでしょう。

私の場合、自宅での流星見物はとてもお気楽なものです。屋上にカーペットを敷いて、電気ごたつを出して、リクライニング座椅子の背もたれを水平より1段だけ起こして、そこに横たわり布団をかぶっての観望です。こたつの上には、双眼鏡と缶ビールがあります。家族に星座や輻射点の説明をするためのレーザーポインターも一応置いてあります。
顔だけ冷たい北風に吹かれながら、布団に霜が降りますが、体はとても温かい状態です。かつてのしし座流星雨もこれで見ました。自宅屋上は、このために作ったようなものですから、この軟弱な状態をお許しいただきたいと思います。これから自宅や観測所を作る方は、これはほんとに「極楽」ですから、まねしてください。

ホームズ彗星は、栃木の空でもまだまだ肉眼で十分見えてます。
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12月14日   AO−8
12月14日といえば・・・ 赤穂浪士討ち入り? それとも、ふたご座流星群の極大?  私の場合は、昔、大学で物理学を学んでいた(はずな)ので、1900年12月14日、プランクの法則の発表です。このとき、プランク定数というものが出されて、この日から量子力学という学問が始まりました。そんなものがなかったら、私はもっと楽に大学を卒業できていたのに。 閑話休題。

国際光器から、SBIGのAO−8のデリバリが始まりました。私も製品が発表された時点で、AO−7やAO−Lに較べたら値段も安いし、長焦点鏡での撮影には必須のようなので予約しておきました。それが2日前に届きました。(右写真 中が白いのは内部の緩衝材をまだ取り外してないため)
もちろんまだ使っていないし、説明書をちょっと読んだだけですから、詳しいことはわかりません。AO−7より安いのは、内部の構造が全然違うのはさることながら、動作の速さも全然違うようです。AO−7はシンチレーションキャンセラーとしても使えたようですが、AO−8はとてもそこまでの速さでは動かないようです。風による鏡筒の揺れや赤道儀のピリオディックモーションを吸収するのが主な目的のようです。大きい周期の大気の揺れ補正できるという程度なのでしょう。

早くテストしてみたいのは山々ですが、天文台は雪の季節に入りました。毎日、曇、雨、雪で、星は見えないようです。まれに晴れても、ジェット気流の真下ですから好シーイングは期待できません。さらに、エスティマハイブリッドにスタッドレスタイヤが付いていたのですが、この車の脇腹をこすってしまい、現在入院中です...  これが帰ってこないと雪山には入れません...
去年も天文台近辺は同じ天気だったわけですが、晴れないことはあまり苦になりませんでした。冬、晴れないことは承知の上でここに天文台を作ったわけだし、観測機材も整っていませんでしたし、すぐに見たい天体があったわけでもなかったし。でも、今年は機材がほぼそろったうえ、ホームズ彗星はいるし、8P/タットル彗星が明るくなってきたし、大口径向きの星雲星団を観望して、写真も撮りたいし。
なかなかうまくいきませんね。
板垣さんが冬の悪天候をさけるために、栃木に観測所を作った気持ちもわかるようになりました。

だったら、自宅にも観測所を作ったら? ということになりますが、自宅でまともに星が見えるのは、強い冬型の気圧配置になったときだけですから、こちらの方が遙かに低い稼働率になってしまいます。でも、今後いつの日にか、またお金が入ったときの課題ということにします。いつかそんな日が来ることを願いながら、仕事の少ない毎日を過ごしています。
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12月6日   まだまだホームズ彗星
最近、冬型の気圧配置の日が多くなりました。本格的な冬です。そのため、関東地方は快晴の日が多くなりました。その分、北風が吹いて寒いしシーイングは悪いしで、夜、外に出るのがおっくうになります。でも、晴れれば毎日、短時間ですがホームズ彗星を見ています。アウトバースとした当初から見ている人には、拡散して暗くなってきましたが、現在が最大光度だとしても、十分に明るい肉眼でも見える巨大彗星です。もちろん小口径望遠鏡でも十分楽しめます。

私は自宅では、8cmF9の屈折望遠鏡に31mmアイピースを付けて、23倍ぐらいで見ています。実視界3度ほどになりますが、視野の1/3ぐらいの大きさです。クラゲのような外側のコマと細長く尾を引いた内側のコマがよく見えます。これがよく見えるのは、強い冬型気圧配置による透明度のたまものです。こういうときは、あまり山奥まで行かなくてもある程度の空の暗さが得られます。東京・埼玉あたりに住んでいる方は、私の家のあたりまで来てもらえば、短時間露出なら写真撮影も可能です。
場所的には、東北自動車道で北に向かい、栃木インターで降りて、出口を左(北)に出て、5〜10分ぐらい行ったあたりか、栃木インターのすぐ先に都賀ジャンクションがあるのでそこを入って、都賀インターチェンジで降りたあたりの周辺。そのあたりの農道に車を止めて、道ばたで見てもらえば結構よく見えます。道ばたではいやな場合は、都賀インターを右に出て5分ぐらいのところに「宇都宮西中核工業団地」というのがあります。小高い丘の上で、工業団地といっても周りには強い光を出す場所がありません。どこかの工場の駐車場にでも車を止めて見るといいかもしれません。栃木県南部である程度の星空が見えるのは、強い冬型で非常に透明度が良くて、非常に寒いときだけですからあまりお勧めしません。
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12月4日   ハイペリオン・アスフェリック 〜 その3 〜
やはりやってしまいました。31.7mmバレルを壊して作り替えました。それに至るまでには、いろいろ計算したりシミュレーションたりして、付属の31.7mmバレルは今後使うことがないと判断しました。31.7mmバレルのねじの部分だけを残して他を切り落としました。
一方、これまで使うことのなかったSBIGのST2000XCMに付属していた31.7mmスリーブ取り付け用バレルを少し加工しました。この2つを組み合わせると写真の通り、新しい31.7mmバレルができました。これにも、付属の31.7mmバレルにあった視野絞りよりも内径の小さい視野絞りを作りました。この場合、見かけ視界は52度程度になったと思われます。しかし、元々の見かけ視界55度、周辺減光ありのバレルよりも実質的に良くなりました。

SBIG ST2000XCM付属の31.7mmスリーブ取り付け用バレルと同じものを1個注文して、もう1個のHYPERION ASPHERIC31mmも同じバレルを作ることにしました。

バーダーと国際光器さんには、こういう労力とお金を使わないで済むようにしてもらいたいと思います。

追記

ハイペリオン・アスフェリックが値下げになりました。31mmの場合、39800円だったものが29800円だそうです。しかし、2本セットはなくなりました。すでに買った人に対しては、国際光器から、差額を返金するか次回の買い物のためにストックしておくかという問い合わせが来ました。
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12月3日   現在の望遠鏡全景
11月29日の記事のようにバランスウエイトシャフトと赤道儀のホームポジションを変更した結果、格納状態の望遠鏡は写真のようになっています。主鏡の向こう側にε180EDがちょっと見えていますが、これの下にタカハシFC50が付いています。現状では、ファインダーまで含めて、合計7本の鏡筒が付いています。
なんでそんなに鏡筒鈴なり状態にするのか!? と思う方もいることでしょう。以前どこかに理由を書いたと思いますが、改めてこうせざるを得ない理由を説明します。

35cmF4ニュートン焦点の主鏡鏡筒ですが、頭が重たいのです。赤緯軸への取付部分の前側、つまり接眼部側が重いため、この筒だけだと主鏡セルの後ろ側に10kg以上のカウンターウエイトを付けなければなりません。支点をもっと前に出せばいいのですが、この鏡筒と赤道儀は、リッチークレチアン焦点の鏡筒を原則に設計されています。メーカーの規格にないニュートン焦点の鏡筒をのせてもらった結果、支点はこれでも最大限まで前に出ています。鏡筒の後ろに無駄なおもりを付けるくらいなら、おもりとして鏡筒を付けてしまった方が無駄がなくなります。そういうわけで鏡筒を付けたのですが、屈折望遠鏡の重心というのは、見た目より前にあります。特にTOAなどはレンズが重いため、鏡筒のかなり前側に重心があります。これらの鏡筒をできる限り後ろに寄せて載せているのですが、予想外におもりとしての効果がありません。また、サブ望遠鏡の取付位置にはいろいろな制約があるため、カウンターウエイトを外してバランスが合うまで鏡筒を増やしていった結果がこれです。

これだけ鏡筒が付いていると、2本の鏡筒で写真撮影をして、1本をガイド鏡にしていても、撮影中に3本の鏡筒で眼視できます。贅沢な状態ですが、こうすることによってやっと無駄なカウンターウエイトを外すことができたわけです。・・・といいながら、実はまだ2kgのカウンターウエイトが付いていますが。
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11月30日   ハイペリオン・アスフェリック 〜 その2 〜
HYPERION ASPHERIC 31mmアイピースについてのレポート その2です。
以前、自宅でビクセンのED80S鏡筒で見たときのレポートを書きましたが、天文台に行ってTOA130とTEC140に付けて見てみました。しかし、今回はごく短時間の晴れ間しかなくて、十分な見比べができませんでした。ちょっと見のレポートなのでご了解ください。

HYPERION ASPHERIC 31mmが2本あるので、TOA130(f=1000mm)とTEC140(f=980mm)に付けました。中心にある星でピントを合わせると非常にシャープな点像になります。明るい星は、点のまわりにきれいなディフラクションリングが光っています。TEC140の方は、視野全体がほとんどすべて点像になっていました。シャープでクリアなコントラストの良い視界です。最外周にある明るい星は形が崩れますが、周辺でも星像の悪化はほとんど気になりませんでした。湾曲も少ない方です。TOA130の方は、中心の星でピントを合わせたつもりなのですが、自分の目の方が不安定で、望遠鏡側にはさわっていないのに、覗きなおすたびにピントが違います。もちろん、微妙な違いですが。ピントがきちんと合えば、TECと同様、シャープな星像になります。中心と周辺ではピントの位置が違います。TECで見てもED80Sで見ても同じなので、HYPERIONASPHERIC 31mmの焦点位置が湾曲していると思われます。ピントが平均的な位置にいけば、視野全体がほぼ点像になります。覗きなおすたびにピントが違うというのは、視野内の中心と周辺ではピント位置が違うために、目の方が視野内のどこにピントを合わせて良いのかわからずに、オートフォーカスが前ピン後ピンを繰り返して収束しないようなものなのでしょう。
TEC140で、視野全体の星がほとんどすべて点像になったのは、偶然そういう位置にピントがいったのか、それともレンズ同士の相性が良いのかは確かめていません。

バーダーの双眼装置をTEC140に付け、HYPERION ASPHERIC 31mm2個の双眼で見てみました。この場合、2インチバレルは使えないので、それを外して付属の31.7mmバレルに交換します。当然視野がけられて、72度の見掛け視野が55度になります。31.7mmバレルにも視野絞りがありますが、その先のバレルの内径の方が細いため、視野絞りの役目を果たしていません。縁がぼけます、というより、強い周辺減光です。視野絞りの直径をその先に合わせて小さくすればいいのに。見掛け視野55度というのは、どこを測っているのか疑問です。
これで星を見てみたら・・・ ピントが合いません! ドローチューブを一番奥まで入れても、まだ光路長が足りません。他の31.7mmバレルのアイピースならピントが合うのにこれだとダメです。付属の31.7mmバレルを見てもらえばわかるように、長い! ティーパーの付いた部分が無駄な長さです。これがなければピントも合うだろうし、視野のけられも少なくなるはずです。しかたないので、双眼装置に1.25倍のリレーレンズを付けました。これでピントが合いました。
中心の良いところしか使わないわけですから、視野全体の星がすべてシャープな点になります。見かけ視界が一応55度ありますから、狭くは感じないし、両目で見ると片目の時よりも視野外周の円が大きく見えますから、見かけ視界が広がったと錯覚します。そういうこともあって、2インチバレルの片目から、31.7mmバレルの双眼に替わっても視野が狭くなった感じがしませんでした。双眼にしてもこれはこれで、シャープでコントラストが良くて覗きやすい良い接眼レンズです。しかし、HYPERIONASPHERIC 31mmを双眼装置に使うのは、できるだけ低倍率にしたいからなのに、1.25倍のリレーレンズを付けなければならないのではありがたみがありません。TOAだとピントが合うかどうかは試していませんが、双眼装置を付けたときのドローチューブの余裕が同じくらいだったのでやはりダメかもしれません。VMC260やシュミカセならこういうことがありません。
31.7mmバレルは、もっと単純な構造の短いものに変えてもらいたいものです。このバレルを壊していいなら、短く作りかえる方法を考えましたが、2個で15000円ぐらい(国際光器)の部品が必要なので高くつきます。実は、2個で15000円のうち、1個は手元にあって使い道がありません。でも、1個だけでは意味がないし・・・ と思っていたら、同じものが笠井トレーディングで1個3200円でした。
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11月29日   赤道儀改良
28日の午後、天文台に行きました。今回の目的は、25E赤道儀のバランスウエイトシャフトの交換と、HYPERION ASPHERIC 31mmアイピースをTOA130とTEC140に付けて見え方チェックです。ついでに、大きく広がったホームズ彗星をこのアイピースで暗い空の下で見たいと思います。また、このTOPページにホームズ彗星の連続写真をのせてしまっているので、最新の写真を追加しないわけにはいかなくなっているため、写真も撮りたいと思います。

昼間のうちに25E赤道儀のバランスウエイトシャフトを交換しました。それに伴って、赤道儀のホームポジション(*注)を写真の位置に変更しました。これまでのホームポジションは、鏡筒が水平になって真南を向いた位置でしたが、これからはエルボを下側にして、鏡筒を天の北極方向にしました。この位置だとドイツ式赤道儀のように見えますね。
黒い鏡筒(C5鏡筒に巻き付けフードが付いている)が、なんでそんな位置にあるんだ!と思われるでしょうが、これまでもこの位置にありました。これまで違和感なかったものが、ホームポジションを変えたら不自然に見えるようになりました。赤道儀の赤緯軸は、この鏡筒がエルボにぶつかる向きには回転しません。

 *注 
観測終了後、赤道儀の極軸・赤緯軸を決まった位置に回転させて、その位置で電源を切ります。この位置をホームポジションといいます。25E赤道儀は、その位置をどこにでも自由に設定できます。ホームポジションに戻してから電源を切ると、次回起動したときアライメントなしで自動導入ができます。



この夜は快晴になるかと思われたのですが、季節はずれの台風や前線の雲が予想よりも上に上がってきて、南会津にかかりました。ちょうどこのあたりが曇りと快晴領域の境目になりました。実際、その境目が天文台からはっきり見えました。
18時台はその境界が北の空にありました。北極星より下です。境界線より北では、星がきらきらきれいに光っています。その南は完全に曇りです。19時半頃、境界線が下がってきて、天頂より北が快晴領域になりました。それまでにカメラや自動ガイドシステムはすべて準備完了しており、すかさずε180EDのピントを合わせてホームズ彗星の写真を撮りました。撮影中は、TOA130とTEC140にHYPERIONASPHERIC 31mmを付けて、見え方チェックをしました。そのレポートは後日に。

晴れと曇りの境界線は20時30分頃、また上がってしまい、雲に覆われてしまいました。月も昇ってきました。晴れていたのは1時間弱でしたが、やりたかったことはほとんどすべてできました。つかの間の晴れ間でしたが、本日の予定、すべて終了となりました。あまり欲張らない方が、結果に満足できて良いのかもしれません。でも、月に一度の先遠征のときなどは、そうはいかないでしょうね...

暗い空の下では、ホームズ彗星はまだ十分明るく見えます。35cmに実視界1.2度になるアイピースを付けたとき、頭部の丸いところだけで、視野の90%ぐらいを占めています。
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11月27日   タイヤの話題をもうひとつ
自動車のタイヤなど全然興味のない人は、タイヤにもバランスウエイトが付いていることを知らないのではないでしょうか。今回はその話です。

タイヤというのは車輪の外側にある黒いゴム製の部分で、その内側にある金属製の部分がホイールです。タイヤもホイールも完全に均質で真円で対称に作られていれば、回転させたときぶれたり振動したりしません。しかし、残念ながらそういう理想的な製品は作れません。ごくわずかですが、重量バランスがずれているのが普通です。タイヤの方は、製造上の理由で軽いところができます。その軽い所に黄色の丸い印が付いています。ホイールの方は、1カ所、必ずバルブ(空気を入れるところ)があるので、その部分が他の場所と条件が違い、バランスが崩れます。通常はここが重くなります。タイヤには軽い所があり、ホイールには重い所がある。その場所を合わせれば、打ち消し合ってバランスが良くなります。そういうわけで、バルブの位置にタイヤの黄色マークがあるのが普通です。しかしそれでも重さが均一にはなりません。そのため、タイヤとホイールを合わせて、全体として軽い場所にバランスウエイトを付けます。タイヤショップにはホイールバランサーという機械があって、それにタイヤ付きホイールをセットして回転させると、どの位置が何グラム軽いかがわかります。その位置にバランスウエイトを付けます。アルミホイールの場合は、バランスウエイトが目立たないようにするため、ホイールの内側に付けるので、ちょっと見には見えない場合が多いです。

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11月24日   スタッドレスタイヤ
前回天文台に行ったとき、予想外の雪に遭ってしまったうえ、その後も大雪が降っているようです。早速、車のタイヤをスタッドレスに交換しました。というよりも、すでに注文してあったのですが、それが取り付けられる前に天文台に行ってしまいました。

私がふだん乗る車は、レクサスGS350AWDとエスティマハイブリッドE−Fourです。どちらも四輪駆動なので、どちらかにスタッドレスタイヤを付ければいいわけですが・・・。しかし、ここに困った問題があります。レクサスGSはフルタイム4WDなので、普通に考えればこちらをスタッドレスタイヤにするべきです。しかし、これのアルミホイールには、空気圧センサーが付いています。このことは以前、どこかで書いたと思います。空気圧センサーのないホイールに換えてしまうと、メーターパネル内に空気圧異常の警告が出っぱなしになってしまい、その他の情報が表示されなくなります。そうならないためには、このホイールから夏タイヤを外して、スタッドレスに付け替えればいいわけですが、タイヤを外して付け替える、春になったらまた戻す、これをやると工賃だけでもばかになりません。それに毎年付けたり外したり(外したタイヤはホイールなしの状態で保管しておく)をやるのは良くないようです。空気圧センサー付きの純正アルミホイールを買うと約30万円と高額です。エスティマハイブリッドのほうは4WDといっても、4輪が駆動されるのは急加速するときだけで、通常走行はFFになります。2トンの重量級FF車ということで、雪道には強くありません。どちらをスタッドレスにすべきか?

貧乏人らしい理由でエスティマハイブリッドをスタッドレスにしました。こちらの純正タイヤは215/60−17で、ホイールは7J17オフセット48mmです。手元に以前乗っていた「アリスト」の標準ホイール、7.5J16オフセット48mmがあります。これを使いたい。これに合わせるタイヤは235/60−16。これでタイヤの外径が同じになるし、幅が広がった分、多少はグリップが良くなるでしょう。7.5Jのホイールには最低235幅が必要ですし。意外ですが、タイヤの値段はほとんど同じです。このサイズのホイール&タイヤまでは取付可能なことも実験済みです。
タイヤの銘柄は「X−ICE」。 値段は高いですが、乾いた高速道路を走る場合、これが最高だと思います。北関東の人たちは、冬季はほとんどの人がスタッドレスタイヤを付けますが、運が悪い(良い?)と、一冬で一度も雪の上を走らないことがあります。そういう場合、乾いた舗装道路での走行性能の良いスタッドレスタイヤが必要です。私はこのミシュランX−ICEをお勧めします。多少安いREVO2も悪くはないと思います。

大手自動車用品店やタイヤショップを数店回って見積をとった後、私が一番信頼する大手タイヤメーカー系(ミシュランではない)のタイヤショップに行きました。「他の店ではこうだけど、ぜひともこの店で買いたいので、これ以上安くやってもらえる?」とお願いするわけです。ミシュラン系タイヤショップが、1店だけ非常に安い値段を出しており、自分のところの商品ではないものをそれよりも安くというのは無理な要求です。でも、店長がそれでもやると言ってくれる人なので、そこで買いました。これだけだとあり得ない話ですが、いっしょにレガシー用のREVO2も1セット買いました。・・・と書くと、どのショップかわかってしまいますが、伏せる必要もないので、「おもちゃのまち」の「タイヤ館」です。 東武線に「おもちゃのまち」という駅があるのをご存じでしょうか? ここに「バンダイ」や「トミー」などの工場があります。獨協医科大学と附属病院もあります。ちなみに弊社の取引銀行は、ボーグと同じ「足利銀行おもちゃのまち支店」です。
この店がなぜいいかというと、安くしてくれるだけではなく、ホイールバランスを正確に合わせてくれます。私がこれまで他店でタイヤ交換した中で、1回でぴったり合ったことはほとんどありません。130km/hとか150km/hあたりで共振してぶれます。見た目で、バランスウエイトがたくさん付いていた場合はまずダメです。片側に6個以上付いていたことがありました。見た瞬間、うんざり・・・。ほとんどのショップで「そのスピード域までは合わせようがない」と言われますが、この店で交換してもらったタイヤは、180km/hまで全く微動だにしませんでした。今回交換したスタッドレスタイヤも、店を出て、車速が60km/hぐらいになったとき、最初から付いていたタイヤよりもバランスがいいと感じました。高速道路で徐々に速度を上げていき、180km/hまで加速しましたが、どの速度域でもびくともしませんでした。また、タイヤ内の空気量が増えたため、乗り心地もよくなりました。大成功。

タイヤだけではありませんが、どこの店で買うかで金額も技術も違います。技術が必要な商品の場合、技術力が高い店ほど金額も高いものです。ちなみに、私の会社からパソコン(コンピュータシステム)を買うと値段は高いですが、最高の技術とアフターサービスを提供します。でも、たまに、最低の金額で最高の仕事をしてしまうことがあります。いつもそれをやっていたらつぶれますが、「このお客さんならそれでもいいや」と思うときがあります。

あなたは買い物に行ったとき、どういうお客さんですか?
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11月23日   ハイペリオン・アスフェリック
HYPERION ASPHERIC 31mm2本セットを買いました。国際光器から即納でした。
このアイピースの最大のメリットは小さい(細い)ことです。日本人の大人の目幅は、平均的な人で最小55mm程度です。双眼装置や双眼望遠鏡の場合、アイピースの外径がそれ以下でないと双眼にはできません。HYPERIONASPHERIC 31mmの外径は、金属部分が56mm弱で、そのまわりにゴムリングが付いており、そちらの外径は58mm程度です。2インチスリーブのアイピースでこの外径は貴重です。ペンタックスのXW30mmや40mmはいいのですが、外径が大きくて双眼にはできません。毒キノコなど問題外です。さらにHYPERIONASPHERIC は、31.7mmスリーブも付属しており、見かけ視界は55度と狭くなりますが、双眼装置に付けられます。

国際光器のWebサイトにある説明は、「Hyperion-Aspheric 31mmは視野全体に極めてシャープで、収差や歪が最小限におさえられた良質な像を結びます。Hyperion-Aspheric 36mmのほうは周辺像を多少犠牲にすることで、実視野の結像性を向上させています。」 本体の細さとこの説明を見て、31mmを買うことにしたのですが、実際に星を見てみたら...
中心部の星像は非常にシャープです。これほど小さい星像は滅多に見られません。しかし、それは視野中心の星でピントを合わせたときの中心部分だけです。7割程度から外側は星が三日月型になります。うたい文句ほどではないじゃないか...と思ったのですが、視野周辺の星でピントを合わせてみたら、視野全体の星がほぼ点像になりました。この場合、中心部のシャープさはなくなりますが、それでも星は「点」と言っていい範囲内です。「ピントは周辺の星で合わせろ」と書いておいてもらいたいです。今、自宅にある鏡筒はビクセンのED80Sだけです。これは、この鏡筒で見た結果なので、TOA130だと違うかもしれません。

このアイピースは見かけ視界が72度で、広角アイピースが増えてきた現在ではそれほどでもないですが、その全視野の星が点像になるかどうかが問題です。これはギリギリ合格といえます。ギリギリでも双眼用として「合格」はこれ一本だけで、他にはありません。焦点距離が30mmを超える2インチ広角アイピースの中では、これが最も双眼に適したものだと思います。もっと短焦点で良ければ、パン・オプティック27mmとイーソス13mmがあり、イーソスは別格の文句なしです。イーソスの外径もHYPERION ASPHERIC 31mmとほぼ同じです。31.7mmスリーブのアイピースでよければ、XWやナグラー、パンオプティックなど選択肢はいくつかあります。
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11月20日   雪!
19日の夕方、天文台に行きました。栃木は快晴でした。南会津の天気予報や雲の衛星写真を見ると、天文台も今夜は晴れるはずです。
塩原温泉を過ぎて山道に入ると、道の両側にうっすらと雪がありました。このあたりでの「初雪」かどうか知りませんが、私にとっての今シーズン初雪でした。さらに進んで、栃木と福島の県境のトンネルを抜けると、路面はほとんど乾いていますが、両側の雪の量が多くなりました。車はまだ夏タイヤです。外気温は−3℃、路面が凍るか凍らないかの境目の温度ですが、宵の口なのでまだ水のはずです(朝の−3℃は氷)。この先の道に多少の不安を抱えながら、トンネルの出口と橋の上に注意して運転し、無事に天文台にたどり着きました。国道をはずれてから天文台までの道は、深さ10cm以上のわだち付き圧雪道路でした。すごいことになっています。しかし、気温が氷点下で雪が固まっていれば夏タイヤでも結構グリップします。

天文台に着いてびっくり。スリットのてっぺんで30cm!下の方でも10cm程度の雪が積もって(張り付いて)います。もちろんスリット以外の丸い部分も着雪しており、観測室の四隅にはたっぷり雪が積もっていました。これではドームが回らない! スリットがあけられない!
中に入って、ドーム回転スイッチを押したら、やはり回りません。スイッチを押したまま、回転方向に手で力一杯押したら、ゆっくり回りました。ある程度動いた後は、遅いですが手で押さなくても回りました。そのまま2周させて、観測室の上四隅の雪を掻き落としました。回転させたとき、振動でドームの上の雪が落ちてくれることを期待したのですが、ニッシンドーム製のドームは良くできていて、振動などしません。ドームの雪は全く落ちませんでした。

次に、どうやってスリットを開けるかです。外から雪を掻き落とせればいいのですが、そんな長い道具はありません。そこで、スリットを少し開けては戻すという操作を繰り返しました。少しずつ開ける量を大きくしていきました。10回ぐらいやったところで、思い切ってスリットを全開にしたら、スリットと共に雪がきれいに二つに分かれました。この時点ではドーム内に雪は落ちませんでした。しかし、そのままでは風が吹いたりドームを回転させたとき、ドーム内に雪が落ちてきます。しかたなく、踏み台にのって、ドームの内側から、スリット上の雪を外側に向かって掻き落としました。雪が多少、ドーム内にも落ちました。ドーム内は氷点下ですから、雪は解けることなく、ほうきとちりとりで集めて外に捨てました。しかし、全部は取りきれていないので、今後、ドーム内の湿気の元になることでしょう。

そんなこんなで、1時間以上かかって観測できる状態になりました。外は快晴と言っていい状況でしたが、半月があり、ホームズ彗星は見えていますが、バックがかなり明るい状態でした。月がある間に、写真撮影のためにε180とTOA130にカメラを取付け、ピント合わせをしました。しかし、この夜はシーイングが最悪で、TOA130の方が全然ピントが合いません。ピント合わせのために3秒露出を繰り返しましたが、ピント調整ノブを動かしていないのに、露出のたびに星像の大きさが全然違います。「これ以上はできない」と思えるピント位置が決まって、月が沈んだ頃、なんと!薄雲が出てきて1等星しか見えなくなりました。ドーム内でもインターネットがつながるので、雲の衛星写真を見たら、すごい速さで細長い雲がやってきて、ちょうど南会津の上だけにかかっていました。深夜3時頃までがんばりましたが、きれいに晴れることはありませんでした。あきらめて撤収することにしました。ところが、撤収が終わってドームから外に出たら、きれいに星が光っています! 「おい、おい!」  しかし、再度ドームに戻る元気もなく、あきらめて寝ることにしました。翌日は、朝から日中いっぱい見事な快晴でした...

