天文台建設日記 
 
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 2010年
 
10月29日   寒い!
オーナー1は、晴れようが晴れまいが、10月と11月は星見はお休みです。間もなく10月も終わりですが、幸か不幸か今月は晴れませんでした。栃木では、快晴というのはほとんど無かったと思います。晴れても、雲間から星が見える程度。10月がこれだと先が思いやられます。
そう思っていたら、昨日はまるで冬!  午後3時頃、車の温度計が外気温9℃と言っていました。冬になってしまうと、天文台付近は常に雪雲に覆われ、快晴というのはあり得なくなります。
今年、天文台でまともに星が見られた回数というのは、両手で数えられそうです。稼働率が低すぎ。天気が相手ですからどうにもなりませんが。

冬が近づくと、車も冬支度。オーナー1・2とも、今年は新車のaudi S4 なので、スタッドレスタイヤを買わなければなりません。オーナー1の会社の近くにあるタイヤショップで、かなり安い値段でS4用のスタッドレスタイヤとホイールを買えることになりました。楽天やYAHOO!のインターネットショップより安い値段です。以前、一度、ここで紹介した信頼性の高い店なのですが、高い技術とサービスが付いてインターネットショップより安いのですから、絶対買いです。オーナー1が無理を言ってそうしてもらったのですが、栃木県とその周辺の皆さん、「おもちゃのまち」の「タイヤ館」に行ってみてください。ホイールバランス、バッチリです。
ちなみに、スタッドレスタイヤはミシュランのXICE-XI2 245-40/18、ホイールはブリジストン扱いの「AGA Nebel」。これはほぼ、S4専用ホイールです。S4にはこれが最良の選択だと思います。
ミシュランのタイヤがブリジストンのタイヤ館で安いというのは画期的です。

 
10月22日   SHARPSTAR 80/490 F6.1  追加レポート
以前、この鏡筒をご紹介しましたが、追加レポートです。
対物レンズの性能は以前ご紹介した通り、コストパフォーマンスがかなり高いものです。そして接眼部も、見た目、高級感があり立派に見えます。しかし、フォーカシングノブを回すと抵抗が大きく、削り方が粗い金属同士がこすれあっている感じがして、感触がよくありませんでした。
購入後、3ヶ月ぐらいたった頃、これを回すと、ギギギ・・・と音がして、振動しながらドローチューブが前後するようになってしまいました。回転軸が油切れ状態です。このフォーカサーは、裏側に回転軸が見える穴が2つあります(写真 赤矢印)。もしやと思い、ここにグリーススプレーを吹き付けてみたら、異音がなくなりました。購入直後と同じ状態です。しかし、購入直後と同じく、削り方が粗い金属同士がこすれあっている感じです。

中国製クレイフォードは、見た目は The Starlight Instruments 社の Feather Touch Focuser に近づきましたが、造りは全く別物です。もちろん、The Starlight Instruments 社の製品がすばらしい! 中国はあと何年で追いつくのでしょうか。中国の望遠鏡メーカーに、自社製品を使って星を見ている人がいるかどうかで大きな違いが出ます。
 
10月16日   お仕事の前半終了
オーナー1の忙しいお仕事の前半の部が終了しました。10月12日の写真にあったサーバやクライアントPCをすべて出荷して、キッティングルームはほとんど何も無くなりました。
ここ3週間ほど、ほぼ休みなしで働いてきましたが、久しぶりに2連休です。日頃、のんびり仕事をしている人間が突然忙しく働くようになると、体がついてきませんね。体力的にはたいしたことのない仕事ですが、休日がないと、毎日朝起きる頃に足がつりそうになって飛び起きます。睡眠時間は十分とは言えませんが、ほどほどに寝ているのにこの状態です。仕事中、いつも眠くてあくびを連発しています。1週間に1回休みがあるというのは、人類の長年の歴史から生まれた生活の知恵なのですね。

今年の2月・3月頃、同じ仕事をしたときには結構体重が減ったのですが、今回は逆に増えました。仕事に慣れたから・・・というのもありますが、別な要因があります。今回雇った学生アルバイトの雇用条件に、昼食または夕食付き、というの入っていました。オーナー1も学生と一緒にかなりボリュームのある食事をとっていたのが原因です。年をとってくると消費カロリーが減るため、食事が少なくて済みます。・・・というか、若い頃と同じ食事を1日3食とっていたら必ず肥満になります。オーナー1は日常的には、1日1.5食ぐらいで生活しています。それがここ3週間ぐらい、1日3食とってしまったため太りました。一緒に同じ仕事をしている同僚も、「太った!」、「朝、足がつる!」、「眠い!」とオーナー1と同じことを言っています。

来週からは、パソコンを設置する現場を回っての作業になります。またこれが約1ヶ月続きます。しかし、この作業は平日だけなので、今後は週休2日になって、世の中の平均的な人たちと同じ労働条件になります。これからの週末は、星を見に行けるかな ?
以前やった8cm鏡筒比較で、まだ、ペンタックス 75SDHF 75/500 F6.7を見ていません。この鏡筒オーナーのKさん、ごめんなさい。近いうち、比較記事を書きます。
 
10月13日   audi S4 の選択     オーナー2
最近の車は以前では考えられないくらいのハイパワーです。ちょっとした車でも250馬力は当たり前、300馬力オーバーもごろごろしています。で、これだけの馬力を路面に伝えるのはタイヤのみで、その接地面積はレターサイズ程度でしょうか。しかも大部分の車は2つのタイヤのみを駆動しているので、タイヤ1つに150馬力以上を担当しているわけです。私もずいぶん車に乗ってきましたが、FF、FR、RRに限らず、2WDでは伝えられるパワーに限界があると思います。車重やタイヤにもよりますが、2WDでロスを無くパワーを伝達するには150馬力程度が限界かもしれません。最近乗っていたBMW135iやALPINA B3、昔のW124 500Eではタイヤが動力を伝えられなくなった場合は、電子デバイスが上手に介入してパワーを絞り伝達ロスを少なくしていました。パワーを絞っても十分まだパワーがあるので楽しみは十分ありますが、伝達ロスは伝達ロスです。

もちろん解決策はあります。その一つが、4WDだと思います。私自身のスポーツタイプ4WDの所有経験は現在も含め3台です。4WDはいろんな分類があるのですが、パートタイム4WD、オンデマンド4WD、フルタイム4WDのなかでスポーツタイプは事実上オンデマンド4WDとフルタイム4WDだと思います。以下は後輪軸にモーターを使う方式やツインエンジン方式を除外した4WDの雑感です。

オンデマンドタイプもいろいろです。ボルボやVW、アウディの横置きタイプ、ベンツの4-maticなどなど。でも私の中でのオンデマンド4WDの代表はGT-Rです。これは基本的にはFRで、必要に応じてフロントにトルクが配分されるシステムです。この「必要に応じて」がとても複雑巧妙になっており、それぞれのタイヤの速度や各種Gセンサーをフルに活用してトルク配分をコンピューターが決定しています。また、最近のオンデマンド4WDは優れものが多く、特に最新のハルデックスカップリングを利用したものは、リヤに5%程度のトルクをあらかじめ配分しており、状況に応じてトルク配分を増やしていくような仕組みで、完全な2WDの状況はあり得ないようです。私は最新式のオンデマンド4WDの経験がないためか、この方式はあまり好きではありません。自分自身のType 964カレラ4と友人のR32 GT-Rを比較した結論です。FRからフロントにトルクが繋がるタイミングについて行けず、少し怖い目にあったせいです。まぁ、これだけで決めてしまうのもどうかと思いますが・・・(TTS/TT-RSには乗ってみたい)。

いわゆるフルタイム4WDですが、これについてもいろんな種類があります。スポーツタイプのフルタイム4WDはアウディクワトロからだと思います。その他、さまざまなタイプが派生してきました。アウディのクワトロやポルシェ、ランチャデルタ、アルファ・ロメオなどなど・・・これについても枚挙にいとまがありません。ビスカス・カップリングやトルセンデフから完全な電子制御方式への変更など、それぞれがさまざまな進化をとげています。この中で私が所有していたのはType964カレラ4とランチャデルタHFインテグラーレです。高速道路でも雨の中でも雪道でも恐ろしく安定しています。コーナーリングも速いです。でも、制御というかコントロールは難しいと思います。特にカレラ4では、カレラ2と比べると自分の「力」でコントロール車を制御している気持ちが希薄でした。スピードレンジが高すぎて、どう考えても自分のコントロールの限界を超えているのが明白だからです。でも、RRで素人が無理なく楽しむにはあの方式しかないと思います(RRでリアが滑ったときは凄く怖い・・・本当に怖い・・・)。ランチャはかなり楽しめました。これは明確な原因は不明です。車の性格なのかもしれません。とにかく痛快な車でした(いつもヒューズを携行する必要はありましたが)。

以上ように4WDも楽しんだのですが、やはり自分でコントロールできる範囲がいいのかと思いFRに回帰することにしました。でもすでに車は恐ろしいまでのパワーになっていました。200馬力でももてあますのに300馬力オーバーは素人には扱いきれません。コントロールしているように思っているだけで実際は電子デバイスの「手のひらの上」です。それでも大パワーのFRはおもしろいものですね。最終的には小振りなボディーにハイパワーエンジンのBMW135iに乗って楽しく過ごしていました。湧き上がるトルクと暴力的な加速、バランスの取れたコーナーリングでこれも最高の1台でした。
ところがその蜜月期は比較的短期間でした。4枚のドアが必要になったわけです。4枚ドアの痛快な車はないものか・・・でも小さいヤツはダメだし・・・。M3セダン以外には存在しません。でも今のM3はV8で400馬力オーバーです。実際に400馬力オーバーの車にも試乗しましたが、これはどう考えても4WD以外では成り立たないのではないかと確信しました。あまりにも運転が難しい。電子デバイスがすぐにパワーを絞ってしまいます。

ということで話が戻りフルタイム4WDです。今度はもっと進歩した4WDを探すことにしました。フルタイム4WDでは前後のトルク配分をいろいろと調整する場合がありますが、私が探しているのはさらに後輪左右のトルク配分を制御するタイプです。この機構を持つ車はかなり少なくなります。私の知る限りでは以下の5車種です。
アテーサETS—ProのGTR V spec
AYCのランサーエボリューション
リアスポーツデファレンシャルのアウディS4/RS5
ポルシェ・トルク・ベクトリングをオプションにしているポルシェターボ
ダイナミック・パフォーマンス・コントロールのBMW X6
(ホンダのSH-AWDを搭載するレジェンドは生産中止)

しかもこのなかから4枚ドアである程度の大きさだと
AYCのランサーエボリューション
リアスポーツデファレンシャルのアウディS4
しかありません。さすがに44歳でランエボのあのアグレッシブなデザインは辛い。当然ながら我が家の首領様の許可も出るわけがありません。

ということで今アウディS4に乗っています。結局はオーナー1と同じ選択になりました(色は違います)。現段階で車としての機構がもっとも進んでおり、普通のデザインで、普通に乗れる車、しかも4枚ドアはS4以外に存在しないと思います。まだ少ししか乗っていませんが、凄い車です。自分の運転が上手くなったと錯覚するほどいい車です。電子デバイスを含めた車の介入が自然で自動車版「鼓腹撃壌」だと思います。車に「操られているけれどこれならいいか」というのが結論です。
 
10月12日   仕事場
この3連休、オーナー1は石川町にも行かず、びっしり仕事をしました。特に10日と11日はすばらしい快晴で、室内にこもって作業をしている場合じゃない! とは思ったのですが、非常に厳しい日程の中、必死に仕事をしています。

オーナー1の仕事場の写真です。スマートにいえば、コンピュータシステムのキッティングルーム。でも、実際はスマートじゃないです。広いとは言えないスペースにサーバが20数台、クライアントも20数台、インテリジェントHUBが100台以上、その他諸々の周辺機器が山積み! ここには持ってこられないクライアントが約800台!
情報系の大学生たちがアルバイトに来ていますが、一人で同時に4・5台のサーバやクライアントをインストールしています。インストールや設定作業はすべて学生に任せて、オーナー1は次にやる作業の手順書を書いています。手順書やチェックリストがきちんとしていれば、作業自体はだれがやっても同じです。
こういう光景を自分の目で見て、こんな作業をやらせてもらえる大学生は、ある意味幸せなんですけどね。大学生としては高額なバイト代が出るし。

あと1週間ぐらいこれが続いた後、これらを現場に持ち込んでの最終調整作業や直接現場に搬入される多量のPCのインストール作業になります。現場は20カ所。2チームで同時進行し、1カ所2日間で完成! 単純計算で20日間かかります。
それにしても、そんなスピードでコンピュータシステムを稼働させられる会社って多くないと思いますけど...
 
10月9日    石川町不参加
今日から福島県石川町スターフェスティバルですね。胎内や原村などと較べると規模は小さいですが、ここが一番楽しいスターフェスティバルだと思います。メーカーも個人参加者も、ひとつの会場に機材を広げて、会場を一回りすればすべてが見られるのがいいですね。メーカーや販売店がデモしている機材も個人の力作も、会場内を歩き回ってすべて見せてもらえます。会場に車で入って、車の横に望遠鏡を設置できるのも便利です。
石川町だけは必ず行くぞ! と思っていたのですが、3連休にびっしり仕事が入ってしまいました。今後、半年間ぐらい生きていくための収入を得る大切な仕事のため、やむなく不参加になります。
天気もイマイチのようです。

それにしても、最近、全然星見てないです。天気が悪いこともありますが、仕事が忙しいこともあって・・・
 
10月8日    iPhone改
友人のTさんから、天文ガイド見ました! というメールが来ました。オーナー1は、このところ忙しいで、最近本屋に行っていません。何のことかわからなかったのですが、胎内関係のようでした。その後、Tさんがオーナー1宅に天文ガイドを持ってきました。小さい写真ですが、オーナー1と高橋眼科の高橋先生のツーショットが掲載されていました。さらに、その上の写真は、このTさんご一家です。高橋さんと書かれていますが、これは誤植で、「タカハシ」ではなく「タカ○ツ」さんです。

そのTさんが天文ガイドとともに、iPhoneを2台持ってきました。それが右の写真です。これをクリックすると大きい写真が出ます。よく見較べてください。アイコン配置の違いは気にしないことにして、それ以外の違いはどこでしょう。
それぞれの左上です。
左側のiPhoneは、NTT・・・と表示されています! iPhoneにDocomoのSIMを入れて、iPhoneをDocomoの携帯として使っていました。これにはDocomoの料金体系が適用されています。海外からの輸入品ではなく、日本で売られているPhoneを自分でこうしたそうです。そんなことができてしまうのですね。しかし、簡単にできることではなく、幾多のノウハウがあるようです。DocomoとSoftbankならこれができるのでしょうが、auは無理な気がします。auにこだわるなら、やはりIS03でしょうか。
 
10月5日    スマートフォン
auから新しいスマートフォンが発表になりました。IS03。
写真の左側、右はiPhone 3GS。

http://topics.jp.msn.com/digital/mobile/article.aspx?articleid=418712

これは良さそうですね。iPhone に劣等感を持たずに使えそうです。やっとauから、使えそうなスマートフォンが出ます。発売は11月下旬以降。
とりあえず買ってみようと思います。田舎で使う携帯はauが一番!

