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◆ダーゴル大佐のお言葉:CD4巻

1.ダーゴル大佐、お城とニュータイプを語る(22話)

エヴァリー「わぁ、あれお城でしょ」
ダーゴル「あぁ、ノイシュバンシュタイン城だ。」
エヴァリー「ノイシュバン・・シュタイン?」
ダーゴル「またの名を白鳥の城という。バイエルン国王ルートヴィヒ2世が作らせた城だ。」
エヴァリー「へぇ~」
ダーゴル「ルートヴィヒ2世は城づくりに全ての情熱をそそぎ込んだと言われている。「菩提樹の館」と呼ばれるリンダーホーフ城。ベルサイユ宮殿を真似たヘレンキムゼー城。そして、ノイシュバンシュタイン城。多くの城を造らせたため国の財政は破綻し、ルートヴィヒは王の座を追われ41歳の若さで死んだ。」
エヴァリー「そのルートヴィヒって人、悪い王様だったのね」
ダーゴル「フフフ、バイエルン王国の国民にとって、たしかに歓迎すべからぬ国王だっただろう。だがルートヴィヒの情熱のおかげで今我々はこうしてドイツロマン主義の傑作を目にすることが出来る」
エヴァリー「ジャック・ブルームと一緒に旅をしながら、いろいろなお城を見てきたけどあんな綺麗なお城初めてだわ・・」
ヘリがノイシュバンシュタインに到着
エヴァリー「空気がひんやりしてる」
ダーゴル「アルプスの山々を越えて、澄んだ冷たい空気が吹き下ろしているのだ」
マリーサ「ダーゴル大佐」
ダーゴル「ナジス大尉、私はエヴァリーに城の中を案内する。作戦会議は一時間後に行う。」
マリーサ「・・わかりました」
城の中へ
ダーゴル「ルートヴィヒはワーグナーという音楽家を崇拝していた。」
エヴァリー「ワーグナー?」
ダーゴル「知っているかね?」
エヴァリー「うぅん」
ダーゴル「ルートヴィヒはワーグナーの楽劇を上演させるためだけにこの美しい城を建設させたのだ。アルプスをのぞむこんな険しい岩山の上にな。だがワーグナーは生涯一度もこの城を訪れることはなく、ルートヴィヒは自分の願いを果たせずに死んでいった。」
エヴァリー「へぇ・・・大佐は、ワーグナーって人の曲が好きなのね」
ダーゴル「そうだな。聞くものに力を与える。それがワーグナーだ・・・。エヴァリー、君はホンコンからヨーロッパまで旅してきたというが地球の環境がどんな状態なのかわかったかね?」
エヴァリー「えぇ。海があんなに汚れてるなんて・・・悲しかった。たくさんビニールが捨てられていて、ちっとも回収出来ないって船乗りの人が言ってた。陸に上がっても緑が少なくて砂漠ばっかり続いて。私、自分の住んでいた島が作られた楽園なんだって言われても信じなかった。でも地球を半周してみてやっとあの時の言葉が嘘じゃなかったってわかったわ。・・・ねぇ大佐、どうして地球はこんな状態になってしまったの?」
ダーゴル「全ての原因は人間だ。」
エヴァリー「え?」
ダーゴル「人間の飽くなき欲望が科学技術の発展を促し、その結果取り返しがつかないほど環境を汚染してしまったのだ。だが同じ人間がこのノイシュバンシュタインのような素晴らしい芸術作品を生み出す。人間とは不思議な生き物だ。」
大佐・・・そのお言葉微妙に地球逆移民計画と矛盾が生じるような・・・
エヴァリー「地球はどうなってしまうの?」
ダーゴル「地球がどうなるかではない。我々人間が地球をどうするかだ。方法さえ間違わなければわれわれはこの城のように自然と調和しながら存在することが出来る。その意味でこのノイシュバンシュタイン城はマハのやろうとしていることを象徴している。私はこの城を地球逆移民計画のシンボルとするつもりだ」
エヴァリー「・・・ねぇ大佐。どうして私だけここに連れてきたの?私を人質にしてアフランシを捕まえるつもりなの?」
ダーゴル「そのような卑怯なことはしない。私はもう一度アフランシと話し合いたいと思っている。そのために君を手元に置いた。私の気持ちはジャック・ブルームがアフランシに伝えているはずだ。」
エヴァリー「アフランシと話し合って、それでどうするつもり?」
ダーゴル「彼が私の力になってくれればそれが一番いい。」
ウルよりははるかに役に立ちそうですからね
エヴァリー「どうしてアフランシが大佐の力になるの?マハとメタトロンは戦争してるんでしょ」
ダーゴル「メタトロンはアフランシをリーダーに祭り上げた。だが、アフランシは地球育ちだ。なによりも地球を愛し、地球と共に暮らす術を知っている。だからこそ私とアフランシは手を携えて地球を甦らせることが出来る。だが、シャア・アズナブルという過去の英雄に拘るメタトロンがアフランシの自由な行動を妨げている。」
エヴァリー「でも・・・アフランシはシャア・アズナブルの血を受け継いでいるんでしょ。宇宙に上がってニュータイプになるって。」
ダーゴル「ニュータイプか・・・フフフフ、人の革新か。実に曖昧な言葉だ。宇宙移民はニュータイプという言葉を都合よく解釈して使ってきた。パイロットとしての適正能力があるとしても、それは人の持つ潜在的な能力が宇宙空間に出て拡大したに過ぎず、それは人類が進化した姿ではない。一人や二人特別な人間が顕れたからといってそれで新しい人類の出現と言い切るのはおかしい。人類全てが一挙にニュータイプになったその時初めて人が革新したといえるのだ。」
エヴァリー「じゃあ・・・ニュータイプって嘘なの?」
ダーゴル「私は否定も肯定もしない。だが人が宇宙で暮らすようになってたかだか200年だ。生物学的に人が革新する可能性はない。いいかね、エヴァリー。ホモ・サピエンスとしての人が新たな種に進化するには、気の遠くなるような時間がかかるものなのだ。」
エヴァリー「じゃあ、アフランシは・・・アフランシはいったいなんなの?」