今のところは、毎日雪が降るわけではないので、ドーム内の電気ストーブをタイマーで毎日動かすほどでもありません。今度来るときまでに、ドームの外側から雪を掻き落とせる長い道具を作ってくることにします。
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11月18日   ランエボとインプSTi
このところ、ホームズ彗星の話題ばかりで、「そんなこと知ってるよ」という内容で飽きてきました。今回は、興味ない人にはさらにつまらない、自動車の話です。

ランサーエボリューション10とインプレッサWRX STiがほぼ同時に発売になりました。間もなくランエボのツインクラッチSSTも出てきます。「ギャラン・フォルティス」を「ランサー」と名のらなければならない三菱自動車の苦しい台所事情がありますが、「ギャラン・フォルティス」と「ランエボ」は実質的に別の車になったので、それは許すことにしましょう。「ランエボ」と「インプSTi」の世界になると、どちらが良いかという問題ではなく、どちらが自分の感性に合うかということになります。購入時の金額も、多少の差ならどうでもいい問題です。こんなすごい車はこの2台以外にはないのですから。なお、これらは「乗用車」ではありませんから、普通の車が欲しい人は絶対に買ってはいけません。今回話題にしている車は500万円、GT−RやIS−Fに至っては800万円超ですし・・・ (これでも十分安いのですが)

私の車の選択基準は、ハイパワーエンジン+4WD+2ペダル+小型ボディー+クルーズコントロール+あまり個性を主張しない外観・・・という、ごく限られた人にしか受け入れられないものです。文字通り、羊の皮をかぶったオオカミですね。決してライオンやトラではなくオオカミです。もちろん、カンガルーでもありません。ライオンやトラそのものになってしまったのがGT−Rです。IS−Fは大型肉食カンガルーというあり得ない動物になりました。
私の選択基準でいくと、ランエボもインプも不合格です。インプの方は問題外です。そもそもこの基準に合う車は、少なくとも国産車には存在しません。より近いのがランエボTC−SSTですが、あと最低限、クルーズコントロールが付けば「これを買ってもいいかな...」と思う車になります。他に可能性があるとすれば、IS−Fに4WD仕様ができたら・・・ ですが、それはないですね。トヨタですから... IS−Fまでは100歩譲って「小型」といえる範囲内にします。

このところ、クルーズコントロール付の車が増えてきましたが、自分の車にそれが付いているのに使ったことがないという、もったいないことをしている人が多いようです。私は、クルーズコントロールのない車は運転できなくなりました。通常の郊外の道路は、クルーズコントロールを「制限速度+10km+制限速度の10%」(*注)に設定しています。制限速度が50km/hなら、65km/hです。このスピードなら、後続車も「遅い!」と文句を言えないし、お巡りさんのねずみ取りに捕まることもありません。万一、これでねずみ取りに捕まったら、「いつもの設定と違うじゃないか! 再調整しろ!」と抗議できます。このスピードを自分でアクセルコントロールして保つのは至難の業です。というか、そんなスピードメーターとのにらめっこ運転はしたくないですね。日本の道路の大部分は、速く走ろうとしても無駄な状況ですから、クルーズコントロール任せの運転でガソリンを節約し、ここぞというわずかなチャンスにアクセル全開にする走り方しかありません。その一瞬のために、普通の車の2倍以上の金額の車を買うわけです。

ランエボにクルーズコントロールが付いて、新型エンジンが改良され、ピークパワーと低中速トルクが現在のインプSTiを超えるランエボ11が出たとき、それを買おうと思います。1年後に期待です。
2ペダルの方式は、現時点では、ツインクラッチSSTよりもレクサスIS−F方式の方が優れていると思われます。トヨタはドイツからツインクラッチを買いたくないので、苦肉の策のATミッションですが、結果オーライでした。あと1年の間にツインクラッチSSTがさらに進化して、ランエボ11になってくれることを期待しています。スバルが三菱と同じゲトラグ社製ツインクラッチを使いたくないなら、ドイツの「シェフラー」から乾式ツインクラッチを買えばいいだけなのですが・・・。東京モーターショーでスバルとシェフラーのCEO同士が接触しているはずです。そちらにも期待したいと思います。もっともこの手の機械は、メカニカルな部分よりそれを制御するコンピュータプログラムの方が重要ですから、ものが手に入ってもソフトが完成しなければ製品は出てきません。
スバルのレガシーに付いているクルーズコントロールはすばらしいですから、これと2ペダルが付いたインプSTiの方が理想に近い車だと思います。


 (*注)  以前に書いた「自動車のスピードメーター」と関連しますが、2007年モデル以降の車は、メーターにプラス側の誤差は
       ないことになるため、今後、ある時点から「制限速度の10%」は付けられなくなる日が来るのでしょう。
       あと5年後ぐらいでしょうか。
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11月14日   雪の季節のはじまり
13日の夕方、天文台に行きました。栃木は快晴でしたが、北の空の低いところに長く連なった雲がありました。南会津の方向です。北に向かうと、天気は快晴から曇りになり、県境のトンネルを抜けるとそこは雨でした。自宅から北に見えた雲は、冬の季節風によってできる雪雲です。気温が高いから雨だっただけで、これからこの雲がななつがたけ北天文台の上を覆い続ける季節になります。

19時頃には雨もやみ、ちらほら星が見えてきました。楓林舎で夕食を食べた後、雲はあるもののかなりいい透明度になりました。楓林舎に宿泊していたお客さんたちとともに天文台に行き、ホームズ彗星を観望しました。ますます大きくなっています。この日は、彗星の核のすぐ近くに比較的明るい恒星があって、この星が明るいため、眼視では核が見えませんでした。核がなくなってしまったのか!?と驚きましたが、写真には恒星のすぐ近くにしっかり写っていました。右の写真で彗星中心部の2点のうち、上側が核、下は恒星。

楓林舎のお客さんに好評だったのが、TOA130+イーソス13mmでした。やはり、「宇宙船の窓から見ているみたい!」と言いました。天頂ミラーを使い、水平よりもやや下向きに覗くとそういう感想になるようです。十分観望したところで、また薄雲が広がり、星は見えなくなってしまいました。

夜半過ぎにはまた晴れるはずだと信じて、写真撮影の準備をしました。しかし、雲のために、ピント合わせ用の星が明るくなったり暗くなったり消えたりで、ピントが合わないまま、時間が過ぎていきました。0時過ぎから雲が薄くなり始め、何とかピントが合った1時頃、快晴になりました。2時間ほど晴れ間が続き、彗星といくつかの星雲星団の写真撮影ができました。ホームズ彗星は、イオンの尾が出ているようなので、写したかったのですが、ε180EDの5分露出では写りませんでした。一番外側の青緑色の部分もまだあるようですが、写らなくなりました。


写真データ (上) TOA130F+レデューサー(f=750mm)ST2000-XCM露出30秒
        (下)      同    露出3分
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11月10日   彗星観望会2
今週末もまた、オーナー1、オーナー2の身内の方々、Hさん、Yちゃんが楓林舎に集まりました。特に観望会という目的で集まったわけではないですが、星が出ればもちろ観望会になります。しかし、この日の天気予報は「雨」でそれも強く降るようでした。実際、家を出るときは雨でした。晴れることは全く期待しないで、みんなで楽しく過ごせればいいと思って出かけました。
夕食前に外に出てみたら、晴れています! 雲はありましたが、晴れ間は結構いい透明度です。インターネットで雲の衛星写真を見ると、このあたりだけ、雲に小さな穴が開いていました。「夕食前に彗星を見よう!」ということで、宮内の10cmと77mm双眼鏡、テレビュー85+F2経緯台の3台をさっと出して、楓林舎オーナーも含めてみんなでホームズ彗星を見ました。見た目の形は下の写真と同じでしたが、大きさがまた一段とふくらんでいます。ホームズ彗星を初めて見る人もいて、みんなで彗星が見られて満足したところで夕食になりました。しかし、その後は曇ってしまい、雨も降り出して、星が見えることはありませんでした。天気図は絶望的で、衛星写真を見ると雲の中の穴はなくなっていました。あの穴は何だったのでしょう。しかしながら、思いがけず彗星が見られたので大変ラッキーでした。
ホームズ彗星がこのまま大きくなって、計算通りの軌道を進むと、ペルセウス座α星が彗星の中に入りそうな感じです。

曇っていましたが一応天文台に行って、望遠鏡を一通り見てもらって、曇っていてもスリットが閉まっていても土星やアンドロメダ大星雲が見える「魔法のアイピース」を覗いてもらったりしました。この夜は、Hさんが骨折した話やYちゃんがたくましく仕事をしている話やオーナー2の減量作戦やらで話が弾みました。
この日、オーナー2が「惑星用アイピースコレクション」を持ってきました。大きなアルミケースにきれいに並べられて、アイピース自体もカラフルな塗装で高級チョコレートのようでとてもおいしそうに見えました。ケースにはまだ隙間があったので、私のXOアイピース2本と5xパワーメイトも入れてコレクションが完成しました。天文台もしくは楓林舎においでの際は見ていってください。
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11月8日   ホームズ彗星 〜〜その3〜〜
みなさんも晴れたら必ず見ていると思いますが、ホームズ彗星がどんどん大きくなっています。拡散して暗くなっていくかと思ったら、多少は暗くなっていますが、ほぼ同じ明るさを保ったままで大きくなっています。
コマが三重構造になっていますが、一番内側は細長く伸びて「尾」になっているようです。核がその先頭にあります。宮内10cmフローライトアポ双眼鏡で見ると、一番外側の青緑色の部分も一番内側の尾のように伸びた部分も核もすべて見えます。目のラチチュードの広さはすごいものです。外側の青緑色の部分が見える(写る)かどうかで、空の暗さが判定できそうです。

2番目のメインのコマの形は、10月末には魚のマンボウのように見えましたが、今は空を飛んでいる「オバQ」に見えます。表現が古いですが、このサイトを見ている人は、「空を飛んでいるオバQ」といえば通じる人たちばかりなのでしょう。
私も先日、11月2日にハーフセンチュリーになりました。K(A)君、ハーフセンチュリーの会はできそうですか?
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11月3日   彗星観望会
この週末に、オーナー1・2とその身内の人々、この日記の10月27日に登場したTさんとその家族や友人の方などで天文台で観望会をしました。今回は、マニアックな星好きだけではなく、ごく一般人レベルの人も多いので、ハイレベルな会話と初心者レベルの会話が飛び交いました。観望会としては、きれいな天体を見て大げさに感動してくれる初心者がいてくれた方が楽しく過ごせます。初心者を感動させるだけの機材が必要ですが。

夕方、薄明終了後、屋外にNP127双眼望遠鏡と宮内10cmフローライトアポ双眼鏡を並べて、ホームズ彗星や主な星雲星団などを次々に導入して観望しました。彗星はどんどん大きくなっています。その割には明るさはあまり変化しません。見た目の形も大きな変化はなく、拡大コピーされていく感じです。ただ、目玉焼きの白身の部分が片側の輪郭がぼけてきました。現在のイメージは、目玉焼きというよりも魚のマンボウの様です。尾びれ側が、やはり尾にあたるのでしょう。NP127双眼望遠鏡+イーソス13mmの見え方は、初心者でなくても感動的です。

夕食後ドームに行き、天文台の望遠鏡で観望しました。現在35cmニュートン反射に同架されているのは、ε180EDとVMC260L、おまけにC5とFC50です。εは低倍率広視野、VMCは高倍率(100倍)、35cmはTさんから借りたミードのUWA24mm(見かけ視界82度)とパラコアを付け67倍としました。ホームズ彗星をはじめ、屋外で見たものと同じような、主な星雲星団などを見ました。各望遠鏡とも、それぞれの個性を発揮してよく見えました。大きい鏡筒が1つあれば、すべてOKということはありません。素人目に一番きれいに見えるのはεです。明るくて広視野で星がすべてシャープな点像になるので、覗きやすく誰が見てもきれいに見えます。VMCもシャープな星像になる上に、倍率もあるので、ホームズ彗星が視野の半分ぐらいを占めて大迫力です。35cmF4+パラコア+UWA24は、光量がある上に広視野で、星がほぼすべて点像になります。εの星像はきれいですが、平板な感じですが、こちらは片目で見ているのに、多少立体感が出ます。UWA24は大きくて重いですが、テレビューのナグラー並みによく見える良いアイピースです。ただ、アイレリーフは長いとは言えず、目の位置にも敏感です。イーソスもそうですが、超広角アイピースでは仕方ないところです。慣れた人にはいいですが、初心者に見せるときは、安定してみられる姿勢にして、ゆっくり目の位置を合わせられるような配慮が必要です。

この夜は一晩中晴れると予想していましたが、観望会を終えた直後、曇ってきて、弱い雨まで降ってきました。夜中に、ホームズ彗星の写真を撮ろうと思っていましたが、撮れずに終わってしまいました。


    写真データ  撮影日 11月7日 TOA130F+レデューサー(f=750mm) ST2000-XCM 露出2分
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10月31日   天文台日帰り 〜〜ホームズ彗星 その2〜〜
たぶん初めてだと思いますが、天文台に日帰りで行ってきました。夕方行って、同じ日付のうちに自宅に戻りました。別にどうってことないかもしれませんが、往復300km、所要時間4時間です。
もちろん、ホームズ彗星を見に行きました。見られるのは、高度が上がってくる
(*注)20時ごろから、月が出る21時まで。それだけですから、日帰りで十分です。

(*注) エルボ型赤道儀で北東の低い空に鏡筒を向けると、鏡筒が極軸の下にいってしまいます。低いところはドームでけられて見られません。どうしても見たいときは、手動で動かして上側にすることもできますが、自動導入はできなくなります。

ホームズ彗星は、形は変わりませんが、上の写真の通り、どんどん大きくなっています。3日間の移動量は大きくない・・・地球からの距離が遠い・・・ですが、大きさの変化がすごいのがよくわかります。かつて、百武彗星が見かけの大きさが巨大でしたが、それは地球に近かったためで、1日の移動量も半端ではなく大きかったです。そのことから見ても、ホームズ彗星のアウトバーストはとんでもないものです。

下にある28日撮影のVMC260(f=3000mm)直焦点+ST-2000XCMの写真と比べて、今日同じシステムで撮影した画像は、彗星が画面いっぱいに広がっています(右写真)。大きな彗星になりました。明るさは28日より、わずかに暗くなったようですが、大きな違いはありません。太陽系近くに新星が現れて、惑星状星雲がどんどん広がっていくのを見ているようです。眼視や写真で見る姿もまるで惑星状星雲のようです。


    写真データ  VMC260(f=3000mm)直焦点 ST2000-XCM 露出20秒
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10月29日   ホームズ彗星大増光の謎
天文台でホームズ彗星を見てきました。特異な形と明るさです。
通常のアウトバーストにしては規模が大きすぎて、特殊なアウトバーストとして説明するには無理があるような気がします。まだどこからも、今回の大増光のメカニズムに関する仮説が出ていないようです。そこで、私の大胆な仮説を紹介します。
今回のホームズ彗星大増光の原因は、

  「アメリカ軍による、地球に衝突する小惑星の
  迎撃実験である」

アメリカでは以前から地球に接近する小惑星の捜索を行っています。そのついでに大量の新小惑星や彗星が発見されているのはご存じの通りです。しかし、地球に衝突する小惑星が発見された場合の明確な対応方法は確立されていません。普通に考えて現在の人類にできる方法は、核爆弾を積んだミサイルで小惑星を迎撃することぐらいでしょう。しかし、その実験をしたくても、人類平和のためであっても、核弾頭ではなくても、宇宙に向かってミサイルを打ち上げるには、世界各国の同意が必要で簡単にOKは出ません。
そこで、ペンタゴンは極秘裏に迎撃実験をすることにしました。実験対象は、小惑星よりも、彗星の方が命中したことを地上から確認しやすいため、次の条件を満たす彗星が選ばれました。
  ・軌道がよくわかっている短周期彗星
  ・近日点通過直後の位置にあるが地球から遠いもの
  ・通常は誰も見向きもしない暗くてありふれたもの
  ・過去にアウトバーストを起こした履歴のあるもの
選ばれたのはホームズ彗星でした。
実験にあたって、通常の軍事衛星を打ち上げるロケットを使用し、3基の宇宙空間用実験ミサイルを抱えた人工衛星が打ち上げられました。ミサイルに搭載された爆薬は少量です。万一、打ち上げに失敗したとき大爆発されては、「爆発物」を積んでいたことがバレてしまいます。衛星は地球を使ってスイングバイした後、地球軌道を離れ、太陽系空間から、時間差を置いて3基のミサイルが発射されました。1基目が命中したとき、ガスが噴出し青緑色のコマが形成されました。アメリカ海軍天文台により、予想通りの小さな増光が観測されました。2基目と3基目も命中しました。しかし、当たり所が悪かったようで、予想外にガスが大噴出し、大規模なアウトバーストが起こってしまいました。そのため、このような特異な三重構造になりました。
現在、ペンタゴン内にはこの事実を公表すべきという意見もありますが、発表することはできないでしょう。
 (これは仮説であり、登場する団体等は実在のものと関係ありません)


    写真データ  TOA130F(f=1000mm)直焦点 露出20秒 ST-2000XCM ワンショットカラー
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10月29日   ホームズ彗星


28日の早朝、自宅でホームズ彗星を見ましたが、満月にもかかわらず、非常に明るく特異な姿でした。これは「天文台に行くしかない!」と思い、その日の夕方、天文台に行きました。オーナー2もかけつけてきました。

薄明終了時にはまだ彗星の高度が低く、薄雲もありましたが、NP127双眼望遠鏡で簡単に見つかりました。わずかに雲が切れた瞬間に明瞭に見えました。コマが目玉焼き状で二重になっています。よく見ると、内側の明るいコマの中心をずれた・・・というより、内側の明るい部分の縁のあたりに核が光っています。多少高度が上がってからよく見ると、目玉焼きのさらに外側にさらに薄いコマがあります。我々は、「餃子の羽」みたいと表現しています。コマは目玉焼き+羽の三重構造になっています。そのうち、満月を少し過ぎた月が昇ってきて、羽は見えなくなりました。


  [上]  ε180ED(f=500mm)直焦点 S3pro 露出15秒     [下] VMC260(f=3000mm)直焦点 ST2000-XCM 露出4秒








 上が北
 
トリミングなし




目玉焼きの白身の部分が明るくて輪郭がはっきりしており、黄身の部分の中心を外れたところに核があるという、こんな構造でこんなに明るい彗星はみたことがありません。
ε180EDの写真は、NP127双眼望遠鏡で見た感じに近く(肉眼で見るともっとよく三重構造が見えます)、35cmでは、VMC260Lの写真とだいたい同じように見えました。冷却CCDでの写真は、F7.7のTOA130でもF11.5のVMC260Lでも5秒程度で適正露出になりました。
彗星というより太陽系の近くにある惑星状星雲です。「フクロウ星雲」に似ている気もします。これだけ大きくて明るく、さらに不思議な構造の彗星ですから、いくら見ていても見飽きませんでした。
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10月28日   ホームズ彗星見ました
前日、Tさんの観測所を見て帰ってきた夜、明け方4時頃快晴になりました。足早に去っていった台風一過です。天文台ではなく自宅です。3時前から晴れそうな感じになっていたのですが、ペルセウス座の所だけ、次々と雲がわいてきて最後まで雲がとれませんでした。4時頃、すべての雲が無くなり快晴になりました。しかしながら、満月に近い月があるため、ペルセウス座がよくわかりません。α星は間違いなくあれだ!とわかるのですが、その他の星がどれがどれなのなのかよくわかりません。その中に彗星が紛れ込んでいますから。星図とよく見比べながら探してみるとδ星がわかりました。ホームズ彗星とα星、δ星で2等辺三角形をつくっていました。星座というのは、星が1個増えただけでわからなくなるものです。

ホームズ彗星はα星(1.8等)よりは暗いですが、δ星(3.0等)より明らかに明るいです。8cm50倍で見て、大きくて明るくて、まん丸のコマがあり、さらに中心近くにさらに明るい小さなコマがあるように見えます。二重のコマです。中心核はよくわかりません。自宅にはまともなアイピースがないため、高倍率で見ることができませんでした。どれがホームズ彗星かわかると、7X35の双眼鏡で見ても球状星団状に見えます。彗星はとても明るいのに、ほぼ完全な球形で尾がないのが不思議です。位置的に尾が出るはずはないですが、尾がないのにこの明るさは不思議です。いったい何が起こったのでしょう。しばらくは、小口径望遠鏡でも観測を続けられそうに思います。(図はステラナビゲーターで作成)
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10月27日   天文台見学
オーナー1・2の二人で、台風の風と雨の中、Tさんの観測所を見学してきました。天ガの記事をきっかけにご連絡をいただき、知り合いになった方です。同じ栃木県に在住で仕事場の屋上にスライディングルーフを設置しています。Tさんは、我々の仲間内ではだれも持っていないし、だれも見たことのないミードのRCX400を所有しています。それも35cm。それを富田さんのところのピラーにのせて赤道儀として使用しています。オーナー1・2とも興味津々で、台風でも出かけて行ったわけです。

スライディングルーフに入るとかなり広々とした感じで、ななつがたけ北天文台の3.25mドームより遙かに広いです。その中にミード35cmF8RCと立派なピラーにのったフジノン15cm双眼鏡、ミードLX30cmシュミカセが設置されていました。アクセサリー類も充実しており、かなりマニアックな方です。

メインの35cmF8RC、我々はこれを初めて見たわけですが、鏡筒部分が大変良くできていました。見た目の高級感もあり、マニアックな高性能機という感じもするし、それに違わぬ操作性の良さも持ち合わせており、ミードも進化したなと感じました。アメリカ人が設計すると、どうでもいい所はどうでもいいという大ざっぱになるものですが、RCX400の鏡筒は日本人の設計に近づいた感じです。レクサスの言う「おもてなしの心」が感じられます。ただ、架台部分は相変わらずで、アメリカ人です。しかし、コンピュータ制御システムはかなり使い勝手が良くなりまた。これは元々、GOTO経緯台として使用する設計ですから、日本のような中低緯度地域で赤道儀として使用すると、傾きが大きくなり無理があるようです。かなりの工夫や改造をしない限り、直焦点で写真撮影をするのは難しそうです。Tさんは写真は撮らない(ここでは空が明るいため撮れない?)そうなので問題はないのでしょう。

しかし、この広々としたスライディングルーフの中にこれだけの機材を持ち、それぞれに同じ天体を入れて、のんびり見比べられたら優雅な時間を過ごせることと思います。十分に観望したら、スライディングルーフ内になるコタツに足を入れ、床に寝転んで星空を見上げている景色はさらに優雅です。残念ながら、オーナーのTさんは忙しいお仕事をされており、なかなかそうならないようです。お金と時間と健康、すべてがある人など世の中に数えるほどしかいないのでしょう。すべてない、または1つか2つしかない中で、時間が過ぎ、年齢を重ねていきます。できることなら、それらの1つでもあるうちに残りを何とかして、1年間程度でも余裕のある生活をしたいものです。そうしたい!という強い意志を持つと何とかなるかもしれません。足腰が元気なうちに、オーナー2のお世話になる前にそういう時間を作りたいものです。

今回はRCX400で星を見られませんでしたが、近日中に、今度はよく晴れた日に、また訪問させてもらいたいと思います。
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10月26日   ホームズ彗星大バースト
25日、ホームズ彗星が大バーストを起こし、17等から3等まで急増光しました。こんな現象は一生に一度見られるかどうかという、ものすごい出来事ですが、私の自宅では曇り空で見ることができません。天文台のある所は晴れているそうで、楓林舎オーナーは見たそうです。「こんな彗星を見たのは初めてだ」というメールが来ました。明日仕事があっても天文台まで行くべきでした。来週初めに晴れたら行きたいと思います。
しかし、ちょうど満月の時にこういう現象が起こったのはアンラッキー。でも、満月の空でも肉眼でこれを見た人はラッキーでした。しし座流星群の大出現ほどの華々しさはありませんが、大増光の瞬間を見た人は一生の思い出になることでしょう。
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10月22日   イーソス、おそるべし!

イーソス(Ethos)というのをご存じでしょうか。テレビューから最近発売されたアイピースで、焦点距離13mm、見掛視界100度という超広角です。テレビュー・ジャパンのWebサイトはこちら
Webサイトにあるイーソスの説明は、私どもの天文台を念頭に書いたのではないかと思える内容です。オーナー2はしっかりそれに乗って、出張で東京に行ったついでにテレビュー・ジャパンに行き、まとめて2個買ってきました。
良い望遠鏡に取り付けて、きれいに晴れた空で見るのは、今日がファーストライトでした。結論から言うと、このイーソスというアイピース、ものすごい高性能です。良い光学系の鏡筒を持っている人はぜひ買ってください。テレビュー・ジャパンで「特価 92,400円」となっています。もちろん1本あたりです。しかし、これを一生使うと思えば、安い買い物です。買うなら、自分の天文人生の中のできるだけ早い時期に買うべきです。1日でも長い期間、これで星を見た方が幸せだと思います。

何がすごいかというと、Webサイトにある説明に誇張もハッタリもありません。書いてあるそのままの見え方です。
最大の特徴の見掛視界100度ですが、視野の最外周まですべての星がシャープな点になります。そして、最外周まで
歪曲収差を感じません。最大角倍率歪曲は視野全体のわずか1%」と書いてありますが、1%という数字を納得できます。「低反射率と高透過率、ハイコントラスト」も強調されていますが、「おっしゃる通りです」としか言いようがありません。「快適なアイレリーフ」もうたっていますが、これは普通です。目の位置に比較的シビアだし、めがねをかけたままでは無理でしょう。でも、「超広角の13mm」としては快適だと思います。目に一番近いレンズがすぐそこにあるので、汚れやすそうだし、夜露で(涙でも)曇ります。欠点と言うほどではありませんが、仕方ないところでしょう。

これをNP127双眼望遠鏡に付けると別世界です。もちろん、2個並べて取り付けても目幅以内です(毒キノコやXW30はダメ)。以前は、パンオプティックやナグラーで見てもその広視界とシャープさに驚いていましたが、それよりもずっと上です。見かけ視界が100度もあると、目をぐるっと回さないと全視野が見えないのではないかと思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。両目で正面を見れば、全視野が見えます。さらに、「アイピースを覗いている」という感覚がありません。望遠鏡なしで、普通に星空を眺めている感じです。人間の目は片目で100度以上の範囲が見えていますが、きちんと物体を認識できているのが100度ぐらいなのだと思います。ですから、両目でまわりの景色を眺めているのとほとんど同じ感覚です。焦点距離が13mmですから、ある程度倍率が上がりますが、倍率が高いのに広角ということは、見かけの視野円が大きいということで、目の前に広大な星の世界が広がっています。M31とその伴星雲が宇宙空間にふわっと浮かんでいる感じと宇宙の奥行きを感じて立体的に見えます。

せっかく例に出ているので、35cmF4反射鏡で二重星団を見ました。まさに写真の通りでした。倍率が100倍を超えるので、二重星団の距離がかなり離れて見えますが、確かにコントラストがよく、両方視野内に入ります。ただし、パラコアが必要です。さすがに無いと周辺のコマ収差が大きく出ます。イーソスの説明書に、パラコアの可変バレルを最も伸ばして、2インチスリーブを使うよう指示されています。そうした場合、視野全体の星がすべて点です。

我々がイーソスのファーストライトで最も注目していたのは、ε180EDに付けたときどうなるかでした。問題は星が点になるかどうかです。F2.8という急角度で光が入射してくるわけですから、それを視野の隅まで点像にするのは難しいことです。これまでε180EDで隅まできれいな点像になったのはXWだけでした。イーソスは、みごと!視野全体の星を点像にしました! 倍率38.5倍,瞳径4.7mm,実視界2.6度,歪曲なしのすばらしいRFTになりました。ε用アイピースはこれ1本だけでOKです。ただし、タカハシの接眼部では、ドローチューブを最も奥に入れても惜しいところでピントが合いません。36mmのネジ込み部分から外して、それよりも少し短いビクセンの11/4”バレルを付けたとき、最も奥で合焦しました。ビクセンの1 1/4”バレルもそのままではダメで、ロックネジの位置を少し奥に変えないと当たってしまいます。私のはすでにそういう加工がしてありました。

イーソス13mmが1本あれば、他の10mmから20mm程度のアイピースはいらなくなります。そのあたりのものが複数ある人は、すべて売り払ってこれを1本買うのもいいと思います。オーナー2がテレビュー・ジャパンに行って「2本まとめて買うと良い鏡筒が1本買えてしまう値段は高すぎる!」と言ったら、「じゃ、20万円の鏡筒1本買うとそれで満足できますか?」と言われたそうです。新規に20万円の鏡筒を買うより、既存の鏡筒にイーソスを付けた方が満足感は大きいはずです。1本なら10万円しないし・・・
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10月20日   改造デジカメ

デジタル一眼の赤外カットフィルターを外したり、H
αを通すタイプのフィルターに交換したりというのが流行っています。商売としても成り立っているようです。星ナビにも特集が出ており、星ナビさんもこれで稼いでいるわけです。これは下のタイヤの話と同じで、ユーザーからの需要があるから(その需要が正当なものかどうかは別)、それを引き受ける業者さんが出てくるわけで、市場原理に基づいたことですから全く悪いことはありません。
そこで私はぜひとも見たいものがあります。それは、赤外カットフィルター改造デジカメで、できれば被写体は若い女性の顔がいいですが、天体と同じくらい露出アンダーの写真を撮って、天体の時と全く同じ画像処理をした写真を公開していただきたいと思います。
主にH
αを出して光っている天体の実際の色というのは誰も見たことがないし、これからも見ることはできないと思います。誰も見たことがないものですから、自分が撮った天体作品をどういう色に表現しようが作者の自由ですが、それがどれほど現実離れしているのかを見てみたいものです。改造デジカメで地上の風景を写すと、実際とかなり違う色になることは広く知られていますが、それをさらに天体と同じ画像処理したときどうなるのかという例は見たことがありません。改造デジカメを所有している方でこれを見た方は、ぜひトライしていただきたいと思います。それがあると、天文雑誌の天体作品を見たとき、読者もその色やコントラストが実際のものだと錯覚せずに済みます。

右の写真は私が撮影したM33です。TOA130+ST2000XCM+紫外・赤外カットフィルター付 で10分露出。ワンショットカラー画像で、画像処理で機械的にバックグラウンドがニュートラルグレーになるように色調整しました。例がよくなくて、M33だとよくわからないですが、色に関してはこれが当たらずとも遠からずという天体の実際の色なのだと思います。
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10月15日   駒止湿原が紅葉


ななつがたけ北天文台の近くにある天然記念物「駒止(こまど)湿原」がいい感じに紅葉しています。天文台付近は標高800m程度で、このあたりの紅葉はこれからですが、標高1200mの駒止湿原は紅葉のピークに入ったようです。ここは通常の紅葉の黄色や赤とともに、常緑樹の緑、白樺の幹の白、さらに晴れていれば空の青が重なってとてもきれいな景色になります。
駒止湿原は、6月下旬の花の時期には大変混雑し、車を止めるのにも苦労します。しかしこの時期は、多少は人が増えますが、混雑ということはありません。見渡す限りの湿原の中にいる人は自分だけということもあり得ます。
駒止湿原は3つに分かれていますが、この時期は1つ目だけ見ればいいと思います。その場合、1周1時間弱です。また、1つ目の湿原だけは、木道が一方通行になっていますので、帰りに逆行しないでください。
帰りは湿原の外側を回ることになりますが、帰り道の途中に「このあたりで天体写真を撮ったらいいだろうな」と思うところがあります。そこが「天文台日記」10月4日に紹介した1つ目の場所です。以前は駒止湿原駐車場に売店があり、自動販売機もあったのですが、今はトイレしかありません。湧き水風の水がちょろちょろ流れていますが、そのまま飲まない方がいいと思います。

紅葉を見に行くなら、お勧めは晴れた日の夕方です。午前中もいいですが、人が多いので、ゆっくり紅葉を眺めるには観光客が帰った後がいいでしょう。晴れていれば、前記の「青」があります。さらに夕日のオレンジも見えます。西日に照らされた紅葉はいっそう赤くなります。ただ、日没後にあまりのんびりしているとすぐに暗くなってしまいます。暗くなったら(明るくても)右の写真の件に注意が必要です。湿原には赤や紫の実のなる植物もたくさんあり、冬ごもりの準備をしている熊と出会うかもしれません。日没時には駐車場に戻るようにしましょう。
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10月12日   レクサスGSのタイヤを替えました
レクサスGSが我が家に来てから1年8ヶ月、走行距離約19000kmとなったところで、タイヤの溝がかなり浅くなりました。間もなくスリップサインが出るというところに来たので交換しました。新車装着タイヤは「SP Sport 2050」 225/50-17という市販されていないタイヤなので、どの程度の性能なのかわかりませんが、グリップ力に関してはイマイチでした。それがすり減ってさらにグリップ力が低下しました。
新しいタイヤは、迷わず「RE050」にしました。ドライグリップ、ウエットグリップ性能からして、レクサスGSには当然の選択です。他にあるとすれば、「デシベル・ユーロ」だけですが、グリップ性能的にはRE050より多少劣る上に高価です。サイズを気持ち大きくして235/50-17にしました。直径が1cm大きくなり、車高が5mm上がり、スピードメーター誤差が多少出ますが、認識できるほどのものではありません。クルーズコントロールで116km/hの時の実速109km/h程度です(下記、自動車のスピードメーター参照)。グリップ力は当然増しましたが、それ以外には目立った変化はありません。

タイヤを交換してから2週間になりましたが、約2000km走りました。普通ではない走行距離ですね。いろいろな都合により、自宅と天文台(往復300km)を5往復した結果こうなりました。慣らし運転も済んで、力一杯走れるようになりましたが、さすがにポテンザ、グリップ力は問題ありません。これまでは、楓林舎までの狭い山道を「滑るのではないか?」という不安を持ちながら(大部分はドリフトなどできる道幅ではありません)運転していましたが、今は自分の運転技術の範囲内では、横滑りする不安が全くなくなりました。走行時の音も以前と変わりません。多少、ゴツゴツした感じが増しましたが、不快ではありません。(これは空気圧を標準より高めにしたからかもしれません)
「アリスト」の後継車なので、1cmにしてもサイズを変えることに不安があったのですが、交換してよかった!という感じで大満足です。