 
10月1日    代車
事故後3日目にトヨタから代車が来ました。代車は荷物の積める車がいい! という注文をしたら、アイシスが来ました。2Lエンジンで、結構良いグレードで、1万kmも走っていない新しい車です。なんでこんな車が代車として使われているのか? と考えると、事情通ならいくつかの理由が考えられますが、それは考えないことにしましょう。エスティマよりは二回りぐらい小さいですが、荷物を運ぶにはライトバンよりはいいです。一人乗りで、荷物最大というシートアレンジができて、助手席側センターピラーがないというのは、荷物の積み降ろしに便利です。
しかし、この車、オーナー1の自宅にあるS4、レガシーGT、エスティマと較べると、明らかに安い車です。アイシスに乗ったオーナー1の奥さんは、安そうな車! ライトバンみたい! あれが200万円?! と欲しくなさそうでした。・・・というのは、現在のオーナー1宅の選択肢としては、エスティマを捨てて(廃車にする)アイシスを買う、エスティマを修理して乗り続ける、このどちらかしかありません。200万円出して安い車が来るのと、100万円の修理代を出して元のエスティマが帰って来るのとでは、どちらがいいかという選択になりました。考えるまでもなく後者の方がいいです。

そういうわけで、エスティマを修理することにしました。車両保険は、車対車の事故しか補償の対象になっていないやつなので、修理代100万円は自腹です。車両保険は、高いけど自損事故も対象になるフルサポートにしましょう! 交通事故は、相手がある事故よりも自損事故の方が可能性が高いです。
この事故で、オーナー1がけがをして入院した場合、オーナー1にとっての損害は100万円より1ケタ多い額になっていたはずです。今回は喜んで100万円払うことにします。

以上のことからわかるかもしれませんが、オーナー1は、今年の2月・3月頃と同じ、非常に忙しい仕事が始まりました。星を見に行くこともできず、このWebサイトの更新も滞りがちになるかと思います。ご了承ください。
 
9月28日    交通事故
27日夜、オーナー1が自爆の交通事故をやりました。雨の中、高速道路に入ろうとして、左カーブの合流車線を加速中に、ほぼ100km/hで後輪が急激に滑って、360度+120度ぐらい回ってコンクリート壁に衝突、さらに跳ね返って後ろ向きに進み、ハンドルはカウンターステアがあたったままだったので、バックのまま急旋回して後ろからまたコンクリート壁に衝突しました。
車はコントロールを失いながらも、被害が最小限に収まるように多少の努力をしたので、体はかすり傷ひとつ無く、車もそのまま高速を走って家に帰れました。しかし、車は前後と右側が壊れて、修理には時間も費用も相当かかりそうです。廃車にした方がいいかな・・・という選択肢もありそうです。
ちなみに、壊したのはエスティマでS4ではありません。そもそも、S4なら滑りません。

なんでそんなに急に後輪が滑ったのか・・・  理由は明白で、このとき前輪には、最高クラスのウエット性能を誇るポテンザ050が付いていて、後輪はスタッドレスタイヤでした! 050がパンクして仮にスタッドレスを付けていました。エスティマは普段、オーナー1の妻が乗っていて、この日だけ借りて運転しました。スタッドレスが付いているという意識が薄かったのが敗因です。

自動車のタイヤとブレーキは乗っている人の命を預けるものです。タイヤは前後・左右で違うものを付けると、こういうことになります。すり減ったタイヤがパンクしたときは、まだしばらく使えたとしてもパンクした1本だけを交換しないで、4本まとめて交換しましょう。今回は、4本まとめて交換しようとしていた矢先の事故でした。
 
9月24日    APM(LZOS) Apo 105/650 接眼部
この鏡筒の概略はトップページの通りですが、接眼部についてご紹介します。

写真のBの部分が外径10cmほどで、約85mm伸縮します。白い鏡筒部にある2本の黒いネジがロックネジで、これをゆるめて手で引っ張ると伸びます。一番太い部分が手動の伸縮というのは、日本人の発想にはないと思いますが、頼りなさはありません。きっと光軸を保ったまま、平行移動してくれそうです。

Bの矢印のすぐ左にある金色のネジ3本が接眼部回転装置のロックネジで、ここから回ります。その左側がThe Starlight Instruments 社の 2.5インチ目盛り付き FeatherTouch Focuser です。ドローチューブの終端は、62φ(?)ピッチ1mmのメスネジで、その先に2インチアダプターがねじ込まれています。2インチスリーブのアイピースロックは、真鍮リング締付式ですがロックネジは3本あります。

各部のサイズは正確には測定していませんが、大体こんなことろです。
近いうち(数ヶ月以内には)、これのレデューサー/フラットナーが発売になる予定です。それの待ち行列に並んでいます。きっとAの左側に付くのでしょう。
眼視性能も写真性能も期待できる鏡筒です。
しばらく天気が悪そうですが、早く星を見てみたい!
 
9月23日    天気が悪い
このサイトもそうですが、オーナー1がよく見るWebサイトやブログも最近、更新が少ないようです。全国的に天気が悪いのでしょうか。それとも皆さん忙しいのでしょうか。
このところ、東北から関東にかけて秋雨前線がかかっており、ななつがたけ北天文台は毎日曇りです(・・・と思います。現地で見ていないので定かではありません)。今日もオーナー1の自宅では薄雲がかかっており、月と木星しか見えません。でも、まだ見えているだけマシで、数日ぶりに星を見ました。そんな状態ですから、.なかなかネタがなくて更新が進みません。オーナー2も本業が忙しいようで...

そんな中、着実に更新されているサイトもあります。オーナー1の星仲間、と言っては失礼になる先輩ですが、こちらのサイトは、毎日、もしくはそれに近い頻度で更新されています。よろしければご覧ください。

 mn3192さんのブログ
  http://blogs.yahoo.co.jp/mn3192b/MYBLOG/yblog.html?m=lc&p=1

 スタパオーナー八ヶ岳日記
  http://star-party.jp/wp/
 
9月22日    新10cm鏡筒

APM(LZOS) Apo 105/650 鏡筒を入手しました。現在、オーナー2のところにある鏡筒と基本的には同じものですが、接眼部が2.5インチで写真撮影対応です。
購入にあたっては、ドイツからの個人輸入になります。オーナー2にAPMの社長とコンタクトをとってもらって、在庫状況や商品の善し悪しについて問い合わせ(けっこう気さくに教えてくれたようです)、いいのが1本あるということで、すかさずそれを買うことにしました。
代金はカードで支払い、国際貨物で送ってもらいます。ユーロ安の現在、けっこうお買い得です。日本の税関で税金を支払いますが、関税はなし、消費税のみでした。税額は、商品の種類、個人で使用するのか企業、官公庁で使用するのかで違うようです。「中味は天体望遠鏡で個人で使用するんだ!」としっかり言わないと余計な税金を支払うことになるようです。

余談ですが、在庫品を買うときは、自分ですごくいい!と思ったものがあって、手持ちの予算内で買えるときは、すかさず買った方がいいでしょう。オーナー2も先日、望遠鏡ではありませんが、かなり高価なものを在庫品で気に入ったものがあったので、すかさず買うことにしたそうです。納期が短いのがいいところです。
それもそのうち、ここに出てくるでしょう。

この製品には、レンズにシリアル番号があり、個別の検査データが添付されています。その一部が右上の通りです。Strehl Ratio 98.8% というのはすごいですね。ここまで来ると、これにどれほど意味があるのかわかりませんが。

(9月26日 追記)
台風一過の快晴の空で星を見てみました。2インチ天頂ミラーを付けても、太い方のドローチューブを最大まで引き出して(下の写真の一番上の状態)ちょうどピントが合います。これなら双眼装置も問題ないでしょう。シーイングがかなり悪かったので、よく見えませんでした。ひとつわかったのは、このレンズ、像面湾曲がかなり大きいということです。XW30とXW20で低倍率で見てみましたが、中央でピントを合わせると最外周は彗星状です。視野全体がほぼ点像といえる妥協点はありません。しかし、最外周でピントを合わせれば、中央とほど同じ点像になります。他の収差は少なく、像面湾曲だけの問題です。
 


        伸ばせるところを最も伸ばした状態
        黒い太い部分が伸縮する
        その先に2.5インチフェザータッチ
          フォーカサーがある







付属の鏡筒バンドを付けて
最も短くした状態






   最も縮めた状態
   大きさ比較のためCDケースを置いた
 
9月21日    最近、興味のある天文機材
ここしばらく、天文台に行ってないし星も見てません。天気が良くないのと、たいした仕事ではないけど、毎日、何かしら仕事が入っていて、余裕がありません。そんな中で、最近、興味のある天文機材がいくつか出てきました。それを紹介します。

ジズコ扱いの米オライオン社のGOTOドブソニアン。その中でも30cmの「XT12g」が良さそうです。
  http://www.zizco.jp/15shop_USorion/027gotodobsonian.html
これは一つの理想型です。ななつがたけ北天文台で買う予定です。さらに、この鏡筒を2つに切って、間に光軸再現性のいい金具を付けて、持ち運びに便利なようにしたいと思います。

タカハシからμ300の新型が出るそうです。オーナーの友人がそれを買うことにしたそうで、アマチュア用としては、最高の惑星観測用望遠鏡だと思います。二重星もいいでしょうね。

キャノンから60Dが出ました。なかなかのハイスペック。こんなすごいものを天体専用に改造してしまうのはいかにももったいない。5D改よりはマシですが。
  http://cweb.canon.jp/camera/eosd/60d/index.html

ニコンの新型アイピースがいよいよ10月1日発売開始。見掛け視界102度! しかも焦点距離を変えるコンバージョンレンズ標準装備。きっとイーソスより安いんでしょうね。

APMの望遠鏡は、みんな興味があります。
  http://www.apm-telescopes.de/teleskope_proauswahl_1_1_1.html
最近、ここの10cm鏡筒を買いました(以前、オーナー2が紹介したものとは別製品です)。近いうち、ご紹介できると思います。

 
9月13日    快適な観望のために・・・2つのハンドル    オーナー2
天体観望には幾つかの危険があります。
中でも危険なものは「落下!」です。バランスウェイトが脚に落ちると指の骨折に繋がります。これが鏡筒だと、まずアウトです。新品の127mmペッツバールタイプ屈折がコンクリートに激突したとの話もあります。最近ではアリガタ・アリミゾシステムが普及していますが、取り付けが簡単な反面、暗闇での誤操作の機会も増えてきています。
鏡筒は普通の状態でもつるつる滑るし、それが夜露や霜に覆われたときはすごく危険な状態になります。8cm屈折クラスまでは、片手で胸の高さまで持ち上げて、正確にアリミゾにはめ込み、もう一つの手でクランプを締め込むことがなんとか可能ですが、10cm屈折となるとそうはいきません。そこで登場するのが鏡筒バンド「ハンドル」です!

たかがハンドルですが、これにより鏡筒の把持が非常に楽になり、持ち上げることだけに集中できます。私は鏡筒バンドは大嫌いでツァイスの鏡筒のようにアリガタ直付けが望ましいと思っていますが、ハンドルを後付する場所として鏡筒バンドはうってつけなので許容しています。というわけで、今我が家にある屈折鏡筒AP130, NP127, WO/TEC110, APM105には全てハンドルが着いています(例外はAPM80とタカハシ65Pボーグ50ED改)。これで本当に取り扱いが楽になりました(遊馬製作所さんに感謝、感謝です)。

話は全く変わって、皆さんはフリーストップ経緯台で、どのようにして望遠鏡の方向を制御していますか? たとえドブソニアン式であろうとも私はドローチューブを持つことにすごく抵抗があります。そこで登場するのはまたもや「ハンドル」です。操作用ハンドルは、望遠鏡の鏡筒バンドに取り付けるより経緯台そのものに取り付けるべきです。ハンドルにもいろいろありますが、最近はアリミゾ金具に取り付けてみました。アリミゾ金具はK-ASTEC製、ハンドルはDiscMount社製で、加工はいつもの遊馬製作所さんです。もちろん工具無しで取り付けができます。これで私の使う全ての経緯台システムでハンドルが使用することができるようになりました。

この2つのハンドルのおかげで安心・快適な観望が実現します。なぜ純正のシステムでは少ないのか・・・これはメーカーの怠慢だと思います。













通称「HF-D」経緯台もハンドルを付けると快適です
                          (オーナー1)
 
9月11日    秋めいてきた
9日、日本付近の雲の様子を見ると、南会津は湿気が多いながらも晴れそうな感じでした。仕事帰りに天文台に行ってきました。
楓林舎に行くと、楓林舎オーナーの35年ぐらい後輩にあたる天文サークルの学生たちが来ていました。大学生は、まだ夏休みなんですね。
東京都心にある大学の天文サークルというのは、現在は何をしてるんでしょうね。来ていたのは1・2年生だけだそうで、実写版「宙のまにまに」を見たような気がしました。

それはさておき、この日は晴れはしましたが、めまぐるしく天気が変化しました。全天晴れた!と思ったら、あっという間に曇り、晴れ間に望遠鏡を向けるとそこが曇りで、落ち着いて観望などできず、天体写真撮影など問題外でした。シンチレーションもめまぐるしく変化しました。木星が落ち着いている!と思って見ていると、とたんに暴れ出したり。でも、晴れているところはけっこうきれいに星が見えており、何もしないのももったいないので、なぜか有り余るほどある鏡筒を載せ替えながら、バランスと効率の良い鏡筒配置を試しました。さらに、夜中の2時頃、ボール盤を回して必要なパーツを作ったりしました。星を見ながらパーツを作るというのは、けっこう効率が良いことを発見しました。
ビクセンのVMC260Lも久しぶりに25E赤道儀に載りました。そのときはシーイングがイマイチだったので、木星を見ましたが、期待したほどきれいに見えませんでした。

そんなことをしながら薄明の始まるあたりまでドームにいました。はじめはTシャツ1枚でいましたが、間もなく寒くなってトレーナーを着込みました。この夏以降、初めてのトレーナーでした。薄明が始まる頃、楓林舎に戻って寝ました。朝まで毛布をしっかりかぶって寝ないと風邪を引きそうなくらい寒くなりました。これも夏以降、初めての毛布でした。
翌朝起きるといい天気! 空の色が秋です。楓林舎の周りはススキの穂が出そろい、秋の光がさしています。長かった猛暑も終わりが見えてきた気がしました。
しかし、自宅に帰ったら、残念ながらまだ猛暑でした。
 