2.ダーゴル大佐、訓辞とノイシュバンシュタインへの思いを述べる(22話)

ハリー「総員その場で聞け。ただいまよりビジャン・ダーゴル大佐の訓辞がある」
ダーゴル「我らスペース・マハは歴史的なクーデターを敢行し、腐敗しきった地球連邦政府に正義の鉄槌を下した。今、地球連邦政府の機能はその大部分をマハが掌握しつつある。この青き水の星は、われら人類が神から賜ったものである。我々はこの星の自然を甦らせるという崇高な目的を持って地球に舞い降りた。このバイエルンは質実剛健な土地柄であったと聞く。われらマハの本拠地を築くのにふさわしい場所である。私はこの地に新しい地球連邦政府を樹立する考えである。地球圏の繁栄のため、人類の輝かしい未来のため、この私に力を貸して欲しい。諸君のいっそうの奮闘を期待する。マハが勝利する日は近い。」
わき上がる兵達の歓声
ハリー「大佐!大変に素晴らしいお言葉でした。兵士の志気もすこぶる高まることでしょう。」
ダーゴル「艦隊の編成作業のほうはどうだ」
ハリー「はい、少しの遅れも出ておりません。メタトロンの妨害もありませんし、順調そのものです」
マリーサ「ダーゴル大佐、ヘリの準備が出来ました」
ハリー「ノイシュバンシュタイン城へ戻られるのですか?出来ればこのままマハ・ゲイジスに留まっていて欲しいですな。」
ダーゴル「事務レベルのことは幹部の裁量に任せる。私が出しゃばる必要はない。」
部下に出来ることは部下に任せる。大佐は理想の上司です
ハリー「はっ、わかりました。」
そしてヘリに乗り込む大佐。
マリーサ「大佐、エヴァリーを自由に振る舞わせていいのですか?」
ダーゴル「ん、城の中だけだ。別に問題はない。彼女が破壊活動をするとでも思っているのか?」
マリーサ「いいえ。ですが大佐がなぜエヴァリーを特別扱いするのかわかりません。」
ダーゴル「エヴァリーは私とアフランシをつなぐ役割があるのだ」
マリーサ「大佐とアフランシを?大佐はアフランシがマハに協力する可能性があるとお思いですか」?
ダーゴル「いや、アフランシは一人になってもマハに抵抗するだろう。私はメモリークローンとしてのアフランシに興味を持っているのだ」
マリーサ「メモリークローン・・・」
ダーゴル「ナジス大尉、ノイシュバンシュタイン城が見えてきた。緑深い森の中にそそりたつ白亜の城。何百年もの歳月が刻まれても少しもその輝きを失ってはいない。」
マリーサ「えぇ、あの城はそれだけで素晴らしい芸術作品です」
ダーゴル「その通りだ。芸術は永遠の命を持つがそれに引きかえ、人生は短い。私は永遠の命を手に入れるためもう一度アフランシ・シャアと会う必要があるのだ。」
マリーサ「永遠の命・・・メモリークローンのことですか?」
ダーゴル「永遠に引き継がれる記憶。ロマンをかき立てられる言葉だとは思わないか?」