タイヤの選択基準は、「ブレーキを踏んだときの制動距離が短いこと」、「雨で路面が濡れていても滑らないこと」、この2点につきます。これ以外のすべてを犠牲にしてもこの2点でタイヤを選択するべきです。しかしながら世の中には、この大切な2点を犠牲にして、「音が静か」、「乗り心地が良い」、「値段が安い」という選択肢があることが不思議です。メーカーとしては、需用があるから製品を作るわけですが、ユーザーは安全を犠牲にしてまでそれ以外の要求を出すべきではありません。ブリジストンであれば、「ポテンザ」シリーズだけで十分です。それ以外の快適性重視、経済性重視というタイヤは、自分の身の安全、家族の安全を考えれば買うべきではありません。自動車が地面と接しているのは、4カ所のタイヤのみで、それに命を預けているのですから。
そのうち、エスティマハイブリッドにもRE050を付けようと思います。それを勧めないタイヤショップ、カー用品店からは買いません。レガシーGTは最初から新車装着タイヤがRE050でした。
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10月8日   3連休は晴れ
オーナー1は毎日仕事がヒマで仕方ないのですが、反対にオーナー2は、ほぼ毎日休みもなく忙しく働いています。したがって最近、オーナー2が天文台に来ることはまれでした。そのオーナー2が、今回の3連休の後ろ2日だけ天文台に来ました。たまには休みに来ないと壊れてしまいます。オーナー1は3日間ともいましたが、天文台で会うのはかなり久しぶりです。

いつものように楓林舎に宿泊しましたが、新月近くの3連休ですから、星屋さんでほぼ満室でした。天文ガイドにここの紹介が載ったばかりでしたから、同宿していた人たちに「雑誌に載っている人の実物がこれ!?」みたいな感じで、雑誌と見比べられました。今、星を見ている人たちは、中高年のおじさんが圧倒的に多いですね。だいたい同じ世代の人たちなので、気さくにお話ができ、ここに来る星好きの人はみんないい人たちばかりです。話の中で、脱脂粉乳を飲んだとか飲まなかったとか、何年生まで飲んでいたとか、その辺で多少の世代の差が出てくるだけです。
そういうおじさんたちがこれから定年退職していきます。もしくは、仕事の第一線から退いて管理職になり、多少の時間的・金銭的余裕も出てくるでしょう。ポルシェやフェラーリを買うか天文台をつくるかという選択の人もいるかもしれません。値段はだいたい同じですが、耐用年数は天文台の方がかなり長いです。これから「プライベート天文台」というのも多くなっていきそうな気がします。天ガも、そういう時期になってきた頃合いを見てこのシリーズ連載を始め、さらに巻頭カラーページという扱いもうなずけます。

今回の3連休は、この地は奇跡的に2晩とも晴れました。特に2晩目は、ひまわりの雲の写真を見ると、ここだけ穴が空いているように雲がありませんでした。私は1日目は、多少の天体写真を撮り、2日目はオーナー2といっしょに、秋から冬の主な天体を観望しました。写真を撮る場合も、前に書いた通り、鏡筒4本のうちの2本が写真用、他の2本が眼視用になっていますから、写真撮影中も撮影対象天体を観望しています。10分露出なので、10分間見ていますが長いですね。35cmと11cmを交互に覗いていても、さすがに飽きます。この日は透明度がイマイチで、うっすらとしか見えない系外銀河をずっと見ているのはなおさらでした。


       写真はNGC7479 TOA130+ST2000XCMで10分露出 中心部をトリミング
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10月5日   「天文ガイド」にのりました
天文ガイド11月号に「プライベート天文台」シリーズの一環で、ななつがたけ北天文台が紹介されました。
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10月4日   観測地情報
空の暗い観測地を探して、あちこち遠征に行っている人は、「駒止峠」(こまどとうげ)という名前を聞いたことがあると思います。ここの近くです。行ったことがある人もいるかもしれませんが、行ったのは地図の「駒止峠」という文字の少し上あたりの道路沿いの広場(木が生えていない比較的平らなところ)だと思います。そこよりももう少し条件の良いところが2つあります。ひとつは、駒止湿原の駐車場に車を置いて、そこから歩いて車止めを超えて坂道を一番上まで上ったところです。車では行けないので、機材を背負って歩いていきます。歩いて5分ぐらいでしょうか。光るものは何もありません。もし光るものがあったら、野生動物の目です。熊でないことを祈ります。

もうひとつは、地図にある「ここ」です。地図をクリックしてください。駒止峠への旧道を東から入った場合は、駐車場に入らずその先に行きます。峠の一番高いところを過ぎて下りになり、右カーブするところに脇道があります。そこをひたすら入っていきます。この道はほぼ等高線と平行に走るので、アップダウンはほとんどありません。そのうち、視界の開けた岩場に出ます。車で岩の上に上がるとそのあたりに車が数台おける平らな場所があります。下は岩盤なので、赤道儀の安定が良いはずです。思うに、ここに中継局を作ろうとして掘ってみたけど、何らかの理由であきらめた・・・ という感じの所です。駒止峠ではここが一番良いと思います。ただ、ここまでの道は両側からブッシュが突き出ていて、車の両サイドが傷だらけになります。万一、対向車が来てもすれ違えません。

駒止峠のどこにせよ、そこは野生の熊の生息地、まっただ中です。熊は夜行性なので、夜、熊に出会うのはごく普通のことです。特に夜食など食べていると、熊が臭いに寄ってきます。まして、残飯を捨てたりすると、捨てた人は熊に会わなくても次にそこに来た人が熊と会うことになります。あなたが「次の人」かもしれません。

駒止峠をはじめとして、山奥の何もないところに行く人は、そこは熊をはじめとして野生動物たちの住みかだということを十分に認識してください。熊も怖いですが、イノシシも怖いです。シカもびっくりさせると襲ってきます。
要するに、身の安全(と自然保護)を考えるならそういうところには行くなと言っているわけです。
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9月28日   自動車のスピードメーター

今回はちょっとした自動車の雑学です。

自動車のスピードメーターの誤差について、以前に書いたような気がします。以前は、プラスマイナス10%の誤差が許されていました。しかし、現在の工作精度ならば、プラスマイナス1%以下で作れるはずです。しかし自動車メーカーはあえて+5%以上の誤差を残していたようです。つまり、実際のスピードより5%以上高く表示されていました。実測50km/hのときは、メーター表示は53km/h程度になっていたと思われます。こういう設定になっていたのが国交省もしくは警察との談合かどうかは・・・?
ちょっと前にこれが改正されて、今の規則では「メーター表示が40km/hのときの実速が31〜40km/h」となりました。誤差の範囲が下に移動しました。これによりマイナス側の誤差はなくなりました。スピードメーターの表示よりも高いスピードが出ているという心配はありません。いずれにしてもスピード違反になりにくいし、速く走りたいドライバーに「スピードが出ている」という満足感を与える設定です。しかし、20%以上の+誤差を許すのはどうでしょう? スピードを出したがる人が主に購入する車は、国交省もしくは警察との談合により+20%の誤差有りになるのか!? インプレッサSTiやランエボは・・・? まさかGT−Rは・・・? メーター100km/hのとき実速80km/hですよ。海外の基準はまた違いますが。

T社の車の場合、クルーズコントロールで設定できる最高速は116km/hですが、この時の実速は108km/hになるように設定されているようです。+7%程度ですね。T社のクルーズコントロールで高速を走っている限り、オービスが光ることはありません。オーナー2は、オービスが光るとものすごくまぶしくて、目がくらんで危険だと言って怒っていました。

しかし、これが当てはまるのは新品の純正タイヤの場合です。
すり減ったタイヤは、溝が5mm程度浅くなっています。直径でいえば1cmほど小さくなっています。タイヤのサイズにもよりますが、この場合、1.5%程度直径が小さくなっています。スピードメーターも1.5%誤差が大きくなります。1.5%ならほとんど無視できる違いですが、スピードメーターの表示よりもさらに実際のスピードは遅いことになります。反対に、純正タイヤよりも直径の大きいタイヤを付けた場合は、実速は高くなります。その場合は、スピードメーター通りの速度で走っていると思った方がいいでしょう。

なお、純正とは違う直径のタイヤを付けると、スクラブ半径らやその他諸々のセッティングが変わるため、良いことは何もないはずです。以前に乗っていた「アリスト」は、少しでもタイヤの直径が変わるとかなりの音と振動が出ました。私は純正よりも直径の小さいタイヤに換えてしまったため、高級車なのに大きい音と振動に耐えながら、タイヤがすり減るまでの2年間我慢して乗り続けました。
タイヤの直径(やオフセット)の変更に敏感な車とそうでない車があります。「レガシー」には、夏タイヤは純正の215/45-17を付けていますが、スタッドレスタイヤは、215/55-17を使っています。直径が4cmほど大きく、車高が2cm上がります。雪道にはその方が良いわけですが、運転した感じは何の問題もありません。「アウトバック」の純正タイヤが215/55-17なので、それで大丈夫な設計になっているのでしょう。アウトバックはタイヤで2cm、サス関係で3cm、レガシーより計5cm車高を上げています。これにより、乗用車タイプのボディーなのに、最低地上高20cm!です。これも、エスティマハイブリッドとは別な意味になりますが、天文屋向きの車です。
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9月24日   フラット補正板取り付け
ドームのスリットの反対側にフラット補正用の白い板を取り付けました。
実はこれも22日にやりました。夜は天文台で活動していますが、昼間はヒマです。楓林舎に連泊したときの昼間、こういう作業をしています。

これまでは、天体写真を撮影してもフラット補正はしませんでした。私が使うのはほとんどカラーCCDですから、カラーのフラット補正は青空ではできません。白く均一に照明された板に鏡筒を向けてフラット画像を撮影しなければなりません。鏡筒を外して外に持って行くわけにもいかないので、ドーム内に白い板を置くしかありません。

「白い板」というのがなかなか適当なものがありませんでした。
条件は、
 ・色は純白
 ・時間が過ぎても変色しない
 ・平面性が良い
 ・表面はマット面
    というところでしょうか。

最悪、コンパネに白い紙を貼ろうと思っていましたが、ホームセンターでいろいろなものを見てきて、最終的には、観測室の外壁に使用したものと同じ「複合板」にしました。3mm厚の合成樹脂板の両面に薄いアルミ板を貼り付けたものです。アルミ板の表面がいろいろな色に塗装されています。もちろん「白」を使いますが、ちょっと見には塗装面の表面反射が大きそうな気がします。しかし、サンプルをよく見てみると、純白で結構いい感じのマット面でした。
182cmx91cmサイズなので、これを半分に切って使います。これで両面とも白い板を2枚確保したので、使っているうちに汚くなったら裏側にして、その面もダメになったら残り半分に交換すればいい。表面には保護シートが貼ってあるので、長期間保存しておいても大丈夫でしょう。
取り付け方は写真の通りです。アルミ角パイプを上下に使い、それに片側2カ所穴をあけてネジで固定しました。角パイプはドームのフレームに固定しましたが、その際、フラット板の上下方向にテンションがかかるようにしました。引っ張って、たわまないようにしたわけです。

ここまでできて、次が問題です。この板をどうやって照明したらいいでしょう。まず、白い光源でなければいけません。白と言っても、蛍光灯のように輝線スペクトルを出すものはNGです。白色LEDは? これはよく知らないのですが、モノとしては青色LEDに黄色フィルターを付けたものだと聞いているので、分光感度特性はどうなのでしょう? 光源をどうしたらいいのか答えが出ていないので、この作業が後回しになっていました。今考えているのは、白熱電球(赤成分が強い)と白色LED(青成分が強い)のブレンドかな・・・? 

何か良い照明用光源はありませんか?


追記
その後いろいろ探してみて、RGB3色のLEDが一体になっていて、各色ごとに電圧が調整できるものがあったので、それを買ってみました。そのまま3個とも点ければ白になるそうです。4本のリード線が出ていて、+側は共通、−側が各色のLEDに行っています。−側のケーブルそれぞれに100Ωの可変抵抗をつないでみました。確かに色ごとに明るさを変えられましたが、色がびみょーで、どう調整しても「白」とは言い難い色に見えます。明るさもこれだと10個並べても足りなそうです。
とりあえず、これで照明したフラット補正板をS3proで撮影し、「Hyper-Utility」か「RAP」で色ごとの濃度を見て、同じになるように調整すればいいのでしょう。ちょっと面倒そう・・・   もっと簡単は方法は?


追記2
答えは「ノウハウ集」参照


9月23日 バランスウエイトは
              しだいに重くなっていった

右の写真が今現在の望遠鏡全体の後ろ側です。すごくメカニックな感じがしますね。一般の人が見たら天体望遠鏡とは思えないでしょう。
今回、サブ望遠鏡やバランスウエイトの配置を換えたら、極軸と赤緯軸にかかるモーメントがとてもいい感じになりました。これまでは、望遠鏡の向きによって多少アンバランスになるところがありました。

こうやって、なんだかんだ主鏡のまわりに取り付けていったら、バランスウエイトも重くなり続けました。赤道儀が「エルボ型」なので、主鏡とサブ望遠鏡1本だけなら、バランスウエイトはいらない構造です。サブ望遠鏡群や補助装置のために重くなりました。





バランスウエイトの変遷を並べてみました。










これが現在
(下から見上げています)


4番目の写真で、緑の小さいウエイトがビクセン用約2kg。昨日、現在の写真の銀色のウエイトを自作しました。
塗料を小分けにするためのふた付き金属カンに鉛を溶かして流し込みました。この作業は、卓上用ガスコンロを外に持ち出して屋外でやります。
鉛は有害物質ですから。
1個約3.5kgです。中心にはM20のナットが埋め込んであり、ウエイト取り付けシャフトにねじ込めます。鉛は鉄製のカンの中に密閉されており、直接さわることはありません。鉛は、大きな釣具屋さんに行くと釣り用のおもりとして、大きいものがバラで売られています。それを買い占めてくることになります。1kgあたり600円ぐらいです。
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9月22日   久しぶりに晴れ
前回、今年は暑いうえに晴れない話を書きました。今日も暑いことは変わりませんでしたが、久しぶりに晴れました。昼間に限っては、4日連続でほぼ快晴です。その4日間、19日から22日まで、3泊4日で天文台にいました。
しかし夜、山間にある天文台ゆえ、上空は晴れていることが間違いないのに地上付近、というよりも山肌沿いにガスが発生します。3夜のうち1夜は完全に曇り(ガスの中)。1夜は快晴、1夜は曇り時々晴れでした。地表には台風が降らせていった雨水がまだ十分に残っています。霧の発生は仕方ないところです。

1.5夜、晴れたので、久しぶりに天体写真を撮りました。月が半月を超えており、夜半近くまでは準備時間です。十分な時間があるのに、写真撮影をたまにしかしないと、いろいろなミスが発生します。
「おまえ、ど素人とか!」と自分に言いたいことを複数やりましたが、とりあえず何枚か写真が撮れました。

今回の撮影機材は、TOA130F+レデューサー+ST2000XCM、ε180ED+S3proの2セットにしました。今後、すべての天体写真は、原則この2セットで撮影しようと思います。今までいろいろな組み合わせでテスト撮影しましたが、広角画像はε+S3pro、拡大画像はTOA+ST2000XCMを基本にすることに決めました。たいした理由があるわけではありませんが、これらが一番もっともらしい画像になります。TOAのかわりにTEC140もあり得ます。いずれにしても、どれかに決めないと焦点距離とCCD面積の関係で、せっかく撮影しても天体の大きさの比較ができません。

35cm主鏡は空いているので、写真撮影している間にゆっくり観望できます。露光中は、35cmとウイリアムオプティクスの11cmで対象天体をよく観望しました。ところが、ST2000XCMで暗い天体を撮影するときは10分露出を原則にするので、10分近く望遠鏡を覗き続けるのは長いです。さすがに飽きますね。夜空は快晴なのに、露光中は望遠鏡を動かせないので退屈な時間が続きます。「何でこんなにきれいな空なのに、何もしないで無駄に時間を過ごしてるの!?」と思いました。やはり、次々と見たい天体を導入して観望していく方が楽しいです。
天体写真撮影をメインに遠征している皆さんは、露光中、ヒマで仕方ないんじゃないですか?

今回撮影したわずかばかりの天体写真は、「アルバム」に入れておきました。
今回初めて使った電動フォーカサーは便利でした。今までは、パソコンモニタとピント調整ノブの間を行ったり来たりしてました。それがパソコンの前で、リモコンでピント合わせができるのはとても楽です。ピントも合わせもやりやすかったです。以前に書きましたが、ε180ED用の電動フォーカサーは昼間見た限りでは、「ロー」にしても回転が速すぎると思いました。実際の天体でピント調整してみるとやはりちょっと速いです。TOA用の改造電動フォーカサーはやや遅めですがいい感じです。やや「遅い」ということを認識していれば便利に使えます。
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9月18日   今年は暑いうえに晴れない
天文台には、先日の「天文ガイド」の取材のとき行きましたが曇りでした。今回の週末も行ってきましたが曇りました。前回晴れたのは1ヶ月以上前です。
このところ仕事の量が少なく、やりくりすればなんとでもなり、晴れた晩はいつでも天文台に行ける体勢です。にもかかわらず、8月のペルセウス座流星群の時以来、全く晴れていません(途中、1週間ほど旅行に行っていた期間は除く)。
ななつがたけ北天文台付近は、例年、夏でも涼しく、夜は最低限、長袖のトレーナーを着ないと寒いのですが、今年は半袖Tシャツ1枚で過ごせます。そのうえ、去年までほとんどいなかった蚊がたくさんいます。昨日も蚊に刺され、電気蚊取りを出してきました。

某テレビ局「○○ステーション」という番組のFという能力のないキャスターが、異常気象を何でもかんでも地球温暖化のせいにしていますが、必ずしもそうとは言えません。そうかも知れませんが、短期的な現象かも知れません。今はまだわかりません。答えが出るのは、2・30年後でしょう。
Fキャスターの能力の無さとともに私が怒っているのは、テレビで「地球温暖化」の話題の時には、決まって氷河が海に崩れ落ちる映像が流されます。しかし、あれは地球温暖化とはほとんど関係ありません。氷河の先端が海にとどけば、暑くても寒くても海に崩落します。少なくとも今はまだ、海まで続いている氷河があるのですから、本格的な温暖化はこれからです。
地球温暖化について、二酸化炭素のことばかり言われていますが、油田や(渋谷のスパ爆発事故で認識されるようになった)天然ガス埋蔵地帯から放出される「メタン」を問題にしないのはなぜ? 牛のゲップは問題にされているのに...


楓林舎には、T天文同好会が来ていました。おなじみのメンバーですが、16日は、午後になって日も高いうちに「今夜は晴れない」と判断して、酒を飲み始めたようです。それからずっと飲み続けていましたが、この人たちのすごいところは、誰一人として酔いつぶれて寝る人がいません。みんな夜半近くまで起きていて、万が一の晴れに備えていました。でも晴れませんでした。正しくは、0時近くに一瞬だけ雲の切れ間に「すばる」が見えました。「今夜も星を見た」という既成事実ができたところで寝たようです。

そういうわけでこのサイトも、肝心の星関係の部分がしばらく何も更新されていません。ただ、更新というほどのことではありませんが、あちこちをよりわかりやすく、より正確に書き直しています。
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9月11日   「天文ガイド」の取材
「天文ガイド」誌から、ななつがたけ北天文台の取材がありました。「プライベート天文台」シリーズの一環です。ここの天文台建設でお世話になった、昭和機械の社長からの紹介もあったようです。9月9日(日)の午後、ライターの榎本さん(昭和機械製品ユーザーの三木さんのところを紹介した人)とカメラマンの青柳さんが来ました。

「この天文台のことはすべてWebサイトに出てますよ」と言ったら、先方もよくご承知のようで、記事の内容的な取材は最小限でした。しかし、写真は山ほど撮っていきました。明るいうちに天文台全体や望遠鏡の細部の写真を撮り、屋外用の望遠鏡群も撮影しました。ドーム内には、同架されていないものも含めて鏡筒がたくさんあるし、屋外用機材もいろいろありますが、特徴的なものを中心に撮影していきました。ここは、眼視観望を中心に据えている天文台です。
暗くなってから、夜間の状態を撮影しました。さすがにプロのカメラマンさんは、技術やノウハウがあって、自然にはあり得ない配光で夜間の撮影をしていました。しかし、写った写真は見る人にとって自然な感じになっていました。これをさらに画像処理して雑誌を飾るようです。ごく普通に見える夜間の写真も、よく考えて見ると、「なんでこういう写真が撮れるの?」と疑問が出るはずです。それが「カメラマンの腕」なのでしょう。

ちょうど、しばらく旅に出ていたVMC260Lが帰ってきたところで、25Eにこれを同架しました(下の写真)。
ビクセンに調整に出した後、Y氏のところで光学チェックしてもらっていました。調整に出す前より、かなり良くなって帰ってきたらしいですが、私はまだ星を見ていません。もしかすると、同型鏡筒としては日本で一番いい鏡筒になって帰ってきたのかもしれません。親切に対応してくださったビクセンの技術担当者様と、その上司で私の大学の先輩でもある伊藤さんに感謝いたします。
さすがに26cmなので、25Eに同架すると見た目に迫力があります。この方が雑誌の記事向きのようです。

まだ、どういう記事になるのかわかりませんが、ライターさんとカメラマンさんの「腕」に期待してください。
私は自分の天文台を紹介してもらっているという、自分が主人公だという感覚はまったくありません。この記事が読者の皆さんに喜んでもらえて、参考になるところが1つでもあればそれでいいのだと思います。今回、その素材を提供させてもらったわけです。天文業界は狭い世界なので、みんなで協力して盛り上げていきたいと思います。
10月5日発売の天文ガイドに載るのだと思います。このサイトを訪問してくださる皆様、ぜひ購入してあげてください。

なお、ななつがたけ北天文台は、一般公開はしていません。しかし、ここのオーナーが天文台に行くときは、必ず、天文ガイド9月号に紹介された、ペンション「楓林舎」に宿泊しています。同じ日に楓林舎に宿泊したお客様には、ご希望があれば天文台をご案内することも可能です。新月前後の週末には、オーナー1か2のどちらかはいると思います。
それは別としても、この付近は、関東近郊の方々には手軽に行けるところとしては、最後に残されたきれいな星が見られる場所です。一度は来てみてださい。

こんな感じの文章を、10月5日にもう一度掲載します。
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9月8日   小学生によるペルセウス座流星群の研究
                                         (ちょっとお父さんの手伝い入り)
9月に入って関東地方も涼しくなりました。
今年の酷暑には参りました。気温が35度を超えると、何もやる気になりません。冷房の効いた部屋にいる分にはいいですが、そうでない場合は、暑さに耐えるだけで精一杯でした。デジカメで天体写真を撮ってもノイズが多くて使い物にならないし、パソコンが暑さでオーバーヒートするし。夜間のオーバーヒートはありませんが、昼間、太陽望遠鏡を使ったり、日中の金星を見ようとすると、ドーム内は「風通しの悪い日向」になります。パソコンは赤道儀の制御に必須ですから、必ず動いていますが、これに日が当たっていると、たちまちオーバーヒートのアラームが鳴ります。

今後は多少暑くなってもたかが知れています。あと1ヶ月がんばれば、また快適な季節がやってきます。デジタル一眼が活躍できる季節になります。

私の自宅近くの多くの市町村では、学校は明日から2学期です。でも、当県内でも自治体によって、2学期制のところもあれば3学期制のところもあり、8月下旬から授業が始まっているところもあります。
うちの子供が通っている高校と小学校は明日から2学期です。前の日記に書いたように、小学生の子供が夏休みの自由研究で「ペルセウス座流星群」の研究をやりました。これを含めて、何とかすべての宿題が完了しました。

「ペルセウス座流星群」の研究は、小中学生向けの「流星」または「流星群」についての教科書的内容になりました。子供が書いた研究のまとめを私がワードに入力しました。このファイルをアップロードします(こちら)。小学校高学年の理科研究の参考資料としてご覧ください。ただし、これは子供が先生に提出したそのままです。これが展覧会で「金賞」になるには、多少の修正が必要です。
Wordファイルなので、バージョンや環境によっては、表示が乱れる場合があります。そもそも、ワードがインストールされていないパソコンでは表示できません。図の位置等がずれたら直してください。

問題は、これが小中学校の理科の先生に理解できるかどうかです。小中学校の先生で、天文学(地学)を勉強した先生など、皆無に近い状態です。高校・大学で天文学を勉強したことがない先生が星のことを教えるというのは無理があります。要は、つまんない授業になります(最悪、ウソを教えます)。
この寒い現実を打開するには、星好きの皆さんが、ボランティアで子供たちに星の話をしてあげて、実際に星を見せてあげるのが一番です。
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8月29日   皆既月食は曇り     子供の夏休みの宿題
28日夕方の皆既月食は曇りでした。
月食だったらどこで見ても同じなので、天文台には行かず自宅にいました。曇りそうだったこともあり、何の準備もしませんでした。もし晴れたら目で見て楽しむ体勢です。予想通り晴れなくて残念。
月食が見られなかったことが残念なのではなく、皆既中の掩蔽が見られなかったのが残念でした。

これで夏休みのイベントも終わり、秋になるのを待つだけです。ちょうど秋雨前線が来て、しばらく居座りそうです。2週間居座った後、9月の新月は快晴というパターンを期待します。

私としては秋を待つだけなのですが、うちの小学生の子供が、世の中のおおかたの子供と同じで、夏休みの宿題の追い込みで大変です。子供にとっては、これが毎年恒例の夏休み最後の大イベントなのでしょう。「夏休みの自由研究」という名前の強制研究の宿題があります。この自由研究だけですが、宿題の手伝いをすることになりました。子供の宿題を手伝うというのは初めての経験です。担任の先生が、私の昔の職業と実績を知ってしまったらしく、「よろしくお願いします」と言われてしまいました。このサイトを見に来ている皆様には、意味がわからないでしょうが、先生というのは大変なんです。「夏休みの自由研究」として提出される研究作品は、どうしょうもないひどいものばかりです。その中から少なくとも学年で1点、良さそうなものを選んで、地区の理科展覧会に出品しなければなりません。しかし、みんなダメなので選びようがありません。展覧会に出しても「先生が恥ずかしい思いをしなくて済む」レベルの作品は、親にお願いして作ってもらうものなのです。
実は、この下にあるペルセウス座流星群の写真もその一環なのでした。
子供に、「おまえの作品は地区の展覧会で1等賞になって、県の展覧会に行くことになるよ」と言ったら、「うっそー!」と迷惑そうな顔をしていました。
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8月25日   旅行に出かけていました
18日から旅行に出かけていました。帰ってきたので何か書こうと思いましたが、天文ネタがありません。とりあえず北海道を旅行する話を書きます。

北海道は広いので、個人で行く旅行には車がないと不便です。飛行機で行ってレンタカーでいいですが、自分の車を持って行きたい場合は、フェリーに乗ります。関東近郊からの場合、一番便利なのは、車で東北自動車道経由で仙台まで行って、そこから「太平洋フェリー」に乗って苫小牧に行くルートです。PM8時出航、翌日AM11時頃着になります。これ以外のフェリーだと半端な時間に出航または到着となります。関西方面からなら、同じ太平洋フェリーに名古屋港から乗れます。太平洋フェリーは3隻の船を持っており、15000トンか16000トンの大型フェリーで「豪華客船」というほどではありませんが、それに近いかなりリッチな造りです。一番新しくて豪華な「きそ」がお勧めです。
苫小牧港に着いて広いメインストリートを市内方向に行くとすぐ、道路沿いに、一躍有名になった「ミートホープ」社があり、屋上の牛が出迎えてくれます。

北海道の郊外の道の多くは、腕と車が良ければ(非常時に危険回避できれば)時速100km/hで走れます。つまり、目的地まで100kmという表示板があれば、1時間で着くわけです。もちろん、危険な違法行為だという自覚があり、お巡りさんに捕まっても笑顔で罰金を払うつもりがあればです。
今回は札幌から稚内まで一気に走りました。稚内から利尻島に行くフェリーに乗るため、遅くともPM3時に稚内港に着かなければなりません。札幌のホテルをAM8:30に出て、ナビの目的地に「稚内港」を指定したら、到着予想時刻PM5:30と出ました。いくら北海道とはいえ、2時間半の時間短縮はきついかなと思ってあせりました。反面、そんなにかかるわけないという思いもありました。しかしながら、急がなければならないのは事実なので、笑顔で罰金を払うつもりでがんばって走りました。結果、稚内に着いた時点で4時間!の時間短縮しました。関東の郊外と北海道の郊外は別世界なのです。
札幌から稚内への道中の後半は、「サロベツ原野」の中を走ります。前を走る車もいない、対向車もいない同じ景色の原野を延々と走り続けます。ここは片側1車線の一般道を、ポルシェやフェラーリやアルピナなら楽々200km/hで走れます。国産車でもレクサスLSをはじめとして、高速でもスピード感のない高性能車なら180km/hでリミッターを効かせながら走れます。私は、サロベツ原野に入った時点で、フェリーに乗れるのは間違いなくなっていたので、75km/hにセットしたクルーズコントロールでゆっくり景色を見ながら走りました。(こっちで時間を稼げば良かった)

北海道旅行は、3泊前後のパックツアーで行くものではありません。今回の旅行中もそういうパックツアーの集団にたくさん会いましたが、日程や訪問地が無茶です。「とりあえず行った」という既成事実はできますが、全然楽しめていませんし、本来の姿を見られていません。

今回、利尻島と礼文島で、さっきまで海にいたウニで作ったウニ丼を食べました。こういうものを食べてしまうと、本州ではいくら高級な寿司屋でもウニを注文する気にならなくなりました。本州でよく見かけるきれいに並べられたウニは、本来のウニではないことがわかりました。


 * 写真は「ダブルウニ丼」。ご飯の下にもう一層、ウニが入っています。
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8月16日   電動フォーカサー
天文台の望遠鏡の接眼部にJMIの電動フォーカサーを付けてみました。本当はロボ・フォーカスにしたかったのですが、簡単に手に入るこちらにしました。

写真撮影時のピント合わせに苦労しているので、フォーカサーにモーターを付けてリモコンでピント合わせができれば、フォーカスノブを回してはパソコン画面を見てという、あっちへ行ったりこっちへ来たりを繰り返しをしなくて済みます。それだけでも大きな労力減になります。