9月6日     8cm鏡筒比較  その2
ななつがたけ北天文台に8cm鏡筒がまた3本やってきました。
  ケンコー Sky Explorer SE 80 ED Ⅱ 80/500 F6.25
  ビクセン A80SS 80/400 F5 (アクロマートレンズ)
  ペンタックス 75SDHF 75/500 F6.7

4日の晩は久しぶりに快晴になりました。地平線から30度ぐらいまでは、多少モヤってましたが、その上はきれいな天の川が見えました。
この日の楓林舎は、2つの天文グループが来ていて超満員でした。超気合いの入ったグループとちょっと気合いの入ったグループの人たちで、かなりマニアックな雰囲気が漂っていました。夕食後、席を立つ早さで気合いの入り方がわかります。常連グループと今回初めてのグループという差はありますが。

そんな中、オーナー1は一人天文台にこもり、8cm鏡筒比較をやっていました。今回同架された8cm鏡筒は写真の通りで、
  MIZAR 80/600 F7.5
  MAXVISON 80/480 F6
  ケンコー Sky Explorer SE 80 ED Ⅱ 80/500 F6.25
  ビクセン A80SS 80/400 F5 (アクロマートレンズ)
の4本です。ペンタックス 75SDHFは次回となります。

まずは、高倍率ので二重星テスト。ナグラーズームの2-4と3-6、XO2.5を使って200倍前後の倍率で見ました。今回はTOA130が載っているので、まずはこれで確実に分離していることを確認してから8cm鏡筒を見ました。
ζ Aqr はすべて分離しました。ビクセン A80SSで分離したのは画期的です。この日に見た二重星でA80SSが分離したのはこれだけでした。比較的シャープな中心像の周りにカラフルな色が付きます。ピント調整ノブをわずかに回すたびに周りの色が変わります。ハイレベルな鏡筒ばかりを見ていたので、「おー、アクロマートだ!」と感心してしまいました。しかし、星が点になりますから、低倍率での観望やガイド鏡として使う分には優秀な鏡筒です。
手元に記録のメモがないのですみませんが、アポクロマート鏡筒で μ Cyg とπ Cep 、α Psc 、10 Ari 、ε Ari のうちの1つが分離しました。前回は一部の鏡筒が微振動していて、正確な結果にならなかったので、今回は振動がないことを確かめました。それでもMAXVISON はディフラクションリングが不鮮明で星像もやや大きかったようです。ケンコーがMAXVISONよりよく見えました。

今回の結果も加えた高倍率での8cm鏡筒ランキングは以下の通りです。*印が現在購入可能な製品です。
  GOTO 80/1200 F15
  MIZAR 80/600 F7.5
  APM 80/500 F6.25 *
  SHARPSTAR 80/490 F6.1 *  TeleVue 76/480 F6.3 *   VIXEN 80/720 F9
  ケンコー Sky Explorer SE 80 ED Ⅱ 80/500 F6.25 *
  MAXVISON 80/480 F6 *
  TAKAHASHI 76/600 F7.9
     ・               (大きな差がある)
  VIXEN A80SS 80/400 F5  
アクロマートのA80SS以外は、光学性能的には 僅差です。同じ製品でもある程度の個体差があるでしょうから、APMからTAKAHASHI までは個体差に収まってしまう範囲かもしれません。しかし、レンズ以外の点で差があります。ケンコーの接眼部は、多くの現行鏡筒と同じ減速微動付きクレイフォードですが、動きが悪くてほとんど使い物になりません。MAXVISON は鏡筒にファインダーが付けられないので、ファインダー不要な用途には良いですが、これ1本で観望するには別途購入しなければならない物がけっこう高額になります。

低倍率で星を見るとき、像面湾曲が問題になります。中心と周辺でピント位置が違うため、中心でピントを合わせると周辺部がボケます。逆に周辺でピントを合わせたとき、点像になれば像面湾曲だけで他の収差は問題ないことになります。XW20mmを使って各鏡筒で見較べました。MIZAR 80/600は湾曲が少なく、ほぼフラットです。ケンコーとMAXVISON が同程度で、周辺の2割ぐらいがボケます。中間でピントを合わせると視野全体が許せる範囲内に収まります。TOA130でも低倍率にするとそんなもんですから仕方ないでしょう。A80SSは湾曲とその他の収差も重なって視野内の半分ぐらいしか使えません。
 
9月4日     
年はとりたくないですね。目が急激に老化してきます。老眼になって近くにピントが合いません。星ナビの活字が読めなくなってきました。明るい部屋でないと読めません。薄暗いところで読もうとすると、なかなか読めなくてイライラしてきて、読むのをやめてしまいます。

私の場合、左目に特に問題があます。目の中心部にあって、ものが一番よく見える黄斑がデコボコしてきていて、物がゆがんで見えます。たとえば、前を走る車のナンバープレートの数字がゆがんでしまい、「0」がつぶれて「1」に見えたり、4桁ある番号が3桁にしか見えなかったり。私の場合、右目が効き目ですがそちらは問題ありません。通常ならば効き目側が脳の中で優先され、そちらを中心に画像処理されるはずですが、この場合、いち早く危険を察知してそれを避けるために、通常はあり得ない見え方をしている方を優先して画像処理するプログラムがあるものと思われます。
また、左目の飛蚊が甚だしく、ゴミだらけです。右目もかなり飛蚊があります。そんな目で高倍率で木星を見ると、良い方の右目で見ても、ゴミが邪魔で木星面がよく見えません。左目に至っては、ゴミが多数漂う中の向こう側に木星がある感じで、縞模様1本しか見えません。月を見ても、左目は表面がゴミだらけの水の入っていない安いコップを通して見ているような感じです。

こんな状態ですから、惑星を見ても楽しくありません。双眼装置や双眼望遠鏡で見ると、多少改善されるので、その方がマシですが、本来見えるべきの画像が見えてはいないのでしょう。これは治療のしようがないようです。
ですから、そうなる前に、火星・木星・土星などを自分の目で十分によく見ておいてもらいたいと思います。
 
8月28日    8cm鏡筒紹介   Televue 76/480 F6.3
8月10日に SHARPSTAR 80/490 を紹介してから、しばらく間が開いてしまいましたが、今回は Televue76 を紹介します。
日本での名称は、テレビュー76(セブンティー・シックス)。(株)ジズコがテレビュー・ジャパンとして販売しています。

  有効径76mm 2枚構成SDアポクロマート  焦点距離480mm F6.3
  鏡筒外径75mm(だと思う)
  鏡筒バンドには、19.75mm間隔で3箇所の1/4インチメスネジあり
  ラック・アンド・ピニオン接眼部  繰り出し量 約68.0mm
  接眼端径 2インチスリーブ  それぞれ2点式のクランプネジ
  全長 約370mm(鏡筒本体のみ、対物キャップ付)  重量 約2.7kg
  専用キャリーバッグ、日本語取扱説明書付属、アイピースやファインダーは付属しません

有効径が76mmですから、正式には8cm鏡筒ではありませんが、8cmとして同列に扱っていいだけの性能があります。低倍率での星像がすばらしく、また、8cmの限界を超える高倍率にしても星像が破綻しません。そして最大の特徴は小さいこと。35cm主鏡に同架するとファインダーにしか見えません。移動観測時にはこの小ささがものをいいます。写真性能もすばらしく、Kitt Peak National Observatory Visitor Center の広角写真鏡筒になっています(もう1本はTakahashi FSQ-106)。
接眼部オプションの減速微動装置「フォーカスメイト」特価 27,300円は、値段が高い上に大きくてかなり出っ張りますが、あった方がいいオプションでしょう。フードは伸縮式ですが、精度がイマイチでガタつきます。それ以外はたいへん良くできています。
テレビューWebサイトの表示で気になるのは、「最大視野 5.5度 - PL55mm使用時」というのがあります。この場合、瞳径が8.7mmになり、有効最低倍率を遙かに超えています。超えてはいけないわけではありませんが、口径を無駄にします。ペンタックスのXW40を付けると12倍、瞳径6.3mmで実視界5.8度になります。こちらの方がずっとお勧めです。これこそ史上最強のファインダーです。もちろん、これをファインダーとして使うに値する高性能主望遠鏡に同架しないと意味がありません。
 
8月22日    胎内星祭り
20日(金)の夜から胎内に行ってきました。オーナー1は胎内に行くのは初めてです。
行ってみてまず、人の、いや、車の多さに圧倒されました。午後7時台に着きましたが、初日で平日の夜だというのに、車を止めるスペースがほとんどありませんでした。誘導の人の指示に従って車を進めていったら、ひと周りして会場から出されてしまいました。車は途中に強引に止めるしかないと悟り、2週目はなんとか車を止めました。しかし、会場からかなり離れたところで、仕方なく会場まで5分ほど歩きました。
翌日はさらにとんでもない混雑でした。

星祭りの初日に行く理由は、店開きをして間もなくのメーカーや販売店に行き、掘り出し物をあさってくるためです。掘り出し物というのは、初日の夜でほぼ無くなります。今回は、ビクセンでパーツをいろいろ買ってきました。こういう時には、ビクセンから大学の先輩の I 藤さんが来ているので、会って話をしに行き、ついでに何か買ってくるというパターンが続いています。ビクセンのブースには自作派には役に立つパーツがいろいろ転がっています。
その後、昭和機械のテントへ。社長のW辺さんや若い社員のみなさんの他に、T山さんやT槻さんがいて、オーナー1もまるでそこの関係者のように、その日も翌日も昭和のテントに居座ることになりました。食べ物や飲み物をたくさんいただきました。ごちそうさまでした。

各社から展示されていた天文機材では、ここで初めて見るようなものはなかったと思いますが、良さそうなもの、おもしろそうなものがいくつかありました。
Vixen のAXDとSTARBOOK TEN は良さそうです。最大サイズの移動使用赤道儀というポジションのベストチョイスになると思います。STARBOOK TEN は、使いやすさという意味ではこれがベストかどうかはわかりませんが、機能的にはとても良くできています。これまでのスターブックの機能は継承し、スカイセンサーPCにあった機能もすべて取り込んだうえで、それらを発展させています。
昭和のブースに出ていた小型赤道儀の試作品がおもしろそうでした。「トースト」に似ていて同じような製品に見えますが、似て非なるもの。トーストと同じような使い方もできますが、見た目以上の強度と高精度があり、今までにない機能を持った天体写真撮影用赤道儀です。600mmぐらいまではこれで自動ガイドできるようです。機材とともに極軸あわせの方法やカメラの焦点距離と極軸の向きの精度との関係など、新しい使い方のノウハウも付いてくるようです。


昭和が展示していた30cmF2.8プライムフォーカス&20EL赤道儀については、仲間内ではあまり話題になりませんでしたが、それに同架されていた、製品ではない、販売される予定もない10cmF6.4屈折鏡筒が大人気でした。とにかくよく見える! Tさんは、この会場にある望遠鏡の中で一番よく見えると言っていました。製品として販売できない理由があるのでしょうが、覗いた人はきっと買うと思います。でも、昭和機械という会社が10cm屈折鏡筒を販売します、と広告を出しただけではだれも振り向いてくれないでしょうね。いくら良いものを作っても、それを販売するときの難しさはあります。

オーナー1が以前からリクエストしていた大型自動経緯台の製作も一歩進みそうです。片持ちではない2本アームのフォーク式で、15cm双眼望遠鏡もしくは30cmシュミカセぐらいまで載せられて、簡易駆動版は手動導入セミ自動ガイド。たとえば、手動で木星を視野に入れると数分間は視野内に止めておいてくれ、ボタンを押して補正すればそれを覚えて追尾精度が上がるタイプ。高級版は自動導入自動ガイドのA-ZEUS仕様。近いうち、仕様と外観と概算価格が提示される予定です。実際に製作するときは、必ず買う人を10人集めろという指令がオーナー1に出されました。50台ぐらいはすぐに売れると思いますが、とりあえず10人は欲しいそうです。
これだけの情報で「その経緯台欲しい!」と思う方がいたら手を挙げてください。「経緯台欲しい」とメールください。詳細が出てから考えるという人も「経緯台に興味ある」とメールください。

 
8月18日    私の理想の機材    オーナー2
機材は観測所を作って固定設置する以外は運用を十分考慮しなければならないと思います。加齢による体力低下や飛蚊症も重要なファクターです。以下は、観望主体の私の場合です。

対象は、月・惑星からメジャーな星雲星団、二重星です。マニアックなDSPはパス。
球状星団や銀河のアップは誰かに見せてもらうことにします。
据え付けではなく観望のたびに組み立て分解をします。
一台でこれらの条件を満足する機材はなんでしょうか?