3.ダーゴル大佐、ウルの戯言を聞く その1(24話)

マリーサ「大佐、ウリアン少尉が大佐に面会を求めていますが」
ダーゴル「ウルが?・・・わかった。ここに呼べ。」
マリーサ「はい」

4.ダーゴル大佐、ウルの戯言を聞く その2(24話)

ウル「ウリアン少尉参りました」
ダーゴル「ウル、メタトロン討伐部隊の任務をといたつもりはないが」
ウル「自分はアフランシ・シャアに負けました。大佐の期待に答えられないと判断し撤退したのです」
ダーゴル「そうか。わかった。メタトロン討伐はホンコンマハに任せよう」
ウル「それが大佐の本音ですか。」
ダーゴル「何が言いたいのだ」
ウル「大佐は私が当てにならないと思いホンコンマハを呼び寄せた。もう私は大佐の役には立たないのですか?」
ダーゴル「ウル、マハはエリートの集まりだ。エリートとはなんだ?」
ウル「常に向上心をもって、努力する人間のことです」
ダーゴル「そうだ。私はお前にそう教えてきたつもりだ。だがお前はアフランシ・シャアにこだわり続け、私の忠告に耳を貸そうともせず、奴を倒すために安易な道を選んだ。私はお前を買いかぶっていたようだ。」
Σ( ̄□ ̄;)今更お気づきになられたのですか・・・
ウル「大佐・・・」

5.ダーゴル大佐、ウルの戯言を聞く その3(24話)

ダーゴル「ウル、ここに何をしに来た。私に許しを乞いに来たのか?そうではあるまい。」
ウル「ダーゴル大佐・・・」
ダーゴル「ほぅ、私を殺すというのか」
拳銃を向けられてもこの落ち着きよう。さすが、大佐は大物です
ウル「世界を手に入れたいのです。世界をこの手に。」
ダーゴル「フッフッフッフッ・・・ハッハッハッハツ・・・・」
ウル「大佐!」
ダーゴル「ウル、私を殺したからといってそれで世界を手に入れられると思っているわけではないだろ。お前はそれほど愚かではない。」
大佐・・・この期に及んでもまだウルを信じるのですか?
ウル「いいえ!自分が大佐に代わってマハを・・・」
ダーゴル「ウル・ウリアン!お前をそこまで追いつめたのはアフランシ・シャアの存在ではない。お前自身の弱さだ!」
ウル「大佐・・・」
そこに衛星軌道上からミサイルが!
ウル「あっ!」
ダーゴル「どうした?!」
兵「衛星軌道上よりミサイル攻撃です!」
ダーゴル「なにッ・・・迎撃しろ。それからスェームズ艦長に至急こちらに来るよう指示しろ」
兵「ハッ」
ウル「大佐・・・」
ダーゴル「この攻撃メタトロンか?・・いや、アフランシがこのような攻撃をするはずがない」
言い切っておりますな、大佐(^^;)

6.ダーゴル大佐、作戦を立て直す (24話)

マリーサ「衛星軌道上からのミサイルはその大半を迎撃しました。ですが、我が軍の被害も甚大です」
ダーゴル「各艦艇に被害状況を知らせるよう通達しろ。
マリーサ「はい」
ハリー「大佐、第2波のミサイル攻撃がある前にバイエルンを撤退すべきです。戦力を立て直し、次の作戦行動に移るのが得策でしょう」
ダーゴル「いや。マハはバイエルンに留まる。我々は地球連邦軍の攻撃などに屈しはしない。」
ハリー「ですが」
ダーゴル「我々は地球連邦政府の政治家や官僚を人質に取っている。だからミサイル攻撃はない。私はそう見ていた。だが、宇宙にいる連邦政府の役人どもは人質を見捨てた。これはなかなか興味深い展開だ。」
ハリー「といいますと?」
ダーゴル「捨てられたと知った政治家や官僚はマハの側につく。彼らの人脈はマハにとって力となるはずだ」
ハリー「腐りきった政治家どもを仲間にするとおっしゃるのですか?」
ダーゴル「仲間にはしない。利用するだけだ。」
ここで協力した政治家や官僚は以後処罰を受けるんでしょうね・・・
ハリー「ハッハッハッハッ・・・・・なるほど。よくわかりました。では、第2波のミサイル攻撃に備えて部隊を再編成しましょう。・・・・・・・・・・大佐、アフランシ・シャアの動きが気になりますが。」
ダーゴル「ホンコンマハがうまくやってくれる。」
ハリー「ジャン・ウェン・フー少佐ですか。あの男は頼りになります」
ダーゴル「あぁ。余計な野心がない分だけウリアン少尉より使える。」

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