しかし、やってみると思った通りにはいきません。35cmとイプシロンは、取り付けはあまり問題なくできました。しかし、リモコンには回転スピードのハイとローがあるのですが、ローにしても多少速すぎるように思います。
TOAは、取り付けはできましたがダメでした。TOAはFタイプの大型接眼部なので、モーターのトルクが足りないようでうまく回りません。そこで大改造しました。減速微動ノブ側を回すようにしました。回し方は、35cm主鏡用(フェザータッチ接眼部用)と同じやり方です。
また、簡単にモーターの切り離しができるようにしました。このようにしたら、フォーカサーがゆっくり回ってくれて、微妙なピント合わせができそうです。
ε180用も、使ってみてモーターの回転が速すぎるようなら、このやり方に変えようと思います。
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8月15日   ペルセウス座流星群     屋外用電源
最良の条件のペルセウス座流星群がほぼ終わりました。
福島県・南会津は、連日雲量ゼロの快晴で、夜空の透明度も9/10程度で同じ状態が続きました。天気まで最良でした。今年、この地でペルセウス座流星群の観測をきちんとやっていれば、かなり信頼性の高いデータが得られたでしょう。
私は連続4夜、各3時間ほど流れ星を見ました。これだけ本格的に流星を見たのは久しぶりです。私は大学生の頃、流星を中心に観測していたので、天の川がまぶしく光る流星群の夜は、ドームにこもって写真撮影をするより、外で流星を見ていたいタイプの人間です。
自分の隣に、パソコンと接続しインターバルタイマーで動くデジカメ(S3pro)をセットしました。それを完全自動で動かしながら、自分はリクライニングチェアーに横たわって眼視で流星を見ていました。
今年は、最良の条件にしては流星数はあまり多くなく、ペル群特有の永続痕を残す3段爆発流星も少なかった気がしました。ペル群はピークを過ぎると急激に流星数が少なくなるものですが、今年は13/14にかなりの流星が飛び、12/13よりは少ないですが、それに迫る数でした。


写真データ
  8月14日 2時49分 S3pro ニコン10.5mm
 F2.8 露出1分 固定撮影


今回はドームではなく、広いグラウンドの真ん中での流星観測でしたが、エスティマハイブリッドが大活躍でした。この車は、ハイブリッドバッテリーからAC100Vをとれます。それもMax1500WまでOKです。観測場所の近く、10mぐらいのところに車を置き、そこから延長コードを引いてきて、パソコンとデジカメのACアダプタを接続します。それらを一晩中連続して動かし続け、大量のデータを保存するには、どちらにもACアダプタが必須です。さらに1200Wのドライヤーを接続しました。屋外でドライヤーが使えたら・・・ と思った人は多いことでしょう。今回の観測地は非常に湿気が多いため、レンズが15分程度でくもります。くもる前に、インターバルタイマーでシャッターが閉じている15秒間にドライヤーの熱風で乾かします。さすがにこれは手作業でやらなければなりませんが、ドライヤーさえ近くにあれば、その他の機材の対物レンズもアイピースも夜露など怖くありません。かつては電気ヒーターを機材のそこら中に巻き付け、コードだらけになっていたのがウソのようです。
エスティマハイブリッドは、ハイブリッドバッテリーがある程度消耗すると自動的にエンジンが掛かり、発電機を回して充電します。充電が完了すればもちろんエンジンは自動停止します。天体観測には大変便利な電源車です。AC100Vを取れる車は他にもいくつかありますが、ほとんどは100W程度までで、Max1500Wというのはこれだけだと思います。車中で仮眠するにしても、セカンドシートが大変良くできており、オットーマンも付いて快適です。大きな機材を持って車で観測に行く人は、車買い換え時にはエスティマハイブリッドをお勧めします。
エスティマハイブリッドの自動車としての特徴については、「レポート」をご覧ください。
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8月7日   楓林舎、天文ガイドで紹介される
このサイトを訪問してくれる皆様は、「天文ガイド」9月号を買ったと思います。以前ここに紹介した通り、ペンション「楓林舎」が天文ガイド9月号に載っています。楓林舎と同様に、天文ガイドに広告を出しているペンション「あり賀」さんと一緒に載りました。雑誌に広告を出しておくと、こういうメリットもあるのですね。
TOPページにある夏の銀河の写真も、最初のページに載りました。この写真の説明で、この日の透明度は3/5程度、1分露出と書いてもらいたかったですが、記事の内容は当を得ており、ライターの「高倉なを」さんの能力を高く評価したいと思います。(顔は見えませんが、リクライニングチェアーに横たわって、双眼鏡で空を見ている人です)

楓林舎は、最近のビクセンの「so-ten-ken」でも紹介されました。こうやってメディアに露出すると、それを見たお客様が増えることが期待され、ペンションの経営的には良いことです。反面、ピントはずれの問い合わせや勘違いのお客様が来ることもあります。それらに対してどう対応するかによって、ペンションの評価が変わってきます。楓林舎オーナーは、正直すぎて上手な対応ができないタイプの人です。一般人は、天文屋からは計り知れないくらい星について無知です。楓林舎オーナーは、一般人がどれほど天文学を知らないのかを理解していないため、天文屋の価値観だけで対応してしまいます。客側のニーズを読み取り、相手が必要としている情報を的確に伝えることが下手な人です。ヘビーな天文マニアだけを相手にしている分には、それでも問題ないのですが。最近のインターネットでの口コミというのは怖いものがあります。メディアに出ることが吉と出るか凶と出るか・・・ 私は凶と出ると思っています。この点では「先輩」の、「スター☆パーティー」の事例が参考になるでしょう。
楓林舎常連様方のご支援をオーナーに成り代わりお願いします。

ななつがたけ北天文台も、何ヶ月先かの天文ガイドの「プライベート天文台」シリーズに載るそうです。しかし、これまでに紹介されている天文台と比べると、スケールが落ちます。ネタが尽きてきた、後の方がいいでしょう。
ついでながら、私のところは「天文台」というほどのものではなく、「観測所」と称した方が現実に合っています。しかし、一般の人から見ると、ドームがあって大きな望遠鏡があるところは、「観測所」とか「ドーム」とか言わないで、「天文台」と称しないと理解してもらえないようです。したがって、ネーミングに際しては、一般人の感覚に合わせた名称にしました。
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8月8日   トヨタ ブレイド3.5L発売
8月1日、ブレイドに3.5L マスターシリーズが追加になりました。予想通りの車でした。良い意味で私の予想を裏切ってくれませんでした。ブレイド3.5L GT−4はありませんでした。(あるわけないよね) 元々の2.4Lブレイドも売れない車でしたが、ブレイド・マスターもそれに輪をかけて売れない車になるでしょう。
ブレイドは、見た目は全然違いますが、エスティマと機械的に兄弟車です。トヨタ店にはVWゴルフと対抗できる車がないので、ブレイドのような車なら比較的簡単に作れるので作ったのでしょうが、安易でした。自民党が参議院選で大敗したのと同じような印象を持ちます。国民は結構、政治について考えているんだ! 自動車ユーザーをみんな素人だと思うな!
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8月3日   金属工作
ほとんど満月だというのに天文台&楓林舎に2泊で行ってきました。
今回は星を見るためではなく、望遠鏡のパーツの工作に行きました。「まだやってるのか!」という感じですが、作っては壊し、壊しては作りの繰り返しです。もちろん作るときは、「これでいいはずだ!」と自信を持って、「我ながらうまいことを考えたものだ」と自己満足しながら作るわけです。しかし、実際に使ってみると、思わぬ問題点が出てきます。その改善のために壊して、また作り直すわけです。そのたびにプレートなどの穴が増えていきます。

以前ここに、鏡筒の向きを大きく変えると、主鏡やサブ望遠鏡がそれぞれ勝手な方に視野中心がずれるという問題点を書きました。この原因で普通に考えてわかるのは、
 1.鏡筒の取り付け強度が弱い
 2.接眼部が弱く、アイピース等の重さでたわむ
ということです。今回は、1.の方を改善しました。

改善結果が右下の写真です。左下(改善前)と見比べてください。撮影位置やサブ望遠鏡が違いますが、それ以外の相違点はどこでしょう・・・?
右の写真では、黒い主鏡の鏡筒バンドのまわり3面にプレートが付いています。左の写真では、イプシロンとTEC140のところにプレートがありません(プレートのように見えるのは鏡筒の向きを微調整するための金具)。

昭和機械から納品されたときには、3面とも同じプレートが付いていました。それを背中側だけ残して、残り2面を補強にはならない別な用途に転用しました。しかし、さすがにこれだけの大きさの主鏡とこれだけのサブ望遠鏡を付けると、補強板としてのプレートが3面に必要です。また、このプレートの取り付けは、M8ボルト4本で主鏡の鏡筒バンドに付けますが、その締め付け強度が不足していました。鏡筒バンドがアルミで、それほど厚くないですから、あまり強く締めてねじ穴を壊してはいけないと思い、締め付けにさほど力を加えませんでした。それだとダメです。

本来は、元と同じプレートを昭和機械から買って取り付ければいいのですが、手元にあったアルミアングルと1mm厚のアルミ板を組み合わせて代用品を作りました。多少軽くなっている分、強度は落ちますが問題ないレベルだと思います。また、プレート取り付けボルトは、レンチで力いっぱい締め付けました。こうすることで、鏡筒バンドとプレート(と主鏡鏡筒)が一体となって「箱」になります。

1枚の「板」に載っている鏡筒バンドに筒が取り付けられるよりも、四角い箱の内側に鏡筒が固定されていて、箱が赤道儀に取り付けられている方が、明らかに取り付け強度が増します。
同じ理由で、鏡筒バンドの上側のプレート(左写真)は、常時、しっかり付けておかなければいけません。

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7月30日   地域の活動
今回は、星とはなんの関係もないローカルな話題です。

先週と今週の日曜日、地元にある神社の「刈り払い」というのに参加してきました。自宅の近くに、八幡神社と愛宕神社という2つの神社があります。あちこちによくある名前ですね。地元の住人たちが夏祭りを前に、神社の周りに生えた雑草を刈り払います。昨年までは父が参加していましたが、もう年寄りになったので、今年から私が行くことになりました。どちらも50人ぐらいの人が来たと思われます。基本的に一家から一人参加が原則ですが、ほとんどの家からみんな来ます。すごい参加率です。この日の参議院議員選挙などより遙かに高い参加率です。参加しなかったりしたら、末永く「○○さんのうちは来なかった」と言われ続けることでしょう。
このあたりは農村地帯なので、農家のじいちゃん・ばあちゃんがほとんどです。みんな農作業の格好で来ます。私も、それに極力近いシャツとズボンで、日頃持ったことのない草刈りガマを片手にゴム長に軍手という、私の日常からは滅多に見られないいでたちで神社に行きました。汗だくになりながら、約1時間ほど草刈りをしてきました。草刈り自体はどうってことない作業ですが、八幡神社の周りはかなりの急斜面です。落ちたら一番下まで転げ落ちます。その斜面に70前後(なかには80過ぎ)の老人たちがとりついて草を刈っていきます。みんな元気ですね。地元の人たちが、同じ目的のために一緒に汗を流すということも、地域のコミニュケーションの手段なのかもしれません。最近は農村地帯といえども、近所づきあいが希薄になりつつあり、こういう機会でないと大勢が集まり顔を合わせることがありません。私は新参者なので、知っている人はわずかしかいませんでした。

このサイトを見に来てくれる人の多くは、地元でそういう活動に参加しなければならない年齢の人たちかな?と思います。
定年退職してからではなく、「おじさん(おばさん)」になったら地元の地域活動に参加しておいた方が、老後のためには良いのではと思います。

子供の頃は、今回草刈りした神社でよく遊んだものですが、久しぶりに行ってよく見てみると、両方とも古墳ですね。八幡神社はかなり大きい円墳、愛宕神社は小さめの前方後円墳です。小学校でも中学校でも、それらの神社が古墳だということは教わりませんでした。地元でも古墳だとは言われていません。私が勝手にそう思っただけかもしれませんが、でも、古墳です。穴を掘ってハニワを捜したくなりました。
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7月24日   また昼間だけ快晴に      気象衛星写真について
昨日と今日の昼間、栃木県はすばらしい快晴でした。梅雨明けを思わせる「梅雨明け10日」の頃の光です。気象衛星の雲の写真を見ていると、日本海に西から雲が来ているのですが、日本の陸地にかかる前にみんな消えています。太平洋高気圧が強いときの特徴です。私はこのところ、毎日ひまなしで仕事ですが、パソコン関係なのでいつでもインターネットは見られます。バッチ処理などで画面を見ているだけの時間ができると、気象衛星写真を見ています。
外は快晴、気象衛星の写真でも雲が来そうな気配がない。今日は仕事が終わったら、天文台に行くしかないなと思っていました。月が半月ですから、早く行っても仕方ないので、月が沈む時間(0時ちょっと前)に行けばいいと考えていました。自宅で夕食を食べて、一休みして22時に出ればいい。
自宅に帰り、19時頃から30分おきぐらいに、屋上に出て空を見て、部屋で気象衛星写真を見てを繰り返しました。繰り返すごとに薄雲が増えていきます。それまで消えていた雲が消えなくなりました。21時の時点で、「今日はダメ」という結論に至りました。またしても快晴は昼間だけ。

星見の遠征を計画をしているときは、皆さんも同様だと思います。星を見に行く場合、天気予報とか天気図はあまり役に立たないので、気象衛星写真が命綱です。いろいろなサイトから気象衛星写真が提供されていますが、一番大きくて見やすいのが、元祖気象庁です。気象庁の気象衛星写真のページを開き、デフォルトは「赤外」写真になっているので、まずはそのまま「拡大」をクリックして見てみましょう。昼間なら、「可視光」にすると、今、雲がどうなっているのかよくわかります。次に「水蒸気」にすると雲の予備軍や透明度の予想ができます。現状をよく見たら、「動画方法」を「最近24時間」にして「赤外」で雲の動きを見ましょう。昼夜変わらないコントラストでの雲の動きは「赤外」でしか見られません。赤外写真で見ると、地上にうっすら白い雲のようなものがあります。しかし、これはいつも同じ場所に同じ濃度であるので、地上の森林(が出す水蒸気)が写っているのではないかと思います。しかし、低い雲の場合もあるので、動画で見ないとわかりません。
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7月19日   楓林舎 天文ガイドの取材
18日の夕方、天文ガイドの編集長とライターさんがペンション楓林舎に取材に来ました。1泊していろいろな話を聞いていきました。南会津の空がきれいだということと、天ガに広告を出している関係で来たようです。同じ条件のペンション「ありが」さんにも、前日、宿泊してきたそうです。今日取材して、来月発売の雑誌に載るそうで、「原稿締め切りはいつですか」と聞いたら、「今日です」とのこと。これから東京に帰って原稿を書くようです。ご苦労様...
天文台オーナー1は立会人です。いろんな話をしたので、記事の内容がどうなるのかよくわかりません。TOPページにある天の川の写真も載るかもしれません。でもこれ、南に雲があるとき撮った写真なので、関東平野からの光を反射していて、実際の空より悪く見えてしまいます。なお、下にある地面の黒は、原板でRGB3色とも8ビット(計24ビット)で濃度「0」です。天文ガイド9月号をお楽しみに...
そのうち別の機会に、「ななつがたけ北天文台」も天ガの「プライベート天文台」のシリーズに出るそうです。

今回楓林舎に行ったのは、雑誌の取材ということもありますが、先日の地震で、天文台の方の極軸がずれていないかどうか確かめたかったのでした。しかし、残念ながらというか当然というか曇ってしまい、星は見えませんでした。
天ガの取材班も2泊して2泊とも曇りで、南会津の夜空を見ないで帰ることになりました。
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7月14日   新月、週末、台風、地震

今回の新月の週末は、台風直撃という最悪の条件になりました。通常ならば、遠征に行ってたとえ曇ったとしても、帰りに温泉に入ってくるとか、近くの観光地に寄ってくるとか、宿が取ってあれば仲間と酒を飲んでくるとか、星以外の楽しみも何かあると思います。でも台風では、遠征を中止するしかありません。1週間後に延期してたら半月です。
しかし、私は台風の中、天文台&楓林舎に行ってきます。自宅が栃木で天文台が福島だということで、台風が来ていても、沖縄や九州ほどではないのは明らかなので、3連休のうちの後ろ2日を楓林舎で過ごしてきます。ただ、心配なのは崖崩れです。道中、いつ崩れてもおかしくない断崖絶壁の下を通ります。また、16日に雨がやんでいれば、駒止湿原に行こうと思いますが、ここも途中の道が落石は当然で、道そのものがいつ崩落してもおかしくないところです。雨の量によっては、木道が水没しているかもしれません。それでも行くほどの理由も固い意志もありませんが、たぶん丈夫だろうという安易ですが、ある程度科学的な予想からです。

関東以南から南会津に行く人は、東北自動車道を西那須野インターで降りて、塩原温泉を通って行くと思います。前記の断崖絶壁の下というのはその塩原温泉です。大雨が降っているときやその後は、できれば通りたくないところです。かと言って、宇都宮で降りて、鬼怒川温泉を通って行っても、五十里ダム付近で断崖絶壁の下を通ることは同じです。私はそのあたりで、落石に直撃された車とその救護に向かう救急車に遭遇したことがあります。あと数分の違いで、私の車だったかもしれません。これ以外のルートだと非常に遠回りになります。仕方なく塩原温泉を通るとしたとき、ルートの半分は一本道で、断崖絶壁の下を通らなくてはなりませんが、あと半分は迂回できます。
行ったことのある人向けの話ですが、塩原温泉の道で、途中、道幅が狭いために二叉に分かれて一方通行となり、また合流するところがあります。合流したところに日大の研修施設があり、そこに信号があります。その信号を左に曲がり橋を渡ります。そうすると川の南側の道を通れます。こちらの方が道幅が広くて走りやすいうえ、落石の危険がありません。しばらく行って、大きなホテルの前を通り過ぎたあと、右に曲がる道が2つあるので、そのどちらかを曲がれば元の道に戻ります。これで危険な道の半分は迂回できます。でもこの後、まだ2つ峠があり、土砂崩れや落石の危険がつきまといます。

来年になると、関東から南会津に行く新しい道ができる予定です。東北自動車道の白河インターを降りて西に向かう道、国道289号線があります。地図で見ると、このR289が甲子(かし)あたりで切れています。「なに、これ?」と思うのですが、現在、ここが通行できない状態になっています。仮にも国道と名の付く道が通行できないというのも前代未聞ですが、今、ここにトンネルを掘っています。全長4345mの長い長いトンネルです。その先に甲子大橋という全長199mの長い橋もあります。これが来年開通予定です。
http://www.thr.mlit.go.jp/koriyama/ の「一般国道289号 甲子道路」参照

この道ができれば、落石の危険性のあるところが少なくなります。残念ながら、ゼロにはなりません。R289も山の下を通ります。しかし、南会津までの時間は多少早くなりそうです。紅葉の時期、塩原温泉の渋滞もさけられます。来年のいつ頃になるのかはまだ未定のようですが、早く完成することを願うばかりです。


17日 追記

予定通り行ってきました。たいした雨でもなく、落石にも遭わず、無事に帰ってきましたが、晴れませんでした。気象庁の衛星写真とにらめっこしながら、「もしかしたら夜半過ぎには晴れるんじゃないか・・・」と思っていましたが、そうはいきませんでした。
台風の中、来る人は我々だけじゃないんですね。楓林舎には、計3組の客がいました。
16日(月)には、地震に遭いました。福島県西部ですから新潟県に近いわけで、かなり大きな揺れでした。これほどの揺れは、一生のうちでも片手に収まるくらいしか体験できません。ドームにいたわけではありませんが(いたとしても、この中なら強度的に問題ありません)、ペンション楓林舎のダイニングにいました。揺れは大きかったですが、被害は何もなく、棚から小さな物がいくつか落ちただけでした。行ったことのある人はわかるでしょうが、楓林舎の建物が倒壊することは考えられません。これが倒れるときは、町内すべての建物が倒壊するでしょう。中にいた人はみんな、あわてることも避難することもなく、その場で揺れるのを見ていました。長かったです。揺れ方が結構変わっていって、今、地下で何が起きているのかわかるような感じでした。
ただ、赤道儀の極軸が心配です。ズレたかな・・・?
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7月8日   Eメール
自宅や会社で、なんの問題もなくWeb閲覧やメールができているパソコンを、他の場所に持って行ってそこのネットワークにつないだとき、WebはOK、メール受信もOK、なのにメール送信ができない、という経験はないでしょうか。最近増えているはずです。私も自宅ではなんの問題もないパソコンを天文台に持って行くとその症状でした。

これに関連する話ですが、私の自宅で、7月5日の午前中までメールの送受信とも問題なくできていたパソコンが、5日の夜から急に、メールの受信はできるけれども送信ができないという、その症状になりました。設定等は何もいじっていません。私はSEなので、何でそうなったのかをすぐに理解できなければいけないのですが、ここだけはプロバイダーさんにお任せで、自分ではあまり勉強していない分野でした。しかし、さすがに、これは自分のパソコンの問題ではなく、プロバイダー側の問題だということはすぐに認識しました。

私は自宅で、ふたつのプロバイダーを利用しています。メールは「so-net」を使っていますが、インターネット接続そのものとWebサイトは「cc9」を使っています。実はこれ、最初に書いた「自宅で使っていたパソコンを他の場所に持って行って、そこのネットワークにつないだとき」と同じ環境です。
まずは「so-net」でなにかトラブルや設定変更がなかったか調べましたが、何もありません。続いて「cc9」を調べたら、「25番ポートブロック(OutboundPort25 Blocking)実施」の案内がありました。7月5日実施、とありました。当然、事前にその知らせが来ていたはずなのですが、cc9からのメールは全然見ていませんでした。
25番ポートというのは、メールの送信だけに使い、自分が送信したメールが自分のところからインターネットに出て行く出口です。25番ポートブロックはここをふさいでしまって、会員だけに別の出口を提供するものです。

「25番ポートブロック」を実施するプロバイダが最近増えています。光回線はほとんどそうでしょう。迷惑メール対策がメインですが、フィッシングメール送信の防止、Botnet対策、ウイルス感染者から送信されるメールの防止などの効果もあります。一般ユーザーには良いことですが、私のようにcc9のサーバを経由して、so−netのメールを送信している人を閉め出す効果もあります。したがって、私はもう、cc9経由でso−netのメールは出せなくなったわけです。so−netのメールアドレスを使うのをやめて、so−netとの契約は解約するしかない・・・と、普通の人はあきらめるわけです。
メールの設定をプロバイダーの指示通りにしかできない人はあきらめるしかないですが、理屈がわかっている人は裏技でもなんでもなく、正規の方法で引き続き、cc9経由でso−netのメールを出すことができます。メールの受信は、so−netのメールアドレスを使う限り、so−netのメールサーバ(popサーバ)を使うしかありませんが、メール送信はどこのサーバを使ってもかまわないのです。メールの設定で、

 受信(POP)サーバ :pop.so-net.ne.jp  (一例で実際の名前ではありません)
 送信(SMTP)サーバ:smtp.cc9.ne.jp    ( 同上 )

のように、受信サーバと送信サーバを別のプロバイダー(ドメイン)にしてもいいのです。
「25番ポートブロック」されている場合は、このように設定した上で、マイクロソフトのメールソフトの場合の例ですが、
  ・「このサーバは認証が必要」にチェックを付ける
  ・「送信メールサーバ」に対して「次のアカウントとパスワードでログオンする」にチェックを付ける
  ・自分が今いる場所で接続しているプロバイダ用のアカウントとパスワードを入れる
     これらはその場所のシステム管理者に聞かないとわかりません。
  ・「詳細設定」で送信サーバのポート番号を25から587に変更する。
これで、メール送信ができるようになります。(自宅に帰ったら、かならず元に戻してください)
ことばで書くと面倒な操作に感じますが、設定を変えるのは送信側だけなので、一度やってみれば簡単なことです。

インターネットを使っている人は十分承知していると思いますが、迷惑メールやインターネット犯罪が多発しています。それらを防ぐ手だてを用意すると使いやすさが損なわれていきます。しかし、インターネットによる利益を享受するとともに、被害を防ぐことは必須です。最新版のヴィールス対策ソフトをインストールして、そのフル機能が使えるようにし(デフォルトでは機能の一部しか使えないようになっています)、きちんとお金を払って更新しておくことは必須です。絶対にこれをケチってはいけません。それと同時にWindowsパソコンなら、WindowsUpdateをすべて実行し、個別のアプリも最新版に更新しておく必要があります。
これが理解できない人は、絶対にインターネットに接続してはいけません。あなたの財産がなくなる可能性があるうえ、大勢の人に迷惑をかけることになります。
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7月6日   梅雨本格化     エスティマハイブリッド&レクサスGSの話
九州から本州は梅雨ですね。毎日雨や曇りで、ほとんど星が見えません。天文台には6月24日以来、行っていません。月が大きいということもあります。月が大きい時期に雨というのは、運がいいのかもしれません。さらに運がいいのは、私の仕事が6月25日以来忙しくなっており、天文台に行きたくても行けません。
7月14/15/16日は、本来は3連休ですが、14日の夜は仕事が入っていて、せっかくの連休だというのに天文台には、15/16の一晩しか行けません。そのころはまだ、梅雨が明けていないはずなので、星が観られることはあまり期待できません。6月30日に紹介した駒止湿原は、紹介しておきながら今年は行けませんでした。15か16日には、花が咲き終えて種になりかけた駒止湿原の草たちを見に行きたいと思います。高清水自然公園のヒメサユリ園は今日で終わりなので、群生地にはもう入れません。
15/16は、オーナー2も行っているだろうし、東洋天文同好会のメンバーも楓林舎に多少残っているだろうし、楽しく過ごせると思います。

私の仕事は、お客さんのところに出向いて行って、パソコンの技術的な作業をしてくることが主なので、車が必須です。連日雨に降られると、車が泥だらけでかなりきたなくなります。泥だらけの車をお客さんの玄関前に止めるのは気が引けるので、こまめに洗車するようにしています。ところがこの時期、今日は降らないだろうと思って洗車しても、その日の夕方か翌日に雨に降られるというパターンが続いています。特に、レクサスGSを自分で洗うことはまれで、きたなくなるとレクサス宇都宮北店に行って洗車してもらいます。しかし、「今日は降らないだろう」と思って行くと、その日のうちに雨になるパターンが続いています。せっかくの「やや高級車」なのに、きれいな状態で走ることがほとんどありません。泥だらけの高級車ほどみっともないものはありません。本当の高級車オーナーとは、汚れたら間髪入れずに磨いてくれる運転手がいるものです。自分で洗わなければいけないオーナーは、無理して高い車を買ってはいけない人たちなのです。

家を出る時点で雨の時は、エスティマハイブリッドで出かけるようにしています。この車、E−Four(電気的4輪駆動)と称しながら、4輪が駆動されるのはほとんど発進時だけで、通常走行時は雨でもずっとFFです。これを確認するため、雨の中、走行状況のモニターをずっと見ながら運転しました。雨の中のコーナーリングは、車体が重いこともあり結構滑ります。滑ってから一瞬4WDになりますが、すぐFFに戻ります。これを4輪駆動と言っていいのでしょうか。今年の冬、天文台までの雪道を安全に走れるのかどうか、ちょっと不安になります。レクサスGSはフルタイム4WDなので、使い方を逆にしないといけないのかもしれません。かもしれないのではなく、そうすべきなのですが、レクサスGSは、タイヤが空気圧センサー付きだということがネックです。レクサスGSにスタッドレスタイヤを用意するには、レクサス純正の空気圧センサー付きアルミホイールを買わなければなりません。「レクサス純正」... 高そうな響きがあるでしょ。実際、高いです。
空気圧センサーのないホイールを付けるとメーターパネルのアラームがずっと表示されたままになります。その状態だと、それ以外の情報が見られなくなります。レクサスGSのコンピュータには、多数の初期設定変更機能がありますが、「空気圧センサーOFF」はありません。
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7月1日   冷却CCDの乾燥剤再生処理へ
購入してもう2年以上になる冷却CCDのST2000-XCMが、2・3ヶ月前からCCD面に霜が付くようになりました。ここしばらくは、冷却せずにガイド用に使っていたのですが、いつまでもそういうわけにはいかないので、乾燥剤の再生処理をすることにしました。・・・と書くと、自分でやってその方法を紹介しそうに聞こえますが、誠報社にお願いしました。自分でできないことはないですが、1個だけやるには時間もかかり面倒な作業なので、月が大きくて写真撮影のできない時期に処理に出しました。誠報社でもその時期にまとめて処理するようです。乾燥剤の再生処理は、1年に1回定期的にやるべきものと心得ておきます。ななつがたけ北天文台では、1月か2月の満月の時期に再生処理に出すべきなのでしょう。余計なことですが、誠報社はMさんとEさん二人とも辞めてしまったようです。乾燥剤の再生処理は、外部委託になるので時間がかかるという連絡がきました。

FLIの冷却CCDは、完全密閉構造でメディカルグレードアルゴンガス充填(キセノンガスも選択可)という仕様になっています。専門家が作れば当然そういう仕様になるはずで、アマチュア向け天体観測機器を作っているメーカーは、メーカーの中では素人に近いのでしょう。みな中小企業で、人材もノウハウも偏っていて、「どこから見てもプロが作った製品」とはなりません。日本の天体望遠鏡メーカーを見れば、ビクセンもタカハシもメーカーとしては素人に近いのがわかります。いくらレンズだけ設計が良くて精度が良くても、タカハシの製品は素人の自作の領域を出ていませんね。プロといえるのは、ペンタックスだけでしょうか。ビットランという会社は、プロのように見えるのですがどうなのでしょう。

ニコンかキャノンかオリンパスが、冷却CCDや天体用光学系などを作ってくれたら、我々はもっと楽にきれいな天体を見られるんですけど。ニコンが再度望遠鏡を作るようにはならないでしょうが、冷却CCDだけなら・・・? 望遠鏡関係は、大手メーカーは利益にならないから作らないのでしょうが、ペンタックスがすでに作ってるから(需用的に1社で十分)という理由と、たいした利益にもならない分野に進出して中小企業をつぶすのは、企業イメージ的に良くないという観点もあるでしょう。ペンタックス(HOYA)が撤退したら・・・?
キャノンは、世界シェアNo.1になれる分野しかやらないというポリシーがありますが、冷却天体カメラだけなら、SBIGなどを駆逐して世界のトップになるなんて、いとも簡単なことだと思われます。今後も冷却天体カメラは、ある程度の利益になるのではないでしょうか。キャノンのCMOSだと難しいようなら、小型CCDはニコンが使っているSONY製をそのまま使えばいいし、大型はコダック製しかないし。AOシステムは手ぶれ補正でいいので本体内蔵。そうするとニコンが一番近いか。SONYも可能性大。大型だと意外にペンタックスか・・・? どこでもいいから、APSサイズからKODAK KAF-16803(37.3x 37.2 9μ)サイズまでのラインナップで、「プロが作った冷却CCDカメラ」を販売してもらいたいものです。
ソフト側はすでに「ステライメージ」があるので、このエンジンをOEMすればいい。大手メーカーはこれをやらないで自社開発しようとするからコストがかかってしまう。日本の大手メーカーの「プロが作った冷却CCDカメラ」というのは、アマチュア天文家の手には入らないものなのでしょうか。
もう終わってしまいましたが、株主総会に行って訴えるというのはどうでしょう。
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6月30日   天文台周辺の案内
ななつがたけ北天文台は、自然豊かな山間部にあるので、近くには自然系の観光地がいくつかあります。
実は、この時点で紹介するのは完全に手遅れで、本当は今日行ってもらいたい場所です。