現時点では高性能アポクロマート13cm屈折双眼望遠鏡だと思います。飛蚊症の影響をできるだけ回避するには1つだけではなく2つの目玉を使うことです。特に高倍率で惑星を見るときはこれにつきると思います。さらに2つの目玉で見ることは人間にとって生理的な行為であり、単眼と比較すると疲れが圧倒的に少ないというメリットもあります。分解能は所詮13cmですが、インパクトはそれ以上です。13cm屈折望遠鏡はタカハシのTOAが白眉ですが、大きさと重さに圧倒されます。でも、現在ではもっと小さい選択肢もあります。また、焦点距離もとても大切なポイントです。双眼視が可能で比較的小さな瞳径ともっとも広視界の得られるアイピースはNagler Type4 22mmやEthos17mmの類です。これで約2度の視界を得るためには900mm程度が限界になります。具体的にはTMBブランドや少し口径は小さくなりますがタカハシTSA120などなどでしょう。

架台は基本的には経緯台で自動導入無しのフリーストップがお勧めです。できの良いフリーストップ架台は倍率が200倍程度ならば十分追尾が可能です。ちなみに私はNagler Zoom 3-6mm 220倍 0.23度で木星を楽しむことがあります。
ぐだぐだと書きましたが、まだ元気なうちの10年間のために13cmクラス屈折双眼望遠鏡はお勧めです。とにかく覗いて疲れませんしその迫力は圧倒的です。散開星団やメジャーな星雲などが視野一杯の微光星の中にぽっかり浮かんでする情景は最高です。惑星など飽きずに30分くらいは眺めていられます。疲れの少ない観望、これが理想だと思います。




オーナー1 *注
片目を閉じて開いている方の目でアイピースを覗くとき、あなたはどれほどの時間覗き続けられますか?
オーナー1は30秒で疲れて目を離します。ところが双眼望遠鏡ならば、10分でも20分でも覗き続けられます。たとえば木星を両目でそれだけの時間覗き続けられれば、シーイングのいい瞬間も訪れます。飛蚊もコンポジットされます。人間の脳がやるコンポジットは単純にルート2ではありません。良い方を採る、もしくは、通常と違う見え方をしている方を採るという働きをします。要するに両目で見ると、とても細かいところまでよく見えます。

 
8月15日    単眼観望におけるお勧めの機材    オーナー2
1年を通して1台で済ませる場合は10cmクラスの屈折望遠鏡だと思います。
惑星も満足できるくらいによく見えるし、散開星団を見るには広視界と集光力のバランスがとても良く取れている。高精度の10cmで見る二重星は色の対比だけではなく、ディフラクションリングを含めて楽しめます。というわけで最近は「たかが10cm、されど10cm」を実感しています。本当に高性能10cm屈折は人生を豊にしてくれます。私も財政が許せば何本でも欲しいくらい。横浜の某Y氏は自他共に認める10cmコレクターですがその心情は十二分に理解することができます。

でも、ジェット気流が吹きすさぶ北関東の冬は口径10cmでも大きすぎます。木星を見ると「川底の100円玉」のように見えます。こんな冬でも比較的安定しているのは口径8cmです。たった8cmと言われるかもしれませんが、昔はこれで惑星を観測していた時代もありました。侮れない口径です。しかも寒い冬のさなかでも温度順応が早く、撤収もすごく楽です。なんと言っても軽いので鏡筒落下の事故もないだろうし、体にとても優しい口径だと思います。
10cm屈折はマルチパーパス望遠鏡ですが、条件の良いフィールドに行った時にもう少し口径が欲しくなることがあります。ここで欲張って超マニアックなDSPに走ると口径の泥沼にはまります。最初は30cmで満足していますが、それでは収まらず結局は40cmを越えて気持ちは夢の50cmまでいっちゃいます。

では、10cm屈折の次の口径はなんでしょうか? 惑星などに重点を置くならば、そして性能発揮機会の歩留まりを高くするのならば15cm屈折でしょう。15cm屈折はアマチュアの憧れであり、実際にとても魅力的ですが如何せん重くデカイ・・・。私には運用ができませんでした。結局私は13cm屈折で収まっています。この13cmというのは屈折の絶妙なる落としどころだと思います。もし狭いベランダでも取り回しが可能な小さな13cm屈折があるのならば10cm屈折を13cm屈折に口径アップしても良いかもしれません。ちなみに私の13cm屈折はAP130/820とTV127/660ですが、両者共に観望時におしりが窓ガラスに張り付きます。TSA120もカタログスペックの全長からすると我が家のベランダでは取り回しが完全に不可能でしょう。

次に星雲星団に対する次の口径はなんでしょうか?答えは簡単でした。次の望遠鏡はタカハシ イプシロン-180とEthos13mmの組合せです。当HPでも何度かこの話題がでていますが、星野観望においてとてもすばらしい望遠鏡です。集光力と広視界のバランスはおそらく最高でしょう。もうこれで十分です。

架台はいろいろありますが、一つはフリーストップ経緯台があるととてもいいと思います。自由にストレス無く星野を流すのは娑婆のストレス解消には最適です。現在はAOK/AYO経緯台で満足していますが、DM-4またはDM-6になるかもしれません。ユーハンの経緯台にも多少の興味はあります。もちろん赤道儀も否定する物ではありません。この程度の機材だとEM-11クラスで十分だと思います。自動導入器を選ぶかどうかは全くの好みの問題ですね。

最後にアイピース。これはとても重要です。でもとても簡単。短焦点側はTV Nagler Zoom 3-6または2-4mmで十分。これ1本で数本分の働きをしてくれます。古典的なオルソスコピックタイプのアイピースやモノセントリックアイピースも持ってはいますが、ズームの便利さと性能の高さからほとんどの場合、このアイピースを使っています。その日のシーングに合わせて焦点距離を簡単に選択できるのは本当に便利です。低倍率側はPanoptic 24mmを愛用しています。2インチはイプシロン-180用のEthos13mm。

実際に私が選んだ機材は以下です。
  8cm:APM80/500
  10cm: APM (TMB)100/650
  タカハシ イプシロン-180(オーナー1所有)
  赤道儀架台:タカハシ90S
  経緯台:AOK/AYO, Discmount DM-4/6

この中で遠征に持って行く鏡筒は10cm屈折(APM/TMB105/650)とイプシロン-180でしょうね。場合によっては10cm屈折がAP130/820に変更されるかもしれません。

8cm鏡筒はTV-76/85も価格以外はとてもいい選択です。10cm鏡筒は私の部屋の狭い方のベランダに合わせて短焦点にしています。もしベランダが広かったら10cmなみに小さな13cm屈折に変更したかもしれません(勿論TOA130ではありません)。赤道儀はGM-8やEM-11、SXDもいいと思います。

なんだがオーナー1の結論とほとんど同じになってしまいました。でもこの選択はある程度普遍性があると思っています。高品質の8cm/10cm/18cmでヒトは十分幸せになれます。しかもこれらは年をとっても十分に運用可能でしょう。
そういえば今回の話の中には残念ながらドブソニアンは出てきませんね。これについてはまた後日です
 
8月13日    観望用望遠鏡セット
これまでにも、お気軽天体観望用望遠鏡は何が良いかという話は、主にオーナー2が「天文台日記」に書いてきました。
「何が良い」というのは、使う人の用途や考え方、移動手段、体力などにより千差万別です。しかし、これはおすすめ!というものもあるので、改めてご紹介します。

まず、鏡筒
月・惑星用と星雲星団用の2本必要です。月・惑星用は、良質な8cmか、できれば10cm屈折がいいでしょう。タカハシのTSA-102、ビクセンAX103S、小さい方が良ければTeleVue-NP101。金額は別として、入手法が簡単な製品としてはこのあたりでしょう。8cmは天文台日記に比較記事があります。10cmでは小さいのでは? という人もいると思います。10cmより20cm、20cmより30cmの方がよく見えるのは確かですが、20cmや30cmの口径を生かせるシーイングの日がどれほどあるのか! 小口径ならシーイングが多少悪くてもある程度までは見えますが、大口径望遠鏡はシーイングの悪い日はお休みになります。口径が大きくなるに従って稼働率が低くなります。日本の上をジェット気流が流れていることを忘れてはいけません。
アイピースは中倍率用と高倍率用の2種類が必要です。中倍率用はハイペリオンズームの8-24、高倍率用は対物レンズの焦点距離により、ナグラーズームの2-4か3-6のどちらか。この2本のズームアイピースがあれば十分です。

星雲星団用鏡筒はひとつしかありません。タカハシε180ED+イーソス13mmアイピースです。広く明るい視野、そして視野周辺まで星が点になる光学系というのは、これしかありません。ただし、ε180EDにイーソス13mmアイピースは、そのままではピントが出ません。加工するか別途部品を購入する必要があります。「ノウハウ集」参照。
光軸修正ネジの範囲内で、主鏡をわずかに前後させるとピントが合うようになる場合もあります。ななつがたけ北天文台にあるε180は、ちょっと主鏡を下げて、「54-42(オス)mm変換AD」と「42T→50.8AD」だけでピントが合うようになりました。
ε180ED用アイピースは、できればイーソス8mmもあると便利です。
蛇足ながら、ε180ED+イーソス13mmは空が暗いところでのみ、威力を発揮します。多少たりとも光害のあるところでは、バックの光を増幅してしまい、系外銀河などはほとんど見えません。首都圏在住の方は、南会津とか乗鞍とか立山に持って行ってください。

架台
架台は経緯台でも赤道儀でもそれぞれの便利な使い方があるので、どちらでもかまいません。経緯台ならAOK AYO経緯台のような丈夫でスムーズなフリーストップ型が良いでしょう。これなら前記の鏡筒が2本同時に取り付けられます。ただし、鏡筒を完全に平行にしないと2本付けても意味がないので、片側(軽い側)に「TOMITAオリジナル デラックス微動装置 タイプM」を付けると便利です。
架台を何かひとつと言われれば赤道儀の方が良いでしょう。ある程度の精度と強度があって、簡単に自動導入ができるもの。ビクセンのSXD赤道儀がいいと思います。自分の力で目的天体を視野内に導入することに意義を感じる人はEM11あたりがいいでしょう。ε180EDを載せられるGOTO経緯台が出てきたらそれがいいと思います。現在のところ、該当する製品はありません。
観望目的なら、赤道儀に鏡筒を2本載せようとしてはいけません。月と星雲星団を同時に見ることはあり得ません。鏡筒はアリガタアリミゾで簡単に交換できるのですから、星雲星団を見飽きたら交換して、アライメントをやり直して惑星を見ればいいだけのことです。


お金と体力があって、海外から個人輸入できる人はもっと良い他の選択肢もあります。これまでのオーナー2のレポートを参照してください。






 
8月10日    8cm鏡筒紹介   SHARPSTAR 80/490 F6.1
MAXVISONとAPMの8cm鏡筒については以前ここで紹介しました。それ以外の鏡筒について概要を紹介します。
今回は SHARPSTAR 80/490 F6.1

国際光器から販売されており、正式名称は「SHARPSTAR AL-80ED Apochromat」。オハラFPL-53ガラス使用の3枚玉EDアポクロマート屈折鏡筒。
APMと同じ出所のようです。
白色塗装のアルミ鏡筒に2インチクレイフォード接眼部、10:1マイクローフォカス付き。ドロチューブは目盛り付きで、50.8mmのバレルは、締め付けリングタイプ。接眼部回転機構採用で、固定ネジ1本を緩めれば接眼ユニットが回転します。
フードは伸縮式。作りがお粗末で、ロックネジを力一杯締めてもガタガタです。
ビクセン規格のファインダー脚台座が標準装備。
付属の鏡筒バンドは、TeleVueタイプで、穴間隔40mm(テレビューと同じなら39.5mmかも?)、1/4インチメスネジ。中央にもメスネジがあります。アリガタを取り付けるネジは、大型マイナスドライバーかコインで回すタイプ。このネジは、アリガタを鏡筒バンドから取り外してもプレートから落ちない構造です。これが便利そうでダメ。普通に締めたのでは、トルク不足で鏡筒が動いてしまいます。多少の加工が必要ですが、普通の六角レンチで回すネジに変更した方が良いでしょう。

オプションで、フラットナーレンズと0.80Xレデユーサー兼フラットナーレンズ、及びフェザータッチ接眼部と専用アダプターもあります。
 
8月9日     8cm鏡筒、いったん取り外し
同架されていた8cm鏡筒をいったん取り外しました。これだけ同架されていると赤道儀の負荷が大きいし、なにより通常の観望・観測ができません。月が上弦を過ぎた頃、また取り付けて月で比較をしてみます。取り外すに当たって、脱着がより簡単にできるように多少の加工をしました。

取り外した鏡筒を楓林舎のテーブルに長さ順に並べてみました。
左から                                      星像の良い順だと以下の通り
  TeleVue 76/480 F6.3                             GOTO 80/1200 F15
  SHARPSTAR 80/490 F6.1                          MIZAR 80/600 F7.5
  MAXVISON 80/480 F6                            APM 80/500 F6.25
  APM 80/500 F6.25                               TeleVue 76/480 F6.3
  TAKAHASHI 76/600 F7.9                           SHARPSTAR 80/490 F6.1  VIXEN 80/720 F9
  MIZAR 80/600 F7.5                              MAXVISON 80/480 F6

  VIXEN 80/720 F9                               TAKAHASHI 76/600 F7.9
  GOTO 80/1200 F15  

鏡筒径はTeleVue が75mm(ぐらい)、TAKAHASHIとGOTOが95mm、その他は90mmです。
TAKAHASHIの鏡筒バンドにその他の鏡筒が取り付けられるとたいへん便利なのですが、そうはいきませんでした。
35mm間隔、M8のねじ穴が付いた鏡筒径90mmの鏡筒バンドはどこかにないでしょうか?

追記
8cm鏡筒の比較テストをしたときに、APM、 SHARPSTAR、MAXVISONの鏡筒が1・2秒角ぐらいの幅で微振動していました。後日オーナー2と話をして、これが結果に影響があったのではないかという話になりました。この3本は鏡筒の長さも重さも同じくらいなので、ステッピングモーターの振動と共振していたかもしれません。振動の向きと二重星の向きが一致してしまうと分離しにくくなります。MAXVISONの取り付け位置がそういう関係だったと思います。二重星がイマイチで木星がよく見えるという結果もそう思わせます。
そういうわけで、MAXVISONの評価は保留。SHARPSTARも再確認した方がよさそう。APMはMAXVISONとは90度離れた位置にあり、振動の向きが星の並びと直角だったので影響はほとんどないと思います。
 
8月7日     8cm鏡筒比較  その1
8月4日、8cmクラスの鏡筒が8本集まりました。以下の通りです。

ブランド 口径/焦点距離 F 硝材 レンズ枚数
  1.MAXVISON 80/480 F6 ED 3
  2.SHARPSTAR 80/490 F6.1 ED 3
  3.APM 80/500 F6.25 ED 3
  4.TeleVue 76/480 F6.3 SD 2

  5.MIZAR 80/600 F7.5 FLT 2
  6.TAKAHASHI 76/600 F7.9 FLT 2
  7.VIXEN 80/720 F9 ED 2
  8.GOTO 80/1200 F15 ? 3

Fが明るい順に並んでいます。上の4本が現在購入可能な鏡筒。下の4本は過去の製品です。偶然か必然か、現行鏡筒はFが明るいものばかりです。この中で、APM製品は、同じレンズを使用して鏡筒が違うものが数種類あります。どれも入手は難しいですが、海外から個人輸入すればなんとかなるでしょう。
これら以外に
   PETAX 75SDHF 75/500 6.7 SD 3
   TAKAHASHI FSQ85 85/450 5.3 ED 4
の2本が参加してくると思います。

MIZARは、業界では有名なTさんから借りた幻の鏡筒です。GOTOはあこがれの鏡筒でしたが、当時は高価で普通の個人が買うのはほぼ不可能でした。それが今ここにあります。
タカハシはFC76で楓林舎オーナー所有。ビクセンはED80S。オーナー1がガイド鏡にでもしようかなと思って買ったものです。
これらをSHOWA25E赤道儀に載っている35cm反射鏡筒の周りに同架しました。残念ながら、同時に8本は重量オーバーで無理なので、7本のサイドバイサイドとなります。「3」の位置(上の写真をクリックして見てください)が一番簡単に鏡筒交換できるので、ここを交換して見較べます。

8月5日の夜、オーナー1・2で、これらの鏡筒に160倍前後の倍率になるアイピースを付けて高倍率での見え方を比較しました。
1~4の鏡筒を160倍にするには3mmアイピースが必要です。対象天体は二重星と木星。シーイング良好。
結論として、この8本の鏡筒はどれもよく見えました。すべて一級品です。多少の差はありますが、僅差です。
一番良かったのはGOTOでした。星像がシャープで、エアリーディスクとディフラクションリングが教科書的な見え方です。MIZARがこれに近い見え方です。F15とF7.5ですから、GOTOがよく見えて当然ですが、F7.5のMIZARが大健闘。やはり幻の鏡筒ですね。
それに続くのがAPMとTeleVue、VIXEN、SHARPSTARの4本。APMがちょっと良い気がしますが、ほぼ同等です。SHARPSTARは鏡筒のみで7万円。入手のしやすさとコストパフォーマンスではこれが一番でしょう。以前、あまり期待せずに買ったビクセンED80S って、良い鏡筒だったんですね。
その次がMAXVISONとTAKAHASHIでした。MAXVISONは二重星ではわずかに見劣りしましたが、木星はAPMと同等によく見えました。コントラストがいいようです。

とりあえず、見較べの速報です。



蛇足ですが、8cm鏡筒を8本見較べて、8cmといえどもよく見えるものだと感心しながら外に出て、APMの10cm屈折で木星を見ました。
8cmなど問題にならないくらいこちらの方がよく見えます。口径が大きいために明るさが増して、見やすく感じるせいもあるでしょうが、
脱力感 ...
 