駒止(こまど)湿原
尾瀬よりは小さいですが、尾瀬ほど有名ではないため、あまり大勢の人が入らないので、自然の状態が保たれた美しい湿原です。面積約127haで国の天然記念物に指定されています。
5月から10月ぐらいまで、その時々で違った花が咲き、違った景色が楽しめます。特に今、6月下旬から7月初めには、ニッコウキスゲ、ワタスゲ、ヒオウギアヤメの、黄色・白・紫の3色の花が一面に咲きそろい、最も美しい時期です。木道の足下に目を落とすと、食虫植物のモウセンゴケがあります。年によって若干のずれがあり、3色そろわないこともありますが、今年はどうでしょう。
ただ、この時期が一番美しいため、最近は大型観光バスが連なって入って来ます。普通乗用車でさえ、すれ違うのに苦労する山道に大型バスは困ります。当然、駐車場も満車に近いでしょう。でも、行ってしまえば何とかなります。


高清水自然公園

高清水自然公園は、「ヒメサユリ」で有名なところです。ヒメサユリは、日本固有のユリ科の植物で、新潟、山形、福島の深山に分布していますが、ここほど群生している様は他では見られません。今が満開です。
公園内には、他にも小湿原があり、木道や散策路もあり、いろいろな植物が楽しめます。散策路沿いにぽつんと咲いているヒメサユリも風情があります。














                 大内宿

こちらは自然ではありませんが、自然と人間の共同作品です。
大内宿とは、旧会津西街道の宿場町です。江戸時代の宿場町がそのまま時代に取り残されて、今に残ってしまった不思議な場所です。意外に広い道の両側に藁葺きの民家がならび、当時の雰囲気をよく残しています。知らずに来ると映画のセットと思ってしまいます。国の重要伝統的建造物群保存地区(通称町並み保存地区)の一つです。今はほとんどの建物が、おみやげ屋さんや民宿、食事処として利用されています。

それぞれの詳細は、インターネットでこれらをキーワードに検索すれば、たくさん見つかります。
この3つと「塔のへつり」を加えた4箇所が、セットで南会津の観光ルートになっていると思われ、この時期の休日は混むと思います。しかし、上の2つは行くなら今です。「今日、行け」といわれとも、そうはいかない皆様は来年に向けて心がけておいてください
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6月28日   坂井泉水
先月27日、不慮の事故で亡くなった坂井泉水「しのぶ会」が、27日、しめやかに・・・と思ったら盛大に執り行われました。beingグループとしては、しめやかにと思っていたのでしょうが、ものすごい数の参列者が来てしまい、どうにもならなくなってしまったようです。参列者の人並みがいつまでも途切れないため、終了時刻が何度も延長されました。私も仕事がなかったら行きたかった。
芸術家の宿命ですが、死んだ後に高い評価を得られるものです。しかし、人知れず死んでいき忘れ去られる芸術家が大多数である中、坂井泉水(本名 蒲池幸子 享年40)の名は後世に残るのでしょう。ヒット曲の一部は、音楽の教科書にのるかもしれません。本名でグラビアアイドルをやっていた時代の、知る人ぞ知る「蒲池幸子写真集」のプレミア価格は、近年下がっていましたが、また上がったことでしょう。

私がGIZAスタジオのプロデューサーだったら、「しのぶ会」会場に、ZARDのメンバーとされるミュージシャンたちを集めて、三枝夕夏に坂井泉水の曲を歌わせたと思います。でも、さすがにそういう商売じみたことはやらなかったようですが、beingグループの中で坂井泉水のファンを引き継げるとすれば、ちょっと弱いですが三枝夕夏かと思います。三枝夕夏が大塚愛と同じ路線を行ったら、負けて当然ですから、坂井泉水系を受け継ぐべきでしょう。でも、三枝夕夏&愛内里菜のユニットは当たりでした。これは続けていいでしょう。
実は私、音楽(J−POP)関係もやりたかった仕事のひとつなのです。

もうひとり、もし死んだら高い評価を受けるミュージシャンは、元レベッカのNokkoです。彼女は元気で、いまでも音楽活動をしているはずですが、もう一度表舞台に戻ってもらいたいものです。尾崎亜美もそうですが、おばさんが表舞台に戻るのは難しいのでしょうか。Nokkoのプロデューサーもがんばったらしいですが、難しかったようです。
もし若くして死んだら、高く評価してもらえるおばさんミュージシャンたちに、もう一度光を当ててもらいたい。
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6月27日   問題

天体望遠鏡のことで、以前から困っていることがあります。TOPページの望遠鏡の写真を見ながらお考えください。

25E赤道儀は、真南の高度0度をホームポジションにしています。つまり、望遠鏡を使わないときは、鏡筒が南を向いて水平になっています。この状態からパソコンの電源を入れ、その位置からいきなり天体を自動導入すると、南の中天付近なら目的の天体が視野の中央に入ります。ホームポジションからアライメントなしでも、その程度の精度があります。ここで、同架されているサブ望遠鏡の向きも同じ天体が視野中央に入っていることを確かめます。ずれていたら調整します。
その位置から45度以内ぐらいの範囲ならば、次々と自動導入していっても、目的天体はほとんど視野中央に入ります。サブ望遠鏡の方も皆ほぼ視野中央です。しかし、そこから90度以上離れたところに向けて、35cm主鏡を覗くと目的天体が視野中央からずれています。方向にもよりますが、角度で10’ぐらい(もっと大きく動かしたときはそれ以上)ずれます。ここでサブ望遠鏡のTOA130を見ると、主鏡以上に20’ぐらいずれていることがあります。
ε180も20’ぐらいずれています。ただし、TOAとは違う方向にずれています。FC50はさらにずれていたりします。しかしTEC140は、視野中央付近(5’以内のずれ)にあります。鏡筒の向きが大きく変わると、それぞれの望遠鏡が勝手な方を向いてしまいます。
屈折系サブ望遠鏡の接眼部には、結構重い天頂ミラーやアイピースが付けられています。
しかし、写真撮影の時、ガイド鏡と撮影鏡が別々でも、10分露出程度ですが、ガイドが流れたことは一度もありません。
極軸は結構合っており、30分露出程度ならずれません。鏡筒バンド等のネジは十分しっかり締まっています。

答えは、簡単に言えば「取り付け強度が弱いから」ということになるでしょうが、どこがどう弱いのでしょう。鏡筒バンド、主鏡セル、斜鏡セル、スパイダー、プレート、サブ望遠鏡微動装置、鏡筒そのもの、接眼部の強度(アイピースの重さ)、etc.・・・?
どこがどう弱そうだから、どうしたら良いというお考えがあれば、左の「Eメール」をクリックして、メールで教えてください。
それとも、多かれ少なかれみんなその程度のものだから、気にしない方が良いとか...
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6月24日   週末、またも昼間だけ快晴
先々週末、16日(土)は、午前中から年に何回かしかないくらいのすばらしい快晴でした。しかし、その日の夕方、薄明終了とともに薄雲が来ました。その夜、薄雲が消えることはありませんでした。昼間、期待が大きかっただけにがっかり。
今回の週末23日(土)もまた、昼間見事な快晴です。オーナー2は楓林舎に行っています。私は残念ながら、この日は夜遅くまで予定が入っていて、天文台へは行けません。ところが、その用事が意外に早く終わり、自宅に21時過ぎには帰れることになりました。22時に自宅を出れば、0時前に天文台に着きます。1時頃、銀河が天頂に来るし月も沈みます。「自宅に帰ったとき快晴だったら行くぞ!」 そう思いながら、家路につきました。当然、快晴であることを期待していました。先週、下の写真のように、「雲がたなびく銀河」しか撮れなかったので、1週間後にリベンジを果たせるのはラッキーです。自宅に着くやいなや屋上に上り、空を見ました。
  またもや! 薄曇り! 
特に天文台のある北の方が雲の量が多いようです。がっかり。行くのはやめました。実際のところ、南会津の空はどうだったのでしょう。オーナー2に聞いてみます。
2週続きで同じことになったわけですが、後から考えれば経験的に当然の結果です。「快晴は12時間以上は続かない。」 日本の場合、そういうことです。朝から快晴の日は、その夜については大きな期待を持たない方がいいでしょう。
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6月18日   梅雨入りと思ったらまた晴れた
前回天文台に行ったときが、梅雨前の最後の晴れと思ったら、梅雨がどこかへ行ってしまいました。
16日(土)は、午前中から年に何回かしかないくらいのすばらしい快晴でした。週末でもあり、当然天文台に行きました。夕方までは、空を見ても気象衛星の画像を見ても、今夜、一晩中快晴になるのは間違いないと思われました。夕方から観測機材を準備万端整えて、夕食を食べて、薄明が終わる頃外に出ました。なんと! 薄雲が・・・。
一緒に楓林舎に来ていた東洋天のKさんも、今夜の空は文句なし!と意気込んでいたのにがっかり。その後、透明度3/5ぐらいの状態が一晩中続きました。
Kさんが持ってきたTSAを見せてもらいました。コントラストがすごく良くて、すばらしい鏡筒だと思いました。持ち運んで観望・観測するのはタカハシの筒の場合、大きさ的にここまででしょう。ただ、15cmを持ち運んでいる人もいるので、これ以上は気合いの問題です。

透明度3/5でも、そこは南会津の空ですから、天の川ははっきり見えました。私は夕方、「今夜は対角魚眼で天の川を撮るぞ!」と準備していたのですが、透明度の悪さにちょっとがっかり。さらに、南の地平線近くには、常に雲がたなびいていてさらにがっかり。50秒の固定撮影で撮れたのが右です。原板は妙に縦長なので、上の方の一部を切りました。快晴ならば下の方の黄色い光は無いはずなのに・・・。最高の透明度の空で、こういう構図の写真を撮れるチャンスは、年に1・2回しかないのでしょう。次の機会を待つことにします。

* 写真データ
   カメラ:FinePix S3 Pro ISO1600 60秒露出
   レンズ:AF FISHEYE NIKKOR 10.5mm F2.8GED 開放

    30秒露出画像  60秒露出画像

17/18(
*注)はさらに透明度は落ちました。2/5以下だったでしょう。しかし、シンチレーションは小さく、また高倍率で惑星状星雲や二重星を観望しました。

*注 「17/18」と書いた場合、「17日と18日にまたがる夜」という意味です。もちろん17月18日ではありません。
このWebサイトでは、「夜」はこういう表記をします。
流星観測をする人は常識ですね。

1ヶ月ほど前、ZEISS/バーダー「究極双眼装置」について書きました。これが「究極」であることは間違いないのですが、これとは別に、ちょっと前に買ったテレビューの双眼装置もあります。こちらは最近使っていませんでした。こちらも悪くはないですが、車に積んで移動すると振動で左右の光軸がずれます。私のも光軸がずれて使えなくなっていました。オーナー2が同じものを持っているので、先日見せてもらったら、同様にずれていました。双眼装置の光軸ずれというのは、すべての星が二重星になります。オーナー2と2台まとめて修理に出そうと言っていたのですが、どうせ修理に出すなら・・・と思って、自分で調整してみました。適当に調整ネジを回したら、運良く直ってしまいました。光軸はある程度以内の誤差に収まれば、人間の目(脳)がコンポジットしてくれます。

双眼装置が2個あってもしかたないから、テレビューの方をヤフオクに出さないのかと言われそうですが、ドーム内には鏡筒が複数あるので同時に2個使います。双眼装置を使ってみればわかりますが、片目を閉じて星を見るのがどれほど苦痛なことなのか。できればすべての鏡筒を双眼にしたいくらいです。アイピースがいくつあれば足りることやら・・・
また、ヤフオクに出して誰かが買ってくれたとしても、そこへ送ると配送中に光軸がずれて、返品されるのが落ちです
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6月14日   梅雨前最後の晴れ      ズームアイピース
11/12と12/13の夜、晴れました。11/12の方は、透明度3/5、シンチレーション2/5程度でした。この日は低倍率で、星雲星団や二重星を見ました。二重星はシンチレーションの関係でいまいちでしたが、星雲星団はきれいに見えました。それよりも、天の川が久しぶりにはっきり見えました。35cmで、ネビュラフィルターを付けた50倍で見た網状星雲は圧巻でした。よく写った天体写真と同じように、両側にある網状星雲の間の星間ガスの光もはっきり見えました。
この夜は、久しぶりに45cmドブソニアンも引っ張り出して覗いてみました。集光力では、35cmの2倍近くありますから、さすがによく見えます。このドブは翌日、改造&調整(の仕上げ)をしました。「ノウハウ集」参照。

12/13は、透明度2/5、シンチレーション4/5程度で、久しぶりに大気が落ち着いていました。この夜は、日頃滅多に使わない(使えない)XW3.5mmを35cm鏡に付けました。パラコアも併用しているので、倍率は450倍ぐらいになっています。TEC14cmをファインダーにして、惑星状星雲を立て続けに自動導入していきました。惑星状星雲は倍率を上げてもさほど暗くならないため、シーイングのいい夜は絶好の観望対象です。キットピークなどの写真と見比べながら観望していると、コントラストは眼視の方がずっと悪いですが、だいたい同じよう見に見えます。しかしながら、見て美しいというほどのものではありません。惑星状星雲を見て美しいと感じられるのは、口径60cm以上かなと思います。40cmクラスの場合、明るい銀河と球状星団、密集した散開星団が適した対象です。

先週末の9/10はあまりよく晴れませんでしたが、オーナー2も天文台に来ていて、きれいに塗装されたNP127双眼望遠鏡を組み立てて地上の景色を見ました。オーナー2が新規に購入したハイペリオン8〜 24mmズームアイピース(当然2本一組)を付けましたが、これがよくできたアイピースです。
オーナー1はこれまで、ズームアイピースはペンタックスのXFズーム6.5-19.5を使っていました。これはペンタックスのスポッティングスコープとの組み合わせで最良の収差補正となるアイピースで、天体望遠鏡に使うのは本来の使い方ではありません。しかし、これがよく見えます。自宅で手軽に星を見るには、これ1本で十分です。これとハイペリオンを比べると、XFは像面の平坦性と歪曲の少なさが評価できますが、視野の広さでは明らかにハイペリオンだし、XFは色収差が出ますがハイペリオンはほとんどありません。ハイペリオンは、像面が平面ではない点と糸巻き歪曲が出ること、それとズーミングしても視野絞りは動かないようで、16mmのとき視野外周がシャープになりますが、それ以外ではボケます。長短はありますが、ペンタックスXFとハイペリオンの両方があったら、ハイペリオンしか使わないでしょう。最近のズームアイピースは良くなっています。連続的に倍率を変えられるメリットははかりしれません。また、ハイペリオンの場合、ズーム部分にクリックストップがついているので、双眼装置に最適です。
一家に1本、ハイペリオン。
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6月8日   WindowsVista
天文にはパソコンがつきものですが、みなさんは、OSを WindowsVista にしたでしょうか? 
Vistaにしたときの評価は、ネット上の至る所にありますから、あちこち見てみるといいでしょう。現時点では、Vistaにする意味がないという結論になるでしょう。
Vistaで天文ソフト、特に画像処理系のソフトを動かすには、最低でも2GBのメモリが必要です。できれば3GB以上ほしいところです。自分のパソコンは、最大で2GBまでしかメモリを積めないという場合が多いと思います。そういうパソコンをVistaにするのは間違いです。OSにメモリを無駄に消費させるくらいなら画像側に使わせるべきです。また、Vistaにするとインストール済みのアプリの一部が動かなくなる場合もあります。プリンターなどのドライバーがない場合もあります。

最近パソコンを買った人は、お店にはVistaパソコンしかなかったと思います(Macは除く)。しかし、ほとんどのメーカーでは、一般人向け(民生用)パソコンの他に、企業向け(業務用)パソコンのラインナップがあります。業務用パソコンには、まだ多少は WindowsXP (ただし Professional )仕様もあります。業務用パソコンは、店頭にはありませんが、注文すれば取り寄せられます。または、インターネットのオンラインショップでも買えます。民生用より多少高いですが、信頼性が高い場合が多く、余計なアプリがほとんど入っていません。パソコンが調子悪くなるのは、この無駄なアプリのせいもあります。あなたが使っているパソコンが、「壊れては困る」パソコンなら業務用を選んだほうがいいでしょう。私が関わっている企業や学校で、民生用パソコンを使っているところは1つもありません。

OSをVistaにした場合、私が一番困るのは、ハードディスクのバックアップソフトが使えなくなることです。パソコンは必ず壊れます。それが明日か、5年後かというだけの違いで、100%必ず壊れます。壊れるのはほとんどの場合、ハードディスクの問題で、ハードディスクが機械的に壊れるか、ソフト的に壊れるかです。どちらの場合でも、ハードディスクの中味を丸ごとコピーした「イメージファイル」があれば、そのイメージファイルを作った時点の状態に戻せます。
メーカー製パソコンのほとんどは、「リカバリ」機能がありますが、要は、初期状態のイメージファイルと復元ソフトが最初から用意されているだけのことです。しかし、リカバリしてしまうと、いろいろな設定や自分で入れたアプリがすべてなくなります。そういうものがすべて入った状態のイメージファイルが必要なわけです。新たにイメージファイルを作るには、そのためのソフト(DeployCenterなど)が必要ですが、Vistaはファイルシステムが違うため、XP用は使えません。もちろん、Vistaに対応したものもありますが、新たに買わなくてはなりません。

私はそういうわけで、天文用、仕事用のパソコンは、すべてXP Professional です。私の自宅には、仕事柄、10数台のパソコンがあります。そのうちの2台だけ、Vistaにしました。私は、まだVista対応のイメージファイル作成ソフトを持っていません。その2台のパソコンは、壊れてもいっこうに仕事には差し支えないはずでしたが、2台のうち一方は、XPとデュアルブートになっていました。それのVista側がさっそく壊れたら、XP側も起動できなくなりました。このXP側に「Mitaka」やこのWebサイトを作っているホームページ作成ソフトなどが入っていて、困ったことになりました。これをなんとか使えるように直しました。半日かかりましたが、復元できたのは私がSEだからであり、一般の人だったら諦めるしかなかったでしょう。
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6月4日   35cm斜鏡を洗う
35cmニュートン斜鏡を洗いました。主鏡はすでに洗いましたが、斜鏡はまだでした。斜鏡といっても大きいです。「ホームスター」と並べてみました。斜鏡セルは、これより少しでも大きいと鏡筒先端のスパイダーの間から取り出せなくなります。鏡だけをはずすと江戸時代の何とか大判みたいです。

洗い方は主鏡の時と同じで、ぬるま湯に中性洗剤を溶かし、数時間その中に沈めておきます。途中と最後に、柔らかい筆で表面を軽く撫でます。その後、流水でよく洗ってドライウエルを入れたのち、取り出して乾燥します。
写真を見て「ずいぶん汚かったんだねえ。」と言われると困るのですが、これは洗浄後です。オーナー1が着ていた服が鏡に写っています。洗浄後の鏡面を見ると、非常にきれいで、ゴミや汚れはほとんどありませんでした。ただ、上端は度重なる結露の結果、蒸着したアルミがさびました。これがさらに広がったら、再メッキです。
斜鏡セルの内部構造を写した写真もあるのですが、これは非公開とします。昭和機械の社長が考案した、単純ですが機能的な支持機構があります。社長がいいと言ったら公開します。

斜鏡をはずして、再度取り付けた場合、当然光軸修正が必要です。レーザーで調整しましたが、主鏡中心には穴が開いています。1点のレーザーでは調整できないため、オーナー2が持っていた、十字線+円が出るレーザーで調整しました。文明の利器を使うといとも簡単です。しかし、レーザー自体の光軸調整が不十分で、接眼部に付けたレーザーを回転させると中心位置が円を描いて移動します。その円の中心に主鏡中心がいくように調整します。
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6月2日   ダークマターと多次元宇宙
タイトルがすごいですが、中味は簡単です。最近ひらめいたことを書きます。

我々は今、3次元空間に住んでいますが、自分がプリントされた1枚の写真の中に入り込んだと考えてみてください。写真の中は2次元空間です。縦と横はありますが、「高さ」というものがなくて、中にいる人には「高さ」というものがどういうことなのかさえ理解できません。

自分は今、写真の中にいます。そして、その写真が置いてある3次元空間で子供が遊んでいます。そのとき、風が吹いてきてその写真が飛びました。子供はそれを拾って、飛ばないようにガラスの透明な板をおもりとして写真の上にのせました。このとき、写真の中の科学者たちは大騒ぎです。「なぜ、この世界は風が吹いても飛ばなくなったんだ!」 (別な言い方をすれば、なぜ、この宇宙は安定した形で存在できるのか!) おもりは、Z軸方向(高さ方向)にのせられたうえ透明なので、2次元世界からはその存在がわかりません。2次元世界の科学者たちは、それを「ダークマター」と呼ぶことにしました。写真の中の科学者が大騒ぎしているのを3次元世界にいる子供が見て、「何でこの人たちはおもりがのっていることがわからないの?」といって、笑っています。3次元世界から見たら子供でもわかることが、2次元では、世界中の科学者がよってたかって研究してもわからないのです。

プリントされた最初からフォトフレームに入っている写真の世界はどうでしょう。最初から安定していて、風が吹いても飛ばない世界です。そちらの世界に住んでいる人たちは、ガラス板で押さえられていることさえ気が付きません。写真ですから、我々の住む3次元世界には無数に存在します。それぞれのなかにそれぞれの世界があるのなら、それを「宇宙」といっていいでしょう。宇宙は無数にあるのです。

では、3次元世界に戻りましょう。3次元世界にいる我々が認識している、宇宙空間にあるすべての質量は、宇宙全体の質量の4%程度だそうです。残り96%をダークマターと呼んで、科学者がその正体を探しています。ダークマターとは4つ目の軸上にのっているガラス板ではないのでしょうか。大統一理論に向かう過程にある超ひも理論とか、M理論では、宇宙は3次元よりも遙かに多い高次元空間だそうです。だったら、4つ目の軸上におもりがのっていも全然不思議ではないし、さらに我々が今のところ全く気が付いていないおもりが、5つ目、6つ目の軸上にのっているかもしれません。ダークマターなんて序の口かもしれません。
ダークマターを探している科学者さんたちには、4次元世界に住む子供たちの笑い声は聞こえないでしょうか。

これは、私が最近ふと考えたことですが、こういう考え方がすでにあるのなら単なる勉強不足です。この方面に詳しい方がいたら教えてください。
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5月31日   ハイブリッド車レポート その2
ちょっと前に「ハイブリッド車レポート」がありますが、その続編です。

ハイブリッド車の最大のメリットは何なのか。燃費がいいこと? それはそうですが、400万円超のエスティマハイブリッドを買う人がガソリン代の差を云々するとは思えません。まして、レクサスLS600Hを買う人がガソリン代がどうこう言ったら笑いものです。何をもってメリットと考えるかは人それぞれで、いろいろな見方があっていいと思いますが、私にとっての最大のメリットは、ブレーキの効きがいいことです。

エスティマハイブリッドに付いている普通に言うブレーキシステムは、16インチローターのごく普通のディスクブレーキです。17インチでもなく4ポットキャリパーでもありません。しかし、ハイブリッド車にはもう一つのブレーキが付いています。「エンジンブレーキ?」と答える人がいたら笑えていいですね。普通のエンジン車の場合はそれで正解ですが、ハイブリッドはアクセルペダルから足を離すとエンジンが切れてしまうのですから、エンジンブレーキというものは存在しません。もう一つというのは、エンジンブレーキよりもかなり強力な回生ブレーキです。これは前回も書きましたが、もう少し詳しく説明します。

ハイブリッド車の場合、アクセルペダルから足を離したり、ブレーキペダルに足を乗せると駆動用のモーターが発電機に変わります。モーターと発電機は同じものだということはご承知と思いますが、ハイブリッド車の回生ブレーキは電車のブレーキと同じです。電車が減速するとき、機械的なブレーキはほとんど使いません。電気ブレーキというやつで減速します。電車が減速するとき、ヒューンという音がしますが、ハイブリッド車も同じ音がします。これはモーターへの電力供給を切って、車体の慣性力でモーターを回転させて発電機として動かしています。このときこのとき、発電機が高速回転してヒューンという音が出ます。そこで発電された電力をハイブリッド車の場合はバッテリーに蓄え、電車の場合は架線に戻します。運動エネルギーを電気エネルギーに変換しているわけで、運動エネルギーが減るということは減速することです。

ハイブリッド車の場合、ブレーキペダルを踏めば、メカニカルブレーキと回生ブレーキがダブルで効くので、強力なブレーキ力が得られます。エスティマハイブリッドの2トンの巨体に強力な減速Gを与えてくれます。メカニカルブレーキの効きはタイヤのグリップ力に依存する部分がありますが、回生ブレーキはタイヤとは関わりありません。それによって、エスティマハイブリッドの貧弱とも思えるタイヤでもきちんと止まってくれるわけです。ちなみに、電車がメカニカルブレーキと回生ブレーキをダブルで効かせたら、立っている人はみんな転んでしまいます。

レクサスLS600Hは車体の重さが半端ではないですが、非常によくできたメカニカルブレーキとハイブリッドシステムの回生ブレーキで、並の車よりも短い制動距離で止まってくれるでしょう。お金持ちは高級車と同時に安全も買えるのです。
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5月28日   双眼装置 その2
ZEISSデザイン/バーダー製作「究極双眼装置」用の2.6倍リレーレンズを入手しました。前回、ここに書いたように、セットに入っている1.25倍と1.7倍のリレーレンズでは、35cmニュートン焦点でピントが合わなかったため、2.6倍も買いました。これを付けてみたところ、合いました! やれやれ...というところですが、これでやっと35cmでも両目で見られるようになりました。しかし、35cm鏡は焦点距離が1400mm、2.6倍で3640mm、20mmアイピースを付けて182倍。とりあえずの最低倍率がこれです。M13を見てみましたが、中心部に分離して見える恒星がさびしく光り、バックにうっすら光る星雲状のものが重なって見えるだけで、これなら13cmで見たほうがきれいです。35cm+2.6倍リレーレンズ+双眼装置は、惑星と惑星状星雲、二重星専用ですね。でも、それ専用だとしても十分価値があります。

双眼装置を35cmだけでなく、どの鏡筒に付けても、同倍で同じアイピースを使って単眼で見るときよりも大きく見えます。観望対象天体が大きく見えるという意味でもありますが、見かけ視界の外周の円がずっと大きくなります。ですから、見かけ視界が広くなったように感じます。ナグラーなどの広視界アイピースで星を見てしまうと、それ以外のアイピースは使えなくなるという話はよく聞きますが、双眼装置も同じです。覗きやすさと視界の大きさは両目に勝るものはありません。だったら、ナグラー+双眼装置なら・・・。いっそそれよりも、双眼望遠鏡+ナグラーなら・・・。ここに先に行き着いてしまったのがオーナー2でした。

この日また日曜大工で、サブ望遠鏡の取付金具を作りました。VMC260を付けるためのプレートです。TOPページの写真で、TEC140をはずせば、そこにVMC260用のアリ型台座が付くようになっていました。しかし、VMC260は大きいので、主望遠鏡からの距離が離れるとモーメントが大きくなって、アンバランスになってしまいます。極力モーメントが小さくなるように、主望遠鏡から離れる距離を最小にしました。さらにふとひらめいたことがあって、このプレートにTEC140も付くようになりました。VMC260用のアリ型台座にTEC140が付けられるようになり、取り付け取りはずしが簡単になりました。しかし、これまでのサブ望遠鏡微動装置はゴミになってしまいました。スクラップ&ビルド、これが世の中を進歩させます。・・・と、自分に言い聞かせても、トホホ・・・です。


前回、坂井泉水のことを書いたばかりでしたが、5月26日朝、亡くなってしまいました。美人薄命... 
日本の3大美女といったとき、藤原紀香、松嶋菜々子の二人は当確として、3人目は誰かというとき、私は「坂井泉水」と答えます。
おばさんになった坂井泉水が、これからどんな世界を見せてくれるのか(もしくは何も出せずに消えていくのか)楽しみだったのですが、もう、新曲は出てこないことが確定してしまいました。とても残念なことです。
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5月21日   双眼装置
オーナー2は以前から眼視派で、それも両目で見る双眼望遠鏡を重視しています。オーナー1も両目で見ることの優位性は以前から認識しています。しかし、高性能の双眼望遠鏡は持てなかったので、テレビューの双眼装置を使っていました。
最近モデルチェンジした「ZEISSデザイン/バーダー製作 『究極双眼装置』」というやつの名前に目がくらんで買ってしまいました。この大げさなネーミングが、(昔の)ZARDの曲のアレンジのようです。ZARDのアレンジャーは、並以下の詞に並のメロディーの付いた曲を、大げさなアレンジと坂井泉水の声で大ヒット曲にしてしまうという技がすごかった。

昨日、双眼装置を天文台で使ってみました(右の写真は国際光器Webサイトより)。双眼装置+1.25倍リレーレンズ+天頂プリズムでTEC140に取り付け、XW20mmを2つ付けてみました。リレーレンズがなくても合焦しますが、付けた場合、2インチ天頂ミラーとほぼ同焦点です。また、リレーレンズを付けた方が星像が良くなる方向に動くようです。覗いてみると視野の隅まで非常にクリアでシャープな星像でした。TEC140とXWの組み合わせが元々シャープでクリアなのですが、その性能を落とすことがありません。双眼装置一式が間に入っていることを感じさせない星像です。単眼で普通に見る場合に比べて、多少は暗くなりますが、それよりも、両目で見るメリットの方が遙かに大きくなります。とにかく覗きやすく安定した視界で、片目で見るよりも大きくはっきり見えます。また、宇宙空間が立体的に見えます。たとえば、明るい二重星が手前にあって、その奥に小さな星がちりばめられているように見えたり、球状星団の中心近くにあって分離して見える星が手前にあり、その奥に、星には分離しない球状の星のかたまりがあるように見えます。また、手前に恒星があって、その奥に銀河があるように見えます。実際、その通りの位置関係にあるはずですが、そのように見えるはずのないものがそう見えるのが不思議です。

双眼装置は、そのままTOA130に取り付けても印象は同じです。赤道儀を大きく動かすと接眼部の向きが変わってしまいますが、クイックリリース機構のおかげで簡単に回せます。ただ、固定ねじの位置がつまみにくいところに行ってしまい、ちょっとやりづらかったのが残念でした。

本当は、双眼装置を一番付けたかったのは35cmニュートン焦点です。しかし、1.7倍リレーレンズを付けても合焦しません。パラコアを挟んだり、別なバーローレンズを入れたり、いろいろな組み合わせをやってみましたが、すべてピントが合いませんでした。残念! リレーレンズに2.6倍というのがあるようなので、これを入れると合焦するかもしれません。

この双眼装置は非常に良くできた製品ですが、値段が高い(場合によっては鏡筒よりも高い)のと天プリ&アイピースを含めた総重量が重いため、小口径望遠鏡にはオーバー品質、オーバーウエイトでしょう。丈夫な接眼部でないと光軸がずれたり、重さでずり落ちたりします。丈夫な接眼部というのは、新FSQやTOA130F、3.5インチクレイフォード接眼部などかそれ以上のものだと思います。


P.S.