8月3日     TOA130の鏡筒バンドに8cm鏡筒を付ける
8cm鏡筒見較べのため、できるだけ多くの筒を35cm鏡筒の周りに同架したいのですが、訳あってTOA130の鏡筒バンドは外したくありません。そのため右の写真のようなものを作りました。材料は下の写真。

125mmの塩ビパイプをつなぐジョイントです。これの両端にM8のタップを3つずつたてて、前後3点支持のファインダー支持金具のようなものを作りました。また、この塩ビはかなりの重さがあるので、30mmのホールソーで穴をたくさん開けて軽くしました。これがぴったりTOA130の鏡筒バンドに収まるはず・・・ だったのですが、わずかに太かった ! 適当に直径を測って買ったのが失敗。メーカーや型番により、もう少し細いものもあるので、太いよりも細い方がマシです。
仕方ないので、鏡筒バンドの付くあたりをグラインダーで削りました。塩ビなので簡単に削れます。

完成品はけっこう違和感なく付きました。強度も十分です。鏡筒を押すボルトの先にはゴムのキャップを付け、傷が付かないようにしてあります。
集まってきた8cm鏡筒の中では、MIZAR 80/600 F7.5がフード部分の直径が一番大きいのですが、余裕で中を通ります。10cm屈折でも対物レンズセルか接眼部を外せれば、取り付けられます。MAXVISONの10cmなら脱着式フードを外せば通ります。

 
8月2日     8cm鏡筒
久しぶりに天文台に行ってきました。
金曜日に仕事が終わったあと楓林舎に行き、3泊。今日、月曜日は楓林舎から仕事先に出勤です。しかし、3泊した甲斐もなく、全然晴れませんでした。
でも、今回は星を見に行ったわけではなく、2日間、望遠鏡の改修作業をしっかりやってきました。どこを改修したかというと、35cm主鏡の周りに8cm屈折クラスの望遠鏡をできるだけたくさん取り付けられるように、取り付け部分を作ってきました。

ななつがたけ北天文台に口径8cmクラスの屈折アポクロマートレンズの鏡筒が既存のものも含めて8本以上集まってきます。これらをサイドバイサイドで見比べようという企画です。
8cmというと最近の望遠鏡にしては小口径ですが、見てみると結構良く見えます。また、遠征に持ち運ぶにも部屋から外に出してお気軽観望にも、このくらいの鏡筒が便利です。今は8cmアポクロマート鏡筒が10万円以下で買えるものもあります。高くても20万円以下です。小さくてよく見える8cm鏡筒があるとなにかと便利だと思います。

オーナー1が大学生だったころ、惑星観測をやっている人たちは、タカハシや五藤の8cm屈折で木星のスケッチを描いていました。当時はアポクロマートレンズではなく、「セミアポクロマート」でした。今からすればたいしたことないレンズです。しかし、完成した木星のスケッチを見せてもらうと「8cmでここまで見えるの!?」と、「!」と「?」が付くほどすごいものでした。当時は、F12とかF15とか長焦点レンズだったので、アクロマートでさえも、できの良いものは結構良く見えたものです。

現在のF6とかF8とかの8cmアポクロマートレンズの能力はどんなものなのでしょう。幸いここには、当時は高価で誰も買えなかった五藤の8cmF15トリプレットアポクロマート鏡筒があるので、それと比べてみたいと思います。また、Tさんのご厚意で昔のミザール製品で8cmF8フローライトアポ鏡筒を貸してもらいました。フローライト+クルツフリントの2枚玉で、当時のタカハシより良い「幻の鏡筒」だそうです。
今回は晴れなかったので星が見られませんでしたが、次に晴れたとき星を見るのが楽しみです。
   写真の赤矢印が、すでに取り付けられている8cm鏡筒。緑矢印の部分にこれから鏡筒を取り付ける(上の緑矢印のところには、仮に
   ヘリオス1が付いている)。もう1台取り付ける余地があるが、付けると重量オーバー。写真では見えないが、35cm鏡筒の向こう側に
   ε180が付いている。これを外せばあと3本ぐらいはいけるが、外すと面倒なことになるので付けたままにしている。

   昭和の25E赤道儀にこんなに載せていいのか?! ・・・とりあえず、極軸は折れないようです。
 
7月23日    ジェット気流
このところジェット気流の流れがおかしいようですね。
通常なら関東の真上を流れているところですが、北海道より北まで北上しています。これが本州以南の熱波と北海道の梅雨の原因です。
でも、関東地方上空は無風。これって最高のシーイングなのでは ?
シーイングはジェット気流だけではありませんが、最大の要因がないわけですから、今のうちに木星をよく見ておかなくては !!


でも、夏の北関東地方は透明度が最悪 !
これは南会津の天文台に通うしかありませんね。でも、こういう時に限って仕事がちらほら入ってきて、思うようになりません。
シーイングが実際どうだというレポートが書けないのが残念。



 
7月20日    夏!
ほぼ全国的に梅雨が明けたようです。ジメジメ・ムシムシも困ったものですが、汗と日焼けの季節もちょっと・・・です。オーナー1は日焼けに弱いようで(最近わかりました)、紫外線に当たると皮膚の老化が一気に進むようです。これは大なり小なり誰でもそうでしょうが、最近の紫外線は強くなってきているようですね。「ultraviolet」 いかにも強そうな名前ですね。

「梅雨明け10日」は、快晴になってほしいところですが、ここ2・3日、関東地方は晴れは晴れですが、星屋にとって曇り同然な夜です。6月6日以降、もう1ヶ月半ほど天文台に行っていません。やはり、自宅から2時間のところに天文台を持っていても、稼働率は高くありません。

つい先日、国際光器のWebサイトに「SHARPSTAR AL-80ED」が出ていたので、価格が安かったこともあり、ついポチッてしまいました。近々、テレビュー76も届くし、MAXVISON80もあるし、オーナー2のところにあるかなり良さそうな8cmと10cm屈折鏡筒もあるしで、近いうちに天文台に総動員させて今時の8cmクラス鏡筒の見較べをしたいと思います。
写真はSHARPSTAR AL-80ED国際光器のホームページより
 
7月12日    参議院議員選挙
選挙が終わりました。民主党惨敗。
これで最低3年間、たぶん6年間、参議院では民主党が第2党になります。これは日本にとってたいへん残念なことです。民主党が良いかどうかはさておき、ねじれ国会が最低3年(もしかしたらもっと短いかも?)、最大6年間続くことになり、世界の中での日本の国益にとっては大きなマイナスです。オーナー1が持っているわずかばかりの株の価格はどうなる!? (きっと下がる!) 

オーナー1・2の栃木選挙区は一人区ですが、全国の一人区の中で最後まで当選者が決まらなかった激戦区でした。最終的に、自民党の上野みちこ先生が当選しました。

ヤッター! めでたしめでたし!

・・・ というのは、上野みちこ先生はオーナー1の娘がお世話になった高校の副校長先生です。オーナー1も選挙運動のお手伝いをしました。そして、民主党参議院予算委員長の簗瀬さんを破ったのは快挙です。上野みちこ先生が国会議員になった暁には、教育や福祉に力を発揮していただけるものと思います。上野みちこ先生の写真をご覧ください。すごくかわいいのですが、オーナー1と同い年です。

みんなの党の渡辺喜美さんも栃木県人です。今回、大躍進でした。喜美さんがどう動くかで日本の政治が変わります。喜美さんにもがんばってもらいたいと思います。元々は、みちこ先生は善美さんの子分でした。今は政党が違ってしまいましたが、うまく連携して日本の政治を変えてもらいたいものです。
今は政党間や政党内で権力闘争している時ではありません。世界の中での日本の地位を低下させない政治が求められます。
みちこさんと善美さんにがんばってもらいたいと思います。
栃木から日本の政治を変えよう !
 
7月10日    パソコンモニタ
オーナー1が自宅で使っていたパソコンモニタが不調になりました。このホームページを作っているモニタでもあります。三菱の24インチマルチメディアモニタで、けっこう良いものだったのですが、電源回路が壊れかけているようです。電源が入らなかったり、入ってもすぐ切れてしまうという現象が出てきました。修理に出せばいいのですが、保証期間も切れているし、時間がかかることも見えているしで、買い換えることにしました。
オーナー1はパソコン本体もモニタもプリンターも消耗品と思っています。壊れたら捨てて買い換えればいいという程度のものと思っています。最近のパソコンと関連製品というのはそんなもんです。

今回買ったのは、ナナオ(古い人間はEIZOと言わずにナナオと言ってしまいます)のSX2462W。本当は、ColorEdge CG245Wあたりが欲しかったのですが、「猫に今晩は」なのでFlexScanにしました。画面の色とプリンターからの印刷される紙の色にあまりにも差がありすぎるので、多少たりとも近い色にできるモニタということです。
また、24インチでフルスペックハイビジョンの解像度なので、縦置きで使っても何ら問題ありません。今回は設置場所をちょっとだけ変えて縦置き可能にしました。縦置きにしたのが右の図です。横構図に慣れていたオーナー1にはものすごく違和感がありますが、こちらの方が遙かに使い勝手がいいです
これからマニュアルと格闘しながら色調整をしていきたいと思います。
 
7月2日     短焦点アイピース
最近話題にしている10cmや8cmの短焦点屈折鏡筒を見ていると、高倍率での性能を見るときに困ってしまいます。たとえばMAXVISION 80/480 の場合、XW3.5mm を付けても137倍にしかなりません。200倍ぐらいにしたいのですが、そのためには2.4mmのアイピースが必要です。300倍だと1.6mm。2.5mmはありますが、それ以下はなかなかありません。

初心者向けの倍率の説明に、対物レンズの口径をcm単位で表したとき、口径の10倍の倍率で見ればその望遠鏡の分解能まで見える。でも、それでは視力検査のようなものなので、口径の20倍ぐらいで見るとよく見える。それ以上に倍率を上げても、像が暗くなるだけで、細かいところは何も見えてこない、というのがあります。
理由はともかく、ごもっともです。視力検査で1.5のところまで見える人が、検査表までの距離を半分にすれば1.5のところが楽に見えます。口径の20倍で見るというのはそういうことです。しかし、それ以上に検査表に近づいても無駄なことです。ですから、8cmの場合、160倍が最高倍率と思ってもらって問題ありません。実際、160倍で分離する二重星は100倍でも分離しています(80倍だと分離しないことがあります)。
ですから、8cm鏡筒で200倍や300倍での性能を云々することはナンセンスです、と言いたいところなのですが、これがそうでもないのです。300倍で見て星像が破綻しない鏡筒を160倍で見ると、非常にきれいな教科書通りの中心像とディフラクションリングが見えます。300倍で見たとき、星像が汚くなる鏡筒を160倍で見ると、前者より見え方がわずかに落ちます。ですから、「性能を比較する場合」に限っては、口径の30倍以上の倍率をかけて見ることは無駄ではありません。

そういうわけで短焦点アイピースが必要になるわけですが、ペンタックスのXO2.5は貴重な存在です。それと良質なバーローレンズも必須です。テレビューの2.5x パワーメイトとか、ツァイス/バーダーのアッベ2セットのバーローとか、ニコンのやつとか。最近のバーローレンズはかなり良くなってきているので、バーローを付けると星像が良くなるということもあります。そういう良質なバーローと組み合わせる短焦点アイピースはいくつかありますが、テレビューのナグラーズーム2mm~4mm、3mm~6mmはXO2.5と同様、貴重な存在です。遠い昔のズームアイピースのひどさを知っている人には、拒否反応があるかもしれませんが、最近のズームアイピースとカメラのズームレンズはすばらしいものが多くあります。連続的に倍率を変えられる便利さを知ってしまうと、単焦点アイピースには戻れなくなります。短焦点側はナグラーズーム、中焦点はハイペリオンズーム。良質なバーロートともにこれらのアイピースがあると、対物レンズの性能を十分発揮させることができると思います。

望遠鏡に高倍率をかけると困ったことも起きます。目の中の飛蚊です。眼球の中の硝子体の中にゴミが漂っています。これは年齢とともに増えていき、減ることはありません。オーナー1の左目は完全にダメで、ゴミだらけです。高倍率で木星を見ると木星の前面にゴミが複数見えて、じゃまで落ち着いてみることができません。これは直すことができないので、惑星は飛蚊が少ない若いうちによく見ておくべきです。飛蚊は双眼装置で両目で見ると、コンポジットされて見えなくなる場合もあります。そういう意味でも双眼装置は必要です。
 
7月1日     MAXVISION 80/480レポート    オーナー2
雨の晴れ間がないので不完全ですが、ちょっと見の印象です。この時はまだAPM/80/500は手元に無く、残念ながら比較はしていません。単体での印象になります。

観望場所はベランダ、架台はAOK/AYO経緯台、使用アイピースはナグラーズーム3-6mmとAbbe Barlow ( x2)です。これでアイピースの焦点距離は6, 5, 4, 3, 2.5, 2, 1.5mm、倍率はそれに応じて(焦点距離は480mmなので)x80からx320まで得られます。
昼間遠方の鉄塔を見ると焦点内外像で僅かに残存色収差を感じます。x240では鉄塔の周囲に紫色のハロが少しハッキリし、x320では鉄塔そのものに薄い紫色のベールが見えてきます。x320では像輪郭のシャープネスは低下しますが、フォーカスの位置はハッキリと認識できます。
アンタレスに挑戦です。残念ながら伴星は確認できず。焦点像はシャープで光軸に問題はありません。エアリーディスクも口径に見合った大きさです。回折リングは完全な真円ではなく極僅かな圧迫があるかもしれません。焦点内外像は外像がやや不明瞭でわずかに負修正気味。印象としては恵比寿で見た76mmよりも少し劣る程度。フォーカサーもDual speedなのですごく重宝します。