この日、35cm主鏡の星像がピンぼけ状態で、いくら慎重にピントを合わせてもシャープになりませんでした。シーイングのせいかと思いましたが、どうもおかしい。懐中電灯で鏡筒内部を照らしてみたら、クモの糸が山ほど! 鏡筒内にクモの巣を張られ、元祖スパイダーの嵐だったわけです。全部とったら結構まともになりました。しかしまだおかしい。主鏡にホコリではない細かい点が無数にあります。これの正体は後日調べることにしました。虫関係か?と思われます。虫に悩まされる季節になりました。
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5月16日   二重星
高品質な屈折鏡筒を所有している人は、きっと二重星を見ていると思います。空が明るいところでは、月と惑星と二重星しか見るものがないということもあります。ここの天文台にあるTOA130やTEC140は二重星を見るのに最適です。以前、明るい二重星を見るには、今はなきテレビューの「プロント」がいいという話題を書きました。「観測日記」の「2」のどこかにあると思います。プロントの後継のテレビュー76も当然良いと思います。口径はその程度でも、収差が良く補正された良質なレンズなら二重星を見るのに適しています。
では、これから二重星を見てみようという人は、どこにあるどれを見たらきれいなのかという情報が必要です。オーナー2からの情報ですが、こちらのサイトをご覧ください。

http://www.geocities.jp/ns5sct/double/double.html


この中に「きれいな二重星リスト」というのがあります。これをダウンロードして片っ端から見ていったらいいと思います。特に「StellerNavigator」と、それを接続できる自動導入経緯台または赤道儀がある人は、「StellerNavigator用ADFファイル形式」をダウンロードし、それをStellerNavigatorに組み込むことができます。StellerNavigatorで、「天体」→「追加天体」→「データを追加」でダウンロードしたファイルを指定し、追加天体名を「二重星」とします。「二重星」と表示が出たところにチェックを入れれば、「きれいな二重星」が「 x 」マークで星図上に表示されます。それをクリックして自動導入すれば、いとも簡単に二重星巡りができます。
昨日、ある程度以上の高度にある主な二重星を連続して観てみましたが、自動導入で非常に快適です。この晩見た中で一番のお勧めは、はくちょう座にある「61Cyg」です。はくちょう座ですから、当然最初に「アルビレオ」を見てください。その後、これを見ましょう。「61Cyg」は、赤い星が二個並んでいます。星の色はいろいろあるんだということがよくわかります。左の図はHR図の右下です。「61 Cyg」がM型に近いK型(フェラーリの赤でしょうか)の代表として表示されています。

この日の夜は二重星を見ましたが、翌日の昼間は、またまた望遠鏡の部品製作をしました。まだ、天文台の望遠鏡は製作途中です。今回は35cm主鏡の横にのせるサブ望遠鏡用のプレート作りです。天文台の主鏡鏡鏡筒の両側にサブ望遠鏡が付いています。左右の重さ(正しくはモーメント)が同じならいいのですが、大きく違った場合は、軽い側にカウンターウエイトを載せなければなりません。ウエイトを付ける場所に困るため、軽い側のプレートを鉄製にすることにしました。通常のプレートは当然アルミ合金です。これで4kg程度の重りを付けたのと同じになります。

鉄製プレート作りは、1cm厚の鉄板を加工します。アルミ合金なら鉄鋼用の歯を付けた電気のこぎりで、木材と同じように切れますが、同じ電ノコで鉄を切ると困難に直面します。切りくずが真っ赤に焼けた火花となって飛び散り、大きな線香花火状態です。それが当たるプラスチック製の歯のカバーが熱で解けました。切りくずが手に飛べばやけどします。モーターの負荷が大きすぎて、また、歯の熱も伝わってモーターから煙が出ました。とりあえず、直線で80cm切りましたが、今後はあまりやりたくない作業です。穴開けやタップたても大変です。労力的にアルミとは比べものになりません。自分で鉄板を切って作ろうなどと考えずに、鉄工所に頼んだ方が良さそうです。
しかしながら、とりあえず鉄のプレートができました。このままではすぐにさびてしまうため、こちらは昭和機械に持ち込んで他のプレートと同じ色に塗装してもらうことにします。
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5月15日   架台の塗装ができた

以前、塗装屋さんに出しておいたオーナー2所有のNP127双眼望遠鏡の架台の塗装が完了しました。とりあえずこんな感じです。

これについて知らない人は、ペンタックスの新製品? 
でも青いところにある文字は「TAKAHASHI」では?
 ・・・と不思議に思ってくれるでしょうか。

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5月8日   昭和機械に行ってきました
オーナー1と2で昭和機械製作所に行ってきました。主な用件は、自作の経緯台などの加工をお願いしに行ったのですが、それよりも昭和の社長と、望遠鏡がらみの四方山話をしに行ったようなものです。社長とオーナー1は学生時代の1年違いの仲間だし、オーナー2も望遠鏡大好きな人ですから、楽しくいろいろな話をさせてもらいました。ついでに、昭和機械からこの夏に発表される新型赤道儀の部品も見せてもらいました。オーナー2は部品の一部を見ただけで、買う気満々のようです。昔からの天文ファンで望遠鏡大好きな社長が新設計した赤道儀ですから、それなりのレベルのユーザーを満足させる製品になることは間違いないでしょう。1号機は売約済みみたいなものです。

オーナー1・2とも、30cmクラスのカタディオプトリック系大型鏡筒や13cmクラスの大型双眼望遠鏡が搭載できる自動導入・自動ガイドの汎用経緯台が欲しいのですが、そういうものが世の中に存在しません。昭和機械で作れないのか聞いたところ、機械部分はすぐにでも作れるけれども、制御系を新規開発しなければならないため難しいようです。当面、現実的な値段で買えるそれに最も近いのは、セレストロンのCPC1100を買って鏡筒をはずして架台だけ利用する方法です。しかし、搭載可能重量と別な鏡筒を乗せて精密に直角が出ていない状態での導入精度がどれほどなのかという問題とでだめでしょう。ミードの35cmや40cmの架台だとどうなのか? もちろん架台だけは売っていないので、一式買って鏡筒は売り払うという前提です。
経緯台の制御系を外山さんあたりが作ってくれないでしょうか。赤道儀はできたようなので、次は経緯台を。
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5月6日   新しいパソコンを買いました
メーカー製デスクトップパソコンを買いました。ノートパソコンは、大手メーカー製品をたまに買いますが、デスクトップパソコンはPC-9801ES以来、10数年ぶりです。私はパソコン屋(といってもパソコンを売っているわけではなくSEです)なので、デスクトップパソコンは自分で作ります。メーカー製品に自分の用途に合うものがあれば、自分で作るなんて面倒で値段的にも安いわけでもないことはしません。ぴったりなものがないので自作するわけです。

今回、ONKYOの「HDC−1.0」を買いました。NECでも富士通でもDELLでもなく、ONKYOです。新聞の一面広告を見た人もいるでしょうが、スペック的には並のVistaパソコンですが、普通でないのは大きさで、ONKYOのミニコンポと同サイズ(高さ約9cm)の超小型です。さらに普通でないのが静かさです。オーディオマニアの方は、リスニングルームにパソコンなど置かないでしょう。パソコンは多量の熱を出す機械なので、冷却ファンが付いています。最近のパソコンは性能がいいので、出る熱の量も半端ではなくファンが複数付いています。このファンのノイズがうるさいわけす。ONKYO「HDC−1.0」は通常動作時は音がしません。ノイズを出さないための数々の工夫がされています。詳細はONKYOのWebサイトで見てください。これはリビングやリスニングルームに置いても耳障りな音を出しません。ただ、DVDドライブは普通の製品よりは静かですが、DVD−ROMらしい回転音がします。ONKYOの開発陣が音のしないDVDを探したけれども、世の中にそういう部品がなかったということでしょう。それは仕方ないとして許すことにすれば、これほど場所をとらずに静かなパソコンは他にありません。
ヨドバシカメラインターネットショップで184,800円でした。並のVistaパソコンとしてはちょっと高いですが、静かなパソコンをお探しの方はこれを買うべきです。
もちろん、これを天文台に置いたら「猫にコンバンワ」なので、自宅の仕事部屋に置いて音楽を聴きながらパソコンに向かって仕事をすることにします。
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4月30日   ゴールデンウイーク
ゴールデンウイークになりました。でも、ここぞと星を見に行ける人は、そう多くないような気がします。今年は満月ですから、星を見に出かけることはないでしょうが、新月だとしても多くないような気がします。
星好きの人の年齢構成割合の統計を、総務省統計局なんかで出してもらえないでしょうか。圧倒的にオヤジが多いということはわかりますが、どのくらい多いのでしょう。オヤジは星好きだけど奥さんは興味なし、子供は多少の興味はあっても「星を見に行くくらいならディズニーランドに連れて行け!」でしょう。オヤジの趣味だけで出かけられるほど世の中甘くないですね。みんなの意見の間をとって、何とか妥協できるのが「スター☆パーティー」あたりでしょうか。スタパのオーナー様、そんな客は多いですか? もっとも、星がきれいに見える南の島という案もあります。。ジャワ島とか、グアム、サイパンなんかお手軽です。できれば、ニュージーランドか、オーストラリアの西端、パースなんかに星を見に行ってみたいですね。南十字星や南天の銀河を見るにはちょっと時期的に遅いですが、見えないことはないでしょう。

オーナー1,2とも、連休は天文台近くの「フィールドイン楓林舎」です。昔懐かしい里山の風景の中でのんびり過ごします。日陰に多少残雪が残っている春先の景色のなかを散歩したり、近くの温泉に行ったり。当然、一人でというわけにはいかないので、家族またはそれに近い人たちとみんなで宿泊です。
しかし、満月。天文台に行っても見るものがありません。木星が見頃ですが、南天低いため、天文台からは林の中で見えません。満月を太陽投影板に写して見るなんていうのは、全然おもしろくないでしょうね。強いて見られるものといえば、明るい球状星団と二重星巡りか。家族の誰かが月をみたいと言うだろうから、満月を覗かせてあげて、月がどれほど明るいものかを思い知らせてやるのも悪くありません。一度見て懲りるというのもいい経験ですが、さすがに35cm主鏡で覗かせるのはやめた方がいいでしょうね。


5月4日 追記

今の時期の月って低いんですね。月の位置など全く気にしていなかったら、この時期は、木星が見えなければ月も見えないことがわかりました。
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4月26日   天文台に光ケーブルが来た!
ななつがたけ北天文台付近は、わずかに残された秘境の地にあります。自然はたくさんありますが、文化的な施設はありません。これは択一の世界なので仕方ありませんが、困るのはインターネットです。天文台にはインターネットが必須といってもいい現状なのに、これまでは、インターネットに接続したい場合、電話線に56kbpsのモデムをつなぎ、ゆっくりゆっくり通信するか、高いお金を払ってauの2.4Mパケット通信を選択するしかありませんでした(auのアンテナはたまたま近くにありますが、docomoはありません)。

このあたりは1年ほど前に町村合併で、非常に面積の広い「南会津町」になりました。広大な面積を持つ自治体になりましたが、「町」です。人口的に「市」になれません。余談ですが、合併後の町名を公募していました。私たちの仲間は「会津高原町」を提案していました。最終的に、「南会津町」か「会津高原町」かの選択になったのですが、無難ですが観光的には何のメリットもない町名に決まりました。

合併後、元々の町役場・村役場が「支所」になったわけですが、本庁から支所への連絡手段が車で書類を運ぶという原始的なことをやっていて、それだけで1日がかりの仕事になります。これではとても合併による経費削減にはならないため、町が金を出して本庁・支所間に光ケーブルを引きました。たまたま天文台の近くを光ケーブルのルートが通ってくれたため、その恩恵にあずかれることになりました。正しくは天文台に光ケーブルを引いたのではなく、天文台近くのペンション「楓林舎」のオーナーが光ケーブルを引いてくれたので、天文台オーナーが無線LANシステムを寄贈して、ペンション館内およびその周辺が無線でインターネットに接続できるようになりました。ドーム内は、周りが金属で囲まれていて電波が入りにくいため、外にアンテナを置きました。これでドーム内でも快適にインターネット接続ができます。天文台建設当初は、こんなに早く光ケーブルが入るとは思っていなかったため、インターネット天文台は考えていなかったのですが、やりたければできるようになりました。しかし、それをやるには多数の追加機材が必要になるため、今のところ予定はありません。
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4月25日   今年も天候不順     初夏の球状星団
4月19日と23日の夜、久しぶりに晴れそうだったので天文台に行きました。予定通り晴れましたが、2夜とも春の天気です。透明度がいまいち。明け方には、夏の銀河が見えましたが、ここの空としてはかなり悪い状態でした。春の空ならシンチレーションは少ないはずですが、そちらも最大で、高倍率は全く無理でした。しかし、それでも晴れただけいい方で、このところずっと星の見えない期間が続いています。

この日は、35cm主鏡にパラコアとXW14mmアイピース(約115倍)を付けて観望用に、TEC140+ST2000XCMをガイド鏡に。TOA130+レデューサー+ST402MEで写真撮影をしました。ε180には、XW10mmアイピース(50倍)を付けて、広視界望遠鏡(RFT)として使用しました。ST2000XCMとST402MEは、逆ではないかと思われるでしょうが、ST2000XCMは最近、冷却すると結露していまい、乾燥剤を再生しなければならない状況です。そういうわけで、ST2000XCMは冷却なしでガイドに使います。ST402MEで5分露出としました。自動ガイドなので、5分あると35cm鏡とε180でゆっくり観望できます。
対象は球状星団です。この時期は、主な球状星団が連続して子午線を通過していきます。天体は高度が最高になったときに見るのが基本です。眼視ではそこそこに見えるのですが、CCDではシンチレーションが最悪のため、ピントが合いません。こんな日に写真撮影しても美しい写真などできませんが、球状星団の観望ガイド用写真ということで写してみました。撮った写真は「星雲星団観望記」にアップしました。画像処理は、デジタル現像して星団中心部の星がつぶれずに分離するようにし、コントラストをめいっぱい下げて、眼視に近い感じにしました。それにしても、5分露出してしまうと星が写りすぎで、肉眼で見たより多くの星が写っています。中でも違和感が大きいのはM14です。これは肉眼で見ると「遠くて大きい」というのがわかり、丸い星雲状に見え、星はほとんど分離しません。しかし、写真を見るとしっかり星が分離しています。肉眼で見た感じに近い写真を作るのは結構難しそうです。


多くの天文ファンの方々は、このところ晴れの日が少ないと思っていることでしょう。本州の上が雲の通り道になっていて、次々と雲が来ます。これは蛇行する偏西風やジェット気流の位置が例年と違うことによるものでしょう。下記サイト参照。

http://www.cokbee.com/weather/jet.htm
http://www.hippo.flnet.org/weather/NCEP200.html

これらを見ると、日本にいる限り、シーイングの悪さから逃げられないようです。
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4月18日   ハイブリッド車レポート
エスティマハイブリッドを自分の車として乗ってみると、カタログではわからなかったことがいろいろわかってきます。
まず、ハイブリッド車というのは、究極の「オートアイドルストップシステム」なのですね。ハイブリッドだから燃費がいいのではなく、エンジンがアイドリング状態になったとき、エンジンを止めるから燃費がいいのです。エンジンがアイドリング状態になった時というのは、停止したときばかりではありません。アクセルペダルから足を離せばアイドリング状態になります。ハイブリッド車はそのとき、すかさずエンジンを止めます。エンジンを止めて惰性走行になるわけですが、そのとき駆動軸が回る力を利用してモーターを回転させ、モーターを発電機として使って、発電した電力をバッテリーに貯めます。このとき、運動エネルギーが電気エネルギーに変換されるので、通常の惰性走行時より運動エネルギーの減少割合が大きくなり、軽いエンジンブレーキがかかった状態になります。後続車が普通のエンジンの付いた車なら、車間が縮まります。しかし、車重が2トンですから慣性力が大きいので、たいした問題ではありません。

普通のガソリンエンジン車は、高速道路など加速減速をせずに一定のスピードで走れる道路を走行したとき燃費が良くなります。しかし、ハイブリッド車はそういうところでは燃費を稼げません。もちろん、燃費が悪いわけではありませんが、普通のエンジン車と同じです。ハイブリッドが得意なのは、渋滞路や渋滞とはいかないまでものろのろ運転の道です。アクセルから足を離せばエンジンが止まるわけですから、渋滞中はガソリンを使いません。オートマのクリープで動くようなときは、モーターのみで動きます。そのモーターの電源は減速時に稼いだ電気です。また、クルーズコントロールで一定のスピードで走っているときは、エンジンを切ってモーターのみで走る割合が多少多くなります。走行抵抗の分だけエネルギーを補充すればいいので、たいしたエネルギー量ではありません。そのときはガソリンを一切使わないので、燃費が良くなります。そういうわけで、ハイブリッドだから燃費がいいのではなく、エンジンをこまめに切るから燃費が良いわけです。

ハイブリッド車はスタート時にはエンジンが回りません。初めはびっくりします。スタートボタンを押してもエンジンがかからないのですから。ゆっくりスタートするときは、モーターのみでスタートし、加速するときにエンジンがかかります。フル加速時は、前後のモーター&エンジンすべてが動いて加速します。加速度は、3.5Lエンジン車には負けますが、2.4L車よりはかなり速いです。しかし、後輪モーターが動く時間はわずかで、Sレンジにしてもほとんど同じです。フル加速時は、もう少し後輪モーターが回ってくれてもいいと思いますが、早々に止めなければならない事情があるのでしょう。後輪用モーターは、モーターとして動く時間よりも発電機として動く時間の方が遙かに長いようです。しかしながら、発進時の後輪モーターのトルクは十分で、たまに後輪だけホイールスピンします。

ハイブリッドバッテリーは、充電量が7割前後で推移しています。7割を超えるとモーターで走行するようになり、7割を割るとエンジンを回して充電します。バッテリーをフル充電状態にしてはいけないのは当然です。フル充電になったところでたまたま長い下り坂にさしかかった場合は、それ以上充電できなくなり、せっかくのポテンシャルエネルギーを無駄にします。
エスティマハイブリッドは、車重が2トンありますが、燃費は13km/L程度です。カタログの10モード燃費の20km/Lには遠く及びませんが、実用燃費がそれだけあれば大したものです。燃費がいい上に、別なメリットは、ブレーキパッドがほとんど減らないことです。軽くブレーキペダルに足をのせれば、モーター(発電機)による強力な回生ブレーキがかかるので、ローター&パッドによるメカニカルブレーキは、ほとんど使わなくても十分減速します。「慣らし運転」というのがありますが、何を慣らすかというとそのほとんどはブレーキです。ローターとパッドの摺り合わせですね。新車時やパッド交換時は、ローターとパッドが完全には密着していません。それを摺り合わせて密着するようにするのが慣らし運転です。ハイブリッドの場合、回生ブレーキで減速してしまうので、この摺り合わせがなかなか進みません。ブレーキが本来の効きになるまでには、普通のエンジン車より長い時間がかかります。しかし、それができてしまえば、回生ブレーキ+メカニカルブレーキで強力な減速が得られる上にパッドがあまり減りません。
また、エンジンが止まっている間はエンジンオイルが消耗しないので、オイル交換の間隔も長くなり、標準的走行状態では15000kmごとに交換すればOKです。ガソリンスタンドのお兄ちゃんの「5000kmごと、できれば3000kmごとにオイル交換しないとエンジンに良くないですよ。」という口車に乗ってはいけません。
これらを総合すると、ハイブリッド車はガソリン代だけでなく、その他の消耗品も節約できるわけで、ハイブリッドによる価格上昇分の元を取ることは、難しくはないのかもしれません。
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4月16日   大口径で見る星雲・星団
                     小口径望遠鏡で本当に星雲・星団が見えているのか?
最近、天文台の35cmやドブソニアン45cmなど、大口径望遠鏡で天体を見るのが普通になっています。空の暗い所で、これらを使って眼視で見る星雲星団は、明らかに美しいです。小口径望遠鏡だけでそれらを見てきた人は、こういうのを見ると大口径の威力に圧倒されます。
私も昔は、8cm程度の望遠鏡で星雲・星団を見て、それなりに満足していました。見て美しいと思ったことはあまりありませんでしたが、本に出ているあの天体が自分の望遠鏡で見えた、ということに満足していました。しかし、大口径が普通になった今から考えると、「あれは何だったんだ!」と思います。星雲星団観望ガイド的な本には、自分の目で見たらさぞ美しいだろうと思わせる表現が並んでいます。しかし、実際には8cmクラスの望遠鏡で見て美しいと思える星雲・星団は、M35,M42,M45,hχなどで、感じ方に個人差はあるでしょうが、わずかしかありません。

初心者に13cmぐらいの望遠鏡で、あるM天体の星雲を見せたときの会話。
「見えない! どこにあるの?」 「真ん中にあるぼやっとしたやつ」 「えーっ、この雲の切れ端みたいなやつ?」 「そう、それ」 「これー!写真と全然違うじゃない!つまんなーい!」

正直に言うと、小口径望遠鏡で星雲星団を見ても、大部分は「美しい」というほどのものではありません。多くの天文ファンという人たちは、昔の私と同じように、小口径望遠鏡で「見えた」(別な言葉で言うと「存在が確認できた」)というだけで満足し、「美しい」とは思えなくても、「本に出ている天体が見えたんだからいいじゃないか」と納得するわけです。大部分の天文ファンは、小口径望遠鏡しか持っていないので、天体関連書籍や天文雑誌は、その層を対象に記事を書かなければなりません。その上、「見てもつまんないよ」と書くわけにはいきません。記事を書いている人のほとんどは、大口径望遠鏡でその天体を見ています。大口径望遠鏡で見たイメージを頭に置いて、小口径向けの記事を書いていると思われてなりません。

初心者が小口径望遠鏡で見て、美しい天体などほとんどないのです。しかし、わずかな例外は、前記の星雲星団の他、月と土星と二重星です。月は小口径望遠鏡でも必ず美しく見え、月齢によって見所がどんどん変わっていきます。土星は言うまでもありません。惑星はシーイングで見え方がかなり変わり、条件によっては小口径の方がよく見えることもあります。二重星は、大口径望遠鏡よりも、8cm程度の良く収差の補正された良質なレンズで見た方が色の対比がよくわかる場合も多いです(観測日記 1月28日「スター☆パーティー」参照)。 小口径望遠鏡向けにそれらの詳細な紹介をお願いしたいところです。実際、そういう内容を取り上げた書籍や天文雑誌のコーナーもありますが、「今夜、何が見えるのか」という探し方をする場合、便利ではないし、情報量も少ないです。雑誌よりもWebサイトでしょうか。検索してみるといろいろなサイトがあり、これはいいと思われるところも見つかります。二重星だと中井さんのホームページが便利です。それらの情報を提供してくれているサイトの管理人さんには感謝します。月ならここ、二重星ならここ、という決定版のWebサイトに進化していただけたらうれしいです。実は、本サイトも将来、「星雲星団ならここ」と言われるサイトを目指そうかと思ってます。

個人で大口径望遠鏡や大型双眼望遠鏡を所有できる人は多くないですが、あえてそれを個人で持つ必要もないと思います。「欲しい!」と思うと勢いで買ってしまう人もいますが、後になって「自分で買わなくても良かったかな」と思うこともあります。身近なところに所有者がいれば見せてもらえばいいだけのことです。一番都合がいいのは、そういう機材を持っている人を探してお友達になってしまうという手があります。一般的には、そういう機材がいっぱいありそうな天文同好会に入ることでしょう。東洋天文同好会はかなりすごいです。だれでも面倒なくできるのは、公共天文台の観測会や「スター☆パーティー」など大型望遠鏡で星を見せてくれる宿泊施設に行くことでしょう。これから五月晴れの天気が期待できる時期です。星見の旅などどうでしょう。
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4月13日   春の天気       色飛び&偽色
このところ春の天気です。短い周期で天気が変わり、晴れても春霞、もしくは黄砂です。毎日気象衛星の画像を見ていますが、天気は「晴れ」でも、日本列島の上にはいつも薄雲がかかっています。また、水蒸気量も多い状態が続いています。
冬の間は、毎日雪で天文台の稼働率が極端に悪かったわけですが、春になったら春でこういう状態です。天文台周りの雪はずいぶん解けてきました。しかしまだ、白銀の世界です。

このところ星がらみの活動は、以前に撮ったピンぼけの天体写真を再処理して、多少たりともきれいな写真にしようと試行錯誤しています。しかし、元が悪いものは良い写真になりようがありません。「元が悪い」の元凶は、ピンぼけもありますが、最大の問題は偽色です。デジタル一眼も含めて、カラー単板CCDで銀河や球状星団の写真を撮ると、カラー写真のはずがほとんどモノクロ画像にしか見えません。恒星は露出オーバーで色が飛び(RGBの各濃度が8ビットで250を超える)、銀河は黄色味ががりますが、ほとんど白、画像処理で何色にでもなってしまいます。ところが銀河の所々にカラフルな色がのっています。HII領域かと思うと、赤だけでなく紫や緑や青いろいろあります。
右の写真はNGC4565の一部拡大画像です。ピンぼけは許してもらうとして、本来あるはずのない色が細かいパターンで出ています。偽色というやつです。写真が小さいサイズであればとほんど見えないですが、大きくすると目立ってきます。これをいやがって皆さん、モノクロCCDにフィルターワークで手間暇かけてカラー画像を作るわけです。

私の場合、きれいな天体写真を自分で撮るつもりはありません。そういうことが得意な人にきれいな天体作品を作ってもらい、それを見せてもらえればいいと思っています。ですから、画像処理技術の習得にいろいろいじってみますが、自分で撮った天体写真が結果、きたなくても問題ありません。小さい写真と言っても、長辺が640ドット以下なら偽色はほとんど見えないので、星雲・星団の観望ガイド用写真としては十分です。
カラー単板CCDカメラは、5分か10分の露出でお手軽にカラーの天体画像を得られるわけで、これで撮った写真は、モノクロ冷却CCD+3色分解フィルターで多大な総露出時間をかけてRGB合成したものとは別物です。それぞれ別の用途に使用するもので、同列に比較しても意味がありません。

星の見えない春の夜はそんなことを考えながら、でも FLI MicroLineシリーズ ML16000-1なんかがあったらきれいな天体写真が撮れるのかなとか、矛盾したことを考えて過ごしています。
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4月8日   エスティマハイブリッドが来た
以前、ここにも書いたエスティマハイブリッドが納車になりました。まだ、20km程走っただけなので、インプレッションは書けないですが、そのうちレポートを書きます。

最近、エスティマハイブリッドとすれ違いことが多いです。自分で買ったから目に付くのかもしれませんが、エスティマの中でのハイブリッド車の割合が多いと感じます。実際、ディーラーの人も多いと言っています。みんな省エネルギー、地球温暖化に関心が高いのでしょうか。いいえ、そうではありません。本気で地球温暖化防止に貢献しようと考える人は、2トンもある重い車は買いません。運動エネルギーは1/2mV2乗ですから、m(質量)に比例して使用するエネルギー量も多くなります。エネルギー消費量を小さくしたい人は、軽い車(=軽自動車)を買うはずです。最良なのは自転車を買うことです。
エスティマハイブリッドを買う人は、ほどほどの加速性能が得られて燃費も良いという理由で買うわけです。燃費については、比較の対象はエスティマ2.4Lエンジン車ではありません。これと比較した場合は、ガソリン代の差で元をとることはほとんどできません。3.5Lエンジン付きのエスティマと比べるわけです。加速性能は多少劣りますが、3.5Lエンジン車とは燃料(3.5Lはハイオク、2.4Lはレギュラー)の差と燃費の差から約2年で元(車の価格差)が取れます。

ハイブリッド車の特性で、走行中にブレーキを踏むと回生ブレーキが効きます。これは、このとき発電機をめいっぱい回してエネルギーを回収しているわけです。運動エネルギーが電気エネルギーに変換されるわけで、体感的にはエンジンブレーキが効いているのと同じです。通常のブレーキに加えてエンジンブレーキが同時に効くようなもので、ブレーキの効きが大きく感じます。プリウスはこれが顕著で違和感があったのですが、エスティマは重いこともあってか、プリウスよりは減速に違和感が少ないです。そっと止まりたいときは、ごく軽くほとんど効かない程度にブレーキペダルを踏めば、回生ブレーキだけが効いてオートマを2ndに入れたときと同程度の減速をします。アクセルから足を離して惰性で走行しているときも、発電機を回して回生します。このときはエンジンブレーキ的な減速は感じませんが、一般の車よりも減速の度合いが大きいため、先にある信号が赤になったのを見て同時にアクセルから足を離すと、後ろの車との車間が縮まります。エスティマハイブリッドが20km/h以下のごく低速になったとき、発電機への歯車(もしくは発電機そのもの)が回っているのを感じます。不快なわけではないですが、ガソリン車にはない感覚で、ハイブリッドシステムが付いていることを感じます。

エスティマハイブリッドのボディーカラーは専用色がある反面、色の選択肢が少ないです。選ぶなら「ライトブルーマイカメタリック」でしょう。
普通のエスティマの顔は、鉄人28号を連想する「こわい顔」系ですが、ハイブリッドは「ちびまるこちゃん」を連想する「小さい女の子の顔」系です。当然こちらの方がかわいいです。エスティマハイブリッドが売れる理由はこれだと思っています。私も最大の理由はこでした。オプションのレーダークルーズコントロールを付けるのはやめましょう。せっかくのかわいい顔が台無しになります。
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4月2日   黄砂
新年度になったのと、「観測日記2」のhtmlファイル内の文字数が多くなり、1個のファイルに納めるデータ量もこのあたりまでと思い、新しいページになりました。
3月31日の夕方は曇っており月も満月近いため、元々この夜は望遠鏡を動かすつもりはありませんでした。しかし、夜中には晴れるだろうと予想していましたので、夜中0時頃、ペンションの部屋の窓から外を見たら、雲がどんどん切れてきて月が見えてきました。そのうち、ほとんど雲がなくなりました。きれいな月が見られるかと思っていましたが、透明度がよくありません。「薄曇りか、まだ水蒸気量が多いのだろう。」と思いましたが、どうも普段よくある薄曇りとは雰囲気が違いました。「変な薄曇りだな」と思いましたが、その正体は翌日の昼間、明らかになりました。天気は良いのですが、かなり透明度の悪い状態でした。空気の不透明感はモヤの類ではありません。黄砂です。それもかなりの量。1日、2日とこの状態が続きました。しばらくは晴れても天体観測は無理でしょう。ドームを開けて望遠鏡を上に向けたら、鏡もレンズも砂だらけに。洗車したばかりの車は、あっという間に洗車前の状態になってしまいました。
 
3月28日   季節はずれのアルビレオ
3月27日。天文台オーナー1・2、Kさん、楓林舎オーナーの4人、ななつがたけ北天文台の(ミニマム)フルメンバーがそろいました。この夜は、天文台でミニ観望会となりました。上記のサブ望遠鏡配置換えは、この日のためにやったようなものです。
TOA130とTEC140の見較べの詳細は別途記述するとして、大まかには、TOA130はとにかく星像がシャープ。TEC140もこれだけを見れば十分シャープで気持ちのいい星像ですが、TOA130と比べてしまうとわずかに落ちます。しかしながら、レンズ周辺部の口径1cmの差というのは意外に大きいもので、TEC140の方が明るく見えました。明るいということは、コントラストが高まり、天体の美しさが増します。シャープさの差は、近接二重星を見るとよくわかり、集光力の差は球状星団を見たとき明らかになります。
今回は、人が4人いて鏡筒が4本ありますから、目的の天体が導入されたら、各自手近なところにある鏡筒を覗いて、ぐるっとローテーションすれば、4本を見比べられるという、理想的な形です。一人で星を観ていても、それなりに楽しいし、天体の美しさに感動できるのですが、複数の人がいて、誰かが「わーきれい!」 「すごい!」と言ってくれると、「そうだよね、これはきれいなんだよね。」と確認でき、感動も倍増されます。やはり、観望は一人ではなく3・4人でするのがベストです。

この日最大の話題はアルビレオでした。
「この時期にアルビレオが見えるの?」という疑問はもっともです。見えないわけではないですが、あえて観る時期ではありません。話題は星ではなくて、Kさんが「アルビレオのネックレス」を着けてきました。(右写真)

これは、Kさんが宝石デザイナーさんに特注して作ってもらった、世の中に1つしかないネックレスです。実際のアルビレオの色とは微妙に違うかもしれませんが、Kさんが個人的に思い入れのある石2つをこういう形にリメイクしたそうです。星好きの人が見れば、「なるほどアルビレオだ。」と思ってくれることでしょう。本当は、リング部分を円ではなくて、アルビレオの実際の軌道と同じ楕円型にしたかったそうですが、デザイン上どうしてもできなかったことが残念だそうです。しかし、さすがにプロの宝石デザイナーさんが作っただけのことはあり、「客が言う通りに作りました」というだけものではなく、アクセサリーとしての見栄えをきちんと考えられた製品です。写真ではゴールドに見えるかもしれませんが、実物はシルバーです。
星好きのお兄さん! 彼女に望遠鏡でアルビレオを覗かせた後、「プレゼント」と言って、これをあげたらどうでしょう。これが決め手になるかもしれません。でも、それよりも中年おじさんですね。奥さんに対して同じことをしたら、デジカメ1台買うことを許してくれるかもしれません。ただし、鏡筒はくれぐれも良いものを使ってください。小さくてもテレビュー76とか、ビクセンED81Sとか。星の色が命ですから、極力色収差の少ないものを・・・
Kさんとその宝石デザイナーさんは、強いご希望があれば、この「アルビレオ(R)」を複数作って頒布することはやぶさかではないそうです。
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3月24日   久しぶりの一晩中晴れ
23日の夜は、あまり空の透明度は良くなかったですが、久しぶりに一晩中晴れました。この日は夕方のうちに、下の記事のようにサブ望遠鏡の配置換えをしておきました。
ここには、TOA130FとTEC140という、手頃な大きさの屈折鏡筒の中の最高峰ともいえる鏡筒が2本あるのに、今までサイドバイサイドで見比べたことがありませんでした。

昭和25E赤道儀にのせるのは、本来ならば35cm反射とサブ望遠鏡1本というところが妥当です。見た目にもそのくらいが、一番安定しているように思えます。それに対して、主鏡鏡筒の周りの3面にのせられるだけの鏡筒を乗せてしまおうというわけですから、反対側には手元にあるだけすべてのバランスウエイトをかき集めて、ぶら下げなければなりません。極軸が折れるのではないかと心配になるくらいの鏡筒とバランスウエイトです。しかし、それでも25Eの搭載可能重量に収まっています。こういうことをやっても重さで極軸が下がるようなことはないし、600倍速の自動導入も快調に動きます。おそるべし25E。25という数字の由来は何なのでしょう?
TEC140の反対側にバランスをあわせるためにε180EDを付けました。本来は、これはやってはいけません。こっち側に大きい鏡筒や長い屈折鏡筒を付けてはいけません。ε180なら主鏡セル部分、屈折なら接眼部が極軸のウォームホイールカバーに当たります。以前、これでOMC140を壊しました。このことは、事前に十分分かり切っていることですが、今回は「傷はできるが壊れはしないだろう」という安易な予想の元に、そうならないように注意して動かしましたが、案の定、自動導入時に「ゴツン、キュルキュルキュル・・・ 」。ε が極軸に当たって、ステッピングモーターが脱調する音です。1晩のうちに3回ぐらいやりました。
翌日の昼間、ドーム内を見ると、赤道儀の下の床には、はげ落ちた塗料の破片が多数散らばっていました。赤道儀も鏡筒も傷だらけになりましたが、幸い「壊れた」という状況ではないようです。
自分の持ち物ですから、自己責任で許せる範囲内のことはやっていいわけです。

それでTOA130とTEC140のサイドバイサイドの見比べはどうだったのか・・・?  実はやってません。この夜は、TOAに冷却CCDを付け、ε にS3proを付けて春の系外銀河の写真を撮っていました。撮影中、35cm主鏡で眼視で観望して、TEC140はなんと!ガイド鏡になっていました。
贅沢ですが効率のいいやり方です。
しばらくこの状態にしておいて、オーナー2に覗いてもらい、テストレポートでも書いてもらいたいと思います。眼視での評価は、オーナー2に任せるのが確かです。対物レンズの評価だけでなく、いろいろなアイピースを付け替えたときどうかというのも、興味のあるところです。一部で有名な「吉田レポート」に匹敵する評価をしてくれることでしょう。
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3月19日   自動車の話
自動車のF1が開幕しました。初戦のホンダとトヨタは、昨年と同レベルの結果でした。SUPER AGURI F1チームが、昨年の「とりあえず参加しただけ」という結果からすると、佐藤琢磨もがんばってくれて大躍進でした。しかしながら、エンジンは、基本的にはホンダワークスチームと同じものだし、シャーシもホンダの栃木研究所が主体で製作したものですから当然の結果かもしれません。

そういう高度な話はさておいて、我が家の車を買い換えることにしました。我が家には車が4台あります。
「それはすごい!」 「オーナー1は金持ちなんだ!」と思われた方は都会人ですね。田舎の交通機関が何もないところに住んでいる人々は、一家に車が4台あるのは比較的普通のことです。自宅の近くには、電車もバスも何もないんですから。交通手段は自動車か自転車だけです。家族に車が必要な人が4人いれば(うちは3人ですが)車は4台必要です。また、我が家の車は4台中3台は4WDです。豪雪地帯の天文台に行く必要があることもありますが、栃木の冬は路面凍結が当たり前だし、たまに雪も降ります。
それは別としても、スカイラインGT-RやインプレッサSTi、ランエボなどを見ればわかる通り、ハイパワーエンジンを積んだ車は4WDでないと成立しません。タイヤ1本にかけられるパワーは100馬力が限界です。つまり、200馬力を超えるエンジンを積んだ車は、4WDでないといけないわけです。なぜかそうでない車がちらほらあるのが不思議です。そういう車は、我々素人が運転するためのものではなく、それなりに腕のある限られた人たちだけしか運転してはいけない特別な車なのでしょう。

車買い換えの話ですが、妻が通勤に使っていた トヨタ「ガイア」を「エスティマハイブリッド」に換えます。エスティマハイブリッドは、前輪を2.4Lエンジンとモーターで駆動し、後輪をモーターのみで駆動する4WDです。4WDなのにプロペラシャフトがありません。後輪は必要なときにしか駆動しないので、通常走行時はFFです。エンジンで駆動する車しか知らない人が、エスティマハイブリッドのカタログスペックを見ると、前輪側の駆動力に比べて、後輪用モーターの出力が小さいのではないかと思われることでしょう。実際、小さいのですが、これでちょうど良いのです。
オットーサイクルのガソリンエンジンと電気モーターでは、トルク特性が全く逆です。エンジンは低速回転域でのトルクは最小です。要するにエンジン回転数が低いときはほとんど加速しません。しかし、モーターは回転し始めが最もトルクがあります。スタート時の加速が最も良いわけです。トヨタのハイブリッドシステム(もちろんホンダも)は、これを上手に利用しているわけです。ハイブリッド車は、スタート時にはエンジンは回っておらず、モーターのみでスタートします。エスティマハイブリッドの後輪側は、スタート時には常に最大出力で駆動されていると思っていいわけです。前輪のエンジンは、回転数が上がるまでたいした駆動力が得られないので、後輪側のカタログ上の出力が小さくても前後がバランスするわけです。また、エスティマのような車の場合、後輪は多少たりとも駆動されていれば、それだけで4WDとしての機能は確保されます。

オーナー1は通常レクサスGSとレガシーGTに乗っていますが、エスティマが来るとレクサスGSはいらなくなります。レクサスGSは、3年の「オーナーズリース」なのであと2年弱でリース終了。その後に何を買うか今から思案中です。大きい車はいらないので、もし「ブレイド3.5L GT-Four」が出ればそれで決まりですが、トヨタですから望み薄です。その場合は、ゴールデンウイーク開けに出てくると思われる新型インプレッサ(WRXもしくはSTi)になるでしょう。ただ、近々出てくるレクサスLS600Hは、大きいことを除けば完璧な車です。これのトランスミッション(と言っていいのかどうか、要するに変速機構)と4WDシステムがすばらしい。欲しいけど、1000万円という値段とあの大きさでは、とてもとても・・・

これまでのトヨタは、スバル レガシーを負かそうとして、カルディナやらアルテッツァ etc. いろいろ出してきましたが、ことごとくレガシーに負けています。レガシーは、トヨタが他社の車のシェアを奪いにいって、唯一負けている車です。トヨタからすれば憎きスバルが系列に入ったわけですから、レガシーを負かすことはあきらめて、次期レガシーをスバルからOEMし、トヨタブランドの車として出せば、トヨタもスバルも幸せになれます。北米市場ではきっとそうなるのでしょう。私はトヨタとスバルが共存共栄することを願っています。トヨタの車体にスバルのエンジンと駆動系が合体したら最強の車ができるでしょう。そのためには、スバルのエンジニアたちが変な自尊心を捨てる必要があります。

今回は、ちょっとマニアックすぎる話でしたね。 全く意味不明だった人たちには、ごめんなさい m(_ _)m
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3月14日   冬に逆戻り         月の光と光害の光の違い

先日まで暖かく、雪の少ない冬が続いていました。豪雪地帯にしては、星がみられる日もちらほらありました。もう春になったてしまったかと思っていたら、そうはいきませんでした。また冬に逆戻り。毎日雪が降るし、寒いし、星は全然見えないし。月が大きい時でもあり、星見はここしばらくお休みです。

空が明るいところで星を見ている人はあまり感じないかもしれませんが、月明かりというのは、暗い星雲などをみるときには非常にじゃまです。西の地平線に、間もなく沈みそうな三日月があるだけでも、コントラストが大きく落ちて、望遠鏡本来の能力が全く発揮されません。ここは光害の影響が少なく空が暗いので、低いところにでも、月があるかないかで星雲の見え方が大きく変わってきます。逆に言えば、日頃光害のあるところで星を見ている人は、空が暗いところに望遠鏡を持って行って、快晴になれば、自分の望遠鏡はこんなによく見えるのかと機材の能力を見直すことにもなります。

ところで、月の光と光害の光では違うところがあります。月はないけど光害のために4等星までしか見えないところと、空は暗いけれども月があって4等星までしか見えない場合とでは、多少違いがあります。肉眼でふつうに望遠鏡を覗いたときはほとんど同じですが、フィルターを付けると大きな違いがわかります。光害の光は水銀やナトリウムなどの輝線スペクトル成分が多いので、光害カットフィルターで多くを取り除くことができます。しかし、月の光は連続光なので、光害カットフィルターの類では効果がありません。OIIIやHβなどのナローバンドフィルターなら月があってもよく見えますが、対象が限られるし、大口径の望遠鏡でないとありがたみがありません。
いずれにしても、地平線より上に月があるときは(月と惑星以外の)観望も写真撮影もやらないのがいいでしょう。

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2月26日   2週連続の快晴
                     冷却CCDのケーブルの問題とリンクが切れる問題

24日の夜、インターネットであちこちのお天気サイトの天気図や雲の写真を見ていたら、翌日25日(日)の夜、夜半過ぎには快晴になるだろうと判断できました。月は大きいですが、夜半過ぎには沈みます。前回の快晴から1週間ぶりになりますが、また天文台に行くことにしました。冬の南会津で快晴になる日が週に1回あればたいしたものです。もう冬ではないのかも。

25日の夜、ペンション「楓林舎」に着きました。今回は月が沈む1時頃までは、星を見るのも写真撮影もできないため、ゆっくり食事等をしていました。22時頃ドームに行って、今回は写真撮影の準備をしました。望遠鏡は1週間前に手こずりましたが、今回は問題なく動きました。35cmF4にパラコア+S3proを付け、ε180にST2000XCM。OMC140にはST402MEを付け、ガイド専用に使います。対象は主に春の銀河。

カメラやパソコンやらに信号線・電源ケーブルをすべて接続すると、床も空間もケーブルだらけになります。このケーブルが困ったもので、気温が低くなると固くなって曲がったまま伸びません。日本の大手メーカー製ケーブルは、冬でもしなやかなビニールが使用されていますが、外国製のケーブルは、安いビニールを使っているためコチコチになります。FUJIFILMのケーブルはどれも問題ないのに、SBIGのカメラに付いてくるものはどうしようもないです。どこかの望遠鏡屋さんで、SBIG用の寒くても固くならないケーブルを売り出してもらえませんかねぇ。

また、さらに困るのがパイロットランプのLEDです。ドーム内に20個以上は光ってます。これらがスリットの縁を照らしてカブリの元になります。ドーム内光害ですね。床にある電源系のLEDにはシュラフをかぶせて隠し、パソコン周りのはマフラーを置いて隠しました。また困ったちゃんはSBIGで、カメラのおしりで点滅している赤いLED。屋外なら問題ないのでしょうが、ドームだと床や壁に反射して光害の元になっています。こんなに明るい必要ないのに。

パソコンは2台使用し、デスクトップ型は赤道儀の制御&星図表示&自動導入、ST2000XCMの撮像、星雲・星団アルバムの表示。ノート型で25E赤道儀+ST402MEでのオートガイド、S3proのコントロールと撮影した画像表示&保存。パソコンはもう1台あった方が良いようです。1台のパソコンに複数の作業をさせるとトラブルが起こりやすくなります。デスクトップの方は、同時に10枚近くのWindowが開いています。そのうちの重い作業をしているソフトを1つを閉じると、別なソフトの動作がおかしくなることもあります。また、1晩に2・3回冷却CCDとのリンクが切れます。オートガイダーの方のリンクが切れると、ソフトを再起動してカメラの設定、キャリブレーションからやり直さなければならないため面倒です。

S3proはISO800で5分露出。これが限界です。ISO400にしても10分露出すると、ノイズだらけになるうえ星の色がほとんど全部飛びます。ST2000XCMは対象により、5分から10分露出。総露出時間10分でカラー画像ができます。そこそこきれいに写るので、LRGBで総露出時間数時間ということをする人たちが信じられません。その努力は高く評価しますが、写したすばらしい写真は何に使うんですか?

M104の丸っこいかわいい姿を見ると「春だなぁ」と思います。35cm以上の大口径望遠鏡で見ないと美しくないですが、見た目にかわいいし、写真写りもいい。おとめ座を代表する天体ですから。(←関係ない!)

4時半頃、オートガイダーのリンクが切れました。これ以上やり直す元気がないので、この日はそこで終わり。その後、ダークフレームを撮って終了。このときの気温、−12度。35cm主鏡の黒いフードは霜で真っ白。幸い、光学系はまだ曇っていませんでした。

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2月20日   久しぶりの天体観望         自動導入(コントローラ)にトラブル
18日(日)の夜中の時点で、インターネットのお天気サイトをあちこち見て、翌日の夜は、ななつがたけ北天文台付近が快晴になると判断しました。月曜日の仕事が終わったら、すぐに天文台に行くことにしました。天気の判断をするときは、お天気サイトを3つぐらいは見たほうが良いでしょう。提供されている情報が違うし、天気予報そのものも違います。
19日の夜7時半頃、天文台近くのペンション楓林舎に着きました。その時点でほぼ晴れていました。すぐにドームに行けばいいものを、ゆっくり入浴や食事をして10時半頃ドームに行きました。その時点で快晴。楓林舎オーナーによれば、この冬一番の快晴だそうです。

夜、ドームに入るのは久しぶりです。機械モノはしばらく使わないでおいて、久しぶりに動かすと、たいていトラブルが起こります。何もなければいいなと思いながらパソコンを立ち上げ、赤道儀とリンクを確立し、1スターアライメントをします。レグルスでアライメントすることにしました。レグルスを視野中央に入れようとして、ハンドコントローラのボタンを押していたら、4個のうちの1個が反応しません。断線!? 案の定、トラブル発生です。コントローラを開けて直さなければならないと思いましたが、今やるには時間がかかり面倒なので、とりあえず、パソコンモニタ上にある赤道儀コントロールボタンで視野中央にもっていきました。(望遠鏡を覗きながら、パソコンモニタ上のボタンをクリックします。←ものすごくやりづらい)

アライメントは完了。しかし、コントローラが使えないのはまずい。その後、スピード切り替えスイッチも動かないことが判明! これはコントローラ側の問題ではありません。まず、コントローラと赤道儀をつないでいるケーブルを調べました。当たり!で、これが断線してました。平行8芯ケーブル(通称きしめんケーブル)で、これが寒さで堅くなっているところを誰かが踏んだのでしょう。8芯のうち、3芯分ぐらいが切れて(折れて)いました。このため、一部のボタンだけ動かないわけです。修理してもらうまで使えないのか...トホホでしたが、ケーブルをよく見ると、両端がRJ45コネクタの8芯ケーブル。LANケーブルと同じです。LANケーブルなら自宅や会社に行けば腐るほどありますが、天文台のどこかになかったか? さんざん探して1本見つけました。パソコン屋ですから、LANケーブルは車の中に1本ぐらいは落ちています。交換したら問題なく動きました。

次に、自動導入の動作確認も兼ねて、土星を見ることにしました。レグルスのすぐ近くです。自動導入すると、鏡筒がレグルス−土星間の半分ぐらいの距離しか動かない! 他の星を自動導入してもファインダーにも入らない! LANケーブルじゃダメ? そんなはずない。自動導入にハンドコントローラのケーブルは関係ありません。   ・・・ この問題解決に1時間以上かかりました。理由は次の通り。
きちんと極軸調整された据え付け型赤道儀ですから、1スターアライメントで十分な精度で自動導入できるはずです(昭和の25Eは指示通りに使えば、1スターアライメンさえ必要ない)。しかし、自動導入の精度を上げたい場合は、2スターでも3スターでもやりたいだけできます。その際は、2個目以降の星を自動導入したとき中心を外れていたら、コントローラを操作して星を中心に持っていき、そこでパソコン画面にある「アジャスト」ボタンをクリックします。今回の原因は、先に書いたコントローラケーブルのトラブルのため、パソコン画面上のコントロールボタンで操作していたとき、全然違うところでアジャストボタンをクリックしてしまったようです。赤道儀は正直に、その位置で2スターアライメントしてしまったわけです。いったん間違ったアライメントをしてしまうと、ソフトを終了しても、パソコンの電源を落としてもそれを記憶していました。

問題解決した後は、非常に正確に自動導入できました。どの天体に向けても必ず視野中心に入ります。しかし、2つの問題解決のために2時間以上かかっています。これから写真撮影の準備をするのは、また時間がかかるし、準備したところで撮影時間が少なくなります。今日は眼視で観望のみにしました。空は春の星座になっているので、系外銀河を見ることにしました。一般には見ることのない10等から13等ぐらいの銀河をたてつづけに自動導入して見ていきました。鏡筒がいっぱい付いていますが、35cm主鏡で最初に見るのが正解です。これで見ると、よく見かける天体写真に近い感じに見えます。これで目標天体がどの位置にあってどう見えるかを確認した後で、ε180、OMC140、TEC140、テレビュー85で見ると、ほとんどすべてで最低限、存在だけは確認できます。特にテレビュー85でも見えるのは、対象が視野の中心にあることがわかっており、先に35cmで見てどういう形かもわかっているためにかろうじて発見できるのであり、逆に、暗い銀河をテレビュー85をファインダーにして探せと言われても全く無理です。一晩で、おもしろそうな天体を50個ぐらい見たと思います。これは正確な自動導入のなせる技です。また、「おもしろそうな天体」というのを選び出すためのオーナー1が作成したオリジナルカタログがあってのことです。

しかし、我ながらここにある鏡筒はすべて非常にシャープな星像です。昭和機械の高精度主鏡やオーナー2が、一般の人にはなかなかできないような手段で入手した、選び抜かれた優れた鏡筒がものを言ってます。

ε180は10mmアイピースを付けて50倍で見るのが一番良いようです。ε180にXWアイピースを付けて見る視野は、周辺まで星がすべて点です。こんなすごい反射系の「眼視用望遠鏡」は他にはありません。ε180に20mmを付けたとき、有効最低倍率になりますが、関東近郊では最も空のきれいな場所で、この冬一番の透明度の夜に、有効最低倍率で微光星雲を見たとき、バックグラウンドの光で微光星雲が消されてしまっています。日本国内では、「有効最低倍率」というのは、もはや死語です。そんな低倍率では星雲状の微光天体は見えません。倍率を上げて、バックグラウンドの明るさを落とす必要があります。でなければ、バンドパスフィルターを装着するか。

トラブルはあったものの、久しぶりに美しい天体を見ました。
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2月4日   mitaka

「Mitaka は、 国立天文台 4次元デジタル宇宙プロジェクトで開発している、 天文学の様々な観測データや理論的モデルを見るためのソフトウェアです。 地球から宇宙の大規模構造までを自由に移動して、 宇宙の様々な構造や天体の位置を見ることができます。」
「mitaka」Webサイトの「概要」にこう書かれています。
  http://4d2u.nao.ac.jp/html/program/mitaka/
  (4D2U サイトのトップページ  http://4d2u.nao.ac.jp/ )

私もずっと前にダウンロードして使いました。そのときは、並の性能のパソコンで、グラフィックもチップセット内蔵のもので動かしました。とりあえず動きましたが、画面の動きがスムーズではありません。太陽系の中にいるうちはあまり気になりませんが、銀河系を飛び出すと急激に遅くなり、たまにハングアップしました。そういうこともあり、その後ほとんど使いませんでした。
私のところには仕事柄たくさんのパソコンがあります。しかし、すべて事務処理用ソフトを動かし、OSやネットワーク関係の動作検証用パソコンです。ゲームをやることもなく、グラフィク性能はどうでもいいので、ビデオカードには興味がありませんでした。しかし、先日ふとした弾みで、Geforce7600GT搭載のGIGABYTE V-NX76T256D-RHを買ってしまいました。2スロットを占拠する、ヒートパイプと大きなヒートシンクの付いたファンレスビデオカードです。現在の実売価格は2万円前後で、ほどほどの程度の性能ですが、ファンの音がうるさいのはいやなのでこれにしました。手元にある一番高性能のパソコンに付けて動かしてみましたが、エクセルやホームページビルダーを使うだけでは、何のありがたみもありません。実は、パソコン画面をテレビに映すためにS-Video出力が欲しかっただけなので、それで良いわけですが、あまりにももったいないので、何か使い道は...と考えました。 ...「mitaka!」

上記サイトから最新版をフルセットダウンロードし、24インチワイドモニタ(1920x1200)を接続し、やってみました。これはすごいです。何をやってもスムーズに動きます。一瞬たりとも動作が止まったり、カクカクする動きはありません。楽しく2時間ぐらい動かし続けました。星がたくさん見えている銀河系内の空間で、視点をぐるぐる動かして回転させると、酔って気持ち悪くなります。mitakaはこういうパソコンで動かさないといけなかったのですね。
天文学がわかっている人がこれを使って上手に話をしてあげられれば、天文ファンの人口が増えることでしょう。それには次の条件を満たす人材が必要です。
 1.天文学がわかっている
 2.高性能ビデオカードの付いた性能の良いパソコンを持っている
 3.初心者にもわかる話し方ができる
 4.人が集まるところで仕事等をしている
すべての条件を満たす人は日本中でも数えられるぐらいしかいなそうです。科学博物館などでは当然OKでしょうが、学校の先生には期待しない方が良いでしょう。静岡のO君やK君、岐阜のK君とか、わずかな例外はいるでしょうが。昔の仲間たちで小・中学校で先生をやっている人たちには、天文学の普及に(というよりも、子供たちに夢を与える仕事に)がんばってもらいたいと思います。
スター☆パーティーのオーナー様もがんばってください。

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1月28日   スター☆パーティー        双眼望遠鏡&プロントの話
ななつがたけ北天文台のある南会津は、冬はほとんど晴れないため、久しぶりにきれいな星が見たくなりました。オーナー1,2とKさんの3人で、26/27/28日、甲斐大泉(山梨県北杜市)のペンション「スター☆パーティー」に行ってきました。そこは八ヶ岳の南東側斜面で、標高が1100m、晴天率のいいところです。スター☆パーティー(略してスタパ)では、冬季は『晴れなかったら半額!』フェアをやっています。ほとんどオーナー側の「勝ち」で、半額になることはごくまれだそうです。甲斐大泉は甲府や東京方面の光りで空は明るいですが、眼視で星を見るだけならなんとか許せる範囲内です。
スタパにはミードの40cmシュミカセがある上、オーナー2もすごい機材を持って行くので、オーナー1はほとんど手ぶらでした。アイピースだけ、XWの40、20、10mmの3本持っていきました。

1泊目は雪!でしたが、それはそれで楽しく過ごせました(スタパオーナーに感謝です)。2泊目は晴れました。しかし、スタパ主催の観望会(これをスター・パーティーという)のときは、シーイングが(透明度、シンチレーションともに)非常に悪く、40cm鏡なのに土星の輪がやっとわかる程度でした。スター・パーティー終了後、持参した望遠鏡で我々だけで観望したいところでしたが、夜半過ぎまで月があり、シーイングも悪いため、しばらく室内で待機でした。待機というと手持ちぶさたなように感じますが、このメンバーとスタパオーナーがいれば、とても楽しく過ごせます。この日の昼間、サントリーの白州蒸留所で買ってきた、そこでしか手に入らないうまいウイスキーをほどほどに飲みながら星談義に花が咲きました。酒好きの方は、北杜市に行った折りには、サントリー白州蒸留所見学をおすすめします。まんまとサントリーの思惑に乗って、サントリーファンになって帰ること請け合いです。ここに行った際は、必ず売店で「樽出原酒15年」を買ってください。ここでしか買えないもので、高いですがこんなにうまいウイスキーは滅多に飲めませんから。

月が沈みかけた頃、外に出て観望開始です。この日の機材は、オーナー2が持って来たテレビューNP127双眼望遠鏡+ナグラーアイピースとKさんが持ってきたテレビュー「プロント」(口径70mm、F6.8、焦点距離480mm)でした。星を見てまず感じたのは、スター・パーティーからたかだか3時間ほどしかたっていないのに、遙かにシーイングが良くなっています。スター・パーティーの時のシーイングは5段階で1でしたが、このときは3か4です。(さらに時間がたったとき、4以上になっていました) 同じ夜でもそれほどシーイングが変わるものなので、一目星を見て「今日はダメだ」とは思わない方がいいようです。
テレビューNP127双眼望遠鏡+ナグラーアイピースですが、私はこの機材をこの日初めてじっくり見ました。ものすごい星像です。非常に高価な機材ですが、財力のある方には文句なくおすすめできる望遠鏡です。おすすめできるのは星像の良さだけではなく、小ささと軽さ、携帯性・可搬性の良さという点もあります。と言っても、これが市販されているわけではなく、テレビューNP127鏡筒2本と松本ミラーなどを買って、自分で作ることになります。
良質な大口径対物レンズに広角アイピースを付けて、両目で見るというのはすばらしいことです。片目で見るのとは明らかにイメージが違って、同一倍率でも両目で見た方が大きく見えるし、シャープに見えます。良質な広角アイピースで覗くと、スタパオーナーの言葉ですが、「普通の望遠鏡が塀の穴から外を覗く感じとすれば、この双眼望遠鏡は塀の上に顔を出したような感じ」です。さらにすごいのは、天体が立体的に見えます。系外銀河なら、恒星が手前にあってその奥に銀河があります。理論的にはそのように見えるわけがないですが、人間の脳が両目から入った情報と、これまでの知識や経験からそのようなイメージを作り上げるわけです。目に見える景色というのは、目がそういう画像を作るわけではなく、脳が創るものです。人間の脳みそはすごいですね。こういう経験ができるのは、恵まれた一部の人だけです。そういう仲間に入れたのは幸せでした。
スター☆パーティーのダイニングに、オーナーが撮影した力作の土星の写真が置いてあります。40cmシュミカセで最高のシーイングの時、toUcamで撮影し、レジスタックスで処理したものです。すらばしい写りなのですが、NP127双眼望遠鏡で土星を見たらそれと同じに見えました。土星本体の模様のコントラストが高くて、一目で縞模様がわかり、極付近の濃度が濃く見えました。

一方、テレビュー「プロント」ですが、この望遠鏡は現在は販売されていません。しかし、たかだか70mmとバカにできないすばらしい望遠鏡です。有名な明るい二重星は、これで見るのが一番きれいです。光量がほどほどなため、明るい星の色が大変よくわかります。かつて、7cmから45cmまでいろいろな望遠鏡をずらっと並べて、アルビレオを見比べたことがあります。そのとき一番きれいに見えたのがプロントでした。この日も「二重星を見るならプロント」ということが再確認できました。また、これにXW40を付けると12倍になります。12X70の単眼鏡です。これでプレセペを見ると、中心にプレセペの明るい星が集まっていて、宇宙空間に浮かぶ星団なのだということがよくわかります。普通の望遠鏡でプレセペを見ると、視野いっぱいに星団が広がってしまい、宇宙空間に浮いているというイメージにはなりません。
この程度の大型双眼鏡を見る機会は多いのですが、星像は明らかにプロントの方が小さいです。プロント+XWの星像は、文字通り「点」です。これと比較してしまうと、双眼鏡で見る星は面積を持った円盤状だと言えます。プロント+XW40の星像も正しく言うと、中心部にピントを合わせると周辺の星像が点ではなくなります。しかし、中央と周辺の両方が点に近くなる位置にピントを合わせても、双眼鏡の星像より確実に小さい点像になります。視野全体が点像になる12X70の単眼鏡ってすごいと思いませんか?  さらにすごいのはその可搬性です。一式を経緯台と三脚にセットした状態で、片手で持ち上げて移動できます。これだけお手軽で高性能な望遠鏡というのは、他にはないと思います。現在は販売されていないのが残念ですが、テレビュー76がこれを上回る機材なのかもしれません。テレビュー85の星像もすばらしいです。ここまでは小型軽量高性能で可搬性に優れ、機動性に富んだ望遠鏡だと言えます。
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1月18日   スポーツマフラー

このところ、ななつがたけ北天文台は毎日雪です。全く星を見ていません。星関連のことは何もしていません。
星好きな人と車好きな人の相関は結構高いと思いますので、今回は暇つぶしに車関係の話題を・・・
オーナー1はレクサスGSに乗っています。当然、350AWDです。なぜ「当然」なのかは車好きの人はわかってもらえると思います。これにのっている3.5LV6のヤマハエンジンは歴史に残る傑作エンジンです。低速トルクがあるので、発進加速が結構速いです。追い越し加速も悪くないですが、レガシーターボのほうが多少速いでしょう。
先日、レクサスGSの12ヶ月点検に行きました。オーナーズ・ラウンジで待っていると、サービス担当が「今日は特別にスポーツマフラーをプレゼントします。」と言ってきました。私は「やったー!」、いい音のする排気管がもらえると思いました。でも、何でまたそんなものをくれるのか? とも思いました。点検が終わったところで、サービス担当が紙袋を持って来ました。中味は下の写真でした。
ゴルフをはじめとする冬季のスポーツ用マフラー! 世の中、そんなおいしい話はありませんね。