ほぼ満月の月を見ると月縁で残存色収差が僅かに認識されます。ただし非常にシャープです。コントラストに関しては基準鏡筒とのサイドバイサイドの比較をしていないので不明(私のレベルではサイドバイサイドで見比べないと評価できません)。昼間の認識ではx240が明らかに限界でしたが、夜月を見たときはシーングの影響でx320でもシャープネスの低下をあまり気にすることなく結構楽しめました。月を対象とした場合、x200程度は像の破綻は認められず十分実用倍率です。月以外を対象とした場合、80mmの光量ではx250以上になると像そのものが暗くなりこの倍率以上を使用する機会はまず無いと思います。

ベランダで気楽に観望するには十分以上の性能だと思います。コストパッフォーマンスは相当高いですね。よく見える鏡筒です。このクオリティーが保証されるのであればすばらしいと思いました。ただ、素の状態でファインダー取り付けと鏡筒バンド両立していたらと思うとすごく残念です。一度ビクセンのED80SfやED80Sと見比べてみたいです。1ヶ月後にはオーナー1のもとにTV-76が来るのでAPMやタカハシFC-76などとサイドバイサイドで比較する予定です。
 
6月30日    MAXVISION 80 vs APM 80     オーナー2
最近、手元に80mm屈折望遠鏡が2台届きましたので少しだけ紹介します。
MAXVISON80/480とAPM80/500 (Matthias Wirth tube version)です。残念ながらAPMは私の欲しいLOMO Opticsではありません。価格はMAXVISIONが鏡筒、フラットナー、L字型ビクセンタイプアリガタ、ケース込みで12万9000円、APMは鏡筒の仕様で5種類が存在し、それぞれ鏡筒と鏡筒バンド、ケース込みで18万1750円、15万4791円、12万7398円、10万9137円、9万885円です。ちなみにTV76は鏡筒とケースで17万100円、TV-85が23万1000円です。

両者共に中国製(多分)の3枚玉アポクロマートで硝材は、MAXVISONがFPL-51、APM/MWがFPL-53です。大きさはフードを伸ばして50cm弱で3kg弱と長さも重さも似たり寄ったりです。鏡筒の仕上げはどちらも美しい。特にMAXVISIONの銘板はNC加工のとても美しいものです(明らかにコストのかけ過ぎと思いますが、ここはメーカーの意気込みと解釈します)。鏡筒をバラしてはいませんが、両鏡筒共に内部には絞り環が数枚ほど入っているようです。APM/MWはそれに加えて植毛紙が丁寧に張ってありました(MAXVISIONは未確認)。
フードの構造は全く違います。MAXVISIONは昔のニコンのように取り外し式で収納時は逆にかぶせるタイプですが、APM/MWは普通のスライド式です(私自身はスライド式の方が好みです)。

鏡筒バンドにも明らかな違いがあります。APM/MWはクラム・シェルタイプ(テレビューと同じタイプ)でファインダー台座取り付けのタップがたっています(残念なことにインチサイズ)。クラム・シェルタイプの鏡筒バンドはすごくスリムで8-10cm程度の小振りな屈折望遠鏡を眼視で使う場合は理想的だと思います。ただし、APM/MWの鏡筒バンドはアリガタ取り付け部とファインダー取り付け部の位置関係がなんと180度になっているためホームポジションではファインダーとダイアゴナルに挿入したアイピースが同軸上になる困った設計です(まぁ、接眼部を回転させれば問題はないのですが・・・)。いずれにしても好感度は高い。
一方、MAXVISIONは純正ではL字型ビクセンタイプアリガタで、ファインダーを取り付けるところがありません。ファインダーとアリガタ金具を両立させるためには直径90mmの鏡筒バンドを別途購入する必要があります。現状はWOの鏡筒バンドを使っています。これにアリガタをつけ、さらにブリッジプレート上にファインダーを取り付けることになります。かなり大げさになりせっかくのコンパクトさがスポイルされます。写真撮影が設計時の主眼かもしれませんが、もうちょっと眼視観望の利便性も考えてもらいたいものです。

接眼部にはかなりの違いがあります。MAXVISIONはクレイフォード式のデュアルスピード接眼部で、APM/MWはおそらくはSTARLIGHT INSTRUMENTS社のラックアンドピニオンタイプのデュアルスピード接眼部でした。ちなみにAPMの鏡筒は5つのバリエーションがあり、そのうち4種類がSTARLIGHT INSTRUMENTS社の接眼部を採用しています。MAXVISIONの接眼部には個体差があるようですが、当機のものは比較的スムーズでした。ただし、STARLIGHT INSTRUMENTS社の接眼部が相手ではいかんせん分が悪い。

今回の鏡筒の比較は、APMがシリーズトップレンジのMW鏡筒だったので不公平かもしれませんが、少なくとも他のシリーズでも4/5の確率でMAXVISON鏡筒に対して鏡筒バンドと接眼部の優位性は明らかだったと思います。もっともMAXVISON鏡筒には最初から撮影用のフラットナーが付属しており、これが別売り設定のAPM鏡筒に対する大きなアドバンテージではあります。さて、皆さんはどちらがお好みでしょうか?

光学性能の比較は梅雨時期なのでまだ結論が出ていません。
 
6月24日    梅雨の晴れ間
この日の夜は梅雨の晴れ間で、星がよく見えました。雲は多少ありましたが雲の切れ間の透明度は良くて、西に低くなった大きな月があるにもかかわらず、栃木の自宅からでもはくちょう座の銀河が見えていました。

この夜は、晴れることがわかっていたので、天文台に行きたかったのですが、仕事が入っていていけませんでした。夕方、仕事に行ったところは、気前のいいおじさんの自宅で、パソコンをちょっと調整してあげたら、チップをもらいました。貧乏を脱出したばかりのオーナー1にはありがたいことでした。

Maxvision 8cm 鏡筒は、今、オーナー2宅にあります。同時にオーナー2のところにあるAPM105/650鏡筒と2本並べて星を見ているようです。APM105/650はなかなか手に入らないものですが、かなりいい鏡筒のようです。Maxvision 8cm もかなりのコストパフォーマンスを発揮しているようです。そのうちオーナー2からレポートが入ると思います。お楽しみに...



   右の写真の矢印の先がオーナー1・2の自宅。ぎりぎり晴れてる!
 
6月21日    知り合いのパソコン故障
6月6日の日記に、天文台のパソコンが故障したことについて書きました。
19日に知り合いから電話があり、パソコンが突然フリーズして、その後は再起動しても画面に何も出ない、直してほしいとのこと。天文台のパソコンとほぼ同じ現象です。BIOS画面すら出ないというのは、パソコンとして機能していないわけですから、マザーボード上の重要な部品が壊れたわけです。CPU,メモリ,チップセット、ビデオカード(ビデオチップ)などですが、ほとんどの場合、メモリです。

この場合の対応法は、メモリの不良または接触不良を疑い、電源ケーブルを抜いた後、メモリをすべて抜きます。そして、抜いたメモリを元のソケットにしっかり挿します。この「しっかり挿す」というのが初心者には難しいです。もっとも、初心者では抜くことさえできませんが。
これで電源ONしてみます。動けばメモリの接触不良です。「そんなことがあるのか!?」と思われるでしょうが結構あります。今回もこれで直りました。ちなみにデスクトップパソコンの場合、CPUの接触不良というのもあります。
これでも動かない場合で、メモリが複数挿さっている場合は、CPUに一番近いソケットにメモリを1枚だけ挿してみます。これで動いたらそのメモリはOK。それを抜いて、違うメモリを挿してみます。動かないメモリがあったらそれが犯人です。そのメモリは捨てて同じ規格のメモリを買ってください。
パソコンによっては、メモリを同時に2枚、または3枚挿さないと動かないものもあります。もしくは、メモリが1枚しか挿さっていない場合もあります。その場合、どうしたらいいかは考えてみてください。無難に修理に出すというのが、万人向けの正解ですが...
 
6月18日    8cm鏡筒
17日の夜、南会津が晴れそうだったので、Maxvision 8cm 鏡筒を持って天文台に行ってきました。この鏡筒がどれくらい見えるかの見較べです。
この日の8cm鏡筒は、次の4本です。写真の左から
  タカハシ FC76
  五藤   トリプレットアポ8cmF15
  ビクセン ED8cmF9
  Maxvision 8cm F6
Maxvision 以外は、現在は販売されていない過去の名器です。従って、どれが良いと書いても現在買えるのはMaxvision だけです。

この夜は期待通り、短時間でしたがよく晴れてくれて、見較べには十分でした。しっかり比較ができて結果を書こうと思ったら、重大な失敗に気が付きました。すべての鏡筒にペンタックスXWアイピースを付けて、120倍前後の倍率にして二重星を見ましたが、Maxvision にはXW3.5mmを付けて137倍にしたつもりでした。しかし、付いていたのは5mmで96倍でした。また、ビクセンはXW7mmで103倍です。他の2本が120倍で、Maxvision とビクセンは接近した二重星の分離がちょっと落ちる感じになってしまいました。
こと座のWWスターは4本とも2個+2個に分離、21μ Dra(アルラキス)も4本とも分離。後者はシーイングによっては合体して楕円に見えることもありましたが、五藤はほぼ常時2個に見えていました。

この4本の中で一番よく見えたのは、五藤トリプレットアポ8cmでした。星像のシャープさ、ディフラクションリングの美しさで一番です。残りの3本は、倍率を勘案するとすべてほぼイコールでしょう。五藤が一番、残り3本が同点で2番。しかし、僅差です。後日、TV76も加えて今度こそ同一条件で見てみたいと思います。
低倍率にして星団も見ましたが、どれも視野周辺まできれいな点像になります。見え方に多少の差を感じますが、どれが良い悪いとは言えない程度の差でした。
MaxvisionはF6のコンパクトさと値段を考えたらお買い得な鏡筒だと思います。


ところで注文していたTV76ですが、テレビュージャパンに届いたそうですが、テストしてみたら何かおかしいようです。アメリカに返送になり、納期はさらに1ヶ月かかるとのこと。それまでの間、デモ機を貸せといったら軽く断られました。客のために最大限の努力をする姿勢を見せてもらいたいところです。
しかし、TV76にもハズレはあるんですね。

 
6月16日    Maxvision 8cm
H谷さんの秘密基地から、Maxvision 8cm F6 屈折鏡筒を借りてきました。この鏡筒には興味があったのですが、スカイバードの店長はたいしたことないような話でした。しかし、H谷氏はよく見えるとのことです。どれほどなのか、早速見てみたいと思ったのですが、関東・東北南部まで梅雨入り。しばらく晴れそうにありません。
見較べるに当たっては、リファレンスになる鏡筒とサイドバイサイドで見ないと確かなことは言えません。8cmのリファレンス・・・? 手持ちの鏡筒では、五藤の8cmトリプレットアポ鏡筒がありますが、こちらはF15。F6とF15での見較べというのもちょっと・・・です。8cm短焦点屈折鏡筒のリファレンスって何がある? テレビュー76がちょっと小さいですが8cmのリファレンスでしょうか。これを注文しましたが、届くのはまだ先になりそうです。テレビュー76はすばらしくできのいい鏡筒なので、Maxvision 8cm がこれと同等ならばおすすめ鏡筒になります。どうなんでしょうね。
Maxvision の接眼部は、見た目は立派なのですが個体差が大きいようです。オーナー1所有の127の接眼部は、ピント調整ノブ1回転の間に重いところと軽いところがあって、動きもスムーズとは言えません。レンズの優秀さに較べてこちらはお粗末という感じでした。しかしこちらは、スムーズでいい感じです。これなら文句ありません。
テレビュー76が届いたら、五藤8cmトリプレットアポと3本並べて見較べたいと思います。レポートが書けるのは、まだ先になりそうです。。
 
6月15日    HAYABUSA
昨日はインド料理の話を優先させてしまいましたが、HAYABUSA、無事に帰ってきましたね。あれだけ満身創痍になりながら、予定通りのところに落下させられたのは見事です。HAYABUSAが大気中で燃え尽きる映像と発見されたカプセルの映像を見るにつけ、JAXAは歴史にの頃いい仕事をしたなぁと思います。JAXAの会見で事業仕分けでHAYABUSA2の予算が無くなった件に触れていましたが、これで復活する見込みが出てきました。

HAYABUSA帰還のニュースとともにK坂さんのCG映像もたくさん流れました。「有限会社 Live」の文字がすべてに入っていました。一気に有名になってしまいましたね。ニュースの映像に挟まるHAYABUSAのCGが、他よりも圧倒的に詳細高密度でハイビジョンらしい映像でした。他もハイビジョンのはずなのになぜ・・・? いずれにしてもK坂さん作品の質の高さがよくわかりました。こちらにも、これを機会にさらにいい仕事をしてもらえるといいです。忙しくなり過ぎなければいいのですが。

プラネタリウム番組の「HAYABUSA - BACK TO THE EARTH -」が、HAYABUSAの帰還と同時にBDとDVDになって発売になりました。ニュースで使われていた画像は、これのBD版からのものと思われます。アストロアーツのオンラインショップで、BD版 特価5,900円,DVD版 特価3,400円です。
オーナー1のところにも、弥陀ヶ原に行く直前に送られてきました。一部、再生してみてみましたが、これから全編を見てみます。我が家のハイビジョンプロジェクターでBDを再生することがほとんど無かったのですが、やっと活躍してくれそうです。
天井にホームスタープロの星像を写しながら、100インチ超のスクリーンで見る「HAYABUSA - BACK TO THE EARTH -」BD版はいいと思います。プラネタリウムでは見ていますが、自宅でハイビジョンで見られるのがいいですね。
楽しみ・・・
 
6月14日    インド料理
弥陀ヶ原からの帰り、H谷氏の自宅と通称「秘密基地」に寄らせていただきました。
自宅屋上にはニッシンのドームがあり、NJP+TOA150が入っていました。多少の光害がある地方都市のプライベート天文台としては理想的な機材でしょう。天文台以外にも楽しそうなものがたくさんありました。
その後、秘密基地へ。
なるほど、 大人の秘密基地!
望遠鏡の三脚・ピラーが林立。評判の高い鏡筒や架台がゴロゴロ。天文以外の趣味のものも多数 ・・・  ここに1ヶ月間閉じこめられても楽しく暮らせそうな。
多大な努力の結果成功に至った人は、生活を楽しくするものを買って、それらに囲まれて暮らすのが健全です。

昼をまわり、おなかもすいたのでH谷氏が経営するインド料理店へ。本業は別にありますが、こんなこともやってるんですね。
このお店は、外からの見た目は特に目を引くわけでもなく、おいしそうな印象を受けるわけでもなく... もちろん悪い印象は全くありませんが。でも、かなりの人気店だそうです。
店内に入って目を引くのは、ここのインド人シェフと皇太子様のツーショットの写真。皇太子様がシェフの味を聞きつけて食べに来たそうです。皇太子様やお供の人がツーショットを許可したのは、味に満足したからでしょう。
H谷氏おすすめの料理を食べてみたら、これがどれもおいしいこと!
こんなところに何でこんなおいしい店が・・・!?  という感じでした。これにはいろいろないきさつがあったようですが、ワケはともかく、富山県高岡市にあります。1時間以内ぐらいでここに行ける人は、わざわざ食べに行く価値があると思います。

自家用へりで東京のオフィスから長野にそばを食べにいける人は、ちょっと足を伸ばして富山にカレーを食べに行くというのはどうでしょう。
 
6月13日    弥陀ヶ原
6月11/12/13日にオーナー1・2で富山県の立山、弥陀ヶ原ホテルに星を見に行ってきました。

ここは立山黒部アルペンルートの富山県側、標高約2000mのところにあるホテルです。マイカーで行くことはできず、立山駅からケーブルカーとバスを乗り継いでいきます。星を見るための地理的な条件としては、乗鞍とほぼ同じと思われるので同程度の星空が期待できます。
しかし、乗鞍と決定的に違うのは、とても気軽にきれいな星が見られるとことです。ほとんど歩くことなくホテルにたどり着き、ここに泊まれば、浴衣1枚で外に出て庭先できれいな星を眺められます。寒くなったらロビーに戻れば、一晩中暖かくなっています。もちろん、寒くない服装で外に出てホテルのすぐ近くで一晩中、星を見られます。

ここに大きい機材や重い機材を持ち込むのはたいへんなので、TOASTとデジタル一眼に双眼鏡というのがお手軽です。10cmクラスの短焦点鏡筒+経緯台というのもいいと思います。我々はSky90binoをビクセン三脚付きで持ち込みましたが、ちょっとたいへんでした。でも、2晩とも短時間でしたがよく晴れて、星がすばらしくよく見え、持って行った甲斐がありました。
このとき、望遠鏡や大型双眼鏡を覗くには、高さ調節ができる椅子が必須だということを思い知りました。通常でも椅子は必要ですが、空気の薄い高地で中腰の姿勢はとても疲れます。

今回は最もよく晴れたときでも8/10程度の透明度でしたが、それでもななつがたけ北天文台よりもきれいな星空でした(バックグラウンドが暗い)。全く雲がないと、富山平野の光や富山湾の漁り火が見えてしまい、西の空が明るくなりますが、2晩とも眼下に低い雲が出てそれらにふたをしてくれました。そうなると、どの方向を見ても空が明るく光っているところがありません。ただ、自分のところの窓の光と向かい側にある国民宿舎の光がじゃまなので、眼視なら問題ありませんが、写真撮影時に気になる場合はじゃまにならない位置まで歩いて行くことになります。しかし、さほど遠くに行く必要はありません。

個人で観望機材を持って行かなくても、弥陀ヶ原ホテルの「イベント情報」を見て、「スターウォッチング」がある日なら私の友人が講師として行っています。TOA130や高価な高性能双眼鏡を使わせてもらって観望できます。「ななつがたけ北天文台のホームページを見て来た」と言ってもらえば、通常のスターウォッチングが終わったあと、TOA130を独占状態で観望させてもらえると思います。

星以外の面でも、とても気持ちのいいところでした。空気がさわやかで街中とは別世界! 水がおいしい! 食事がおいしい!
ホテルがきれいで快適! 従業員が優秀で都会のきちんとしたホテル並みの対応をしてくれる
昼間、アルペンルートを行くと雄大な山岳風景が楽しめる! まるでスイス!(行ったことありませんが)

とても満足して帰ってきました。そして思いっきり日焼けして帰ってきました。6月いっぱいぐらいまで弥陀ヶ原から室堂の地面は雪!
サングラス必須、パンダ焼け注意!

     下の写真は 弥陀ヶ原ホテル、ホテルの窓から見た弥陀ヶ原、弥陀ヶ原から見たホテルと夏の銀河(H谷氏撮影)
 
6月10日    ミード LX200-200GPS
このサイトの「レポート」にある「LX200-200+ミヤウチ10cmフローライトアポ45度双眼鏡」のLX200-200GPS
(右写真)側がお嫁に行くことになりました。

この望遠鏡は、オーナー1が比較的最近、本格的に星を見るようになったとき、最初に買った望遠鏡です。
これを栃木の自宅で初めて使ったときには、あまりパッとしない普通の望遠鏡だと思いました。口径20cmのシュミカセというのはこの程度のものなのかなぁ、と思いました。ところがこれを、現在のななつがたけ北天文台のあるところに持って行って、星を見たときに衝撃を受けました。口径20cmというのは、こんなに良く見えるものなんだ! 有名なM天体は、よくある天体写真とほぼ同じに見えました。空の状態によって、天体の見え方に雲泥の差があることを思い知りました。自宅では、DeepSkyの観望は無理と悟りました。これがななつがたけ北天文台を作るきっかけになりました。

その後、幸運にもプライベート天文台をつくることができました。オーナー2とも出会い、機材が充実しました。
ところがそうなると、今でもすばらしい観望機材だと思っている「LX200-200+ミヤウチ10cmフローライトアポ45度双眼鏡」の出番が無くなりました。望遠鏡格納庫の中で、使われることなく眠っていました。

先日、オーナー1の星関係とは違う友人が、天体望遠鏡を買いたいと言っていました。それも、LX200-200が欲しいと...
「うちに余ってるよ」というと、「それ買う!」ということで、あっという間にお嫁に行くことが決まりました。
栃木県内の某企業が、会社としてこれを買い取ることになりました。オーナー1所有だったLX200-200GPSが、近い将来、某携帯電話ショップの店頭で行われる天体観望会にお目見えすることになりそうです。
 
6月9日     ミード LX200-300 改
先週末、楓林舎に宿泊したとき、T橋さんがこれを持ってきました。

LX200-300をヨシカワさんに改造してもらったそうです。かなりの時間と費用がかかったようなので、みなさんにお勧めするものではありませんが、架台側は観望用としてのひとつの理想型です。

どこがどう改造されたのか大きい写真でよくご覧ください。
ミードやセレストロンのこの形のシュミカセは、鏡筒と架台が分離できませんが、それを分離しました。そして、鏡筒を固定していた金具をアームにしてブランコ型にしました。水平の板は厚さ3cmもあるアルミ板です。そこにビクセンのVMC260に使われているアリミゾ台座が付いており、その規格のアリガタレールの付いた鏡筒は何でも載せられます。

楓林舎に持ってきたときは、バランスウエイトシャフトが付いていなくて、30cmシュミカセを鏡筒載せると完全に鏡筒側が重くて、駆動モーターが回らなかったそうです。そこであり合わせの材料でバランスウエイトシャフトをつくり、タカハシのおもりが付けられるようにしました。たぶん7kgぐらいのおもりが付いていると思うので、相当なアンバランスでした(鏡筒も改造されていてかなり重くなっている)。しかし、これで問題なく動くようなので、この幅に収まる鏡筒なら何を載せても駆動できると思います。

ななつがたけ北天文台の10cm以上の屈折鏡筒は、すべてこの規格のアリガタレールが付いているので、みんなこれに載せられます。屈折の方がバランスウエイトが小さくてすむので、この架台向きです。長い鏡筒の場合、構造上天頂は向きませんが、特に不自由はないでしょう。

夜、星を見てみましたが、普通にアライメントして普通に自動導入できたようなので、いろいろな鏡筒を載せ替えて使える自動導入自動ガイド経緯台としてたいへんすばらしい機材です。鏡筒を替えた場合は、その都度アライメントをやり直さなければならないのは当然ですが、ミードもこういう形で架台だけ売ってくれたらいいのに...
 
6月8日     夏の銀河
夏の銀河、その中でもさそり座の銀河を見たり、写真に撮るのは今の時期です。梅雨が明けてからでも何とか見えますが、夜半過ぎの方が街の明かりも消えて空気も澄んできます。今週末が晴れればベストでしょう。

この前の週末の楓林舎は、O倉さんをはじめとした○TTの社員グループで貸し切りだったのですが、オーナー1が飛び入りで参加してきました。そこにさらに、栃木の星仲間のT橋さんが来ました。下の写真は、T橋さんがCanon EOS 5D Mark II(赤外カットフィルター改)で撮った夏の銀河と楓林舎です。


Canon EOS 5D Mark II(赤外カットフィルター改)
ISO感度 1600
レンズ EF24-105mm f/4L IS USM
焦点距離 24.0mm
 露出 1分



楓林舎に来た人で、この位置から写真を撮った人はいないと思います。池の水面に映った楓林舎を撮った人は初めてかもしれません。

 
6月6日     パソコン故障
6月4日、久しぶりにドームに入りました。そして1ヶ月ぶりぐらいに赤道儀駆動用パソコンの電源を入れました。
この日は、O倉さんと会社の同僚の人たちが10人ほど来ており、明るいうちに天文台見学ということで、みなさんが見に来ていました。青空でも土星ぐらいは見えるだろうと思って自動導入しました。そのとき、モーターが高速回転している最中にPCがなぜか勝手に再起動してしまいました!  モーターは回り続けています。これはまずい!と思って駆動装置の電源スイッチに手を伸ばした瞬間に止まりました。土星の正しい位置は青空なのでわかりませんが、もっともらしい位置で止まりました。「へぇ~、おりこうなんだ...」と、ちょっと感心しましたが、実際はどうだったのでしょう?
再起動の原因はわかりませんが、赤道儀をホームポジションに手動で戻してやり直し。しかし、再度、PCが勝手にリセットし、その後はもう、立ち上がりもしませんでした。観客の皆様にご心配をかけてしまいました。

その後のPCの症状は、電源を入れてもBIOS画面も出ずにビープが鳴るだけ。・・・ということは、マザーボード上の重要なパーツ、CPUとかメモリとかチップセットとかが壊れたのでしょう。たぶんメモリだろうと思いましたが、その場でPCをバラしてパーツを取ったり付けたりはやれません。もう1台あるPCでも同じことができるので、ケーブルをそちらにつなぎ換えて急場をしのぎました。

4日、5日とも夜は良く晴れて、みなさんに土星とM13を見てもらえました。夏の銀河もよく見えていました。

6日、自宅にPCを持ち帰る。そのPCも古くなったので新型に替えることにしました。HDDは無傷のはずですから、元のPCからHDDを取り出して新PCに入れて起動すれば、デバイスドライバーを捜して自動でインストールしてくれるはずです。実際は、HDDのインターフェイスがATAPIからSATAに変わるので、旧HDDを新SATAに拡大コピーして入れ替えました。
しかし、やってみたら新旧PCであまりにもハードウエアが違いすぎて起動しませんでした。普通の人はここであきらめるところですが、オーナー1は、一応SEなのでひらめきました。「修復インストールすればいい!!」

「WindowsXP(SP3)」のCD-ROMから起動して修復インストールへ。結果、見事に立ち上がりました。あとは、マザーボードのデバイスドライバーを手動で入れてあげればいい。細かい作業はいろいろありましたが、無事に新PCへの移行完了となりました。ただ、すべてのアプリが以前と同じように動作するかどうかは今後、やってみないとわかりません。
最近のPCにWindowsXPをインストール(修復も含めて)するときの注意
BIOSのSATAモードをAHCIにしないこと。インストール時は普通のATAにしておいて、AHCIドライバーが入ったあとにBIOSをAHCIにする。


さらに、旧PCも予備機として復活させようと思い、こちらにも挑戦しました。真っ先にメモリ不良を疑いました。PCの中を見てみると1GBメモリがあまり意味もなく(32ビットOSなので)4枚ささっていました。ラッキー!・・・と言うか、自分でそうしておいたのでしたが、これならメモリを2枚抜いてもほぼ同じように動きます。4枚のうちの1枚が不良と考え、まず、ペアになっている2枚を抜きます。結果、変わらず。違う方のペア2枚と差し替えると、見事!起動しました。やはりメモリ不良でした。その後、不良だった1枚も特定できました。
やってみればこれだけのことだったのですが、これで天文台のメインPCが新しくなった上に、予備機もできました。不測の事態に備えて、予備PCは必要です。

写真は旧PCのふたを開けて、中にあるATAPIのHDDからSATAのHDDに中味をコピーしているところ。HDDの上にあるメモリの片方が不良だった。
 
6月1日     しばらく星を見てない
6月になってしまいました。
今年は2月から5月まで、ほとんど星を見ないまま終わりました。先月は余裕があるはずだったのに、平日は仕事、週末は何かしらの行事でした。従って、☆に関しては何もトピック的なことが無くて、ここに書くことが何もありませんでした。このところ、自分のHPには何も書くことがないため、知り合いのブログにコメントを書いていました。
ななつがたけ北天文台は、ここしばらくほとんど動いていません。宝の持ち腐れですね。

昨日でほぼ、本業の方の一連の仕事が終わりました。6月は、今度こそ余裕が出そうなので、天文台へ星を見に行きたいと思います。週末はなんだかんだ用事が入ってしまうので、平日に行きたいと思います。しかし、そうこうしているうちに梅雨に入ってしまいます。
星を見たら、ここに何かしらのレポートを書きます。

たいした更新もないのに、ななつがたけ北天文台サイトを毎日のように見に来てくれている方も大勢います。また、複数の方からメールもいただきました。星とさらにその他の、オーナー1・2と同じような趣味を持つ人が世の中には結構いるようですね。皆様からの励ましの声を力にして、多少たりとも役に立つ情報を発信していきたいと思います。

今週末は楓林舎に行きます。星仲間のO倉さんが間もなく転勤で、なかなか楓林舎には来られないところに行ってしまいます。とても残念なのですが、送別会を兼ねての宿泊です。
その次の週末は、立山の弥陀ヶ原ホテルに星を見に行ってきます。標高2000mの地が快晴になったらすごいでしょうが、星を見るというよりもそこのホテルで星のインストラクターをしているH谷さんに会いに行くようなもので、曇っても特に問題ありません。
 