トヨタから新型車として「ブレイド」が出ました。「ブレード」じゃないんですね。これでは一発で日本語変換ができません。しかしながらこの車、非常に注目しています。とはいえ、今回発売になったものには何の興味もありません。これならマツダのアクセラ・スポーツの方がいいかなと思います。
ブレイドの
エンジンルームを見るとかなり余裕があります。もっと大きなエンジンが搭載可能です。現在搭載されているエンジンは、エスティマと同じ2.4リッター直4です。エスティマの2.4リッター車とエンジンルームの余裕が同じに見えます。ということは、エスティマと同じ3.5リッターV6とその駆動系が入るわけです(後でわかったのですが、ブレイドとエスティマは同じ車台でした。当然、同じエンジンと同じトランスミッションが乗ります)ブレイドのボディーに3.5リッターV6を載せてFFでは、ホイールスピンが激しくてまともに運転できそうにありません。私が設計すれば、3.5リッターV6搭載車は必ず4WDにします。そういう車が出れば、今までの日本車にはなかったすばらしい車の誕生になります。2007年のカーオブザイヤーはこれで決まりです。そうなってくれることを願っていますが、今までのトヨタの4WDは単なる「雪国仕様」で、ずっとがっかりさせられ続けています。トヨタもスカイラインGT−Rみたいな車を作れ!ブレイドのクラスだとランサーエボリューションやインプレッサSTiか。トヨタファン(正しくはヤマハファン。ヤマハの大株主であるトヨタ様のファンにならないわけにはいかない)としては、ごく一部でも、日産に負けるところがあるというのは許せません。

車に詳しくない方のために追加しておきますが、自動車のタイヤ1本が受けられるエンジンパワーは、条件にもよりますが最大100馬力程度です。前輪または後輪の2輪駆動の車ならば、エンジンパワーは200馬力まで。それを大幅に超えるエンジンならば、4輪駆動にしないとタイヤがエンジンの力を受けきれずに空転してしまいます。これをホイールスピンといいます。走行中にパワーのかけすぎでホイールスピンすると、駆動輪が横方向に流れます。つまり、車が横を向いてしまいます。初心者がそうなったときはパニックになり、事故は免れません。

トヨタがヨーロッパ市場でも受け入れられるメーカーになれるかどうかが、ブレイドのV6エンジン搭載車で決まります。ゴルフR32に対抗し、それを超える車を出せるのかどうか。出してほしいですが、それをトヨタブランドで出すのはどうかとも思います。レクサスの仕事では? でも、レクサスの相手はメルセデスやBMWで、VWなど眼中にないのか?
今後のブレイドの行方に注目していきたいと思います。


レクサスからIS−Fの発売が秒読みに入ったようです。ISのボディーに5リッターV8エンジンを載せてFR。レクサスとしては、そういう、AMGやアルピナに対抗できる車種が必要なのは当然です。そういう車を出さなければいけないのですが、これをちゃんと運転できる人がどれほどいることか。5リッターV8エンジンをフルスロットルにしたら、あっという間にホイールスピンし、トラクションコントロールが効いてエンジンパワーが絞られます。IS−Fを買えるお金を持っている人の多くは、せっかくの5リッターV8エンジンなのに、3リッターエンジン程度のパワーしか使えないのではないでしょうか。この車を4WDにしてくれれば、多くの人が5リッターV8エンジンのすごさを体感できるのに。新型スカイラインGT−Rが出てくる前にそういう車を出しておけば、新型GT−Rのインパクトが薄まるし、IS−Fのほうを選んでくれる人が結構いそうな気がします。
残念ながらそういう作業は、これまでのトヨタを見ている限りできそうにありません。スバルに外注で任せたらいいのに。

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1月7日   35cm主鏡を洗う
新年、天文台関係で最初の仕事として、35cm主鏡を鏡筒からはずして洗いました。1ヶ月ほど前にも書きましたが、望遠鏡が納入されて半年ぐらいしかたたないのに、主鏡の汚れがひどく、これ以上放置できないところまで来ました。ここは豪雪地帯で冬はほとんど晴れませんから、この時期にやっておくのがいいと思いました。
主鏡の洗浄は、結果から言うとうまくいきました。主鏡をはずし、ペンションの室内に持ち込んで鏡面を見ると、ゴミだらけ、乾燥ムラだらけ、曇りもあり、ぞうきんで拭きたいくらいの汚さでした。それが新品同様とまではいきませんでしたが、かなりきれいになり実用上問題ない程度になりました。この過程を写真付きで紹介できれば良かったのですが、写真は全く撮っていません。35cmの高価な反射鏡ですから、一刻も早く安全な状態にしたいという思いが強く、写真など撮っている余裕はありませんでした。ここでは言葉でその過程をご紹介します。

1.主鏡セルの取り外
 まずは、赤道儀にのっている鏡筒から主鏡をセルごとはずします。セル裏側の一番外側にある8本のネジを抜くと鏡筒からはずれます。はずすにあたっては、鏡筒を真上に向け、赤道儀の赤経赤緯ともしっかりクランプを締めます。ファンをはずして、下にセルを受ける台を置きます。対角線上にある2本を残して他の6本のネジを抜きます。受け台と主鏡の間にクッションをはさみ、最後の2本を抜きます。主鏡は皿形になっているため、セル付きの状態でもさほど重くはありませんでした。外は雪でしたが、鏡面は十分汚いので鏡面を上にして雪を積もらせながらセルごと室内に運びました。

2.鏡の取り出し
 主鏡セルから鏡だけを取り出します。セルの構造は通常のニュートン反射とは全く違います。昭和機械の反射系望遠鏡は、主鏡の真ん中に穴があり、その穴で鏡を支えています。セル側にティーパスリーブがあり、輪投げのようにそこに鏡を入れます。鏡の前側からクッションの付いたティーパリングをティーパスリーブと鏡の間にくさびのようにさし込み、押さえリングをねじ込んで主鏡をセルに固定しています。そのリングには、180度離れた位置に8cm間隔で2個の穴があいており、そこにコンパスのような工具を差し込んで回します。専用工具を買うほどのことではないのですが、これからも時々やらなければならないため、工具を自作しました。これを使って簡単に鏡を取り出すことができました。

3.鏡の洗浄
 主鏡の膨張係数は小さいですが、やはりガラスなので、急激な温度変化は禁物です。気温0度のドームから持ってきた鏡をゆっくり室温まで暖めます。1時間ほどおいたところで、直径60cmほどのタライに鏡を入れて、そこにまずは30度程度の水を入れていきます。ある程度入ったところで、水温を50度程度に上げます。そのままタライにいっぱいまで入れます。水の量は70リットルほどになりますが、そこにそれに見合うだけの中性洗剤を入れます。鏡を洗剤の中に沈めておく時間はこれまでの経験上、1時間や2時間ではホコリが取れないことがわかっているので、6時間ほど沈めておきました。その間、水温が下がっていくので、ときどき60度程度のお湯を足していき、常に暖かいと感じる温度にしておきました。お湯を足せばタライからあふれるので洗剤も足していきます。最後に鏡を水に沈めたまま、柔らかいハケで鏡面をなでました。
 最後にタライの水をすべて捨てて、新たに40度のぬるま湯を鏡面が十分沈むまで入れます。30リットル程度です。ここにそれに見合う量の「ドライウエル」を入れます。最近は、銀塩フィルムを自分で現像する人などほとんどいなくなってしまったので、「ドライウエル」も手に入りにくくなりました。私は「ヨドバシカメラ」の通販でまとめて10本買いました。鏡をドライウエルから取り出し、垂直に近い角度で立てて乾燥します。今回は見事なほど水滴が残りませんでした。

4.主鏡の取り付け
 十分乾燥したところで、はずしたときの逆の手順で鏡をセルに取り付けます。締め付けの強さは、昭和機械の社長に聞いたところ「鏡が回転しなくなるまで」ということでした。鏡筒にセルを取り付けるのは、はずすときより大変です。セルの下にある台に雑誌を何冊か重ねて置いて、固定ネジがねじ込めるように高さを調整します。こちらもはずしたときと逆の順番にネジを入れていきます。

5.光軸修正
 主鏡をいったんはずしたわけですから、光軸がずれているはずです。主鏡の光軸修正は写真の一番内側(ファンのすぐ外側)のネジでやります。4点調整です。したがって、隣り合った2点を同時に同じだけ回さなければなりません。さらに1点につき、引きネジ1本・押しネジ2本あります。理屈から考えれば、さほど面倒な操作ではなく、カンでやる3点調整よりはわかりやすいはずです。
 いざ光軸修正、と思ったら、光軸調整レーザーが1点のものしかありませんでした。主鏡の真ん中に穴が開いているわけですから、レーザーの反射光が返ってきません。これだと斜鏡の調整はできますが、主鏡側はできません。オーナー2が持っている十字+同心円のレーザーでないとダメです。
しかたなく、光軸修正アイピースで眼視で見てみたら、ぴったり真ん中でした。目で見てわかる光軸のずれはありませんでした。主鏡保持の方法からすれば、光軸の再現性はかなり高いはずです。多少疑っていましたが、昭和機械の工作精度は非常に高いようです(社長、失礼しました)。


主鏡の洗浄はできましたが、鏡面が汚れやすいことは何も変わらないので、また半年後にはこれをやらなければならないでしょう。また、斜鏡も同様に汚れているため、こちらも近日中に洗うことになります。
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 2006年
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12月28日   来年は・・・

ななつがたけ北天文台のオーナーは眼視派です。天体から来る光をリアルタイムで自分の目で見ることにより、宇宙と時間の空間を旅することを楽しんでいます。
オーナー2は、今、双眼望遠鏡に傾倒しています。TeleVue−NP127
を2本並べ、接眼部には松本ミラーとTeleVueの広角アイピースを付けた双眼望遠鏡を作っています。先日、とりあえず形になり、星を見てみるところまでたどり着きました。片方だけで100万円近いものを2本並べています。こんなことをする人が世界中に他にいるのかどうか、調べてみたい気がします。
オーナー1は、35cm&45cmF4ニュートン鏡で主に星雲を見ています。いずれにしてもよく見えます。35cm or 45cmでは、天文雑誌でよく見る読者の天体写真と同じように見えます。さんざん画像処理された天体写真よりはコントラストが弱く、貧弱ですが、人間の目の能力のすごさもあって、体感的には「同じに見える」と言っても過言ではありません。
TeleVue−NP127双眼望遠鏡は、まだ完成した形では天体を見ていませんが、13cmの両目はまた世界が違うことでしょう。身近なところにこのような機材を持っている人がいたら、是非覗かせてもらってください。小口径望遠鏡とは別の世界があることを知るでしょう。
それができない人のために、または、大口径望遠鏡はあるけれども、どの天体を見ると口径の威力が発揮できるのかよくわからないという方に観望の指針をお知らせするために、このサイトでは大口径望遠鏡を使って肉眼で見ると「こんな感じに見える」という、肉眼で実際に見た感じに近い写真を公開していきたいと思います。肉眼で見た感じに近いわけですから、画像は弱々しくなります。天文雑誌に載っている天体写真とは一線を画す「貧弱な写真」になります。「美しい天体写真」は、天文雑誌や雑誌に入選するような天体写真を撮っている人たちのWebサイトを見てもらえばいいわけで、そういうサイトはいくらでもあります。来年は、それらとは一線を画す、「美しくないけど肉眼で見た感じに近い」天体写真を公開していきたいと思います。そのために、今、大口径向け天体を撮影しています。とはいえ、まだ撮影技術を習得している段階なので、今のところ皆様に自信を持ってお見せできる写真はありません。「アルバム」に多少の写真がありますが、よく見るとみんなだめです。来年は、これらの写真を私の意図するような写真と差し替えて、解説も付けていきたいと思います。

では、良いお年を・・・

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12月24日   メリークリスマス

23/24日に楓林舎&天文台に行ってきました。オーナー2とその仕事仲間で星仲間のKさんも来ていました。天気は当然のように(日本海側の気候の豪雪地帯ですから)雪でした。でも、この二人と一緒なら星が見えなくても全然問題ありません。クリスマス・イブ・イブですが、とても楽しい時間を過ごせました。この日は、ある種の天文関連グッズ製作の話で盛り上がりました。どういうものかは企業秘密です。
また、この日、1ヶ月ほど前に壊したOMC140が復活しました。テレビュー・ジャパンの天津さんのご尽力により、壊れたパーツが届き、無事修復できました。

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12月20日   RAPバグフィックス

古庄氏から再度バグフィックスされたRAPが届きました。バージョンは1.2.4β2となっていました。これを使うと、ダーク減算+ホット/クールピクセル除去してからRAF保存しても、それをステライメージで読み込めるし、もちろん富士の「Hyper-Utility2」でも読めます。
12月9日のところに「
RAPでダーク減算、ホット/クールピクセル除去、色調整、デジタル現像、ここまでやってTIFで保存すれば、それをステライメージやフォトショップで読んでそれ以外の処理ができます。」と書きましたが、これは間違いでした。RAPでは、S3proのR素子を無視しているそうで、それをやるとせっかくのS3proの性能が生きません。S3proの場合は、RAPでダーク減算、ホット/クールピクセル除去した後、富士の「Hyper-Utility2」で読んでRAW現像し、それをTIFに変換して保存し、それをステライメージ5で読んでその他の処理をするというのが王道です。

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12月13日   24インチワイド液晶モニタ
24インチワイド液晶モニタを買いました。1920x1200ドット、つまりフルスペックハイビジョン+αです。ハイビジョン入力端子はありませんが。約8万円でした。液晶モニタも安くなったものです。安いといっても、何でそんなに金があるのかと言われれば、個人のお金で買ったわけではありません。会社の備品として買いました。当然、天文台に持って行くわけにはいきません。会社で業務に使用していないとき、画像処理やホームページ作成に使えます。実はS3proも会社の備品です。
24インチワイドモニタはさすがに広いです。天体写真の画像処理をするときは、3つぐらいのソフトが同時に動いています。今まではそれらを一画面に表示できなかったのですが、
これなら画面が多少重なりますが、すべてのソフトが画面上のどこかに見えています。
最近の天体写真撮影はパソコンが必須で、画像処理にはモニタが命綱です。モニタは予算の許す限り、良いものを買った方がいいでしょう。

24インチワイド液晶モニタ画面


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12月9日   RAPバグフィックス?
古庄氏からバグフィックスされたRAPが送られてきました。早速S3proで撮影した画像を処理してみました。S3proのヘッダー情報は正常に表示されました。ダーク減算だけしてRAFファイルで保存すると、ステライメージで読み込んでその他の処理ができます。しかし、ダーク減算+ホット/クールピクセル除去してからRAF保存すると、ステライメージで読み込めません。読み込みエラーとなります。この点については古庄氏に問い合わせ中です。それができないなら、RAPでダーク減算、ホット/クールピクセル除去、色調整、デジタル現像、ここまでやってTIFで保存すれば、それをステライメージやフォトショップで読んでそれ以外の処理ができます。とりあえずRAPでそこまでやって、ステライメージで読み、色と明るさの微調整をした画像を「アルバム」にアップしました。
テスト撮影段階の写真なので、あまり美しくありません。すべて10分露出ですが、S3proで10分露出は無理があります。ノイズが激しく、色が飛んでいてモノクロ写真とほとんど変わりません。
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12月5日   雪の中のドーム
ななつがたけ北天文台あたりにも本格的に雪が降り始めたようです。「ようです」というのは、月が明るいためと天気がよくないため、天文台にはしばらく行っていません。インターネットのお天気サイトで見ると雪のようです。天文台は初めて豪雪地帯の冬を迎えるわけですが、昨シーズンと同じだけの豪雪だった場合は、雪下ろしなどをせずに放置しておくと、つぶれる可能性が高いと思われます。ドームは一応豪雪仕様ですが、それにも限度があります。3mの積雪は無理でしょう。

雪対策ははじめから考えてあります。ドーム内の比較的高い位置(赤道儀の不動点より上)にカーボンヒーターを置きます。これは斜め上を向けることができ、さらに首振りします。これを上向き・首振りで、気温が上がる9時から16時ぐらいまで動かして、ドーム内部から暖め、雪を溶かして落とそうという考えです。ドームまで行ってヒーターの電源を入れるのでは大変なので、タイマーでON・OFFします。これが上手くいくかどうか、これから実験です。
ヒーター1台では弱いようなら2台にします。それでも弱かったら3台に・・・ はできません。電源の容量が2台までです。2台でだめなら、ドーム内にFFファンヒーターを設置します。石油ストーブやただのファンヒータをドーム内で動かしてはいけないのはおわかりでしょうか? 石油が燃えると二酸化炭素と水蒸気ができます。水蒸気は冷えると液体の水になります。ドーム内で石油を燃やすとドーム内が水浸しになります。さらに観測室という狭い空間で石油を燃やし続けると酸欠状態になり、不完全燃焼により一酸化炭素が発生します。一酸化炭素は強力な酸化剤です。水浸しのところに酸化剤がきたら、鉄はあっという間にさび、反射鏡は曇り、レンズにはカビが生えるでしょう。(カビは酸化剤とは関係ありませんが)  観測室内の酸素を使わず、観測室内に二酸化炭素と水を出さないFFファンヒーターでないとだめなのです。

ドームの半球部分の雪が落ちたとしても、観測室の四角部分の四隅に雪がたまり、それを放置しておけば、ドームが回転できなくなります。ドームには電源が2系統入っています。2系統とも、ドームから離れたところからON・OFFできるようにしました。1系統にパソコン、赤道儀、ヒーター等を接続し、そちらは常時ONにしておきます。他方にはドーム回転モーターを接続し、冬の間は通常OFFにしておきます。ドーム回転スイッチをクランプではさんで、ドーム回転ONの状態にしておきます。1日に一度、ドーム回転モーター側のスイッチを入れて、その日に積もった雪をスリット部分の出っ張りで掻き落とします。これは毎日やらないといけません。何日間か放置して、積もった雪が固まってしまったら、回転させようとしたとき、スリットが壊れる可能性があります。この作業はタイマーでやってもいいのですが、状況を見ながら手動でやってもらうようにペンション「楓林舎」のオーナーにお願いしようと思います。
この雪対策が上手くいくのかどうかやってみて後日、結果を報告します。
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12月1日   反射鏡の清掃・・・失敗の巻き

ドーム内だと光学系に露が付かないと思っている方もいるでしょうが、見事に露で曇ります。特に35cm主鏡が明け方にはびしょびしょになり、鏡を水に沈めて引き上げた後以上に濡れています。毎日この状態を繰り返しているので、まだ半年しかたっていないのに主鏡表面がかなり汚くなりました。主鏡をはずして洗いたい・・・ そういう衝動に駆られるのですが、主鏡はどうやってはずすのか、光軸調整はどうするのか、昭和機械の社長にまだ聞いていません。そこで思いついたのが主鏡をはずさずに洗う方法です。毎日主鏡に露が付き、水に浸しているのと同じ状態ですから、露でびしょびしょになっているとき、コンプレッサー&エアダスターで思いっきり鏡に圧縮空気を吹き付ければ、洗ったのと同じ効果が得られるのでは? と思いました。また、エアダスターがあれば、レンズに付いたホコリを払うのにゴム球のブロアーよりはずっと強力です。安いコンプレッサー(約2万円)を買いました。そしてやってみました。鏡の表面の露は見事に吹き飛びます。主鏡表面のゴミも一緒に洗い流されているものと思われます(鏡筒の一番奥なので直接見られない)。いいじゃない! と思いましたが、よく見るとエアダスターから霧状のものが吹き出ています。それが露と同じ純粋な水なら問題ありません。しかし、違うようです。主鏡にそれを吹き付けると、表面がわずかですが白く曇ります。何かが混じっています。コンプレッサーはオイルフリーというやつで、吐き出される空気にオイルは混じらないという謳い文句です。コンプレッサー、エアタンク、エアホース、それらの中にあったダスト成分か? 主鏡が曇ってしまっては元も子もないので、これはだめでした。

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11月27日   ドーム内での天体写真撮影の注意点
ドーム内にはパソコンをはじめ、モニタ、UPS、ACアダプタ、電源装置、カメラ・・・ いろいろな電気を使う機器があります。それらには、パイロットランプとしてLEDがついています。これらのLEDが色とりどりの光を出してくれて、ドーム内は結構明るくなります。露出の始めと終わりは、短時間でも、モニタを点けざるを得ません。この状態で天体写真を撮ると、ドームの内部、特にスリットの両サイドが内部の光源に照らされて、その反射光が光学系に入ってきます。空は暗いのにドーム内の光がカメラに入ってカブリます。今回、ε180で撮った写真のかなりがそうなりました。これを防ぐには、望遠鏡に大きめのフードを付ける必要があります。この点では、暗い空の下に遠征して屋外で天体写真を撮る方がこういう問題がなくてまだましです。35cm主鏡のフードは昭和機械にお願いしてありますが、それ以外の望遠鏡のフードは自分で作らなければなりません。薄いアルミ板を丸めて作ろうとも思いましたが、なかなか上手くいかず、ホームセンターでちょうど良さそうなゴミ箱やらバケツやら円筒形のものを探すことにしました。

   * 写真は色補正なしの原板
       (赤・青・緑のLEDがこの順の明るさでついていた)
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11月26日   画像処理
昨日写した写真の画像処理をしました。画像処理といっても未熟者なので、ダーク減算、レベル調整、デジタル現像、バックグラウンドをニュートラルグレーにするための色調整、といったところしかできません。少なくとも35cm+S3proの場合は、フラット補正が必要ですが、まだカラーのフラット画像を撮影するための設備がありません。モノクロのフラット補正は比較的簡単にできますが、カラーのフラット補正はどうしたらいいの? 光源が完全な白でなければなりません。
ST2000XCMの場合は、すべてステライメージ5で処理します。素人がやっても問題なく処理でき、まあまあかな、と思える画像になります。初心者の場合、自分でパラメーターを設定したりせずに、ステライメージの自動調整に任せた方がきれいにできます。オフィシャルガイドブックには、自動調整に任せず、自分でパラメーターを決めろと書いてありますが、練習のためにはその方がいいのでしょう。しかし、自動調整はかなりのレベルで、それを超えるにはかなりの熟練が必要です。ただしこれは、ステライメージを最新版にアップデートしている場合です。現在のバージョンは
5.0Eです。初期バージョンだと自動調整機能がいまいちです。
S3proの場合、ステライメージではダーク減算ができませんから、私の知る限りでは「RAP」でやるしかありません。RAPの最新バージョンは1.2.3です。ところが、これでS3のRAW画像を読み込むと、露出時間等のデータが実際とかなり違う数字に表示されました。さらにRAPで処理した画像を保存して、ステライメージで読み込むと不思議な画像になってしまうなど、いくつかの問題がありました。このことを古庄氏に連絡したら、バグだったとのこと。すぐに対応してくれるという返事でした。やれやれ・・・です。一時はS3proで撮った写真は画像処理不能かと思いましたが、何とかなりそうでほっとしました。
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11月25日   ε180ED&ST−402ME

SBIGの冷却CCD、ST−402MEが手に入りました。主にオートガイダートして使いますが、高感度を利用して、系外銀河も撮ってみたいと思います。今回はこれのテストでもあるので、セレストロンのC5鏡筒にST−402MEを付け、オートガイダーにしました(ST402で撮るわけではなくオートガイダーです)。この組み合わせはコンパクトで焦点距離も適当だし、星像も十分シャープです。
昼間、これまでサブ望遠鏡としてのっていたTOA130Fをはずし、ε180EDにのせ換えました。というのは
、35cm+S3proとTOA130+ST2000XCMの組み合わせだと、画角がほぼ同じになり、同じような写真が2組ずつできてしまいます。テスト撮影ならそれでもいいですが、あまり実用的ではありません。そのためこの日は、35cmF4+パラコア+S3pro、ε180ED+ST2000XCMで撮影です。ε180で写真を撮るのは今回が初めてです。CCDが3つになったのでピント合わせを3回やらなければなりません。今日は最初からNGC2158に望遠鏡を向けてピント合わせしました。相変わらず地道な作業ですが、慣れてくるとだんだん短時間でできるようになるのかもしれません。





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11月22日   ピント合わせ
この日も快晴で、写真撮影をしました。この天文台は天体写真撮影がメインではありませんが、写真が必要なときには、いつでも安定した失敗のない写真が撮れなければいけません。そうなるまでテスト撮影の連続です。
この日も35cmF4鏡にパラコアと富士S3proを付け、TOA130にST2000XCMは同じですが、レデューサーをはさみました。これで1000mmだった焦点距離が約780mmF6程度になります。
前回失敗したピント合わせには慎重を期しました。前回のピント位置はノギスで計ってあるので、その位置に合わせた後、ラックピニオンの1/10減速装置を手加減で動かせる最小回転量だけ回しながら、実際に星を撮影し、星像が最も小さくなるところを探します。1コマ撮影するごとにパソコン画面で撮影した画像を400%に拡大して星像を見ます。これは地道な作業です。その割にはどこがジャスピン位置なのかよくわかりません。微妙なピント合わせは、ふつうの星ではなくて密集度の高い散開星団でやるとわかりやすいのでは?! とひらめいて、NGC2158(M35のとなりにあるやつ)に望遠鏡を向けてピント合わせしてみました。案の定、この方がわかりやすいです。しかしながらピント位置を超えたり戻ったりで、なかなか短時間では合わせられません。
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11月19日   OMC140壊れる! めげずに写真撮影
サブ望遠鏡のひとつ、OMC140を壊しました。OMC140の鏡筒は接眼部をどの方向に向けても赤道儀に当たらないように取り付けたはずだったのですが、昨日、赤道儀を大きく回転させたら、当たってしまいました。接眼部に天頂プリズムが付いており、そこに大きい(長い)アイピースが付いていました。天頂プリズムの向きにより、アイピースがどの方向に伸びているかによっては当たることが判明しました。いずれにしても後からわかっても仕方ないことで、接眼部が根本からもげてしまいました。しかしながらこの部分は、主鏡セルにも合焦機構にも触れておらず、浮いた構造になっているため、それらの重要部品に被害はありませんでした。テレビュー・ジャパンにお願いして部品を取り寄せてもらい、主鏡カバーを自分で交換することにしました。
修理できるまで、代わりにセレストロンのC5鏡筒を付けました。こちらの方が収まりがよく、今度こそ接眼部を赤道儀にぶつけることはないでしょう。


この日はOMC140を壊したことにはめげず、快晴だったこともあり、天体写真撮影をしました。35cm主鏡にパラコアと富士S3proを付け、TOA130にST2000XCMを付けてテスト撮影です。
ピントは、井桁になっているスパイダーが重なって十字になるところにすればいいんでしょ、と簡単に考えてそうなるところに合わせました(TOAも対物レンズの前に十字を置いてスパイダーを出してピントを合わせた)。撮影後、星像を拡大してみたらピンボケでした。スパイダーが十字に見えるところと言っても多少の範囲があります。そのちょうど中心でないといけないわけですね。そんな当然といえば当然なこともやってみないとわからないものです。
そのピンボケ(かつ多少ガイドが流れている)写真を「アルバム」のページに載せました。ここにはそういう失敗写真は載せないはずですが、手元にある写真はこれがすべてなのでとりあえずということで置いておきました。
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11月15日   VMC260ビクセンへ
「建設日記」の10月5日に、「VMC260入院中」と書いたが、そのときは入院といっても「検査入院」だったが、本格的に入院することになった。ビクセンに返送されることになった。販売店経由でビクセンに連絡してもらい、光学系があまりよくないようなので検査してもらって、やはりよくないようなら交換も含めて対応してもらうようにお願いした。その後、ビクセンから直接、オーナー2に連絡があり、返送する運びとなった。ビクセンの担当者が大変親切な対応をしてくれているようで、オーナー2も喜んでおり安心したようだ。
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11月12日   望遠鏡故障? いや・・・
先日、初めての経験をしました。TOA130で接眼レンズを覗いたとき、星がすべて近接二重星に見えました。同じ明るさの星が2個並んでいるように見えます。別な言い方をすれば、すべての星がガイド不良の星像のようにわずかに流れて見えました。初め、対物レンズ・天頂ミラー・アイピースのいずれかに何かトラブルが起こったと思いました。これは大変!と思い、まず、天頂ミラーをはずしました。結果、見え方変わらず。アイピースを換えました。しかし、見え方変わらず。これはまずい!対物レンズに何か異変があったか!と考えて焦りました。しかし、自分しかそこにはいないにもかかわらず、落ち着いているふりをしてアイピースをはずし、それをOMC140に付けて見てみました。しかし、やはり星が流れて見える!もう、皆さまはおわかりでしょうか。私の目の乱視でした。自分の目に乱視があることは承知していましたが、今まで星が伸びて見えたことはありません。体調か何かの都合でしょう。その時初めて乱視を認識しました。そういえばこれまで、写した天体写真の星像をパソコンモニタで見たとき、「流れてる!」と見えたことがありました。しかし、モニタに目を近づけてよく見てみると点像になっていました。そのときは単に「おかしいな?」と思っただけでしたが、今思えばそれも乱視でした天体望遠鏡を覗いたとき、近視・遠視はピントの位置が変わるだけで何の問題もありません。近視・遠視だけなら、眼鏡を外して見た方がいいでしょう。しかし、乱視はダメです。どんなに良い対物レンズも接眼レンズも乱視は補正してくれません。眼鏡をかけて見るしかありません。テレビューの乱視補正レンズが欲しくなりましたが、残念ながら私はテレビューの接眼レンズを1本も持っていません。(オーナー2が山ほど持っているので借りようか)
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10月29日   天体写真撮影
27/28日の夜は快晴になった。
望遠鏡や赤道儀の改良工事やテストはだいたい終わった。まだきちんとやってないのは天体写真撮影である。眼視の観望は何人かでワイワイやるのが楽しいが、写真撮影は一人で黙々とやらなければならない。天文台がとりあえず稼働するようになってから、月のない土日は、いつもだれかお客さんが来ていた。一緒に星雲星団などを観ている方が楽しいので、写真撮影は後回しになっていたが、今日は一人である。
35cmF4+パラコアの焦点にS3proを置き、TOA130FにST2000−XCMを付け、
TOA側でセルフガイドする。逆はあり得ない。35cmF4+パラコアのイメージサークルは非常に狭く、ST2000のメインCCDにやっと光が当たる状態で、ガイドCCDにはほとんど光が来ない。明るい星なら像を結ぶが、大きな三日月型になり、とてもガイドなどできない。
テスト撮影なので、どちらも10分露出とした。
S3proには長いし、ST2000−XCMには短い。露出時間を変えればいいのだが、横着なので一緒にした。
このとき撮った写真の一部を「天体写真」と「アルバム」にアップしました。


写真を撮りながら思った。「こんなに見事な快晴なのに、何で星を観ずにパソコン画面と時計だけを見てるのだろう?」  ここの望遠鏡は、主鏡とTOAがふさがっていてもテレビュー85とOMC140などがあるので、セルフガイド中のちょっとの合間に、そちらで観望できる。これらの鏡筒は、とてもシャープな星像を結ぶ。35cmに較べれば暗いが、気持ちのいい星が見られる。それが救いだが、そうしていて思ったのは、天体写真を撮ることをメインにしている人たちで、望遠鏡がカメラに占拠されている人たちは、はるばる星のきれいなところに遠征して何がおもしろいのだろう?
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