5月25日    10cm屈折鏡筒  その2     オーナー2
10cm屈折は「たかが10cm、されど10cm」だと思います。
昔は屈折の標準が6.5cmでした。余裕がある人が8cm屈折。そして10cm屈折は個人での所有は考えられない口径でした。今ならば何とか、何とか手が届きます。死ぬ気にならなくても普通に2年働いて貯金すれば購入できそうな気がします。
少し条件が良くなると6cmクラスでは物足りない・・・。8cmではかなり満足するけれどもう一歩。で9cmはというと・・・ここまでくるなら10cmがいいかな・・・となります。
私が住んでいる北関東はジェット気流が上空を吹き荒れていることが多いわけですが、それでも10cm程度の口径ならば春から秋にかけてならば、かなりの頻度でエアリーディスクと回折リングを楽しむことができます。しかも、順応時間も比較的短く、それほど重くはありません。これなら気の短い爺さんになっても何とか自力で扱えそうな気がします。

ということで、私は10cm屈折はなが~いお付き合いのできる望遠鏡だと思っています。(しかし今後10年でこの10cm屈折の席を「小振りな」12cm屈折がまさに席巻するかのしれません)。10cm屈折に対してはかなりの思い入れがあるわけです。
その長い付き合いとなる10cm屈折を選んでみました。基準はZEISSの名機APQ100/640とAPQ100/1000です。もちろんシステムとしてのZEISSには敵うべくもありません。現代の天体望遠鏡はそのシステムとしては未だにZEISSのシステムには全く敵わないと思います。今後もおそらく敵わないでしょう。でも、光学性能ならば何とかなるのではと考えています。

最近ではこのクラスの選択肢が爆発的に増えています。30年、20年前には想像だにしなかったことです。そしてその大部分の出所は中国です。中国製が悪いとは思いません。このHPでも時々話題になるMAXVISON127はかなり良い像を見せてくれます。
昼間に「残雪」などの真っ白を見ると最新のAPやTMB、TSAよりも明らかに残存色収差を感じます。硝材も違うので如何ともしがたいところです。が、これはこれでかなりよく見えます。普通の200倍程度の眼視ならば十分すぎるくらい見えています。特に中心像はすばらしい。ほんの少しコントラストが低いかもしれませんが、ほとんどの人は気がつかないと思います。1/3の価格でこれだけ見えること自体がすばらしい。
ではなぜこのような廉価で高性能の屈折もあるのか・・・その大きな理由は大量生産です。そしてもう一つはブランドのクオリティーコントロールだと思います。私自身は光学系に関しては、どこの会社がレンズを磨き、そしてどの程度のクオリティーコントロールをしているのかがキモだと考えています。

以上のことを踏まえて生涯の伴侶となるべき10cm屈折を選んでみました(一夫多妻制です)。私は4枚玉でかなり苦労したのでここは3枚玉2枚玉のアポで探します。一応現行機種です(多分・・・)。私の考える候補は以下です。

  TV102/ 880 (NP101/540)
  TSA102/816 (FSQ106/530)
  APM/LOMO 102/650 102/800
  APM/LZOS 105/650 100/800 115/805
  TEC110/616(今年の年末あたりに発売)

TSAとTVは間違いなくよく見えます。ただし、TV102のわずかな残存色収差は許容しなければなりません。NP101は数本見ており私自身も3本所有していました。残存色収差はありません。コントラストが高くすばらしいけれど、どれ一つとして同じ星像ではありませんでした。誤解を恐れずに言えばコンスタントに大当たりというわけではないと思います。4枚玉なのでこれは仕方がないことだと思います。これとのトレードオフに単焦点による広視界と凄くフラットな視野を提供してくれます。いずれにしても白眉と言っていいでしょう。
TSAはよく見えます。驚くほどすばらしい像です。間違いないです。でも、スマートさに欠ける、と思います。眼視に限ればTVのシステムが快適です。良い望遠鏡ですが、ある意味ポピュラーです。ここは趣味ですし、あまり見かけない望遠鏡を選んでみたくなります。

前述のリストにはTMBが入っていません。TMBはとても良い望遠鏡ですが、ほんとうに残念なことになりました。このTMBが使っていたレンズがLOMO/LZOSです。APMとの関係は複雑だし今回の主題から外れるので言及は避けます。いずれにしても1本ごとにきちんとした測定結果がついてきます。ちなみにLOMOはレニングラード光学機器協会、LZOSはルトカリノ光学レンズ工場のことです。それぞれの詳細は省略しますが、LOMOはstrehl 96%以上、特別なLZOSは98%以上を保証しているようです。私はこれらのレンズをドイツ製の鏡筒に組み込んだのがAPM/LOMOやAPM/LZOSだと理解しています。

TECは以前所有していましたが、これまたすばらしい望遠鏡です。TOA130とTEC140を並べられたら迷わずTECを選びます。光学性能に関しては300倍まではTEC、それ以上はTOAです。これは明らかです。それを踏まえた上で光学性能と使いやすさのバランスがよく取れているTECを選びます。TEC110/715は楓林舎で使っていますが、良い鏡筒です。最新の鏡筒には半歩譲りますが、10mmの余裕は明るさと解像度に効いてきます。もうありませんが、良い鏡筒です。TEC110/616についてはよく分かりません。フローライトを硝材に使うそうですが、あまりにもF値が小さいので二の足を踏んでしまいます。

というわけでAPMが第一選択ですね。APMでもLOMO/LZAOSが私は良いと思います。最近はAPMのシングルネームで鏡筒が出てきているようですが、まだ見たことがないのでよく分かりません。

結論です。
10cm屈折を短めと長めで選択しました。10cm屈折は何本あっても楽しいモノですからどうぞご容赦ください。でも、いざ手に入れるとなると至難の業ですね。

  APM/LZOS 105/650(またはAPM/LOMO 102/650)
  APM/LZOS 100/800(またはAPM/LOMO 102/800)

(別格:APM/LZOS 115/805これはずるいと思います。さすがに15mmの差は大きく、見えすぎます。)
 
5月24日    10cm屈折鏡筒
オーナー1の仕事は4月いっぱいで一段落したはずなのに、なぜかその残務のようなことで毎日忙しく働いています。これが5月末まで続きます。5月は天気も良くなり、シーイングも安定してくる時期なので、いっぱい星を見るぞ! と思っていたのに予定外でした。その上、週末には、どうしても出なければならない会合&飲み会が連続してあって、週末も星見は無し。そんなことで、なかなかこのページも更新されずにいました。
頻繁にここを見に来てくれている皆様、申し訳ありませんでした。

5月15/16日には、望遠鏡ランキングでおなじみのY田さんたちの「望遠鏡オフ2010in小淵沢」がありました。オーナー1・2で行くはずだったのですが、オーナー1は前記の飲み会のため、やむなく不参加となりました。オーナー2だけ行ってきましたが、ものすごいものを見てきたようです。その様子についてはそちらのサイトをご覧ください。オーナー1所有のMaxvision127もオーナー2に持って行ってもらい、鏡筒だけ参加してきました。ツァイスやAPの鏡筒に混じって互角に近い活躍をしてきたようです。値段は1/4です。

最近オーナー1・2で、10cmクラスの屈折鏡筒について話をしています。最近あちこちから新製品が出てきて、選択肢は増えたけど、本当にいいものは少ないようです。以下、オーナー2から来たメールです。オーナー1だけで独占するにはもったいない情報なので、その一部をここに公開します。
なお、オーナー1はTV76を買うことにしました。近いうち注文します。


回折リングがキレイに見える屈折は人を幸せにしますよね。でもそのような屈折はなかなか無いです。
3枚玉以下で8cm-10cmクラスを幾つかあげてみます。
  TV76/TV85/TV102/ (NP101)
  TSA102/FSQ85/FSQ106
  (おそらく)MAXVISON102
  APM/LOMO 80/480 80/600 102/650 102/800
  APM/LZOS 105/650 100/800 115/805
  TEC110

TSAとTVはOKです。でもTMBはもう消滅したし、こうなったらAPMが第一選択ですね。APMでもLOMO/LZAOSでないとダメ。
私自身はあまり見かけない以下の鏡筒があれば最高に幸せです。でも、手に入れるのは至難の業です。

APM/LOMO 80/600(またはAPM/LOMO 80/480)
APM/LZOS 105/650(またはAPM/LOMO 102/650)
APM/LZOS 100/800(またはAPM/LOMO 102/800)
 
5月10日    βーSGR
β-SGRを昨年末に購入しましたが、しばらく仕事が忙しかったため、放置されていたものを初めて動かしてみました。使い方もわからず、設定はほぼデフォルトのままで、適当に操作しましたがとりあえず動きました。そして、V字ではなく放物線(? 3次以上かも)のグラフを描いてくれて、曲線のてっぺんを推奨位置としてそこに移動してくれました。だいたい期待通りの動作をしてくれましたが、「あれ?」という部分もありました。こちらが操作法やパラメーターの設定がイマイチだったからかもしれないので、それについてはもう少し操作してからにします。

明らかな問題点もありました。
1.25E赤道儀駆動用のパソコンにβ-SGR制御ソフトを入れて、関連するすべてのソフトを動かすと、β-SGRをはじめいくつかのソフトが異常終了してしまう。
2.TOA130F&TOA150用のβ-SGRは、接眼部の回転装置を外してそこに取り付ける。これだとカメラが回転できなくなり、構図が決められない。
3.β-SGRが2セットあればPCも2セット必要。
4.写真撮影時はただでさえコードだらけになるのに、β-SGR1セットに付きさらに4本増える。

1.については、このとき、少なくとも次のソフトが動いています(カメラがSEO-COOLED40Dの場合)。
 ・ATLASTAR   ・ステラナビゲーター   ・β-SGR
 ・EOSユーティリティー   ・ヴィールスバースター
このほか、多数の天文ソフトやカメラ関係のソフトがインストールされています。
この状態では、ステラナビゲーターとβ-SGRが異常終了してしまい、使い物になりませんでした。
天文台にある1台目のパソコンは赤道儀の駆動専用とし、以下のソフトのみを動かすようにしました。
 ・ATLASTAR   ・ステラナビゲーター   ・オートガイダー   ・ヴィールスバースター
2台目のパソコンは
 ・β-SGR   ・EOSユーティリティー及び関連ソフト   ・ヴィールスバースター
現在、β-SGRがε180EDとTOA130Fに付いているので、同時に使うには3台目のPCが必要です。

下の写真は、このときに撮影したM10です(中央部をトリミング)。これでピントが合っていると言っていいのか? いけないと思いますが、適当に動かしてこれですから、きちんとやればもっとシャープになるのでしょう。でも、このときはシーイングがかなり悪かったので、こんなもんで仕方ないのか。


M10 (中央部をトリミング 面積比 1/4)

TOA130F+レデューサー+SEO-COOLED40D(ISO800)
露出10分


 
5月6日     南会津が春になった
天文台日記 4月3日の同じ場所の写真です。
小さな桜ですが満開! 
この近辺の桜はすべて満開。ソメイヨシノも山桜もみんな一緒に咲いています。それどころか、梅もコブシもミズバショウも一緒に咲いています。
一気に春!

春はいいのですが、春の天体というと銀河が中心。この季節になると、春霞というほどではなくても透明度がいまいちの日が多くなります。銀河(Galaxies)は透明度が少しでも悪くなると見え方が極端に悪くなります。また、月が地平線より上にあると、いくら細くても観望になりません。これは多少たりとも光害のある空でも同じこと。
春の銀河は冬の透明度の高いうちに見ておくべきものでしょう。

ここでふと疑問に思うのは、大口径ドブを持っていても光害のない空で銀河を見たことがない人もいるのでは・・・? そういう人は、自分の望遠鏡のすごさを知らないのでは・・・?
たとえば、日光戦場ヶ原に星を見に行く人もいると思いますが、あそこの空は全然ダメです。戦場ヶ原で銀河の観望は無理。天体写真も無理。地元人間からすると、「こんなところで天体写真を撮っちゃうの!」という感じです。

日本には光害のない空というものはないのでしょうが、かなり少ない空ならまだあります。東京近郊の人が車で行って、車を止めた場所で星を見られるところというと、北に行くべきでしょう。関東地方と東北地方を分ける山脈の内側か外側かで全く違います。もちろん、外側に行かなければなりません。山をついたてにして関東の光を遮ってくれるところ。戦場ヶ原は内側、南会津は外側です。東京からの時間差は1時間以内。それで大差がつきますから、福島県側にいくべきです。
快晴の南会津ならば、20cmでも十分銀河を楽しめます。
 
5月1日     タカハシP型鏡筒改    オーナー2
タカハシP型は、オーナー2の思い出の鏡筒です。天体望遠鏡としてはエイコー10cmニュートン式反射望遠鏡に次ぐ2台目でした。製造番号は79067です。この鏡筒はP-2赤道儀との組合せで高校生の時まで活躍しましたが、その後ほぼ引退状態。そしてご多分に漏れず光学系はカビカビになってしまいました。でも思い出の鏡筒です。何とか使える状態にしたいと模索して数年目のことです。名案が提示されました。それはレンズをBORG50EDIIに交換するというものです。人によっては望遠鏡の命である光学系の全面入れ替えは抵抗があるかもしれませんが、光学系の再生ができないならばせめて鏡筒だけでも何とか使ってあげたいとの気持ちで踏み切りました。オリジナルセルを利用してそこにBORG50EDIIをセルごと入れ込む方法です。もちろんオーナー2にこんな作業はできるわけありません。セルの加工を含めいつもお世話になっているスコープライフの遊馬さんに全面的にお任せしました。

結果です。凄くいい。最高の出来栄えでした。口径は65mmから50mmと小さくなりましたが、焦点距離は全く同じ500mm。だからこのようなコンバートが成り立ったわけですが、それにしてもピッタリ。で、「その星像は?」というと、これがまたすばらしい。ほとんど色がつきません。土星をナグラーズーム3mmを使って倍率を170倍弱まで上げて観察しましたが、フォーカスの山もピンポイントで像も非常にシャープ。とてもいいレンズです。楓林舎オーナーのFC50といい勝負をするかもしれません。ラック・アンド・ピニオン式の接眼部も非常に快適。さすがに歯切り加工の職人さん全盛時代の作です。もしかしたら今の@@@@より良いかもしれません。

喜んで覗いていたらオーナー1がおもしろいことを発見しました。オリジナルの鏡筒キャップについている口径絞りの直径がほぼ50mmで新しいレンズが全くケラレないのです。あっと言う間にオリジナルキャップに植毛紙を張って迷光防止キャップが完成しました(写真のとおり黒色塗料で塗るべき箇所もまだ残っていますが・・・)。
BORG50EDIIのフードとオリジナルフードそれに合わせて迷光防止キャップで夜露と迷光対策はバッチリです。

こうして往年の名機タカハシ65mmセミアポはBORG50EDIIを利用することで小粒でもぴりりと辛い小口径アポ屈折に甦りました。中学校の時の望遠鏡を今も最高の性能で楽しむことができるとは何とも痛快です。
 
 



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